JP3753884B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、詳しくは2つの排紙装置を有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、1台の画像形成装置を、モードの選択に応じて、複数の機能、例えば、プリンタと複写機、或いは、プリンタとファクシミリ等に使い分けることが行われる。その場合、プリンタモードでの排紙口と、ファクシミリモードでの排紙装置とを別にしておけば、出力紙を個別に取り出すことができるので便利である。また、モード選択に応じて複数の機能を果たす画像形成装置でなくても、出力紙のサイズ毎に排紙装置を選択するようにできれば、出力紙を個別に取り出すことができるので、便利である。 このような必要性から、1台の画像形成装置で、2つの排紙装置を備えたものが考案されている。
【0003】
例えば、(a)特開平9−142716号公報には、原稿を読みとる原稿読み取り部と、この原稿読み取り部の下方に空間部を隔てて配設された画像形成部の前記空間部に排紙収納部を備えた画像形成装置において、排紙収納部を仕切部材で画像形成装置の上下方向に少なくとも2つに区画し、その仕切部材を排紙方向の先端および後端を排紙収納部に設けられた支持部材で支持するという技術が開示されている。この公知技術では、上記2つの区画のそれぞれが、排紙装置を構成し、これらの区画の下方のものが第1の排紙装置、上方のものが第2の排紙装置であり、これらに画像形成後の記録媒体(以下、用紙という。)が選択的に排紙される。
【0004】
このような2つの排紙装置を備えた画像形成装置では、本来備えている第1の排紙装置から出た用紙が第2の排紙装置に押し出されつつ、上方に送り込まれる構成が採用され、第2の排紙装置において、ペーパジャム(紙詰まり)を生じ易い傾向にある。
【0005】
また、(b)特開平8−337349号公報には、作像部と上部の原稿読み取り部の間のスペース(胴内)に記録済みの用紙を排出する画像記録装置が開示されている。この画像形成装置は、ビントレイの一部をきり欠き、下のトレイに載置されている用紙の視認性を上げるが、排紙トレイの用紙幅方向でのサイズは大きいので、そのためトレイの重量が大となり材料費も高くなり、コストの面でも好ましくないし、胴内において排紙トレイを移動させて排紙トレイに至る搬送路でのペーパジャムを複写機の操作面側から処置することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記(a)の公知技術では、上段へ排紙(仕切部材の上に排紙)される用紙が最終の排紙ローラ付近でペーパジャムを起こした場合、紙詰まりした紙の確認や取り除き処理が画像形成装置の操作部がある正面側から行うことが困難である。尤も、この画像形成装置においては、前記正面側からみて左方に画像形成装置本体から開閉可能に排紙トレイ(17)を設けているので、この排紙トレイを開いて拡げたときのスペースが必要であるから、画像形成装置の左外側面の排紙トレイ(17)の上の部分を開放可能にしておけば、左外側面から紙詰まり処置はできるが、ユーザーは左側面にまわり込まねばならず、そのためのスペースが必要であるので結局、画像形成装置の設置床面積を広くとる必要があり、無駄なスペースを要してしまう。
【0007】
請求項1〜10に係る本発明の目的は、第2排紙装置におけるペーパジャムの処理を画像形成装置の側方から行う必要がなく、操作部のある正面側からの操作により簡単に行うことができる画像形成装置を提供することにある。その上で、請求項11〜17に係る本発明の目的は、胴内で搬送路上のペーパジャムを処置できる長所は生かし、かつ、トレイが分割されて排紙スタックが整然とできないという不具合を解消することのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため、以下の構成とした。
(1). 原稿の画像を読み取る原稿読み取り装置と、この原稿読み取り装置の下方に、操作部のある正面側と連通し得る空間部を隔てて配設された画像形成部とを備え、前記原稿読み取り装置下方の前記空間部に画像形成済みの記録媒体を排出する第1の排紙装置を備え、この第1の排紙装置の他に記録媒体を受け取る第2の排紙装置を設けることができる画像形成装置であって、前記第2の排紙装置は搬送路を構成するガイド手段と、記録媒体を載置するトレイを有し、前記ガイド手段は下ガイド部材と、上ガイド部材の少なくとも2個のガイド部材を備え、これら2個のガイド部材の一方を前記空間部において開放できるように可動とし、前記ガイド手段から排出される画像形成済みの記録媒体を載置するレシービングトレイを画像形成装置本体の前記空間部に位置するように着脱可能とし、前記搬送路を開放するために可動な部材が下ガイド部材であり、この下ガイド部材は、前記排紙ローラから排出された記録媒体を受ける下ガイドトレイを有し、この下ガイドトレイは前記レシービングトレイよりも排紙方向での上流側に位置し、前記下ガイドを回動して開放したときに、レシービングトレイと干渉しないよう、前記レシービングトレイに対し上下方向に位置がずれていることとした(請求項1)。
【0013】
(2). (1)記載の画像形成装置において、前記レシービングトレイの排紙方向上での上流側は下向きに傾斜していて、前記下ガイドトレイは前記レシービングトレイの前記上流側端部の下に位置して前記レシービングトレイに対する上下方向の位置ずれを構成し、前記レシービングトレイの前記上流側端縁は、該レシービングトレイの上面で、記録媒体の排紙方向に垂直な方向に対して傾斜していることとした(請求項2)。
【0014】
(3). (2)記載の画像形成装置において、前記傾斜は、当該画像形成装置の奥側から前記正面側に向かうほど、排紙方向下流側に向けて切欠き量が増す傾向の傾きとした(請求項3)。
(4). (1)乃至(3)の何れかに記載の画像形成装置において、前記第2の排紙装置は画像形成装置本体の前記空間部に前記正面側から着脱可能とした(請求項4)。
(5) . 原稿の画像を読み取る原稿読み取り装置と、この原稿読み取り装置の下方に、操作部のある正面側と連通し得る空間部を隔てて配設された画像形成部とを備え、前記原稿読み取り装置下方の前記空間部に画像形成済みの記録媒体を排出する第1の排紙装置を備え、この第1の排紙装置の他に記録媒体を受け取る第2の排紙装置を設けることができる画像形成装置であって、前記第2の排紙装置は搬送路を構成するガイド手段と、記録媒体を載置するトレイを有し、前記ガイド手段は下ガイド部材と、上ガイド部材の少なくとも2個のガイド部材を備え、これら2個のガイド部材の一方を前記空間部において開放できるように可動とし、前記上ガイド部材は上ローラ、前記下ガイド部材は下ローラをそれぞれ支持していて、これら上ローラと下ローラとにより、前記搬送路の一部をなす一対の排紙ローラを構成するものであり、前記第2の排紙装置は画像形成装置本体の前記空間部に前記正面側から着脱可能とした(請求項5)。
【0015】
(6). (5)記載の画像形成装置において、前記上ローラと前記下ローラの共通接平面を、前記排紙方向の下流側に進むほど、水平面に対して上向きに傾くように、これら上ローラと下ローラの関係位置を設定した(請求項6)。
【0016】
(7). (5)記載の画像形成装置において、前記開放されるべき搬送路が、前記上ガイド部材に設けた上ローラとリブ状の上ガイド板および、前記下ガイド部材に設けられ前記上ローラに接触して回転する下ローラと、前記下ガイド部材に設けられ前記上ガイド板と間隔をおいて対向しているリブ状の下ガイド板と、前記下ガイド部材に設けられ前記第1の排紙装置からの記録媒体の進路を切り換える切り換えガイドにより構成されていることとした(請求項7)。
【0017】
(8).記録済みの用紙を搬送するための搬送路を形成する搬送ガイド部材と、この搬送ガイド部材と実質的に一体で回動により搬送路を開閉する可動排紙トレイと、前記可動排紙トレイの延長上で用紙を載置するレシービングトレイを備えていて、前記可動排紙トレイと前記レシービングトレイとがそれぞれ同じ側に位置する不動部材に片持状に支持されている画像形成装置において、前記搬送路を閉じる状態にある前記可動排紙トレイの非支持側の一部と、前記レシービングトレイの非支持側の一部とが互いに係合して一方が他方を保持し合うことが可能な一対の係合部を前記可動排紙トレイの非支持側の一部とレシービングトレイの前記非支持側の一部に設けた(請求項8)。
【0018】
(9).(8)記載の画像形成装置において、前記レシービングトレイは不動部材としての画像形成装置本体に対して片持状に支持されていてかつ着脱可能であり、前記レシービングトレイを前記画像形成装置本体から取り去ることにより前記可動排紙トレイと前記レシービングトレイの係合が解除され可動排紙トレイの移動および該可動排紙トレイの移動による前記搬送路の開放がそれぞれ可能となることとした(請求項9)。
【0019】
(10). (9)記載の画像形成装置において、前記レシービングトレイの前記画像形成装置本体に対する片持状の支持部は画像形成装置本体の操作面側にあい対する奥側に位置し、前記画像形成装置本体に対して前記操作面側から前記レシービングトレイを着脱操作可能とした(請求項10)。
【0020】
(11). 原稿の画像を読み取る原稿読み取り装置と、この原稿読み取り装置の下方に、操作部のある正面側と連通し得る空間部を隔てて配設された画像形成部とを備え、前記原稿読み取り装置下方の前記空間部に画像形成済みの記録媒体を排出する第1の排紙装置を備え、この第1の排紙装置の他に記録媒体を受け取る第2の排紙装置を設けることができる画像形成装置であって、前記第2の排紙装置は搬送路を構成するガイド手段と、記録媒体を載置するトレイを有し、前記ガイド手段は下ガイド部材と、上ガイド部材の少なくとも2個のガイド部材を備え、これら2個のガイド部材の一方を前記空間部において開放できるように可動とし、前記トレイが前記正面側からみて奥側に設けた鉛直方向の軸を中心に回動する下ガイドトレイと、この下ガイドトレイの延長上に用紙を載置するレシービングトレイを備え、前記搬送路を開放するために可動な部材が前記下ガイドトレイであり、前記下ガイドトレイを回動して開放したときに前記レシービングトレイと干渉しないよう前記レシービングトレイに対し下方向に位置をずらした構成とし、前記レシービングトレイと前記下ガイドトレイの上下方向の段差によりトレイ上の用紙が傾くのを防ぐ突状部を、前記下ガイドトレイの用紙載置面の一部に設けた(請求項11)。
【0021】
(12).(11)記載の画像形成装置において、前記トレイが当該画像形成装置の奥側に設けた鉛直方向の軸を中心に回動する下ガイドトレイと、この下ガイドトレイの延長上に用紙を載置するレシービングトレイを備え、前記搬送路を開放するために可動な部材が前記下ガイドトレイであり、前記下ガイドトレイを回動して開放したときに前記レシービングトレイと干渉しないよう前記レシービングトレイに対し下方向に位置をずらした構成とし、前記レシービングトレイの端部より前記トレイ上の用紙が垂下するのを防ぐ突部を、前記レシービングトレイの用紙載置面の一部に設けた(請求項12)。
【0022】
(13). (11)又は(12)記載の画像形成装置において、前記突部および前記突状部は、前記トレイ上の前記用紙の幅方向の中心よりも当該画像形成装置の正面側に偏った位置に設けた(請求項13)。
(14). (13)記載の画像形成装置において、前記突部を前記レシービングトレイ上、前記正面側の縁部に設けた(請求項14)。
(15). (11)乃至(14)の何れかに記載の画像形成装置において、前記突部または突状部はリブ状をしていることとした(請求項15)。
【0023】
(16). (11)乃至(15)の何れかに記載の画像形成装置において、前記下ガイドトレイおよび前記レシービングトレイは成形された樹脂からなることとした(請求項16)。
(17). (11)乃至(16)の何れかに記載の画像形成装置において、前記レシービングトレイは前記奥側で、当該画像形成装置本体に設けられた取り付け部に片持ち支持で、前記正面側から着脱可能に取り付けられていることとした(請求項17)。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本例にかかる画像形成装置では、本来備えている第1の排紙装置の他に、ユーザーの要望に応じて、オプションで、第2の排紙装置を設けることができるように画像形成装置が構成されている。例えば、原稿の画像を読み取る原稿読み取り装置とこの原稿読み取り装置の下方に空間部を隔てて配設された画像形成部とを備え、前記原稿読み取り装置下方の空間部に画像形成済みの用紙を排出する第1の排紙装置を備え、この第1の排紙装置を通過して排紙方向に搬送される用紙を受け取る第2の排紙装置を前記空間部に着脱可能にしている。
【0025】
[1]画像形成装置の構成
本例における画像形成装置では、オプションにより第2の排紙装置を装着することができるタイプのものである。
先ず、図13により、第2の排紙装置を装着していない状態での画像形成装置の構成を説明する。
図13において、胴内排紙型画像形成装置の略中央に画像形成装部1が配置され、この画像形成部1のすぐ下方に給紙部2が配置されている。給紙部2は給紙カセット21を備えている。給紙部2は1つしか示してないが、必要に応じ別の給紙部2を増設することができる。増設された給紙部からの給紙は、搬送経路40により行う。
【0026】
なお、手差し給紙を行うための手差し給紙台47が開閉自在に画像形成装置の正面右手に設けられている。手差し給紙台47は、通常は画像形成装置本体内に収納されており、必要に応じて支点47Jを中心に回動させて起こした状態に変位して使用される。また、台の先端側から補助台47aの部分が引出せるようになっている。
【0027】
画像形成部1の上方には、空間部Sを隔てて原稿を読み取る原稿読み取り装置3が配設されている。画像形成部1と原稿読み取り装置3との間の空間部Sの下部には排紙収納部4が設けられ、画像形成された用紙が排紙収納される。
この空間部Sは画像形成装置において、操作パネル等の操作部がある正面側で外部と連通した状態となる空間部、つまり、正面側に通じ得る空間部である。
【0028】
画像形成部1には、装置を電気的に駆動したり、制御したりする電装ユニットE、Fが配置されている。また、ドラム状をした感光体5が配置されている。この感光体5の周囲に、該感光体5の表面に帯電処理を行う帯電装置6、画像情報を感光体表面にレーザ光で照射する露光装置7、感光体5の表面に露光されて形成された静電潜像を可視化する現像装置8、感光体5上で可視化されたトナー像を用紙に転写する転写装置9、転写後感光体表面に残留するトナーを除去回収するクリーニング装置10等がそれぞれ配置されている。感光体8の略上方であって、感光体8よりも用紙搬送経路の下流には、定着装置11が配置されている。
【0029】
画像形成装置が複写機として機能する場合、画像形成に際しては、先ず原稿の読み取りが行われる。図示していないが、原稿読み取り装置3の上方に、原稿を自動的にコンタクトガラス上に搬送する自動原稿搬送装置が取り付けられるようになっている。
原稿読み取り装置3において、コンタクトガラス32上に自動原稿搬送装置を利用するなどして原稿が載置される。この原稿は、原稿照明用光源43とミラー44等よりなる読み取り用の走行体31が図中左右方向に往復移動することにより走査され、レンズ31aの後方に設置されている撮像素子(CCD)44に画像信号として読み込まれる。
【0030】
撮像素子44に読み込まれた画像信号は、デジタル化され画像処理される。予め、感光体5は暗中にて帯電装置6により一様に帯電されている。この一様に帯電された感光体5に、画像処理された信号に基づいて露光装置7のレーザダイオードLD(不図示)の発光により露光光が照射され、公知のポリゴンミラーやレンズを介して感光体に至り、感光体5の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は感光体5の回転と共に移動し、現像装置8により可視像化され、さらに移動して転写装置9に向かう。
【0031】
一方、給紙部2の給紙カセット21には、未使用の用紙が収容されており、回動可能に支持された底板22上の最上位置の用紙42が給紙ローラ23に押し付けられるように、底板22がばね24により加圧されるようになっている。転写のための給紙に際しては、給紙ローラ23が回転し、この回転により、用紙42は給紙カセット21から送り出され、一対のレジストローラ14へと搬送される。
【0032】
レジストローラ14に送られてきた用紙の搬送は、ここで一時的に止められる。レジストローラ14は、感光体5の表面のトナー像と用紙の先端との位置関係が転写装置9が設けられた転写位置で画像転写に適する所定の位置になるよう、タイミングをとって用紙の搬送を開始する。
複写を終えた用紙は定着装置11を通過する間にトナー像が定着される。定着装置11を通過した用紙は排紙ローラ12により排紙収納部4に送り出されて排紙収納される。この例では、排紙収納部4と排紙ローラ12とで第1の排紙装置41が構成されている。
【0033】
本例の画像形成装置は、上述した如く原稿を走査して読み取り、デジタル化して用紙に複写する、いわゆるデジタル複写機としての機能の他に、図示せぬ制御装置により原稿の画像情報を遠隔地と授受するファクシミリの機能や、コンピュータが扱う画像情報を用紙上に印刷するいわゆるプリンタの機能を有する多機能の画像形成装置である。
【0034】
第1の排紙装置41しか備えていない画像形成装置では、どの機能によって形成された画像もすべて一つの排紙収納部4に排出・収納される。また、後述するように第1の排紙装置41の他に第2の排紙装置100を設けた構成では排紙収納部4又はレシービングトレイT上に排出・収納される。排紙収納部4にスタックされた用紙は画像面が下面になった状態であり、複写、ファクシミリ、プリンタで扱う原稿の処理順が1ページから行われて印刷されても、排紙収納部4から取り出したとき、1ページ目が最上位になっており、改めてページを揃えるなどの作業から解放される。
【0035】
このような第2の排紙装置100を備えていない画像形成装置の外観を示した図2(a)において、排紙収納部4は、片持状にオーバーハングした原稿読み取り装置3の下方に外部が手が差し込める位置に露出しており、複写・印刷物の取り出しは操作部としての操作パネル45が設けられた当該画像形成装置の正面側から直接行うことができる。また、用紙の補給のための給紙カセット21の操作も、給紙部2を引出し状に構成した箱46内に構成することにより、やはり、画像形成装置の正面側からできる。
【0036】
次に、第2の排紙装置を装着した状態での画像形成装置の構成を図1により説明する。図1では、図13で説明した画像形成装置の構成に、第2の排紙装置を付加した構成となるので、図13に示した構成と共通の構成を含んでいる。この共通の構成については、同じ符号で示し、説明は省略する。
【0037】
本例における画像形成装置のように多機能の画像形成装置にあっては、複写印刷物の排紙収納部が一箇所であることで不都合が生じることがある。たとえば緊急を要するファクシミリによる画像が他の複写印刷物に紛れ込んだり、画像形成装置が多人数で使用されるケースでは、他人が複写・印刷物を持ち去ったりすることがある。
【0038】
そのような不具合に鑑みて画像形成装置本体に常備されている第1の排紙装置41とは別に第2の排紙装置を、要望によりオプションで形成することができるよう、第2の排紙装置を画像形成装置本体に対して着脱可能に設けている。予め最初からこの第2の排紙装置を装備しないのは、必要としないユーザに余計な経済的負担をかけないためである。
【0039】
[2]請求項1に関連する例
この例では、第2の排紙装置100は搬送路を構成する以下の(イ)から(ニ)の部材からなる。
(イ).第1の排紙装置41と第2の排紙装置100との間に位置していて、第1の排紙装置41を通過する用紙を受け取り、第2の排紙装置100のガイド手段に向けて案内するか、或いはそのまま第1の排紙装置41に排出するかを切り換える切り換えガイドG。なお、この切り換えガイドGは、下ガイド部材102および該下ガイド部材102に取り付けられたソレノイドSOLに組み付けられていて、駆動源としての該ソレノイドSOLにより切り換えられる。切り換えは、オペレータの指示により行なわれる。例えば、特定の複写印刷物に対し、第2の排紙装置41へ送り出されるように予め、設定される。
【0040】
排紙を第2の排紙収納部100にする設定になっている場合、用紙がレジストローラの停止、回転を制御するためのセンサ(不図示)を通過するときの信号を受け、ソレノイドSOLが作動して第2の排紙装置100への排紙が行なわれる。第1の排紙装置41を構成する排紙収納部4上に用紙が排出・スタックされているときにその旨が図2(b)に示す表示部L1により表示される。
【0041】
(ロ).用紙の排紙方向上、切り換えガイドGよりも下流に位置していて、少なくともリブ状の上ガイド板を備えた上ガイド部材101、および、少なくともリブ状の下ガイド板を備えた下ガイド部材102とを対向させて設けたガイド手段49。
(ハ).ガイド手段49の下流に位置していて、回転駆動される上ローラ120、および、この120に接触して従動回転する下ローラ132とからなる排紙ローラ50。
【0042】
(ニ).排紙ローラ50よりも用紙の排紙方向上、下流かつ、下方に位置していて、用紙を受け取る下ガイドトレイ48。
(ホ).下ガイドトレイ48よりも用紙の排紙方向上、下流に隣接して配置されていて、用紙を受け取るレシービングトレイT。
これらの部材は、画像形成装置の正面に通じる空間部Sに第2の排紙装置100として配置される。図1では、ソレノイドSOLが作動していないときは後述するスプリングにより切り換えガイドGは、図1に示す状態から反時計まわりの向きに回動し、排紙ローラ12から排出される用紙は排紙収納部4にスタックされる。
【0043】
図2(a)、(b)において、正面側の小カバーcは画像形成装置本体から外すことができる。かかる構成において、上ガイド部材101又は下ガイド部材102を画像形成装置本体に設けたガイドレールにより案内されて摺動可能とし、この摺動の向きを図1において、紙面を貫く方向とする。上記(イ)〜(ホ)の各部材のうち、レシービングトレイTを除いた各部材は一体的なユニットとして構成されて前記小カバーcを外すことにより形成された開口を介して画像形成装置本体の正面側から着脱可能である。
【0044】
図1に示すように、用紙の先端側が第1の排紙装置41から押し出されるような態様で、上ガイド部材101と下ガイド部材102との間の搬送路に下から上に向けて送られる状態では、該搬送路でのペーパジャムが生じる可能性があり、上ガイド部材101又は下ガイド部材102を可動とし、上ガイド部材101と下ガイド部材102とで挾まれた搬送路を開放する構成を採用することで該搬送路でのジャムペーパを除去できるし、また、ガイド部材の移動により、排紙ローラ50も開放されるので、この排紙ローラ50の部位でペーパジャムが発生した場合にもジャムペーパの除去が容易である。
【0045】
[3]請求項1〜7に対応する例
以下に述べる例は、第2の排紙装置100が前記[2]の(イ)〜(ホ)で述べた構成部材を有し、図1に示す配置となり、画像形成装置の正面に通じる空間部Sに位置する点は同じであるが、これらの各構成部材相互の組立上の構成が異なる。以下に説明する。
この例では、搬送路は、排紙ローラ50、上ガイド部材101とガイド部材102、切り換えガイドG等から構成される。上ガイド部材101、下ガイド部材102はそれぞれ、画像形成装置に取り付けられた状態で、用紙の排紙方向に長さを有する部材である。
【0046】
図3において、上ガイド部材101には、用紙に直接接し用紙を案内するリブ状の複数の上ガイド110がその長手方向に沿って複数、一体に形成されている。また、上ガイド部材101には排紙ローラ50を構成する上ローラ120が回転可能に支持されている。上ローラ120の軸端部は上ガイド部材101と一体に形成されたギヤボックス55内にあり、該軸端部には歯車119が固定されている。
【0047】
ギヤボックス55内にはモータMOが固定され、また、アイドル歯車118が軸支されている。アイドル歯車118は歯車119およびモータMOの出力軸と一体の歯車117と共通に噛み合っている。かかる構成により、上ローラ120はモータMOにより駆動される。ギヤボックス55内には駆動系やセンサ類の情報を制御する制御基板115が設けられている。上ガイド部材101の上部は、カバー144で塞がれるようになっている。
【0048】
下ガイド部材102には、用紙を案内するリブ状の複数のガイド126がその長手方向に沿って一体に形成されている。下ガイド部材102は、下ガイドトレイ48と一体に構成され、かつ、排紙ローラ50を構成する下ローラ132を支持すると共に、切り換えガイドGを支持している。
図5、図12において、下ローラ132は、L状をした板ばねからなるホルダ56に回転可能に支持された上で、このホルダ56が下ガイド部材102に片持状に固定されている。これにより、下ローラ132はホルダ56の弾性変形によって上下に弾性的に変位可能である。下ローラ132は相手の排紙ローラ120に当接して用紙を排紙する。
【0049】
図1での搬送路103は、ガイド手段49としての上ガイド部材101と下ガイド部材102によって構成され、より詳しくは、上ガイド110と下ガイド126とにより構成される。この搬送路103は図3に示す回動軸104により上ガイド部材101と一体の軸支持部114と下ガイド部材102と一体の軸支持部125とが合体された状態で形成される。
【0050】
この合体はガイド部材102の長手方向の一端側の部位で上下方向に2つ設けられた軸支持部125の内側(対向面間)に、ガイド部材101の一端側の部位で上下方向に2つ設けられた軸支持部114が入り込み、これらの軸支持部125、114のすべての穴に回動軸104が挿入され、かつ上ガイド部材101の他端側に設けた矩形穴123、長穴122と、下ガイド部材102の他端側に設けたフック129、ピン128とが係合することにより保持される。
この合体状態において、上ローラ120は下ローラ132に圧接した状態となる。つまり、下ローラ132はホルダ56が変形することで弾性的に接触し、上ローラ120が回転すると連れ回りするようになっている。
【0051】
ここで、回動軸104は、上ガイド部材101に対して下ガイド部材102を回動可能に支持する支点軸である。フック129は弾性体で構成され、弾性を利用してフック129の部位が矩形穴123内に入り込む。ピン128は丸ピンで先端部に係合案内用にテーパが付されている。長穴122の短径はピン128の大径部と同じであり、長径は回動軸104を中心とする回転時の半径方向の振れを吸収できる大きさとしている。よって、長穴122の長径の方向は回動軸104の軸直角方向に合わせてある。長穴の短径の位置により、搬送路の間隔寸法が定まる。
【0052】
これら、上ガイド110および下ガイド126とが位置している部位の下方には、切り換えガイドGが位置するが、この切り換えガイドGは図3、図5に示すように、下ガイド部材102に支持されている。切り換えガイドGは用紙をガイドする爪部G1を軸部の長手方向に沿って複数形成されたものからなる。前記軸部の両端部に記載されたの小径部G2は下ガイド126の下方で揺動可能に軸支されている。
切り換えガイドGを第2の排紙装置のガイド手段に向けて案内するか、或いはそのまま前記第1の排紙装置に排出するかを切り換える回動のための駆動力を与える機構を説明する。図3において切り換えガイドGの長手方向の一端側の軸部には、連結部材52が固定されている。この連結部材52の自由端部にはピンG3が固定されている。ピンG3は切り換えガイドGの軸部と平行に外側に延びている。
【0053】
ピンG3は、T字状の連結部材140の一端部に形成された穴140aに回動可能に嵌合されている。連結部材140の他端部はソレノイドSOLのプランジャ53にピン54により回動可能に支持されている。図3に示すように、下ガイド部材102の一端側にはソレノイド収納部131が形成されており、このソレノイド収納部131にソレノイドSOLが固定されている。
【0054】
図3、図4において、ソレノイドSOLのプランジャ53には連結部材140が取り付けられている。連結部材140の一部は突出した形状のストローク規制部材141を構成し、ソレノイド収納部131の上面に形成した凹部131a内をプランジャ53の動きと共に移動する。ストローク規制部材141とソレノイド収納部との間には緊縮性のばね143が掛けられていて、連結部材140をプランジャ53が引出される向きに付勢している。
【0055】
ソレノイドSOLがオフ(非励磁)のときには、連結部材140はばね143により引かれて、ストローク規制部材141が凹部の前端部に当接することにより位置が定まり、ソレノイドSOLがオン(励磁)のときには連結部材140はばね143の弾性に抗して引かれて、ストローク規制部材141が凹部の後端部に当接することにより位置が定まる。このような連結部材140の往復動に応じて、爪部G1は小径部G2を中心にして回動する。
このように、切り換えガイドGは、ソレノイドSOLのプランジャ53の往復動に連動して回動させられ、第1の排紙装置41から送り出される用紙の進路を第の排紙装置41か、或いは、ガイド手段49かの何れかへ導くように切り換えられる。
【0056】
切り換えガイドGを第2の排紙装置のガイド手段に向けて案内するか、或いはそのまま前記第1の排紙装置に排出するかを切り換える回動のための駆動力を与える機構としては、上記図3、図4に示した構成に代えて、図14に示す機構を用いることもできる。図14に示した連結部材140’の構成ではばね143の掛止部位が連結部材140の穴140aの上方に突き出た部材に設けられている点に特徴があり、組立て時に外側からのばね143のセットが容易な構成となっている。
【0057】
これら図3および図4に示した連結部材140、図14に示した連結部材140’の何れの例の場合においても、オペレータの指示により、特定の複写印刷物に対し、排紙を第2の排紙装置100に切り換える場合、排紙がなされる前に予め切り換えガイドGが切り換えられる。排紙を第2の排紙装置100にする設定になっている場合、用紙がレジストローラ14の停止・回転を制御するためのセンサ(不図示)を通過するときの信号を受け、切り換えガイドGを回動させるためのソレノイドSOLが作動する。
【0058】
図4に示す状態はソレノイドSOLがオフの場合であり、この状態のもとでは爪部G1は用紙を第1の排紙装置41の排紙収納部4へ送り出す態位にある。ソレノイドSOLをオンにすると、爪部G1は時計回り向きに回動し、図1に示すような態位となって、用紙をガイド手段49へ向けて送るように進路を切り換える。
【0059】
回動軸104を軸支持部114、125に挿通することにより、また、フック129、ピン128を長穴122、矩形穴123に係合、嵌合することにより、上ガイド部材101と下ガイド部材102とは合体し、全体として第2の排紙装置100を構成する。
画像形成装置本体にこの第2の排紙装置100を組み込むには、レシービングトレイTだけは別にして、上ガイド部材110と下ガイド部材102とを合体した(閉じた)状態で画像形成装置の正面側(操作面側)からセットする。このため、図3において上ガイド部材101のギヤボックス55の側部には外方(画像形成装置への取り付け状態における奥側)に向けてガイドピン111が植設されている。また、上ガイド部材101の手前側の端部にも、ガイドピン111と同じ向きに上下2本のガイドピン112を植設している。
【0060】
一方、画像形成装置本体については、図9、図10に示すように、画像形成装置本体の奥側には当該画像形成装置と一体の本体フレーム57に、ガイドピン111と嵌合する穴が形成されている。或は、本体フレーム57に取り付けられたブラケット(不図示)に、ガイドピン111と嵌合する穴が形成されている。
【0061】
また、本体フレーム57の手前側に間隔をおいて設けられた本体フレーム58には、2本のガイドピン112を受け入れる穴および固定用の雌ねじを有するブラケット(不図示)が備えられている。
【0062】
レシービングトレイTを外した状態の第2の排紙装置100を画像形成装置本体に組み込むに際しては、予め、画像形成装置の正面側の小さなカバーc(図2(a)、(b))を取り外しておき、ガイドピン111の方から本体フレーム57に形成した上記穴に入れ、同時にガイドピン112(2本)を本体フレーム58に形成した上記穴に入れてゆく。
【0063】
このように、ガイドピン111、112を奥側に向けて植設しているので、画像形成装置の正面側からのみ、空間部Sにて画像形成装置の奥側に向けて押し込む動作だけで簡単に第2の排紙装置100を画像形成装置本体に取り付けることができる。ガイドピン111、112は合計で3本であり、3点で位置決めされる。ガイドピン112の基端部は平面状になっていて、この平面状の部位を本体フレーム58の平面部に密着させた状態で、図3に示すねじ穴113を利用してねじ止め固定する。こうして上ガイド部材101は画像形成装置本体に固定されるが下ガイド部材102は回動軸104を回動中心にして回動することができ、搬送路103を開放することができる。これと逆の動作により第2の排紙装置100を取り外すこともできる。
【0064】
画像形成装置本体にセットされた状態を図9に示す。ガイドピン111が本体フレーム57の穴にガイドされるとき、電気的信号等の授受するために上ガイド部材101に設けられた接続用コネクタ116も画像形成装置本体側のコネクタと接続される。
図3、図9において、下ガイドトレイ48は、排紙方向上、下ローラ48の略直下に位置する平面部48hと、この平面部48hに隣接した斜面部48sとからなる。斜面部48sは下流に向かう程立ち上がる傾向の勾配面として形成されている。このような勾配を付したのは、排紙ローラ50から送り出された用紙の後端部を排紙ローラ50と干渉しない高さ位置に完全に落し込むためである。
【0065】
下ガイドトレイ48の用紙排紙方向上の下流端部、つまり、下ガイドトレイ48の斜面部48sに一様に重なるようにしてレシービングトレイTが設けられる。このレシービングトレイTは下ガイドトレイ48と共に用紙を受けるためのものである。
【0066】
図6に示すように、レシービングトレイTの上流側に相当する符号T9で示す領域は下ガイドトレイ48の斜面部48sと同じ向きの傾きの勾配が付されている。そして、この勾配の付された部位の下側に重なるようにして斜面部48sが位置している。
レシービングトレイTは、単独で画像形成装置の正面側から空間部Sにてセットすることができるようになっている。図6において、レシービントレイTの奥側にはL字状の係合部T1が形成されている。一方、画像形成装置本体の奧側の本体フレーム57には、図7に示すように、係合部T1に嵌合する形状の係合穴59が形成されている。この係合穴59は、レシービングトレイTを片持ち支持状に、画像形成装置本体の奥部に着脱可能に取り付ける取り付け部である。
【0067】
よって、図8(a)に示すように、画像形成装置の正面側から矢印で示す向きにレシービングトレイTを入れていき、係合穴59に係合部T1を嵌合させることにより、片持状の支持でも十分にレシービングトレイTを取り付け状態に保持することができる。必要があれば、簡単に取り外すこともできる。
なお、レシービングトレイTとしては、図15、図16(a)、(b)に示すように、係合部T1’の形状を単純なL字状の構成とすることができる。その場合には、この係合部T1’が嵌合する係合穴59’も図16(a)、(b)に示すように単純なL字状の構成とする。
【0068】
ここで、係合穴59の奥部にはレシービングトレイTの装着の有無を検知するためのトレイ装着検知手段としてのセンサTSが設けられている。センサTSの検知情報に基づいて、レシービングトレイTの取り付け忘れに際し、警告等を出すようにしている。レシービングトレイTの取り付けを忘れた状態で排紙を行なうと排紙収納部4に排紙されて記録済みの用紙が混ざってしまうので、これを避けるためこの警告により、レシービングトレイTを取り付けるなど適宜の対処をする。
【0069】
第2の排紙装置100では、切り換えガイドG、ガイド手段49、排紙ローラ50にわたる搬送路が形成される。第2の排紙装置100への用紙の排出が選択されると、切り換えガイドG、ガイド手段49、排紙ローラ50にわたる搬送路を経て用紙が送り出されレシービングトレイTの上に画像面を下面にしてスタックされる。平面部48hに設けられた用紙センサ130は、この第2の排紙装置100に用紙が排出・スタックされていることを検出する。この検出結果は、図2(a)に示す表示部L2に表示される。或いは、操作パネル45の表示部に表示する。表示部L2の方が画像形成装置から離れていても見やすい位置であるので視認が容易である。
【0070】
この排紙の過程で、搬送路にペーパジャムが発生したときには、図3、図9において、画像形成装置の正面側に位置する上ガイド部材101の矩形穴123、長穴122と、下ガイド部材102のフック129、ピン128との係合を解除し、下ガイド部材102の平面部48hであって、正面側に形成した細かい溝からなる指かけ部133をつまんで左の方向に引く。すると、図10に示すように、下ガイド部材102の一部がレシービングトレイTの下に入り込む状態で、画像形成装置の奥側に位置する回動軸104を中心に回動して搬送路103を開放することができる。
【0071】
この回動に際しては、レシービングトレイTの、上流に向けて下向きに勾配が付された領域T9の下側に同じ向きの勾配を有する斜面部48sを重ねた構成であるので、斜面部48sがレシービングトレイTの下面に干渉することはない。この回動により、下ガイド部材102は、切り換えガイドG、ソレノイドSOL、下ガイド126、下ローラ132と共に実質一体になって回動するので、空間Sにて切り換えガイドG、ガイド手段49、排紙ローラ50にわたる搬送路103が同時に開放される。
【0072】
そこで、上ガイド部材101と下ガイド部材102との間にできるスペースにSP(図10参照)に手を入れて、ジャムペーパの除去処理をするが、そのスペースには切り換えガイドGをはじめ、下ガイド126や下ローラ132等が無いので、除去処理が容易である。ここで、切り換えガイドGが下ガイド部材102とともに搬送路から離れるようにしたので、ペーパジャムを起こした用紙の処置をするのに、邪魔になるものが無く、ペーパジャムの処置を容易に行うことができる。
【0073】
またソレノイドSOLに付随する連結部材140と切り換えガイドGおよびピンG3との係合が離れることなく下ガイド部材102と一体的に回動するので、複雑な機構を介することなく、これら部材間の位置精度も維持され、信頼性が高い。下ガイド部材102が回動されて搬送路が103が開放されているときは、下ガイド部材102に設けた突起127が上ガイド部材101に設けた開閉検知センサ121から離れており、開閉検知センサ121の内部回路が開きモータMO等電装部品の作動を禁止すると共に、適宜、操作パネル45(或いはホストコンピュータ)の表示部に表示する。
【0074】
図9において、レシービングトレイTの上流側の端部は、斜面部48sの上に位置して段差を構成し、排紙される用紙の先端部が排紙ローラ50の部位から垂下してこの段差の部位にぶつかるという懸念がある。尤も、この点は、段差の生ずる部位を排紙ローラ50に近付ければ解決するが、そのように近付けすぎると、今度は、図10に示すように下ガイド102の壁部60がレジービングトレイTにぶつかって回動ストロークが小さくなってしまう。
【0075】
そこで、下ガイド102の回動ストロークをジャム処理に十分な大きさをとりながら、しかも、上記段差に対する用紙先端の干渉を回避するための対策が必要となる。この点については、用紙は上ローラ120と下ローラ132との共通接平面に沿って排出されるのであるから、ジャム処理に十分な回動ストロークを確保した上で、図11に示すように、両ローラの共通接平面61を、排紙方向63の下流側が水平面62に対して上向きとなるように、角度θを適宜付すようにすればよい。或いは、用紙に対して排紙方向63に対して垂直な方向に湾曲させて所謂紙の腰をつけるようにすることもできる。このようにすれば、図11で符号64で示す段差の部位を越えた位置に用紙の先端が着地するので、トレイ上での用紙の乱れは回避される。
【0076】
また、他の手段として、図9に示すように、レシービングトレイTの排紙方向63での上流側端縁を排紙方向63に垂直な方向O−Oに対して角度βだけ傾けた構成とすることもできる。このような傾斜端縁65を形成することにより、仮に用紙の先端が垂下しても、傾斜端縁65上に垂下した用紙の先端が交差して載るので、段差は用紙の送りに支障はなく、用紙はトレイ上にスムーズに送られる。この傾斜の傾きの度合いや、傾きの方向は実際に即して適宜設定する。
【0077】
この場合、特に、図9に示すように。傾きの方向を、当該画像形成装置の奥側から正面側に向かうほど、排紙方向下流側に向けて切欠き量が増す傾向の傾きとした場合には、この切欠きにおける傾きの傾向が下ガイド部材102を搬送路を開放するために回動したときに変位する壁部60の傾きと合致する傾向となるので、下ガイド部材102の回動ストロークを増すことができる。1枚が送られた後は、この送られた用紙が段差の上を被うので段差の存在は問題なくなる。
なお、以上の例では、下ガイド部材102を可動としたが、奥側を回動支点として、上ガイド部材101を回動させることによっても、同様に搬送路を開放することができる。
【0078】
[4]請求項8〜10に対応する例
前記[1]〜[3]では図1〜図13により、原稿の画像を読み取る原稿読み取り装置3と、この原稿読み取り装置3の下方に、操作部のある正面側と連通し得る空間部Sを隔てて配設された画像形成部1とを備え、原稿読み取り装置3の下方の空間部Sに画像形成済みの記録媒体を排出する第1の排紙装置41を備え、この第1の排紙装置41の他に記録媒体を受け取る第2の排紙装置100を設けることができる画像形成装置について説明した。
【0079】
その構成の概要は、第2の排紙装置100は搬送路を構成するガイド手段49と、記録媒体を載置するレシービングトレイTを有し、ガイド手段49は下ガイド部材102と、上ガイド部材101の少なくとも2個のガイド部材を備え、図10に示すようにこれら2個のガイド部材のうち、下ガイド部材102は回動軸104を支点軸として回動し、空間部Sにおいて上ガイド部材101に対して開放できるものであった。
以下に説明する例は下ガイド部材102が可動であることを前提に、この下ガイド部材102を閉じたときにレシービングトレイTに対してより確実に一体化された状態を得ることを狙いとして構成されている。
【0080】
(i)第1の例
第1の例を図17〜図20により説明する。
なお、説明が煩雑になるのを避けるため、以下の説明では既に説明した図1〜図13における部材と共通の機能を有する部材については、図1〜図13におけるものと同じ符号を使用し、重複した説明は省略する。
【0081】
図17において、当該画像形成装置の操作部が設けられた側を操作面側といい、この操作面側にオペレーターが立ち操作を行なう。この操作面側は正面側とも称される。下ガイドトレイ48の斜面部48sは下流に向かう程、立ち上がる傾向の勾配面として形成されている。このような勾配面の最高部つまり、三角形状部分からなる斜面部48sの頂点に相当する部位にはさらに排紙方向63に突出した板状の係合部H1が一体に形成されている。この係合部H1は斜面部48sの延長として形成されていて排紙方向63に延びている部位と、この伸びた部位から正面側にL字状に折曲した形状の部位をしていて、L字状に折曲した形状部分の先端部は係合時の円滑さを得るためおよび取り扱い時の安全を考慮して角部を落した丸みをおびた形状にしてある。
【0082】
図18に示すように開閉検知センサ121が下ガイドトレイ48により押圧されてオン状態になっているとき、図3で説明したようにフック129が矩形穴123に係合しており、同時に上ローラ120と下ローラ132とが接触した状態になっていて用紙を送りだすことができる状態となっている。このように下ガイドトレイ48が搬送路を閉じる状態にあるとき、レシービングトレイTを正面側から装着方向aに移動させて係合部T1を係合穴59に嵌入させる。これにより、レシービングトレイTが画像形成装置本体に装着される。レシービングトレイTを取り外す場合は逆の動作を行なう。レシービングトレイTが装着されているか否かはセンサTSにより検知される。
【0083】
図17に示すようにレシービングトレイTの裏面には、搬送路を閉じた状態にある下ガイドトレイ48の係合部H1と係合して当該レシービングトレイTを支持する係合部H2が設けられている。係合部H2はレシービングトレイTと一体に樹脂成形により形成されている。係合部H2は図17に示すようにレシービングトレイTから切り離した単独の形状がL状の小片からなる。このL字状の小片からなる。このL状の小片からなる係合部H2は、レシービングトレイTと一体化された状態では下向きに延びている基部H2−1と、この基部H2−1から水平方向に折曲して奥側に向けて延びる保持部H2−2とからなる。
【0084】
係合部H2はレシービングトレイTと一体に樹脂成形により構成することもできるが、別体で製作してレシービングトレイTの裏面に接着したり、ねじ止めするなどの方法で取り付けることもできる。保持部H2−2とレシービングトレイTの裏面との間は、係合部H1が入り込めるだけの間隔が設けられている。
【0085】
図18において下ガイドトレイ48は搬送路を閉じた状態にある。この状態のもとで、正面側からレシービングトレイTを装着方向aに向けて移動させて、係合部T1を係合穴59に嵌合させる。この嵌合がなされるとき同時に保持部H2−2とレシービングトレイTの裏面との間に係合部H1が挿入されて図19に示すように係合関係がなされる。つまり係合部H1が、保持部H2−2とレシービングトレイTの裏面との間に挟み込まれた状態になって係合部H2は係合部H1に支持された状態となる。
【0086】
ここで、下ガイドトレイ48はガイドピン111と2つのガイドピン112の合計3点で画像形成装置の本体に支持されているので奥側での支持状態は強固であり、片持支持ではあるものの正面側での強度も有している。よって、下ガイドトレイ48側に設けた係合部H1がレシービングトレイT側に設けた係合部H2を支えることとなり、これら係合部H1と係合部H2とは係合関係にあるので、下ガイドトレイ48が確実にレシービングトレイTを保持する関係となる。
【0087】
レシービングトレイTは画像形成装置本体に対し奥側で係合部T1が係合穴59に入り込んで止まっているだけであるのでレシービングトレイTの正面側(非支持側)で垂れ下がる傾向にあるが、係合部H2が係合部H1に係合支持されることによりレシービングトレイTの正面側での垂れが防止される。このように下ガイドトレイ48とレシービングトレイTとが係合により一体化されることからレシービングトレイT上に用紙が積載されて荷重がかかっても変形しにくくなり、十分に荷重を支えることができる。
【0088】
このような係合部H1と係合部H2との係合関係を利用してレシービングトレイTを支持しなくても、図11、図19などに示されるようにレシービングトレイの排紙方向63の上流側の端縁部が下ガイドトレイ48の排紙方向下流側の端縁部に乗り上げているので、本来的にレシービングトレイは下ガイドトレイに支持される構成にはなっているのであるが、レシービングトレイT上に記録済みの用紙が積載されていき大きな荷重がかかるようになると、レシービングトレイTの下ガイドトレイ48に乗り上げている部分が変形によりスリップして下ガイドトレイ48から外れてしまい、レシービングトレイTの自由端側が大きく下がってしまい用紙の荷重を支えきれなくなることが懸念されるが、本例の場合には係合部T1、係合部T2の係合により支持が強化されるのでそのようなことがなく、荷重を支えることができる。
【0089】
図19に示すように係合部H2は排紙方向63が開放されていて係合部H1の通過を許す構成になっている。よって、レシービングトレイTを画像形成装置本体に装着したままの状態で、図19に示すように係合部H1と係合部H2との係合状態から、図20に示すように下ガイドトレイ48を搬送路が開放される状態に回動変位させてジャム処理を行なうことができる。但し、記録済みの用紙が載っている状態のままで下ガイドトレイ48を回動させると壁部48が用紙の後端を押して用紙をトレイから落下させる危険があるので、用紙は予め除いておくのがよい。
【0090】
なお、上記例の係合部をレシービングトレイT側と下ガイドトレイ48側とで入れ替えた構成、つまり、レシービングトレイT側にコの字状の係合部を形成し、下ガイドトレイ48側に上記コの字状の係合部に係合する板状の係合を形成して、これらの係合部の係合関係を利用する態様とすることもできる。
【0091】
(ii)第2の例
第2の例を図21〜図24により説明する。
なお、説明が煩雑になるのを避けるため、以下の説明では既に説明した図1〜図13における部材と共通の機能を有する部材については、図1〜図13におけるものと同じ符号を使用し、重複した説明は省略する。
【0092】
図21において、当該画像形成装置の操作部が設けられた側を操作面側といい、この操作面側にオペレーターが立ち操作を行なう。この操作面側は正面側とも称される。下ガイドトレイ48の斜面部48sは下流に向かう程、立ち上がる傾向の勾配面として形成されている。このような勾配面の最高部つまり、三角形状部分からなる斜面部48sの頂点に相当する部位にはさらに排紙方向63に突出させて板状の係合部H1’が設けられている。この係合部H1’は平坦な板面が鉛直方向および排紙方向63に共通に沿っていて該板面には正面側から奥側に向かう方向に係合穴H1’−Bが形成されている。
【0093】
図22に示すように開閉検知センサ121が下ガイドトレイ48により押圧されたオン状態になっているとき、図3で説明したようにフック129が矩形穴123に係合しており、同時に上ローラ120と下ローラ132とが接触した状態になっていて用紙を送りだすことができる状態となっている。このように下ガイドトレイ48が搬送路を閉じた状態のもとで、オペレーターは正面側からレシービングトレイTを装着方向aに移動させて係合部T1を係合穴59に嵌入させる。これにより、レシービングトレイTが画像形成装置本体に装着される。取り外す場合は逆の動作を行なう。装着状態の確認はセンサTSにより行なう。
【0094】
図21に示すようにレシービングトレイTの裏面には、搬送路を閉じた状態にある下ガイドトレイ48の係合部H1’の係合穴H1’−Bと係合して当該レシービングトレイTを支持する係合部H2’が設けられている。係合部H2’はレシービングトレイTと一体に樹脂形成されて形成されている。係合部H2’は、レシービングトレイTから切り離した単独の形状が図21に示すように係合部H1’と平行な板状部H2’−Aと、この板状部H2’−Aから奥側に向かって突き出たピンH2’−Bからできている。
【0095】
係合部H2’はレシービングトレイTと一体に樹脂成形により構成することもできるが、別体で製作してレシービングトレイTの裏面に接着、ねじ止めなどの方法で取り付けることもできる。
図22において搬送路を閉じた状態にある下ガイドトレイ48にレシービングトレイTを正面側から奥側に向かう装着方向aに移動させて、係合部T1を係合穴59に嵌合させる。この嵌合がなされるとき同時にピンH2’−Bが係合穴H1’−Bに入り込むようになっている。この結果、レシービングトレイTの取り付けがなされたとき、図23に示すようにピンH2’−Bと係合穴H1’−Bとの係合関係がなされる。つまりピンH2’−Bが係合穴H1’−Bに入り込んだ状態になってピンH2’−Bは係合穴H1’−Bにより支持された状態となる。
【0096】
ここで、下ガイドトレイ48は前記第1の例で述べたとおり、奥側での支持状態は強固であり、片持支持ではあるものの正面側での強度も有している。よって、下ガイドトレイ48側に設けた係合穴H1’−BがレシービングトレイT側に設けたピンH2’−Bを支えることとなり、これら係合穴H1’−BとピンH2’−Bとは係合関係にあるので、下ガイドトレイ48が確実にレシービングトレイTを保持する関係となる。
【0097】
レシービングトレイTは画像形成装置本体に対し奥側で係合部T1が係合穴59に入り込んで止まっているだけであるのでレシービングトレイTの正面側(非支持側)で垂れ下がる傾向にあるが、ピンH2’−Bが係合係合穴H1’−Bに係合支持されることによりレシービングトレイTの正面側での垂れが防止される。このように下ガイドトレイ48とレシービングトレイTとが係合により一体化されることからレシービングトレイT上に用紙が積載されて荷重がかかっても変形しにくくなり、十分に荷重を支えることができる。
【0098】
このような係合部H1と係合部H2との係合関係を利用してレシービングトレイTを支持しなくても、図11、図23などに示されるようにレシービングトレイの排紙方向63の上流側の端縁部が下ガイドトレイ48の排紙方向下流側の端縁部に乗り上げているので、本来的にレシービングトレイは下ガイドトレイに支持される構成にはなっているのであるが、レシービングトレイT上に記録済みの用紙が積載されていき大きな荷重がかかるようになると、レシービングトレイTの下ガイドトレイ48に乗り上げている部分が変形によりスリップして下ガイドトレイ48から外れてしまい、レシービングトレイTの自由端側が大きく下がってしまい用紙の荷重を支えきれなくなることが懸念されるが、本例の場合には係合穴H1’−BとピンH2’−Bの係合により支持が強化されるのでそのようなことがなく、荷重を支えることができる。
【0099】
本例の場合には、下ガイドトレイ48の回動方向が、ピンH2’−Bおよび係合穴H1’−Bの方向と略直交する方向で係合している関係にあるので前記した第2の例の場合のように、レシービングトレイTを装着したままで、下ガイドトレイ48を回動させ搬送路を開放状態にすることはできない。従ってペーパジャムを生じた場合には、図24に示したように予めレシービングトレイTを画像形成装置本体から取外した状態にした後に、下ガイドトレイ48を回動させジャム処理を行なう。
【0100】
ここで、下ガイドトレイ48を開くに先立ち、レシービングトレイTを取り去ることは意味がある。もし、第1の例における図20のようにレシービングトレイTを装着した状態のままで下ガイドトレイ48を回動できたとすると、下ガイドトレイ48の壁部60が開くとき、記録済みの用紙の後端を押すことになる。その結果、用紙がトレイから落下するおそれがあるからである。
従って、前記第1の例の場合には、ジャム処理時にオペレーターが真っ先に下ガイドトレイ48を開くことがないように注意しなければならないのに対して、本例の場合には開けない構造になっているので用紙落下の危険が少ない。
【0101】
なお、上記例の係合部をレシービングトレイT側と下ガイドトレイ48側とで入れ替えた構成、つまり、レシービングトレイT側に係合穴H1’−B、下ガイドトレイ48側にピンH2’−Bを形成して、これらの係合部の係合関係を利用する態様とすることもできる。
【0102】
[5]請求項11〜17に対応する例
これまで説明した実施態様における典型的な例に係る、例えば図9に示した構成において、第2の排紙装置100に送り出される用紙42は、搬送方向上流側に位置する下ガイドトレイ48を経てレシービングトレイTに至る。下ガイドトレイ48は奥側に設けた鉛直方向の回動軸104を中心として回動可能になっていて、ジャムペーパの処理を可能にしている。この回動時におけるレシービングトレイTとの干渉を回避するため、下ガイドトレイ48はレシービングトレイTの下側に位置をずらして設けてある。このため、下ガイドトレイ48とレシービングトレイTとの重なり部分で上下方向に段差、つまり凹凸ができてしまう。
【0103】
一方、レシービングトレイTは大きい幅の用紙を載置可能なように該用紙を保持し得るほどに十分に正面側に用紙の載置面を有するのが理想的であるが、正面側に大きくせり出した構成にした場合、次の不具合が生じる。
【0104】
a.上方から見たとき、第1の排紙装置41がレシービングトレイTに覆われてしまうことから、第1の排紙装置41上に排紙された用紙をオペレータが確認できない、もしくは確認しづらくなる。
b.装置全体が大型化してしまう。
c.レシービングトレイTを片持ち支持構造としたものでは、レシービングトレイの正面側に延ばした大サイズの構成にすれば、該トレイの重量を増しその自重で片持ち支持の強度が荷重に耐えられず正面側で垂れ下がったり、強度を増した構成とすれば材料費が嵩み部品費が高くなったりする。
【0105】
これらの不具合を生じなくするためには、図9に示すレシービングトレイTの幅(用紙搬送方向に直交する方向での寸法)を狭くせざるを得ない。このような事情から、レシービングトレイの幅を下ガイドトレイ48の幅よりも狭くした構成例を図33に示す。図33に示すようにレシービングトレイTnは奥側の端部を下ガイドトレイ48の奥側の端部と略揃えてあるので、該レシービングトレイの正面側端部の位置が下ガイドトレイ48の正面側端部よりも奥側に引っ込んでいる。このため、奥側基準で排紙されてくる用紙は、レシービングトレイTn上で該トレイから正面側にオーバーハング状にせり出した状態になる。
【0106】
図33において、用紙搬送方向の下流側から上流側に向けて位置をずらし、a―a、b―b、c―cで示す各位置で切断したとき、これらの各切断位置を上流側から矢視で示す向きでみたときの状態を示したのが図34である。なお、この装置における用紙の送り方式は片側基準方式を採用しており、図33、図34において符号CLは送られる用紙の幅方向のセンタラインを示している。
【0107】
図34において、最も下流側の矢視断面に相当する図34(a)の[a―a]矢視断面によれば、レシービングトレイTn上において用紙42の正面側への垂下量が大きくなっており、その反動で該用紙42の奥側がレシービングトレイTn上から浮いた状態となっている。また、図34(b)の[b―b]矢視断面によればレシービングトレイTnと下ガイドトレイ48とに段差があり、この段差部分で用紙42が折れ曲がり該用紙42の正面側が垂下し、奥側が反動でレシービングトレイTn上より浮き上がっている。この浮き上がった用紙42の部分に、次いで排紙されてくる用紙の先端部が当接し、前の用紙42を押し出して整列を乱したり、或はこの浮き上がった用紙42の下に次いで排紙されてくる用紙の先端部が潜り込んでページ順を狂わしてしまう。このため、再整列作業やページ揃えの作業が新たに発生してしまう。
【0108】
以下に、図25〜図32により説明する実施の態様では、レシービングトレイの幅を狭くしたときに生ずる上記の問題を解消することのできる手段に係る。図25は前記図3に対応し、下ガイドトレイ48に後述する突状部MT1が設けられている他は前記図3に示した構成と実質的な差異はない。図26は前記図5に対応し、下ガイドトレイ48に後述する突状部MT1が設けられている他は前記図5に示した構成と実質的な差異はない。図27は前記図6に対応し、突部TT1が設けられかつ、当該レシービングトレイT'の幅が狭くなっている他は前記図6に示した構成と差異はない。図28は前記図6に対応し、突部TT2が設けられかつ、当該レシービングトレイT"の幅が狭くなっている他は前記図6に示した構成と差異はない。図29、図30はそれぞれ前記図9、図10に対応し、レシービングトレイT'について幅が狭く、かつ、突部TT1が設けられていて、下ガイドトレイ48については突状部MT1が設けられている他は前記図9に示した構成と差異はない。
【0109】
請求項11に対応する例では、図25、図26、図29、図30、図31に示すように、レシービングトレイT'、或はレシービングトレイT"と該したガイドトレイ48の上下方向の段差によりトレイ上の用紙が傾くのを防ぐ突状部MT1を下ガイドトレイ48の用紙載置面の一部に設けている。
請求項12に対応する例では、図27、図29、図30、図31に示すように、レシービングトレイT'の用紙載置面の一部に突部TT1を設けた。また、図28、図32に示すように、レシービングトレイT"の用紙載置面の一部に突部TT2を設けている。
【0110】
請求項13に対応する例では、図29に示すようにこれら突部TT1、TT2や突状部MT1を、トレイ上を送られる用紙の幅方向のセンタラインCLよりも正面側に偏った位置に設けた構成としている。ここで、突部TT2は図28、図32に示すようにレシービングトレイT'上、正面側の縁部に設けている(請求項14)。さらに、図25から図28に示すように、これら突状部MT1や突部TT1、TT2はリブ状をしている(請求項15)。さらに、これら突状部MT1や突部TT1、TT2を具備した下ガイドトレイ48やレシービングトレイT’、T"は成形された樹脂からなることとしている(請求項16)。
【0111】
以下にこれらのことをさらに具体的に説明する。
図29において、使用される用紙のうちほぼ最大サイズのものがレシービングトレイT'と下ガイドトレイ48とにまたがって載置されている。図29において、前記図33におけると同様、用紙搬送方向の下流側から上流側に向けて位置をずらし、a―a、b―b、c―cで示す各位置で切断したとき、これらの各切断位置を上流側から矢視で示す向きでみたときの状態を示したのが図31である。図31における[a―a]矢視断面、[b―b]矢視断面、[c―c]矢視断面は、それぞれ図34における[a―a]矢視断面、[b―b]矢視断面、[c―c]矢視断面に対応している。
【0112】
図31の[a―a]矢視断面において、レシービングトレイT'に設けられ突部TT1がセンタラインCLよりも正面側にあることにより、用紙42の正面側は大きく垂下せず、該用紙42の奥側もレシービングトレイT'の上面より浮き上がらずに収まる。このことは、図34の[a―a]矢視断面と比較して明らかである。このように、用紙の浮き上がりがなくなるので、次に排紙されてくる用紙がこの浮き上がった用紙の下に入り込んだり、押し動かすことによりページ順が狂ったり、スタックの整然さが保てなくなるのを防止し、整然と用紙が揃う排紙装置を実現することができる。
【0113】
また、用紙42の正面側における垂下がないので、レシービングトレイT'に用紙が載置されている状態で、このレシービングトレイT'の下方にある排紙収納部4に排紙される用紙と干渉することがない。
図31の[b―b]矢視断面において、レシービングトレイT'と下ガイドトレイ48との間には、図中、レシービングトレイT'の正面側の端部において上下方向に段差があるが、この段差を実質上解消するように突状部MT1が下ガイドトレイ48に設けてあるため、用紙42はレシービングトレイT'と突状部MT1上に架橋状に掛け渡された状態となり、該用紙42は傾かない状態で保持される。
【0114】
また、図31の[b―b]矢視断面でほぼ平らに見えた用紙42は一平面となっている図31の[c―c]矢視断面においてもほぼ平らな状態で下ガイドトレイ48の上面に沿っている。従って、図31の[c―c]矢視断面において用紙42の浮き上がりは発生しない。
よって、図34で説明したように、次いで排紙されてくる用紙の先端部が浮き上がっている用紙に当接しこの用紙42を押し出して整列を乱したり、或はこの浮き上がった用紙42の下に次いで排紙されてくる用紙の先端部が潜り込んでページ順を狂わしてしまい、このため、再整列作業やページ揃えの作業が新たに発生してしまうなどの不具合は生じない。スタック性は良好となる。
【0115】
次に、図28に示すようにレシービングトレイT"について、突部TT2を正面側の縁部に設けた構成を場合について説明する。このレシービングトレイT"上に用紙が載置されたときの状態を図32に示す。この図32は図31の[a―a]矢視断面に相当する位置での矢視断面図である。図32と図31の[a―a]矢視断面との比較から明らかなように、図32の場合には図31の[a―a]矢視断面の場合よりも、さらに、センタラインCLより正面側に離れた位置に突部TT2が位置している。このため一層、正面側での用紙42の垂下量が少なくなっている。よって、用紙の浮き上がりに起因して生ずる問題発生の余地は一層小さくなる。
【0116】
下ガイドトレイ48については突状部MT1を含め、また、レシービングトレイT'、T"は突部TT1,TT2を含めて、それぞれ樹脂材で一体成形により製作する。これら突状部MT1や突部TT1、TT2などは下ガイドトレイ48やレシービングトレイT'、T"の一部分だけにあればよいのであり、リブ状に形成している。
図25などに示すように、上ローラ120、下ローラ132などのローラによって排紙される用紙42の先端部は図29におけるレシービングトレイT'の上流側の端部TLを通過して該レシービングトレイT'上に着地し、少し登り、先端部が突部TT1を登る。従って、突部TT1は用紙42との摺動抵抗を小さくするためにも、リブ状にすることが好ましい。突部TT2においても同様である。 この実施態様における画像形成装置では、下ガイドトレイ48やレシービングトレイT'、T"などは当該画像形成装置の中心に在り、排紙機能も面でも、また、デザイン的にも重要な部分である。このため、下ガイドトレイ48やレシービングトレイT'、T"などは3次元曲面を採り入れ美的な形状にしている。
【0117】
コンピュータの導入により行なわれるキャド(CAD)、カム(CAM)などが普及した現代では、3次元曲面は樹脂の成形により実現することが容易であるし、また、樹脂成形によるものは大量生産に向いているのでコストの面でも有利である。
【0118】
以上の実施態様において、突状部MT1を有する下ガイドトレイ48と突部TT1,TT2などを具備したレシービングトレイT'或はレシービングトレイT"との組み合わせ時における構成で説明したが、下ガイドトレイ48にのみ突状部MT1を設けた構成でも浮き上がり防止効果はある。突部TT1,TT2などは、用紙の排紙方向に沿って長い形状にしてあるので、スタック性向上の効果は大である。なお、以上の実施態様において、下ガイドトレイ48は奥側に設けた鉛直方向の回動軸104を中心として回動可能になっていて、ジャムペーパの処理を可能にしている。
【0119】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、レシービングトレイを取り外さなくとも下ガイド部材を回動させて搬送路を開放することができ、ペーパジャムの処置を容易に行うことができる。
請求項2記載の発明では、段差を構成するレシービングトレイの上流側端縁を排紙方向に垂直な方向に対して傾斜させたので、用紙の前端が段差につかえることなくスムーズにトレイ上に送られる。よって、下ガイド部材の回動ストロークを十分に確保することができるような位置に上記段差の位置を選択できる。
【0122】
請求項3記載の発明では、レシービングトレイの上流側端縁に形成した傾斜に沿うような位置まで下ガイド部材を回動させることができるので、下ガイド部材の回動ストロークを大きくすることができる。
請求項4、5記載の発明では、正面側からのみの作業が可能であるので、第2の排紙装置を着脱するときの作業スペースが小さくできると共に、着脱作業が容易にできる。
請求項6記載の発明では、排紙ローラから送り出される用紙前端の垂下位置を、レシービングトレイの上流側端縁で形成される段差を越えた位置にすることができる。
請求項7記載の発明では、切り換えガイド、ガイド手段、排紙ローラ等による搬送路を同時に開放することができ、しかもジャム処理に十分なスペースを確保することができる。
【0123】
請求項8記載の発明では、レシービングトレイと下ガイドトレイとにそれぞれ係合部を設け、これら係合部の係合関係により、片持支持の非支持側の強度が強化されこれら両トレイに記録済みの用紙が積載されたとき用紙の重みにより強く耐えることができる。
請求項9記載の発明では、レシービングトレイが画像形成装置本体に装着された状態では下ガイドトレイを回動させることができないので、オペレーターが不用意に下ガイドトレイを開くことによりレシービングトレイ上の用紙が押し出され落下するような事態を防止することができる。
請求項10記載の発明では、レシービングトレイは画像形成装置本体に対し、画像形成装置本体の正面側から着脱可能であるので、ジャム処理に際しての下ガイドトレイの開き動作に先立ってのレシービングトレイの操作性が良好である。
【0124】
請求項11記載の発明では、下ガイドトレイに設けた突部により、整然と用紙を揃えることができる画像形成装置を得ることができる。
請求項12記載の発明では、レシービングトレイにも突状部を設けたので、レシービングトレイ端部から該トレイ上の用紙が垂下し、該トレイ上の用紙が捩れたように傾き、用紙後端部が浮き上がった状態になり、次に排紙されてくる用紙がこの浮き上がりの部位に入り込んだり、先の用紙を押してページ順を狂わしたり、スタックの整然さをなくすような事態を解消することができる。さらに、下の排紙収納部へ排紙されるべき用紙が前記垂下した用紙につかえてペーパジャムを発生させるのを防止できる。
【0125】
請求項13記載の発明では、突部や突状部を正面側に偏った位置に設けたので、下ガイドトレイとレシービングトレイの段差によりトレイ上の用紙が傾くのを防止してスタック性を良好にするという効果に加え、トレイを小型にできるのでその下の排紙収納部に排紙された用紙の視認性が良好となり、トレイも軽量化でき、安価でもある。
【0126】
請求項14記載の発明では、突部をレシービングトレイの正面側縁部に設けたので正面側での用紙の垂下量の軽減効果が一層顕著である。
請求項15記載の発明では、突部または突状部をリブ状にしたので、1枚目の用紙がレシービングトレイ上を進むときの抵抗が減り、用紙をスムーズにスタックすることができる。
請求項16記載の発明では、下ガイドトレイおよびレシービングトレイは成形された樹脂からなることとしたので、用紙がトレイ状を進むのに最適な形状や、トレイ上での用紙の傾きを補正するための最適なリブ状に安価に効率よく生産することができる。
【0127】
請求項17記載の発明では、レシービングトレイを奥側で片持ち支持構造としているので着脱の操作性が良好である。かかるレシービングトレイにおいて突部を設けたので、該トレイを小型化しても用紙の垂下による弊害をなくし十分に良好なスタック性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第2の排紙装置を装着した状態での画像形成装置の概略構成を示した正面図である。
【図2】画像形成装置の斜視図である。
【図3】ガイド手段の分解斜視図である。
【図4】切り換えガイドおよびその駆動系の構成を説明した正面図である。
【図5】下ガイド部材の斜視図である。
【図6】レシービングトレイの斜視図である。
【図7】レシービングトレイの取り付け部を説明した画像形成装置本体一部の斜視図である。
【図8】図8(a)はレシービングトレイとその取り付け部との関係を説明した断面図、図8(b)はレシービングトレイを取り付けた状態を説明した断面図である。
【図9】第2の排紙装置について、下ガイド部材を回動する前の状態を示した平面図である。
【図10】第2の排紙装置について、下ガイド部材を回動した後の状態を示した平面図である。
【図11】排紙ローラを構成する上ローラと下ローラとの関係を説明した正面図である。
【図12】下ローラの支持構造を説明した部分断面正面図である。
【図13】第2の排紙装置を装着していない状態での画像形成装置の概略構成を示した正面図である。
【図14】爪部の切換機構の他の態様を説明した分解斜視図である。
【図15】レシービングトレイと装置本体との嵌合部の他の態様を説明した分解斜視図である。
【図16】図16(a)はレシービングトレイ装着前の関係を説明した断面図、図16(b)はレシービングトレイ装着後の関係を説明した断面図である。
【図17】レシービングトレイ、下ガイトトレイの各係合部を説明した分解斜視図である。
【図18】レシービングトレイと下ガイトトレイと係合関係を説明した平面図である。
【図19】レシービングトレイと下ガイトトレイと係合状態を説明した平面図である。
【図20】レシービングトレイを装着したままの状態で下ガイトトレイを開いた状態を説明した平面図である。
【図21】レシービングトレイ、下ガイトトレイの各係合部を説明した分解斜視図である。
【図22】レシービングトレイと下ガイトトレイと係合関係を説明した平面図である。
【図23】レシービングトレイと下ガイトトレイと係合状態を説明した平面図である。
【図24】レシービングトレイを装着したままの状態で下ガイトトレイを開いた状態を説明した平面図である。
【図25】ガイド手段の分解斜視図である。
【図26】下ガイド部材の斜視図である。
【図27】レシービングトレイの斜視図である。
【図28】レシービングトレイの斜視図である。
【図29】第2の排紙装置について、下ガイド部材を回動する前の状態を示した平面図である。
【図30】第2の排紙装置について、下ガイド部材を回動する前の状態を示した平面図である。
【図31】トレイの各部での断面図である。
【図32】トレイの断面図である。
【図33】第2の排紙装置について、下ガイド部材を回動する前の状態を示した平面図である。
【図34】トレイの各部での断面図である。
【符号の説明】
41 第1の排紙装置
48 下ガイドトレイ
49 ガイド手段
50 排紙ローラ
100 第2の排紙装置
101 上ガイド部材
102 下ガイド部材
120 上ローラ
132 下ローラ
S 空間部
T、T'、T" レシービングトレイ
TS センサ
H1、H2 係合部
H1’−B 係合穴
H2’−B ピン
MT1 突状部
TT1、TT2 突部
Claims (17)
- 原稿の画像を読み取る原稿読み取り装置と、この原稿読み取り装置の下方に、操作部のある正面側と連通し得る空間部を隔てて配設された画像形成部とを備え、前記原稿読み取り装置下方の前記空間部に画像形成済みの記録媒体を排出する第1の排紙装置を備え、この第1の排紙装置の他に記録媒体を受け取る第2の排紙装置を設けることができる画像形成装置であって、前記第2の排紙装置は搬送路を構成するガイド手段と、記録媒体を載置するトレイを有し、前記ガイド手段は下ガイド部材と、上ガイド部材の少なくとも2個のガイド部材を備え、これら2個のガイド部材の一方を前記空間部において開放できるように可動とし、
前記ガイド手段から排出される画像形成済みの記録媒体を載置するレシービングトレイを画像形成装置本体の前記空間部に位置するように着脱可能とし、
前記搬送路を開放するために可動な部材が下ガイド部材であり、この下ガイド部材は、前記排紙ローラから排出された記録媒体を受ける下ガイドトレイを有し、この下ガイドトレイは前記レシービングトレイよりも排紙方向での上流側に位置し、前記下ガイドを回動して開放したときに、レシービングトレイと干渉しないよう、前記レシービングトレイに対し上下方向に位置がずれていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記レシービングトレイの排紙方向上での上流側は下向きに傾斜していて、前記下ガイドトレイは前記レシービングトレイの前記上流側端部の下に位置して前記レシービングトレイに対する上下方向の位置ずれを構成し、前記レシービングトレイの前記上流側端縁は、該レシービングトレイの上面で、記録媒体の排紙方向に垂直な方向に対して傾斜していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2記載の画像形成装置において、
前記傾斜は、当該画像形成装置の奥側から前記正面側に向かうほど、排紙方向下流側に向けて切欠き量が増す傾向の傾きであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置において、
前記第2の排紙装置は画像形成装置本体の前記空間部に前記正面側から着脱可能としたことを特徴とした画像形成装置。 - 原稿の画像を読み取る原稿読み取り装置と、この原稿読み取り装置の下方に、操作部のある正面側と連通し得る空間部を隔てて配設された画像形成部とを備え、前記原稿読み取り装置下方の前記空間部に画像形成済みの記録媒体を排出する第1の排紙装置を備え、この第1の排紙装置の他に記録媒体を受け取る第2の排紙装置を設けることができる画像形成装置であって、前記第2の排紙装置は搬送路を構成するガイド手段と、記録媒体を載置するトレイを有し、前記ガイド手段は下ガイド部材と、上ガイド部材の少なくとも2個のガイド部材を備え、これら2個のガイド部材の一方を前記空間部において開放できるように可動とし、
前記上ガイド部材は上ローラ、前記下ガイド部材は下ローラをそれぞれ支持していて、これら上ローラと下ローラとにより、前記搬送路の一部をなす一対の排紙ローラを構成するものであり、
前記第2の排紙装置は画像形成装置本体の前記空間部に前記正面側から着脱可能としたことを特徴とした画像形成装置。 - 請求項5記載の画像形成装置において、
前記上ローラと前記下ローラの共通接平面を、前記排紙方向の下流側に進むほど、が水平面に対して上向きに傾くように、これら上ローラと下ローラの関係位置を設定したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5記載の画像形成装置において、
前記開放されるべき搬送路が、前記上ガイド部材に設けた上ローラとリブ状の上ガイド板および、前記下ガイド部材に設けられ前記上ローラに接触して回転する下ローラと、前記下ガイド部材に設けられ前記上ガイド板と間隔をおいて対向しているリブ状の下ガイド板と、前記下ガイド部材に設けられ前記第1の排紙装置からの記録媒体の進路を切り換える切り換えガイドにより構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 記録済みの記録媒体を搬送するための搬送路を形成する搬送ガイド部材と、この搬送ガイド部材と実質的に一体で回動により搬送路を開閉する可動排紙トレイと、前記可動排紙トレイの延長上で記録媒体を載置するレシービングトレイを備えていて、前記可動排紙トレイと前記レシービングトレイとがそれぞれ同じ側に位置する不動部材に片持状に支持されている画像形成装置において、
前記搬送路を閉じる状態にある前記可動排紙トレイの非支持側の一部と、前記レシービングトレイの非支持側の一部とが互いに係合して一方が他方を保持し合うことが可能な一対の係合部を前記可動排紙トレイの非支持側の一部とレシービングトレイの前記非支持側の一部に設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8記載の画像形成装置において、
前記レシービングトレイは不動部材としての画像形成装置本体に対して片持状に支持されていてかつ着脱可能であり、前記レシービングトレイを前記画像形成装置本体から取り去ることにより前記可動排紙トレイと前記レシービングトレイの係合が解除され可動排紙トレイの移動および該可動排紙トレイの移動による前記搬送路の開放がそれぞれ可能となることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項9記載の画像形成装置において、
前記レシービングトレイの前記画像形成装置本体に対する片持状の支持部は画像形成装置本体の操作面側にあい対する奥側に位置し、前記画像形成装置本体に対して前記正面側から前記レシービングトレイを着脱操作可能としていることを特徴とする画像形成装置。 - 原稿の画像を読み取る原稿読み取り装置と、この原稿読み取り装置の下方に、操作部のある正面側と連通し得る空間部を隔てて配設された画像形成部とを備え、前記原稿読み取り装置下方の前記空間部に画像形成済みの記録媒体を排出する第1の排紙装置を備え、この第1の排紙装置の他に記録媒体を受け取る第2の排紙装置を設けることができる画像形成装置であって、前記第2の排紙装置は搬送路を構成するガイド手段と、記録媒体を載置するトレイを有し、前記ガイド手段は下ガイド部材と、上ガイド部材の少なくとも2個のガイド部材を備え、これら2個のガイド部材の一方を前記空間部において開放できるように可動とし、
前記トレイが前記正面側からみて奥側に設けた鉛直方向の軸を中心に回動する下ガイドトレイと、この下ガイドトレイの延長上に用紙を載置するレシービングトレイを備え、前記搬送路を開放するために可動な部材が前記下ガイドトレイであり、前記下ガイドトレイを回動して開放したときに前記レシービングトレイと干渉しないよう前記レシービングトレイに対し下方向に位置をずらした構成とし、前記レシービングトレイと前記下ガイドトレイの上下方向の段差によりトレイ上の用紙が傾くのを防ぐ突状部を、前記下ガイドトレイの用紙載置面の一部に設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11記載の画像形成装置において、前記トレイが当該画像形成装置の奥側に設けた鉛直方向の軸を中心に回動する下ガイドトレイと、この下ガイドトレイの延長上に用紙を載置するレシービングトレイを備え、前記搬送路を開放するために可動な部材が前記下 ガイドトレイであり、前記下ガイドトレイを回動して開放したときに前記レシービングトレイと干渉しないよう前記レシービングトレイに対し下方向に位置をずらした構成とし、
前記レシービングトレイの端部より前記トレイ上の用紙が垂下するのを防ぐ突部を、前記レシービングトレイの用紙載置面の一部に設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11又は12記載の画像形成装置において、前記突部および前記突状部は、前記トレイ上の前記用紙の幅方向の中心よりも当該画像形成装置の正面側に偏った位置に設けたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項13記載の画像形成装置において、
前記突部を前記レシービングトレイ上、前記正面側の縁部に設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11乃至14の何れかに記載の画像形成装置において、
前記突部または突状部はリブ状をしていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11乃至15の何れかに記載の画像形成装置において、
前記下ガイドトレイおよび前記レシービングトレイは成形された樹脂からなることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11乃至16の何れかに記載の画像形成装置において、
前記レシービングトレイは前記奥側で、当該画像形成装置本体に設けられた取り付け部に片持ち支持で、前記正面側から着脱可能に取り付けられていることを特徴とする画像形成装置。
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