JP3753749B2 - ネットワークを用いた著作物提供システム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はネットワークを用いた著作物提供システム、特に、マルチメディアを利用した作品をネットワークを介して提供するとともに、提供した著作物に付随する知的財産権の対価についての課金処理を自動的に行うシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ここ数年、コンピュータ機器のデータ処理能力の向上とともに、画像情報、音声情報、文字情報などを総合的に取り扱ういわゆるマルチメディアの利用が急速に普及してきている。このマルチメディアは、種々の著作物を提供するためのデジタル媒体として、今後も広く利用されるものと思われる。このようなマルチメディアを利用した著作物を、一般のユーザに提供する方法として、フロッピディスクや、CD−ROMなどの記憶媒体を用いる方法と、ネットワークを媒介に用いる方法と、が現在普及している。特に、ネットワークを媒介に用いる方法は、データの容器となるべき物理的な記憶媒体を必要としないため、今後も益々広まってゆくものと期待されている。現在では、パーソナルコンピュータの通信機能を利用して、広域の商用ネットワークに容易にアクセスできる環境が整ってきており、マルチメディアを利用した種々の著作物データが、ネットワークを介して個々のパーソナルコンピュータにダウンロードされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、マルチメディアを利用した著作物の作品は、一般に、画像情報、音声情報、文字情報などを含むものであるが、これら個々の情報も、それぞれ独立した著作物としての作品である。しかも、これら個々の独立した著作物が、すべて一人の著作者の創作によるものであるということはむしろ希であり、今後は、複数の著作者による著作物の集合として、1つのマルチメディア作品が創作されるケースが益々多くなってゆくものと予想される。別言すれば、マルチメディア作品を創作する上で、自分の作品の中に、他人の作品を引用して取り込むという手法が、今後は、ごく一般的に利用されてゆくものと考えられる。
【0004】
ところが、個々の著作物には、著作権をはじめとする知的財産権がそれぞれ生じており、他人の著作物を利用するためには、正当な権利者に対してしかるべき対価を支払う必要があり、また、正当な権利者が設定した利用条件を守る必要がある。しかしながら、マルチメディア作品は、上述のように、1つの作品の中に様々な著作物が含まれており、個々の著作物について正当な権利者を特定し、それぞれにしかるべき対価を支払い、利用条件を順守することは、非常に煩雑な作業を強いられることになる。
【0005】
そこで本発明は、提供した著作物に付随する知的財産権の管理を効率的に行うことができるネットワークを用いた著作物提供システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明の第1の態様は、ネットワークを用いた著作物提供システムにおいて、
複数の利用者に情報を流すためのネットワークと、
このネットワークに接続された複数の端末装置と、
このネットワークを介して提供すべき著作物を、各作品ごとに作品情報として保存する作品情報保存装置と、
各端末装置に対する作品情報の伝送処理を統括管理する統括管理装置と、
を設け、
作品情報を、単位著作物を構成する素材データあるいは引用すべき他の作品情報を特定する引用データと、これらのデータに基いて作品を構成するための指示を与える作品構成データと、作品に付随する知的財産権の権利者および対価額を示す情報を含む財産権データと、により構成し、
端末装置は、作品情報内に含まれている素材データで表現される単位著作物については、作品構成データに示されている指示に基いて提示し、作品情報内に含まれている引用データで表現される著作物については、引用データによって特定される被引用作品についての作品情報をネットワークを介して受け取り、この被引用作品についての作品情報に基いて提示することにより、提示対象となる1つの作品を、少なくとも「当該作品についての作品情報内に含まれている引用データに基づいて特定される他の作品情報内に含まれている素材データ」を用いて提示する処理を行い、
統括管理装置は、端末装置に作品情報を伝送するときに、この端末装置の利用者に対して、伝送された作品情報内の財産権データに示された対価額を権利者に支払うべきことを示す課金情報を作成する処理を行うようにしたものである。
【0008】
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係るシステムにおいて、
端末装置には、ネットワークを介して伝送された作品情報を一時的に保持するための一時記憶手段と、この一時記憶手段内に保持されている作品情報に基いて作品を提示するための作品提示手段と、を設け、
ネットワークを介して端末装置に伝送された素材データがリアルタイムで提示されるようにし、作品情報のうち、作品提示手段による提示が終了した部分については、順次、一時記憶手段から消去されるようにしたものである。
【0009】
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1または第2の態様に係るシステムにおいて、
ネットワークに接続された複数の端末装置の少なくとも1つには、
素材データや引用データと、作品構成情報とを合成することにより新たな作品を作成し、これに更に財産権データを付加して新たな作品情報を作成し、この新たな作品情報を、ネットワークを介して作品情報保存装置に新規保存する処理を行う編集手段を更に設けるようにしたものである。
【0010】
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1〜第3の態様に係るシステムにおいて、
財産権データ内に示された対価額として、作品の利用態様ごとに異なる額を設定するようにしたものである。
【0011】
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1〜第4の態様に係るシステムにおいて、
財産権データとして、更に、作品の利用態様を制限する条件を付加するようにしたものである。
【0012】
(6) 本発明の第6の態様は、上述の第1〜第5の態様に係るシステムにおいて、
各端末装置に対して、過去にどの作品情報が伝送されたかを示す履歴情報を、統括管理装置内に蓄積するようにしたものである。
【0013】
【作 用】
本発明のシステムでは、個々のマルチメディア作品(提供すべき著作物)は、ネットワークに接続された作品情報保存装置内に、各作品ごとに作品情報として保存される。ここで、各作品情報は、素材データと、引用データと、作品構成データと、財産権データと、により構成されている。素材データは、実際の著作物データそのものからなる生のデータであるが、引用データは、引用すべき他の作品を特定するためのデータであり生のデータは含まない。一方、財産権データは、この作品に付随する知的財産権の権利者および対価額を示す情報を含んでいる。また、作品構成データは、素材データあるいは引用データに基いて、実際の作品を構成するための指示を与えるデータであり、端末装置は、この作品構成データの指示に基いて、ネットワークを介してリアルタイムで伝送されてくる素材データあるいは引用データに基く作品の提示を行う。すなわち、伝送されたデータが素材データの場合には、作品構成データで指示されるレイアウト位置、割付倍率、タイミング、などに従ってリアルタイムでの提示が行われ、伝送されたデータが引用データの場合には、この引用データによって特定される被引用作品についての作品情報が、新たにネットワークを介して伝送される。
【0014】
しかも、このシステムには、ネットワーク上での情報の流れを統括管理する統括管理装置が設けられており、どの端末装置にどの作品情報が伝送されたか、という情報がすべて把握される。個々の作品情報には、その作品の権利者および対価額を示す財産権データが含まれているので、ある作品情報がある端末装置へ伝送された場合、統括管理装置では、この財産権データに基いて、伝送先の端末装置の利用者に対して、所定の対価を所定の権利者に支払うべきことを示す課金情報を作成することができる。このように、ネットワーク上を作品情報が伝送されるたびに、統括管理装置内で課金情報の作成が行われるので、対価の支払い処理を効率的に行うことが可能になる。
【0015】
また、作品Aの中で、他人の作品Bが引用されているような場合であっても、作品Aの作品情報内には、作品Bを構成する生のデータは含まれておらず、作品Bを引用することを示す引用データだけが含まれている。したがって、作品Aを端末装置側で再生する場合には、作品Aの作品情報がネットワークを通じて伝送されるとともに、作品Bの作品情報もネットワークを通じて伝送されることになる。そして、作品Aの作品情報が伝送されるときには、その中の財産権データに基いて、作品Aの著作者に対して支払うべき対価が課金され、作品Bの作品情報が伝送されるときには、その中の財産権データに基いて、作品Bの著作者に対して支払うべき対価が課金される。このように、1つの作品について多数の知的財産権が発生していた場合であっても、個々の著作者に対する対価の支払い処理がそれぞれ別個に行われることになる。
【0016】
また、従来の一般的なネットワークを用いた著作物提供システムでは、端末装置側において所望の作品を再生する場合、まず、ネットワークを介して個々の著作物データを端末装置側の記憶装置に一旦ダウンロードし、このダウンロードした著作物データをあらためてディスプレイ画面などに再生するという処理を行っている。このため、再生が終了した後も、ダウンロードしたハードディスク装置などに著作物データは残っている。したがって、この著作物データを不正に複製して、海賊版として販売するような侵害行為が行われやすい。ところが、本発明に係るシステムでは、一般のエンドユーザに対しては、ダウンロードという手法を用いずに、ネットワークを介して伝送された著作物データを、そのままリアルタイムで提示してしまうという手法を採ることができる。このような手法では、ネットワーク上を伝送されてきた著作物データは、ユーザーに提示された後は、端末装置側には残らないことになる。したがって、知的財産権を侵害する行為を抑制することができる。
【0017】
また、ネットワークに接続された端末装置に、更に編集手段を付加しておけば、この編集手段において新たな作品を作成し、この新たな作品についての作品情報を、作品情報保存装置に新規保存する処理が可能になる。このとき、所望の対価額を示す財産権データを付加しておけば、将来、この新たな作品を誰かが利用した場合には、自動的に対価の支払いがなされることになる。更に、作品の利用態様ごとに異なる対価額を設定したり、作品の利用態様を制限する条件を財産権データに盛り込むようにすれば、より効率的な知的財産権管理が可能になる。
【0018】
【実施例】
<システムの基本構成>
以下、本発明を図示する実施例に基いて説明する。図1は、本発明の一実施例に係るネットワークを用いた著作物提供システムの基本構成を示すブロック図である。この実施例のシステムでは、ネットワーク100に、エンドユーザ用端末装置10,20,30と、編集者用端末装置40,50と、統括管理装置60と、作品情報保存装置70と、処理演算支援装置80と、が接続されている。これら各装置は、いずれもコンピュータを含んだ装置である。もっとも、この実施例に示すシステムは、説明の便宜上、非常に単純化したモデルを示すシステムであり、実際には、より多数の端末装置が接続されることになる。
【0019】
エンドユーザ用端末装置10,20,30としては、この実施例では、汎用のパーソナルコンピュータを用いている。ただ、このシステムの一要素として機能するようにするため、各パーソナルコンピュータには、専用のアプリケーションソフトウエアがインストールされている。あるいは、パーソナルコンピュータのかわりに、テレビゲーム装置などを用いてもかまわない。一方、編集者用端末装置40,50としては、この実施例では、汎用のワークステーションを用いている。後述するように、この実施例で用いられているエンドユーザ用端末装置10,20,30は、著作物データの提供を受ける受動的な機能しか有しないが、編集者用端末装置40,50は、この受動的な機能に加えて、新たな著作物データを編集作成する能動的な機能をも有する。このため、パーソナルコンピュータよりも高い機能をもったワークステーションが用いられている。統括管理装置60は、このシステム全体を統括管理する機能を有する大型コンピュータであり、どのような情報がどの端末装置に伝送されたかという履歴情報を保存する機能を有するとともに、本発明の特徴である課金情報の作成処理を行う機能を有する。また、作品情報保存装置70は、このシステムで利用される著作物データを収容したり配信したりして、一元管理する大型コンピュータであり、著作物データは各作品ごとに作品情報として保存される。作品情報保存装置70内における各作品情報の収容先を示す情報は、統括管理装置60内に作品管理情報として用意される。なお、この実施例では、作品情報保存装置を単一のコンピュータにより構成しているが、複数台のコンピュータで構成してもよい。処理演算支援装置80は、後述するように、作品情報保存装置70内の作品情報を各端末装置へ伝送するときに処理演算を支援する機能を有する大型コンピュータである。
【0020】
なお、この実施例のシステムでは、ネットワーク100として、B−ISDN通信回線網を用いており、ネットワーク上を伝送するデータは、ATM交換機群によって処理される。このシステムを商業的に利用するには、たとえば、次のような利用形態を一例として揚げることができる。すなわち、統括管理装置60および処理演算支援装置80を、このシステムを課金処理を含めて統括管理する大手企業に設置し、作品情報保存装置70を大手の出版社、通信社、プロダクションなどに設置する。そして、編集者用端末装置40,50を、中小の情報提供会社やマルチメディア作品制作会社に設置し、エンドユーザ用端末装置10,20,30を一般のエンドユーザ(企業、個人)に設置する。この場合、統括管理装置60を有する大手企業は、このシステムの課金処理および統括管理を事業として行い収益を得ることができ、作品情報保存装置70を有する大手の出版社、通信社、プロダクションなどは、自社の著作物をマルチメディア作品として提供したり、他社に二次的利用を許可したりして、著作権収益を得ることができ、中小の情報提供会社やマルチメディア作品制作会社は、作品情報保存装置70内の著作物を利用した二次的著作物を提供することにより著作権収益を得ることができる。そして、一般のエンドユーザは、所定の対価を支払うことにより、エンドユーザ用端末装置を用いてマルチメディア作品を鑑賞したり、これに付帯する通信販売などのサービスを受けたりする恩恵に預かれる。
【0021】
後述するように、統括管理装置60には、過去に各端末装置に伝送された作品情報の履歴が履歴情報として保存され、この履歴情報に関連して課金情報が作成される。この課金情報は、作品の提供を受けた端末装置の利用者に対して所定の料金を課金することを示す情報であり、より具体的には、支払うべき対価の額と、その相手先(権利者)を示す情報である。したがって、この課金情報に基いて、たとえば、エンドユーザと権利者との間で銀行口座による決済を行うようにすれば、エンドユーザは料金の支払いを銀行引き落としという形にして、このネットワークによる著作物提供システムを利用することができる。また、このシステムを統括管理する大手企業は、統括管理装置60内に蓄積された履歴情報により副次的なメリットも得られる。すなわち、この履歴情報は、各ユーザが過去にどのような作品をアクセスしたかという事実を示すものであり、ユーザの趣味、嗜好、生活環境などを把握する上で貴重なデータとなる。したがって、種々の商品の販売促進用の情報としても大いに利用できる。
【0022】
作品情報保存装置70内に保存される個々の作品情報は、素材データ、引用データ、作品構成データ、財産権データといった各種データによって構成される。ここで、素材データとは、単位著作物(ひとまとまりとして取り扱われる何らかの著作物)を構成する生のデータであり、たとえば、1枚の静止画であればラスターデータの形式の画像データ、動画であればこのような静止画の集合データ、1枚の線画であればベクトルデータの形式の画像データ、ひとまとまりの文章であればJIS漢字コードなどで表現されたテキストデータ、音声であれば所定周期でサンプリングした一連の音圧値データ、ということになる。一方、引用データとは、引用すべき他の作品(被引用作品)の作品情報または他の作品中の素材データを特定するデータであり、たとえば、個々の作品情報にユニークな識別番号を付与して管理した場合には、被引用作品の作品情報に付与された識別番号が引用データになる。また、作品構成データは、素材データや引用データに基いて、作品を構成するための指示を与えるデータである。たとえば、1枚の静止画からなる素材データと、1枚の線画からなる素材データと、の2つの素材データから1つの作品が構成されている場合、各素材データをディスプレイ画面上のどの位置に、どのような倍率でレイアウトするか、という指示を与えるデータが、作品構成データとなる。また、財産権データは、本発明の特徴となるデータであり、作品に付随する知的財産権(著作権が代表的な権利となるが、特許権などの工業所有権が含まれる場合もありうる)の権利者、対価額、利用制限を示すデータから構成される。
【0023】
作品情報保存装置70内の作品情報は、ネットワーク100を介してエンドユーザ用端末装置10,20,30、あるいは編集者用端末装置40,50に伝送される。エンドユーザ用端末装置10には、作品提示手段11と一時記憶手段12とが備わっており、ネットワーク100を介して伝送された作品情報は、一時記憶手段12に一時的に保持され、この一時記憶手段12内に保持されている作品情報に基いて、作品提示手段11によって作品が提示される。この作品提示の処理動作については、後に具体例に即して詳述する。また、同様に、編集者用端末装置50にも、作品提示手段51および一時記憶手段52が備えられており、ネットワーク100を介して伝送された作品情報は、一時記憶手段52に一時的に保持され、この一時記憶手段52内に保持されている作品情報に基いて、作品提示手段51によって作品が提示される。なお、一時記憶手段12,52における作品情報の記憶は、いわゆるダウンロードとは異なり、作品提示手段11,51での作品提示に必要な時間だけの一時的な記憶であり、作品の提示が終了すると、その終了した部分についての作品情報は、順次、消去されることになる。この実施例では、一時記憶手段12,52は揮発性メモリ(RAM)が用いられており、エンドユーザ用端末装置10や編集者用端末装置50の電源をOFFにすると、作品情報はすべて失われることになる。
【0024】
編集者用端末装置50内には、更に、編集手段53およびデータ保存手段54が設けられている。編集手段53は、素材データや引用データを用いて新たな作品を作成する機能を有し、この新たな作品についての作品情報は、ネットワーク100を介して作品情報保存装置70内に新規保存させることができる。また、データ保存手段54は、伝送されてきた作品情報をダウンロードするための手段である。前述のように、端末装置側において作品提示を行う場合には、作品情報は一時記憶手段52内に一時的に記憶され、作品提示手段51により提示が終了すると消去される。これに対して、ダウンロードを行った場合には、作品情報はデータ保存手段54内に保存され、作品の提示が終了した後も、本願発明に係るシステムの外部の作品として、編集作業などに利用できる。
【0025】
<作品情報の具体例>
以上、このシステムの基本構成を説明したが、続いて、このシステムで用いる作品情報の内容を、具体例に即して説明する。一般に、マルチメディア作品は、動画、静止画、文字、図形、音声などの素材を組み合わせて構成されており、ディスプレイ装置およびスピーカによってユーザに提示されることになる(もっとも、マルチメディア作品は、視覚あるいは聴覚によって鑑賞されるものに限定されず、触覚、味覚、嗅覚によって鑑賞されるものも含まれ、触感再生機などによっても提示可能である。)。ここでは、図2に示すような作品を例にとって、作品情報の内容説明を行うことにする。図2は、この作品のディスプレイ画面上での表示態様を示したものである。なお、本明細書において「作品」という文言は、いわゆる芸術的な絵画、音楽といった作品だけに限定されるものではなく、ひとつのまとまった表現として認識できる著作物を広く含む意味で用いている。たとえば、図2に示す作品は、「日米貿易摩擦」という作品名が付けられており、芸術作品というよりは、ニュース、ドキュメンタリー、解説記事、といった性質の著作物である。
【0026】
さて、この図2に示す画面は、画面右上部分にレイアウトされた標題ロゴ1(テキストおよびラスターデータで表現された静止画)と、その下にレイアウトされた本文記事2(テキストデータ)と、画面左上部分にレイアウトされた映像3(ラスターデータで表現された複数枚の静止画(フレーム)の集合からなる動画データ、なおこの動画に同期して音声も再生される)と、その下にレイアウトされた2つの制御ボタン4,5とによって構成されている。この作品を提示させたときの初期状態では、映像3は最初のフレームのみが表示された静止状態になっている。ここでユーザが、制御ボタン4をクリックすると(たとえば、マウスポインタをこのボタンの位置まで動かして、マウスボタンを押すような操作を行う)、映像3としての動画および音声の再生がスタートする。後述するように、この映像自身は、「Mr.Kのインタビュー」という作品名が付された1つの独立した作品であり、日米貿易摩擦に関してのMr.Kに対するインタビューの模様を収録したものである。すなわち、「日米貿易摩擦」という作品の一部において、「Mr.Kのインタビュー」という別な作品が引用されていることになる。この映像3の再生が終了すると、画面上では最後のフレームが表示された静止状態になり、更に、これまでは表示されていなかった略歴6が表示されるようになる。この略歴6は、Mr.Kの略歴を示すテキストデータである。
【0027】
一方、ユーザが、制御ボタン5をクリックすると、図3に示すように、映像3がレイアウトされていた領域に、グラフ7が表示されるようになる。このグラフ7は、ベクトルデータで表現された静止画である。グラフ7が表示されると同時に、制御ボタン5は制御ボタン8に置き変わる。この図3の状態において、ユーザが、制御ボタン4をクリックすると、再び図2の表示状態に戻り、映像3の再生がスタートする。また、図3の状態において、ユーザが制御ボタン8をクリックすると、この作品の提示は終了し、別な作品を選択するためのモードに移行することになる。
【0028】
このように、マルチメディア作品は、動画、静止画、テキスト、音声など様々なジャンルの著作物を組み合わせて構成されており、ユーザとの間でインタラクティブ方式(対話方式)で作品の提示が進行するのが一般的である。しかも、上述の例のように、別な作者による作品を引用することも行われ、知的財産権の権利関係は非常に複雑になる。たとえば、上述の例では、「日米貿易摩擦」なる作品の提供を受けたユーザは、この作品の作者に対して対価を支払う義務が生じるとともに、その中で引用されている「Mr.Kのインタビュー」なる作品の作者に対しても対価を支払う義務が生じることになる。上述の例は、1つの作品内で1つの引用だけが行われている非常に単純なモデルであるが、実際には、このような引用が各箇所で行われたり、いわゆる「入れ子」式の多重引用が行われたりするケースが今後は益々増えるものと予想される。このような複雑な引用が行われている作品の提供を受けた場合、知的財産権の管理は非常に複雑にならざるを得ない。
【0029】
本システムでは、次のような手法を採ることにより、このような知的財産権管理の問題を解決している。本システムで利用される個々の作品情報は、図4に示すように、内容リスト、素材データ、引用データ、作品構成データ、財産権データによって構成されている。ここで、素材データおよび引用データは、必ずしも両方が必要なものではなく、少なくともいずれか一方があれば足りる。内容リストは、この作品で用いられている素材データおよび引用データの一覧表を示すものであり、作品構成データは、この素材データや引用データに基いて作品を構成するための指示を与えるものである。また、財産権データは、この作品に係る知的財産権の権利者、利用を行う場合の対価額、利用制限、を示す情報(必要に応じて、時間的な利用制限やその場合の対価額を含めてもよい)からなる。
【0030】
図2および図3に示した作品「日米貿易摩擦」についての作品情報の構成を図5に示す。内容リストには、この作品が素材データA,B,Cと、引用データDとを含むことが示されており、素材データA〜Cとしては、生の画像データあるいはテキストデータが収容されている。また、引用データDとしては、「Mr.Kのインタビュー」なる作品を特定するデータ(たとえば、固有の識別番号)が収容されている。作品構成データは、各素材データA〜Cのレイアウト位置や倍率を指示するデータ、制御ボタン4,5のパターン、レイアウト位置、機能を指示するデータ、全体の合成手順や同期指定を指示するデータ、などからなる。そして、財産権データとしては、権利者は「甲」、対価額は「再生利用した場合に20円」、利用制限は「ダウンロード不可,素材データAのみの単独引用不可」なる情報が記述されている。
【0031】
一方、この作品「日米貿易摩擦」において引用されている別な作品「Mr.Kのインタビュー」についての作品情報の構成を図6に示す。内容リストには、この作品が素材データE,Fを含むことが示されており、素材データE,Fとしては、生の画像データあるいはテキストデータが収容されている。作品構成データは、各素材データE,Fのレイアウト位置や倍率を指示するデータ、全体の合成手順や同期指定を指示するデータ、などからなる。そして、財産権データとしては、権利者は「乙」、対価額は「再生利用した場合に5円,ダウンロード利用した場合に500,000円」、利用制限は「部分引用不可」なる情報が記述されている。
【0032】
以上、作品情報の具体例を、2つの作品について示したが、要するに、動画、静止画、図形、テキスト、音声、などマルチメディアの対象となる素材を表わす生のデータである素材データか、あるいは、引用すべき別な作品を特定するための引用データを用いて作品を構成し、構成指示を与えるための作品構成データおよび知的財産権に関する情報を示す財産権データを付加した形式になっていれば、本発明における作品情報としての条件を備えることになる。なお、上述の具体例では、いずれも複数の素材データを用いた作品となっているが、単一の素材データあるいは単一の引用データによって、作品を構成することももちろん可能である。また、各素材データには、動画、静止画、図形、テキスト、音声、といった生のデータに、これら生のデータに対して施す加工処理を示すデータを付加しておくこともできる。たとえば、カラー画像の場合は、色調整を行うための条件や、特殊画像効果を施すための条件を加工処理データとして付加しておけば、端末装置側では、加工後のデータを再生することができる。また、素材としての画像データの一部分のみを用いるような場合にも、カットやトリミングを施すための加工処理データを付加しておけば、再生時に必要な部分のみを提示することができる。もちろん、このような加工処理データ自身も著作物のひとつであり、利用に際しては対価を要求することができる。
【0033】
また、各作品情報には、出力フォーマット情報を付加しておくと便利である。現在、種々のパーソナルコンピュータが普及しており、マルチメディア作品を再生するソフトウエアの規格も種々のものが採用されている。そこで、各作品ごとに出力フォーマット情報を付加しておけば、個々の端末装置において適応可能なフォーマットか否かを直ちに判断することができ、必要があれば所定のフィルタを通してフォーマット変換を行い、異なるフォーマットをもった作品にも適応させるような処理が可能になる。
【0034】
<端末装置における提示処理>
続いて、端末装置側における各作品の提示処理を、具体例に即して説明する。図1において、エンドユーザ用端末装置10が作品提示手段11と一時記憶手段12とによって構成されていることを示した。この作品提示手段11および一時記憶手段12は、エンドユーザ用端末装置10を機能面からみた場合のブロック構成要素である。図7に示すブロック図は、この端末装置10をハードウエア構成面からみた場合のブロック構成要素を示している。前述のように、実際には、このエンドユーザ用端末装置10は、汎用のパーソナルコンピュータやテレビゲーム装置から構成されている。すなわち、ネットワーク100に対して、ターミナルアダプタ101を介して演算処理装置102が接続されており、この演算処理装置102には、作品を提示するためのディスプレイ装置103およびスピーカ104が接続されている。また、演算処理装置102には、不揮発性メモリとしてのROM105と、揮発性メモリとしてのRAM106(VRAMも含む)が接続されており、更に、記憶装置としてディスク装置107が接続されている。このディスク装置107内には、本システムのアプリケーションソフトウエア(この汎用パーソナルコンピュータを、本システムの一構成要素である端末装置10として動作させるためのプログラム、別言すれば、ネットワーク100から送信されてくる、端末装置の機種に依存しない汎用のデータを、その端末装置の方式に合致させて所定の処理を実行させるためのプログラム)と、他のアプリケーション(汎用パーソナルコンピュータで利用されているワードプロセッサ、スプレッドシート、CAD、などのプログラムで、本発明の実施には必要はない)と、がインストールされている。また、演算処理装置102に対して、ユーザが所定の情報入力を行うための装置として、キーボード108およびマウス109などが接続されている。
【0035】
さて、このような端末装置10を用いて、図5に示すような作品情報をもった「日米貿易摩擦」なる作品を再生する場合の動作を説明しよう。この作品情報は、作品情報保存装置70内にデータベースとして保存されているが、端末装置10側からこの作品の伝送を要求すると、統括管理装置60の管理のもとに端末装置10が作品情報保存装置70に接続され、ネットワーク100を介して端末装置10に、この作品情報が伝送される。ただし、全データがすべて伝送されるわけではない。ここが従来のシステムにおけるダウンロードとは異なる点である。はじめに、内容リストと作品構成データとが伝送され、RAM106内に格納される。このRAM106内に格納された情報に基いて、本システムのアプリケーションプログラムは、この作品についての概要を認識することができる。この内容リストおよび作品構成データは、生の素材データに比べると、非常に小規模なデータであり、比較的小さな容量のメモリで格納できる。
【0036】
続いて、このアプリケーションプログラムは、作品構成データの指示に基いて、この作品の再生を行う。作品構成データ内には、まず、図2に示すような画面表示を行うための手順が記述されている。このような画面表示を行うために必要なデータは、標題ロゴ1の画像データ(素材データA)、本文記事2のテキストデータ(素材データB)、映像3の初期画面の画像データ(引用データDによって引用指定された「Mr.Kのインタビュー」なる作品内の素材データEの1フレーム目)、そして、制御ボタン4,5に関するデータである。そこで、アプリケーションプログラムは、統括管理装置60に対して、素材データAおよびB、ならびに、別な作品情報内の素材データEの1フレーム目、を伝送するよう要求を出す。統括管理装置60は、この要求に基づいて、端末装置10を作品情報保存装置70に接続し、端末装置10に対して作品情報保存装置70内の素材データA,B,Eにアクセスする許可を与える。一方、統括管理装置60から作品情報保存装置70に対しては、素材データA,B,Eを送信する命令が与えられる。かくして、端末装置10からのアクセスにより、素材データA,B,Eが伝送されることになる。これらのデータは、端末装置10側に伝送されてくると、RAM106内(より詳しくは、VRAM内)に一時的に保持される。このとき、各素材のレイアウト位置や倍率は、作品構成データ内の指示に基いて決定される。
【0037】
かくして、図2に示すような画面が、ディスプレイ装置103に表示されることになる。なお、制御ボタン4,5は、作品構成データ内に含まれているデータに基いて作成される。ここで、ユーザが、マウス109を用いて制御ボタン4をクリックし、映像3の再生を開始させる指示を与えたとする。すると、アプリケーションプログラムは、作品情報保存装置70に対して、引用データDで特定された「Mr.Kのインタビュー」なる作品の作品情報を伝送するよう要求を出す。この結果、「日米貿易摩擦」という作品中に引用された形で、「Mr.Kのインタビュー」なる作品が提示されることになる。すなわち、ディスプレイ装置103の画面上で、図2に示すような映像3が音声とともに再生されることになる。再生が終了したときには、素材データFが伝送され、略歴6が表示されることになる。
【0038】
ここで重要な点は、RAM106上に伝送されてきた素材データは、ディスプレイ装置103およびスピーカ104における提示(再生)処理に必要な間だけ一時的に保持されているだけであり、それ以後は随時消去されるという点である。具体的には、映像3の各フレームを構成する画像データは、現在表示中の1フレーム分が最低限残されていればよい。結局、ネットワーク100を介して伝送されてきた素材データは、提示後に消去されることになる。もっとも、提示が終了したデータを、必ずしも即座にRAM106内から消去する必要はない。RAM106の残り容量などを考慮して、新たな素材データを格納する十分なスペースが確保できるように、適宜、不要なものを消去してゆけばよい。このように、素材データを提示処理後に適宜消去する主眼は、RAM106の容量を節約することと、素材データの不正利用を阻止することにある。このシステムを動作させるためのアプリケーションプログラムの終了時には、素材データをすべてRAM106上から消去するようにしておけば、素材データがこのシステムの閉鎖系から外部へ漏洩することがなく、不正利用を阻止することができるのである。
【0039】
ここで、ユーザが、マウス109を用いて制御ボタン5をクリックし、グラフ7の提示をさせる指示を与えたとする。すると、アプリケーションプログラムは、作品情報保存装置70に対して、素材データCを伝送するよう要求を出す。こうして、RAM106内に素材データCが伝送されると、図3に示すように、ディスプレイ装置103の画面上にグラフ7が表示される。この時点では、RAM106内の素材データE,Fは消去されていてかまわない。もし、ユーザが制御ボタン4をクリックして、再び、映像3の再生を要求した場合には、作品情報保存装置70から、素材データE,Fの伝送が再度行われることになる。この実施例では、ネットワーク100として、B−ISDN通信回路網を用いているため、データの高速伝送が可能である。したがって、映像3を再生する旨の指示がユーザから与えられるたびに、素材データE,Fをネットワークを介して伝送し、これをディスプレイ装置103上に表示するという手法を採っても、時間的な遅れが生じることはなく、伝送された素材データをリアルタイムで再生することが可能である。
【0040】
<システム全体の動作>
続いて、図1に示すシステム全体の動作を、図8の流れ図に基いて説明する。いま、エンドユーザ用端末装置10からユーザが、このシステムにアクセスを開始したものとしよう。すなわち、このユーザは、端末装置10として用いている汎用パーソナルコンピュータにおいて、本システムのアプリケーションプログラムを立ちあげたことになる。端末装置10からのアクセスが開始されたことは、統括管理装置60において認識される。そこで、統括管理装置60は、ステップS1において、端末装置10に対して作品リストの提示を行う。すなわち、作品情報保存装置70内に用意されている種々の作品情報のリストが端末装置10に伝送される。ユーザは、ステップS2において、このリストの中から鑑賞したい作品を選択する指示を入力する。たとえば、前述した「日米貿易摩擦」なる作品が選択されたものとしよう。続く、ステップS3では、統括管理装置によるアクセス許可が行われる。すなわち、統括管理装置60から作品情報保存装置70に対して、端末装置10からの「日米貿易摩擦」なる作品に対するアクセスを許可する旨の通告が行われる。同時に、選択された作品についての財産権データが統括管理装置60に読み込まれる。ここで、統括管理装置60は、「日米貿易摩擦」なる作品が端末装置10に伝送されたことを示す履歴情報を作成するとともに、端末装置10の利用者に対して所定の対価を課すための課金情報を作成する。具体的には、図5の作品情報に示されているように、この作品についての財産権データによれば、権利者は「甲」で再生利用(データを単に再生して鑑賞するだけの利用態様)の対価額は「20円」となっているので、端末装置10の利用者に対して、甲に20円を支払うべきことを示す課金情報が作成されることになる。
【0041】
次に、ステップS4において、選択された作品についての内容リスト、作品構成データ、財産権データの取込みが行われる。すなわち、これらのデータが、端末装置10内のRAM106に取り込まれる。
【0042】
続いて、ステップS5では、端末装置10内で次に行うべき提示処理が、作品構成データに基づいて認識される。たとえば、「日米貿易摩擦」なる作品が選択された場合には、まず、図2に示す標題ロゴ1の提示処理が、さしあたって行うべき処理として認識される。標題ロゴ1は素材データAとして与えられるので、ステップS6からステップS7へと分岐し、支援処理(後述)が必要であればステップS8における支援処理を経てステップS9に進み、素材データAの取込みおよび提示処理が実行される。こうして、素材データAにより標題ロゴ1の提示が完了したら、ステップS10からステップS5へと戻り、次に行うべき処理として、本文記事2の提示処理が認識される。そこで、ステップS6からステップS7へと分岐し、やはり支援処理が必要であればステップS8における支援処理を経てステップS9に進み、素材データBの取込みおよび提示処理が実行される。こうして、素材データBにより本文記事2の提示が完了したら、ステップS10からステップS5へと戻り、次に行うべき処理として、映像3の提示処理が認識される。この映像3は、引用データDによって与えられているので、ステップS6からステップS11へと分岐し、被引用作品の選択が行われる。この例の場合、引用データDによって特定される被引用作品として、「Mr.Kのインタビュー」が選択される。なお、上述した個々の提示処理は、プリエンティティブ・マルチタスクによるマルチプロセス間通信などの手法により、同時に実行することも可能である。また、分散オブジェクトプロセス技術を用い、処理演算支援装置80で外部処理を同時実行することも可能である。
【0043】
こうして、ステップS11において、新たな作品が選択されると、ステップS12における再帰処理が行われる。この再帰処理は、ステップS3からの手順を繰り返し実行する処理であるが、この処理ルーチンは、一階層下のレベルに相当するいわば「入れ子」になったルーチンであるため、図8では、ステップS12からステップS3への過程を破線で示してある。この「入れ子」のルーチン内でも、上述した手順と同じ手順が実行され、素材データE,Fの提示が行われることになる。すなわち、ステップS3において、「Mr.Kのインタビュー」なる作品についてのアクセスが許可され、統括管理装置60において履歴情報および課金情報が作成される。ここで作成される課金情報は、「Mr.Kのインタビュー」なる作品についての課金情報である。具体的には、図6の作品情報に示されているように、この作品についての財産権データによれば、権利者は「乙」で再生利用の対価額は「5円」となっているので、端末装置10の利用者に対して、乙に5円を支払うべきことを示す課金情報が作成されることになる。続いて、ステップS5以下の処理により、「Mr.Kのインタビュー」なる作品の提示が完了すると、ステップS10において、全処理完了となりこの手順は終了する。ただ、ここで終了した手順は、「入れ子」になった「Mr.Kのインタビュー」なる作品の提示処理であり、実際には、一階層上のレベルのもとの処理ルーチン(「日米貿易摩擦」なる作品の提示処理ルーチン)のステップS12内の再帰処理として実施された手順である。したがって、「Mr.Kのインタビュー」なる作品の提示が完了したということは、ステップ12の再帰処理が完了したということである。
【0044】
この時点では、ディスプレイ画面上には図2に示すような画像表示がなされていることになる。そこで、ステップS10からステップS5へと戻り、図2の画面に示す制御ボタン4,5がクリックされるのを待つ待機状態になる。ここで、制御ボタン4がクリックされれば、再びステップS6からステップS11へと分岐して、引用作品である「Mr.Kのインタビュー」の提示が行われる。また、制御ボタン5がクリックされれば、ステップS6からステップS7へ分岐し、ステップS9において素材データCの取り込み提示処理が行われ、グラフ7が提示された図3に示す画面表示が得られる。こうして、再びステップS5に戻って、制御ボタンのクリック待機状態となる。この「日米貿易摩擦」なる作品は、図3の画面に示す制御ボタン8がクリックされると終了する。制御ボタン8がクリックされた場合は、提示対象がないので、ステップS6からステップS10へと進み、ここで全処理完了と判断されて、この作品の提示はすべて完了する。
【0045】
ここで、端末装置10の利用者が、「日米貿易摩擦」なる作品を再生利用した場合に、統括管理装置60で行われる課金処理を整理してみる。上述したように、まず、「日米貿易摩擦」なる作品についてのデータがステップS3において取り込まれると、ステップS4において、甲に20円を支払うべきことを示す課金情報が作成される。続いて、この作品内で引用されている「Mr.Kのインタビュー」なる作品についてのデータがステップS3(ステップS12の再帰処理によって実行された一階層下のレベルの処理手順におけるステップS3)において取り込まれると、続くステップS4において、乙に5円を支払うべきことを示す課金情報が作成される。結局、端末装置10の利用者が、「日米貿易摩擦」なる作品を再生した場合、甲に対して20円、乙に対して5円を支払う旨の課金情報が作成されることになり、この課金情報に基づいて、銀行口座を利用した決済を自動的に行うことができる。端末装置10の利用者としては、単に、「日米貿易摩擦」という1つの作品を鑑賞し、その対価として25円支払ったことになり、甲に対して20円、乙に対して5円という対価の分配先については意識しないですむ。このようなシステムでは、特に、多数箇所の引用を含んだ作品や、入れ子になった多重引用を含んだ作品を鑑賞する場合に、非常に効率的な対価処理が実現できることになる。
【0046】
なお、前述したように、各端末装置に特定の作品情報を取り込むためには、ステップS3において、統括管理装置60によるアクセス許可が出されることが前提となる。したがって、括管理装置60においては、どの端末装置により、どの作品情報がアクセスされたか、という履歴情報が蓄積されてゆくことになる。このシステムでは、ステップS1における作品リストの提示を行う際に、この履歴情報を利用するようにしている。すなわち、履歴情報は、各ユーザが過去にどのような作品をアクセスしたかという事実を示すものであり、ユーザの趣味、嗜好、生活環境などを把握する上で貴重なデータとなる。そこで、各ユーザに対しては、履歴情報を参考にして、利用度がより高いと思われる作品情報を優先的に知らせるように、作品リストの提示をカスタマイズすることができる。また、前述したように、この履歴情報を種々の商品の販売促進用の情報として利用することも可能である。
【0047】
なお、処理演算支援装置80は、作品情報保存装置70から各端末装置へ作品情報を伝送する処理を支援する機能を有する。既に述べたように、この実施例のシステムでは、エンドユーザ用端末装置10として、汎用のパーソナルコンピュータやテレビゲーム装置などの低価格のコンピュータを利用しており、大型コンピュータのような高度な画像処理や演算を実行することはできない。そこで、高度な処理や演算を実行することが必要な素材データについては、作品情報保存装置70から端末装置10に直接伝送する代わりに、作品情報保存装置70から一旦処理演算支援装置80へ伝送し、ここで必要な処理演算を行い、処理演算後の素材データを端末装置10に伝送するようにしている。このように、処理演算支援装置80を仲介して素材データを加工することにより、端末装置10側での画像処理や演算の負担を軽減させることができる。ステップS8における支援処理は、このような処理演算支援装置80における処理演算の実行を示すものである。ステップS7は、端末装置10の機能と、伝送すべき素材データの内容と、を考慮して、このような支援処理が必要か否かを判断するステップであり、この実施例では、統括管理装置60において判断を行うようにしている。
【0048】
このような支援処理としては、たとえば、カラー画像データの変換処理が考えられる。一般にカラー画像と言っても、1画素を32ビットで表現するいわゆる「フルカラー画像」もあるし、これを16ビット、あるいは8ビットで表現するカラー画像もある。そこで、たとえば、作品情報保存装置70内の素材データが、32ビットのフルカラー画像で用意されていたとしても、端末装置10側が8ビットのカラー画像にしか対応できないような場合は、32ビットカラー画像を8ビットカラー画像に変換する演算処理が必要になる。また、作品情報保存装置70内の素材データが高解像度で用意されているのに、端末装置10側は低解像度にしか対応できないような場合も、高解像度画像データから低解像度画像データへ間引きする処理が必要になる。あるいは、素材データのフォーマットが、端末装置10で取り扱えるフォーマットと異なる場合には、フォーマット変換処理が必要になる。このような処理を、端末装置10側に負担させると、リアルタイムでの作品提示に支障を及ぼすことになる。素材データの伝送路上に、高度な演算処理能力をもつ処理演算支援装置80を介在させてこのような処理を行わせるようにすれば、このような問題はなくなる。
【0049】
<編集者用端末装置による編集処理>
最後に、編集者用端末装置50における編集手段53およびデータ保存手段54の機能について述べておく。図1に示す実施例のシステムでは、前述したように、エンドユーザ用端末装置10を汎用パーソナルコンピュータやテレビゲーム装置により、編集者用端末装置50を汎用ワークステーションにより、それぞれ構成している。ここで、編集者用端末装置50は、中小の情報提供会社やマルチメディア作品制作会社に設置することを意図した装置であり、作品提示手段51および一時記憶手段52の他に、編集手段53およびデータ保存手段54を備えている。
【0050】
編集手段53は、素材データや引用データに基いて、新たな作品を作成し、この新たな作品についての作品情報を、ネットワーク100を介して作品情報保存装置70に新規保存する処理を行う機能を有し、図7に示すハードウエア構成においては、ディスク装置107内にインストールされた「本システムのアプリケーションプログラム」内に組み込まれた編集用ソフトウエアに相当する。
【0051】
作品情報保存装置70内には、種々の素材データが作品情報として登録されており、編集者用端末装置50の使用者(以下、編集者という)は、編集手段53を利用して、これらの素材データを自由に組み合わせ、新たな作品を作成することができる。たとえば、図5に示すような作品情報をもった作品「日米貿易摩擦」を作成する場合は、編集者は、素材データA,B,Cを自分で用意する。標題ロゴ1のような絵柄を作成できる作図ソフトウエアや、本文記事2のようなテキストを入力できるワードプロセッサソフトウエアや、グラフ7のようなグラフ作成を行うことができるグラフ作成用ソフトウエアを、本システムのアプリケーションプログラムに包含させておけば、編集者はこれらのソフトウエアを用いて素材データA,B,Cを用意することができる。あるいは、別なアプリケーションソフトウエアを用いてこれらの素材データA,B,Cを用意してもかまわない。作品「日米貿易摩擦」では、これらの素材データの他に、引用データDが必要になる。これは、引用対象となる作品「Mr.Kのインタビュー」に付された識別番号を、そのまま引用データDとして用いればよい。編集手段53には、このように、用いる素材データや引用データを特定し、これらについての作品構成データを作成する編集機能が備わっている。すなわち、編集者が、この編集機能を利用して、個々の素材データを所望の位置に所望の倍率で割り付けると、そのような割り付けを行うための指示が、作品構成データとして生成される。こうして、作品「日米貿易摩擦」が作成できたら、これを新規作品として登録する旨の指示を編集手段53に与える。このとき、この作品についての財産権データを設定する。すなわち、権利者として自己の名前や識別コードなどを入力し、所望の対価額および利用制限を設定する入力を行えばよい。すると、統括管理装置60に対して、この新規作品を登録するよう要求が出される。統括管理装置60は、この新規作品を作品情報保存装置70内の新たな収容先に割り当て、その収容先を示す情報を作品管理情報に追加する。こうして、図5に示すような、素材データA,B,C、内容リスト、作品構成データ、および財産権データから構成される作品情報が作成できたら、これをネットワーク100を介して作品情報保存装置70まで伝送し、作品情報保存装置70内のデータベースに新規登録すればよい。
【0052】
このように、作品情報保存装置70内の作品情報は、ネットワーク100を介して編集者に開放されている。編集者は、この作品情報保存装置70内に登録された作品や素材を自由に利用して新たな作品を作成することができ、この作品を登録することができる。また、作品情報保存装置70内に用意されている素材だけでなく、独自に用意した新たな素材データを追加して、新たな作品を作成することもできる。編集者によるこのような活動が活発に行われれば、作品情報保存装置70内に登録された作品情報は時間とともに増えてゆく。しかも、すべての作品情報は、統括管理装置60の管理下においてデータベースとして一元管理されており、相互引用を簡単に行うことができる。すなわち、他の作品を引用する場合には、その作品を特定する引用データを用意するだけですむ。しかも、個々の作品ごとに財産権データが付与されているので、知的財産権に関する管理を各作品、素材ごとに独立して行うことができる。
【0053】
一方、データ保存手段54は、作品情報保存装置70内の作品情報をダウンロードするための手段であり、図7に示すハードウエア構成においては、ディスク装置107によって構成される手段である。前述したように、本システムにおいて作品の鑑賞(再生)を行う場合、生の素材データは、一時記憶手段52(図7におけるRAM106)に一時的に記憶され、再生が終了すると順次消去される。本明細書では、このような、提示のための一時的なデータの取り込み(いわゆる閉鎖系内でのデータ配給)については、ダウンロードという文言を用いずに区別している。このように、ダウンロードを行っていないので、鑑賞後は、生の素材データが端末装置内に残っていないことになる。したがって、ユーザが同じ作品をもう一度鑑賞する場合には、再度対価を支払って(場合によっては割引価格あるいは無償で)、素材データの伝送を受けることになる。一般のエンドユーザにとっては、このような方式でも特に問題は生じない。むしろ、知的財産権の侵害行為を防ぐ上では、このような方式が優れている。素材データが端末装置内に残っていないために、不正利用されるおそれがないためである。
【0054】
ところが、編集者用端末装置50のユーザである編集者の立場からは、ダウンロードを行って、より自由度の高い編集を行えるようにした方がメリットが大きい。もちろん、本システムでは、ダウンロードを全く行わなくても、新たな作品を作成し、これを作品情報保存装置70に新規登録することは可能である。一時記憶手段52(RAM106)内に一時的に格納した素材データに対して、編集手段53(本システムのアプリケーションプログラム内の編集ルーチン)を機能させればよいのである。編集後には、一時記憶手段52内の生の素材データは消去されるが、編集によって作成された新たな作品についての作品情報は、作品情報保存装置70内に登録されることになる。しかし、このような方式では、編集者はあくまでも「本システムのアプリケーションプログラム内の編集ルーチン」を用いた編集しか行うことができず、市販の種々のアプリケーションプログラムを用いた編集はできない。そこで、この実施例では、編集者用端末装置50については、生の素材データをデータ保存手段54(ディスク装置107)内にダウンロードすることを認めている。編集者は、ダウンロードした素材データに対して、市販の種々のアプリケーションプログラムを用いて加工や編集処理を施し、新たな作品を作成し、これを再び本システムのアプリケーションプログラム(編集手段53)に引き渡し、作品情報保存装置70内に新規登録することが可能になる。また、希望すれば、ダウンロードした素材データを、本システムとは完全に切り離し、CD−ROMなどの別の媒体を使って配布したりすることも可能になる。
【0055】
ただ、同じ作品を、単に再生して鑑賞する場合と、ダウンロードして利用する場合とでは、利用者の享受する経済的な価値は当然異なる。そこで、財産権データにおいては、作品の利用態様ごとに異なる対価額が設定されている。たとえば、図6に示す作品情報では、財産権データの対価額として、「再生利用=5円,ダウンロード使用=500,000円」という設定がなされている。したがって、この「Mr.Kのインタビュー」という作品を再生して鑑賞する場合は、5円の対価が課金されることになるが、これをダウンロードして利用する場合は、500,000円の対価が課金されることになる。各端末装置における利用形態が、単なる再生であるのか、ダウンロードであるのか、は統括管理装置60において把握されているので、統括管理装置60は、利用形態に応じた正しい課金情報を作成することができる。
【0056】
また、作者によっては、「自分の作品を引用されたくない」とか、「引用する場合には、このような制限条件を付しておきたい」といったことを要望する場合が少なくない。そこで、本システムでは、財産権データに、利用制限に関する条件を付加してある。個々の作品の利用態様は、この条件によって制限を受けることになる。たとえば、図6に示す「Mr.Kのインタビュー」なる作品については、「部分引用不可」という利用制限が付加されている。したがって、この作品を引用する場合には、作品ごとそっくり全部を引用しなければならず、素材データF(略歴6)をカットして、素材データE(動画3)の部分だけを引用するようなことは許されない。また、図5に示す「日米貿易摩擦」なる作品については、「ダウンロード不可,素材データAのみの単独引用不可」という利用制限が付加されている。したがって、この作品は、ダウンロードすることはできない。したがって、編集者用端末装置50において、この作品を引用した新たな作品を作成する場合には、一時記憶手段52に一時的に格納した素材データに対して編集手段53を用いた編集を行うことだけが許され、データ保存手段54にダウンロードして市販のアプリケーションソフトウエアによる編集を行うことは許されない。また、素材データA(標題ロゴ1)だけを単独で引用することは禁止されているので、この標題ロゴ1だけを自分の作品に引用するような利用はできないことになる。
【0057】
財産権データ内のこのような利用制限情報は、統括管理装置60によって把握されるため、端末装置側において、利用制限に抵触するような操作を行ったとしても、統括管理装置60によってその操作を無効にすることができる。したがって、各作品の知的財産権管理を確実に行うことが可能になる。
【0058】
また、財産権データとして、情報仲介料のような項目を設けることもできる。たとえば、利用者甲が、ある作品Aを鑑賞したところ、この作品Aの中で別な作品Bが引用されていたことを認識したとする。そこで、利用者甲が、この作品Bを引用して別な作品Cを新規に作成したものとしよう。この場合、作品Cの中では作品Bが引用されているので、別な利用者乙が、作品Cを鑑賞すれば、作品Cの作者(甲)と作品Bの作者には対価が支払われることになる。ところが、作品Cの作者に、作品Bの存在を紹介したのは作品Aの作者であるから、作品Cの作者(甲)は、作品Cの財産権データとして情報仲介料のような項目を設定しておき、利用者乙が、作品Cを鑑賞した場合には、作品Aの作者にも情報仲介料としての対価が支払われるようにすることもできる。
【0059】
以上、本発明を図示する実施例に基いて説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。たとえば、上述の実施例では、エンドユーザ用端末装置10をパーソナルコンピュータやテレビゲーム装置で、編集者用端末装置50をワークステーションで、それぞれ構成しているが、これらの端末装置を必ずしもこのようなハードウエアで構成する必要はない。また、上述の実施例では、編集手段53およびデータ保存手段54を編集者用端末装置50にのみ用意しているが、エンドユーザ用端末装置10にもこれらの手段を設けるようにしてもかまわない。たとえば、エンドユーザ用端末装置10には、一般のユーザが利用できる程度の簡易な編集機能を設けておき、編集者用端末装置50には、プロフェッショナルが利用するための高度な編集機能を設けておく、という形態も可能である。より具体的には、エンドユーザ用端末装置10に設ける簡易編集機能として、素材データの一部を切り出し、オリジナルな作品構成データを作成し、これを端末装置10内に保存する機能を用意することができる。あるいは、異なる作品情報間において、情報の関連性や相互の参照関係・引用関係を示すリンク情報を付加するような機能を用意することもできる。この場合、このリンク情報を第三者が利用するにあたっては、二次的著作物の利用として対価の支払を行うようにすることができる。このような利用形態によれば、システム全体の情報が組織化され、従来のような単独作品を流通させるだけのネットワークでは不可能であった、利用者総員による価値の生長が達成できる。
【0060】
なお、編集加工を行った結果得られる新たな作品を、端末装置10や作品情報保存装置70に保存する作業は、統括管理装置60の管理下で行うようにするのが好ましい。こうすることにより、統括管理装置60は、行われた編集加工作業の結果を解析し、その利用態様に応じた利用料金を課金することができる。また、この解析により、各素材データごとの利用者の関心度を測定することができるので(たとえば、ある利用者が特定の素材データに対して編集加工を行ったとすれば、その利用者はその素材データに対して、通常の鑑賞を行う以上の強い関心を示したことになる。)、利用者に別な情報を提示するときの情報の優先度の設定や、通信販売のためのダイレクトマーケティングに応用することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明に係るネットワークを用いた著作物提供システムによれば、素材データ,引用データ,作品構成データ、財産権データ、によって構成した作品情報を作品情報保存装置に収容し、必要に応じて各端末装置に必要な作品を伝送するようにし、伝送された作品についての財産権データに基づいて、個々の作品ごとに知的財産権の管理を行うようにしたため、提供した著作物に付随する知的財産権の管理を効率的に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るネットワークを用いた著作物提供システムの基本構成を示すブロック図である。
【図2】図1のシステムにおいて用意されたマルチメディア作品を、ディスプレイ画面上に表示した状態を示す図である。
【図3】図2に示す作品を更に展開した状態を示す図である。
【図4】図1のシステムで用いられる作品情報の一般的な構成を示す図である。
【図5】図2に示す作品についての具体的な作品情報の構成内容を示す図である。
【図6】図5に示す作品情報において引用されている別な作品の作品情報を示す図である。
【図7】図1のシステムにおける端末装置10のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図8】図1のシステム全体の動作を説明する流れ図である。
【符号の説明】
1…標題ロゴ
2…本文記事
3…映像(音声)
4,5…制御ボタン
6…略歴
7…グラフ
8…制御ボタン
10,20,30…エンドユーザ用端末装置
11…作品提示手段
12…一時記憶手段
40,50…編集者用端末装置
51…作品提示手段
52…一時記憶手段
53…編集手段
54…データ保存手段
60…統括管理装置
70…作品情報保存装置
80…処理演算支援装置
100…ネットワーク
101…ターミナルアダプタ
102…演算処理装置
103…ディスプレイ装置
104…スピーカ
105…ROM
106…RAM
107…ディスク装置
108…キーボード
109…マウス

Claims (6)

  1. 複数の利用者に情報を流すためのネットワークと、
    このネットワークに接続された複数の端末装置と、
    このネットワークを介して提供すべき著作物を、各作品ごとに作品情報として保存する作品情報保存装置と、
    各端末装置に対する作品情報の伝送処理を統括管理する統括管理装置と、
    を備え、
    前記作品情報を、単位著作物を構成する素材データおよび/または引用すべき他の作品情報を特定する引用データと、これらのデータに基いて作品を構成するための指示を与える作品構成データと、作品に付随する知的財産権の権利者および対価額を示す情報を含む財産権データと、により構成し、
    前記端末装置は、前記作品情報内に含まれている素材データで表現される単位著作物については、作品構成データに示されている指示に基いて提示し、前記作品情報内に含まれている引用データで表現される著作物については、引用データによって特定される被引用作品についての作品情報を前記ネットワークを介して受け取り、この被引用作品についての作品情報に基いて提示することにより、提示対象となる1つの作品を、少なくとも「当該作品についての作品情報内に含まれている引用データに基づいて特定される他の作品情報内に含まれている素材データ」を用いて提示する処理を行い、
    前記統括管理装置は、端末装置に作品情報を伝送するときに、この端末装置の利用者に対して、伝送された作品情報内の財産権データに示された対価額を権利者に支払うべきことを示す課金情報を作成する処理を行うことを特徴とするネットワークを用いた著作物提供システム。
  2. 請求項に記載のシステムにおいて、
    端末装置には、ネットワークを介して伝送された作品情報を一時的に保持するための一時記憶手段と、この一時記憶手段内に保持されている作品情報に基いて作品を提示するための作品提示手段と、を設け、
    ネットワークを介して端末装置に伝送された素材データがリアルタイムで提示されるようにし、作品情報のうち、前記作品提示手段による提示が終了した部分については、順次、前記一時記憶手段から消去されるようにしたことを特徴とするネットワークを用いた著作物提供システム。
  3. 請求項1または2に記載のシステムにおいて、
    ネットワークに接続された複数の端末装置の少なくとも1つには、
    素材データおよび/または引用データと、作品構成情報とを合成することにより新たな作品を作成し、これに更に財産権データを付加して新たな作品情報を作成し、この新たな作品情報を、前記ネットワークを介して作品情報保存装置に新規保存する処理を行う編集手段を更に設けたことを特徴とするネットワークを用いた著作物提供システム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のシステムにおいて、
    財産権データ内に示された対価額として、作品の利用態様ごとに異なる額を設定することを特徴とするネットワークを用いた著作物提供システム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のシステムにおいて、
    財産権データとして、更に、作品の利用態様を制限する条件を付加したことを特徴とするネットワークを用いた著作物提供システム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のシステムにおいて、
    各端末装置に対して、過去にどの作品情報が伝送されたかを示す履歴情報を、統括管理装置内に蓄積するようにしたことを特徴とするネットワークを用いた著作物提供システム。
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