JP3621054B2 - 鉄筋コンクリート造壁式構造の外断熱建築物に於ける帳壁取付方法及び取付金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄筋コンクリート造壁式構造の外断熱建築物の建築に於ける外壁の取付方法、及び取付金具に関するものであり、詳しくは、押出成形セメント板と断熱層と石膏ボード等の内装材とを一体化した外断熱乾式密着型の複合パネルを鉄筋コンクリート造の中低層建築物(3〜9階)の外壁として取付ける方法、及び使用する取付金具に関するものであって、鉄筋コンクリート建築の分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の、外断熱の鉄筋コンクリート造壁式構造建築物にあっては、外壁は、例えば図9に示す如く、(イ)外装材、通気層、断熱材をコンクリート壁外側に形成した通気層型、(ロ)外装材、断熱材をコンクリート壁外側に形成した密着層型、(ハ)外装材、断熱材、密閉空気層をコンクリート壁外側に形成した密閉空気層型、(ニ)外装材、保護壁、断熱材をコンクリート壁外側に形成した二重層型の各タイプが存在する。
【0003】
図9(B)は、上記(ロ)の密着層型の外壁形成の略示であり、コンクリート壁型枠組立時に、パネルセパレータ、コンクリートセパレータ、PKコン、Pコンを用いて外装材と断熱材から成る複合パネルを外型枠として兼用し、内側の型枠との間にコンクリート壁を打設形成し、外側パネルとコンクリート壁とを一体的に形成している。
【0004】
即ち、従来の外断熱の鉄筋コンクリート造壁式構造建築物での外壁は、使用する複合パネルに差はあっても、コンクリート壁の打設によって外断熱の外壁を形成しており、耐力壁部も帳壁部も全て複合パネルとコンクリート壁を一体化しており、外断熱鉄筋コンクリート造壁式構造建築物にあって、外壁の帳壁部を複合パネルのみで形成することは新規であり、鉄筋コンクリート造外断熱建築物の外壁形成にあって、複合パネルのみで帳壁を形成する技術は存在しない。
【0005】
また、鉄骨造建築物ではあるが、外断熱複合パネルで帳壁を形成する技術は、本願出願人等により特願平9−144256号(特開平10−331306号)として既に提案した。
該特願平9−144256号の複合パネル取付技術は、図10に示す如く、本願出願人等の所有する特許第2999980号(特願平9−152628号)の外断熱複合パネルの上下枠を、各対応梁に固着した下枠用の下部取付金具、及び上枠用の上部取付金具を介して帳壁として張設し、1階下枠は床スラブに埋設したアングル金具に直接取付けるものである。
即ち、鉄骨造建築物にあっては、鉄骨構造体が強度を負担し、且つ各階に梁が存在するため複合パネルを帳壁として張設可能であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の鉄筋コンクリート造壁式構造の建築物にあっては、内断熱タイプも外断熱タイプも共に、外壁は耐力壁部も非耐力壁部もコンクリート壁であるため、外壁全てがコンクリート型枠工を必要とし、特に複合パネルを外型枠に組込む壁式構造の外断熱鉄筋コンクリート造にあっては、建築施工コスト中に占める型枠工のコスト比率が高く、結局、壁式構造の鉄筋コンクリート造にあっては、外断熱建築は、内断熱建築より30%前後のコスト高となり、外断熱建築物の普及の阻害要因となっていた。
【0007】
本願発明は、壁式構造の鉄筋コンクリート造に於いて、耐力壁部以外のコンクリート壁を除去して外壁の開口部とし、該開口部に外断熱複合パネルを帳壁として取付け可能とする技術手段を開発し、鉄筋コンクリート造壁式構造の外断熱建築物を画期的な低コストで提供可能とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】
本願帳壁の第1の取付方法の発明は、例えば、図1,図2に示す如く、外断熱複合パネルP0を備えたコンクリート耐力壁W間の開口部Rでは、床スラブSのコンクリート型枠組み時に、アンカー片3d及び水平片3aを備えたプレート受3を、水平片3aが床スラブSのコンクリートを被冠しないように床スラブ型枠の前端部にセットし、次いで、耐力壁W部と床スラブSへの床コンクリート打設によってプレート受3を床スラブSと一体化固定し、次いで、外断熱複合パネルPの下枠5b下面に位置する各プレート受間Lsには、前縁にシーリングゴム21を備えた断熱材20を配置し、次いで、外断熱複合パネルPの上枠5a、及び/又は、下枠5bの取付孔H,H1と取付プレート4前部の連結ピン孔H2とに連結ピン6を挿通係止し、パネルPの下枠5bを係止支承した取付プレート4後部をプレート受3の水平片3a上に位置調整して載置し、取付プレート4を固定孔Hmを介してプレート受3に固定し、次いで、各断熱材20間に存在する取付金具3,4周りの空隙d2に現場発泡断熱材を充填して外断熱複合パネルPのみの帳壁を取付ける。
【0009】
尚、プレート受3のコンクリート型枠へのセットに際しては、アンカー片3dをコンクリート配筋と締結すると好ましく、プレート受3としてアングル形態鋼板を採用すればコンクリート型枠への固定が釘、ボルト等の手段で確実に実施出来る。
また、プレート受3の水平片3aを床スラブSのコンクリート被冠から保護する手段としては、水平片3aの周囲にコンクリート流入防止枠をセットしても良く、水平片3a自体にコンクリート止3c(図6)を付設しても良い。
固定孔Hmは、溶接孔として両者を溶接一体化するのが好ましく、固定孔Hmをボルト孔又はねじ孔とし、慣用のねじ手段によって取付プレート4をプレート受3に固定しても良い。
また、耐力壁W部にあっては、外断熱複合パネルP0をコンクリート外側型枠として用いる従来の手段(図9(イ)〜(ニ))で構築すれば良く、耐力壁W間の開口部Rに張設する帳壁用の外断熱複合パネルPとしては、特許第2999980号の外断熱複合パネルを適用すれば良い。
【0010】
本取付方法によれば、プレート受3は、コンクリート型枠組み時に所定位置に、水平片3aがコンクリートを被冠しないように設置し、耐力壁W部及び床スラブSへのコンクリート打設によって床スラブと一体化固定するため、位置設定が容易で強固に固定出来る。また、パネル枠5a、及び/又は、5bと連結ピン6で係合した取付プレート4は、表面にコンクリートの付着していない水平片3a上に載置して前後左右に位置調整しながらプレート受3と固定するため、取付プレート4上に、パネル下枠5bのみを係合する場合(1階)も、パネル上枠5aのみを係合する場合(最上階)も、上枠5aと下枠5bで挟着形態に係合する場合(中間階)でも、パネルの張設がスムーズに、且つ外壁としての必要外観を充足する形態に容易に取付けられる。
尚、取付プレート4の上下動調整は、取付プレート4とプレート受水平片3a間に板金等の飼物を挟着すれば良い。
【0011】
従って、鉄筋コンクリート造壁式構造の外断熱建築物では予想すら出来なかった、耐力壁W部以外の外壁は外断熱複合パネルPのみの帳壁と出来、従来の鉄筋コンクリート造壁式構造外断熱建築物に比して、外壁コンクリートの型枠工事、及びコンクリート使用量が大幅に低減出来、建築コストを画期的に低減化出来た鉄筋コンクリート造壁式構造外断熱建築物の提供が可能となる。
【0012】
そして、上下パネルP間の大部分を占める取付プレート間Lsに各パネルPと同等の断熱機能を付与出来て、複合パネルPのみの張設で形成した帳壁部も耐力壁W部と均等の断熱壁と出来、シーリングゴム21の存在により、シール性及び耐久性を充足した外壁となり、しかも、各パネルPの取付金具部周りの空隙d 2 も断熱材を充填するため、パネル取付部全体がパネルP本体部と同等の断熱機能を発揮出来、パネルP自体が具備する十分な断熱性を取付金具で損なうことはない。
【0013】
また、本願帳壁の第2の取付方法の発明は、例えば図8に示す如く、外断熱複合パネルP0を備えたコンクリート耐力壁W間の開口部R(図1)では、床スラブSのコンクリート型枠組み時に、アンカー片13d及び垂直片13bを備え、垂直片13bにはコンクリート止めボックス13cで保護されたボルト13eを前方に横長孔H4を介して突出させたプレート受13を、プレート受13前面に床スラブコンクリートが廻り込まないように設置し、次いで、耐力壁W部及び床スラブSへのコンクリート打設によってプレート受13を床スラブS前端部に一体化固定し、次いで、外断熱複合パネルPの下枠5b下面に位置する各プレート受間Lsには、前縁にシーリングゴム21を備えた断熱材20を配置し、次いで、外断熱複合パネルPの上枠5a、及び/又は、下枠5bの取付孔H,H1と取付プレート14の水平片14a前部の連結ピン孔H2とに連結ピン6を挿通係止し、パネル下枠5bを係止支承した取付プレート14の垂直片14bの縦長孔H5をボルト13eに嵌合してプレート受13の横長孔H4とで上下左右位置調整しながら取付プレート14をプレート受13にボルト締着し、次いで、各断熱材20間に存在する取付金具13,14周りの空隙d2に現場発泡断熱材を充填して外断熱複合パネルPのみの帳壁を取付ける。
【0014】
尚、コンクリート止めボックス13cは、ボルト13eの頭部がコンクリートを被冠しないようにするものであって、ボルト13eを横長孔H4に挿通した段階で薄鉄板、プラスチック等のボックスをボルト13e頭部に、ボルトの左右動を許容する状態にかぶせて溶接、接着、ビス止め等の慣用の手段で止着すれば良い。
また、プレート受13前面に床スラブコンクリートが廻り込まないように設置するに際しては、床スラブ前端部にプレート受13を囲う形態の切込状の型枠組みをすれば良い。
【0015】
従って、この取付方法によれば、取付プレート14とプレート受13との固定は、横長孔H4から突出したボルト13eに取付プレート垂直片13bの縦長孔H5を嵌めてナット13fで締着するため、取付プレート14の上下、左右の位置調整が自在であり、前後調整は垂直片14bと垂直片13bとの間に板材を挟着すれば可能である。
【0016】
そして、上下パネルP間の大部分を占める取付プレート間Lsに各パネルPと同等の断熱機能を付与出来て、複合パネルPのみの張設で形成した帳壁部も耐力壁W部と均等の断熱壁と出来、シーリングゴム21の存在により、シール性及び耐久性を充足した外壁となり、しかも、各パネルPの取付金具部周りの空隙d 2 も断熱材を充填するため、パネル取付部全体がパネルP本体部と同等の断熱機能を発揮出来、パネルP自体が具備する十分な断熱性を取付金具で損なうことはない。
【0017】
また、連結ピン6を全ねじボルトとし、外断熱複合パネルPの2階以上のパネルPにあっては上枠5aの取付孔Hのみを、1階のパネルPにあっては上枠5a及び下枠5bの連結孔Hをねじ孔とし、連結ピン6をねじ孔の連結孔Hに螺入固定して取付プレート4,14の連結ピン孔H2に挿通係止するのが好ましい。
この場合は、1階のパネル下枠5bのみは下方からの連結ピン螺入となるが、下側パネルPに上側パネルPを載置する中間階及び最上階にあっては、連結ピン6の螺入作業は上方からの上枠5aのみへの作業となり、螺入固定した連結ピン6への取付プレート4,14及び上方パネル下枠5bの係止は、連結ピン孔H2及び取付孔H1の単なる嵌合となるため、現場作業がし易く、作業性が良い。
【0018】
また、連結ピン6を全ねじボルトとし、取付プレート4,14の連結ピン孔H2をねじ孔として連結ピン6を取付プレート4,14に螺入固定し、取付プレート4,14から突出した連結ピン6を上方の外断熱複合パネルPの下枠5b、及び/又は、下方のパネルPの上枠5aの取付孔H1に挿通係止するのが好ましい。
この場合は、取付プレート4,14として、連結ピン6を上方にのみ突出したタイプ(1階下枠用)、連結ピン6を上下に突出したタイプ(中間階用)、及び連結ピン6を下方にのみ突出したタイプ(最上階上枠用)の3種を準備することにより、現場での各パネル枠5a,5bへのねじ穿孔作業が省略出来、現場でのパネル建込時の作業が合理化出来る。
【0019】
また、外断熱複合パネルPの下端Beを床スラブ上面Sfより下方となるように固定するのが好ましい。
この場合は、パネル下端Beの下側に存在する充填モルタルや断熱材20(図7)から例え雨水が浸入しても床スラブSfの上面への雨水の浸入が阻止出来ると共に、室内側では複合パネルPの内面材(石膏ボード)が床スラブ上面Sfより下方まで存在するため、内張り等の内装が容易、且つきれいに施工出来る。
【0020】
また、取付方法の発明に使用する第1の取付金具は、コンクリート床スラブSに固定するプレート受3と、複合パネルPの上枠5a又は下枠5bと当接する取付プレート4と、パネル上枠5a、及び/又は、下枠5bへ嵌入する連結ピン6とを含み、プレート受3は、水平片3aと垂直片3bを有し、垂直片3bが後方へ突出するアンカー片3d及び釘孔Hnを備えると共に、水平片3aが両側及び後側を囲う立設コンクリート止3cを備え、取付プレート4は平鋼板であって前部には連結ピン孔H2を、後部には固着用孔Hmを備えた金具である。
【0021】
尚、コンクリート止3cは、プレート受の水平片3a上面へのコンクリート付着を阻止すれば良いので、薄鉄板の3枚を水平片3aの3方側縁から立設固定しても、1枚板の両端を折曲起立し、両側の起立片間を細長板で閉止した形態の薄鉄板で水平片3aを収納状態に溶接固定しても良い。また、アンカー片3dはコンクリート配筋とワイヤーで締結し易い形態、及びコンクリートと強固に一体化する形態が有利である。また、取付プレート4の固着用孔Hmは取付プレート4をプレート受3に固着出来れば良いので、慣用のボルト締着用孔でも溶接孔でも良い。
【0022】
本発明の第1の取付金具(図6)は、釘孔Hnによってプレート受3が型枠の所望位置に固定出来、アンカー片3dによって床コンクリートSに強固に固定出来るため、プレート受3の床スラブSへの定位置での強固な一体化が可能となり、しかも水平片3a上にコンクリートが付着しないように固定出来るため、パネルPの枠5a,5bを係止した取付プレート4も水平片3a上に密接、且つ強固に止着出来、本願第1の取付方法の発明(請求項1)を好適に実施出来る。
【0023】
また、プレート受3は、アンカー片3dとして先端に下方屈曲部3d´を備えた棒鋼を垂直片3bに溶接固定し、コンクリート止3cとして薄板の3側辺を起立し、薄板を水平片3a下面に当接して各起立片が水平片3aから起立する形態に溶接固定するのが好ましい。
尚、棒鋼は、異形棒鋼等コンクリート付着力大なものが有利であり、アンカー片3dとして複数本配置しても良い。
従って、下方屈曲部3d´は、コンクリート配筋との締結に有利であると共に、床スラブSとの強力な一体化固定を可能とする。また、コンクリート止3cの付設も薄板金の加工、及び当接溶接であるので低コスト、且つ製作容易である。
【0024】
また、取付プレート4が方形平板であって左右長さL4がプレート受の水平片3aの左右長さL3より小であるのが好ましい。
この場合は、取付プレート4が水平片3a上で前後左右に移動可能となるため、取付プレート4の水平片3a上への固定時の位置調整が自在となり、複合パネルPは外壁としての外観を保った取付けが容易となる。
【0025】
また、第2の取付金具(図8)は、コンクリート床スラブSに固定するプレート受13と、複合パネルPの上枠5a又は下枠5bと当接する取付プレート14と、パネル上枠5a、及び/又は、下枠5bへ嵌入する連結ピン6とを含み、プレート受13は、垂直片13bにアンカー片13dを後方へ突出固定すると共に、釘孔Hnを適所に配設し、垂直片後面に止着したコンクリート止めボックス13cから横長孔H4を介してボルト13eを前面に突出させ、取付プレート14は、断面アングル形状の鋼板であって、後部の垂直片14bにはボルト13eの挿通用縦長孔H5を配置し、水平片14aの前部には連結ピン孔H2を配設したものである。
【0026】
尚、止めボックス13cは横長孔H4内でボルト13e頭部が左右動出来る形態にコンクリート付着を阻止するものであって図8(A)の如き長方形ボックスであり、垂直片13bの内側に止着するものであって材質及び止着手段は問わない。
従って、第2取付金具は、外断熱複合パネルPの枠5a,5bを係止した取付プレート14が、プレート受13のボルト13eを垂直片14bの縦長孔H5に挿通して、ボルト13eの横長孔H4での左右移動及び縦長孔H5での上下移動により、上下左右調整自在であり、且つ、前後位置調整は取付プレート垂直片14bとプレート受垂直片13b間への板材の介在で可能であり、本願第2の取付方法の発明(請求項2)を好適に実施出来る。
【0027】
また、取付金具に於いては、連結ピン6が全ねじボルトであり、取付プレート4,14の連結ピン孔H2が連結ピン挿通用孔とするのが好ましい。
この場合、連結ピン6は、パネルPの上枠5aに螺合止着して連結ピン孔H2に嵌入する(最上階)か、パネルPの下枠5bに螺合止着して連結ピン孔H2に嵌入する(1階)か、パネルPの上枠5aに螺合止着して取付プレート連結ピン孔H2及びパネルPの下枠5bに嵌入する(中間階)か、によりパネルPと取付プレート4,14との連結ピン6での挿通係止が容易に実施出来、パネルPの床スラブSに対する張設が容易に実施出来る。
【0028】
また、連結ピン6が全ねじボルトであり、取付プレート4,14の連結ピン孔H2が連結ピン螺合用ねじ孔としても良い。
この場合は、連結ピン6は、予め取付プレート4,14に固定した状態としておき、1階のパネル下枠5bとの係止は、取付プレート4,14上に嵌合するだけであり、中間階にあっても下方パネルPの上枠5aに取付プレート4,14から下方に突出した連結ピン下半部を挿入し、連結ピン上半部には上方パネル下枠5bを嵌合すれば良く、最上階パネルPにあっては、上枠5aの取付孔Hに連結ピン6を挿嵌すれば良く、パネルPの上枠5aおよび下枠5bへの現場でのねじ穴穿孔が不要となって現場作業が簡略化出来る。
【0029】
【発明の実施の形態】
〔例1〕
〔取付金具(図6)〕
図6の分解斜視図に示す如く、取付金具はプレート受3、取付プレート4及び連結ピン6から成り、プレート受3は、75mm×75mmで厚さ6mmの等辺山形鋼の長さL3が200mmのアングル片で水平片3a、垂直片3bを構成し、垂直片3bには、両側部に釘孔Hnを配置し、中央部に直径19mmで先端に50mm長の下方屈曲部3d´を形成した長さ150mmのアンカー片3dを後方へ若干傾斜形態に溶接固定する。
【0030】
そして、コンクリート止3cは、底板3c´が水平片3aの裏面に当接し、両端縁及び後縁が水平片3aの上面より起立高さ3tが20mmで水平片3aの両側及び後側を囲う形態に薄鋼板(1.6mm厚)の板金加工で形成し、水平片3aを収納する形態に底板3c´を水平片3a下面に当接し、底板3c´を水平片3a下面に溶接固定する。
【0031】
また、取付プレート4は、前後幅W4が160mm、長さL4が180mmで9mm厚の方形鋼板であり、前部には前端より30mmの位置に連結ピン孔H2(15mm径)を両側に穿孔し、後部中央には後端より30mmの位置に固定孔Hm(25mm径)を穿孔したものである。
また、連結ピン6は尖端6tを備えた12mm径、75mm長の全ねじボルトである。
【0032】
〔外断熱複合パネル(図5)〕
使用するパネルPは、図5に示すとおり、外側の押出成形セメント板Paと中間部の断熱層Pbと内側の石膏ボードPcとを備えたものであり、75mm×75mmで厚さ6mmの等辺山形鋼(アングル鋼)の上枠5a及び下枠5bと、上下枠を連結する鋼板側枠5cとから成る枠体を有し、標準的パネルPにあっては、幅Lcが600mmのセメント板Paの3枚をZクリップで上枠5a及び下枠5bに係止した幅Lpが1800mmのものであり、上下長は使用階で異なり(1階用は中間階用より長い)、また建物に応じて種々のサイズに形成する。
【0033】
そして、各セメント板Paの幅Lcの中間部では、上枠5aにねじ孔の取付孔H2個ずつ、下枠5bに取付金具の連結ピン6挿通用の取付孔H12個ずつを配すると共に、上下枠5a,5bにはパネルPの吊上げに用いるアイボルト用孔H3を配置したものであり、典型的には特許第2999980号の外断熱用複合パネルである。
【0034】
〔外断熱複合パネルの取付け〕
図1は、本発明の鉄筋コンクリート壁式構造建築物に於いて、外断熱複合パネルPを帳壁として張設した形態の一部破断斜視図であって、Wは、従来手法で図9に示す如く外断熱複合パネルP0を外型枠に用いてコンクリート壁と一体化張設した耐力壁であり、耐力壁W間にはコンクリート壁の存在しない開口部Rがあり、本願発明は、該開口部Rに外断熱複合パネルPのみを帳壁として取付けるものである。
【0035】
図1に示す如く、基礎構造体1のコンクリート打設時にも断熱材2をコンクリートの外側に一体化し、また、複合パネルPは、3枚の各セメント板Paの中央部で取付金具3,4によって上下の床スラブSに張設する。
外断熱複合パネルPは、予め床スラブSに固定したプレート受3に取付けプレート4を介して取付けるものであり、プレート受3は床スラブSのコンクリート型枠組み時に型枠内に配置するものである。
【0036】
即ち、図6に示すプレート受3を、開口部R(図1)に割付け墨出したパネルPのセメント板Pa中央位置の、慣用の床スラブSの外側型枠(図示せず)の内面に垂直片3b前面を当接し、且つ、図2,図3の如く床スラブ上面Sfより水平片3a上面がd3(20mm)下方位置を占める形態に、垂直片3bの釘孔Hnを介して床スラブSの外側の立上り型枠板(図示せず)に釘打ち固定すると共に、アンカー片3dも型枠内の配筋と針金で締結する。
【0037】
次いで、慣用のコンクリート打設による床スラブSの形成により、垂直片3b前面が床スラブS前端面と面一で、水平片3a上面はコンクリート止3cでコンクリート付着の無い状態に、プレート受3を床スラブS前端に強固に一体化固定する。
尚、プレート受3の床スラブSへの一体化固定は各階共通であるが、1階のみは床スラブS外端の断熱材2(図1,図3)の外側に配置した型枠用合板か木片(図示せず)にプレート受3を釘孔Hnを介して釘打ちする。
【0038】
次いで、1階床にあっては、図3に示す如く、複合パネルPの下枠5bのねじ孔の取付孔Hから全ねじボルトの連結ピン6をパネルP内に螺入し、連結ピン6の余端を取付プレート4の連結ピン孔H2に嵌入した状態で取付プレート4をプレート受の水平片3a上に前後左右の位置調整をし、若し、上下微調整が必要な場合は水平片3aと取付プレート4間に調整板(飼物)を介在して載置し、固定孔Hmを介して取付プレート4をプレート受3の水平片3aに溶接固定する。
【0039】
尚、取付プレート4のプレート受3への固定に先立って、断熱材2(図3)上の各プレート受間には、パネルPと断熱材2との間隙d2(20mm)の厚みを有し、断熱材2と同幅の断熱材片(図示せず)を断熱材2上に貼着しておき、パネルP取付後には、取付金具のために出来た金具3部材(プレート受、取付プレート、連結ボルト)間の隙間d2には現場発泡ウレタンフォームを充填し、プレート受3上のコンクリート止3c内等の空間にモルタル充填する。
【0040】
2階以上の中間階にあっては、図2に示す如く下側パネルPの上枠5aのねじ孔の取付孔Hに連結ピン6の下半を螺入固定し、上枠5a上に突出する連結ピン6に取付プレート4の連結ピン孔H2を嵌め、取付プレート4を上枠5aと共に位置調整の下にプレート受3の水平片3a上に載置し、固定孔Hmでの溶接により取付プレート4をプレート受3に固定し、次いで、上方パネルPの下枠5bの取付孔H1を取付プレート4から上方に突出する連結ピン6に嵌入して上方パネルPの下枠5bを取付プレート4上に載置係止する。
【0041】
また、上下各パネル間にあっては、図7に示す如く、取付金具3,4の存在しない取付プレート4間Ls(図1)では、パネルPの断熱層Pbの幅Wbと等しい幅の断熱材20の先端にシーリングゴム21を貼着した厚さd2(20mm)の細長片を、予め下側パネル上枠5a上に接着しておき、上下パネルを取付金具3,4に取付けた後には、取付金具3,4の存在する隙間d2には現場発泡ウレタンフォームを充填し、コンクリート止3c内及びプレート受とパネル間隙間d4にはモルタル充填を施し、上下パネル間横目地には、図7の如くバッカ−22を介してシーリング23を施す。
【0042】
尚、各階のパネルPの取付部は、共に、床スラブ上面Sfとプレート受水平片3a上面との寸法d3は20mm、上方パネル下端Beと下方パネル上端Bt間寸法d2は20mm、床スラブ上面Sfと上方パネル下端Beとの寸法d1は11mmであり、床スラブ上面Sfよりパネル下端Beがd1(11mm)低いことにより、パネル下端部Beからの雨水の床スラブ上面Sfへの侵入を阻止する構成とする。
【0043】
最上階にあっては、図4に示す如く、パラペットの型枠組み時に、プレート受3の水平片3a上面とパラペット上面Pfとが寸法d3(20mm)を保ち、且つ垂直片3b前面を型枠板(図示せず)に当接した状態で垂直片3bを釘孔Hnを介して釘打ちにより型板に固定し、アンカー片3dもパラペット内配筋と針金で締結し、パラペットのコンクリート打設によりプレート受3をパラペットと一体化固定する。
【0044】
次いで、セメント板Paが上枠5aより上方に突出した最上階用の外断熱複合パネルPの上枠5aのねじ穴の取付孔Hに、全ねじボルトから成る連結ピン6を螺入固定し、取付プレート4の連結ピン孔H2を連結ピン6に嵌合して取付プレート4を前後左右調整し、固定孔Hmを介して取付プレート4をプレート受3の水平片3a上に溶接固定する。
次いで、コンクリート止3c部、隙間d4及びパネル上枠5a上にモルタル充填し、慣用の防水処理を施す。
【0045】
本実施例によれば、取付金具のプレート受3の床スラブSへの固定が簡単、且つ強固に実施出来、工場生産された複合パネルPを取付プレート4によって位置調整自在に、且つ、各パネルP間にも十分な断熱機能を付与した形態に床スラブSに張設出来る。
従って、鉄筋コンクリート造壁式構造の外断熱建築物に於いて、耐力壁W部以外のコンクリート外壁を全て開口部Rとし、該開口部RにはパネルPのみで帳壁を形成するという、全く新規で業界では画期的な新工法によって、コンクリート壁型枠工が大幅に低減出来、且つ、外壁コンクリート使用量の低減に伴う建物軽量化による基礎工事の容易化とも相俟って、建築コストを大幅に低減し、外断熱機能の面でも従来建物に全く遜色の無い鉄筋コンクリート造壁式構造建築物の提供が可能となった。
【0046】
〔例2〕
〔取付金具(図8)〕
図8(A)に示す如く、プレート受13と取付プレート14と連結ピン6とから成り、プレート受13は、長さL13が180mm、高さH13が170mmで厚さ9mmの方形垂直鋼板であり、内側上方両側に、直径13mmの棒鋼で80mm長の下方屈曲部13d´を備えた150mm長のアンカー片13dを溶接固定し、四隅に釘孔Hnを穿設すると共に、上端から60mm下方、且つ両端から30mmの位置を中心とする幅25mm、長さ30mmの横長孔H4を2個穿設し、22mm径のボルト13eを各横長孔H4の内側から外側へ突出し、内側では、長さ60mm、高さ50mm、奥行20mmの鋼板製ボックス13cをコンクリート止として各ボルト13eを収納する形態に溶接固定する。
【0047】
また、取付プレート14は、9mm厚、左右長さL14180mmで、前後幅W14が127mmの水平片14aと上下高さH14が140mmの垂直片14bとを備えたアングル鋼板であって、水平片14aの前部には前端より30mmの位置に15mm径の連結ピン孔H2を2個穿孔し、垂直片14bには、上端より60mm下方で側端より30mmの位置を孔芯とする幅25mm、長さ30mmの縦長孔H5を2個穿設したものであり、プレート受13の横長孔H4に嵌入した各ボルト13eを取付プレート14の縦長孔H5から突出させて取付プレート14をプレート受13に対して上下左右動調整してナット13fで両者を締着するものである。
また、連結ピン6は、例1での取付金具(図6)での連結ピン6と同一物である。
【0048】
〔外断熱複合パネルの取付け(図8)〕
使用する外断熱複合パネルPは、例1に用いたのと同一である。
そして、各階共取付プレート14は、例1と同じく予め床スラブSのコンクリート打設によって床スラブSと一体化固定するが、床スラブSのコンクリート型枠組み時に、外側型枠で床スラブ前端にボルト13eの締着操作に必要な凹部を型組みし、該凹部型板にプレート受13の垂直片13bを内側から当接して釘孔Hnを介してプレート受13をコンクリート型に固定し、アンカー片13dを床スラブS内配筋と締結した状態でスラブコンクリートを打設してプレート受13を床スラブSの凹部前端に一体化固定する。
【0049】
また、取付プレート14の水平片14aと上下各パネルPの上枠5a及び下枠5bとの連結ピン6による挿通係止は、例1のそれと同じ操作で実施する。
そして、取付プレート14のプレート受13への取付けは、図8(B)に示す如く、取付プレート14の垂直片14aの縦長孔H5を取付プレート14側に支承されたボルト13eの突出部に嵌め、取付プレート14を係止しているパネルPと共に取付プレート14に対して上下左右の必要な位置調整をしてナット13fを締着する。若し、取付プレート14に前後動調整の必要が生じた際には、両垂直片13b,14b間に鉄板等を飼物として挟み込む。
【0050】
例2の外断熱複合パネルPの取付け手段にあっては、例1の手段に対して、取付プレート14の、上下動調整はよりスムーズとなるが、前後動調整は飼物介在の手間を要するようになる。また、プレート受13の前面にナット締着用の凹部が存在するため、パネルPと床スラブS前面との空間d5が広くなり、空間d5へのモルタル充填に際しては床スラブSの下面を介してモルタル受け板を設ける必要が生じるが、上下パネル間での、取付金具間への断熱材2の貼着付与及び取付金具部への現場発泡断熱材(典型的にはウレタンフォーム)充填付与は、例1のそれと同じに施工出来る。
従って、例2のパネル取付方法によっても、例1の場合同様の新規、且つ業界で画期的な、建築コストの低減化を達成した鉄筋コンクリート造壁式構造の外断熱建築物の提供が可能となる。
【0051】
【発明の効果】
取付金具の固定側としてのプレート受3,13の床スラブSへの固定は、コンクリート型枠組み時に所定位置に設置し、床コンクリート打設によって床スラブSの前端部に一体化固定するため、位置設定が容易であって強固に固定出来る。また、プレート受3,13の取付プレート4,14当接面としての取付プレート4の上面及び取付プレート14の垂直片14b前面には打設コンクリートの付着がないため、外断熱複合パネルPを係止した取付プレート4,14は、平滑な面摺動の保障の下で微細な位置調整が可能となり、鉄筋コンクリート造建築物の外壁としての均斉外観を備えた外壁が複合パネルPの張設のみによって容易に形成出来る。
【0052】
また、上下パネルP間の大部分を占める取付プレート間Lsに各パネルPと同等の断熱機能を付与出来て、複合パネルPのみの張設で形成した帳壁部も耐力壁W部と均等の断熱壁と出来、シーリングゴム21の存在により、シール性及び耐久性を充足した外壁となり、しかも、各パネルPの取付金具部周りの空隙d 2 も断熱材を充填するため、パネル取付 部全体がパネルP本体部と同等の断熱機能を発揮出来、パネルP自体が具備する十分な断熱性を取付金具で損なうことはない。
また、外断熱複合パネルPの取付プレート4,14への係止は、パネル枠の取付孔H,H1と取付プレート4,14の連結ピン孔H2とを連結ピン6の挿入係止によって実施するため現場作業が簡単、且つ容易である。
【0053】
更に、複合パネル自体は工場生産されるものであるため、躯体工事を先行し、躯体コンクリートの圧縮強度が設計基準強度以上となるまで(コンクリートの打設後28日以上経過の規定あり)の間に複合パネルを準備すれば良いので、パネルの製作、準備に自由度があり、また、コンクリートの支柱取外しまでの期間内に複合パネルを張設することで敷地の狭い建物にも対応出来る。また、複合パネルPの取付作業は連続して施工出来るため作業性が良い。
【0054】
従って、本願発明によって、従来の鉄筋コンクリート造壁式構造の外断熱建築物では予想すら出来なかった、新規、且つ画期的な、耐力壁W部以外の外壁全てのコンクリート壁が複合パネルに置換された鉄筋コンクリート造壁式構造の外断熱建築物の提供が可能となり、コンクリート外壁を除去したための、コンクリート型枠使用量の大幅減少による建築コスト低減化、外壁コンクリート使用量の大幅低減による建築物の軽量化に伴なう基礎工のコストダウン、工場生産された均質なパネルの取付金具による簡便、且つ作業性の良い取付作業と、コンクリート躯体工事との合理的な作業配分による帳壁形成等により、鉄筋コンクリート造壁式構造の外断熱建築物が従来よりはるかに低コストで提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明外壁構造の説明斜視図。
【図2】中間階でのパネル取付構造説明図であって、(A)は断面図、(B)は斜視図である。
【図3】1階でのパネル取付構造説明図であって、(A)は断面図、(B)は斜視図である。
【図4】最上階でのパネル取付構造説明図であって、(A)は断面図、(B)は斜視図である。
【図5】本発明に使用する外断熱複合パネルの一部切欠斜視図である。
【図6】本発明に用いる第1の取付金具の分解斜視図である。
【図7】外断熱複合パネル取付部の取付金具の存在しない個所の説明斜視図である。
【図8】本発明に用いる第2の取付金具の分解斜視図である。
【図9】従来の鉄筋コンクリート造外断熱壁の説明図であって、(A)は各種タイプの断面図、(B)は型枠への壁コンクリート打設状態説明断面図である。
【図10】従来の鉄骨造建築物に於ける複合パネル張設説明斜視図である。
【符号の説明】
1:基礎構造体、 2,20:断熱材、 3,13:プレート受、
3a:水平片、 3b,13b:垂直片、 3c:コンクリート止、
3d,13d:アンカー片、 3d´,13d´:屈曲部、
4,14:取付プレート、 5a:上枠、 5b:下枠、
6:連結ピン、 13c:コンクリート止めボックス、
13e:ボルト、 14a:水平片、 14b:垂直片、
21:シーリングゴム、 22:バッカ−、 23:シーリング、
H:取付孔(ねじ孔)、 H1:取付孔(嵌入孔)、 H2:連結ピン孔、
Hn:釘孔、 Hm:固定孔 S:床スラブ、
Sf:床スラブ上面、 P,P0:外断熱複合パネル、
Pa:セメント板、 Pb:断熱層、 Pc:石膏ボード、
R:開口部、 W:耐力壁
Claims (11)
- 外断熱複合パネル(P0)を備えたコンクリート耐力壁(W)間の開口部(R)では、床スラブ(S)のコンクリート型枠組み時に、アンカー片(3d)及び水平片(3a)を備えたプレート受(3)を、水平片(3a)が床スラブ(S)のコンクリートを被冠しないように床スラブ型枠の前端部にセットし、次いで、耐力壁(W)部と床スラブ(S)への床コンクリート打設によってプレート受(3)を床スラブ(S)と一体化固定し、次いで、外断熱複合パネル(P)の下枠(5b)下面に位置する各プレート受間(Ls)には、前縁にシーリングゴム(21)を備えた断熱材(20)を配置し、次いで、外断熱複合パネル(P)の上枠(5a)、及び/又は、下枠(5b)の取付孔(H,H1)と取付プレート(4)前部の連結ピン孔(H2)とに連結ピン(6)を挿通係止し、パネル(P)の下枠(5b)を係止支承した取付プレート(4)後部をプレート受(3)の水平片(3a)上に位置調整して載置し、取付プレート(4)を固定孔(Hm)を介してプレート受(3)に固定し、次いで、各断熱材(20)間に存在する取付金具(3,4)周りの空隙(d2)に現場発泡断熱材を充填する、鉄筋コンクリート造壁式構造の外断熱建築物に於ける帳壁取付方法。
- 外断熱複合パネル(P0)を備えたコンクリート耐力壁(W)間の開口部(R)では、床スラブ(S)のコンクリート型枠組み時に、アンカー片(13d)及び垂直片(13b)を備え、垂直片(13b)にはコンクリート止めボックス(13c)で保護されたボルト(13e)を前方に横長孔(H4)を介して突出させたプレート受(13)を、プレート受(13)前面に床スラブコンクリートが廻り込まないように設置し、次いで、耐力壁(W)部と床スラブ(S)へのコンクリート打設によってプレート受(13)を床スラブ(S)前端部に一体化固定し、次いで、外断熱複合パネル(P)の下枠(5b)下面に位置する各プレート受間(Ls)には、前縁にシーリングゴム(21)を備えた断熱材(20)を配置し、次いで、外断熱複合パネル(P)の上枠(5a)、及び/又は、下枠(5b)の取付孔(H,H1)と取付プレート(14)の水平片(14a)前部の連結ピン孔(H2)とに連結ピン(6)を挿通係止し、パネル下枠(5b)を係止支承した取付プレート(14)の垂直片(14b)の縦長孔(H5)をボルト(13e)に嵌合してプレート受(13)の横長孔(H4)とで上下左右位置調整しながら取付プレート(14)をプレート受(13)にボルト締着し、次いで、各断熱材(20)間に存在する取付金具(13,14)周りの空隙(d2)に現場発泡断熱材を充填する、鉄筋コンクリート造壁式構造の外断熱建築物に於ける帳壁取付方法。
- 連結ピン(6)を全ねじボルトとし、外断熱複合パネル(P)の2階以上のパネル(P)にあっては上枠(5a)の取付孔(H)のみを、1階のパネル(P)にあっては上枠(5a)及び下枠(5b)の連結孔(H)をねじ孔とし、連結ピン(6)をねじ孔の連結孔(H)に螺入固定して取付プレート(4,14)の連結ピン孔(H2)に挿通係止する、請求項1又は2の帳壁取付方法。
- 連結ピン(6)を全ねじボルトとし、取付プレート(4,14)の連結ピン孔(H2)をねじ孔として連結ピン(6)を取付プレート(4,14)に螺入固定し、取付プレート(4,14)から突出した連結ピン(6)を上方の外断熱複合パネル(P)の下枠(5b)、及び/又は、下方のパネル(P)の上枠(5a)の取付孔(H1)に挿通係止する、請求項1又は2の帳壁取付方法。
- 外断熱複合パネル(P)の下端(Be)を床スラブ上面(Sf)より下方となるように固定する請求項1乃至4のいずれか1項の帳壁取付方法。
- 請求項1記載の帳壁取付方法に用いる取付用金具であって、コンクリート床スラブ(S)に固定するプレート受(3)と、複合パネル(P)の上枠(5a)又は下枠(5b)と当接する取付プレート(4)と、パネル上枠(5a)、及び/又は、下枠(5b)と、取付プレート(4)とに嵌入する連結ピン(6)とを含み、プレート受(3)は、平板状の水平片(3a)と垂直片(3b)とのアングル形態であり、垂直片(3b)が後方へ突出するアンカー片(3d)及び釘孔(Hn)を備えると共に、水平片(3a)が両側及び後側を囲う立設コンクリート止(3c)を備え、取付プレート(4)は平鋼板であって前部には連結ピン孔(H2)を、後部には固着用孔(Hm)を備えた複合パネル取付金具。
- プレート受(3)は、アンカー片(3d)として先端に下方屈曲部(3d´)を備えた棒鋼を垂直片(3b)に溶接固定し、コンクリート止(3c)として薄板の3側辺を起立し、薄板を水平片(3a)下面に当接して各起立片が水平片(3a)から起立する形態に溶接固定した請求項6の取付金具。
- 取付プレート(4)が方形平板であって左右長さ(L4)がプレート受の水平片(3a)の左右長さ(L3)より小である請求項6又は7の取付金具。
- 請求項2記載の帳壁取付方法に用いる取付用金具であって、コンクリート床スラブ(S)に固定するプレート受(13)と、複合パネル(P)の上枠(5a)又は下枠(5b)と当接する取付プレート(14)と、パネル上枠(5a)、及び/又は、下枠(5b)と、取付プレート(4)とに嵌入する連結ピン(6)とを含み、プレート受(13)は、垂直片(13b)にアンカー片(13d)を後方へ突出固定すると共に、釘孔(Hn)を適所に配設し、垂直片後面に止着したコンクリート止めボックス(13c)から横長孔(H4)を介してボルト(13e)を前面に突出させ、取付プレート(14)は、断面アングル形状の鋼板であって、後部の垂直片(14b)にはボルト(13e)の挿通用縦長孔(H5)を配置し、水平片(14a)の前部には連結ピン孔(H2)を配設した複合パネル取付金具。
- 連結ピン(6)が全ねじボルトであり、取付プレート(4,14)の連結ピン孔(H2)が連結ピン挿通用孔である請求項6乃至9のいずれか1項のパネル取付金具。
- 連結ピン(6)が全ねじボルトであり、取付プレート(4,14)の連結ピン孔(H2)が連結ピン螺合用ねじ孔である請求項6乃至9のいずれか1項のパネル取付金具。
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