JP3752375B2 - エンジン搭載車両の運転席回りの冷却構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン搭載車両の運転席回りの冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来技術としては、本願出願人が先に提案の実開平3−68110号公報、その他の実開平4−138457号公報や実開平5−47059号公報によって開示された技術がある。
【0003】
(1)実開平3−68110号公報記載の技術は、いわゆるパワーショベルにおいて、運転席回りとエンジンの排気管内とで両端開口するダクトを有し、運転席回りの熱気を排気管によって吸引し外部へ排出し、これにより運転席回りを冷却する技術である。
【0004】
(2)実開平4−138457号公報記載の技術は、同じくパワーショベルにおいて、外気をクーラで冷し、冷やした外気をファンで運転室の床裏面に吹き当て、これにより運転席回りを冷却する技術である。
【0005】
(3)実開平5−47059号公報記載の技術は、同じくパワーショベルにおいて、キャビンの構成部材である筒状支柱をダクトとして利用し、キャビンの天井部と、エンジンのエアクリーナの吸込み側とで両端開口するダクトを有し、天井部の熱気をエアクリーナに吸込み、これによりキャビン内を冷却する技術である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来技術には、次のような問題がある。
【0007】
(1)実開平3−68110号公報記載の技術によれば、運転席回りの熱気が排気管によって吸引され外部へ排出されるものの、これはいわゆる排気管内でのベンチュリ効果を利用するために期待効果が小さく、却ってダクトが導波管となって運転席に排気音が導かれる問題がある。
【0008】
(2)実開平4−138457号公報記載の技術によれば、クーラ及びその関連部品を設ける必要があり、その分、管理部品数や保守点検箇所が増加する問題がある。特に、市街で稼働する例えば小形又は超小形パワーショベルのように余裕空間が殆ど無いような車両ではこのようなクーラ配置は困難である。
【0009】
(3)実開平5−47059号公報記載の技術によれば、エアクリーナに吸込まれる空気は総てキャビン内から供給される構成とされている。この構成に基づけば、運転席回りの冷却効果自体に問題ないものの、キャビンを締め切ろうとすると、エンジン吸気が悪るくなる問題がある。
【0010】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、クーラ等の補器を用いることなく、また余裕空間の少ない小形のエンジン搭載車両であっても無理なく、かつ効率良く運転席回りを冷却できるエンジン搭載車両の運転席回りの冷却構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段および効果】
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係るエンジン搭載車両の運転席回りの冷却構造(第1構成)は、車体1の床3上に運転席2を設け、車体1のエンジンルーム5内にラジエータ6とファン7とエンジン8とを順に配置し、ファン7からの冷却風X1によってエンジン8を冷却するエンジン搭載車両において、運転席2回りの所定位置に設けた第1の開口9A、およびファン7における冷却風X1の吸込側に設けた第2の開口9Bを有するダクト9を具備し、ファン7の吸引力によってダクト9における第1の開口9Aから運転席2回りの熱気X2を吸引するとともに、ダクト9の内部を流れる熱気X2をファン7の吸引力によって第2の開口9 B から吸い出すことにより、運転席2回りを冷却するよう構成したことを特徴としている。
【0012】
上記第1構成によれば、次のような作用効果を奏する。運転席2回りと、ファン7の冷却風X1の吸込側とで両端開口9A、9Bするダクト9を有するため、ファン7が運転席2回りの熱気を開口9Aと、ダクト部9と、開口9Bとをこの順に介して吸い出し、運転席2回りを効率良く冷却する。またダクト9を追設するだけであるから経済的である。またこのようなダクト9として可撓管を用いれば、その配置自由度が高いことから余裕空間の少ない小形のエンジン搭載車両に対し無理なく適用できる。
【0013】
請求項2の発明に係るエンジン搭載車両の運転席回りの冷却構造(第2構成)は、車体1の床3上に運転席2を設け、車体1のエンジンルーム5内にラジエータ6とファン7とエンジン8とを順に配置し、ファン7からの冷却風X1によってエンジン8を冷却するとともに、運転席2回りの床3下に方向切換弁10bを含む油器を配置したエンジン搭載車両において、運転席2回りの床3下に設けた第1の開口9A、およびファン7における冷却風X1の吸込側に設けた第2の開口9Bを有するダクト9を具備し、ファン7の吸引力によってダクト9における第1の開口9Aから運転席2回りの熱気X2を吸引するとともに、ダクト9の内部を流れる熱気X2をファン7の吸引力によって第2の開口9 B から吸い出すことにより、運転席2回りを冷却するよう構成したことを特徴としている。
【0014】
上記第2構成によれば、次のような作用効果を奏する。油器はその使用によって内部を流れる作動油が昇温し、殊に作動油が集中的に通過する方向切換弁10bの近傍空間が極暑化する。ところが第2構成によれば、極暑熱が開口9Aから開口9Bへ吸引されるため、極暑化を防止できる。即ち運転席2回りの床3が加温されることがなく、このため運転席回りが冷却される。
【0015】
請求項3の発明に係るエンジン搭載車両の運転席回りの冷却構造(第3構成)は、車体1の床3上に運転席2を設け、車体1のエンジンルーム5内にラジエータ6とファン7とエンジン8とを順に配置し、ファン7からの冷却風X1によってエンジン8を冷却するとともに、運転席2回りの床3下に方向切換弁10bを含む油器を配置し、かつエンジン8回りの空間と方向切換弁10bを含む油器を配置した床3下の空間とが互いに連通したエンジン搭載車両において、
(a) 前記連通を遮断する遮蔽板11を、エンジン8回りの空間と、方向切換弁10bを含む油器を配置した床3下の空間との間に設けるとともに、
(b) 運転席2回りの床3下に設けた第1の開口9A、およびファン7における冷却風X1の吸込側に設けた第2の開口9Bを有するダクト9を具備し、ファン7の吸引力によってダクト9における第1の開口9Aから運転席2回りの熱気X2を吸引するとともに、ダクト9の内部を流れる熱気X2をファン7の吸引力によって第2の開口9 B から吸い出すことにより、運転席2回りを冷却するよう構成したことを特徴とするエンジン搭載車両の運転席回りの冷却構造。
【0016】
上記第3構成によれば、上記第2構成での作用効果に、次のような作用効果が重畳する。開口9Aは遮蔽板11によってエンジン8回りの暖気を吸引することなく、方向切換弁10bの近傍空間の極暑熱を吸引する。従って床3及びエンジン8の冷却効率の向上をより確実に確保できる。つまり第2構成における運転席回りの冷却効果がさらに顕著に現れる。
【0017】
請求項4の発明に係るエンジン搭載車両の運転席回りの冷却構造(第4構成)は、請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の冷却構造において、ダクト9は、運転席2回りの床3、キャビン4、エンジンルーム5等の構造部材Dが縦D1、横D2、斜めD3等の方向に長い凹形部、L形部、筒部等の長手成形部を有するときは第1の開口9Aおよび第2の開口9Bを残し、又はこれら長手成形部を互いに連結するときは連結部と第1の開口9Aおよび第2の開口9Bとを残す他の開口部を板部材によって閉塞して成るダクト部91を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つに記載のエンジン搭載車両の運転席回りの冷却構造。
【0018】
上記第4構成の作用効果の説明に先立ち、先ず第4構成自体を詳説する。エンジン搭載車両は、運転席2回りの床3、キャビン4、エンジンルーム5等の構造部材Dを有するのが普通である。そして個の構造部材Dは時には、縦D1、横D2、斜めD3等の方向に長い凹形部、L形部、筒部等の長手成形部を有し、これら長手成形部を強度メンバとしたものが多々ある。小形および超小形パワーショベルはその代表である。そこで構造部材Dのこれら長手成形部だけによって、複数の長手成形部間の連結によって、又はこれら長手成形部と専用ダクト(可撓管等で成り、以下「専用ダクト92」とする)との連結によって上記第1構成でのダクト9を構成したものである。この場合、長手成形部をダクト9とするには、長手成形部の内で筒部を除く凹形部、L形部等は、その連結部や第1の開口9Aおよび第2の開口9Bを除いて閉塞する必要がある。そこで第4構成では、この閉塞を板部材で行ったものである。尚、板部材は、例えば平板を指すものではなく、長手成形部と板部材とでダクト9を形成するのであるから、ダクト9内部での通気抵抗を少なくするため、ダクト9の断面形状が丸みを帯びるように、ある程度曲面を有する板部材が望ましい。つまり板部材は、平板は元よりのこと、このように曲面を有する板材を含んでいる。さらに尚、「ダクト9は、・・・ダクト部91を含む」とは、ダクト9がダクト部91と専用ダクト92で構成された場合を意味する。ここでダクト9が長手成形部(閉塞用の板給材を含む)だけによって構成されるときは、ダクト9とダクト部91とは同一である。
【0019】
このような第4構成によれば、次のような効果を奏する。ダクト部91は、構造部材Dに本来的に設けられている長手成形部を利用して構成されるため(勿論、本第4構成を考慮して意識的に設けてた長手成形部も含む)、長手成形部が本来的に有する余裕空間を利用したものとなる。従って新たな余裕空間を準備する必要がなく、小形のエンジン搭載車両に好適である。しかも閉塞用の板部材が強度メンバである長手成形部を更に補強しているため、構造部材Dにおける曲げや捩じり等の剛性が高まる。このため構造部材D全体を軽量化することができる。尚、構造部材Dや板部材は鋼板である必要はなく、例えばエンプラ(エンジニアリングプラスチック、高強度樹脂)製の板材等で構成される。
【0020】
【発明の実施の形態及び実施例】
実施例を図1〜図6を参照し説明する。尚、例機は図1に示すように、小形パワーショベルであり、(a)の側面図、(b)の上面図、(c)の後面図に示す外観を有する。詳しくは次の通り。
【0021】
例機は、車体1上に設けた運転席2回りの床3上方にキャビン4を有し、キャビン4内に前記運転席2を有すると共に、キャビン4及び運転席2の後下部に左右方向に長いエンジンルーム5を有し、エンジンルーム5内にラジエータ6、ファン7、エンジン8をこの順に余裕空間無く配置されている。尚、ファン7は吸込み式であり、エンジン駆動される。
【0022】
上記例機において、運転席2は、図2に示すように、エンジンルーム5を兼ねた構造部材D上に設置されている。構造部材Dは、キャビン4を支承するための強度部材でもあり、従って点線で示すように、内壁面に縦D1、横D2、斜めD3等の方向に長い凹形部、L形部、筒部等の長手成形部を有し、これらを強度メンバとしている。そこでこれら長手成形部間の連結形状が運転席2回りからファン7における冷却風X1の吸込側まで連続してダクト9を形成するように、その凹形部やL形部の開口を板部材(図示せず)によって閉塞している。そしてこのようなダクト9の両端部、すなわち運転席2側の一端部には第1の開口9Aを設けるとともに、ファン7における冷却風X1の吸込側の他端部には第2の開口9Bを設けてある。例機では、図2に示すように、運転席2側とは運転席2の下部壁の左右であり、その左右壁に各々第1の開口9A(以下では、単に開口9Aと称する)を設けてある。一方、ファン7における冷却風X1の吸込側とはラジエータ6の前側であり、その前側上面に第2の開口9B(以下では、単に開口9Bと称する)を設けてある。尚、ダクト9を構成する各長手成形部は、ダクト9の内部での通気抵抗が少なくなるように、その経路やサイズを選択することが望ましい。また板部材は、長手成形部と板部材とでダクト9を形成するのであるから、ダクト9内での通気抵抗を少なくするため、ダクト9の断面形状が丸みを帯びるように、ある程度曲面を有する板形状が望ましい。つまり板部材は、平板は元よりのこと、このように曲面を有する板材を含んでいる。
【0023】
上記実施例の作用を説明する。開口9Bがラジエータ6の前側上面に設けてあり、またファン7が吸込み式である。このためファン7がエンジン駆動されて回転すると、その吸引力によってキャビン4内の熱気X2が開口9Aからダクト9内を流れ開口9Bから吸い出される。そして熱気X2は冷却風X1と共にラジエータ6、ファン7、エンジンルーム5内をこの順に経て吐出し口(図示しないが例機ではエンジン8の下方に設けてある)から外部へ排出される。
【0024】
上記実施例の効果を説明する。
(1)上記実施例は、従来の実開平3−68110号公報で開示の技術(ベンチュリ効果)のような間接吸引ではなく、直接吸引である。このため吸引力が大きく、これにより運転席2回りを高効率で冷却できる。
(2)ファン騒音は一般的にエンジン排気騒音よりも大きいとされている。ところが上記実施例によれば、開口9Bをファン7の吸込み側に設けてある。またラジエータ6を隔てて設けてある。このため、冷却風X1がファン騒音の伝播を防止し、またラジエータ6が遮音版となってファン騒音がダクト9を経てキャビン4内に伝播することが少ない。
(3)上記実施例は、従来の実開平4−138457号公報に開示の技術のようなクーラ等の補器を全く用いておらず、構造部材Dの長手成形部を利用してダクト9を構成している。このためダクト9の占有空間を新たに設ける必要がなく、経済的である。また他のエンジン8等の装置の配置自由度にも影響を及ぼさない。つまり例機のさらなる小形化に貢献する。
【0025】
他の実施例を図3〜図6を参照し項目列記する。
【0026】
(1)上記実施例のダクト9はその運転席2側を運転席2の下部左右に分岐させたが、図3に例示するように、上下ダクト9U、9Dに分岐させても構わない。この場合、上側ダクト9U内に上側開閉弁10Uを、一方、下側ダクト9D内に下側開閉弁10Dを設けることが望ましい。このようにすると、冬季は例えば上側開閉弁10Uを開け、かつ下側開閉弁10Dを閉じ、これによりキャビン4の天井部の熱気X2だけを吸い込ませる。一方、夏季は例えば上下側開閉弁10U、10Dを開け、キャビン5内の全熱気X2を吸い込ませる。このように外気温度や内外湿度、また天候等の環境変化に応じて上下側開閉弁10U、10Dを開閉操作することにより、頭寒足熱等を達成することができる。従って快適運転性が向上する。尚、キャビン4を車体1から取り外すときは、上側開閉弁10Uを閉じ、上側ダクト9Uを分岐部から取り外し、下側開閉弁10Dを開ける。このようにすると、キャビン4が無い状態でも、下側ダクト9Dからオペレータの足元の熱気X2が開口9Aからダクト9内に流れ込み、足元での空気流によってオペレータの足元を自然冷却できる。尚、キャビン4の支柱は筒状であるのが普通であるが、この支柱を実開平5−47059号公報の技術で示唆されているように、上側ダクト9Uとして用いても構わない。
【0027】
(2)上記実施例においてダクト9は、構造部材Dであるエンジンルーム5の長手成形部を利用して構成したが、構造部材Dは、図4に例示するように、運転席2回りの床3の裏面の支持メンバ等を用いて構成しても構わない。またこれらと、エンジンルーム5とを組み合わせて構成しても構わない。また一つの構造部材D又はこれらの組み合わせだけではダクト9として短いときは(前記「ダクト部91」である)、不足長さ分だけ専用のダクトを追設するのが良い(前記「専用ダクト92」である)。勿論、図5に例示するように、エンジンルーム5等の外面に専用ダクト92を設けても構わない(この場合、専用ダクト92が外観を損ねないように配置することが望ましい)。
【0028】
(3)開口9Bは、上記実施例のように、ラジエータ6の前側に設置することに限定されない。例えばラジエータ6とファン7との間でも構わない。この場合、熱気X2に対する吸引力は増加するが、開口9Bがファン7に近づいている分、またラジエータ6による遮音効果が無くなる分、運転席2回りに伝播するファン騒音は多少増加する。尚、ファン7が押出し式であるときは、ファン7とエンジン8との間に開口9Bを設けても構わない。いずれにしても、開口9Bをファン7の吸込み側に設置する。
【0029】
(4)運転席2のバックシートや座部を通気部材等で構成し、これらバックシートや座部の側面、上下面又は背面に開口9Aを設ける。このようにすると、夏季における高湿度の熱気X2をバックシート内や座部内から吸引できる。このため快適運転性が補償される。
【0030】
(5)開口9Aは、図6に示すように、運転席2回りの床3下に設けても構わない。この場合、運転席2回りの冷却効果は次のように顕著に現れる。
【0031】
例機は、図1に示すように、そして符号を付して説明するまでもなく一般的に、例えば左右の走行油圧モータによって走行自在とされたクローラ式の下部走行体と、下部走行体上に旋回油圧モータによって旋回自在とされた上部旋回体とを有すると共に、上部旋回体上に複数の油圧シリンダによって駆動自在とされた作業機アームと、油圧源等とを有する油圧式のパワーショベルである。油圧源は作動油タンクと、エンジン駆動される油圧ポンプと、前記各種油圧アクチュエータに見合った数の方向切換弁と、リリーフ弁等とを配管接続して構成された油圧回路である。即ち運転席2の近傍に設けた各種操作レバーからの操作信号に基づいて方向切換弁が切り換わり、これにより油圧ポンプが作動油タンクから吸引した作動油を、前記各種油圧アクチュエータに供給し、又は作動油タンクに戻している。尚、リリーフ弁は、回路最高油圧を規定する安全弁である。ところで例機は小形パワーショベルである。この場合、図6に示すように、運転席2回りの床3下にリリーフ弁10aや方向切換弁10b等の油器を配置することが、パワーショベルの小形化に欠かせない。尚、中形パワーショベルも、このように配置するのが普通である。ところが作動油は例機の稼働開始と共に昇温する。この昇温は高負荷によるリリーフ弁10aでのリリーフ発熱が主原因である。そしてこのリリーフ弁10aや方向切換弁10bとが、前記の通り、運転席2回りの床3下に配置されている。また配管は基本的にはこれらリリーフ弁10aや方向切換弁10b等に集中接続される。従って運転席2回りの床3下は極めて極暑状態となっている。例えば夏期での連続高負荷作業時は、60〜70度の極暑である。そしてこの熱気が床3を熱くし、オペレータの足元を熱くする。キャビン4を有するときは、床3からの高温がキャビン4内に充満することとなる。尚、リリーフ弁10aは通常は方向切換弁10bに一体的に設けられるが、リリーフ弁10aは発熱体であるということだけであり、このリリーフ弁10aが運転席2回りの床3下に配置されていなくとも、昇温した作動油が集中して通過する方向切換弁10bが運転席2回りの床3下に配置されていると、その近傍空間は極暑化する。
【0032】
ところが、前記したように、開口9Aを運転席2回りの床3下に設けることにより、上記床3が熱くなることを防止できる。従ってオペレータの足元が熱くなったり、またキャビン4内が昇温するのを防止できる。つまり運転席2回りの冷却効果が顕著に現れる。
【0033】
尚、このような構成では、さらに同図6に例示するような構造とするのが望ましい。即ち例機のようなパワーショベルでは、エンジン8回りの空間と、方向切換弁10bを含む油器を配置した運転席2回りの床3下の空間とが連通しているのが普通である。このような連通構造では、開口9Aを運転席2回りの床3下に設けても、開口9Aがエンジン8回りの暖気まで吸引する。このため運転席2回りの床3に対する冷却効率も、ラジエータ6での冷却効率も期待通りとなり難い。そこで図6ではさらに、前記連通を遮断すべく、エンジン8回りの空間と、方向切換弁10bを含む油器を配置した運転席2回りの床3下の空間との間に遮蔽板11を設けた。このようにすることにより、床3及びラジエータ6での冷却効率の向上をさらに確実に確保できる。つまり運転席2回りの冷却効果がさらに顕著に現れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を有する小形パワーショベルであり、(a)はその側面図、(b)は上面図、(c)は後面図である。
【図2】実施例なるエンジンルームを構成する構造部材の斜視図である。
【図3】他の実施例の模式図である。
【図4】他の実施例の模式図である。
【図5】他の実施例の模式図である。
【図6】他の実施例の模式図である。
【符号の説明】
2…運転席、3…床、4…キャビン、5…エンジンルーム、6…ラジエータ、7…ファン、8…エンジン、9…ダクト、9A,9B…開口、91…構造部材でのダクト部、92…専用ダクト、10a…リリーフ弁、10b…方向切換弁、11…遮蔽板、D…構造部材、D1…縦方向に長い凹形部,L形部,筒部等の長手成形部、D2…横方向に長い凹形部,L形部,筒部等の長手成形部、D3…斜め方向に長い凹形部,L形部,筒部等の長手成形部、X1…冷却風、X2…熱気。
Claims (4)
- 車体( 1 )の床( 3 )上に運転席( 2 )を設け、車体( 1 )のエンジンルーム( 5 )内にラジエータ( 6 )とファン( 7 )とエンジン( 8 )とを順に配置し、ファン( 7 )からの冷却風( X1 )によってエンジン( 8 )を冷却するエンジン搭載車両において、
運転席( 2 )回りの所定位置に設けた第1の開口( 9A ) 、およびファン( 7 ) における冷却風( X1 )の吸込側に設けた第2の開口( 9B )を有するダクト( 9 )を具備し、
ファン ( 7 ) の吸引力によってダクト ( 9 ) における第1の開口 ( 9A ) から運転席 ( 2 ) 回りの熱気 ( X2 ) を吸引するとともに、ダクト ( 9 ) の内部を流れる熱気 ( X2 ) をファン ( 7 ) の吸引力によって第2の開口 ( 9 B) から吸い出すことにより、運転席( 2 )回りを冷却するよう構成したことを特徴とするエンジン搭載車両の運転席回りの冷却構造。 - 車体( 1 )の床( 3 )上に運転席( 2 )を設け、車体( 1 )のエンジンルーム( 5 )内にラジエータ( 6 )とファン( 7 )とエンジン( 8 )とを順に配置し、ファン( 7 )からの冷却風( X1 )によってエンジン( 8 )を冷却するとともに、運転席( 2 )回りの床( 3 )下に方向切換弁( 10b )を含む油器を配置したエンジン搭載車両において、
運転席( 2 )回りの床( 3 )下に設けた第1の開口( 9A ) 、およびファン( 7 ) における冷却風( X1 )の吸込側に設けた第2の開口( 9B )を有するダクト( 9 )を具備し、
ファン ( 7 ) の吸引力によってダクト ( 9 ) における第1の開口 ( 9A ) から運転席 ( 2 ) 回りの熱気 ( X2 ) を吸引するとともに、ダクト ( 9 ) の内部を流れる熱気 ( X2 ) をファン ( 7 ) の吸引力によって第2の開口 ( 9 B) から吸い出すことにより、運転席( 2 )回りを冷却するよう構成したことを特徴とするエンジン搭載車両の運転席回りの冷却構造。 - 車体( 1 )の床( 3 )上に運転席( 2 )を設け、車体( 1 )のエンジンルーム( 5 )内にラジエータ( 6 )とファン( 7 )とエンジン( 8 )とを順に配置し、ファン( 7 )からの冷却風( X1 )によってエンジン( 8 )を冷却するとともに、運転席( 2 )回りの床( 3 )下に方向切換弁( 10b )を含む油器を配置し、かつエンジン( 8 )回りの空間と方向切換弁( 10b )を含む油器を配置した床( 3 )下の空間とが互いに連通したエンジン搭載車両において、
(a) 前記連通を遮断する遮蔽板( 11 )を、エンジン( 8 )回りの空間と、方向切換弁( 10b )を含む油器を配置した床( 3 )下の空間との間に設けるとともに、
(b) 運転席( 2 )回りの床( 3 )下に設けた第1の開口( 9A ) 、およびファン( 7 ) における冷却風( X1 )の吸込側に設けた第2の開口( 9B )を有するダクト( 9 )を具備し、ファン ( 7 ) の吸引力によってダクト ( 9 ) における第1の開口 ( 9A ) から運転席 ( 2 ) 回りの熱気 ( X2 ) を吸引するとともに、ダクト ( 9 ) の内部を流れる熱気 ( X2 ) をファン ( 7 ) の吸引力によって第2の開口 ( 9 B) から吸い出すことにより、運転席( 2 )回りを冷却するよう構成したことを特徴とするエンジン搭載車両の運転席回りの冷却構造。 - ダクト( 9 )は、運転席( 2 )回りの床( 3 )、キャビン( 4 )、エンジンルーム( 5 )等の構造部材( D )が縦( D1 )、横( D2 )、斜め( D3 )等の方向に長い凹形部、L形部、筒部等の長手成形部を有するときは第1の開口 ( 9A ) および第2の開口 ( 9B )を残し、又はこれら長手成形部を互いに連結するときは連結部と第1の開口 ( 9A ) および第2の開口 ( 9B )とを残す他の開口部を板部材によって閉塞して成るダクト部( 91 )を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つに記載のエンジン搭載車両の運転席回りの冷却構造。
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