JP3793195B2 - 通気性外壁に於ける額縁の取付構造 - Google Patents

通気性外壁に於ける額縁の取付構造 Download PDF

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本発明は、外壁下端の腰水切から外壁上端の笠木まで、外気が外断熱複合パネルの外壁内の通気層を貫流する鉄筋コンクリート外断熱建築物の窓等の外壁開口部に配置した額縁の取付構造に関するものであり、より詳しくは、既存の鉄筋コンクリートの外壁全面を通気性外断熱外壁に改修すると共に、窓等の外壁開口部には、額縁を、額縁の上下に張設する密着層型の外断熱複合パネル内の空気貫流を保証する構造に取付けるものであり、既存の鉄筋コンクリート建築物を、建具枠を含めた外壁全面を改修して外断熱建築物に改修する外壁改良工法に属するものであり、鉄筋コンクリート建築の技術分野に属するものである。
従来の鉄筋コンクリート建築物での額縁取付構造としては、従来例1(非特許文献1)の図10に示すものがある。
従来例1の図10は、コンクリート打放し仕上げ、又は、コンクリート打放しに塗料を塗布したコンクリート躯体とアルミサッシ枠との関係の図であり、図10(A)はサッシ上枠部を、図10(B)はサッシ下枠部を、図10(C)はサッシ側枠部を示すものである。
即ち、従来例1は、現在最も普及している鉄筋コンクリート建築物であって、図10に示す如く、コンクリート躯体の前端凸部の後方で、シーリングの充填隙間を設けた適宜位置にサッシ枠を配置し、コンクリート躯体に埋設したアンカー鉄筋と、サッシ枠に配設した溶接アンカーとを鉄筋棒鋼を介して溶接固着し、サッシ枠に木製枠をねじで連結し、サッシ枠及び木製枠とコンクリート躯体との隙間にモルタルを挿入充填し、アルミサッシ枠とコンクリート躯体との接合部、及びサッシ下枠と水切との接合部にシーリングを充填している。
そして、図10に示す慣用の鉄筋コンクリート建築物を、密着層型の複合パネルを用いて外断熱建築物へ改修する外壁改良工法としては、図11に示す従来例2(非特許文献2)がある。
従来例2は、図11に示す如く、GFPC系外装材(厚さ13mmの両面ガラス繊維混入火山礫サンド、アッシュフェノール樹脂板)と、断熱材とを接着一体化した密着層型の複合パネル(岩倉化学工業(株)商品名:オーマルYB−R)を外装材とし、外装材表面には適所にあと施工アンカー用の孔を配設し、断熱層表面には団子状の接着剤を適所に配設して、団子状接着剤で複合パネルをコンクリート躯体に接着し、且つ、外装材表面からあと施工アンカーをコンクリート躯体に打込んで複合パネルを張設している。
そして、窓開口部の上方にあっては、図11(A)に示す如く、既存サッシ枠前方のコンクリート躯体凸部に、2種類の取付金具をあと施工アンカーで締着固定し、該固定取付金具にアルミ製の雨切を当接してねじ締着している。
また、窓開口部の下方にあっては、図11(B)に示す如く、既存サッシ下枠に配置した既存水切に、新規の水切を載置してねじで締着固定している。
そして、雨切、水切、見切を配設後に、複合パネルをコンクリート躯体に張設し、複合パネルと雨切、水切、見切との隙間にバッカーを挿入してシーリングを充填し、サッシ枠と雨切、水切、見切の接合部にもシーリングを施している。
昭和56年10月26日、(株)彰国社編、発行、第1版、第7刷「新訂建築施工図の描きかた」コンクリート躯体工事の図面の項、第28頁第33図、 岩倉化学工業(株)のパンフレット「オーマルYB−R」の後貼施工要領書
従来例2の外壁改良工法は、従来例1の鉄筋コンクリート建物を密着層型の断熱複合パネルによって外断熱建築物に改修するものであり、密着層型のパネルを用いれば、通気層型、密着空気層型、二重壁型等の外断熱工法に比してコスト面で有利ではあるが、密着層型パネル特有の、外装材と断熱材との境界面に内部結露(界面結露)を発生して断熱機能低下を生ずる問題がある。
しかも、外装材は、日射熱による高温化と夜間冷却でヒートストレスを受けて劣下する問題がある。
また、従来例2の外壁改修工法は、既存サッシ及びコンクリート躯体をそのままにして額縁を取付けるものであるが、既存コンクリート躯体の凸部は、コンクリート打設時の充填精度が悪くて均斉な形態でないため、該コンクリート躯体凸部に取付ける雨切の精度が出せずに美観を損なうこととなり、水切にあっても、溶接による歪み、施工誤差による勾配不陸を生ずることとなる。
そして、額縁を構成する雨切、水切、見切を個々に配設するため、ねじり、反りが生ずる恐れがあり、パネル面より突出する額縁の前面を同一レベルに施工するのは、煩雑、且つ困難な作業である。
しかも、各雨切、水切、見切の前部には固定点がないため、施工中及び耐用中に額縁構成材が前のめりとなり、後部の締着ねじに曲げ応力が作用して、額縁にねじれを生ずる恐れもある。
そして、シーリングが、額縁の反り、ねじれによる破断、或いは経年劣下することにより、外気が複合パネルと額縁との隙間から空気層に流入して複合パネルの断熱機能低下を生ずる問題や、雨水の浸入の問題がある。
本発明は、例えば図1乃至図3に示す如く、既存コンクリート躯体Cwの外面に、内部に通気層aを備えたセメント板Paと断熱層Pbとの密着層型の外断熱複合パネルPを張設した外壁OWの開口部4に額縁4Fを配置した構造であって、額縁4Fを構成する雨切6、水切8及び見切7は、共に、前部を、既存コンクリート躯体Cwにあと施工アンカー15で固定した支持金具9を介して、後部を、既存サッシ枠5に、既存コンクリート躯体Cwに対して前後位置調整の下に固定し、且つ、雨切6及び水切8が空気孔H6,H8を介して複合パネルPの通気層aの空気貫流arを保証すると共に、雨切6、水切8及び見切7と、既存コンクリート躯体Cw間には現場発泡断熱材13を注入充填した、通気性外壁OWに於ける額縁の取付構造である。
尚、雨切6、水切8、見切7等の「前部」「後部」とは、建物外側から見た表現であり、例えば、図1(A)では、上段水平板6uと支持金具9の取付けは、前部の取付けに相当し、下段水平板6dのサッシ枠5への取付けは、後部の取付けに相当する。
また、支持金具9は、あと施工アンカーでコンクリート躯体Cwに打設固定し、且つ、額縁構成部材の固定出来るものであれば良く、典型的には、アングル鋼材である。
本発明は、既存コンクリート建築物の外壁改良工法であるため、既存アルミサッシ枠5は、姿勢レベルが比較的に均斉であるが、既存コンクリート躯体Cwの外面は、建築時の型枠精度等により各所に不陸が存在する。
しかし、外壁改良工法としては、外壁OWの前面を均斉に保つことが美観上重要である。
そして、既存コンクリート躯体Cwへの外壁パネル(外断熱複合パネル)の張設基準は、コンクリート躯体Cwの最も突出したレベルを基準にするのが、コンクリート躯体Cwと複合パネルP間の好ましくない界面隙間asを最小とするために必要である。
従って、本発明の額縁の取付構造にあっては、既存コンクリート躯体Cwの不陸の多寡に関わりなく、雨切6にあっては、空気孔H6からのパネル内通気層aへの空気貫流arが保証出来、水切8にあっては、パネル内通気層aからの空気孔H8への空気貫流arが保証出来、複合パネルPの内部結露(断熱層Pbとセメント板Paとの界面結露)が抑制出来ると共に、複合パネルP内の空気貫流arによってセメント板Paのヒートストレス劣下も抑制出来る。
また、コンクリート躯体Cw前面の部分不陸も、複合パネルPとコンクリート躯体Cwとの界面隙間asの多寡によって吸収出来、コンクリートCwに固定した支持金具9、及び既存サッシ枠5への額縁部材(雨切、水切、見切)の前後位置調整での取付けにより、額縁4F、及び複合パネルPの均斉な張設が出来る。
しかも、雨切、水切、見切は、共に、前部の支持金具9への固定と、後部の既存サッシ枠5への固定との前後2点支持となって、反りやねじりの生じ難い保形性に富んだ額縁となる。
従って、コンクリート躯体Cwの前面に不陸の存在するコンクリート建築物にあっても、本発明の外壁改良手段によれば、コンクリート躯体Cw前面の不陸凸部への斫り作業が軽減化出来て作業性が向上し、額縁によって外壁パネル内の空気貫流保証され、しかも、コンクリート躯体Cwと額縁4Fの隙間も、現場発泡断熱材13が存在するため、開口部4での断熱機能低下も抑制出来る、高品質の通気性外壁に改修出来る。
また、本発明の額縁取付構造にあっては、複合パネルPは、図8に示す如く、内面に条溝aを多数並列縦設したセメント板Paの内面に、条溝aを閉塞しないように断熱層Pbを層着一体化したものが好ましい。
この場合、条溝aの「閉塞」の意は、図8(B)の如く、断熱層Pbが条溝a内に入り込まないこと、即ち、断面視で、セメント板Paと断熱層Pbとの接着界面に、条溝aがセメント板Paの成形形態で存在することを意味し、断熱層Pbとして成形断熱板を採用し、セメント板Paの各条溝a間のリブR表面に接着一体化すれば、条溝aを閉塞しないでセメント板Paと断熱層Pbとの層着一体化が出来る。
従って、該パネルPにあっては、セメント板Paと断熱層Pbとが密着一体化した密着層型の外断熱複合パネルでありながら、パネルP内には条溝aが通気層として存在するため、該パネルPをコンクリート躯体に張設するだけで、コンクリート壁は、通気性の外断熱外壁となり、断熱層Pbは通気層aによって結露が抑制出来、吸湿による断熱層Pbの断熱機能低下が抑制出来ると共に、通気層aへの外気の貫通空気流arによって、セメント板Paの日射による高温化でのヒートストレス劣下も抑制出来る。
そして、額縁構造が通気性外壁のパネルP内の空気貫流arを阻止しないため、耐久性のある高性能な通気性外断熱外壁となる。
また、本発明に用いる複合パネルPにあっては、断熱層Pbの幅Wbがセメント板Paの幅Woより大であり、セメント板Paと断熱層Pbとの層着によって、断熱層Pbが、一側端PLでは、セメント板Pa側端より小寸段差d1入り込み、他側端PRでは、セメント板Pa側端より大寸段差d2突出したものが好ましい。
この場合、典型的には、小寸段差d1は10mm、大寸段差d2は20mmである。
複合パネルPの側端の一方に小寸段差d1が、他方に大寸段差d2が存在するため、各複合パネルPを横方向に衝合当接して外壁を形成すれば、各パネルPの断熱層相互は当接形態でありながら、各セメント板Pa間には、図9に示す如く、大寸段差d2−小寸段差d1、の接続目地LPが形成出来、しかも、各パネルの断熱層Pbは相欠け接続になって、断熱層Pbの接続界面はセメント板Pa面で閉止された形態となり、外部空気の接続界面からの流入が抑制出来、また、コンクリート打設時ののろ(水とセメントの混合物)漏れが抑制出来、断熱層Pbの断熱機能低下は抑制出来る。
従って、本発明の額縁の取付構造を備えた通気性外壁は、密着型パネルでありながら、通気層aによってパネル内部結露が防止出来、断熱機能低下が抑制出来ると共に、各パネルPの接続部での断熱機能低下も抑制出来、額縁配置部位でもパネルP内の条溝(通気層)a内の貫流空気arが保証された、高性能な通気性外断熱外壁となる。
また、本発明にあっては、例えば図9に示す如く、額縁4Fの配置位置に対応して短尺化した複合パネルPを開口部4の上下に配置し、パネルPの上下左右端では、図1乃至図3の如く、断熱層Pbとコンクリート躯体Cwとの界面隙間asを隙間追従シート25で閉止するのが好ましい。
この場合、隙間追従シート25は、隙間asを空密的に閉止出来るものであれば良く、典型的には、断熱性、気密性、防湿性、非吸水性に優れた幅20mm、厚さ2mmのポリエチレン製形状回復発泡体のソフトロン(積水化学(株)商品名)である。
該ソフトロンは、張着後1日経過でシートが発泡し、パネル断熱層Pbとコンクリート躯体Cw間の界面隙間asを閉止する。
そして、界面隙間as自体は、コンクリート躯体Cwの不陸によって各部位で多寡の差はあるが、複合パネルPの上端部(図2)、下端部(図1)、側端部(図3)で隙間追従シート25が閉止するため、パネル断熱層Pbとコンクリート躯体Cw間の界面隙間asは密閉空気層となり、空気断熱機能を奏する。
従って、既存コンクリート建築物も、コンクリート躯体Cw前面の不陸に関係なく、外壁面が面一になった高品質の外断熱通気性外壁のコンクリート建築物に改修出来る。
また、本発明にあっては、支持金具9が、図5(A)に示す如く、アングル鋼片であって、取付辺9sをコンクリート躯体Cwにあと施工アンカー15で固定し、且つ、外方に延出する支持辺9pに額縁構成部材、即ち、雨切6、水切8、見切7を固定するのが好ましい。
支持金具9は、既存コンクリート躯体Cwにあと施工アンカー15で打設固定するが、コンクリート躯体Cwは各部位で程度差のある不陸を有する。
そして、複合パネルPは、コンクリート躯体Cw前面Scと断熱層Pb間の界面隙間asでの不陸吸収により外面を面一に配置出来、雨切6、水切8、見切7等の額縁構造部材は、支持金具9の支持辺9pに前後位置調整の下にねじ固定して不陸が吸収出来る。
従って、既存のサッシ枠を基準とする額縁構造部材と、既存のコンクリート躯体Cwの不陸に追従しないで面一に張設する複合パネルPと、コンクリート躯体Cwの不陸に追従した位置に固定する支持金具9との配置固定が、外観上均斉に実施出来る。
しかも、額縁構造部材は、前部での支持金具9の支持辺9pへの固定により、ねじれ、反り等の抑制出来た保形性のある取付構造となる。
また、本発明にあっては、額縁4Fの雨切6、水切8及び見切7は、共に、前部を、支持金具9の支持辺9pを介して前後調整自在に、後部を、サッシ枠5を介して前後調整自在に取付けるのが好ましい。
既存コンクリート建築物にあって、開口部4に存在する各既存サッシ枠5は、比較的に均斉なレベルで配置されてはいるが、コンクリート躯体Cw表面は、通常かなりの凹凸不陸が存在する。
従って、額縁4Fの各雨切6、水切8、及び見切7でのサッシ枠5に対する前後調整自在の固定は、既存サッシ枠5の傾き等の不陸に関わらず額縁4Fが所望姿勢でサッシ枠5に固定出来、コンクリート躯体Cw前面Scの不陸に関わらず、外表面を面一に張設する複合パネルPの前面に対し、額縁4Fの前面突出寸法を均斉とすることが可能となり、高品質で均斉な外観を呈する外壁の形成が可能となる。
また、本発明にあっては、額縁4Fの雨切6、水切8及び見切7は、共に、開口部4を規定する雨切の下段水平板6d、水切の傾斜天板8u及び見切の長辺垂直板7dの各後端を、サッシ枠5に固定した受金具53,54に前後位置調整してねじ止めするのが好ましい。
額縁4Fは、工場又は現場で組立てた後、開口部4に嵌合固定するが、予め既存サッシ枠5に、図5(D)の如き水切用受金具53、図5(E)の如き雨切及び見切用の受金具54を固定するだけで、額縁4Fの各後端部のサッシ枠5への摺動調整の下での取付けが可能となり、各額縁4Fの各サッシ枠5への微調整の下での取付作業が容易となる。
また、本発明にあっては、図1乃至図3に示す如く、開口部4を規定する、雨切の下段水平板6d、水切の傾斜天板8u及び見切の長辺垂直板7dが、共に、内面に断熱層6e,8e,7eを備え、且つ、各雨切6、水切8及び見切7とコンクリート躯体Cw間には現場発泡断熱材13を注入充填するのが好ましい。
この場合、額縁4F構成部材への断熱層6e,8e,7eの付与は、額縁4Fの組立て前に吹付け等で付設すれば良い。
勿論、下段水平板6dの空気孔H6部では断熱層6eにも空気孔H6を連通させる。
通常、外断熱コンクリート建築物にあっては、開口部(窓)4は熱抵抗が小さくて断熱機能上最大の欠陥となるが、本発明では、開口部4の全周の内側に断熱層6e,8e,7eが存在し、コンクリート躯体Cwと額縁4Fの隙間も現場発泡断熱材13が存在するため、開口部4での断熱機能低下を抑制した高性能な外断熱外壁となる。
また、本発明の額縁の取付構造は、水切8が、傾斜天板8uと、先端の立下り板8fと、立下り板8f下端から後方に屈曲して、空気孔H8を配設した水切板8aと、水切板からの立上り板8bと、立上り板から後方へ延出するアンカー片8sとを備え、図5(B)の如く、水平片10F及び立上り片10Wからなる取付ピース10の立上り片10Wを、図2(A)の如く、水切の立下り板8f内面に当接し、水平片10Fの前部をアンカー片8sにねじ止めし、後部を支持金具の支持辺9pに前後位置調整してねじ止めするのが好ましい。
この場合、取付ピース10は、支持金具9の配置位置にのみ配置するものである点、立上り片10Wが水切立下り板8fを支承する点、水平片10Fが複合パネルPの通気層a上に位置する点より、支持金具9の幅W9(標準:40mm)と同等とするのが好都合である。
従って、水切8の先端部は、水切板8a、立上り板8b及びアンカー片8sによる屈曲形態で保形性を具備し、且つ、立下り板8fが内面からの取付ピース立上り片10Wの当接支承を受けるため、たわみ、や反りの生じない剛性も具備し、且つ、水平のアンカー片8sから立上り板8bを介して下方に突出した水切板8aによって、十分な水切作用と、雨水の水切8内への浸入阻止とを保証し、パネル内通気層aからの外方への空気流arを保証する。
本発明によれば、既存コンクリート建築物に対し、コンクリート躯体Cw前面Scの不陸の多寡に関わらず、面一、且つ、均斉に外壁複合パネルPが張設出来、額縁4Fも均斉に配置出来、しかも、各パネルP内の通気層aへの外部からの空気貫流arが全外壁パネルPで保証出来る。
従って、本発明の額縁取付構造を備えた外壁OWは、従来例2同様の、コスト面では有利な密着層型の外断熱複合パネルを採用しながら、腰水切から笠木まで通気が保証されて、内部結露の発生がなく、外装セメント板Paのヒートストレスによる劣下も抑制出来、且つ、均斉な外観を有する高品質の通気性外壁となる。
また、額縁構成部材の雨切、水切、見切共、前部と後部の2点支持となるため、額縁4Fは、たわみ、ねじれや反りも発生しないものとなり、美観及び耐久性の優れたものとなる。
また、額縁構造も、各構成部材の開口部4を規定する面材が内面に断熱層6e,8e,7eを備えていること、及び額縁4Fとコンクリート躯体Cwとの隙間に現場発泡断熱材13が容易、且つ十分に充填出来るため、従来の外断熱外壁に於ける額縁構造よりも、はるかに断熱性の優れたものが容易に得られる。
〔雨切(図4(A))〕
雨切6は、一般厚が2mmのアルミ板材の折曲加工材長尺物であって、断面形状は、図4(A)に示す如く、幅W6´が90mmの上段水平板6uと、高さh6が25mmの立下り板6fと、幅W6が165mmの下段水平板6dとを備え、下段水平板6dの後端には、高さh6´が15mmの立上り板6pを介して幅5mmのアンカー片6sを水平後方に延出したものであり、上段水平板6uには、幅8mm、長さ20mmの前後方向長孔形態の空気孔H6を100mm間隔で穿設し、アンカー片6sにも200mm間隔でねじ孔(径2.5mm)Shを穿設し、下段水平板6dの内面には10mm厚の発泡ウレタン層6eを施したものである。
〔水切(図4(B))〕
水切8は、一般厚2mmのアルミ板材長尺物であって、断面形状は、図4(B)の如く、勾配高さが15mmで、幅W8が195mmの傾斜天板8uと、高さh8が30mmの立下り板8fと、立下り板8fから後方に、幅W8´が15mmの水切板8aと、高さh8´が15mmの立上り板8bと、立上り板8bから水平後方に延出する幅5mmアンカー片8sとを備え、水切板8aには100mm間隔で空気孔H8を穿設し、傾斜天板8u内面には、立下り板8fから160mm後方まで10mm厚の発泡ウレタン層8eを施したものである。
また、図5(D)に示す如く、鋼製1.6mm厚で、幅W10が40mm、長さL10が95mm、高さh10が10mmの、アングル鋼材の水平片10Fと立上り片10Wとからなる取付ピース10を、立上り片10Wを水切立下り板8f内面に当接し、水平片10Fを水切アンカー片8sに当接ねじ固定する。
〔見切(図4(C))〕
見切7は、一般厚2mmのアルミ板材長尺物であって、断面形状は、図4(C)に示す如く、幅W7´が90mmの短尺垂直板7uと、長さL7が25mmの前端板7fと、幅W7が165mmの長辺垂直板7dと、長さL7´が15mmの後端板7pと幅5mmの後方延出アンカー片7sとを備え、アンカー片7sには200mm間隔にねじ孔(径2.5mm)Shを穿設し、長辺垂直板7dの内面に10mm厚の発泡ウレタン層7eを付設したものである。
〔支持金具(図5(A))〕
支持金具9は、既存コンクリート躯体にあと施工アンカーで打設固定した後、雨切、水切、見切を固定支持するものであって、図5(A)に示す如く、1.6mm厚鋼の不等辺山形状折曲部材であり、幅W9が40mm、長さLsが75mmのコンクリートへの取付辺9sと、長さLpが80mmの額縁支持辺9pとからなり、取付辺9sには、あと施工アンカー(商品名:Pレスアンカー(径4mm)サンコーテクノ(株)製)挿入用の径4.5mmの孔H9を備えたものである。
〔水切用の受金具(図5(B))〕
水切用受金具53は、水切後端とサッシ枠5とを接続する1.6mm厚の鋼製長尺物であって、断面形状は、図5(B)に示す如く、高さh53が10mmのサッシ当接板53pと、幅W53が35mmで、水切の傾斜天板8uと同勾配の傾斜板53uとを備えたものであり、当接板53pを下枠突出片5sに当接ねじ止めし、傾斜板53u上に水切傾斜天板8uを載置し、摺動位置決めしてねじ止めするものである。
〔雨切、見切用受金具(図5(C))〕
受金具54は、鋼製1.6mm厚の不等辺山形部材であり、高さh54が12mmのサッシ当接板54wと、幅W54が35mmの額縁当接板54fとを備えたものである。
そして、雨切6とサッシ上枠5aとの連結固定、又は見切7とサッシ側枠5bとの連結固定に際しては、サッシ当接板54wを、図1(B)、図3(B)の如く、サッシ5a,5bに当接ねじ固定し、額縁当接板54fを、雨切後端部のアンカー片6s、又は見切後端部のアンカー片7sと当接摺動調整してねじ固定するものである。
〔外断熱複合パネル(図8)〕
図8は外断熱複合パネル説明図であって、(A)は、全体斜視図、(B)は、(A)のB−B断面図、(C)は(B)の部分拡大図である。
図8に示す如く、外断熱複合パネルPは、セメント板Paと断熱層Pbとの密着層型であり、セメント板Paは、厚さT1が25mm、幅Woが490mmであって、内面には、縦方向に並設した条溝aをリブR(R1,R2)間に備えた形態に、セメント、硅酸質原料、及び繊維質原料を混合して押出成形したものであり、長さは適用建築物に応じて決定する。
また、断熱層Pbは、幅Wbがセメント板幅Woより10mm大な500mmで、厚さT2が75mmの発泡成形断熱材である。
そして、セメント板Paに対する、断熱層Pbの一体化層着は、断熱層Pbがセメント板Paの、一側端PLでは10mmの小寸段差d1入り込み、他側端PRでは20mmの大寸段差d2突出する形態に接着剤を介して接着する。
〔額縁の組立て(図6、図7)〕
図6は、額縁4Fの組立て後の一部切欠斜視図であり、図7(A)は、図6の断面A−A視図であり、図7(B)は、図6の断面B−B視図であり、図7(C)は、図6の矢印C視図であり、図7(D)は、図6の矢印D視図である。
尚、図6、図7にあっては、構造理解を容易とするため、各額縁構造材に於ける付設発泡断熱材層6e,8e,7eは省略している。
図7(A)に示す如く、雨切6に於いては、下段水平板6dの両端上面に鋼製1.6mm厚で、1辺が15mmの等辺山形状125mm長のアングル材50Lを、雨切立上り板6pから前方へ配置し、アングル材50Lの水平辺に塗布した接着剤で固着する。
また、見切には、図7(A)、(B)に示す如く、見切7の上下端に鋼製1.6mm厚で、溝形状の水平辺の幅が23.5mm、垂直辺の高さが15mmで125mm長のチャンネル材51Lを、見切後端板7pから前方に配置し、長辺垂直板7dとチャンネル材51Lの内側垂直辺とを、チャンネル材の内側垂直辺に塗布した接着剤で接着固定する。
また、水切8には、図7(B)に示す如く、傾斜天板8uの両端下面に、鋼製1.6mm厚で1辺が15mmの等辺山形状で165mm長のアングル材52Lを、水切立下り板8fから後方へと配置し、傾斜天板8uとアングル材52Lとを、アングル材52Lの水平辺に塗布した接着剤で固着する。
次いで、雨切6の両端には、図7(C)の如く、アルミ製2mm厚で高さh50が25mmで幅w50´´が40mmの前方閉止部50C´と、幅W50´が125mmで下段水平板6dの上方へ15mm(h50´)、下方へ15mm(h50´´)突出する連結部50C´´とからなる小口塞板50Cを、図6の如く、前方の閉止部50C´にあっては、上段水平板6u、立下り板6f、下段水平板6dの各両端縁辺に接着剤を塗布し、後方の連結部50C´´にあっては、下段水平板6d両端の上面に固着したアングル材50Lの垂直辺に接着剤を塗布して雨切6に固着する。
勿論、連結部50C´´では、アングル材50Lの垂直辺にねじSで固定しても良い。
また、水切8の両端部にも、図6に示す如く、小口塞板52Cを固着する。
小口塞板52Cは、図7(D)に示す如く、水切8の側端に垂直当接して、傾斜天板8uの、上方にはy8(10mm)を、下方にはy8´(15mm)突出させる連結部52C´´と、立下り板8f前方にはy8(10mm)を、立上り板8bの後方にもy8(10mm)突出させる前端部52C´とから成り、小口塞板52Cの水切8両端部への固着は、水切8の、立下り板8f、水切板8a、立上り板8bの両端縁に接着剤を塗布し、図7(B)に示す、水切の傾斜天板8uの下面に接着したアングル材52Lの垂直片に接着剤を塗布して、小口塞板52Cを接着する。
勿論、アングル材52の垂直辺へねじSで固定しても良い。
次いで、雨切6が見切7に冠着する形態で、雨切6の下段水平板6dより下方に突出する小口塞板50Cの下方を、見切7の短辺垂直板7u及びチャンネル材51の垂直辺に当接し、接着剤、又はねじで固着し、雨切6と見切7とを連結する。
そして、水切8と見切7の固着は、見切7を水切8の傾斜天板8uに載置した形態で、見切7の短辺垂直板7u及びチャンネル材51の垂直辺を、水切8に固着した小口塞板52Cに接着剤、又はねじで固着して水切8と見切7とを一体化し、雨切6、見切7、水切8を一体化剛構造の額縁4Fとする。
〔額縁の取付け(図1〜図3)〕
既存コンクリート建築物の額縁をコンクリート躯体から撤去し、コンクリート躯体Cwに既存サッシ枠を露出する。
即ち、図10に示す従来のコンクリート建築物にあっては、額縁の撤去と共に、コンクリート躯体の凸部もカッターで切り目を入れて斫り取り、モルタルもシーリング幅でシーリングと共に撤去し、既存コンクリート建築物の開口部4を図1乃至図3に示すコンクリート躯体Cwとサッシ枠5の形態とする。
次いで、サッシ枠5の四周位置に、支持金具9を450mm間隔以下で当接し、予めコンクリート躯体Cwに穿設した、径3.4mm、深さ22mmのアンカー挿入用孔H15に、引張最大荷重が180kgf/本の径4mm、長さ25mmのあと施工アンカー15を、支持金具の取付辺9sの挿入孔H9を介して打設貫入固定する。
次いで、サッシ上枠5aの前面には、図1(B)の如く、受金具54のサッシ当接板54wをねじ固定し、サッシ側枠5bの前面には、図3(B)の如く、受金具54のサッシ当接板54wをねじ固定する。
また、サッシ下枠5c前面の下方突出片5sには、水切用受金具53のサッシ当接板53pをねじ固定する。
次いで、組立てた額縁4Fを開口部4に嵌入して、雨切6の上段水平板6uを支持金具9の支持辺9pに載置し、見切7の短辺垂直板7uと支持金具9の支持辺9pと当接し、水切8に付設固定した取付ピース10の水平片10Fを支持金具9の支持辺9pに載置する。
そして、雨切アンカー片6sと見切アンカー片7sとを、それぞれサッシ枠5に付設した受金具54の額縁当接板54fに当接し、水切8の傾斜天板8u後端をサッシ枠に付設した水切受金具53の傾斜板53uに載置する。
そして、額縁4Fのコンクリート躯体に対する前後位置を微調整して、雨切6にあっては、上段水平板6uと支持金具9の支持辺9pとのねじ止着で前部固定を、アンカー片6sと、サッシ枠側の受金具54の額縁当接板(当接辺)54fとのねじ止着で後部固定を達成し、見切7にあっては、短辺垂直板7uと支持辺9pとのねじ止着で前部固定を、アンカー片7sと、サッシ側の当接辺54fとのねじ止着で後部固定を達成し、水切8にあっては、付設取付ピース10と、支持金具9の支持辺9pとのねじ止着で前部固定を、傾斜天板8uの後端と、サッシ側の水切受金具53の傾斜板53uとのねじ止着で後部固定を達成する。
そして、額縁4Fの四周で、額縁4Fとコンクリート躯体Cwとの隙間に現場発泡ウレタン13を注入充填する。
この場合、吹付工具として、ディスペンサー(日本ヒルティ(株)商品名)に、一液性ポリウレタンのフォーム管(容量:750ml)を、アダプターを介して取付け、ディスペンサーの吹出調整ノブの調整の下に、空隙からウレタンを吐出すれば、コンクリート躯体Cwの前端から突出しない状態で隙間スペースへの適量のウレタン注入が出来る。
〔断熱複合パネルの張着〕
外断熱複合パネルPは、額縁4Fを既存コンクリート躯体Cwに配置後張設するものであり、コンクリート躯体Cwの前面の不陸に関係なく外面が面一となるように、パネルPの左右接続はパネルP側端縁の相欠け構造(段差d1,d2)によって、両側パネルの断熱層Pb当接界面への外気侵入を抑制し、断熱層Pb間の断熱機能低下が生じないように配置する。
そして、開口部4の上下の複合パネルPは、所定寸法に短寸化したパネルPであって、コンクリート躯体Cwへの張着は、パネルPの断熱層Pbに団子状の接着剤26を付設して押圧接着し、必要個所には、径6mmで引抜最大荷重550kgf/本のあと施工アンカー14(サンコーテクノ(株)商品名:Pレスアンカー)の所定本数をパネルセメント板Pa表面からコンクリート躯体Cwに打込んで固定する。
また、パネルPは、既存コンクリート躯体Cwの前面の不陸に応じて、コンクリート躯体Cwと断熱層Pbとの層間には、多かれ少なかれ界面隙間asを生ずるが、該界面隙間asの下端では、図1(A)に示す如く、隙間追従シート25を、隙間asの上端では、図2(A)に示す如く、隙間追従シート25を、界面隙間asの側端では、図3(A)に示す如く、隙間追従シート25を挟着配置する。
隙間追従シート25としてはソフトロン(積水化学(株)商品名)を用いるため、2mm厚のシートであるが所定時間経過後に発泡し、隙間asの大小に関わらず所定の隙間閉止が出来る。
従って、隙間追従シート25で閉止された界面隙間asは密閉空気層asとなり、断熱機能を発揮する。
また、雨切6とパネルP下面の間には、プラスチック製で、両側板間に仕切壁を配置した長尺のハニカムバッカー12aを配置して、雨切6の下段水平板6d及び上段水平板6uの空気孔H6からのパネル通気層a内への空気貫流arを保証すると共に、前面隙間へのシーリング17aの充填を容易にする。
また、額縁4FとパネルPとの前部隙間にはシーリング17aを施し、額縁4Fとサッシ枠5との隙間にはシーリング17bを充填する。
本発明で改修された外壁は、外断熱複合パネルPが、腰水切2から笠木3まで、条溝(通気層)aが連通形態であり、開口部4にあっても、額縁4Fの、雨切6が空気孔H6を、水切8が空気孔H8を備えているため、図9に示す如く、腰水切2から笠木3まで断熱複合パネルP内を空気流arが貫流し、額縁4F部にあっても、水切8にあっては、下方の空気流arが水切8の空気孔H8から外方へ流出し、雨切6にあっては、雨切6の空気孔H6から入り込んだ空気流arが、上方の水切8又は笠木3から放出するものとなり、密着層型の複合パネルPでありながら、外壁OWのパネルP全面が均斉な通気性を備えて内部結露がなく、且つ、セメント板Paのヒートストレス劣下のない高性能、且つ耐久性のある外壁となる。
しかも、額縁4F及び複合パネルPは、それぞれ取付位置の微調整が可能であるため、既存コンクリート躯体Cwが前面Scに不陸があっても、また、既存サッシ枠5が若干の不陸を生じていても、額縁4Fの取付時にも、複合パネルPの張着時にも、前後位置調整が可能であるため、既存コンクリート建築物に於ける外断熱建物への外壁改修であるにも関わらず、均斉、且つ外観の優れた外壁構造が提供出来る。
〔変形例〕
図5(F)は、水切8の変形例図である。
即ち、該変形水切8´は、図4(B)の水切8の傾斜天板8uの後端に、ねじ孔Shを定間隔(標準:200mm)に備えた立上り板8pを形成したものである。
また、図5(E)は、一辺が12mmで厚さ1.6mmの等辺山形鋼の長尺物であって、サッシ上枠5aと雨切6、及びサッシ側枠5bと見切7との連結に用いる取付金具11である。
図5(F)の水切8´を採用すれば、傾斜天板8u後端の立上り板8pを直接サッシ下枠5cの突出片5s(図2(B))に当接してねじ止着することとなり、水切8´とサッシ下枠5cとの連結時の位置調整は不能となる。
また、水切8´がサッシ下枠5cと前後位置調整不能な取付けにあっては、雨切6、見切7もサッシ枠5に対する前後位置調整は不要であり、水切8´を採用する場合にあっては、雨切6、見切7連結用に、図5(C)の受金具54に替えて図5(F)の等辺山形鋼の取付金具11を採用すれば良い。
そして、既存コンクリート建築物の外壁改修に際しては、開口部4の個々のサッシ枠5自体はコンクリート躯体Cw前面Sc程の不陸が存在しない。
そして、コンクリート躯体Cw前面Scの不陸には、支持金具9の支持辺9pと、各額縁部材(雨切、見切、水切)との止着時の前後位置調整、及び複合パネルPのコンクリート躯体Cwへの界面隙間asによる前後位置調整によっても、既存コンクリート建物の外壁改修が外観を特に損なうことなく実施出来る。
従って、図5(F)の変形水切8´は、額縁4Fと複合パネルPとの厳密な意味での均斉配置とはならないが、既存コンクリート建築物のかなりのものは、外観上支障ない程度の額縁4Fと複合パネルPの関係配置が出来て発明の所期の目的が達成出来る。
そして、額縁4F自体を前後位置調整せずに固定すれば、作業性が向上する。
本発明の額縁取付構造は、新規な額縁4Fと密着層型断熱複合パネルPとの関係構造によって、高品質、且つ耐久性ある外壁構造に改修するものであるため、従来の図10等のコンクリート建物の外断熱外壁への改修は勿論、従来の、例えば図11の如き、コンクリート外断熱外壁等、既存のコンクリート外断熱建物に対しても、外壁の高品質化、高耐久化改修に適用出来る。
本発明の雨切部の説明図であって、(A)は縦断面図、(B)は(A)のB部拡大図である。 本発明の水切部の説明図であって、(A)は縦断面図、(B)は(A)のB部拡大図である。 本発明の見切部の説明図であって、(A)は横断面図、(B)は(A)のB部拡大である。 本発明使用部材の説明図であって、(A)雨切斜視図、(B)は水切斜視図、(C)は見切斜視図である。 本発明使用部材の説明図であって、(A)は支持金具の斜視図、(B)は水切用の受金具の斜視図、(C)は雨切、見切用の受金具の斜視図、(D)は取付ピースの斜視図、(E)は変形例に採用する取付金具の斜視図、(F)は変形例水切の斜視図である。 本発明の額縁の組立形態の一部切欠斜視図である。 本発明の額縁の説明図であって、(A)は図6A−A視断面図、(B)はB−B視断面図、(C)は図6の矢印C視図、(D)は図6の矢印D視図である。 本発明に用いるパネルの説明図であって、(A)は全体斜視図、(B)は(A)のB−B断面図、(C)は(B)の部分拡大図である。 本発明を適用したコンクリート建物外壁の斜視図である。 従来例1の説明断面図であって、(A)はサッシ上枠部の縦断面図、(B)はサッシ下枠部の縦断面図、(C)はサッシ側枠部の横断面図である。 従来例2の説明図であって、(A)は雨切部の縦断面図、(B)は水切部の縦断面図である。
符号の説明
1 基礎
2 腰水切
3 笠木
4 開口部(窓)
5 サッシ枠(アルミサッシ枠)
5a サッシ上枠(サッシ枠、上枠)
5b サッシ側枠(サッシ枠、側枠)
5c サッシ下枠(サッシ枠、下枠)
6 雨切
6d 下段水平板
6e,7e,8e 発泡ウレタン層(断熱層)
6f 立下り板
6p 立上り板
6s アンカー片
6u 上段水平板
7 見切
7d 長辺垂直板
7f 前端板
7p 後端板
7s アンカー片
7u 短辺垂直板
8,8´ 水切
8a 水切板(水切り板)
8b,8p 立上り板
8f 立下り板
8s アンカー片
8u 傾斜天板
9 支持金具
9p 支持辺(当接辺)
9s 取付辺
10 取付ピース
10F 水平片
10W 立上り片
11 取付金具
11F,11W 辺(取付辺)
12a ハニカムバッカー(バッカー)
12b バッカー
13 現場発泡ウレタンフォーム(現場発泡断熱材)
14,15 あと施工アンカー
17a,17b シーリング
25 隙間追従シート
26 団子状接着剤
50C,52C 小口塞板
50L,52L アングル材
51L チャンネル材
53 受金具(水切受金具)
53p サッシ当接板(当接板)
53u 傾斜板
54 受金具(取付金具)
54f 当接辺(額縁当接板)
54w サッシ当接板(当接辺)
a 通気層(条溝)
ar 空気流(貫流、空気貫流)
as 界面隙間(隙間、密閉空気層)
Cw コンクリート躯体(コンクリート壁)
d1,d2 段差
H6,H8 空気孔
P 外断熱複合パネル(複合パネル、パネル)
Pa セメント板(外装材)
Pb 断熱層
R,R1,R2 リブ
S ねじ
Sc コンクリート躯体前面(前面)
Sh ねじ孔

Claims (9)

  1. 既存コンクリート躯体(Cw)の外面に、内部に通気層(a)を備えたセメント板(Pa)と断熱層(Pb)との密着層型の外断熱複合パネル(P)を張設した外壁(OW)の開口部(4)に額縁(4F)を配置した構造であって、額縁(4F)を構成する雨切(6)、水切(8)及び見切(7)は、共に、前部を、既存コンクリート躯体(Cw)にあと施工アンカー(15)で固定した支持金具(9)を介して、後部を、既存サッシ枠(5)に、既存コンクリート躯体(Cw)に対して前後位置調整の下に固定し、且つ、雨切(6)及び水切(8)が空気孔(H6,H8)を介して複合パネル(P)の通気層(a)の空気貫流(ar)を保証すると共に、雨切(6)、水切(8)及び見切(7)と、既存コンクリート躯体(Cw)間には現場発泡断熱材(13)を注入充填した、通気性外壁(OW)に於ける額縁の取付構造。
  2. 複合パネル(P)は、内面に条溝(a)を多数並列縦設したセメント板(Pa)の内面に、条溝(a)を閉塞しないように、断熱層(Pb)を層着一体化したものである、請求項1の額縁の取付構造。
  3. 断熱層(Pb)の幅(Wb)がセメント板(Pa)の幅(Wo)より大であり、セメント板(Pa)と断熱層(Pb)との層着によって、断熱層(Pb)が、一側端(PL)では、セメント板(Pa)側端より小寸段差(d1)入り込み、他側端(PR)では、セメント板(Pa)側端より大寸段差(d2)突出した、請求項2の額縁の取付構造。
  4. 額縁(4F)の配置位置に対応して短尺化した複合パネル(P)を開口部(4)の上下に配置し、パネル(P)の上下左右端では、断熱層(Pb)とコンクリート躯体(Cw)との界面隙間(as)を隙間追従シート(25)で閉止した、請求項1乃至3のいずれか1項の額縁の取付構造。
  5. 支持金具(9)がアングル鋼片であって、取付辺(9s)をコンクリート躯体(Cw)にあと施工アンカー(15)で固定し、且つ、外方に延出する支持辺(9p)に額縁構成部材(6,8,7)を固定した、請求項1乃至4のいずれか1項の額縁の取付構造。
  6. 額縁(4F)の雨切(6)、水切(8)及び見切(7)は、共に、前部を、支持金具(9)の支持辺(9p)を介して前後調整自在に、後部を、サッシ枠(5)を介して前後調整自在に取付けた、請求項1乃至5のいずれか1項の額縁の取付構造。
  7. 額縁(4F)の雨切(6)、水切(8)及び見切(7)は、共に、開口部(4)を規定する雨切の下段水平板(6d)、水切の傾斜天板(8u)及び見切の長辺垂直板(7d)の各後端を、サッシ枠(5)に固定した受金具(53,54)に前後位置調整してねじ止めした、請求項1乃至6のいずれか1項の額縁の取付構造。
  8. 開口部(4)を規定する、雨切の下段水平板(6d)、水切の傾斜天板(8u)及び見切の長辺垂直板(7d)が、共に、内面に断熱層(6e,8e,7e)を備え、且つ、各雨切(6)、水切(8)及び見切(7)とコンクリート躯体(Cw)間には現場発泡断熱材(13)を注入充填した、請求項1乃至7のいずれか1項の額縁の取付構造。
  9. 水切(8)が、傾斜天板(8u)と、先端の立下り板(8f)と、立下り板(8f)下端から後方に屈曲して空気孔(H8)を配設した水切板(8a)と、水切板からの立上り板(8b)と、立上り板から後方へ延出したアンカー片(8s)とを備え、水平片(10F)及び立上り片(10W)からなる取付ピース(10)の立上り片(10W)を水切の立下り板(8f)内面に当接し、水平片(10F)の前部をアンカー片(8s)にねじ止めし、後部を支持金具の支持辺(9p)に前後位置調整してねじ止めした、請求項1乃至8のいずれか1項の額縁の取付構造。
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