JP2001104966A - 廃水中のアンモニア及び(または)アンモニウム イオンの除去と回収方法 - Google Patents

廃水中のアンモニア及び(または)アンモニウム イオンの除去と回収方法

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JP2001104966A
JP2001104966A JP28220899A JP28220899A JP2001104966A JP 2001104966 A JP2001104966 A JP 2001104966A JP 28220899 A JP28220899 A JP 28220899A JP 28220899 A JP28220899 A JP 28220899A JP 2001104966 A JP2001104966 A JP 2001104966A
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ammonium
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Yuzo Inoue
雄三 井上
Masaru Tanaka
勝 田中
Yasuo Hayashi
泰雄 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経済的で実用性に優れた、アンモニア並び
にアンモニウムイオンの除去と回収のための新しい物理
化学的処理方法を提供する。 【解決手段】 リン酸マグネシウムアンモニウム6水
塩:MAP粒子を加熱することによってMAP粒子内の
アンモニア及び結晶水を放出させた粒子:H−MAPを
アンモニア及びアンモニウムイオンの少くともいずれか
を含む廃水と接触させ、これを粒子に吸収して除去、回
収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は廃水中のア
ンモニア及び(または)アンモニウムイオンの除去と、
アンモニアの回収方法に関するもので、特に高濃度のア
ンモニア及びアンモニウムイオンを含む下水、し尿・浄
化槽汚泥、畜産廃水、各種産業廃水などに適用される方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、水中のアンモニアやアンモニ
ウムイオンを除去する方法として、生物学的硝化脱窒
法、或いはゼオライト吸着法やアンモニアストリッピン
グ法等の物理化学的方法が公知である。しかしながら、
例えば生物学的脱窒法はアンモニウムイオンを亜硝酸イ
オンNO2 - 或いは硝酸イオンNO3 - に酸化する硝化
行程とそれらを脱窒素する脱窒素行程を必要とし、複雑
かつ高度な処理技術並びにコストを要する設備を必要と
する。一方、物理化学的な方法としてはほとんど実用化
されていないのが実情である。
【0003】廃水処理法としての物理化学的な方法で
は、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩:MAP造
粒脱リン法という技術が実用化されているが、このMA
P造粒脱リン法は廃水中のリンを除去するための技術で
あり、MAP結晶形成にはリン酸イオン及びアンモニウ
ムイオンと等モル量のマグネシウムイオンが必要とな
る。このため、MAP造粒脱リン法は廃水中にマグネシ
ウムイオンが必要量含まれている場合には効果的である
が、含まれていない場合には必要量を添加しなければな
らなくなり、そのため維持管理費用が増加し、資源回収
という効果が希薄になる傾向にある。そこで豊富にマグ
ネシウムイオンを含む海水を利用した技術が提案されて
いる(公開特許No. 平10−249359及び平10−
235374)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のMAP造粒脱リ
ン法は、主として廃水中のリン酸イオンを除去・回収す
るための技術であるが、MAPは、アンモニウムイオン
を構成成分としていることから、このMAPを用いての
アンモニアあるいはアンモニウムイオンを回収除去する
ことが考えられる。
【0005】しかしながら、廃水中に含まれる化学物質
の中でリン酸イオン濃度はアンモニウムイオンに比べて
低く、高濃度廃水の処理を行う場合においてもアンモニ
ウムイオンの3,000mg/リットルに対してリンで
300mg/リットルであり、MAP造粒脱リン処理で
は除去できるアンモニアは高々200mg/リットルで
あり、高濃度のアンモニウムイオンが未反応のまま残っ
てしまうという問題がある。MAP造粒脱リン法でアン
モニウムイオンを低濃度にまで除去するには、リン酸ま
でもアンモニウムイオンに当量分添加しなければならな
い。したがって、MAP造粒脱リン法によるアンモニウ
ムイオンの除去は実際的には採用されないのが一般的で
ある。
【0006】このため、アンモニウムイオンを除くため
には、一般的には生物学的硝化脱窒素法を利用しなけれ
ばならないが、前記のように、生物学的な処理法は高度
な技術及びコストに課題を抱えている。
【0007】近年畜産廃水や大量の肥料散布或いは生活
廃水によって地下水や河川の窒素酸化物の濃度が高ま
り、窒素酸化物を水道水質基準の監視項目及び環境基準
項目として設定されたように、これらの排出源からの無
機窒素の排出削減が急務となっており、特に畜産系廃棄
物からの低コストの窒素除去技術が求められている。
【0008】このような状況において、より経済的で実
用性に優れた物理化学的処理方法の実現が急務とされて
いるところである。実際、物理化学的なアンモニア及び
(または)アンモニウムイオンの回収方法として、ゼオ
ライトによる回収技術が提案されているが、吸収量が高
々150moq/100gゼオライト、つまり2.5g
アンモニア/100gゼオライト(2.5%の吸着率)
と低いことが大きな課題であり、実用性が低い。
【0009】そこで、この出願の発明は、以上のとおり
の従来技術の限界を克服して、経済的で実用性に優れ
た、アンモニア並びにアンモニウムイオンの除去と回収
のための新しい物理化学的処理方法を提供することを課
題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、第1には、リン酸マグネ
シウムアンモニウム6水塩:MAP粒子を加熱すること
によってMAP粒子内のアンモニア及び結晶水を放出さ
せた粒子:H−MAPを、アンモニア及びアンモニウム
イオンの少くともいずれかを含む廃水と接触させ、これ
をH−MAP粒子に吸収して除去することを特徴とする
アンモニア及び(または)アンモニウムイオンの除去方
法を提供する。
【0011】また、この出願の発明は、第2には、上位
の方法におけるアンモニア及び(または)アンモニウム
イオンを吸収したH−MAP粒子を乾燥、加熱すること
によりアンモニウムガスを回収することを特徴とするア
ンモニア回収方法を提供する。
【0012】さらにまた、この出願の発明は、第3に
は、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩:MAP粒
子を加熱することにより粒子内のアンモニア及び結晶水
を放出させた粒子:H−MAPを用いての廃水中からの
アンモニア及び(または)アンモニウムイオンの除去と
回収方法であって、以下の工程: H−MAP粒子とアンモニア及びアンモニウムイオ
ンの少くともいずれかを含む廃水との接触によるH−M
AP粒子へのアンモニア及び(または)アンモニウムイ
オンの吸収、 アンモニア及び(または)アンモニウムイオンを吸
収したH−MAP粒子の廃水からの分離、 熱風乾燥によるアンモニアの放出と必要に応じての
その回収、並びにH−MAP粒子の再生。 を繰り返すことを特徴とする方法も提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】この出願の発明は上記のとおりの
特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態につい
て説明する。
【0014】この出願の発明はMAP結晶粒子中に存在
するアンモニア分子及び結晶水をたとえば105℃付近
で加熱処理することによって放出させ、ルーズな結晶と
して、リン酸水素マグネシウム:MAPを主体とする、
もしくはこのMAPを含有する結晶粒子:H−MAPを
形成させることによって、再びアンモニア及び(また
は)アンモニウムイオンを含んだ廃水に接触させること
でアンモニア及び(または)アンモニウムイオンを結晶
内に結合(吸収)させ、廃水中からアンモニア及び(ま
たは)アンモニウムイオンを大量に除去することを可能
としている。
【0015】そして、この発明の方法では、MAPの加
熱によるアンモニア放出及びH−MAP(ルーズな結晶
構造を持ったMHP粒子)へのアンモニア及び(また
は)アンモニウムイオンの吸収による再MAP化、及び
再MAP粒子の加熱によるアンモニアの回収とH−MA
P粒子生成の一連の操作を繰り返し行うことができるの
で、一度MAPを投入したらその後の材料の投入はいっ
さい必要とせず、たとえばpH9.5のコントロールの
ための調整剤の費用のみとなる。さらにはMAP造粒法
に比べて、アンモニア及び(または)アンモニウムイオ
ンの除去反応が結晶格子内へのアンモニアの移動と結合
のみで進行するので除去速度が極めて速く、効率的であ
る。
【0016】さらに、この発明では上記ルーズなMHP
粒子、すなわちH−MAP結晶粒子へのアンモニアの結
合の逆反応−アンモニア脱離反応がMAP粒子を加熱処
理することによって起こる。このアンモニア放出の逆反
応を利用して廃水中から除去し、MAP中に捕捉された
アンモニア及び(または)アンモニウムイオンをアンモ
ニアガスとして回収することが可能となる。
【0017】以上の特徴を主な化学反応式として示すと
次のとおりとなる。
【0018】
【化1】
【0019】たとえば、この反応式から、次のことが理
解される。つまり、MAP造粒脱リン法と生じている反
応が全く異なり、100〜120℃の温度で、1〜15
時間加熱処理されることによってアンモニア及び結晶水
が放出され、結晶格子がルーズになったMHPを含むも
しくはこれを主体とするH−MAP粒子にアンモニア及
び水分子が侵入・反応し、再びMAPを形成し、水中か
らアンモニアを除去することが可能となる。また、アン
モニア及び(または)アンモニウムイオンを吸収したH
−MAPは加熱処理によりアンモニアを放出させること
で、繰り返してMAPを使用でき、MAP造粒法で行わ
れているマグネシウムイオンの補給が全く必要なくな
る。さらにはこのアンモニア及び(または)アンモニウ
ムイオン吸収反応と同時に廃水中に始めから含まれるマ
グネシウム或いはリン酸イオンについては新たにMAP
が形成される自己増殖的MAP生産が起こるので、最初
に供給されたMAPは補給が全く必要なくなるだけでな
く、過剰のMAPは肥料として回収も可能となる。さら
には造粒法と異なり粒子内へのアンモニアの移動と結合
反応のみで除去が進行するので(造粒法の場合は造粒
(結晶化して粒子状になる)時間が必要)、反応速度が
極めて速くなり、施設コストを飛躍的に低減できる。
【0020】以上のとおりのこの出願の発明によって、
廃水からアンモニア及び(または)アンモニウムイオン
を極めて効率よく除去することができる。特に近年注目
を浴びている生ごみ及びし尿処理汚泥、或いは豚糞及び
牛糞等畜産廃棄物の高効率嫌気性消化槽において生じて
いる高濃度アンモニウムイオン阻害を取り除くという効
果を持っている。また、MAPを加熱することによって
アンモニアを資源として回収できる。さらに、再びアン
モニア及び(または)アンモニウムイオン吸収剤として
加熱処理MAPを再利用することが可能となる。
【0021】そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく
発明の実施の形態について説明する。
【0022】
【実施例】(比較試験例)試薬MHPによるアンモニア
の吸収 試薬MHP粒子を0.5g、1.0g、2.5g、及び
5.0gを密閉型反応器に入れ、pH9.4のパッファ
ー溶液を入れ500ミリリットルにする。これらの反応
器にアンモニウムイオン濃度が100mg/リットルに
なるように塩化アンモニウム溶液を加え、1時間攪拌接
触の後に溶液の残存アンモニウムイオン濃度を測定し
た。得られた結果を表1に示す。初期アンモニウムイオ
ン濃度100mg/リットルの合成廃水に対してMHP
の添加濃度を多くするにしたがって除去アンモニウム量
は多くなり、MHP粒子によってアンモニアが吸収・除
去されている。その除去量はMHP全量の0.8〜5.
3%に達している。本比較例ではアンモニウムイオン除
去率80%以上を得るのに必要なMHP添加量(2.5
及び5g/リットル)において、アンモニウムの単位除
去量は2%以下になり、次に示すH−MAPの吸収量に
比べて効果的なアンモニウムイオンの吸収除去は困難で
ある。
【0023】
【表1】
【0024】(実施例1)H−MAPによるアンモニウ
ムイオン吸着試験 本実施例は、前記の比較試験例における試薬MHP粒子
によるアンモニウムイオンの吸収除去の問題点を解決す
るために、MAP粒子を加熱することによってルーズな
結晶構造のMHPを形成させ、それによってアンモニウ
ムイオンの効果的な吸収除去を検討、実証するための具
体例である。比較試験例と同様な反応器にH−MAP粒
子を0.5g、1.0g、2.0g、および3.0gを
密閉型反応器に入れ、pHコントローラを利用してpH
を9.5に調整する。これらの反応器にアンモニウムイ
オン濃度が400mg/Lとなるように塩化アンモニア
溶液を加え、0.5時間攪拌接触の後に溶液の残存アン
モニウムイオン濃度を測定した。同様に得られた結果を
表2に示す。接触時間を0.5時間としたのはH−MA
Pの場合、反応速度が非常に速く、30分で平衡濃度に
十分達しているからである。これに対してMHPの場合
には平衡濃度に達するのに2倍の時間が必要となる。初
期濃度400mg/Lの合成廃水に対してMHP粒子に
よるアンモニウムイオン除去実験と同様、H−MAP粒
子の添加濃度を多くするにしたがって除去アンモニウム
イオン量は多くなっている。その除去量はH−MAP粒
子の6.2%〜11.7%に達しており、比較試験例で
利用したMHPに比較して除去量が飛躍的に改善されて
いる。特に除去率93%においてもH−MAP粒子単位
重量(g)当たり、6%以上のアンモニウムイオン除去
量の能力を持っている。
【0025】
【表2】
【0026】(実施例2)アンモニウムイオン含有廃水
とH−MAP接触反応におけるpH条件 本実施例では実施例1と同様な密閉反応器を用いて、M
AP粒子或いはH−MAPを2.0g/Lを予めpHを
8、8.5、9、9.5、10、10.5、11にpH
コントローラーで調整した溶液中に入れ、1時間後のア
ンモニア及びマグネシウムイオンの濃度を測定した。p
Hは連続的に設定値になるようにコントロールを継続し
た。MAP粒子の溶出実験はアンモニウムイオン吸収プ
ロセスにおける成分イオンの溶出濃度を、またH−MA
P粒子の溶出実験はアンモニウムイオン吸収プロセスの
初期段階における溶出を検討したもので、最適pH条件
はこれらの構成成分がなるべく溶出しない条件となる。
図1及び図2はそれぞれ、MAP粒子及びH−MAP粒
子によるアンモニウムイオンとMgイオンの溶出濃度を
示したものである。これらの結果から最適なpH条件は
9.5となる。 (実施例3)MAPからのアンモニア放出条件 試薬MAP粒子5.0g秤量し、カラムの中に入れ、高
温槽内で80、105、120℃の条件で24時間通
気、放出されたアンモニアを希硫酸溶液に通し、濃度変
化を一定時間ごとに測定して放出量を求めた。24時間
後の放出量の結果を表3に示す。表から80〜120℃
の加熱範囲での加熱条件ではどの温度で加熱しても24
時間後には70%程度のアンモニア放出率になることが
明らかになった。しかし、80℃では放出速度が他2条
件と比較すると遅くなった。
【0027】
【表3】
【0028】さらに温度条件として100〜250℃の
範囲でMAPを3時間以上加熱し(100℃条件では2
4時間、150℃以上では3時間)、H−MAP粒子の
窒素成分とリン酸成分含量を測定した。その結果を図3
に示す。100℃の加熱処理後のMAP中アンモニアの
含有率は3.4%であるが、加熱温度を150、20
0、250℃と上げるにしたがって3.2%、2.2
%、1.2%と低下している。特に150℃以下になる
と急激に低下している。リン酸についても同様な傾向が
現れている。リン酸は熱分解されない限り、含有率が低
下することはない。分解が起こる場合、酸素が1原子は
ずれてピロリン酸−P2 7 に、或いは脱水素されて、
三塩基リン酸−(PO4 2 となることが予想される
が、このような反応が起こるとリン酸の割合が低下す
る。図3に示したようにリン酸含有率は100℃では6
4.7%、200℃では51.6%、そして250℃で
は39.8%となっており、150℃以下になると急激
に低下している。MAPが完全にMHPに変化するとリ
ン酸の含有率は78.9%になることからリン酸含有率
の低下は加熱処理によってリン酸水素基以外のリン酸に
変化している可能性を示唆している。リン酸水素以外の
リン酸に変化するようなことが起これば、本請求技術で
提案しているMAPの繰り返し利用によるアンモニウム
イオンの除去・回収プロセスが提案できなくなる。
【0029】以上の結果から高温加熱では急激な化学変
化を起こす恐れがあることから、105℃による加熱を
最適な加熱温度条件と設定することができる。 (実施例4)MAP粒子の加熱処理(アンモニアの放出
・回収)、アンモニア含有廃水との接触、加熱処理の一
連の繰り返し操作法の実証 繰り返し操作は試薬MAP粒子5gを105℃で24
時間の加熱処理(アンモニア放出)し、500ミリリ
ットルの蒸留水が入った密閉反応器にH−MAP粒子を
添加し、pHコントローラでpHを9.5に調整し、塩
化アンモニアをアンモニウムイオン濃度200mg/リ
ットルとなるように模擬廃水を加え、攪拌しながら1時
間接触・アンモニウムイオン除去を行い、上澄みを捨
て、沈殿残渣を吸引濾過器でろ過し、24時間30℃恒
温乾燥機で風乾し、そのアンモニウムイオン吸収H−
MAP粒子を恒温乾燥機で24時間105℃で加熱処理
(アンモニア放出)し、の操作に入る。それぞれのプ
ロセスの操作の後に、一定量(約0.1g)の試料を取
りだし、その試料のアンモニア、マグネシウム及びリン
酸の含量を測定した。また、接触実験後の模擬廃水の残
留アンモニウムイオン濃度も測定して、H−MAP粒子
への吸収量を確認した。その結果を表4に示す。単位重
量当たりのH−MAP粒子のアンモニウムイオン吸収
(除去)量、同じく単位重量MAP当たりのアンモニア
放出(回収)量は4回の繰り返し実験において、その能
力がほとんど変化しておらず、平均値でそれぞれ5%、
7.8%となる。この両者の割合が異なるのはMAP粒
子とH−MAP粒子の化学組成がMgHN4 PO4 ・6
2 OとMgHPO4 のように異なっているからであ
る。一方、MgとPO4 含有率は表に示したように一定
値を示しており、H−MAPの組成変化が起こっていな
いことを示している。このことは提案して繰り返し操作
が無限に可能であることを示したものである。
【0030】
【表4】
【0031】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明によって、廃水からアンモニア及び(または)アン
モニウムイオンを極めて効率よく除去することができ
る。特に近年注目を浴びている生ゴミ及びし尿処理汚
泥、或いは豚糞及び牛糞等畜産廃棄物の高効率嫌気性消
化槽において生じている高濃度アンモニウムイオン阻害
を取り除くという効果を持っている。また、MAPを加
熱することによってアンモニアを資源として回収でき
る。さらに、再びアンモニア及び(または)アンモニウ
ムイオン吸収剤としてH−MAPを再利用することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】pHによるMAP粒子からのNH3 とMg2+
分の溶出の影響を例示した図である。
【図2】pHによる加熱処理MAP粒子からのNH3
Mg2+成分の溶出の影響を例示した図である。
【図3】MAP粒子の加熱処理による分解を例示した図
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月21日(2000.1.2
1)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】この出願の発明はMAP結晶粒子中に存在
するアンモニア分子及び結晶水をたとえば105℃付近
で加熱処理することによって放出させ、ルーズな結晶と
して、リン酸水素マグネシウム:MHPを主体とする、
もしくはこのMHPを含有する結晶粒子:H−MAPを
形成させることによって、再びアンモニア及び(また
は)アンモニウムイオンを含んだ廃水に接触させること
でアンモニア及び(または)アンモニウムイオンを結晶
内に結合(吸収)させ、廃水中からアンモニア及び(ま
たは)アンモニウムイオンを大量に除去することを可能
としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】(実施例1)H−MAPによるアンモニウ
ムイオン吸試験 本実施例は、前記の比較試験例における試薬MHP粒子
によるアンモニウムイオンの吸収除去の問題点を解決す
るために、MAP粒子を加熱することによってルーズな
結晶構造のMHPを形成させ、それによってアンモニウ
ムイオンの効果的な吸収除去を検討、実証するための具
体例である。比較試験例と同様な反応器にH−MAP粒
子を0.5g、1.0g、2.0g、および3.0gを
密閉型反応器に入れ、pHコントローラを利用してpH
を9.5に調整する。これらの反応器にアンモニウムイ
オン濃度が400mg/Lとなるように塩化アンモニア
溶液を加え、0.5時間攪拌接触の後に溶液の残存アン
モニウムイオン濃度を測定した。同様に得られた結果を
表2に示す。接触時間を0.5時間としたのはH−MA
Pの場合、反応速度が非常に速く、30分で平衡濃度に
十分達しているからである。これに対してMHPの場合
には平衡濃度に達するのに2倍の時間が必要となる。初
期濃度400mg/Lの合成廃水に対してMHP粒子に
よるアンモニウムイオン除去実験と同様、H−MAP粒
子の添加濃度を多くするにしたがって除去アンモニウム
イオン量は多くなっている。その除去量はH−MAP粒
子の6.2%〜11.7%に達しており、比較試験例で
利用したMHPに比較して除去量が飛躍的に改善されて
いる。特に除去率93%においてもH−MAP粒子単位
重量(g)当たり、6%以上のアンモニウムイオン除去
量の能力を持っている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 泰雄 東京都調布市調布ヶ丘4−3−13 Fターム(参考) 4D038 AA08 AB29 AB48 BB01 BB06 BB13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸マグネシウムアンモニウム6水
    塩:MAP粒子を加熱することによってMAP粒子内の
    アンモニア及び結晶水を放出させた粒子:H−MAP
    を、アンモニア及びアンモニウムイオンの少くともいず
    れかを含む廃水と接触させ、これをH−MAP粒子に吸
    収して除去することを特徴とするアンモニア及び(また
    は)アンモニウムイオンの除去方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法によりアンモニア及び
    (または)アンモニウムイオンを吸収したH−MAP粒
    子を乾燥・加熱することによりアンモニアガスを回収す
    ることを特徴とするアンモニア回収方法。
  3. 【請求項3】 リン酸マグネシウムアンモニウム6水
    塩:MAP粒子を加熱することにより粒子内のアンモニ
    ア及び結晶水を放出させた粒子:H−MAPを用いての
    廃水中からのアンモニア及び(または)アンモニウムイ
    オンの除去と回収方法であって、以下の工程: H−MAP粒子とアンモニア及びアンモニウムイオ
    ンの少くともいずれかを含む廃水との接触によるH−M
    AP粒子へのアンモニア及び(または)アンモニウムイ
    オンの吸収、 アンモニア及び(または)アンモニウムイオンを吸
    収したH−MAP粒子の廃水からの分離、 熱風乾燥によるアンモニアの放出と必要に応じての
    その回収、並びにH−MAP粒子の再生、 を繰り返すことを特徴とする方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005205357A (ja) * 2004-01-26 2005-08-04 Ngk Insulators Ltd アンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの吸収装置
US20110203998A1 (en) * 2007-08-21 2011-08-25 Nanjing University Method for removing ammonia nitrogen in coking wastewater

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