JP3753717B2 - 通気性外断熱外壁の上部構造 - Google Patents

通気性外断熱外壁の上部構造 Download PDF

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Description

本発明は、外壁下端の腰水切から外壁上端の笠木まで、外気が外壁断熱複合パネル内の貫通可能な外断熱建築物の外壁の上部構造に関するものであり、より詳しくは、成形セメント外装板に断熱層を一体化層着した密着層型の断熱複合パネルを笠木と共に、コンクリート躯体に取付ける外断熱工法に関するものであり、建築の技術分野に属するものである。
密着層型の断熱複合パネルをコンクリート躯体に張着して外断熱建築物とする技術は、図10に示す従来例1、及び図11に示す従来例2がある。
従来例1は、非特許文献1及び非特許文献2に開示されたものであり、図10に示す如く、内面に条溝を備え、適所にあと施工アンカー用の孔を配設したセメント板に断熱層を一体化層着した密着層型の外断熱複合パネルの断熱層を、接着剤でコンクリート躯体に接着し、アンカーをセメント板からコンクリート躯体に打ち付けて張着する。
そして、コンクリート躯体に打込んだ、あと施工アンカーボルトに締着した重量受けアングルで断熱複合パネルの外壁下端を支承すると共に、外壁上部では、コンクリート躯体(パラペット)上端面に笠木取付下地をあと施工アンカーで固定し、笠木を取付下地に係止してパネル上端前面と笠木間、及びコンクリート躯体上面と笠木後端との間をシーリングするものであり、コンクリート建築物を外断熱に改修する技術である。
また、従来例2は、非特許文献3に開示されたものであり、図11に示す如く、GFPC系外装材(厚さ13mmの両面ガラス繊維混入火山礫サンドアッシュフェノール樹脂板)と、断熱材とを接着一体化した密着層型の断熱複合パネル(岩倉化学工業(株)の商品名:オーマルYB−R)を外装材とし、外装材には、あと施工アンカー用の孔を適所に配設すると共に、断熱層表面にはだんご状の接着剤を適宜間隔に配設し、だんご状接着剤でパネルの断熱層をコンクリート躯体表面に貼着し、あと施工アンカーを外装材表面からコンクリート躯体へ打ち込んで張着するものである。
そして、複合パネルの外壁下端は、図11(D)に示す如く、コンクリート躯体に取付けたアングル鋼の水切取付下地材を介してアルミ水切を取付け、断熱複合パネル下端と水切との隙間にシーリングを施し、断熱複合パネルの外壁上端は、外装材を貼着して断熱層を保護し、その上に防水層を付設し、防水層上にアングル笠木を止着するものであり、コンクリート建築物を外断熱に改修するものである。
株式会社、建築技術発行、「建築技術」2001年2月号第123頁、アキレスKDパネルの項 三菱マテリアル建材(株)のカタログ「メースガイドブックvol.5」の164頁 岩倉化学工業(株)のパンフレット「オーマルYB−R」の後貼施工要領書
既存建物の改修に於いて、従来例1や従来例2の乾式被覆改修外断熱構工法は、既存建物の外壁に取付金物によってパネルを乾式に取付けるもので、既存外壁の仕上材に剥離や剥落の恐れのあるコンクリート建築物や、汚れやデザインの陳腐化したコンクリート建築物の改修に多用されており、新築の外断熱コンクリート建築物と同様に、結露が防止出来て健康的な建物に改修出来、省エネルギー、且つ耐久性のあるコンクリート建物に改修出来る。
しかし、日本建築学会編、「建築工事標準仕様書、同解説(JASS5)鉄筋コンクリート工事」1997年版では、外壁面の不陸は、タイルの圧着張りでは、3mにつき10mm以下、モルタル塗では1mにつき10mm以下、打放しコンクリートでは、3mにつき7mm以下となっているが、建築後15〜20年経過したコンクリート建築物にあっては、建築時の型枠精度等の問題から1mにつき10mm位の不陸の存在は普通である。
従来例1(図10)の乾式被覆改修構工法にあっては、既存建物の外壁のコンクリート躯体表面に断熱複合パネルを面接着するため、コンクリート躯体外面に不陸(面の不平坦)があれば、断熱複合パネルの前後方向調整が不可能であるため、断熱複合パネルの外壁面もコンクリート躯体の不陸に追従して不陸となる。
従って、外壁面をなるべく面一にするために、断熱複合パネルの張着に先立ってコンクリート躯体外面の突出面を斫る面一化作業が必要であり、斫り作業は作業性が悪く、しかも、コンクリート躯体表面の面一化は困難である。
また、該断熱複合パネルは、当初、該セメント板がコンクリート一体化用型枠として開発され、一体化コンクリートとの付着性向上のために条溝を付設したものであったが、コンクリート建築物に対する外断熱施工への関心の高まりと共に、該セメント板に断熱材を層着一体化して断熱複合パネル(商品名:アキレスKDパネル)とされたものであり、該条溝は、該パネルにあってはセメント板の軽量化の意義しかないものである。
そして、従来例1の断熱複合パネルによる外壁は、重量受けアングルがパネル下端面を面当接で支承していること、及び笠木とパネル上端前面との間、笠木とパラペットとの間にシーリングを施していることからも明らかな如く、密着層型のパネル内に通気性が存在しない。
従って、該パネルの外壁は、セメント板が日射による高温化に伴うヒートストレスにより劣下し、且つ、断熱層とセメント板間には、密着層型外断熱複合パネル特有の界面結露の問題を有する。
また、従来例2(図11)の乾式被覆改修構工法にあっても、断熱複合パネルのコンクリート躯体表面への張着は、接着剤のだんごを点在配置してパネルを押圧接着するため、だんご状接着剤の押圧変形がコンクリート躯体表面の不陸に若干対応出来るものの、不陸調整寸法が小であるため、やはり、パネルの張着に先立って、コンクリート躯体表面の突出面を斫る作業も必要であり、斫り作業を伴う断熱複合パネルの張着の作業性が悪く、しかも外壁面の面一化張着は困難である。
そして、該断熱複合パネルは、GFPC系外装材と断熱層との密着層型パネルであるが、該パネル自体は通気層が存在せず、断熱層と外装材間には、密着層型の外断熱複合パネル特有の界面結露を生ずるものである。
本発明は、密着層型の断熱複合パネルでありながら、パネル内通気が可能な外壁となり、しかも、断熱複合パネルのコンクリート躯体表面への張着は、コンクリート躯体表面の不陸に関係なく外壁表面を面一に、且つ、作業性良く施工出来る新規な外壁の上部構造を提供し、しかも、密着層型断熱複合パネルでありながら、外壁下端の腰水切から上下連設パネル内を貫通して上端の笠木への通気も可能となる外壁の上部構造を提供するものであり、上述の如き、従来例1、従来例2の問題点を一挙に解決するものである。
本発明は、例えば図1(A),(B)に示す如く、内面に条溝aを上下方向に並設したセメント板Paと断熱層Pbとを層着した密着層型の断熱複合パネルPと、一次ファスナー7と、二次ファスナー10と、笠木3とを含み、一次ファスナー7は、コンクリート躯体Cwの前面Scに固定し、二次ファスナー10は、断熱複合パネルP上端面のセメント板Paの条溝a内への二次ファスナー側の突出片12bの係合により係止すると共に、一次ファスナー7に前後左右位置調整して止着し、笠木3は、立下り板(3F)と、立下り板上端から後方に連なる天端水平板(3U)と、天端水平板(3U)後部から立上り片(3B)を介して後方に延出する底板(3D)とを備えたものであって、前部は、天端水平板(3U)下面と立下り板(3F)上部突起(3M)で形成した係合溝(3G)に、該パネル(P)上端部に止着したブラケット(15)の先端を嵌入係止し、後部は、後方に延出した底板3Dを介してコンクリート躯体上端面Fcに止着し、該パネル断熱層Pbとコンクリート躯体前面Scとの界面隙間asを閉止して、界面隙間asの空気流通を阻止すると共に、該パネル内の条溝a群から笠木3を介した外方への空気流通を保証したものである。
尚、コンクリート躯体Cwはパラペットを含むものである。
また、本発明にあっては、コンクリート躯体Cw前面Scに強固に固定した一次ファスナー7に対し、断熱複合パネルPを外壁前面が面一となるように二次ファスナー10を介して位置調整して一次ファスナー7に止着するため、コンクリート躯体前面Scの最大突出部とパネルPの断熱層Pbとは、図2(A),(B)の如く当接形態となるが、コンクリート躯体前面Scの不陸に対応した界面隙間asが大なり小なり各パネルPの内面(断熱層)とコンクリート躯体表面Sc間に生ずる。
しかし、界面隙間asに対しては、図9(A)の如く、パネル下端面への現場発泡断熱材9の注入によっても、図1(A),(B)の如く、パネル上端面へのアスファルトのルーフコーティング9cによっても空気流通阻止が達成され、界面隙間asの空気流通阻止は、パネルPの上端又は下端の界面隙間asを閉止するだけで良い。
また、二次ファスナー10の一次ファスナー7への前後左右調整の下での止着は、二次ファスナー10を一次ファスナー7に摺動形態で載置すれば前後左右調整が容易であり、両ファスナー10,7の止着は、慣用のボルト締着、ねじ止着、溶接等の採用が可能である。
また、二次ファスナー10のパネルP上端の条溝aへの係止は、図1(A)の如く、条溝a内へ嵌入した突出片12bをセメント板Pa外面からねじ26で止着しても良く、或いは条溝aと嵌入突出片12bとの対応断面形状の設定によってパネルPを二次ファスナー10に確保しても良い。
勿論、係止状態でパネルPと二次ファスナー10とにガタツキが生じる場合は、セメント板Paと二次ファスナー突出片12bとをねじ締着すれば良い。
また、ブラケット15は、笠木3の前部を、笠木とパネルセメント板上端との間に空気流通スペースを介して支持出来れば良く、ブラケット15のパネルPの上端部への止着は、セメント板Pa上端面や、パネル上端に一体化固定した一次ファスナー7上面、二次ファスナー10上面等、に止着可能である。
また、笠木3は、前部がブラケット15で、後部が延出底板3Dのコンクリート躯体上面へのねじ26b止着で、前部と後部との2点支持で配置出来れば良く、アングル笠木形態でも十分な強度が付与出来、寸法、形状は、安価なアングル笠木形態で自在に設定すれば良い。
また、本発明にあっては、一次ファスナー7は、図4(A)に示す如く、長孔H7を有する水平片7F、及びボルト挿入用孔H70を有する垂直片7Wを備えたアングル鋼材であって、図1(A)の如く、コンクリート躯体前面Scに打込んだアンカーボルト7aに対し、垂直片7Wに配置したアンカーボルト7aの径より大径のボルト挿入用孔H70を介してアンカーボルト7aに位置調整の下でボルト締着するのが好ましい。
この場合、アンカーボルト7aをコンクリート躯体構築時に、コンクリート躯体に埋設しても良く、既存建物のコンクリート躯体へボルト孔を穿設して、あと施工アンカーボルト7aを打込んでも良く、本発明は、コンクリート建築物の新築にも、既存コンクリート建築物の外断熱改修にも有効に適用出来る。
また、乾式被覆外断熱構工法でのアンカーボルト7aは、典型的には径10mmのあと施工アンカーボルトであり、オールアンカー(サンコーテクノ(株)商品名)か、ネールアンカー(岡部建材(株)商品名)であって、アンカーボルト7a1本当り890kgfの引張荷重強度を発揮するものである。
また、垂直片7Wのボルト挿入用孔H70は径が20mm位であれば、アンカーボルト7aに対する一次ファスナー7の上下左右方向の位置調整機能が発揮出来る。
この場合、パネルP1枚当りの荷重は40kg弱であるので、アンカーボルト7aに対する垂直片7Wのボルト締着により、二次ファスナー10の十分な支持強度を発揮する。
また、水平片7Fの長孔H7は、一次ファスナー7上での二次ファスナー10のボルト止着の位置調整に有効である。
また、本発明にあっては、一次ファスナー7の水平片7Fが、図5の如く、長孔H7の下面に自在ナット金具8を備え、自在ナット金具8にはナット8Aを固定した座金8Bを摺動自在に保持させるのが好ましい。
この場合、摺動自在のナット8Aは、図5(A)の如く、座金8Bがナット8Aの共回りを抑制して一次ファスナー7の位置調整の下でのボルト締着を可能とし、ナット8Aが自在ナット金具8内に保持されているため、断熱層Pb上面に、図3(A)の切欠C2の如き自在ナット金具8のみの凹欠を施せば、少ない断熱層欠損で、且つ、きれいに一次ファスナー7のパネルP上端への取付けが出来る。
また、本発明にあっては、二次ファスナー10は、図4(B)の如く、長孔H10を有する水平片10Fの前端下面に断面台形の突出片12bを下方に突出し、断熱複合パネルPの断面台形の条溝a1に、二次ファスナー10の突出片12bを係止するのが好ましい。
この場合、二次ファスナーの突出片12bはセメント板条溝a1と対応係合し、且つ両者間にガタツキの生じない嵌合とすれば、二次ファスナー10によるパネル上端の係止が合理的に実施出来る。
この場合、条溝a1には、突出片12bの嵌入部下方で隣接条溝aとの境界のリブRに空気連通用の横断溝を配置すれば、係合用条溝a1内の空気流通Afが保証出来る。
そして、二次ファスナー10の長孔H10を一次ファスナー7の長孔H7と交差形態で設ければ、両ファスナー相互の位置調整の下でのボルト締着が合理的に実施出来る。
また、本発明にあっては、一次ファスナー7が、図4(A)の如く、水平片7Fに前後方向の長孔H7を備え、二次ファスナー10が、水平片10Fに左右方向の長孔H10を備え、前後方向長孔H7と左右方向長孔H10を介して二次ファスナー10を一次ファスナー7上に位置調整してボルト締着するのが好ましい。
断熱複合パネルPの外面を面一とする張設は、コンクリート躯体表面Scの不陸突出の最も大な部分でパネル断熱層Pb表面とコンクリート躯体表面Scとを当接形態とするのが両表面間での界面隙間asの発生を最少に抑えるために必要である。
また、各一次ファスナー7のそれぞれは、必ず垂直片7Wをコンクリート躯体表面Scに当接固定するのが強度保持上必要であり、コンクリート躯体表面Scの不陸対応により、各二次ファスナー10それぞれは、パネルPの面一化基準に沿って異なる前後位置調整量が必要となる。
そして、二次ファスナー10は突出片12bを備えておるため、十分な長さの前後長孔の配置は困難であるが、一次ファスナー7への前後長孔の配置は、かなり大寸の長孔まで配置可能となり、各二次ファスナー10のそれぞれの前後動調整の計測配置を容易にする。
そして、パネルPの面一配置は、前後位置調整の後に、必要量の左右位置調整をするのが好ましい。
従って、一次ファスナー7の強固な固着、及びパネルPの必要前後動調整の下での面一配置が合理的に実施出来る。
また、本発明にあっては、断熱複合パネルPは、セメント板Paが少なくとも両端に断面台形の条溝a1を含む上下方向条溝a1,a2群を備え、断熱層Pbが各条溝a1,a2面上に成形発泡断熱材を積層一体化したものが好ましい。
断面台形の条溝a1は、二次ファスナー10の有する断面台形の突出片12bを嵌入するだけで二次ファスナー10によるパネルPの係止が達成出来る。
そして、二次ファスナー10によるパネルPの係止保持がパネルの左右両端となるため、各パネルPの面一化調整も容易となる。
また、本発明にあっては、ブラケット15が、笠木3係止用の水平片15Uと、垂直片15Fと、底板15Dとを備えているのが好ましい。
この場合、ブラケット15は、図6(C)に示す如き形態となるため、垂直片15Fは、笠木3に対する空気流通Afの通気スペース確保が出来、底板15Dを二次ファスナー水平片10F上か、一次ファスナー水平片7Fかにねじ止着することによりブラケット15の固定が容易であり、笠木3の前部を、水平片15Uによって条溝a群からの空気流通可能に確保出来る。
そして、ブラケット15を二次ファスナー水平片10F上の定点位置に止着すれば、笠木3のコンクリート躯体前面Scに対する不陸対応となる。
また、本発明にあっては、2つの長孔H7を左右に設けた一次ファスナー7を断熱複合パネルPの左右接続部d3上に配置し、一つの突出片12b及び長孔H10を備えた二次ファスナー10の2個を1個の一次ファスナー7上の左右に配置するのが好ましい。
この場合、1個の二次ファスナー10が1枚のパネルPの一端部毎の対応となるため、一次ファスナー7上への位置決めの自由度が増し、パネルPの面一化調整及びパネルPの一次ファスナー7上への載置係合作業が容易となる。
また、本発明にあっては、ブラケット15の底板15Dを2個の二次ファスナー10間に止するのが好ましい。
この場合、図7(B)に示す如く、2個の二次ファスナー10は一次ファスナー7上に分離形態で載置止着することとなり、各パネルPの左右接続部d3のそれぞれ両側パネル端に係止する二次ファスナー10間へのブラケット15の配置が可能となって、各ブラケット15は等間隔配置により笠木3の均斉確保が可能となり、パネル端部毎での前後左右位置調整の不要な一次ファスナー7上への止着作業となって取付けが容易である。
また、本発明にあっては、笠木3は、図6に示す如く、立下り板3Fと、立下り板上端から後方に連なる天端水平板3Uと、天端水平板3U後部から立上り片3Bを介して後方に延出する底板3Dとを備え、図1(A)の如く、天端水平板3U下面と立下り板3F上部突起3Mで形成した係合溝3Gに、ブラケット先端を嵌入係止するのが好ましい。
この形態の笠木3にあっては、底板3Dによるコンクリート躯体Cw上面への固定と、天板3U先端のブラケット15による係止との前後2点保持となり、パラペットにも屋上にも適用可能な安価なアングル笠木形態でありながら、パラペットにしか適用出来ない高価なオープン笠木と同様の前後2点支持が達成出来、空気流通Afのためのスペースを備えたために、あおり風を受けてガタツキ易い笠木3が強固に保持出来る。
また、取付けに際しても、パネルPの上端部に止着したブラケット15に前部を係止した後の後部の固定となるため、笠木3の適正位置への止着が容易となる。
また、本発明にあっては、断熱複合パネルPの断熱層Pbには、図3(A)に示す如く、上端及び内表面上部の全幅に亘る切欠C1を一次ファスナー7の板厚に対応して配置し、且つ、該パネルP両端部には、該切欠C1上に、更に自在ナット金具8等、二次ファスナー10止着対応の切欠C2を配置するのが好ましい。
該切欠C1,C2の付与は、工場等、別の場所での作業となって均質付与が容易であると共に、図1(B)及び図2(B)に示す如く、外壁上部施工時の断熱層Pbの切欠C1に対する石綿セメント板等の板材18での後処理作業が均斉、且つ容易に実施出来る。
また、深い部分切欠C2の存在により、二次ファスナー10締着ボルトの突出部の受け入れも可能となり、図1(A)の如く、下面に突出する自在ナット金具8を供えた一次ファスナー7の断熱複合パネルPへの配置もスムーズに実施出来、作業性が向上する。
本発明の通気性外断熱外壁の上部構造は、図1(A)及び図2(A)に示す如く、コンクリート躯体Cwの表面Scに一次ファスナー7を強固に当接固定し、一次ファスナー7に対してパネル上端に係止した二次ファスナー10を前後左右位置調整して固定するため、コンクリート躯体表面Scの不陸に関係なく、各断熱複合パネルP群を面一に張設出来る。
しかも、各パネルPを面一に張設したために生ずるパネル断熱層Pbとコンクリート躯体表面Scとの間に生ずる界面隙間asの空気流通を阻止したため、該隙間as内の空気層は流通しない密閉空気層となって空気断熱層の機能を奏し、パネル断熱層Pbと共にコンクリート躯体Cwに対する外断熱機能を奏する。
更に、断熱複合パネルPは、密着層型でありながら条溝a群から笠木3を介した外方への空気流通Afを保証したため、セメント板Paと断熱層Pbとの界面が下方から上方への通気層となり、従来の密着層型パネル特有のセメント板等の外装材と断熱層との界面での結露を生ずる問題が解決出来る。
従って、断熱層Pbの吸湿による断熱機能低下が阻止出来ると共に、条溝aでの通気によるセメント板Paの日射による高温化も抑制出来、セメント板Paの耐用時のヒートストレスによる劣下も抑制出来、長期に亘る均質な外断熱機能、及び耐久性を備えた外壁の提供を可能にする。
更に、コンクリート躯体前面Scに当接固定した一次ファスナー7に対して、前後左右調整して止着する二次ファスナー10の突出片12bでのセメント板Paの条溝aへの係合によって断熱複合パネルPを張設するため、パネルPの張設作業が容易であり、パネルP群の面一化配置作業が容易である。
更に、笠木3も、前部をパネル上端部に止着したブラケット15を介して支持し、後部を後方に延出した底板3Dを介してコンクリート躯体Cwの上端面Fcに止着するため、パネル上端面に対して排気用の間隔を有し、あおり風を受ける笠木が、前後2点支持となって強固に保持出来、安価(オープン笠木の1/3)なアングル笠木形態の採用が可能となる。
また、一次ファスナー7は、アングル形態の鋼材の垂直片7Wの大径のボルト挿入用孔H70を、コンクリート躯体Cwに打込んだ小径のアンカーボルトに嵌合して強固に固定するため、一次ファスナー7のコンクリート躯体Cwの表面Scに対する上下左右の位置調整の下での固着が出来、パネルPの張設は、コンクリート躯体Cwの前後方向不陸のみならず、上下方向不陸にも対処可能となり、コンクリート躯体Cwの、不陸の特に多い既存コンクリート建築物の外断熱への改修施工に、特に有効である。
また、一次ファスナー7は、水平片7F下面にナット8Aを固定した座金8Bを摺動自在に保持した自在ナット金具8を有するため、一次ファスナー7上での二次ファスナー10の位置調整摺動が、仮止め状態でのボルト13aの自在ナット金具8内での座金8Bの摺動となり、微調整摺動がスムーズに実施出来る。
また、二次ファスナー10は、下方突出の断面台形突出片12bを、パネルセメント板Paの断面台形の条溝a1内に嵌入係止するため、二次ファスナー10による断熱複合パネルP上端の係止保持作業が容易となる。
また、二次ファスナー10の一次ファスナー7上での前後左右位置調整は、一次ファスナー7の前後方向長孔H7と、二次ファスナー10の左右方向長孔H10とに、ボルト13aを挿通して自在ナット金具8内のナット8Aに仮止めして実施するため、パネル断熱層Pbに支障を生ずることなくスムーズに実施出来、自在ナット金具8を収納する断熱層Pb上の切欠C2も、断熱層Pbの内表面からの自在ナット金具8の幅に対応する細幅の切欠と出来、切欠C2の形成が断熱層Pbの欠損の最少限の下に容易に出来る。
また、1個の一次ファスナー7に対して2個の二次ファスナー10を分割形態で配置するため、各パネルPのそれぞれが端部で位置調整可能となり、各パネルP群の位置微調整の下での取付作業が容易となって、パネルの適正配置に有利である。
しかも、笠木3係止用のブラケット15も二次ファスナー10間で一次ファスナーに取付可能となり、ブラケット15の取付合理化と、ブラケット15の等間隔配置による笠木3の均斉な保持が可能となる。
〔断熱複合パネル(図3)〕
図3(A)は、パネルPの一部切欠斜視図であり、図3(B)は、(A)のB−B線断面図であり、(C)は(B)の部分拡大図である。
断熱複合パネルPは、セメント、硅酸質原料及び繊維質原料を混合して押出成形し、オートクレーブ養生した押出成形セメント板Paと、75mm厚の押出法ポリスチレンフォーム断熱材Pbとの接着一体化積層物である。
セメント板Paは、図3(B)の如く、厚さT1が25mm、幅W0が490mmで内面に深さ13mmの条溝a群をリブR(R1,R2)間で上下方向に並設したものであり、条溝a群のうち、両端及び中央の一対の条溝a1は、一方が60°、他方が80°に傾斜した台形断面であり、他の条溝a2は短形断面である。
そして、台形条溝a1と隣接条溝a2との境界のリブR2には、両条溝a1,a2を連通させる横断溝(図示せず)を、セメント板Paの上端及び下端から、二次ファスナー突出片12a,12bの突入長さ、プラス20mm前後の位置に配置しておく。
中央に台形条溝a1を2個一対で配置したのは、セメント板Paを中央のリブR上で幅方向2分割して1/2幅サイズでの使用を可能にするためである。
断熱層Pbは、幅W1がセメント板幅W0(490mm)より10mm大な500mmの発泡成形断熱材であり、セメント板Paと断熱材Pbとの接着は、図3(B)の如く、断熱材Pbをセメント板Paの条溝配置面のリブR頂面上に、条溝aをふさがないように、且つ、一方では段差d1(10mm)入り込み、他方では段差d2(20mm)突出した形態に接着剤で一体化する。
また、パネルPの上端では、断熱層Pbは、全幅に亘り一次ファスナー水平片6F載置用の切欠C1を付与し、両端のセメント板台形条溝a1対応位置では自在ナット金具8(図6)嵌入用の切欠C2を付与する。
尚、断熱複合パネルPの長さL0は、各適用建物の階高に応じて設定する。
〔一次ファスナー(図4(A))〕
図4(A)に示す如く、一次ファスナー7は、長さL7が210mm、厚さが6mmで幅W7が65mmの等辺山形鋼であり、水平片7Fには両端7Sから40mmの位置に幅12mm、長さ30mmの前後方向長孔H7の一対を穿設し、垂直片7W中央部には、径10mmのアンカーボルト7aを位置調整可能に締着するための、径20mmのボルト挿入用の孔H70を穿設し、水平片7Fの各長孔H7の下面には自在ナット金具8を配置する。
自在ナット金具8は、図5に示す如く、1.6mm厚の鋼製であって、幅L8が36mmの底板8Eと、高さh8が20mmの両側板8Sから成り、側板8Sの上部には突起片8Mを5mm幅で側板全長に亘って突設し、一次ファスナー水平片7Fの下面と突起片8Mの間に幅4mmの係合溝8Gしたものである。
そして、係合溝8Gには、3mm厚で幅WWが20mmで長さWLが30mmの短形の座金8Bを、両側の突起片8Mに載置形態で摺動自在に嵌合し、該座金8B下面には、径10mmのボルト13a締着用のナット8A(外径18mm、高さ8mm)を固着一体化し、水平片7Fの上方から長孔H7を介して挿通するボルト13aの、自在ナット金具8内で座金8Bによって共回りの抑制されたナット8Aへのボルト締着を可能に構成する。
〔二次ファスナー(図4(B))〕
図4(B)に示す如く、二次ファスナー10は、厚さが6mm、幅(W10)が65mm、長さL10が80mmの平鋼の水平片10Fに、中央部で後端10eより17mmの位置に、幅が12mm、長さが30mmの左右方向長孔H10を穿設し、水平片10Fの前端下面中央部には、セメント板の台形条溝a1に嵌合させるための、鋼製の2.3mm厚で高さh12が30mm、長さL12が30mm、幅W12が12mmの下面視台形状で、前面を面板12Pで閉塞した箱形状の下方突出片12bを溶接一体化する。
この場合、下方突出片12b基端周囲に溶接による盛り上がり肉が発生しないように、下方突出片12bの基板に溶接用孔を穿設して水平片10F下面と溶接する。
〔笠木金具(図6)〕
笠木金具は、笠木3と、笠木取付用のブラケット15とから成り、図6(A)は笠木3の斜視図であり、図6(B)は図6(A)のB−B断面図であり、図6(C)はブラケット15の斜視図である。
笠木3は、複合パネルPの上端辺Ptの上部に配置して、屋上パラペットや屋上床のコンクリート躯体の防水層端部を処理すると共に、外壁と屋上との見切りの効用、及び外壁パネルPの通気層aからの空気流出を保証するものである。
笠木3は、一般厚が2mmのアルミ製で、標準4000mm長の直線部材であり、總幅L3が170mmであって、前端の立下り板3Fの高さh3が45mm、立下り板上端から後方に延びる天端水平板3Uの幅d30が120mm、天端水平板3Uの後端から10mmの位置から高さh30が18mmの立上り片3Bと、立上り片3B下端から後方に幅d31が60mmの底板3Dを備え、前端の立下り板3Fには、下端の7mm幅で斜角45°の水切機能を備えたアンカー片3F´と、アンカー片基部から後方に5mm幅で水平突出し、上昇雨水の水切機能及び立下り板3F補強機能を備えた突起3M´と、天端水平板3Uの前端下面に3.5mm幅の係合溝3Gを形成した5mm幅の後方への突起3Mとを突設する。
また、ブラケット15は、3mm厚のアルミ製の板金屈曲片であって、図6(C)の如く、上段水平片15Uの長さLuが23mm、垂直片15Fの高さh15が25mm、底板15Dの長さLdが52mm、幅W15が40mmの直角屈曲形態物である。
〔外壁の上部構造の形成(図1、図8)〕
本発明を、既存コンクリート建築物の乾式被覆改修外断熱構工法に適用する。
まず、既存建築物のコンクリート躯体Cw上面の防水層9aの前端部及びコンクリート躯体前面Scを改修施工可能に準備し、コンクリート躯体Cwに基準墨によりマーク付けし、図1(A)の如く、コンクリート躯体前面Scに径10.5mmの孔を穿孔し、径10mmのあと施工アンカーボルト7a(サンコーテクノ(株)商品名:オールアンカー、岡部建材(株)商品名:ネールアンカー等)を挿入し、あと施工アンカーボルト7aの径中央の芯棒をハンマーで打込んで、あと施工アンカーボルト先端がコンクリート内で開いた状態とし、アンカーボルト7a1本当り890kgfの引張荷重強度を付与する。
次いで、図1(A)の如く、一次ファスナー7の垂直片7Wのボルト挿入用孔H70(孔径:20mm)をアンカーボルト7aの突出部に嵌合し、径12mmのボルト用孔を有する座金7bを介してナット7cを強固に締着する。
この場合、一次ファスナーの孔H70は径が20mmであり、アンカーボルト径が10mmであるので、アンカーボルト7aと一次ファスナー7とを、上下左右の必要位置微調整の下に強固に締着する。
パネル1枚当りの負荷重量は45kg前後であり、一次ファスナー7は、図8(A)の如く、各パネルPの接続目地d3の位置に配置するので、各一次ファスナー7による各パネルPの適正支持が可能となる。
次いで、固定された一次ファスナー7の水平片7Fの一方の長孔H7上に、パネルP一端の条溝a1に下方突出片12bを係止した二次ファスナー10の水平片10Fを載置し、両ファスナー7,10のボルト挿入用孔H7,H10を重ねて径10mmのボルト13aを座金13bを介して一次ファスナー7下面の自在ナット金具8内のナット8Aに挿通仮止めし、二次ファスナー10を前後方向長孔H7、左右方向長孔H10によって位置調整した後、ボルト13aを一体化座金8Bで回動の制限されたナット8Aに強固に締着する。
同様に、他方のパネル他端の条溝a1に係止した二次ファスナー10を一次ファスナー7の他方の長孔H7にボルト締着し、図8(A)の如く、パネル接続部d3上に配置した1個の一次ファスナー7上には、各パネルP端の上面を係止した二次ファスナー10の2個を締着する。
そして、図1(B)の如く、一次ファスナー水平片7F間の断熱層切欠C1には、一次ファスナー水平片7Fと等厚の石綿セメント板18(JISA5403石綿スレート)を接着して断熱層Pb上面の切欠C1を補修する。
次いで、図7(A),(B)に示す如く、一次ファスナー水平片7F上の両側の二次ファスナー10間には、所定位置にブラケット15の底板15Dをドリルスクリュー(サンコーテクノ(株)商品名)等のねじ26aで一次ファスナー水平片7Fに締着し、ブラケット15を各パネル間隔で配置する。
また、コンクリート躯体上端前面では、既存防水層9a前縁からパネルP上端後部に亘り、アスファルトのルーフコーティング9cを付与して、図1(B)、図2(B)の如く、コンクリート躯体前面Scとパネル断熱層Pb間の界面隙間asを閉止する。
この場合、界面隙間asの大な部所は、必要に応じてバックアップ材19´を充填してルーフコーティング9cを施工する。
また、図8(B),(C)に示す如く、従来例1,2同様に、セメント板(外装材)表面からあと施工アンカー24をコンクリート躯体Cwに打込む。
また、必要に応じて、セメント板Paを、図1(A)の如く、ねじ26によって二次ファスナー突出片12bの面板12Pに止着する。
次いで、笠木3は、図1(A)の如く、一次ファスナー水平片7F上に固定したブラケット15の水平片15U先端に、天端水平板3U下面前端の係合溝3Gを嵌合係止し、後方に延出した底板3D後部を既存防水層9a上からコンクリート躯体(パラペット)Cw上端面Fcにねじ26bで固定する。
この場合、既存防水層9a上が不陸であれば、必要に応じて底板3Dと防水層9a間にパッキンを介在する。
また、笠木底板3D上には新規防水層9bを立上り片3Bと当接形態で張設し、防水層9bと天端水平板3Uの下面との間にはシーリング19を施す。
また、各パネル左右接続部d3では、図8(C)の如く、セメント板Paと断熱層Pbとの接着時に付与した段差d1(10mm)と段差d2(20mm)によって、断熱層Pbの当接界面Bbは、セメント板Pa面上に位置するが、両セメント板Pa端間は10mm幅の断熱層Pbむき出しの接続部d3となるため、該接続部d3には、バックアップ材19´を介してシーリング19を施す。
尚、外壁の中間部、即ちパネルの上下接続構造も、上部構造同様に、一次ファスナー7と、変形二次ファスナー21で施工出来る。
図9は、各断熱複合パネルPの上下接続部の説明図であって、上下接続部d4にあっては、本発明のパネル上端取付けに採用したアングル鋼材の一次ファスナー7を、図9(A)の如く、アンカーボルト7aを採用してコンクリート躯体Cwの前面に固着し、二次ファスナーは、図9(B)の如く、水平片21Fの後端上下に、上方では、上下接続部d4の目地高さを確保するための高さh21を備えた台板21a上に上方視断面台形の突出片12aの一対を、下方では、上方突出片12aの対応位置で上方突出片12aと同形状の下方突出片12bの一対を備えたものである。
そして、二次ファスナ21は、上下突出片12a,12bによって、上方パネル下端と下方パネル上端とを係止し、二次ファスナー長孔H21を一次ファスナー長孔H7に合致させてボルト13aを挿通し、位置調整の下に一次ファスナー7にボルト締着する。
そして、接続部d4の二次ファスナー21の存在しない空間部から現場発泡断熱材9を上下断熱層Pb間に注入して条溝a群を閉止しないように充填し、接続部d4全長に亘って、条溝a群を閉止しないようにバックアップ材19´を介してシーリング19を施す。
そして、現場発泡断熱材9の注入は、最奥部から断熱層Pbの切欠C1を含む上下断熱層Pb間を充填埋設するため、パネルP間の上下接続部d4での断熱損失は生じない。
以上の如く、断熱複合パネルP群をコンクリート躯体前面Scに取付けた外断熱外壁の上部構造にあっては、並列接続部d3では、断熱層Pbの当接界面Bbがセメント板Pa面で閉止されて当接界面Bbへの空気侵入が完全阻止され、接続部d3での断熱機能低下が阻止出来、またパネル断熱層Pbとコンクリート躯体前面Scとの界面隙間asも、上端がアスファルトのルーフコーティング9cで閉止されて界面隙間as内は密閉空気層として断熱機能を発揮するため、断熱複合パネルPを備えた外壁は、設計値どおりの外断熱機能を発揮する。
そして、上下接続部d4では、下方パネル条溝aから上方パネル条溝aへの空気流通が可能であるため、外壁パネルの下端から上端の笠木3を介した外方への空気流通Afが保証される。
また、各一次ファスナー7は、全てコンクリート躯体Cwの前面Scに当接固定するため、アンカーボルト7aによって強固に固定出来、各パネルPは、コンクリート躯体前面Scの不陸突出最大部位を基準とし、コンクリート躯体表面Scの不陸凹部では、パネルPとコンクリート躯体表面Sc間に界面隙間asを形成しながら面一に張設するため、建築後15〜20年経過したコンクリート躯体表面に1mにつき10mm以上の不陸の存在するコンクリート建物であっても、外壁面、即ちパネルセメント板Pa表面がきれいに面一化された高性能外断熱建築物に改修出来る。
本発明は、コンクリート建築物の新築時には、アンカーボルト7aをコンクリート躯体Cw前面に、コンクリート打設時に埋設すれば、打設コンクリート躯体Cwの前面Scに不陸が生じても、簡単、且つ合理的に断熱複合パネルPの面一張着が出来るが、建築後15年以上経過した、既存コンクリート建築物にあっては、コンクリート躯体外面の不陸が普通であるため、既存コンクリート建築物を乾式被覆改修で外断熱建築物に更生するために適用すれば特に有効である。
従って、本発明は、特に、コンクリート建築物の改修に極めて有利な、実用性の高い発明である。
本発明のパネルPとコンクリート躯体Cwとの間に界面隙間asを生じた場合の説明図であって、(A)はパネル係止部を、(B)はパネル非係止部を示す図である。 本発明のパネルPとコンクリート躯体Cwとの間に界面隙間asを生じない場合の説明図であって、(A)はパネル係止部を、(B)はパネル非係止部を示す図である。 本発明の断熱複合パネル説明図であって、(A)は斜視図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は(B)の部分拡大図である。
本発明の一次、二次各ファスナー説明図であって、(A)は一次ファスナーの斜視図、(B)は二次ファスナーの斜視図である。 本発明の一次ファスナー説明図であって、(A)は上面図、(B)は側面図、(C)は背面図である。 本発明の笠木金具説明図であって、(A)は笠木の斜視図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)はブラケットの斜視図である。 本発明のブラケット取付状態説明図であって、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
本発明パネルの左右接続部の横断面図であって、(A)は一次ファスナー7と二次ファスナー10との配置関係を、(B)はあと施工アンカーを示す図であり、(C)は(B)のC部拡大図である。 本発明パネルPの上下接続部の説明図であって、(A)は横断面図、(B)は二次ファスナー斜視図である。 従来例1の説明図であって、(A)は外壁横断面図、(B)は(A)のB部拡大図、(C)は外壁上部縦断面図、(D)は外壁下部断面図である。 従来例2の説明図であって、(A)は外壁横断面図、(B)は(A)のB部拡大図、(C)は外壁上部縦断面図、(D)は外壁下部縦断面図である。
符号の説明
3 笠木
3B 立上り片
3D,15D 底板(下段水平板)
3F 立下り板
3F´ アンカー片
3G,8G 係合溝
3M,3M´ 突起
3U 天端水平板
7 一次ファスナー
7a アンカーボルト
7b,8B,13b 座金
7c,8A ナット
7F,10F,21F 水平片
7S,10S,21S 側端
7W,15W 垂直片
8 自在ナット金具
8E 底板
8M 突起片
8S 側板
9 現場発泡断熱材
9a 既存防水層
9b 防水層(新規防水層)
9c ルーフコーティング
10,21 二次ファスナー
12a 上方突出片(突出片)
12b 下方突出片(突出片)
12P 面板
13a ボルト
15 ブラケット
15U 上段水平片(水平片)
18 石綿セメント板(板材)
19 シーリング
19´ バックアップ材
21a 台板
24 あと施工アンカー
26,26a,26b ねじ
a,a1,a2 条溝(通気層)
as 界面隙間(密閉空気層)
Bb 当接界面(断熱層界面)
C1,C2 切欠
Cw コンクリート躯体
d1,d2 段差
d3,d4 接続部(接続目地、目地)
Fc コンクリート躯体上端面(上端面)
H7,H10,H70 ボルト挿入用孔(ボルト孔)
P 断熱複合パネル(パネル)
Pa セメント板
Pb 断熱層(断熱板)
R(R1,R2) リブ
Sc 前面(コンクリート躯体前面)

Claims (10)

  1. 内面に条溝(a)を上下方向に並設したセメント板(Pa)と断熱層(Pb)とを層着した密着層型の断熱複合パネル(P)と、一次ファスナー(7)と、二次ファスナー(10)と、笠木(3)とを含み、一次ファスナー(7)は、コンクリート躯体(Cw)の前面(Sc)に固定し、二次ファスナー(10)は、断熱複合パネル(P)上端面にセメント板の条溝(a)を介して係止すると共に、一次ファスナー(7)に前後左右位置調整して止着し、笠木(3)は、立下り板(3F)と、立下り板上端から後方に連なる天端水平板(3U)と、天端水平板(3U)後部から立上り片(3B)を介して後方に延出する底板(3D)とを備えたものであって、前部は、天端水平板(3U)下面と立下り板(3F)上部突起(3M)で形成した係合溝(3G)に、該パネル(P)上端部に止着したブラケット(15)の先端を嵌入係止し、後部は、後方に延出した底板(3D)を介してコンクリート躯体(Cw)上端部に止着し、該パネル断熱層(Pb)とコンクリート躯体前面(Sc)との界面隙間(as)を閉止して、界面隙間(as)の空気流通を阻止すると共に、該パネル(P)内の条溝(a)群から笠木(3)を介した外方への空気流通を保証した、通気性外断熱外壁の上部構造。
  2. 一次ファスナー(7)は、長孔(H7)を有する水平片(7F)、及びボルト挿入用孔(H70)を有する垂直片(7W)を備えたアングル鋼材であって、コンクリート躯体前面(Sc)に打込んだアンカーボルト(7a)に対し、垂直片(7W)に配置したアンカーボルト(7a)の径より大径のボルト挿入用孔(H70)を介してアンカーボルト(7a)に位置調整の下でボルト締着した、請求項1の外壁の上部構造。
  3. 一次ファスナー(7)の水平片(7F)が、長孔(H7)の下面に自在ナット金具(8)を備え、自在ナット金具(8)にはナット(8A)を固定した座金(8B)を摺動自在に保持した、請求項2の外壁の上部構造。
  4. 二次ファスナー(10)は、長孔(H10)を有する水平片(10F)の前端下面に断面台形の突出片(12b)を下方に突出し、断熱複合パネル(P)の断面台形の条溝(a1)に、二次ファスナー(10)の突出片(12b)を係止した、請求項1乃至3のいずれか1項の外壁の上部構造。
  5. 一次ファスナー(7)が、水平片(7F)に前後方向の長孔(H7)を備え、二次ファスナー(10)が、水平片(10F)に左右方向の長孔(H10)を備え、前後方向長孔(H7)と左右方向長孔(H10)を介して二次ファスナー(10)を一次ファスナー(7)上に位置調整してボルト締着した、請求項1乃至4のいずれか1項の外壁の上部構造。
  6. 断熱複合パネル(P)は、セメント板(Pa)が少なくとも両端に断面台形の条溝(a1)を含む上下方向条溝(a1,a2)群を備え、断熱層(Pb)が各条溝(a1,a2)面上に成形発泡断熱材を積層一体化した、請求項1乃至5のいずれか1項の外壁の上部構造。
  7. ブラケット(15)が、笠木(3)係止用の水平片(15U)と、垂直片(15F)と、底板(15D)とを備えた、請求項1乃至6のいずれか1項の外壁の上部構造。
  8. 2つの長孔(H7)を左右に設けた一次ファスナー(7)を断熱複合パネル(P)の左右接続部(d3)上に配置し、一つの突出片(12b)及び長孔(H10)を備えた二次ファスナー(10)の2個を1個の一次ファスナー(7)上の左右に配置した、請求項1乃至7のいずれか1項の外壁の上部構造。
  9. ブラケット(15)の底板(15D)を2個の二次ファスナー(10)間に止着した、請求項8の外壁の上部構造。
  10. 断熱複合パネル(P)の断熱層(Pb)には、上端及び内表面上部の全幅に亘る切欠(C1)を一次ファスナー(7)の板厚に対応して配置し、且つ、該パネル(P)両端部には、該切欠(C1)上に、更に二次ファスナー止着用の切欠(C2)を配置した、請求項1乃至のいずれか1項の外壁の上部構造。
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