JP3753541B2 - トリアゾロ−1,4−ジアゼピン系化合物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は血小板活性化因子(PAF)拮抗作用及びトロンボキサンA2(TxA2)合成阻害作用を有する新規なトリアゾロ−1,4−ジアゼピン系化合物又はその薬理学上許容しうる塩を有効成分とする抗アレルギー剤又は抗炎症剤等に関する。
【0002】
【従来の技術】
PAFやTxA2は喘息、関節炎、鼻炎、気管支炎及び蕁麻疹等の種々のアレルギー性、炎症性及び過分泌性疾患や循環系の虚血疾患、血栓閉塞疾患、動脈硬化症、肺高血圧症さらに胃潰瘍、乾癬などの病態に互いに関連し合いながら関与している。従って、これらの疾患の治療においてはPAF又はTxA2の作用を単独で抑制するよりも、同時に抑制する方が、高い治療効果が期待できる。
従来、PAF及びTxA2の働きを同時に抑制する化合物として、特開平8−40904号公報に記載の1,4−ジヒドロピリジン化合物が知られている。
一方、1,4−ジアゼピン系化合物については抗PAF作用を有することが、例えば特開平2−49787号公報、同2−191281号公報、同2−256682号公報などに記載されている。しかしながら、これらの化合物は、PAFとTxA2の働きを同時に抑制する作用は有さない。
このような状況から、本発明者等は、PAFとTxA2の働きを同時に抑制する1,4−ジアゼピン系化合物について探索研究を続けてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、種々の置換基を有するトリアゾロ−1,4−ジアゼピン系化合物を合成し、それらの化合物の作用について検討を重ねた結果、式(I)で表されるトリアゾロ−1,4−ジアゼピン系化合物が優れたPAF拮抗作用及びトロンボキサンA2合成阻害作用を有するとの知見を得、本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は式(I)
【0005】
【化2】
【0006】
(式中、AはCO、CO−B又はBを表し、BはC1〜C6のアルキレン基又は中間に酸素原子が介在しているC2〜C6のアルキレン基を表し、XはN−O又はCHを表し、nは2〜6の整数を表し、Rはヒドロキシル基;C1〜C6の低級アルキルオキシ基又はC1〜C6の低級アルキルアミノ基(これらの基はN,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、フェニル基、ピリジル基、モルホリノ基、ピペラジノ基又はイミダゾリル基で置換されていてもよい)を表し、R1は水素原子又はC1〜C3の低級アルキル基を表す。)で表されるトリアゾロ−1,4−ジアゼピン系化合物に関するものである。更に本発明は、該化合物又はその水和物或いはこれらの薬理学上許容しうる塩を有効成分としてなる医薬、特に抗アレルギー剤又は抗炎症剤に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。式(I)で表されるトリアゾロ−1,4−ジアゼピン系化合物において、AはCO、CO−B又はBを表し、BはC1〜C6のアルキレン基又は中間に酸素原子が介在しているC2〜C6のアルキレン基を表す。好ましくは、AはCO−CH2、CO−CH2OCH2又はC1〜C4のアルキレン基、特にCH2(メチレン基)を表す。具体的には、Bはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、メチレン基とメチレン基の間に酸素原子が介在している基(CH2OCH2)等を表す。Xは、N−O又はCHを表す。nは2〜6の整数、好ましくは4の整数を表す。Rはヒドロキシ基;C1〜C6の低級アルキルオキシ基又はC1〜C6の低級アルキルアミノ基(これらの基はN,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、フェニル基、ピリジル基、モルホリノ基、ピペラジノ基又はイミダゾリル基で置換されていてもよい)を表す。好ましくは、C1〜C3の低級アルキルオキシ基(N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、ピリジル基、モルホリノ基、ピペラジノ基又はイミダゾリル基で置換されていてもよい)を表し、特に好ましくはC1〜C3の低級アルキルオキシ基を表す。R1は水素原子又はC1〜C3の低級アルキル基、好ましくは、メチル基を表す。
【0008】
本発明では、特に好ましい化合物の具体例として、後記実施例に記載の化合物4、化合物6、化合物7、化合物9、化合物10及び化合物11を挙げることができる。
【0009】
本発明の化合物は、場合により、水和物又は塩を形成するがそれらも本発明に包含されることは言うまでもない。
本発明の化合物は、常法によって製造されるが、これらのうち代表的な方法を挙げれば以下の通りである。
(製造法1)
【0010】
【化3】
【0011】
(式中、A,X,n,R及びR1は前記の意味を表し、A1は水酸基、ハロゲン原子、メシルオキシ基、トシルオキシ基等を表す。)
即ち、式(II)で表される化合物と、式(III)で表される化合物を常法により縮合反応させ、目的物質である式(I)で表される化合物を得る。
式(III)で表される化合物としては、酸クロライド、酸ブロマイドの如き酸ハライド;N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシスクシンイミドなどとの活性エステル;対称型酸無水物;アルキル炭酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの混合酸無水物などが挙げられる。これらの化合物を用いた場合の反応は、無溶媒又は、例えばトルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどの反応に関与しない溶媒で加熱下、例えば脱ハロゲン化反応等の縮合反応を行う。この場合、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムの如き無機塩類、あるいはトリエチルアミン、ピリジン、ピペラジンの如き有機塩類の存在下に反応を行うことにより好ましい結果が得られる。
【0012】
式(III)で表される化合物として、遊離のカルボン酸を用いる時は、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1,1’−カルボニルジイミダゾールなどの縮合剤の存在下に反応を行うことが好ましい結果を与える。
式(III)で表される化合物として、アルキル基にハロゲン原子等の脱離基が結合した化合物を用いるときは、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウムの如き無機塩類、水素化ナトリウム、水素化カリウムの如き水素化アルカリ金属類、あるいはトリエチルアミン、ピリジン、ピペラジンの如き有機塩類を用い、必要に応じクラウンエーテルなどの触媒の存在下に反応を行う。特に、ジメチルホルムアミド中、クラウンエーテル触媒の存在下、水素化ナトリウムで反応すると好適である。
【0013】
(製造法2)
上記の製造法1において用いられている出発物質(III)については、例えば次の方法(方法A又は方法B)により製造できる。
【0014】
【化4】
【0015】
(式中、A,A1,n及びRは前記と同じ意味を表し、A2はt−ブチルジフェニルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基等のアルカリ性条件下で安定な基又はA1と同一基を表し、mは3〜7の整数を表す。)
上記の各工程について簡単に説明すると以下の通りである。
(方法A) 式(IV)で表される化合物に、常法によりヒドロキシルアミンを反応させオキシムとした後、不活性溶媒中で、塩基の存在下に5−ブロモ吉草酸エチル等のハロゲン化アルカン酸エステル又は5−ブロモ吉草酸プロピルアミド等のハロゲン化アルカン酸アミドと反応させ、次いでヒドロキシル基の保護基をはずし、所望によりハロゲン化、トシル化、メシル化等の脱離基の導入又はアルコールの酸化を行うことで式(V)で表される化合物とする。
本反応に用いる塩基としては、水素化ナトリウムもしくは水素化カルシウムの如き水素化アルカリ金属又は水素化アルカリ土類金属類が好ましい。
【0016】
(方法B) 式(IV)で表される化合物に、溶媒中、塩基の存在下にトリフェニルホスホニウムブロマイド等を反応させて対応するカルボン酸とした後、所望によりエステル化又はアミド化し、次いでヒドロキシル基の保護基をはずし、所望によりハロゲン化、トシル化、メシル化等の脱離基の導入又はアルコールの酸化を行うことで式(VI)で表される化合物とする。
本反応に用いる塩基としては、例えばn−ブチルリチウム、水素化ナトリウム、t−ブトキシカリウムなどが挙げられる。溶媒としては、例えばエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、t−ブタノール又はこれらの溶媒から選ばれた2種以上の混合溶媒が挙げられる。この反応は乾燥不活性ガス(例えば窒素ガス、アルゴンガスなど)雰囲気下に行うのがよい。反応温度は−10〜80℃、好ましくは60〜70℃である。
【0017】
また、式(I)で表される化合物は、式(II)で表される化合物と式(IV)で表される化合物を前記の製造法1と同様の方法で反応させて得られた化合物を用い、この化合物を製造法A又は製造法Bと同様に処理することにより製造することもできる。
これらの方法で得られた式(I)の化合物は公知の処理手段(例えば、抽出、クロマトグラフィー、再結晶等)によって、単離、精製することができる。
式(I)で表される本発明化合物は、不斉炭素原子を有するため光学異性体が存在するが、本発明ではいずれの光学異性体も、また異性体混合物も含まれる。また、本発明では光学異性体の他に更に幾何異性体が存在するが、本発明ではいずれの異性体も、また異性体混合物も含まれる。また、異性体混合物は必要に応じ分別結晶化法又はクロマトグラフィー等によって、それぞれの異性体に分離することができる。
【0018】
本発明に係る化合物は、PAF拮抗作用及びトロンボキサン合成阻害作用を有することからアレルギー性疾患、炎症性疾患、過分泌性疾患、虚血疾患、血栓閉塞疾患、動脈硬化症、肺高血圧症、胃潰瘍又は乾癬等の治療剤として有用である。
本発明に係る化合物をアレルギー性疾患、炎症性疾患等の治療剤として使用する場合には、経口又は非経口などの適当な投与方法により投与することができる。経口投与用の形態としては、例えば錠剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、散剤などが、また、非経口投与用の形態としては、例えば、注射剤、吸入剤、座剤、液剤などが挙げられる。これらの製剤は、本発明の化合物又はその薬理学上許容しうる塩と担体を用い常法に従い調製することができる。
【0019】
例えば、経口剤の場合には乳糖、ブドウ糖、コーンスターチ、ショ糖などの賦形剤、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロースなどの崩壊剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、硬化油などの滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ゼラチン、アラビアゴムなどの結合剤、グリセリン、エチレングリコールなどの湿潤剤、その他必要に応じて界面活性剤、矯味剤などを使用して所望の投与剤型に調製することができる。また、非経口剤の場合には、水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、寒天、トラガラントガム、などの希釈剤を用いて、必要に応じて溶解補助剤、緩衝剤、保存剤、香料、着色剤などを使用することができる。
【0020】
本発明の化合物を抗アレルギー剤として処方する場合、その投与単位は本発明化合物として、成人一人当たり、経口投与の場合、1日1〜300mg、好ましくは1〜100mg、非経口投与の場合、1日0.1〜100mg、好ましくは0.5〜30mgの範囲で投与され、それぞれ1日1〜3回の分割投与により所望の治療効果が期待できる。
【0021】
【実施例】
次に本発明に係る化合物の合成例、製剤例、試験例を実施例として示す。
(合成例)
以下に本発明の代表的な実施例を示すが、本発明がそれらにのみ限定されることがないことは言うまでもない。
尚、文中 1 H-NMRのデータは、TMSを内部標準としたシグナルを示し、LAHは水素化リチウムアルミニウムを、HOBTは1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを、DCCはジシクロヘキシルカルボジイミドを、THFはテトラヒドロフランをDMFはN,N−ジメチルホルムアミドを示す。
【0022】
実施例1
(化合物1)6−(2−クロロフェニル)−3−[2−[((E/Z)−4−エトキシカルボニルブチルオキシイミノ)(3−ピリジル)メチレン]フェニルカルボニル]−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
【0023】
【化5】
【0024】
(1)6−(2−クロロフェニル)−3−[2−(3−ピリジルカルボニル)フェニルカルボニル]−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピンの合成
【0025】
【化6】
【0026】
6−(2−クロロフェニル)−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン1g、3−(2−カルボキシフェニルカルボニル)ピリジン650mgをTHF30mlで懸濁させた後、HOBT390mgを加え、氷冷下で攪拌した。同反応条件下でDCC590mgを加え1時間攪拌した。さらに反応液を1時間室温で攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液加え、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過、減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=30:1)で精製することにより、目的化合物1.3gを得た。
【0027】
(2)(1)で得た化合物1gに、塩酸ヒドロキシルアミン140mgのエタノール20ml溶液、ピリジン1mlを加え、2時間加熱還流後、減圧乾燥し、DMF30mlを加え、氷冷下60%水素化ナトリウム130mgを少しずつ加えた。反応液を室温で1時間攪拌後、5−ブロモ吉草酸エチル690mg加え、同反応条件下で2時間攪拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗後、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=30:1)で精製することにより、目的化合物(化合物1)100mgを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ;
1.2−1.3(m,3H),1.4−2.3(m,12H),2.69(s,3H),3.3−5.2(m,8H),7.2−7.8(m,10H),8.6−8.7(m,2H)
【0028】
実施例2
(化合物2)6−(2−クロロフェニル)−3−[3−[((E/Z)−4−エトキシカルボニルブチルオキシイミノ)(3−ピリジル)メチル]フェニルカルボニル]−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
(1)(E/Z)−5−[[3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル)フェニル−3−ピリジル]メチレンアミノオキシ]ペンタンカルボン酸エチルの合成
[3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル)フェニル](3−ピリジル)ケトン16.6g、塩酸ヒドロキシルアミン5.1gにエタノール100ml、ピリジン5mlを加え、2時間加熱還流後、減圧乾燥し、DMF100ml加え、氷冷下60%水素化ナトリウム2.9gを少しずつ加えた。これを室温で1時間攪拌後、5−ブロモ吉草酸エチルを15.3g加え、同反応条件下で2時間攪拌した。これに水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、水洗後、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮した。目的化合物を29.0g得た。
【0029】
(2)(E/Z)−5−[[[3−(ヒドロキシメチル)フェニル−3−ピリジル]メチレン]アミノオキシ]ペンタンカルボン酸エチルの合成
(1)で得た化合物29gのTHF溶液150mlにテトラブチルアンモニウムフルオリド水和物19gを加え、室温で2時間攪拌した。反応終了後、水、酢酸エチルを加え、生成物を抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで脱水後、濾過、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=50:1)で精製することにより、目的化合物14.7gを得た。
【0030】
(3)(E/Z)−5−[[(3−カルボキシフェニル−3−ピリジル)メチレン]アミノオキシ]ペンタンカルボン酸エチルの合成
(2)で得た化合物8.3gの90%アセトン水溶液20mlに過マンガン酸カリウム7.3gを加え、室温で30分攪拌した。反応終了後、メタノールを加え30分攪拌後、固体を濾別し、アセトンで洗浄した。濾液を減圧濃縮後、水、1N塩酸を加えpH5.5とした後、酢酸エチルを加え生成物を抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで脱水後、濾過、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=30:1→10:1)で精製することにより、目的化合物4.6gを得た。
【0031】
(4) (3)で得た化合物を用い、実施例1(1)と同様な方法により目的化合物(化合物2)を製造した。
1H−NMR(CDCl3)δ;
1.2−1.3(m,3H),1.4−1.8(m,6H),2.13(d,3H,J=6.8Hz),2.31(t,2H,J=7.6Hz),2.69(s,3H),3.3−3.7(m,3H),4.1−4.2(m,2H),4.21(t,2H,J=6.4Hz),4.29(q,1H,J=6.8Hz),4.5−4.8(m,2H),5.0−5.2(m,1H),7.2−7.8(m,10H),8.5−8.7(m,2H)
【0032】
実施例3
(化合物3)6−(2−クロロフェニル)−3−[4−[((E/Z)−4−エトキシカルボニルブチルオキシイミノ)(3−ピリジル)メチル]フェニルカルボニル]−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
実施例2と同様な方法で製造した。
1H−NMR(CDCl3)δ;
1.2−1.3(m,3H),1.6−2.4(m,12H),2.69(s,3H),3.3−5.2(m,8H),7.2−7.5(m,9H),7.69,7.81(各d,合わせて1H,J=8.0Hz),8.6−8.7(m,2H)
【0033】
実施例4
(化合物4)6−(2−クロロフェニル)−3−[4−[((E/Z)−4−エトキシカルボニルブチルオキシイミノ)(3−ピリジル)メチル]フェニルメチルカルボニル]−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
3−(2−カルボキシフェニルカルボニル)ピリジンの代わりに3−(4−カルボキシメチルフェニルカルボニル)ピリジンを用い実施例1と同様な方法で製造された。
1H−NMR(CDCl3)δ;
1.25(t,3H,J=6.8Hz),1.6−2.5(m,12H),2.69(s,3H),3.3−5.3(m,10H),6.8−7.7(m,9H),7.70,7.82(各d,合わせて1H,J=7.6Hz),8.6−8.7(m,2H)
【0034】
実施例5
(化合物5)6−(2−クロロフェニル)−3−[3−[3−[((E/Z)−4−エトキシカルボニルブチルオキシイミノ)(3−ピリジル)メチル]フェニル]プロピルカルボニル]−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
(1)4−(3−ブロモフェニル)ブタノールの合成
3−ブロモベンズアルデヒドと2−カルボキシエチルトリフェニルホスホニウムブロマイドを反応させることにより4−(3−ブロモフェニル)−3−ブテンカルボン酸を合成し、さらにこの化合物をエステル化した後、還元することにより目的化合物を合成した。
【0035】
(2)4−[3−(3−ピリジルカルボニル)フェニル]ブタン酸の合成
4−(3−ブロモフェニル)ブタノールと3−ピリジルアルデヒドを反応させて4−[3−(3−ピリジルカルボニル)フェニル]ブタノールを合成し、次いで実施例2(3)と同様な方法で酸化することにより目的化合物を合成した。
(3) (2)で得られた化合物を用い実施例1と同様な方法で目的化合物(化合物5)を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ;
1.24(t,3H,J=6.8Hz),1.6−1.8(m,10H),2.0−2.1(m,3H),2.30(t,3H,J=7.6Hz),2.69(s,3H),3.3−5.2(m,10H),7.2−7.7(m,10H),8.5−8.7(m,2H)
【0036】
実施例6
(化合物6)6−(2−クロロフェニル)−3−[4−[((E/Z)−4−エトキシカルボニルブチルオキシイミノ)(3−ピリジル)メチル]フェニルメチルオキシメチルカルボニル]−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
(1)3−[4−(エトキシカルボニルメチルオキシメチル)フェニルカルボニル]ピリジンの合成
3−[4−(ヒドロキシメチル)フェニルカルボニル]ピリジン666mgの DMF溶液10mlに、氷冷下60%水素化ナトリウム150mgを少しずつ加えた。反応液を室温で1時間攪拌後、2−ブロモ酢酸エチルを0.4ml加え、同反応条件下で3時間攪拌した。反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄後、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過、減圧濃縮して、目的化合物336mgを得た。
【0037】
(2)3−[4−(カルボキシメチルオキシメチル)フェニルカルボニル]ピリジンの合成
(1)で得た化合物336mgに0.5M 水酸化ナトリウム水溶液10ml、メタノール5mlを加え、室温で1時間攪拌した。反応終了後、濃縮し、1N塩酸を加え、pH4とした後、析出した固体を濾別し水で洗浄して、目的化合物278mgを得た。
【0038】
(3) 実施例1と同様な方法で目的化合物(化合物6)を製造した。
1H−NMR(CDCl3)δ;
1.2−1.3(m,3H),1.5−2.9(m,18H),3.3−5.2(m,9H),6.8−7.9(m,10H),8.6−8.7(m,2H)
【0039】
実施例7
(化合物7)6−(2−クロロフェニル)−3−[3−[((E/Z)−4−エトキシカルボニルブチルオキシイミノ)(3−ピリジル)メチル]フェニルメチル]−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
(1)(E/Z)−5−[[(3−ピリジル−3−メタンスルホニルオキシメチルフェニル)メチレン]アミノオキシ]ペンタンカルボン酸エチルの合成
(E/Z)−5−[[(3−ピリジル−3−ヒドロキシメチルフェニル)メチレン]アミノオキシ]ペンタンカルボン酸エチル(実施例2と同様な方法で製造された)1gのジクロロメタン溶液10mlにトリエチルアミン0.4gを加え、アルゴン気流中、氷冷下メシルクロライド0.26mlを滴下した。室温で1時間攪拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機層を分離後、硫酸ナトリウムで脱水し減圧濃縮して、目的化合物1.2gを得た。
【0040】
(2) 6−(2−クロロフェニル)−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン1.5gと、(1)で得た化合物2.0gのDMF溶液20mlに炭酸カリウムを1.3g、18−クラウン−6を619mg加え、70℃で2時間攪拌した。反応終了後、水、酢酸エチルを加え抽出した。有機層をブラインで洗浄後、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=30:1)で精製することにより、目的化合物(化合物7)930mgを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ;
1.24(t,3H),1.6−1.9(m,6H),2.1−2.2(m,3H),2.32(t,2H),2.67(d,3H),3.1−4.1(m,3H),4.11(q,2H),4.22(q,2H),4.30(q,1H),4.4−5.3(m,3H),7.2−7.6(m,9H),7.71,7.84(各d,合わせて1H),8.6−8.7(m,2H)
【0041】
実施例8
(化合物8)6−(2−クロロフェニル)−3−[3−[((E/Z)−4−カルボキシブチルオキシイミノ)(3−ピリジル)メチル]フェニルメチル]−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
470mgの化合物7に1M水酸化ナトリウム2ml、メタノール2mlを加え、室温で1時間攪拌した。反応終了後、氷冷下で1N塩酸を滴下し、pH5.5に調整した。これに酢酸エチルを加え生成物を抽出した後、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=30:1)で精製することにより、目的化合物(化合物8)145mgを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ;
1.7−1.8(m,6H),2.12(d,3H),2.36(t,2H),2.68,(d,3H),3.1−4.0(m,3H),4.23(t,2H),4.28(q,1H),4.3−5.3(m,3H),7.2−7.7(m,9H),7.72,7.83(各d,合わせて1H),8.5−8.7(m,2H)
【0042】
実施例9
(化合物9)6−(2−クロロフェニル)−3−[4−[((E/Z)−4−エトキシカルボニルブチルオキシイミノ)(3−ピリジル)メチル]フェニルメチル]−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
実施例7と同様な方法で製造された。
1H−NMR(CDCl3)δ;
1.24(t,3H),1.6−2.7(m,16H),3.5−3.8(m,4H),4.13(q,2H),4.1−4.3(m,3H),7.2−7.5(m,9H),7.72,7.84(各d,合わせて1H),8.5−8.7(m,2H)
【0043】
実施例10
(化合物10)6−(2−クロロフェニル)−3−[3−[((E/Z)−5−エトキシカルボニルペンチリデン)(3−ピリジル)メチル]フェニルメチル]−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
実施例7(2)と同様な方法で製造された。
1H−NMR(CDCl3)δ;
1.2−1.3(m,3H),1.4−1.9(m,4H),1.9−2.6(m,11H),2.67(d,3H),3.1−4.0(m,3H),4.12(q,2H),4.29(q,1H),4.3−5.3(m,1H),6.0−6.2(m,1H),7.0−7.5(m,10H),8.4−8.6(m,2H)
【0044】
実施例11
(化合物11)6−(2−クロロフェニル)−3−[4−[((E/Z)−5−エトキシカルボニルペンチリデン)(3−ピリジル)メチル]フェニルメチル]−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
実施例7と同様な方法で製造された。
1H−NMR(CDCl3)δ;
1.2−1.3(m,3H),1.4−1.9(m,4H),1.9−2.8(m,14H),3.1−5.2(m,7H),6.0−6.2(m,1H),7.1−7.5(m,10H),8.44(s,1H),8.56(d,1H)
【0045】
実施例12
(化合物12)6−(2−クロロフェニル)−3−[4−[3−[((E/Z)−4−エトキシカルボニルブチルオキシイミノ)(3−ピリジル)メチル]フェニル]ブチル]−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
実施例5及び7と同様な方法で製造された。
1H−NMR(CDCl3)δ;
1.24(t,3H),1.5−1.8(m,12H),2.13(d,3H),2.2−2.4(m,2H),2.5−2.8(m,2H),2.68(s,3H),3.0−4.9(m,6H),4.11(q,2H),4.21(t,2H),4.28(q,1H),7.1−7.6(m,9H),7.6−7.7,7.83(各m,d,合わせて1H),8.5−8.7(m,2H)
【0046】
実施例13
(化合物13)6−(2−クロロフェニル)−3−[3−[((E/Z)−4−(2−モルホリノエトキシカルボニル)ブチルオキシイミノ)(3−ピリジル)メチル]フェニルメチル]−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
実施例7と同様な方法で製造された。
1H−NMR(CDCl3)δ;
1.6−1.8(m,5H),2.1−2.2(m,4H),2.33(t,2H),2.4−2.7(m,11H),3.5−3.7(m,7H),4.1−5.2(m,6H),7.2−7.4(m,9H),7.6−7.8(m,1H),8.5−8.6(m,2H)
【0047】
実施例14
(化合物14)6−(2−クロロフェニル)−3−[3−[((E/Z)−4−ベンジルオキシカルボニルブチルオキシイミノ)(3−ピリジル)メチル]フェニルメチル]−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
実施例7と同様な方法で製造された。
1H−NMR(CDCl3)δ;
1.6−1.7(m,5H),2.1−2.2(m,4H),2.37(t,2H),2.49−2.52(m,1H),2.65−2.68(m,4H),3.1−4.0(m,3H),4.2−4.3(m,3H),4.4−5.2(m,1H),5.09(d,2H),7.2−7.4(m,14H),7.82,7.68(各d,合わせて1H),8.5−8.6(m,2H)
【0048】
実施例15
(化合物15)6−(2−クロロフェニル)−3−[3−[((E/Z)−4−プロピルアミノカルボニルブチルオキシイミノ)(3−ピリジル)メチル]フェニルメチル]−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
実施例7と同様な方法で製造された。
1H−NMR(CDCl3)δ;
0.89(t,3H),1.4−1.7(m,7H),2.1−2.6(m,6H),2.5−2.7(m,5H),3.1−3.2(m,2H),3.4−4.0(m,3H),4.2−4.3(m,3H),4.4−5.5(m,2H),7.2−7.4(m,9H),7.00,7.82(各d,合わせて1H),8.5−8.6(m,2H)
【0049】
実施例16
(化合物16)6−(2−クロロフェニル)−3−[3−[((E/Z)−4−(3−(3−ピリジル)プロピルオキシカルボニル)ブチルオキシイミノ)(3−ピリジル)メチル]フェニルメチル]−8,11−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−8H−ピリド[4’,3’:4,5]チエノ[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン
実施例7と同様な方法で製造された。
1H−NMR(CDCl3)δ;
1.68−1.73(m,5H),1.9−2.0(m,2H),2.1−2.2(m,1H),2.11(d,3H),2.32(t,2H),2.48−2.55(m,1H),2.66−2.74(m,3H),2.67(d,3H),3.5−3.7(m,3H),4.08(q,2H),4.1−4.2(m,2H),4.27(q,1H),4.3−5.2(m,1H),7.2−7.5(m,11H),7.6−7.8(m,1H),8.4−8.6(m,4H)
以下に、実施例で得られた化合物の構造を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
(製剤例)
実施例17(錠剤の調製)
本発明化合物(化合物1) 250g
乳糖 620g
コーンスターチ 400g
ヒドロキシプロピルセルロース 20g
ステアリン酸マグネシウム 10g
上記の本発明化合物、乳糖及びコーンスターチを均一になるまで混合した後、ヒドロキシプロピルセルロースの5W/V%エタノール溶液を加えて練合、顆粒化する。16メッシュの篩に通し整粒した後、常法により打錠し、1錠当たりの重量130mg、直径 7mm、主薬含量25mgの錠剤とした。
【0052】
(試験例)
試験例1
PAF拮抗作用試験
日本白色ウサギ(2.5-3.0kg、クリーン実験動物センター)を用い、頸動脈よりペントバルビタール麻酔下に3.8%クエン酸ナトリウム1容に対し9容を採血し、1000rpm、室温で10分間遠心分離した上層を多血小板血漿(PRP)とし、下層をさらに3000rpm、室温で10分間遠心分離して乏血小板血漿(PPP)を得た。PRP90μlに対して被験化合物5μl(最終濃度10-7M)を加え、37℃で3分間インキュベーション後、血小板活性化因子(PAF,最終濃度17nM)を加え凝集を惹起させ、凝集反応をアグリゴメーター(MCメディカル、PAT-606)を用いて5分間測定した。
試験結果を表2に示した。
【0053】
試験例2
TxA2合成阻害作用試験
ヒト血小板ミクロソーム(50μg protein/ml)と被験化合物(最終濃度10-7M)とを含む緩衝液(20mM Tris-HCl buffer、1mM EDTA、PH 7.5)1mlを攪拌後、0℃で30分間インキュベーションした。これにプロスタグランジンH2(100ng/2μl)を加え、23℃で3分間インキュベーションを行い反応させた。次いで1M塩酸を加え、酸性にして反応を停止させた後、1M Tris-Baseで中和し、3000rpmで20分間遠心分離し、その上清中のTxB2量をEIA法(Cayman社製キット)により測定した。
尚、対照薬として、PAF拮抗作用を有するUK−74,505と、TxA2合成阻害作用を有するOKY−046を用いた。
試験結果を表2に示した。表2より、本発明化合物はPAF拮抗作用及びTxA2合成阻害作用を併有することが分かる。
【0054】
【表2】
【0055】
試験例3
急性毒性試験
上記の試験例2で用いた本発明化合物をラット(3〜4匹)又はマウス(5〜8匹)に経口投与した場合、10mg/kgの投与量ではいずれの化合物も死亡例がなかった。また、化合物4及び化合物6をそれぞれマウス(6匹)に静脈内投与した場合、10mg/kgの投与量ではいずれも死亡例がなかった。
【0056】
【発明の効果】
本発明化合物はPAF拮抗作用及びTxA2合成阻害作用を併有し、アレルギー症及び炎症などに対する改善作用を示す。
また、本発明化合物の毒性は低く、経口及び非経口投与のどちらにおいても効果を示すことから、人に使用するための医療用薬剤としても有用である。
Claims (7)
- AがCO−CH2、CO−CH2OCH2又はC1〜C4のアルキレン基を表し、RがC1〜C3の低級アルキルオキシ基(N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、ピリジル基、モルホリノ基、ピペラジノ基又はイミダゾリル基で置換されていてもよい)を表し、R1がメチル基を表す請求項1記載のトリアゾロ−1,4−ジアゼピン系化合物。
- Aがメチレン基を表し、nが4を表す請求項2記載のトリアゾロ−1,4−ジアゼピン系化合物。
- RがC1〜C3の低級アルキルオキシ基を表す請求項2又は請求項3記載のトリアゾロ−1,4−ジアゼピン系化合物。
- 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のトリアゾロ−1,4−ジアゼピン系化合物又はその水和物或いはこれらの薬理学上許容しうる塩と担体とを含んでなる医薬組成物。
- 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のトリアゾロ−1,4−ジアゼピン系化合物又はその水和物或いはこれらの薬理学上許容しうる塩を有効成分とする血小板活性化因子(PAF)拮抗剤又はトロンボキサンA2(TxA2)合成阻害剤。
- 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のトリアゾロ−1,4−ジアゼピン系化合物又はその水和物或いはこれらの薬理学上許容しうる塩を有効成分とするアレルギー性疾患、炎症性疾患、過分泌性疾患、虚血疾患、血栓閉塞疾患、動脈硬化症、肺高血圧症、胃潰瘍又は乾癬の治療剤。
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