JP3751363B2 - 光ファイバ用コネクタにおける光ファイバの固定装置 - Google Patents

光ファイバ用コネクタにおける光ファイバの固定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ファイバ用コネクタにおける光ファイバの固定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ同士や、投受光素子と光ファイバとの間を光学的に連結する場合には、両者の光軸を正確に一致させた状態で両者を各々固定する必要がある。こうした光ファイバの固定装置としては、締付部に形成した挿通孔に光ファイバを挿通した後、操作レバーを回転させて光ファイバを締付部で締め付けることにより、ワンタッチで固定できるようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の固定装置は、前記締付時における締付の反力を受ける支持フレームが、合成樹脂や亜鉛ダイキャストで形成されている。このように、支持フレームを合成樹脂で形成すると、強度上、支持フレームの肉厚が厚くなる。一方、支持フレームを亜鉛ダイキャストで形成すると、製造上、支持フレームの肉厚が厚くなる。したがって、コネクタが大型化する。
【0004】
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたもので、光ファイバ用コネクタの小型化を図り得る光ファイバの固定装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の光ファイバの固定装置は、光ファイバ用コネクタにおける光ファイバの端部を固定する固定装置であって、互いに略平行に配置した第1及び第2の板を含む板金製の支持部材と、一端部に操作部、他端部にカム面を有すると共に、前記支持部材の第1及び第2の板の上端部に軸止される回転軸を有する操作部材と、前記支持部材の第1及び第2の板の間に設けられ、一端部に前記操作部材のカム面により前記支持部材の下端部方向に押圧される被押圧部と、他端部に前記支持部材の第1の板に沿って前記支持部材の下端部方向に伸びた第1の部材と、前記支持部材の第2の板に沿って前記支持部材の下端部方向に伸び、かつ、該第1の部材よりも長い第2の部材とを有するスライダと、前記支持部材の第1及び第2の板に支持され前記第1の板側に開口部を有する断面略C字状の第1の光ファイバ挿通孔を形成する固定部及び変形部を有し、前記スライダの第1の部材が前記支持部材の下端部方向に該変形部を押圧することによって第1の光ファイバを前記変形部と固定部との間で締付ける第1の光ファイバ締付部材と、前記支持部材の第1及び第2の板に支持され前記第1の光ファイバ締付部材よりも前記支持部材の下端部側に設けられた第2の光ファイバを前記第1の光ファイバと略平行に配置し、前記第1の光ファイバ締付部材の開口部とは反対側の前記第2の板側に開口部を有する断面略C字状の第2の光ファイバ挿通孔を形成する固定部及び変形部を有し、前記スライダの第2の部材が前記支持部材の下端部方向に該変形部を押圧することによって第2の光ファイバを前記変形部と固定部との間で締付ける第2の光ファイバ締付部材と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明では、支持フレームを板金製にしたので、支持フレームを製造上薄くすることができると共に、強度的にも支持フレームを薄くすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は検出スイッチのアンプ部1の分解斜視図である。
この図において、アンプ部1は、本体ケース2、プリント基板3および中蓋4などで構成されている。本体ケース2は、プリント基板3や中蓋4などを収容するもので、取付部22を介して回動する上蓋(図示せず)を有している。
【0008】
前記プリント基板3には、素子ケース30が固着されている。該素子ケース30には、図2の破線で示すように、投光素子31および受光素子32が収容されていると共に、前記各素子31,32に向って形成された一対の挿入孔33が設けられている。前記素子ケース30と本体ケース2の側壁20との間には、光ファイバ5の端部を固定する固定装置10が介挿されている。
【0009】
前記本体ケース2の側壁20および固定装置10には、各々、一対の挿通孔21,13aが形成されている。これらの挿通孔21,13aおよび素子ケース30の挿入孔33には、アタッチメント60の2本の挿入部61,61が挿通ないし挿入されている。前記挿入部61,61は円筒状で、該挿入部61,61内に光ファイバ5が挿入される。これにより、アタッチメント60は、光ファイバ5の径が細い場合の接続を可能とするものである。前記挿入部61,61には、長い貫通孔62が一対形成されており、該貫通孔62の近傍が変形し易くなっている。
【0010】
図3および図4は固定装置10を示す。
図3において、固定装置10は、操作レバー(操作部材)11、スライダ(従動節部)12、締付部13および支持フレーム14から構成されている。該支持フレーム(支持部材)14は、たとえばステンレス板のような板金からなり、図3(b)に示すように、全体がコ字状に形成されている。
【0011】
前記操作レバー11には、両側(外方)に若干突出する一対の回転軸11aが一体に形成されており、該操作レバー11は外部から操作されて前記回転軸11aを中心に回動する。これにより、操作レバー11は、光ファイバ5の着脱を許容する図3(a)の傾倒状態と、光ファイバ5の端部を締め付けて固定した図4(a)の締付状態との2つの姿勢をとる。前記回転軸11aは、支持フレーム14に形成した軸受部14aに回転自在に支持されている。前記操作レバー11には、軸受部14aと同軸上に、カム面11bが形成されており、締付状態において前記スライダ12の上端面12aがカム面11bに押圧される。図5(a)のように、軸受部14aは、支持フレーム14における板状のフレーム本体14cから曲成されて突出する円環状の突出部で形成されている。なお、回転軸11aと軸受部14aとでヒンジが構成されている。
【0012】
図3のスライダ12は、支持フレーム14の案内孔(スライダ案内部)14dに案内される被案内部12bを一体に有しており、支持フレーム14に上下動自在に支持されている。前記スライダ12は前記操作レバー11と締付部13との間に配設されて、前記カム面11bの回転により下方に直動して、図3(b)および図4(b)のように締付部(第1及び第2の光ファイバ締付部材)13を変形させて、図2のアタッチメント60を介して光ファイバ5を締め付けさせる。
【0013】
前記締付部13は、前記一対の挿通孔13aを形成していると共に、前記操作レバー11の回動により、光ファイバ5を締め付けるもので、下端が支持フレーム14に支持されている。
【0014】
前記支持フレーム14は、前記操作レバー11、スライダ12および締付部13を支持すると共に、図4(a),(b)の光ファイバ5の締付状態において、前記カム面11bと上端面12aとの間に働く締付反力を受けるものである。なお、支持フレーム14には、締付部13を安定した状態で支持するための支持孔(第1及び第2の支持部)14eが形成されている。
【0015】
つぎに、アンプ部1の組立方法について簡単に説明する。
まず、図1の支持フレーム14に、図3のように、締付部13、スライダ12および操作レバー11を組付けた状態で、図1のプリント基板3および支持フレーム14を中蓋4に組付ける。この際、中蓋4の係合孔41がプリント基板3などの係合突起34に係合すると共に、図3の被案内部12bや締付部13の係合突部13bに係合する。これにより、図1の素子ケース30と支持フレーム14とが相対的に位置決めされる。ついで、プリント基板3等と一体の中蓋4を本体ケース2内に落とし込む。一方、アタッチメント60の挿入部61に一対の光ファイバ5を挿入し、この状態でアタッチメント60を図2のように挿入する。
【0016】
この挿入後、操作レバー11を矢印A方向に起こすと、図4(a)のように、操作レバー11のカム面11bが回転して、スライダ12が下方に直動する。これにより、締付部13が変形して、締付部13がアタッチメント60を介して光ファイバ5を締め付けることで、光ファイバ5の端部が固定される。
【0017】
この締付状態において、支持フレーム14には、締付の反力が作用する。
ここで、支持フレーム14は、たとえばステンレス板のような板金で形成されているから、板厚が薄くても、前記締付の反力に十分に耐えることができる。また、板金製であるから、製造上も薄肉にすることができる。したがって、固定装置10の幅Wを小さくすることができるから、アンプ部1(図1)の薄型化を図ることができる。
また、支持フレーム14をステンレスの板金製としたから、経時的な劣化もなく、信頼性が向上する。
【0018】
なお、支持フレーム14を構成するステンレス板の板厚は、一般に0.1mm以上0.5mm以下程度とするのが好ましく、0.2mm以上0.4mm以下とするのがより好ましい。
【0019】
ところで、前記締付反力は、支持フレーム14だけでなく、操作レバー11の回転軸11aなどにも作用する。一方、回転軸11aは、軸受部14a内で回転するから、ステンレス板(支持フレーム14)が薄いと、回転軸11aに作用する剪断力により、回転軸11aが損傷するおそれがある。これに対し、本実施形態では、図5(a)に明示するように、板状のフレーム本体14cから突出する突出部で軸受部14aを形成しているので、回転軸11aの支持面が大きくなる。したがって、回転軸11aが損傷するおそれがない。
なお、前記軸受部14aは、支持フレーム14をプレス加工する際に、絞り加工により形成できるから、製造性が低下するおそれもない。
【0020】
なお、前記実施形態では、回転軸11aを軸受部14aで回転自在に支持してヒンジを構成したが、本発明では、図5(b)のように、軸受部14aの外周で操作レバー11を回転自在に支持してヒンジを構成してもよい。
【0021】
また、前記実施形態では、図2のアタッチメント60を有している場合について説明したが、アタッチメント60を用いずに光ファイバ5を挿入孔33に挿入して、締付部13で光ファイバ5を直接締め付ける場合についても本発明が適用されることはいうまでもない。
【0022】
また、支持フレーム14は板金製であれば、ステンレス以外の他の金属で形成してもよい。
【0023】
また、前記実施形態では、光検出スイッチについて説明したが、本発明は、光変位計やプログラマブルコントローラなどの他の装置のコネクタ部や、光ファイバ同士を接続するコネクタ単体についても適用できる。また、前記実施形態では、1つの固定装置10で2本の光ファイバ5を固定する場合について説明したが、本発明は、3本以上の光ファイバ5の端部を固定する場合にも適用できる。なお、図6のように、多数の光ファイバ5を接続する機器においては、一度に多数本を接続できるので、工業上利用し易い。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、操作部と締付部との間に働く締付反力を受ける支持フレームを板金製としたから、支持フレームを製造上および強度的に薄肉にすることができる。したがって、コネクタの小型化を図り得る。
【0025】
また、支持部材の軸受部を、フレーム本体部から突出する円環状の突出部で形成すれば、操作部の回転軸を支持する面積が大きくなるから、該回転軸を損傷するおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかる光検出スイッチのアンプ部を示す概略分解斜視図である。
【図2】 光ファイバの接続部分を示す断面図である。
【図3】 締付前の状態における固定装置の断面図および正面図である。
【図4】 締付状態における固定装置の断面図および正面図である。
【図5】 (a)はヒンジの拡大断面図、(b)はヒンジの変形例を示す拡大断面図である。
【図6】 コネクタの変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
5:光ファイバ
10:固定装置
11:操作レバー
11a:回転軸
11b:カム面
12:スライダ(従動節部)
13:締付部
14:支持フレーム
14a:軸受部

Claims (5)

  1. 光ファイバ用コネクタにおける光ファイバの端部を固定する固定装置であって、
    互いに略平行に配置した第1及び第2の板を含む板金製の支持部材と、
    一端部に操作部、他端部にカム面を有すると共に、前記支持部材の第1及び第2の板の上端部に軸止される回転軸を有する操作部材と、
    前記支持部材の第1及び第2の板の間に設けられ、一端部に前記操作部材のカム面により前記支持部材の下端部方向に押圧される被押圧部と、他端部に前記支持部材の第1の板に沿って前記支持部材の下端部方向に伸びた第1の部材と、前記支持部材の第2の板に沿って前記支持部材の下端部方向に伸び、かつ、該第1の部材よりも長い第2の部材とを有するスライダと、
    前記支持部材の第1及び第2の板に支持され前記第1の板側に開口部を有する断面略C字状の第1の光ファイバ挿通孔を形成する固定部及び変形部を有し、前記スライダの第1の部材が前記支持部材の下端部方向に該変形部を押圧することによって第1の光ファイバを前記変形部と固定部との間で締付ける第1の光ファイバ締付部材と、
    前記支持部材の第1及び第2の板に支持され前記第1の光ファイバ締付部材よりも前記支持部材の下端部側に設けられた第2の光ファイバを前記第1の光ファイバと略平行に配置し、前記第1の光ファイバ締付部材の開口部とは反対側の前記第2の板側に開口部を有する断面略C字状の第2の光ファイバ挿通孔を形成する固定部及び変形部を有し、前記スライダの第2の部材が前記支持部材の下端部方向に該変形部を押圧することによって第2の光ファイバを前記変形部と固定部との間で締付ける第2の光ファイバ締付部材と、
    を備えたことを特徴とする光ファイバ用コネクタにおける光ファイバの固定装置。
  2. 請求項1において、
    前記支持部材の前記第1の板は前記第1の光ファイバ締付部材の変形部を支持する第1の支持部を有し、前記第2の板は前記第2の光ファイバ締付部材の変形部を支持する第2の支持部を有することを特徴とする光ファイバ用コネクタにおける光ファイバの固定装置。
  3. 請求項1もしくは2において、
    前記支持部材は、前記第1及び第2の板に前記スライダを案内するスライダ案内部を有することを特徴とする光ファイバ用コネクタにおける光ファイバの固定装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記スライダの回転軸を軸止する前記支持部材の軸受部は、前記第1及び第2の板においてそれぞれの板から突出する円環状の突出部で形成されていることを特徴とする光ファイバ用コネクタにおける光ファイバの固定装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、
    前記支持部材の下端部は、前記第1及び第2の板を連結する連結部を有しコ字状に形成され、前記第2の光ファイバ締付部材の下端を支持していることを特徴とする光ファイバ用コネクタにおける光ファイバの固定装置。
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