JP3751550B2 - 用紙搬送機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にコピー機,プリンタ等の画像形成装置に備えられ、回転する一対の搬送ローラで用紙をニップすることによって、複数の用紙を順次搬送する用紙搬送機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、コピー機,プリンタ等の画像形成装置においては、複数枚の用紙を印刷する速度を向上させるために様々な技術が導入されている。例えば、電子写真方式の画像形成装置では、光学ユニットによる感光体ドラム上への静電潜像形成に要する時間や、感光体ドラムによるトナー画像転写に要する時間を考慮しなくてはならないため、感光体ドラムの回転速度を上げて印刷速度を向上させるには限界があるので、感光体ドラムに順次搬送される複数の用紙の搬送間隔(紙間)を狭くすることによって、複数枚の用紙を印刷する速度を上げるようにしている。
【0003】
また、上記の画像形成装置では、給紙カセットから用紙送りコロによって複数の用紙が重なって取り出された場合は、給紙カセット及び送りコロの下流側の搬送路に配設された捌きローラによって用紙が一枚ずつ分離されるようになっており、更に搬送路に設けられた用紙端検知スイッチによって、用紙端部を検知することによって、複数の用紙が重なって搬送される事態を回避するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の画像形成装置では、装置の製造コストを低減するために、用紙端検知スイッチに性能の低い安価なものを適用することが多いので、先に搬送される用紙の後端と、後続する用紙の先端が十分な間隔を有していない場合には、先の用紙後端及び後続用紙の先端を検出することができず、用紙が重なっていないにも拘わらず、重なって搬送されていると誤検出されることがある。例えば、前送りコロによって給紙カセットから重なった状態で取り出された用紙が、捌きローラによって一枚ずつ分離された場合、後続の用紙は給紙カセットからではなく捌きローラの位置から搬送が開始されるため、先に搬送される用紙と後続用紙との間隔が狭くなり、用紙が重なっていると誤検出される場合がある。
【0005】
この場合、捌きローラの位置から後続用紙が搬送されるときでも、先に搬送される用紙と後続用紙との間隔が十分大きくなるように、給紙カセットから次の用紙を取り出すまでの時間間隔を大きくすれば上記誤検出を回避できるが、印刷速度が低減するという問題がある。また、高精度な検知が可能な用紙端検知スイッチ(例えば、反射型P.I.SW等)を用いることによっても上記誤検出を回避できるが、画像形成装置の製造コストが高くなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、用紙連続搬送時に先行用紙と後続用紙とが重なった状態となっているか否かを高精度で検出可能となるように、先行用紙と後続用紙との間隔を補正することができる用紙搬送機構を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、回転する一対の搬送ローラで用紙をニップすることによって、複数の用紙を順次搬送する用紙搬送機構であって、
前記搬送ローラを回転駆動する駆動源と、
前記搬送ローラの上流側近傍で用紙の先端及び後端を検知する第1の用紙検知手段と、
前記駆動源から前記搬送ローラへの駆動力伝達を切り換える駆動力切換手段と、
時間を計測するタイマ手段と、
前記第1の用紙検知手段が用紙先端を検知した後、当該用紙の後端が前記搬送ローラを通過したと予測される時間経過したことを前記タイマ手段が計測した場合は前記第1の用紙検知手段によって当該用紙の後端が検出されていなくても、前記駆動力切り換え手段が前記搬送ローラへの駆動力の伝達を遮断し、さらに、この搬送ローラへの駆動力の伝達遮断後、前記搬送ローラを通過した用紙と後続用紙との間隔を一定間隔まで広げるための当該搬送ローラの駆動停止時間が経過したことを前記タイマ手段が計測したときに、前記駆動力切り換え手段が前記搬送ローラに駆動力を伝達するように制御する制御手段と
を備えたものである。
【0008】
この構成では、第1の用紙検知手段が用紙後端を検知しないときであっても、当該用紙が搬送ローラを通過した後、すなわち、当該用紙が搬送ローラにニップされていない状態となった後、搬送ローラの回転駆動が停止される。よって、先行用紙は当該搬送ローラよりも下流側に配設される別の搬送ローラによる搬送が可能となる一方で、後続用紙は停止された搬送ローラ部分で搬送が停止される。また、搬送ローラを通過した用紙と後続用紙との間隔を一定間隔まで広げるための当該搬送ローラの駆動停止時間が経過するまで、搬送ローラの回転駆動が停止されるので、先に搬送される用紙と後続する用紙の間隔が広げられた状態で両方の用紙が搬送されることになる。従って、搬送ローラを停止させておく時間を制御することによって、用紙と用紙の間隔を自在に拡大させ、性能の低い紙間検知装置であっても、先行用紙と後続用紙とが重なった状態であるか否かを高精度で検出できるようにすることができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の用紙搬送機構であって、前記搬送ローラよりも下流側で用紙の先端及び後端を検知する第2の用紙検出手段と、
前記第2の用紙検知手段によって用紙間隔が検知されない場合に、複数の用紙が重なった状態で搬送されていると判断する判断手段と
を更に備えたものである。
【0010】
この構成の場合、搬送される複数の用紙が第2の用紙検知手段に差し掛かるときには、第1の用紙検知手段及び制御手段による用紙搬送制御によって用紙間隔は十分に開いているので、第2の用紙検知手段によって用紙間隔が検知されないことをもって、複数の用紙が重なった状態で搬送されていると判断するようにすれば、複数の用紙が重なった状態であると高い精度で判定することができる。これにより、第2の用紙検知手段は検知性能の低いものであっても足りる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の用紙搬送機構であって、前記制御手段は、先に搬送される用紙の後端が前記第1の用紙検知手段によって検知された後、前記タイマ手段によって所定時間経過が計測される前に、後続する用紙の先端が前記第1の用紙検知手段によって検知された場合には、前記駆動力切り換え手段が前記搬送ローラへの駆動力伝達を遮断するように制御するものである。
【0012】
この構成によれば、先に搬送される用紙と後続用紙との間隔が、画像形成装置の印刷行程において予定している正規の間隔よりも短い場合に、先に搬送される用紙と後続用紙の間隔を正規の間隔に補正することが可能なので、第2の用紙検知手段による用紙状態の検知をより高い精度で行わせることが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る用紙搬送機構について図面を参照して説明する。図1は本発明に係る用紙搬送機構を備えた画像形成装置の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、プリンタ(画像形成装置の一例)1では、プリンタ本体2内にブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色用にそれぞれ現像装置3が備えられている。それぞれの現像装置3には感光体ドラム4が備えられ、図中の矢印方向に回転するようになっている。この感光体ドラム4が帯電部5によって一様に帯電され、外部PC等から入力された画像データに基づくLED光が、露光部(LEDプリントヘッドユニット)6からドラム表面上に照射されて静電潜像が形成され、この静電潜像にトナーが供給されてトナー像が形成される。このトナーの供給はトナー供給容器7M,7C,7Y,7Bから現像装置3を通してそれぞれ行われる。これら各色用に4つの感光体ドラム4が並設されている下方には用紙搬送ベルト8が配設されている。用紙搬送ベルト8は圧ローラ9によって各感光体ドラム4に押し付けられた状態とされ、ローラ10,11によって感光体ドラム4の回転方向の順方向に回転されるようになっている。
【0014】
そして感光体ドラム4と用紙搬送ベルト8との間に、給紙カセット12から用紙搬送路13を経由して用紙が搬送され、用紙が各色の感光体ドラム4と用紙搬送ベルト8との間を搬送されていく間に、各感光体ドラム4表面の各色のトナー像が転写バイアスによって次々に用紙に転写される。この用紙搬送路13には、本発明に係る用紙搬送機構100が設けられている。全ての感光体ドラム4からトナー像が転写された用紙は定着ローラ対を有する定着装置14に搬送され、ここでトナー像が定着ローラ対によるニップで熱定着されてカラー画像が形成される。定着装置14を通過した用紙は用紙搬送路15に送られ、排出部16から排出される。
【0015】
なお、上記の各感光体ドラム4には、感光体ドラム4上の残留トナー等を除去するためにクリーニング機構20が備えられている。このクリーニング機構20は、感光体ドラム4の表面を清掃するためのクリーニングローラ21及びクリーニングブレード22、これらクリーニングローラ21及びクリーニングブレード22によってドラム表面から除去されたトナーを一箇所に集めるためのスパイラル23を有している。
【0016】
図2は本発明に係る用紙搬送機構100の概略構成図である。用紙搬送機構100は、給紙カセット12から用紙搬送路13に用紙を取り出して送り出すために給紙カセット12の上部に配設された用紙送りコロ101と、用紙送りコロ101によって複数の用紙が重なって取り出された場合に、用紙を一枚ずつに分離するために用紙搬送路13に設けられた捌きローラ対102と、捌きローラ対102の用紙搬送方向下流側に設けられたフィードローラ対(搬送ローラ)103と、フィードローラ対103よりも更に下流側に設けられたレジストローラ対104とを有し、これらのローラが用紙をニップした状態で回転することによって、複数の用紙が上記搬送ベルト8及び各色用の現像装置3まで矢印方向に順次搬送されるようになっている。フィードローラ対103には、駆動源となるモータからの駆動力を伝達するか否かを切り換えるフィードローラクラッチ(後述)が設けられている。
【0017】
用紙搬送路13におけるフィードローラ対103の上流側近傍であって捌きローラ対102の下流側には、搬送される用紙の先端及び後端を検知するフィードスイッチ(第1の用紙検知手段)106が配設され、フィードローラ対103の下流側であってレジストローラ対104の上流側には、搬送される用紙の先端及び後端を検知するレジストスイッチ(第2の用紙検知手段)107が配設されている。これらフィードスイッチ106及びレジストスイッチ107は光センサ等によって、用紙搬送路13に存在する用紙を検知するものであり、用紙の有無に応じてスイッチがオン又はオフに切り替わる。
【0018】
図3は上記プリンタ1の概略構成を示すブロック図である。プリンタ1には、プリンタ1全体の制御を司る制御部(特許請求の範囲の制御手段及び判断手段として機能)110が備えられている。制御部110には、装置全体の動作プログラム等を記憶したROM112が接続され、記録に用いる画像データ等を格納しておくためのRAM113が接続されている。制御部110は、帯電部5、露光部6、及び現像部3と、感光体ドラム4上のトナー像を転写用紙に転写するための転写バイアス部114と、感光体ドラム4の駆動源であるドラムモータ115とを制御する。なお、図3では特に図示していないが、これら帯電部5、露光部6、現像部3、転写バイアス部114、及びドラムモータ115は各色用に設けられている。
【0019】
制御部110は、定着装置14の制御を行い、定着ローラ対の一方を構成する熱ローラ内のヒータのオン・オフを制御するとともに、定着ローラ対を所定時間駆動して、熱ローラの周面を一様に所定温度とする。転写ベルト8を走行させる駆動ローラ10の駆動モータ116も制御部110によって制御される。制御部110には、ユーザからの印刷指示等が入力される操作パネル117が接続されている。
【0020】
制御部110は、インタフェイス118を介してPC(パソコン)119と接続され、プリンタ1はこのPC119から入力される画像データに基づいて露光部6を駆動制御する。
【0021】
また、制御部110は、上述した用紙送りコロ101、捌きローラ対102、フィードローラ対103及びレジストローラ対104の駆動源である給紙モータ(駆動源)120と、給紙モータ120からフィードローラ対103に駆動力を伝達するか否かを切り換えるフィードローラクラッチ(駆動力切換手段)121の動作を制御する。制御部110は、タイマ122による時間計測と、上述したフィードスイッチ106及びレジストスイッチ107から入力される信号のオン・オフとに基づいて、用紙搬送の動作制御、フィードローラクラッチ121の動作制御、及び複数の用紙が重なった状態で搬送されているか否か等を判断する。
【0022】
以上の構成でなる用紙搬送機構100による用紙搬送の第1の実施形態を説明する。図4は当該用紙搬送時の処理の流れを示すフローチャートである。給紙動作が開始され(S1)、給紙カセット12から用紙送りコロ101によって用紙が用紙搬送路13に送り出されると、送り出された用紙は捌きローラ対102によってニップされる。この捌きローラ対102の従動ローラにはトルクリミッタが設けられており、複数の用紙が重なって送り出されている場合は従動ローラに接する方の用紙の搬送が止められ、用紙が1枚ずつ搬送されるようになっている。
【0023】
1枚ずつに分けられた用紙は、捌きローラ対102からフィードローラ対103に向けて搬送される。このとき、フィードスイッチ106によって用紙先端が検知され、フィードスイッチ106がオンになると(S2でYES)、タイマ122による時間計測が開始される(S3)。フィードスイッチ106によって用紙後端が検知されず、フィードスイッチ106がオフにならないまま(S4でNO)、タイマ106により所定時間の経過が計測された場合は(S6でYES)、フィードローラクラッチ121をオフ(フィードローラ対103への駆動力伝達を遮断する)にする(S7)。この所定時間とは、当該用紙の後端がフィードローラ対103を通過したと予測される時間であり、フィードローラ対103の周速度、フィードローラ対103とフィードスイッチ106との距離等に基づいて設定される。これにより、給紙モータ120からフィードローラ対103への駆動力の伝達を遮断し、フィードローラ対103の回転を停止させる。このとき、先に搬送される用紙は、既にフィードローラ対103を通過して、レジストローラ対104等によって搬送されることが可能な状態になっている。その一方、後続の用紙はフィードローラ対103にニップされた状態であるか、又はフィードローラ対103に差し掛かっていない状態となっている。よって、この状態でフィードローラ対103の回転を停止させることによって、先行用紙のみを搬送し、後続用紙の搬送を停止させることができるため、先行用紙と後続用紙の間隔を広げることができる。
【0024】
そして、先に搬送される用紙と後続用紙との間隔を一定間隔(例えば、用紙搬送時における正規の用紙間隔等)まで広げることが可能なフィードローラ対103の駆動停止時間を所定時間として、その所定時間経過後に(S8でYES)、フィードローラクラッチ121をオン(フィードローラ対103に駆動力を伝達する)とする(S9)。これにより、再びフィードローラ対103に給紙モータ120から駆動力が伝達されるようにして、フィードローラ対103によって後続用紙の搬送が開始されるようにする。
【0025】
この後、レジストスイッチ107によって、先に搬送される用紙と後続用紙との間隔が検知されない場合は(S10でNO)、複数の用紙が重なった状態で搬送されていると判断して、給紙モータ120を停止させる等の処理を行って用紙搬送を停止する(S11)。この用紙間隔の検知は、レジストスイッチ107によって先に搬送される用紙の先端が検知された後、用紙後端がレジストスイッチ107を通過すると予測される時間が経過した時に、用紙後端が検知されるか否か等に基づいて行う。また、先に搬送される用紙と後続用紙との間隔が検知された場合は(S10でYES)、通常の給紙動作を続行する(S5)。このレジストスイッチ107による用紙間隔の検知においては、上記S7乃至S9による先の用紙と後続用紙との間隔を広げる制御により、用紙間隔が一定間隔に広がっているので、用紙間隔の検知が正確に行われる。
【0026】
なお、上記S4の処理において、フィードスイッチ106によって用紙後端が検知され、フィードスイッチ106がオフになった場合は(S4でYES)、先に搬送される用紙と後続用紙との間隔が正常な状態で用紙が搬送されているので、通常の給紙動作を続行する(S5)。
【0027】
次に、用紙搬送機構100による用紙搬送の第2の実施形態を説明する。図5は当該用紙搬送時の処理の流れを示すフローチャートである。この用紙搬送では、S21乃至S24において、第1の実施形態におけるS1乃至S4の処理と同様の処理を行い、S24でフィードスイッチ106がオフとなった後、フィードスイッチ106によって後続用紙の先端を検知する処理を行うようにする(S25)。後続用紙の先端が検知され、フィードスイッチ106がオンになったとき(S25でYES)、先に搬送された用紙の後端が検知されてから後続の用紙先端が検知されるまでの時間が所定時間に達しているか否か、すなわち、S24でフィードスイッチ106がオフとなった後、再びオンになるまでの時間が、予め設定されている正規の用紙間隔であると断定できる時間であるか否か、が判断される(S26)。
【0028】
S26において、フィードスイッチ106がオフとなった後、再びオンになるまでの時間が所定時間に達しておらず、用紙間隔が十分ではないと判断された場合は(S26でNO)、フィードスイッチ106がオフとなってからオンになるまでの時間に基づいて、フィードローラ対103を駆動停止する時間を設定する(S28)。そして、フィードローラクラッチ121をオフにしてフィードローラ対103の駆動を停止する(S29)。これにより、例えば、用紙間隔約20mm以上のときに用紙端部検知が可能な性能のフィードスイッチを用い、プリンタ1による用紙搬送時の正規の用紙間隔を約50mmに設定している場合に、用紙間隔が約20〜30mmで搬送されている状態を用紙間隔約50mmに補正されるようにする。
【0029】
上記駆動停止時間が経過した後は(S30でYES)、フィードローラクラッチ121をオンにしてフィードローラ対103の駆動を再開する(S31)。この後は第1の実施形態と同様に、レジストスイッチ107による用紙間検知を行って(S36)、搬送される用紙の状態を監視する。
【0030】
なお、S26でフィードスイッチ106がオフとなった後、再びオンになるまでの時間が所定時間に達しており、用紙間隔が十分に開いていると判断された場合は(S26でYES)、通常の給紙動作を続行する(S27)。
【0031】
用紙搬送機構100の各部の制御について、通常の用紙搬送動作時と上記第2の用紙搬送動作時とを比較して説明する。図6は上記第2の実施形態の用紙搬送時における用紙搬送機構各部の制御を示す図であり、(a)は通常動作時の信号状態を示し、(b)は第2の実施形態の用紙搬送時における信号状態を示している。
【0032】
通常動作時は、給紙モータ120を駆動し、給紙カセット12からの用紙送りに合わせて用紙送りコロ101の給紙クラッチを切り換えるようにしている。用紙搬送路13に用紙が順次送られると、フィードスイッチ106により用紙の先端及び後端が順次検知され、このとき、フィードローラ対103は回転駆動された状態となっている。レジストスイッチ107も用紙の先端及び後端を順次検知し、用紙が搬送されるタイミングに合わせてレジストローラ104の回転駆動を制御する。
【0033】
これに対して、上記第2の実施形態に係る用紙搬送時は、フィードスイッチ106が先に搬送される用紙の後端を検知してから、後続用紙の先端を検知するまでの時間が短かい場合(図6(b)のA)や、用紙間が検知できない場合(図6(b)のB)は、同図に破線で示す通常給紙動作時とは異なる信号状態を示す。この場合は、図6(b)に示されるように、フィードローラ対103を所定時間駆動停止させる制御を行って、先の用紙と後続用紙との間隔が広がるようにする。
【0034】
以上のように、本発明に係る用紙搬送機構100は、複数の用紙を順次搬送するときに、フィードローラスイッチ106によって用紙間が検知できなくても、それをもって即座には用紙搬送を停止することなく、フィードローラ対103を駆動制御して用紙間隔を広げてから、下流の用紙搬送路に用紙を搬送する。そのため、レジストスイッチ107は、用紙間隔が狭い状態で搬送される用紙について検知を行わなくてはならないという事態を避けることができるので、用紙の搬送状態を正確に検知することができる。これにより、性能の低い用紙検知スイッチをフィードスイッチ106又はレジストスイッチ107として用いた場合であっても、正確に用紙の搬送状態を検知することができる。
【0035】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、フィードスイッチ106及びレジストスイッチ107として光センサを用いるようにしているが、用紙の先端及び後端が検知可能な装置であれば、光センサ以外の装置を用いてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、先に搬送される用紙と後続の用紙との間隔が狭い場合には、搬送ローラを停止して後続用紙の搬送を遅らせることによって、以降は、先に搬送される用紙と後続の用紙との間隔が広がった状態で搬送されるようにすることができる。従って、搬送ローラを停止させておく時間を制御することによって、用紙と用紙の間隔を自在に拡大させることで、性能の低い紙間検知装置であって先行用紙と後続用紙とが重なった状態であるか否かを高精度で検出できるようにすることができる。
【0037】
また、上記搬送ローラよりも下流側に用紙の先端及び後端を検知する第2の用紙検出手段を設け、第2の用紙検知手段によって用紙間隔が検知されない場合に用紙搬送を停止するようにすれば、搬送される複数の用紙が第2の用紙検知手段に差し掛かるときには、用紙の間隔は十分に大きく開いているはずなので、第2の用紙検知手段によって複数の用紙が重なった状態であることを高い精度で検知できる。
【0038】
これらにより、給紙カセットから次の用紙を取り出すまでの時間間隔を従来よりも大きくしたり、高性能の用紙端検知スイッチを用いたりすることなく、複数の用紙が重なった状態で搬送されているか否かを正確に検出することが可能となる。従って、印刷処理速度を低減することなく、低コストでもって、用紙連続搬送時に先の用紙と後続の用紙とが重なった状態であるか否かを高精度で検出することができる。
【0039】
また、先に搬送される用紙の後端が第1の用紙検知手段によって検知された後、タイマ手段によって所定時間経過が計測される前に、後続する用紙の先端が第1の用紙検知手段によって検知された場合には、駆動力切り換え手段が搬送ローラへの駆動力伝達を遮断するように制御すれば、先に搬送される用紙と後続用紙との間隔が、画像形成装置の印刷行程において予定している本来の間隔よりも短い場合に、先に搬送される用紙と後続用紙との間隔を補正することが可能である。従って、第2の用紙検知手段による用紙状態の検知をより高い精度で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る用紙搬送機構を備えたプリンタの概略構成を示す模式図である。
【図2】 本発明に係る用紙搬送機構の概略構成図である。
【図3】 上記プリンタの概略構成を示すブロック図である。
【図4】 上記用紙搬送機構による用紙搬送時の処理の流れを示すフローチャートである(第1の実施形態)。
【図5】 上記用紙搬送機構による用紙搬送時の処理の流れを示すフローチャートである(第2の実施形態)。
【図6】 上記第2の実施形態の用紙搬送時における用紙搬送機構各部の制御を示す図であり、(a)は通常動作時の信号状態を示す図、(b)は第2の実施形態の用紙搬送時における信号状態を示す図である。
【符号の説明】
1 プリンタ
13 用紙搬送路
100 用紙搬送機構
101 用紙送りコロ
103 フィードローラ対
104 レジストローラ対
106 フィードスイッチ
107 レジストスイッチ
110 制御部
120 給紙モータ
121 フィードローラクラッチ
122 タイマ

Claims (3)

  1. 回転する一対の搬送ローラで用紙をニップすることによって、複数の用紙を順次搬送する用紙搬送機構であって、
    前記搬送ローラを回転駆動する駆動源と、
    前記搬送ローラの上流側近傍で用紙の先端及び後端を検知する第1の用紙検知手段と、
    前記駆動源から前記搬送ローラへの駆動力伝達を切り換える駆動力切換手段と、
    時間を計測するタイマ手段と、
    前記第1の用紙検知手段が用紙先端を検知した後、当該用紙の後端が前記搬送ローラを通過したと予測される時間経過したことを前記タイマ手段が計測した場合は前記第1の用紙検知手段によって当該用紙の後端が検出されていなくても、前記駆動力切り換え手段が前記搬送ローラへの駆動力の伝達を遮断し、さらに、この搬送ローラへの駆動力の伝達遮断後、前記搬送ローラを通過した用紙と後続用紙との間隔を一定間隔まで広げるための当該搬送ローラの駆動停止時間が経過したことを前記タイマ手段が計測したときに、前記駆動力切り換え手段が前記搬送ローラに駆動力を伝達するように制御する制御手段と
    を備えた用紙搬送機構。
  2. 前記搬送ローラよりも下流側で用紙の先端及び後端を検知する第2の用紙検出手段と、
    前記第2の用紙検知手段によって用紙間隔が検知されない場合に、複数の用紙が重なった状態で搬送されていると判断する判断手段と
    を更に備えた請求項1に記載の用紙搬送機構。
  3. 前記制御手段は、先に搬送される用紙の後端が前記第1の用紙検知手段によって検知された後、前記タイマ手段によって所定時間経過が計測される前に、後続する用紙の先端が前記第1の用紙検知手段によって検知された場合には、前記駆動力切り換え手段が前記搬送ローラへの駆動力伝達を遮断するように制御する請求項1又は請求項2に記載の用紙搬送機構。
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