JP3613789B2 - ハイドロフォーミング用素材管の製造方法及びパイプベンダー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円形断面を有する管材を曲げ成形してハイドロフォーミング用の金型に装着する素材管を製造する方法、及びこの製造に用いるパイプベンダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車各部のフレームの新たな製造方法として注目されているハイドロフォーミングは、金型内に装着された素材管の内部に高圧の液体(一般的には高圧水)供給し、前記素材管を内側から加圧して変形させ、前記金型各部の内のり形状に対応する断面に成形する方法である。この方法によれば、長手方向に断面変化しつつ屈曲する複雑な形状をなすパイプフレームを一体成形することが可能であり、部品点数の削減、剛性及び強度の向上、計量化等、多くの利点を併せて実現することができる。
【0003】
このようなハイドロフォーミングにおいて、金型内に装着して用いられる素材管は、前記金型の型形状に合わせて長手方向の各部にて予め曲げておく必要があり、このような素材管の製造には、図7に概略構成を示すパイプベンダーが用いられている。
【0004】
図中Pは、曲げ対象となる管材であり、該管材Pは、その中途部をチャック1により掴持され、基台2上での前記チャック1の移動により、図中に白抜矢符にて示す如く管軸方向の送りを加えられ、この送り方向の下流側に位置して基台2の一側に配された曲げ装置3に送り込まれる。この曲げ装置3は、前記管材Pを曲げ変形させるパイプベンダーの主要部分であり、曲げ型30と、該曲げ型30との間に前記管材Pを挾持するクランプ型31と、この挾持部の一側(送り方向の上流側)において管材Pを支えるプレッシャ型32及びワイパ型33とを備えて構成されている。
【0005】
曲げ型30は、その外周に曲げ案内用の凹溝が形成された円板状の部材であり、前記管材Pの送り経路に前記凹溝を沿わせて回転台34上に取付けられ、該回転台34と共に前記送り経路と直交する軸回りに回転するようになしてある。またクランプ型31は、管材Pの送り経路を挾んで前記曲げ型30の外側に対向するように、該曲げ型30と共通の回転台34上に固定された挾持シリンダ35の出力端に取付けられており、該挾持シリンダ35の動作により曲げ型30の外周に接離し、離反時に曲げ型30との間に受け入れた管材Pを、接近時に曲げ型30との間に挾持する構成としてある。
【0006】
更にプレッシャ型32は、管材Pの送り経路に対してクランプ型31と同側に配された長尺の支え台であり、支えシリンダ36の進退動作に応じて管材Pの送り経路に対して接離するように配してある。またワイパ型33は、曲げ型30と同側にて管材Pの送り経路に沿わせて配された短尺の支え台であり、前記支えシリンダ36の動作によるプレッシャ型32の接近時に、該プレッシャ型32との間に前記管材Pを支える構成としてある。
【0007】
図8は、曲げ装置3の動作説明図である。所定の送り経路に沿って曲げ装置3に送り込まれる管材Pは、図8(a)に示す如く、共に離反状態にあるプレッシャ型32とワイパ型33との間、及びクランプ型31と曲げ型30との間に受け入れられる。このように送り込まれた管材Pは、所定の送り込み位置に達したとき、挾持シリンダ35及び支えシリンダ36を進出動作させることにより、図8(b)に示す如く、曲げ型30の外周とクランプ型31との間に強固に挾持され、また、この挾持位置の後続部分がプレッシャ型32とワイパ型33との間に支えられて拘束される。
【0008】
このような拘束下にて前記回転台34を回転させると、前記曲げ型30及びクランプ型31は、図8(c)に示す如く、管材Pを挾持したまま曲げ型30の軸回りに回転し、前記管材Pは、曲げ型30の外周に巻き付くように曲げ成形される。この間前記プレッシャ型32及びワイパ型33は、前記管材Pの後続部分を支え、曲げ成形に伴う反力の作用により外方へ張り出すことを抑制する作用をなす。
【0009】
而して、以上の如き曲げ成形を管材Pの長手方向複数か所にて繰り返し実施することにより、長手方向の各部が、適宜の方向に、適宜の曲率,角度を有して曲げられた曲がり管を製造することができ、前述したハイドロフォーミングにおいて金型内に装着する素材管として利用することが可能となる。なお、夫々の曲げ部における曲げ角度は、前記回転台34の回転角度を変えることにより、同じく曲げ方向は、曲げ型30とクランプ型31とによる挾持前の管材Pを軸回りに回転させることにより、更に曲率は、外径の異なる複数の曲げ型30を用いることにより夫々変更することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
さて、以上の如きパイプベンダーによる曲げ成形は、従来主として、ボイラの蒸気管等、各種流体の輸送用の配管系に用いられる曲がり管を得るべく、夫々の曲げ部に発生する断面の形状変化を可及的に小さく抑え、全長に亘って成形前の円形断面を保って行われており、このように製造された曲がり管をハイドロフォーミングの素材管として用いる場合、以下に示す問題が生じる。
【0011】
図9は、従来のパイプベンダーにより製造された曲がり管をハイドロフォーミングの素材管として用いる場合の問題点の説明図である。図中4は、ハイドロフォーミング用の金型であり、該金型4の上型40及び下型41の夫々との対向面(合わせ面)には、製品として得るべきパイプフレームの半部形状に対応する長溝形の凹所42,42(下型41側のみ図示)が、長手方向の複数か所に屈曲部を有して形成されている。
【0012】
また、ハイドロフォーミングによって成形されるパイプフレームは、前述の如く、長手方向に断面変化しつつ屈曲する複雑な形状を有しており、特に、自動車用のフレームにおいては、他の部品の固定用の座を設け、また他の部品との干渉を避けるために、各部の断面が矩形をなすパイプフレームを製造することが要求される。このようなパイプフレームを対象とする場合、ハイドロフォーミング用の金型4に形成された凹所42は、成形後のパイプフレームの断面形状に対応する矩形断面を有しており、図9中にX,Y,Zとして示す如く、屈曲部及び直線部を含めた長手方向の複数か所に断面の変化に応じて幅寸法が減じられた狭幅部が設けられているのが一般的である。
【0013】
このような金型4を用いたハイドロフォーミングは、前記上型40及び下型41の凹所42,42に対応するように長手方向の複数か所を曲げ成形してなる素材管5を用い、図中に矢符により示す如く、前記下型41の凹所42内に押し込み、この状態で下型41と上型40とを合わせて、両型40,41の凹所42,42間に形成された空洞部内にセットした後、このような素材管5の内部に高圧水を供給し、該素材管5を内側から加圧して変形させ、前記凹所42,42の内のりに沿わせた断面に成形する手順にて行われる。
【0014】
ところが、以上の如きハイドロフォーミングおいて、パイプベンダーにより曲げ成形された素材管5を用いた場合、該素材管5が、図示の如く全長に亘って円形断面を保つことから、前記下型41の凹所42に前述の如く設けられた狭幅部X,Y,Zにおいて、夫々に対応する素材管5の各部位x,y,zの押し込みが行えない場合があり、これらの部位x,y,zに対し、対応する狭幅部X,Y,Zへの押し込みが可能な寸法にまで偏平化する予備成形を強いられるという問題があり、一般に人手に頼って行われる前記予備成形の実施が、ハイドロフォーミングの工程における能率向上を阻害する要因となっている。
【0015】
この問題は、前記狭幅部X,Y,Zへの押し込みが可能な小径の素材管5を用いることにより解消されるが、このような小径の素材管5に対してハイドロフォーミングを実施した場合、内圧の作用により前記凹所42,42の内のりに沿うまでの間の素材管5の変形量が大きいために、断面の角部が薄肉化して所定の強度を確保することが難しくなり、また、変形途中の過度な肉厚減少により局所的な破断が生じる虞れさえあった。
【0016】
また、前記予備成形は、プレス機を用いて行わせることも可能であり、この場合、予備成形に要する手間及び時間を軽減することができるが、以下に述べる問題が発生する。図10は、プレス機を用いて予備成形を行った場合の問題点の説明図である。
【0017】
ハイドロフォーミング用素材管5の予備成形は、前述の如く、金型4への装着を可能とすべくなされるものであり、成形後の要求形状は、素材管5の長手方向各部において異なる。従ってこの予備成形には、平坦に近い押圧面を有する一対の押圧子6a,6bを接離可能に対向配置してなるプレス機が用いられ、図10(a)に示す如く、両押圧子6a,6bの間に配した素材管5を両側から押圧して行われるが、このとき素材管5は、前記押圧の方向と直交する方向に拡がりつつ偏平化され、図10(b)に示す如き形状となる。
【0018】
而して、このように偏平化された素材管5を用いて前述の如くハイドロフォーミングを実施する際に、図10(c)に示すように、上型40と下型41との合わせ面に形成された凹所42,42の底面に前記素材管5の拡がり端が当たり、両型40,41の合わせが行えなくなるという問題がある。
【0019】
この問題は、図10(d)に示す如く、拡がりを伴って偏平化された素材管5を前記プレス機に再セットし、押圧子6a,6bにより拡がり方向の両側から押圧して拡がり幅を減じることにより解消されるが、2段階の成形の実施により予備成形に要する手間及び時間が増す上、最終的に得られる素材管の5の断面が、図示の如きいびつな形状となり、その周面に疵、折れ等の形状不良が発生し易く、ハイドロフォーミングの実施に支障を来す虞れがある。
【0020】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、円形断面を有する管材を管軸方向の複数か所にて順次曲げ成形する工程中及び/又は工程間に、該管材の必要か所を偏平化する予備成形を併せて実施することにより、ハイドロフォーミングの金型への装着前に行われる予備成形を不要、又は軽減することが可能なハイドロフォーミング用素材管の製造方法、及びその実施に用いるパイプベンダーを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るハイドロフォーミング用素材管の製造方法は、円形断面を有する管材を管軸方向の複数か所にて順次曲げ成形してハイドロフォーミング用の金型に装着して用いる素材管を製造する方法において、前記複数か所の曲げ成形の工程中及び/又は曲げ成形の工程間に、前記曲げ成形のために拘束された前記管材の曲げ部及び曲げ部の前後の直線部を径方向の両外側から押圧し、押圧部分の断面を偏平化することを特徴とする。
【0022】
本発明においては、円形断面を有する管材を曲げ成形してハイドロフォーミング用の素材管を製造する際に、金型への装着のために必要な部位を、曲げ成形のための拘束下において径方向の両外側から押圧して偏平化し、長手方向の複数か所が曲げ成形される過程において、各曲げ部及び各曲げ部の前後の直線部が予め偏平化された素材管を製造する。
【0023】
また本発明に係るパイプベンダーは、円形断面を有する管材の中途部を曲げ型の外周とクランプ型との間に挾持し、この挾持部の管軸方向一側をプレッシャ型とワイパ型とにより支えて拘束し、前記曲げ型をクランプ型と共に軸回りに回転させて、前記管材を曲げ型の外周に沿わせて曲げ成形するパイプベンダーにおいて、前記曲げ型、クランプ型、プレッシャ型及びワイパ型の一部又は全部に組み込んであり、夫々と前記管材の当接部を外側から押圧して偏平化する押圧シリンダを具備することを特徴とする。
【0024】
本発明においては、円形断面を有する管材の曲げ成形に際して曲げ部を挾持する曲げ型及びクランプ型、この曲げ部の後続部分を支えるプレッシャ型及びワイパ型の一部又は全部に組み込まれた押圧シリンダが、曲げ成形中又は曲げ成形の工程間の適宜のタイミングにて動作し、夫々により拘束された管材を外側から押圧して偏平化し、長手方向の複数か所が曲げ成形されると共に、必要か所が予め偏平化された素材管を製造する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係るハイドロフォーミング用素材管の製造方法(以下本発明方法という)の実施に用いるパイプベンダーの全体構成を模式的に示す平面図である。
【0026】
本発明に係るパイプベンダーは、基台2の長さ方向一側に曲げ装置3を備え、曲げ対象となる管材Pの中途部をチャック1により掴持し、該チャック1を、基台2の上面に略全長に亘って移動させて、図中に白抜矢符にて示す如く、前記管材Pに管軸方向の送りを加えて曲げ装置3に送り込み、適宜の送り込み位置での曲げ装置3の動作により前記管材Pを曲げ成形するように構成されている。
【0027】
前記曲げ装置3は、曲げ案内のための曲げ型30と、該曲げ型30に対向配置されたクランプ型31と、該クランプ型31を曲げ型30に向けて進退動作させる挾持シリンダ35とを共通の回転台34上に備えると共に、これらよりも前記管材Pの送り方向上流側に、前記クランプ型31と同側のプレッシャ型32と、曲げ型30と同側のワイパ型33と、該ワイパ型33に向けて前記プレッシャ型32を進退動作させる支えシリンダ36とを備えて構成されている。
【0028】
以上の構成は、図7及び図8に示す従来のパイプベンダーと同様であり、本発明に係るパイプベンダーの特徴は、前記曲げ型30、クランプ型31、プレッシャ型32及びワイパ型33の夫々に押圧シリンダS1 〜S6 が以下の如く組み込まれているところにある。図1中には、これらの押圧シリンダS1 〜S6 の組み込み位置がブロック化して示されている。
【0029】
図2は、本発明に係るパイプベンダーに用いる曲げ型30及びクランプ型31の概略構成を示す斜視図である。本図に示す如く曲げ型30は、軸心部に設定された回転軸37の軸回りに回転する円板形の部材であり、曲げ案内のための外周面には、曲げ対象となる前記管材Pの半部の受容が可能な半円形断面を有して凹溝 30aが形成されている。また曲げ型30の周方向の一か所には、前記クランプ型31との間に管材Pを挾持する矩形の挾持ブロック38が、曲げ型30の外周面に対して接線方向に連続する挾持面を有して一体形成されており、前記凹溝 30aは、挾持ブロック38の挾持面にも延長されている。
【0030】
一方クランプ型31は、前記曲げ型30の挾持ブロック38と対向配置された矩形のブロックであり、前記挾持ブロック38との対向面には、前記管材Pの残りの半部の受容が可能な半円形断面を有して凹溝 31aが形成されており、図1に示す挾持シリンダ35の動作により前記挾持ブロック38の挾持面に押し付けられ、夫々の凹溝 30a,31a間に形成された円形の空洞部に前記管材Pを挾持するように構成されている。
【0031】
以上の如く構成された曲げ型30には、その外周面の一部及び前記挾持ブロック38の挾持面の中途部に夫々開口を有し、内奥側を広幅とした矩形の凹溝の形態をなす組み込み溝60,61が夫々形成され、また前記クランプ型31には、前記挾持ブロック38との対向面に同様の形態をなして組み込み溝62が形成されており、これらの組み込み溝60,61,62内に前記押圧シリンダS1 ,S2 ,S3 が組み込まれている。
【0032】
図中には、挾持ブロック38に組み込まれる押圧シリンダS2 が示してある。この押圧シリンダS2 は、組み込み溝61に対応する形状を有し、図中に矢符により示す如く押し込み固定されるシリンダブロック7と、該シリンダブロック7の内部に形成されたシリンダ室70と、該シリンダ室70の内部に摺動自在に嵌挿されたピストン71とを備え、前記ピストン71から前記挾持面と直交する方向に突設されたピストンロッド72の先端に、前記挾持面に設けた凹溝 30aの底面に沿わせた押圧子73を取付けてなり、前記シリンダ室70に導入される油圧の作用による前記ピストン71の摺動に応じて、前記ピストンロッド72が進出し、これの先端に取り付けた押圧子73が前記凹溝 30a内に突出する構成としてある。
【0033】
図示しない押圧シリンダS1 ,S3 もまた前記押圧シリンダS2 と同様の構成を有しており、前者は、曲げ型30に形成された組み込み溝60に組み込まれ、その動作時に曲げ型30の外周に形成された凹溝 30a内に突出する押圧子73を備え、また後者は、クランプ型31に形成された組み込み溝62に組み込まれ、その動作時に前記クランプ型31に形成された凹溝 31a内に突出する押圧子73を備えている。
【0034】
図3は、本発明に係るパイプベンダーに用いるプレッシャ型32及びワイパ型33概略構成を示す斜視図である。図示の如く共に矩形ブロック状をなすプレッシャ型32及びワイパ型33は、両者間に曲げ対象となる管材Pを挾持すべく前述の如く対向配置されており、この対向面には、前記管材Pの半部の受容が可能な半円形断面を有して凹溝 32a,33aが全長に亘って形成されている。
【0035】
このようなプレッシャ型32及びワイパ型33にも、夫々との対向面の一部に夫々開口を有し、内奥側を広幅とした矩形の凹溝の形態をなす組み込み溝63,64,65が夫々形成されており、これらの内部に前記押圧シリンダS2 と同様に構成された押圧シリンダS4 ,S5 ,S6 が組み込まれている。
【0036】
図中には、ワイパ型33に押圧シリンダS6 を組み込んだ状態が示されており、組み込み溝65に嵌め込まれたシリンダブロック7と、プレッシャ型32との対向面に形成された凹溝 33a内に突出する押圧子73が示されており、図示の如く押圧子73は、前記凹溝 33aの延設方向に所定の長さを有している。
【0037】
プレッシャ型32に組み込まれる図示しない押圧シリンダS4 ,S5 もまた、前記押圧シリンダS6 と同様にしてプレッシャ型32に形成された対応する組み込み溝63,64の夫々に組み込まれており、夫々の動作時にワイパ型33との対向面に形成された凹溝 32a内に押圧子73,73が突出するように構成されている。
【0038】
なお以上の実施の形態においては、押圧シリンダS1 〜S6 の夫々が共通の構成としてあり、曲げ型30、クランプ型31、プレッシャ型32及びワイパ型33に形成された組み込み溝60〜65に押し込み固定してあるから、部品点数の削減が図れ、また交換も容易であるという付加的な効果が得られるが、これらの押圧シリンダS1 〜S6 は各別の構成としてもよく、曲げ型30、クランプ型31、プレッシャ型32及びワイパ型33の夫々の必要か所に一体に組み込んだ構成としてもよい。
【0039】
図4は、本発明に係るパイプベンダーの曲げ装置3の動作説明図である。本発明に係るパイプベンダーにおいても、図7に示す従来のパイプベンダーにおけると同様、曲げ装置3に送り込まれる管材Pは、図4(a)に示す如く、相互に離反した曲げ型30とクランプ型31との間、及びプレッシャ型32とワイパ型33との間に受け入れられ、図4(b)に示す如く、挾持シリンダ35の動作により、管軸方向の所定位置を曲げ型30の外周とクランプ型31との間に挾持され、また支えシリンダ36の動作により、挾持位置の後続部分をプレッシャ型32とワイパ型33とにより支えられて拘束された状態となり、このような拘束状態下にて前記回転台34を回転させ、前記曲げ型30をクランプ型31と共に軸回りに回転させることにより、図4(c)に示す如く、前記曲げ型30の外面に沿って曲げ成形される。
【0040】
本発明に係るパイプベンダーは、前述の如く曲げ型30、クランプ型31、プレッシャ型32及びワイパ型33に組み込まれた押圧シリンダS1 〜S6 を備えており、前述の如く行われる曲げ成形の工程中及び曲げ成形の工程間の適宜のタイミングにおいて押圧シリンダS1 〜S6 のいずれかを動作させた場合、これらの出力端に固定された押圧子73が、前述の如く拘束された前記管材Pの該当部位を外側から押圧することとなり、前記管材Pが押圧方向に偏平化せしめられる。
【0041】
図5は、曲げ型30の挾持ブロック38とクランプ型31との間にて行われる偏平化の状態を示す説明図である。曲げ対象となる管材Pは、図5(a)に示す如く、挾持ブロック38側の半円形の凹溝 30aとクランプ型31側の半円形の凹溝 31aとにより、全周に亘って拘束された状態で挾持されており、この状態下にて前述した曲げ成形が行われる。
【0042】
このような拘束下において挾持ブロック38に組み込まれた押圧シリンダS2 を動作させると、凹溝 30a内に突出する押圧子73が前記管材Pを外側から押圧し、該管材Pは、図5(b)に示す如く、押圧側を内向きに凹ませるように偏平化される。同様にクランプ型31に組み込まれた押圧シリンダS3 を動作させると、凹溝 31a内に突出する押圧子73が前記管材Pを外側から押圧し、該管材Pは、図5(c)に示す如く、(b)と逆側を凹ませるように偏平化される。更に、前記押圧シリンダS2 ,S3 を同時に動作させると、前記管材Pは両側から偏平化されて、図6(a)に示す如き断面を有する素材管5が得られる。このとき実現される偏平化の程度は、夫々の押圧シリンダS2 ,S3 の押圧子73,73の突出量を変えることにより適宜に変更することができる。
【0043】
このような偏平化は、前記押圧シリンダS1 〜S6 の動作により、管材Pの長手方向の適宜位置にて行わせることができ、押圧シリンダS1 を動作させた場合、曲げ型30の外周の凹溝 30a内に突出する押圧子73により、図4(c)に示す如く曲げ成形される曲げ部(図9のx部等)を偏平化することができる。
【0044】
また押圧シリンダS2 〜S6 の動作による偏平化は、曲げ成形中、又は曲げ成形の工程間において、管材Pの直線部分(図9のy部,z部等)に対して行われるが、この偏平化は、前述した拘束状態において、図5の上下方向寸法を変えることなくなされるから、以降の曲げ成形のための管材Pの送りに支障を来す虞れはない。
【0045】
また、以上の手順により製造された素材管5は、図6(a)に示す如く、曲げ成形前の管材Pの円形断面を一部に保った偏平形状を有しており、このような素材管5を用いて前述の如くハイドロフォーミングを実施する際、図6(b)に示すように、上型40と下型41との合わせ面に形成された凹所42,42間に確実に収まり、両型40,41の合わせを阻害する虞れがなく、素材管5の内部に水圧を作用させたとき、前記凹所42,42の内のりに沿った断面への変形を無理なく行わせることができる。
【0046】
なお以上の説明は、ハイドロフォーミングにより自動車用のフレームを製造する場合を例としてなされているが、本発明方法により得られる素材管5は、自動車用のフレームに限らず、広範な工業分野において種々の用途に用いられる部材をハイドロフォーミングにより製造する場合全般に適用可能であり、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明方法においては、円形断面を有する管材の複数か所を順次曲げ成形してハイドロフォーミング用の素材管を製造する際に、曲げ成形の工程中、又は曲げ成形の工程間に、前記管材を曲げ成形のための拘束下において、各曲げ部及び各曲げ部の前後の直線部を径方向の両外側から押圧して偏平化するから、長手方向の複数か所を曲げ成形する一連の工程の間に、曲げ部及び直線部を含む必要か所が予め偏平化された素材管を製造することができ、ハイドロフォーミング用の金型への装着前に従来行われていた予備成形を大幅に軽減することができ、ハイドロフォーミングの能率向上に寄与することができる。
【0048】
また本発明に係るパイプベンダーにおいては、曲げ型、クランプ型、プレッシャ型及びワイパ型に押圧シリンダを組み込んだから、前記各型による拘束下での管材の曲げ成形中、又は曲げ成形の工程間に前記押圧シリンダを動作させることにより、夫々の該当部位が偏平化された素材管を製造することができ、ハイドロフォーミング用の金型への装着前に従来行われていた予備成形が大幅に軽減されて、ハイドロフォーミングの能率向上に寄与することができると共に、前記偏平化が本来の断面を大きく損なうことなくなされ、ハイドロフォーミング用の金型への装着、及び装着後のハイドロフォーミングの実施を無理なく行わせることが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施に用いるパイプベンダーの全体構成を模式的に示す平面図である。
【図2】本発明に係るパイプベンダーに用いる曲げ型及びクランプ型の概略構成を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るパイプベンダーに用いるプレッシャ型及びワイパ型の概略構成を示す斜視図である。
【図4】本発明に係るパイプベンダーの曲げ装置の動作説明図である。
【図5】曲げ型の挾持ブロックとクランプ型との間にて行われる偏平化の状態を示す説明図である。
【図6】本発明方法により製造された素材管の形状及びこの素材管をハイドロフォーミング用の金型に装着した状態を示す図である。
【図7】従来のパイプベンダーの全体構成を示す平面図である。
【図8】従来のパイプベンダーの曲げ装置の動作説明図である。
【図9】従来のパイプベンダーにより製造された曲がり管をハイドロフォーミングの素材管として用いる場合の問題点の説明図である。
【図10】プレス機を用いて予備成形を行った場合の問題点の説明図である。
【符号の説明】
1 チャック
2 基台
3 曲げ装置
4 金型
30 曲げ型
31 クランプ型
32 プレッシャ型
33 ワイパ型
73 押圧子
S1 〜S6 押圧シリンダ
Claims (2)
- 円形断面を有する管材を管軸方向の複数か所にて順次曲げ成形してハイドロフォーミング用の金型に装着して用いる素材管を製造する方法において、
前記複数か所の曲げ成形の工程中及び/又は曲げ成形の工程間に、前記曲げ成形のために拘束された前記管材の曲げ部及び曲げ部の前後の直線部を径方向の両外側から押圧し、押圧部分の断面を偏平化することを特徴とするハイドロフォーミング用素材管の製造方法。 - 円形断面を有する管材の中途部を曲げ型の外周とクランプ型との間に挾持し、この挾持部の管軸方向一側をプレッシャ型とワイパ型とにより支えて拘束し、前記曲げ型をクランプ型と共に軸回りに回転させて、前記管材を曲げ型の外周に沿わせて曲げ成形するパイプベンダーにおいて、
前記曲げ型、クランプ型、プレッシャ型及びワイパ型の一部又は全部に組み込んであり、夫々と前記管材の当接部を外側から押圧して偏平化する押圧シリンダを具備することを特徴とするパイプベンダー。
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