JP3753302B2 - カッタ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ロール紙に所定事項を印字する、例えばレシートプリンタ等に用いられて印字後のロール紙を所定の長さにカットするカッタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レシートプリンタ等に用いられて印字後のロール紙を所定の長さにカットするカッタ装置の従来の一例としては、図3ないし図5に例示するようなカッタ装置が知られている。
【0003】
図3は、従来のカッタ装置を含むレシートプリンタの一例を概略的に示す縦断側面図である。このレシートプリンタは、ロール紙101を用い、このロール紙101を所定の用紙経路102に案内し、印字部103によって前記ロール紙101に所定事項を印字し、カッタ装置104によって印字後の前記ロール紙101をカットし単票として発行する構造である。ここで、前記印字部103は、前記用紙経路102に沿って配置されたプラテン105と、このプラテン105に前記用紙経路102を介して対向配置された例えばラインサーマルヘッド等の印字ヘッド106とによって構成されている。
【0004】
図4は、前記カッタ装置104の分解斜視図である。前記カッタ装置104は、所定のカット刃設置空間107(図3参照)を介して対向配置された一対のカッタフレーム108a,108bに、固定刃109及び可動刃110からなる刃部111、並びに、図5に基づいて後述する前記可動刃110の駆動機構112が取り付けられて構成されている。そして、このようなカッタ装置104は、前記印字部103よりも前記用紙経路102の下流側に位置する搬送ローラ113により前記用紙経路102内を案内搬送されるロール紙101を通過させるための用紙通路114を備える。この用紙通路114は、下方(前記印字部103側)に位置する一方のカッタフレーム108aから前記カット刃設置空間107を経て上方(単票発行口側)に位置するもう一方のカッタフレーム108bに抜けている。そして、前記刃部111における固定刃109は、前記カット刃設置空間107内に位置するよう下方に位置する一方のカッタフレーム108aに固定的に取り付けられ、前記用紙通路114にまで延出して当該用紙通路114に沿い配置されている(図4及び図5参照)。また、前記刃部111における可動刃110は、前記カット刃設置空間107内に位置するよう、下方に位置する一方のカッタフレーム108aにおいて支軸12に回動自在に取り付けられている。このような可動刃110は、その初期位置では前記用紙通路114から退避しており、前記支軸12を軸にして回動することにより前記カッタフレーム108a上を摺動し、前記用紙通路114に進入して最終的に前記固定刃109に鋏のように噛み合うよう構成されている。
【0005】
図5は、前記カッタ装置104が備える駆動機構112の分解斜視図である。下方に位置する一方のカッタフレーム108aには、初期位置(待避位置)と前記固定刃109に噛み合う位置との間で摺動する前記可動刃110の後端可動範囲に対応させて挿通孔115が形成され、この挿通孔115に対応する可動刃110の後端位置には凹溝116が形成されている。そして、前記挿通孔115を挿通して前記凹溝116に係合し、回動することにより前記可動刃110を駆動させる駆動片117を有するカムが回動自在に設けられている。この駆動片117を有するカムは、前記カッタフレーム108と平行で前記用紙通路114と直交する方向に向けられた軸118に軸支されている。また、この軸118と同一方向に配置されたカム軸119に固定された板カム120が設けられ、前記駆動片117はその板カム120を原動節とする従動節として動作する。そして、前記カム軸119は、このカム軸119の側と一方のカッタフレーム108の側との間に掛け渡されたコイルスプリング121によって一方向に付勢されており、この付勢力によりカム軸119が回転駆動されて板カム120が回動することで駆動片117が回動し、これに応じて可動刃110が固定刃109に噛み合うよう回転駆動されるように各部が設定されている。
【0006】
ここで、前記カッタ装置104が備える前記駆動機構112には、必要な場合、つまり、前記カッタ装置104を作動させる場合にのみ前記コイルスプリング121の付勢力を前記カム軸119に作用させるためのトリガ機構122が設けられている。このトリガ機構122は、前記カム軸119の一端部に固定したトリガギヤ123の回転をソレノイド124の駆動状態に応じて可動するトリガ片125によって規制する、という構造である。つまり、前記ソレノイド124がオフの状態では、前記トリガ片125は図示しないリーフスプリング等の付勢部材によって前記トリガギヤ123をラッチしその回転を阻止する方向に付勢されており、この状態で前記ソレノイド124がオンになると、前記トリガ片125による前記トリガギヤ123のラッチが外れ、これによって前記コイルスプリング121の付勢力によりカム軸119が回転駆動されるように構成されている。
【0007】
なお、図示しないが、前記カッタ装置104が備える前記駆動機構112では、前記固定刃109に噛み合った後の前記可動刃110を初期位置に復帰させるための手段として、モータ等の駆動源により、前記カム軸119を逆方向に回転駆動するということが行なわれる。
【0008】
このような構成において、レシートプリンタは、印字部103によって一取引分のレシート印字をロール紙101に対して行なうと、図示しない制御部では、例えばレシートカットコマンド等に従い、ロール紙101をカット位置まで搬送した後、カッタ装置104によってロール紙101をカットする。
【0009】
その詳細としては、用紙経路102から用紙通路114を挿通するロール紙101をカット位置まで搬送した後、ソレノイド124に通電してソレノイド124を駆動する。これにより、トリガ片125によるトリガギヤ123のラッチが外れ、コイルスプリング121の付勢力によってカム軸119が回転駆動される。すると、図5に例示する状態から板カム120が反時計方向に回動し、これに応じて駆動片117が図5中の時計方向に回動し、これによって可動刃110が初期位置から固定刃109に噛み合う方向に回動する。こうして、可動刃110は用紙通路114に進入して固定刃109に噛み合い、その過程で用紙通路114を挿通しているロール紙101をカットする。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図3ないし図5に例示したカッタ装置104は、ロール紙101を所定位置でカットする構造であり、したがって、ロール紙101の使用を前提としている。ロール紙101は、図3に示すように、ロール状に巻回されて保持されていることから、どうしても巻き癖が付いてしまう。このため、用紙経路102及び用紙通路114においては、ロール紙101の先端部をそれぞれの経路から外れないようにロール紙101の進行方向を規制する必要がある。
【0011】
ところが、用紙通路114においては、その構造上、ロール紙101の巻き癖によってカールするロール紙101の先端部がカット刃設置空間107に対する入口空間126(図3参照)からカット刃設置空間107に入り込んでしまうことがあるという問題がある。このように、ロール紙101の先端部が入口空間126からカット刃設置空間107に入り込んでしまうと、適正なレシート発行動作ができなくなるばかりか、用紙ジャム等の不都合が生ずることもある。
【0012】
特に、可動刃110は、固定刃109との噛み合いによる切れ味を維持する目的で、例えばリーフスプリング127等によってその浮き上がりが抑制されている。ところが、このような構造が採用された場合には、リーフスプリング127等の構造物(図4及び図5参照)が可動刃110の上方に位置することになり、その設置空間分だけ一方の可動刃110とカッタフレーム108bとの間に隙間が生じてしまう。この場合には、図3に例示するように、その隙間にロール紙101の先端部が入り込み易くなってしまう。
【0013】
もっとも、用紙通路114から入口空間126を経てカット刃設置空間107にロール紙101の先端部が入り込む方向は、ロール紙101の巻き癖に依存する。つまり、ロール紙101は、その先端部がカールしている方向に進行しようとするため、ロール紙101は、その方向に位置する入口空間126からカット刃設置空間107に入り込もうとする。したがって、ロール紙101として、図3に例示するような内巻き用紙ではなく、外巻き用紙が用いられる場合には、図3のカッタ装置104を例に挙げるとすると、ロール紙101の先端部は固定刃109が配置されている方のカット刃設置空間107に入り込もうとする。
【0014】
さらに、ロール紙101の先端部は、可動刃110又は固定刃109と上方に位置する一方のカッタフレーム108bとの間に限らず、可動刃110と下方に位置するもう一方のカッタフレーム108aとの間に入り込む可能性もある。
【0015】
本発明の目的は、カッタ装置に設けられた用紙通路に進入したロール紙の先端部がカット刃設置空間に入りこむことを防止することである。
【0016】
本発明の目的は、装置の構造・機構の複雑化を防止することである。
【0017】
本発明の目的は、カッタ装置内での用紙ジャムの発生を阻止することである。
【0018】
本発明の目的は、用紙の適正な印字発行を妨げないことである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のカッタ装置の発明は、所定のカット刃設置空間を介して対向配置された一対のカッタフレームと、一対の前記カッタフレームと前記カット刃設置空間とに形成されて印字後のロール紙を通過させる用紙通路と、前記カット刃設置空間内で前記用紙通路に沿って配置された固定刃と、前記カット刃設置空間内で前記用紙通路を介して前記固定刃に噛み合うように揺動自在に取り付けられた可動刃と、前記可動刃を動作させるための駆動機構と、前記可動刃側に位置する回動支点を中心に回動自在に取り付けられ、回動することによって前記用紙通路から前記可動刃が位置する前記カット刃設置空間へ連なる入口空間を案内片で開閉自在に覆い、当該入口空間に前記ロール紙がその巻き癖によって入り込もうとすることを防止するカバーと、前記用紙通路に対する前記可動刃の進入前位置では前記入口空間を閉鎖し、前記用紙通路に対する前記可動刃の進入後位置では前記入口空間を開放するように、前記駆動機構による前記可動刃の動作に前記カバーの動作を連動させる連動機構と、を具備し、前記案内片は、前記カバーの回動に伴い、一方の前記カッタフレームに形成された用紙通路から前記カット刃設置空間に位置する用紙通路を経てもう一方の前記カッタフレームに形成された用紙通路の壁面に先端部が当接することで前記入口空間を閉鎖する位置と、前記先端部が前記入口空間を開放する位置と、の間を移動自在であり、前記案内片の前記用紙通路に対面する表面は、当該用紙通路に進入したロール紙の先端部を排出方向に導く案内面となり、前記連動機構は、前記入口空間を閉鎖する方向に前記カバーを付勢する付勢手段を備え、前記付勢手段による前記カバーの付勢によって前記入口空間を閉鎖し、前記連動機構は、前記カバーにその回動支点を挟んで前記案内片と反対側に形成された押圧片と、前記可動刃の一面から突出形成されて前記固定刃に対する噛み合い方向への当該可動刃の移動に伴い前記案内片を押圧する押圧部と、を備え、前記押圧部による前記押圧片の押圧によって前記入口空間を開放する方向に前記カバーを回動させて前記入口空間を開放する。
【0020】
したがって、用紙通路に進入した印字後のロール紙の先端部は、その巻き癖によって、カールしている方向に進行しようとし、これによって、その進行方向に位置する入口空間からカット刃設置空間に入り込もうとする。これに対し、用紙通路に印字後のロール紙が進入する際には、可動刃が初期位置に位置付けられたままなので、入口空間がカバーによって閉鎖され、入口空間に対するロール紙の先端の進入が防止される。そして、連動機構により、固定刃の方向に進行する可動刃の回動動作に連動してカバーが回動し、入口空間が開放される。これにより、回動する可動刃に対するカバーの干渉が防止される。
【0022】
また、ロール紙の先端部が案内面に案内され、入口空間に対するロール紙の先端の進入が確実に防止される。
【0023】
さらに、カバーは、付勢手段によって入口空間を閉鎖する方向に付勢されていることから、カバーを開閉する際、カバーを開放する場合にのみ、可動刃の回動動作にカバーの回動動作を連動させればよい。これにより、用紙通路への進入動作に伴い入口空間を開放する方向にカバーを回動させるだけの構成で良くなり、構造が簡略化する。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1及び図2、必要に応じて図3ないし図5に基づいて説明する。図1はカッタ装置の分解斜視図、図2はそのカッタ装置の縦断側面図である。なお、図3ないし図5に基づいて説明した部分と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。
【0025】
本実施の形態の概略としては、下方に位置する前記カッタフレーム108aに前記可動刃110が収納されている側の前記入口空間126を開閉自在に覆うカバー1が回動自在に設けられ、このカバー1が前記可動刃110の回動動作に連動して前記入口空間126を開閉するようにする連動機構2が設けられている。つまり、このカバー1は、前記用紙通路114から前記可動刃110が位置する前記カット刃設置空間107へ連なる入口空間126を開閉自在に覆う。また、前記連動機構2は、前記用紙通路114に対する可動刃110の進入前位置では前記入口空間126を閉鎖し、前記用紙通路114に対する可動刃110の進入後位置では前記入口空間126を開放するように、前記駆動機構112による前記可動刃110の動作に前記カバー1の動作を連動させる。以下、その構造及び作用を詳細に述べる。
【0026】
まず、下方に位置する前記カッタフレーム108aには、前記用紙通路114を構成するための用紙通路用孔3に隣接させて、この用紙通路用孔3と用紙幅方向は同一であるがその直交方向に広いカバー用孔4が形成されている。そして、このカバー用孔4の用紙幅方向両側縁には、直角に折り曲げ形成されて一対のカバー取付片5が設けられている。これらのカバー取付片5に取り付けられる前記カバー1の両側部にも、それらのカバー取付片5に対応する取付片6が折り曲げ形成されている。そして、前記カッタフレーム108a側の一対のカバー取付片5と前記カバー1側の一対の取付片6とには、それぞれ一対ずつのカバー軸孔7a,7bが形成されており、これらのカバー軸孔7a,7bにはカバー軸8が貫通している。ここで、前記カッタフレーム108a側の前記カバー取付片5に形成された前記カバー軸孔7aは、前記カバー軸8よりも僅かに小径に形成されており、これにより、前記カバー軸8はそれらのカバー軸孔7aに圧入された状態となっている。これに対し、前記カバー1側の取付片6に形成されたカバー軸孔7bは、前記カバー軸8よりも僅かに大径に形成されており、これにより、前記カバー1は前記カバー軸8の回りを回動自在に取り付けられている。
【0027】
次いで、前記カバー軸8の一端側の周囲には、カバー付勢用の付勢手段としてのコイルスプリング9が巻き付くような状態で設けられており、このコイルスプリング9の一端は前記カッタフレーム108a側の一方の前記カバー取付片5に形成された小孔5aに挿入固定され、コイルスプリング9の他端はカバー1側の一方の取付片6に形成された小孔6aに挿入固定されている。その結果、前記コイルスプリング9の復元力により前記カバー1が付勢され、そのカバー1は、一方のカッタフレーム108aに設けられた前記用紙通路114を構成するための前記用紙通路用孔3を貫通し、それでもなお上方に向けて回動するように付勢されている。このようなコイルスプリング9による前記カバー1の付勢構造は、前記連動機構2の一部を構成する。
【0028】
ここで、前記カバー1は、前記入口空間126を開閉自在に覆うという機能を果たす部分に弧状の案内片10を備え、この案内片10の表面、つまり、前記用紙通路114内で前記ロール紙101に対面する面は、案内面11となっている。この案内面11は、前記ロール紙101の先端部を前記用紙通路114から抜ける方向に案内する面として機能する。そのための構成として、本実施の形態では、前記カバー1が前記入口空間126を閉じた状態で、前記案内片10の先端部が上方に位置する前記カッタフレーム108bに形成された前記用紙通路114の壁面に当接するという構成を備えている。また、前記カバー1の案内片10は、当該カバー1の回動に応じて同一半径の円周上を移動するように構成されており、前記用紙通路114に連絡する用紙経路102の部分では、当該用紙経路102を構成する側壁の先端部が、そのような案内片10の移動軌跡に沿った先端形状を備えている。これにより、前記カバー1の回動位置に拘わらず、前記用紙経路102と前記用紙通路114との間に前記ロール紙101の先端部が進入してしまうような隙間の形成が防止される。
【0029】
次いで、前記コイルスプリング9による前記カバー1の付勢構造により一部が構成される前記連動機構2の残りの一部について説明する。下方に位置する前記カッタフレーム108aに前記支軸12によって回動自在に取り付けられた前記可動刃110には、その下面に押圧部13が突出形成されている。この押圧部13は、前記可動刃110の回動位置に拘わらず、一方のカッタフレーム108aに形成された前記カバー用孔4に対面し、このカバー用孔4を貫通するように位置付けられている。このため、前記押圧部13は、前記可動刃110の回動動作に応じて前記用紙通路114を通過する前記ロール紙101の用紙幅方向と直交する方向に変位することになる。そこで、このような押圧部13の変位軌跡に対応させて、前記カバー1には前記案内片10と反対側に押圧片14が形成されている。ここで、前記可動刃110側の押圧部13と前記カバー1側の押圧片14との配置関係としては、図2に示すように、前記可動刃110が初期位置に位置する場合(実線で示す)にはその押圧部13がカバー1の押圧片14を押圧せず、前記可動刃110が駆動されて前記固定刃109の方向に回動するに従い(二点鎖線で示す)その押圧部13が前記カバー1の前記押圧片14を押圧するように設定されている。したがって、前記カバー1は、前記可動刃110が初期位置に位置する場合には前記入口空間126を閉鎖し、前記可動刃110が前記用紙通路114に進入する際には前記入口空間126を開放するように前記可動刃110に連動して動作する。
【0030】
このような構成において、用紙通路114に進入した印字後のロール紙101の先端部は、その巻き癖によって、カールしている方向、つまり、本実施の形態の場合には可動刃110が収納されているカット刃設置空間107における入口空間126の方向に進行しようとし、これによって、その進行方向に位置する入口空間126からカット刃設置空間107に入り込もうとする。これに対し、用紙通路114に印字後のロール紙101が進入する際には、可動刃110が初期位置に位置付けられたままなので、入口空間126がカバー1によって閉鎖され、入口空間126に対するロール紙101の先端の進入が防止される。そして、連動機構2により、固定刃109の方向に進行する可動刃110の回動動作に連動してカバー1が回動し、入口空間126が開放される。これにより、回動する可動刃110に対するカバー1の干渉が防止される。
【0031】
また、入口空間126がカバー1によって閉鎖された状態では、用紙通路114に進入したロール紙101がカバー1の案内片10に形成された案内面11によって排紙方向へと確実に案内される。
【0032】
さらに、連動機構2は、入口空間126を閉鎖する方向にカバー1を付勢するコイルスプリング9を含んでいるので、カバー1を開閉する際、可動刃110の回動動作にカバー1の回動動作を連動させるだけの構成、つまり、可動刃110が用紙通路114への進入動作に伴い入口空間126を開放する方向にカバー1を回動させるだけの構成で十分に連動機構2が構成され、したがって、構造・機構の簡略化が図られる。
【0035】
【発明の効果】
請求項1記載のカッタ装置の発明によれば、可動刃が初期位置に位置する場合にカット刃設置空間へ連なる入口空間を閉鎖するカバーによって、用紙通路に印字後のロール紙の先端部が進入する際における入口空間からカット刃設置空間へのロール紙の先端部の進入を防止することができ、したがって、ジャムの発生を防止してロール紙による印字発行物の適正な発行動作を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すカッタ装置の分解斜視図である。
【図2】そのカッタ装置の縦断側面図である。
【図3】従来のカッタ装置を含むプリンタの一例を概略的に示す縦断側面図である。
【図4】そのカッタ装置の分解斜視図である。
【図5】カッタ装置が備える駆動機構の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 カバー
2 連動機構
9 付勢手段(コイルスプリング)
11 案内面
101 ロール紙
107 カット刃設置空間
108a,108b カッタフレーム
109 固定刃
110 可動刃
112 駆動機構
114 用紙通路
126 入口空間
Claims (2)
- 所定のカット刃設置空間を介して対向配置された一対のカッタフレームと、
一対の前記カッタフレームと前記カット刃設置空間とに形成されて印字後のロール紙を通過させる用紙通路と、
前記カット刃設置空間内で前記用紙通路に沿って配置された固定刃と、
前記カット刃設置空間内で前記用紙通路を介して前記固定刃に噛み合うように揺動自在に取り付けられた可動刃と、
前記可動刃を動作させるための駆動機構と、
前記可動刃側に位置する回動支点を中心に回動自在に取り付けられ、回動することによって前記用紙通路から前記可動刃が位置する前記カット刃設置空間へ連なる入口空間を案内片で開閉自在に覆い、当該入口空間に前記ロール紙がその巻き癖によって入り込もうとすることを防止するカバーと、
前記用紙通路に対する前記可動刃の進入前位置では前記入口空間を閉鎖し、前記用紙通路に対する前記可動刃の進入後位置では前記入口空間を開放するように、前記駆動機構による前記可動刃の動作に前記カバーの動作を連動させる連動機構と、
を具備し、
前記案内片は、前記カバーの回動に伴い、一方の前記カッタフレームに形成された用紙通路から前記カット刃設置空間に位置する用紙通路を経てもう一方の前記カッタフレームに形成された用紙通路の壁面に先端部が当接することで前記入口空間を閉鎖する位置と、前記先端部が前記入口空間を開放する位置と、の間を移動自在であり、
前記案内片の前記用紙通路に対面する表面は、当該用紙通路に進入したロール紙の先端部を排出方向に導く案内面となり、
前記連動機構は、前記入口空間を閉鎖する方向に前記カバーを付勢する付勢手段を備え、前記付勢手段による前記カバーの付勢によって前記入口空間を閉鎖し、
前記連動機構は、前記カバーにその回動支点を挟んで前記案内片と反対側に形成された押圧片と、前記可動刃の一面から突出形成されて前記固定刃に対する噛み合い方向への当該可動刃の移動に伴い前記案内片を押圧する押圧部と、を備え、前記押圧部による前記押圧片の押圧によって前記入口空間を開放する方向に前記カバーを回動させて前記入口空間を開放する、
カッタ装置。 - 前記案内片は、前記カバーの回動に応じて同一半径の円周上を移動する弧状に形成されている、請求項1記載のカッタ装置。
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