JP3751296B2 - 金属巻パイプ製品の製造方法 - Google Patents
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Description
このパイプ金具の製造方法として、図8及び図9に示すような方法が実施されている。
この製造方法では、(II)に示しているように1次曲げ工程で素材200の両端部を曲げ加工し、最終のパイプ金具(巻パイプ製品)224(図9参照)に近い曲率で湾曲した端曲げ部202を有する1次曲げ加工品204とする。
更にこの1次曲げ加工品204に対して2次曲げ工程を実施し、一対の円弧状部206と、これと同じ側に湾曲して突出した突出部207とを有する概略W形状の2次曲げ加工品208とする。
ここで3次曲げ加工品218は、互いに近接した各端部の間に隙間Sを有する形状となる。
詳しくは、図9(IV)に示しているように外型210の他方の分割型である半円形状の凹状の成形面222を有する上型220を下型212側に相対移動させて型締めし、3次曲げ加工品218の上半分を上型220の成形面222に沿って曲げ変形させる。
これによって、両端部が突き合された巻パイプから成る円筒状のパイプ金具224が得られる。
また工程数が多いことから、各工程を実施するためのスペースが全体として広いスペースを占めてしまう問題がある。
この特許文献1の製造方法では、図8の1次曲げ工程、即ち平板材から成る素材の両端部を端曲げ部202とする工程を省いており、全体として3工程で素材を円筒状に曲げ加工している。
この製造方法では、1次曲げ工程によって平板状の素材の両端部を湾曲状に曲げ加工して端曲げ部を形成し、次に2次曲げ加工で全体をU字状に曲げ加工し、そして最終の3次曲げ工程でU字状の加工品を円筒状に曲げ加工している。
この特許文献2及び特許文献3の製造方法においても曲げ工程は3回となる。
また全体の工程数が少なくなることから、各工程の占めるスペースを合せた全体のスペースを小スペース化することができる。
また上記1次曲げ工程において、立上り部の立上り形状をそれらの間の中間部から略直角に立ち上がる形状となしておくことができる(請求項3)。
これにより巻パイプ製品の形状,寸法精度を高めることができ、特に円筒状をなす巻パイプ製品の場合、その真円度を従来に増して高めることができる。
図1において、10は自動車用のエンジンマウントで、取付ブラケット12とマウント本体14とを有している。
マウント本体14は、円筒状をなす外筒金具16と、同じく円筒状をなす内筒金具18と、それらを連結するゴム弾性体20とを有しており、全体が一体に加硫接着されている。
支持部26は、金属の板材をコ字形状に曲げて成る台部28と、台部28を連結する板状の連結部30とを有しており、この支持部26に対し上記パイプ金具22が溶接接合されて一体化されている。
図3にも示しているように、本例において取付ブラケット12のパイプ金具22は、金属の平板材を、両端部を突合せ状態に円筒状に巻いて構成したものである。
この実施形態では、先ず図4(I)に示しているように板体の打抜きによって金属の平板材から成る素材32を用意する。
ここで得られた1次曲げ加工品40は、一対の立上り部34が雄型42の押込方向に互いに平行且つ中間部36からほぼ直角に立ち上がった形状となる。
ここで芯金46は、パイプ金具22の内径と同じ外径を有しており、その外周面全体がパイプ金具22の内周面に対応した形状の成形面48とされている。
これら上型50,下型52は、パイプ金具22の外周面に対応した凹状且つ半円形状の成形面54,56をそれぞれ有している。
また上型50には、成形面54に続いてハの字状に開いた傾斜形状の雌嵌合面58が設けられている。
またこれに対応して下型52には、型締め状態で上型50の雌嵌合面58に嵌合する、同じ傾斜形状の雄嵌合面60が設けられている。
またこの芯金46は、図示を省略するスプリングによって上下方向に移動可能な浮動状態に支持されている。
このとき、1次曲げ加工品40の下部が下型52の凹所内に一部嵌り込んだ状態となる。
この1次曲げ加工品40の下型52へのセットと併せて、その1次曲げ加工品40における一対の立上り部34と中間部36とで囲まれた内側空間に芯金46を軸方向から挿入する。
これにより、1次曲げ加工品40は芯金46と外型44即ち上型50及び下型52とによって、内周側と外周側とから同時的に挟圧され、図4(III)に示しているようにそれら芯金46の成形面48及び外型44の成形面54,56に沿って曲げ変形(押圧変形)させられ、図3の円筒状のパイプ金具22に成形(曲げ加工)される。
このとき、1次曲げ加工品40は芯金46によって中間部36における図中上向きの突出部38が下向きに押圧され、かかる突出部38及びその周辺部が、下型52における半円形状の成形面56及び芯金46における成形面48の下半分に沿って曲げ変形させられ、これによって1次曲げ加工品40における下半分が半円形状に成形される。
ここにおいて図2に示す円筒状の且つ巻パイプ状のパイプ金具22が得られる。
また全体の工程数が少なくなることから、各工程を実施するためのスペースを合せた全体のスペースを小スペース化することができる。
これによりパイプ金具22の形状,寸法精度を高めることができ、その真円度を従来に増して高めることができる。
例えば本発明は、場合によって図1のマウント本体14における外筒金具16等の製造方法として適用することも可能であるし、巻パイプ製品が楕円形状や軸方向のパイプ端面が凹凸若しくは波状のものであっても構わない。更にはまたエンジンマウント以外の各種用途に供される金属製の巻パイプ製品の製造方法として適用することも可能であるなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
22 パイプ金具(巻パイプ製品)
32 素材
34 立上り部
36 中間部
38 突出部
40 1次曲げ加工品
44 外型
46 芯金
48,54,56 成形面
50 上型(分割型)
52 下型(分割型)
58 雌嵌合面
60 雄嵌合面
Claims (6)
- 金属の平板材をパイプ状に曲げ加工して金属巻パイプ製品を製造する方法であって、
(イ)前記金属の平板材を素材として、該素材の一端側の部分と他端側の部分とを同じ側に立上り形状に曲げ加工する1次曲げ工程と、
(ロ)前記巻パイプ製品の外周面形状に対応した凹状の成形面を有する、複数の分割型から成る割型構造の外型を型締めして、前記1次曲げ工程で得られた1次曲げ加工品を巻パイプ状に曲げ加工し、その際に該巻パイプ製品の内周面形状に対応した外周の成形面を有し且つ該外型に対して相対変位可能な芯金を、該芯金の成形面とは異なった形状の前記1次曲げ加工品の両立上り部と残りの中間部とで囲まれた内側空間に挿入しておき、該外型の型締め時に該芯金の移動を伴って該外型と芯金とで前記1次曲げ加工品を内周側と外周側とから同時的に挟圧して前記各成形面に沿って押圧変形させ、それら外型と芯金とで共働して巻パイプ状に曲げ加工する2次曲げ工程と、
を含んでいることを特徴とする金属巻パイプ製品の製造方法。 - 請求項1において、前記巻パイプ製品は全体として円筒状をなしており、前記外型及び芯金の成形面が円筒の外周面,内周面に対応した形状をなしていることを特徴とする金属巻パイプ製品の製造方法。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記1次曲げ工程で前記立上り部の立上り形状を、それらの間の前記中間部から略直角に立ち上がる形状とすることを特徴とする金属巻パイプ製品の製造方法。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記1次曲げ工程で前記中間部に前記立上り部と同じ側に湾曲する突出部を形成しておき、前記2次曲げ工程で該突出部を前記芯金の移動を伴って該芯金により内周側から前記外型に向けて外周側に押圧し、以って該突出部及びその周辺部を前記外型及び芯金の成形面に沿った形状に押圧変形させるとともに、その変形に伴って前記両立上り部の各端部を該外型及び芯金の成形面に沿って曲げ変形させつつ該成形面に沿って接近方向に相対移動させ、該各端部を互いに突合せ状態とすることを特徴とする金属巻パイプ製品の製造方法。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記外型を上下の2分割の割型構造となして、一方の分割型である下型に前記1次曲げ加工品をセットした状態で他方の分割型である上型を型締め動作させ、その際に該上型にて前記立上り部を自身の成形面及び前記芯金の成形面に沿って曲げ変形させるようにし、且つ該上型にはその成形面に続いてハの字状に開いた傾斜形状の雌嵌合面を形成しておく一方、前記下型には型締め状態で該雌嵌合面に嵌合する雄嵌合面を形成しておき、型締めに際して該雌嵌合面を、前記立上り部を該上型の成形面に向けて移動案内するガイド面として働かせるようになすことを特徴とする金属巻パイプ製品の製造方法。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、前記巻パイプ製品が自動車のエンジンマウント用の巻パイプ製品であることを特徴とする金属巻パイプ製品の製造方法。
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