JP3754115B2 - 鉄道車両の製作方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両の製作方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、鉄道車両は、床ブロック、側ブロック、妻ブロック及び屋根ブロックから構成される構体構造を有し、各ブロックの縁部同士を重ね合わせて溶接にて組み立てられたものであった。
【0003】
そして、溶接歪の修正のための熱処理やハンマリング等を行い、その後で艤装品や内装品を取り付けていた。
このため、従来は、構体構造内の狭い空間内で艤装・内装作業を行わねばならず、艤装品・内装品の搬入や位置合わせ、取付に手間取るという問題があった。特に、屋根ブロック及び床ブロックへの艤装品・内装品の取り付け作業は上向き作業となり、作業性が悪かった。この結果、従来は、効率よく鉄道車両を製作することができないという問題があった。
【0004】
また、車両のモデルチェンジなどの際には、床ブロックのように流用できる部分があってもこれを使用できず、不経済であるという問題もあった。
さらに、溶接構造であるため、各ブロックには溶接に適する材料しか使用できないとか、各ブロックを同一材料にて構成しなければならずハイブリッドな構体構造を採用することができないなど、柔軟な材料選択ができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、新規な組み立て構造により、鉄道車両を効率よく製作できるようにすることを目的とし、併せて経済性の向上や柔軟な材料選択を可能ならしめることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段、発明の実施の形態及び発明の効果】
本発明は、床ブロック、側ブロック、妻ブロック及び屋根ブロックを組み立ててなる構体構造を備えた鉄道車両の製作方法において、前記側ブロックが窓ブロックと出入口ブロックとに分割され、前記床ブロック、前記窓ブロック、前記出入口ブロック、前記妻ブロック及び前記屋根ブロックの縁部に重なりを形成するようにブロックを設置し、各重なり部分には、予め一方のブロックに対して孔を形成しておき、重ねた状態にて当該孔に一致するようにもう一方のブロックに孔を形成し、こうして形成した重なり部分の貫通孔に締結体を貫通させてブロック同士を締結するようにしたものであって、
前記窓ブロック及び出入口ブロックは、車両の長手方向に複数個に分割されており、この内、妻ブロックと締結される部分の窓ブロック以外の窓ブロック及び出入口ブロックの内の少なくとも一部を除いて、床ブロックに対し窓ブロック、出入口ブロック及び妻ブロックを締結し、窓ブロックまたは出入口ブロックが締結されていない部分に車幅以上の長さを有する腕を備えた治具を設置し、屋根ブロックを前記治具で支持しながら下降させて位置を合わせて窓ブロック、出入口ブロック及び妻ブロックを屋根ブロックと締結し、その後残りの窓ブロックまたは出入口ブロックを締結するようにしたことを特徴とする。
【0007】
このため、本発明の鉄道車両の製作方法によれば、構体構造を組み立てるに当り、熱歪が加わらないので歪取りを行う必要がない。よって、各ブロックには例えば配管や配線といった艤装品はもちろん、吊手棒,灯具,空調ファン,スピーカ,荷棚,座席などといった内装品を予め取り付けておくことができる。
【0008】
また、ブロック同士を溶着しないので、締結体を破壊するなどしてやれば、車両をブロック毎に分解することができる。よって、モデルチェンジ等の際に、モデルチェンジに影響のないブロックはそのまま再利用することもでき、経済性が向上する。なお、モデルチェンジ以外にも部分的にブロックを取り替えるといった修理方法が容易に行えるという効果もある。
【0010】
そして、各重なり部分には、予め一方のブロックに対して孔を形成しておき、重ねた状態にて当該孔に一致するようにもう一方のブロックに孔を形成し、こうして形成した重なり部分の貫通孔に締結体を貫通させるようにするとよい。重ねるだけで貫通孔となるように予め各ブロックに孔を形成しておいてもよいのであるが、鉄道車両は長尺な製品であることから、製作誤差などが積み重なると孔同士がうまく一致しなくなるおそれがあるからである。従って、むしろ、このように片方にだけ孔を開けておいてもう一方については現場合わせとする方がかえって作業性を向上させるからである。
【0011】
ここでもまた、前記締結体としてロックボルト又はブラインドボルトのように軸部分とスリーブ若しくはカラー部分とを備える締結体を貫通させ、該締結体の軸部分を引きちぎりながらスリーブ若しくはカラー部分を変形させることにより所定の締結力にてブロック同士を締結するようにするとよい。これらロックボルト又はブラインドボルトのような締結体は、軸部が設計荷重にて引きちぎられるので、締結力が設計条件に一致し、信頼性の高い締結が期待できる点で有利だからである。即ち、継手強度を設計条件通りに施工することができるという利点がある。
【0012】
なお、締結体としては、ロックボルトやブラインドボルトに限らず、通常のボルト・ナットを用いることもできる。しかし、締結体としてボルト・ナットを用いた場合には、締結作業に当たってトルクレンチなどにより締め付けトルクを確認しながら作業を行う必要があるが、ロックボルトやブラインドボルトを用いた場合には、締結力の確認作業が不要となる点で、他の締結体を用いる場合よりも有利となる。これは、特に、多数の締結体を使用する鉄道車両の組立においては工期・工数の短縮に大いに寄与するところである。
【0013】
ところで、ロックボルトは一方から頭部付きの軸部を挿入し、他方からカラーをセットして軸部先端を引っ張りながらカラーを圧縮変形させる形式であるため、重なり部分の両側がある程度の開放空間を有する箇所に使用する。そのような空間が両方に確保できない場合には、ブラインドボルトを使用するとよい。逆の見方をすれば、ブラインドボルトを使用することにより、締結部分近くの艤装・内装作業をより一層進めることができるようになる。即ち、ブラインドボルトを使用し、車体の外側から締結作業を行う様にすれば、より一層作業の効率化を図ることができる。なお、ブラインドボルトと同様なものとして、例えば、プルステムタイプのリベットを使用することもできる。
【0014】
本発明の鉄道車両の製作方法においては、特に、少なくとも一部のブロックについては、艤装品及び内装品の全部又は一部を取り付けた状態にてブロックの設置及びブロック同士の締結を行うようにする。こうした先行艤装により、例えば、屋根ブロック及び床ブロックに対する艤装・内装作業を下向き又は横向きで実行することができ、作業性が格段に向上する。また、艤装・内装作業をオープンスペースで実行できるので、艤装品・内装品の搬入やセッティングも容易となる。屋根ブロック、床ブロックに限らず、側ブロックにも予め艤装等を施しておくようにするとよいことはもちろんである。
【0015】
また、本発明の鉄道車両の製作方法によれば、側ブロックを長手方向複数個の小ブロックに分割し、この内、妻ブロックと締結される部分の小ブロック以外の小ブロックの内の少なくとも一部を除いて、床ブロックに対し小ブロック及び妻ブロックを締結し、小ブロックが締結されていない部分に車幅以上の長さを有する腕を備えた治具を設置し、屋根ブロックを治具で支持しながら下降させて位置を合わせて小ブロック及び妻ブロックを屋根ブロックと締結し、その後、除いておいた小ブロックを締結するようにしたので、屋根ブロックを下から支えながら床ブロックに締結された小ブロック及び妻ブロック上に搭載することができ、屋根ブロックの搭載にクレーンを使用する必要がない。このため、組立作業を簡単にすることができ、工期、工数が削減されるため、経済性を向上することができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明を適用した鉄道車両の実施例について説明する。
実施例の鉄道車両10は、図1に示す様に、1両に左右4箇所の出入口11を備え、車内に対面式の座席13,15を配置したものである。この鉄道車両10は、窓として、下降窓17と固定窓19とを備えている。また、出入口11の扉は両開きの引戸方式となっており、開扉時には側壁部分に設けた戸袋内に扉が収納されるようになっている。
【0017】
この実施例の鉄道車両10の構体構造は、図2に示す様に、床ブロック20、側ブロック30、妻ブロック40及び屋根ブロック50を組み立てて構成されている。側ブロック30は、さらに、図2,図3に示す様に、窓の部分の小ブロック(以下、「窓ブロック」という。)31〜35と、出入口の部分の小ブロック(以下、「出入口ブロック」という。)36〜39の各9個に分割されている。
【0018】
各ブロックは、板材から切り出したパネルに対して、骨組みとなる部材をスポット溶接にて固定した構造となっている。これ自体は、従来の鉄道車両と同様である。しかし、従来と違って、妻ブロック40以外の各ブロックには、さらに、組み立て前に、配管や電線などの艤装品を取り付けた上で、可能な限りの内装品も取り付けておく。
【0019】
より具体的には、屋根ブロック50には、図4に示す様に、天井パネル61,吊手棒62,灯具63,空調ファン64,スピーカ65等が取り付けられる。これらの内装品の取付は、屋根ブロック50を天地反転するか、治具に立てかけた状態にて、下向き又は横向きの作業にて実施される。窓ブロック31〜35には、図5及び図6に示す様に、荷棚71,座席72などといった内装品が、やはり、下向き又は横向き作業にて予め取り付けられる。また、床ブロック20には、床材も貼付けておく。さらに、妻ブロック40を含めて各ブロック20〜50には、塗装も施しておく。この塗装も下向き又は横向きの姿勢にて施される。
【0020】
また、側ブロック30及び妻ブロック40の縁部には、図5〜図8に示す様に、隣合うブロックに対する重ね合わせ代81及びブラケット82が設けられ、これら重ね合わせ代81及びブラケット82には、図中に小さな×印(・点にしか見えない部分もある)で示した様に、多数の貫通孔83が設けられている。この貫通孔83は、後述する締結具(ロックボルト110及びブラインドボルト120)を挿入できる大きさとされている。
【0021】
各ブロックは、図2に丸数字で示す順番に設置され、締結具110,120にて締結されて組み立てられる。以下に、その組み立て手順を詳しく説明する。
まず、床ブロック20をキャンバ付きの治具(図示略)の上に設置する。次に、側ブロック30の内の、車両前端及び後端の窓ブロック31,35を設置する。このとき、窓ブロック31,35の重ね代81が床ブロック20の外側になるように設置する。そして、窓ブロック31,35の下縁の重ね代に設けた貫通孔83から床ブロック20側へと、現場合わせにて通し孔85(図9参照)を貫通させる。
【0022】
次に、この通し孔85に、図10(A)及び図11(A)に示す様に、ロックボルト110又はブラインドボルト120を挿入し、図10(B)及び図11(B)に示す様な状態に締結する。
まず、ロックボルト110について説明する。
【0023】
ロックボルト110は、図10(A)に示す様に、軸部111とカラー113とから構成される。カラー113は、軸部111を挿入できる大きさの孔を有する円筒状のものである。軸部111の中ほどには、細径のくびれ部分115が設けられており、これより先端側にチャッキング用の凹凸(以下、「チャッキング部」という。)117が、これより元側にカラー食い込み用の凹凸(以下、「食い込み部」という。)119が設けられている。
【0024】
締結作業に当たっては、通し孔85に対して、車体外側から軸部111を挿入し、反対側からカラー113を装着する。カラー113は、食い込み部119の部分に装着される。
こうしてロックボルト110をセットしたら、図10(C)に示すように、工具T10を用いて、チャッキング部117をチャッキング爪T11にてチャッキングすると共に、ノーズT12にてカラー113の先端を外から押さえる。そして、チャッキング爪T11を後退させながらノーズT12を前進させる。すると、軸部111は、図10(A)に矢印X1で示す方向に相対的に引っ張られる格好となり、カラー113は軸矢印X2方向に圧縮されて塑性変形し、その内面が軸部111の食い込み部119に食い込まされながら潰されていく。そして、軸部111に対する引っ張り応力が、くびれ部分115の破断応力以上になると、軸部111は引きちぎれ、同図(B)の状態になる。これにより、側ブロックのパネル30aと床ブロック側のパネル20aとが強固に締結される。この締結力は、ロックボルト110のくびれ部分115の断面積に応じた一定の力となる。
【0025】
大部分の位置は、このようにしてロックボルト110で締結が行われるが、後述の出入口ブロック36,39については、一部にブラインドボルト120が使用される。その使用位置は、図2に矢印Pで示す。この部分には、床ブロック20と台車との連結のためのボルスタケース(図示略)があるため、車体の外側からしか作業ができない。そこで、この部分には、ブラインドボルト120が使用される。組み立て手順を説明する前に、ブラインドボルト120及びこれによる締結方法について説明しておく。
【0026】
ブラインドボルト120は、図11に示す様に、軸部121とスリーブ123とロッキングカラー124とから構成される。軸部121の一端には、チャッキング用の凹凸(以下、「チャッキング部」という。)125と、スリーブ圧縮用の段部127とが設けられている。スリーブ123には、この段部127と反対の側に膨出部129が形成されている。
【0027】
締結作業に当たっては、通し孔85に対して、車体外側からスリーブ123及び軸部121を挿入し、膨出部129を外側のパネル30aに当接させる。こうしてブラインドボルト120をセットしたら、図11(C)に示す様に、工具T20を用いて、ノーズT22にてスリーブ123の膨出部129及びロッキングカラー124をパネル30aに押し付けつつ、チャッキング爪T21にてチャッキング部125をチャッキングして軸部121だけを外へ向かって引っ張る。この結果、スリーブ123は軸部121の段部127と床ブロック側のパネル20aとの間に挟まれて圧縮荷重を受け、外側へ向かって座屈変形する。そして、軸部121に作用する引っ張り応力が設計応力に達すると破断し、図示(B)の状態になる。このとき、ロッキングカラー124が膨出部129に食い込み、残っている軸部121を膨出部129に対して固定する。これにより、側ブロックのパネル30aと床ブロック側のパネル20aとが強固に締結される。
【0028】
なお、このようなロックボルト110及びブラインドボルト120としては、例えば、米国のHUCK INTERNATINAL,INC製の商品名「C6Lファスナ」及び「UBPファスナ」を使用することができる。もちろん、同社の製品に限らない。
【0029】
再び、構体構造の製作方法の説明に戻る。
上述の様に、窓ブロック31,35の取り付けが終ったら、次に、図2に▲3▼と示す様に、妻ブロック40をセットし、現場合わせによる通し孔を施工した後、上述と同様にロックボルト110にて床ブロック20及び窓ブロック31,35との締結作業を実施する。なお、窓ブロック31,35には、図6に示す様に折り返し部31a,35aが設けられており、妻ブロック40の重ね代はここに重なるようになっている。
【0030】
こうして、床ブロック20に対して4隅の窓ブロック31,35及び妻ブロック40の取り付けが完了したら、図2に▲4▼で示す様に、残りの窓ブロック32〜34を同様の手順で設置、通し孔加工、ロックボルト締結を行う。そして、図示▲5▼の中2枚の出入口ブロック37,38を床ブロック20及び窓ブロック32〜34に対してセッティングし、重ね合わせ部分に通し孔加工を行い、ロックボルトによる締結を行う。
【0031】
こうして、床ブロック20に対して、前後の出入口ブロック36,39を除いて側ブロック30及び妻ブロック40を取り付けたら、図2に▲6▼で示す様に、屋根ブロック50を上からセッティングし、通し孔加工、ロックボルト締結作業を行う。このとき、屋根ブロック50は、図示しない治具を未だ取り付けの完了していない前後の出入口部分(図2の▲7▼の部分)にセットし、この治具で下から支えた状態にてゆっくりと下降させて位置合わせを行う。前後の出入口部分がオープンとなっているので、車幅以上の長さを有する腕を備えた治具にて屋根ブロック50を下から支持することができ、クレーン吊りによるセッティングをしなくてもよくなっている。なお、屋根ブロック50は、図9に示す様に、側ブロック30の外側に重ね合わされ、通し孔85を加工される。そして、ロックボルト締結にて固定される。
【0032】
そして、最後に、残りの出入口ブロック36,39をセッティングし、これまでの説明と同様に、通し孔加工、ロックボルト締結を経て、構体構造が完成する。なお、この後、各締結箇所には、シーラントによるシールを施す。
こうして完成した構体構造においては、ブロック同士の固定が溶接でないので、歪を除去するための熱処理やハンマリング等の必要がない。この効果により、上述の如く、妻ブロック40を除く各ブロックに対して、必要な艤装品及び内装品をブロックの組立に先行して取り付けておくことができるのである。
【0033】
なお、妻ブロック40など、艤装品や内装品を取り付けてないブロックについては、この後、艤装・内装工事を行う。また、ブロック同士の継目部分の内張りや、残っている内装品の取り付けも、この後で行う。
以上説明した様に、本実施例では、構体構造の組立に当たって、ブロック同士を溶接方式とせず、ロックボルト110やブラインドボルト120による締結方式を採用したことにより、各ブロックへの艤装品や内装品の取り付け作業を、面倒な上向き作業にしなくてよくなった。また、艤装品や内装品はブロック段階で取り付けることができるので、作業をオープンスペースで実行でき、これによっても艤装・内装作業に要する時間を節減することができる。しかも、オープンスペースで各ブロックに対する艤装・内装作業を平行して実施することができるので、作業待ちといった無駄も低減することができる。この結果、鉄道車両の製作時間を大幅に短縮することができる。即ち、工期・工数の面からの経済性向上を期待することができる。また、安全作業が確保できる。
【0034】
また、ロックボルト110やブラインドボルト120を破壊してやれば、ブロック単位に分解することができる。そして、これら分解されたブロックは、可能であれば、再利用することができる。この結果、モデルチェンジや修理の際に、無駄がなくなる。即ち、材料面からの経済性向上を期待することができる。
【0035】
さらに、側ブロック30の一部を最後に組み付けることとし、屋根ブロック50の設置に当たってクレーン作業を排除することができるので、これによっても組立作業を簡単にすることができる。これもまた、工期・工数の面での経済性向上に寄与している。
【0036】
次に、第2実施例について説明する。
第2実施例は、図12に示す様に、戸袋を廃止して、扉を車体外部に露出させた状態で開扉する構造の鉄道車両について本発明の思想を適用したものである。使用するロックボルトやブラインドボルトは先に説明した実施例(以下、「第1実施例」という。)と同じであるが、図13の様に、側ブロック130の分割方法を変更した点で相違している。
【0037】
側ブロック130は、5個の窓ブロック131〜135と、2個の矩形板136,137とから構成される。各窓ブロック131〜135には、第1実施例と同様に、荷棚71,座席72などといった内装品が、やはり、下向き又は横向き作業にて予め取り付けられる。
【0038】
そして、組立手順は、図14に示す通りとなり、側ブロック130の一部136,137を取り付けない状態にて屋根ブロック50を取り付けるようにしている。これにより、第1実施例と同様に、クレーン作業によらず屋根ブロック50をセッティングすることが可能になっている。
【0039】
この第2実施例も、第1実施例と全く同様の効果を発揮する。なお、戸袋なしの構造にして車体側壁を薄型構造としたため、下降窓を採用できず、引き窓にした点で第1実施例と相違しているが、第3実施例の様に、窓ブロック141〜145を一部厚壁構造としてやれば、下降窓方式を採用することができる(図15参照)。
【0040】
次に、第4実施例を説明する。ここまで説明してきた各実施例は、各ブロックの材質については特に言及して来なかったが、この第4実施例では、各ブロックの材料を意図的に変更したものとして説明する。なお、図面上特徴が現れないので、文章のみで説明する。
【0041】
第4実施例では、屋根ブロックをアルミ合金製とし、その他のブロックをステンレス製とする。このような材料選定をしても、ブロック同士の締結が溶接によらないので、全く問題なく組立を行うことができる。そして、屋根ブロックをアルミ合金製とすることで車体の軽量化が図れるとともに、重心位置を低下させることができ、これによって、上述の各実施例の効果に加えてさらに車両の安定走行に有利な効果が発揮される。
【0042】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々なる態様に変形することが可能である。
例えば、ロックボルト等により締結する部分の重ね合わせ方としては、図16に示す様に、各ブロック151,152の縁部を折り返してアングル状としておき、ブロック同士を突き合わせることでこのアングル部分151a,152aで重なりを形成し、ここをロックボルト110で締結するようにしてもよい等、種々の態様に変形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の鉄道車両の全体構成を示し、(A)は車内の平面図、(B)は車両全体の側面図である。
【図2】 第1実施例の組立手順を示す分解斜視図である。
【図3】 第1実施例におけるブロック分割状態の説明図である。
【図4】 第1実施例における屋根ブロックを車内から見た図である。
【図5】 第1実施例における窓ブロックを車内から見た図である。
【図6】 第1実施例における窓ブロックを車内から見た図である。
【図7】 第1実施例における出入口ブロックを車内から見た図である。
【図8】 第1実施例における妻ブロックを車内から見た図である。
【図9】 第1実施例の車両の横断面図である。
【図10】 ロックボルトによる締結状態を示す断面図である。
【図11】 ブラインドボルトによる締結状態を示す断面図である。
【図12】 第2実施例の鉄道車両の全体構成を示し、(A)は車内の平面図、(B)は車両全体の側面図である。
【図13】 第2実施例におけるブロック分割状態の説明図である。
【図14】 第2実施例の組立手順を示す分解斜視図である。
【図15】 第3実施例の鉄道車両の全体構成を示し、(A)は車内の平面図、(B)は車両全体の側面図である。
【図16】 変形例の要部の断面図である。
【符号の説明】
10・・・鉄道車両、11・・・出入口、13,15・・・座席、17・・・下降窓、19・・・固定窓、20・・・床ブロック、30・・・側ブロック、31〜35・・・窓ブロック、36〜39・・・出入口ブロック、40・・・妻ブロック、50・・・屋根ブロック、61・・・天井パネル、62・・・吊手棒、63・・・灯具、64・・・空調ファン、65・・・スピーカ、71・・・荷棚、72・・・座席、81・・・重ね合わせ代、83・・・貫通孔、85・・・通し孔、110・・・ロックボルト、120・・・ブラインドボルト、130・・・側ブロック、131・・・窓ブロック、136・・・矩形板、141・・・窓ブロック。
Claims (1)
- 床ブロック、側ブロック、妻ブロック及び屋根ブロックを組み立ててなる構体構造を備えた鉄道車両の製作方法において、前記側ブロックが窓ブロックと出入口ブロックとに分割され、前記床ブロック、前記窓ブロック、前記出入口ブロック、前記妻ブロック及び前記屋根ブロックの縁部に重なりを形成するようにブロックを設置し、各重なり部分には、予め一方のブロックに対して孔を形成しておき、重ねた状態にて当該孔に一致するようにもう一方のブロックに孔を形成し、こうして形成した重なり部分の貫通孔に締結体を貫通させてブロック同士を締結するようにしたものであって、
前記窓ブロック及び出入口ブロックは、車両の長手方向に複数個に分割されており、この内、妻ブロックと締結される部分の窓ブロック以外の窓ブロック及び出入口ブロックの内の少なくとも一部を除いて、床ブロックに対し窓ブロック、出入口ブロック及び妻ブロックを締結し、窓ブロックまたは出入口ブロックが締結されていない部分に車幅以上の長さを有する腕を備えた治具を設置し、屋根ブロックを前記治具で支持しながら下降させて位置を合わせて窓ブロック、出入口ブロック及び妻ブロックを屋根ブロックと締結し、その後残りの窓ブロックまたは出入口ブロックを締結するようにしたことを特徴とする鉄道車両の製作方法。
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