JP3750733B2 - 鉛フリーはんだ付方法及び基板収納体 - Google Patents

鉛フリーはんだ付方法及び基板収納体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パターン化された配線基板にはんだ付を行なう鉛フリーはんだ付方法及び基板収納体に関する。配線基板は、立体成形基板、プリント基板、フレキシブル基板等を含むものであり、主に、ワイヤハーネスが接続された基板に好適な鉛フリーはんだ付方法と基板収納体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パターン化された配線基板、例えば、プリント基板のはんだ付けは、一般的にフローはんだあるいはリフローはんだ付方法等によって行なわれている。例えば、特開2000−244108号に記載されているものは、図9に示すように、一次ノズル61・二次ノズル62が配置された溶融はんだ槽63と、溶融はんだ槽63に隣接する冷却装置64と、溶融はんだ槽63の上方に配置されて窒素雰囲気を構成するチャンバ65と、チャンバ65内で基板を搬送するコンベア66と、を有して構成されるフローはんだ付装置60が示されている。
【0003】
このフローはんだ付装置60は、プリント基板を鉛フリーはんだではんだ付するものに好適に使用され、プリント基板をコンベア上で搬送する際に、一次ノズル61で乱流となった溶融はんだを噴き付け、二次ノズル62で層流となった溶融はんだを噴き付け、その後冷却装置64から噴き付けられた冷却液で冷却することによってはんだ付が行なわれている。このはんだ付を行なう際には、チャンバ65内で、チャンバ65内を所定の酸素濃度まで下げるために、窒素雰囲気を構成させている。
【0004】
また、従来から一般的にリフローはんだ方法で用いられていたはんだは、図8に示すように、窒素雰囲気の中で、鉛、錫の共晶はんだ(主にPbー63Sn)が使用されていた。鉛を含んだ共晶はんだは融点(約183℃)が低く濡れ性が優れていることから、はんだ付を行なった後のはんだ付性がよい。しかし、鉛を含んだ材料は、鉛が雨水等によって溶出して地下水を汚染するという環境的問題が発生していることから、鉛の成分を含まない鉛フリーはんだ方法をとらざるを得なくなってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、はんだ付けされるワークがプリント基板でなく、例えば、車両に使用される回転検出装置(回転センサ)の立体成形基板を鉛フリーはんだ付で行なう場合、鉛フリーはんだにおいては、鉛を含まないことから共晶はんだに比べて融点(約232℃)が高く、しかも濡れ性が悪いことから、スルーホールのはい上がり不良やはんだ付後のはんだブリッジやはんだつらら等の外観不良を起こしやすい。つまり、立体成形基板は、樹脂ベース上にホールIC等の磁気検出素子、バイアス磁石、コンデンサ、抵抗等の回路部品を搭載して各回路部品の端子を樹脂ベースに形成された配線パターンにはんだ付をし、これを樹脂モールドした構成であり、プリント基板と異なって、スルーホール高さが著しく高く、また、はんだ部分付部の凹凸形状が大きく形成されている。しかも立体成形基板にはワイヤハーネスが付帯されている。従って、立体成形基板ではスルーホールのはい上がり高さが高く、またはんだの温度はワイヤハーネスによって熱が奪われることから、はんだが高いスルーホールをはい上がりにくい状況となっていた。
【0006】
しかも、濡れ性が悪く、高融点の錫100%(あるいは鉛のない錫系合金)のはんだを使用することから、立体成形基板の配線のはんだはい上がり部分のメッキ部は、そのピール強度が低下するためにはんだ槽に僅かの時間しか暴露できない状態にある。そのために、特にスルーホールにおいてははんだ付性が低下するとともに、はんだブリッジやはんだつらら等の外観不良を発生しやすくなっていた。
【0007】
上記の公報に示されるはんだ付装置60では、ワイヤハーネスが付帯されていないプリント基板をはんだ付けすることは可能であっても、ワイヤハーネスが付帯されている基板を搬送することは、窒素雰囲気の中で加熱する際にワイヤハーネスを溶融させてしまうことから、製品として使用することができなかった。また、スルーホール高さの高く凹凸形状の差の大きな立体成形基板をはんだ付けする際の、はんだ付性や外観不良を解決するようには構成されていない。しかも、窒素雰囲気を構成するチャンバと2個のノズルの配置によって、装置を大型にするとともに、コストも高くなっていた。さらに、はんだ付の作業に時間がかかることから生産性も低下することとなっていた。
【0008】
この発明は、上述の課題を解決するものであり、濡れ性が悪く高融点のはんだを使用してはい上がりを確保して外観不良を防止できるとともにコンパクトで廉価な装置を提供できる鉛フリーはんだ付方法と、どのような基板であってもはんだ付を行なえる基板収納体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかわる鉛フリーはんだ付方法及び基板収納体では、上記の課題を解決するために以下のようにするものである。すなわち、
請求項1記載の鉛フリーはんだ付方法は、はんだ槽から噴流された噴流はんだ液で加熱されてはんだ付を行う、いわゆるフローはんだ方式であり、基板が基板収納体に収納されることによってロボットでの搬送が可能となり、さらに、パターン化される基板を基板収納体とともにロボットではんだ槽に搬送すると、はんだ槽においては、噴流はんだ液を乱流域にした状態で、基板を所定時間、噴流はんだ液の流れに対して基板収納体ごと順送して基板に噴流はんだ液を浸漬させることから、スルーホール内に噴流はんだ液を浸入させ、パターン化されるはんだ付部にはんだ付を行う。従って、噴流はんだ液は高さの高いスルーホール内においてもはい上がることができる。
【0011】
次に、前記はんだ槽の乱流域を停止させて層流域にした後、噴流はんだ液の流れに対して、前記基板を基板収納体ごと逆送させることによって付着されたはんだを切り返すこととなる。この際、はんだが基板から離れる部分に、基板の移動速度と、はんだの流速、はんだの表面張力、ピールバック速度との力学的関係が発生する。そして、この力学的関係が吊り合うように各速度を設定することによって、はんだが無駄なく切り返しを行なえることから、はんだブリッジやはんだつららの発生をなくして外観を向上させることができる。
【0012】
従って、乱流域の中で、ロボットにより基板を基板収納体ごと順送させ、層流域内でロボットにより基板を基板収納体ごと逆送給させることができることから、1個のノズルを配置させた1槽のはんだ槽ではんだ付を行なえてコンパクトなはんだ付装置の構成を可能とするとともに、立体成形基板やプリント基板、あるいはワイヤハーネスが付帯する基板や付帯しない基板のどのような基板でも短時間にはんだ付を行なうことができる。
【0013】
また、請求項記載の発明の鉛フリーはんだ付方法では、基板にワイヤハーネスが付帯されていても、基板収納体には、基板本体部は基板支持部に支持され、ワイヤハーネスはワイヤハーネス収納部に収納されることから、ワイヤハーネス収納部に、例えば、ワイヤハーネスを覆う蓋部を配置することによって、加熱される際に、ワイヤハーネスを保護することができ、はんだ付を行なうことが可能となる。
【0014】
また、請求項記載の発明の鉛フリーはんだ付方法では、大気雰囲気内ではんだ付を行なうことによって、極めて短時間でのはんだ付作業を行なうことができ、作業性を向上することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態の鉛フリーはんだ方法は、車両の回転検出装置(回転センサ)に使用される立体成形基板(以下、MID基板という。)をはんだ付することについて説明するものであり、図1〜2に示すはんだ付装置Mによって行なわれる。はんだ付装置Mは、機台1上に配置されるとともにMID基板10を基板収納体(以下パレットという)20に収納してMID基板10が収納されたパレット20をハンド201で把持するロボット2と、パレット20に収納されたMID基板10にフラックス処理するフラックス装置3と、パレット20に収納されたMID基板10に予熱を付与する加熱装置4と、MID基板10にはんだ付けするはんだ槽5と、MID基板10をパレット20に収納してはんだ付装置M内に投入するとともにはんだ付けされたMID基板10をパレット20とともに回収する投入・回収装置6とを有して構成されている。
【0018】
MID基板10は、図3に示すように、MID基板本体部11とワイヤハーネス15とを備え、MID基板本体部11は、樹脂ベース12上にホールIC等の磁気検出素子、バイアス磁石、コンデンサ、抵抗等の回路部品を搭載(図3における裏面側に搭載するため図示せず)して各回路部品の端子を樹脂ベース12に形成された配線パターン13にはんだ付をし、これを樹脂モールドして構成されている。なお、各回路部品の端子は、樹脂ベース12に形成されたスルーホール14内に挿入されてはんだ付をすることによって配線パターン13を形造ることとなる。
【0019】
そして、この実施形態におけるMID基板10において各電子部品の端子を挿通するスルーホール14は、その高さが約2.5mmに形成され、はんだ付部の凹凸差は約40μmの段差を有している。これは、通常のプリント基板に対してスルーホール13高さが約2.5倍、凹凸差は約8倍となっている。また、MID基板本体部11の一端側から延びるワイヤハーネス15は、先端にコネクタ部16(図4参照)を有して形成される。
【0020】
MID基板10を収納するパレット20は、図4〜6に示すように、MID基板10以外にもプリント基板等を載置可能なベース板21と、MID基板10を上方から押える前部蓋部25と、ワイヤハーネス15をカバーする後部蓋部27とを有している。実施形態におけるベース板21には、MID基板本体部11を収納する基板載置部22と、ワイヤハーネスを収納するワイヤハーネス収納部23とを有して略矩形状に形成され、さらに、MID基板10の軸心方向に対して側部側にロボット2のハンド201に把持される被把持部24を各2か所づつ備えて構成されている。そして、基板載置部22と前部蓋部25を含めて基板支持部26を構成している。
【0021】
基板載置部22には、MID基板本体部11の両端を支持する支持部221(図6参照)が形成されるとともに、MID基板本体部11の下方からはんだ噴流を噴き込むための開口部222がMID基板本体部11と略同幅に形成されている。さらに、基板配置部22には、前部蓋部25が支持部221に支持されたMID基板本体部11を上方から押圧するために一端が基板載置部22に軸支されて開閉可能に配置されている。前部蓋部25にはMID基板本体部11の両端を軽く押圧する押圧部252(図5又は6参照)が前部蓋部25の本体251(図5又は6参照)から下方に突出するように形成されるとともに、前部蓋部25を閉じた時に、基板載置部22側のマグネット223及び前部蓋部25側のマグネット253で基板載置部22に固着可能に構成されている。
【0022】
ワイヤハーネス収納部23は、MID基板10のワイヤハーネス15を収納するために、実施形態においてはその約半分のスペース内でワイヤハーネスを屈曲させてコネクタ部16を収納するように使用している。そして、後部蓋部27の一端がワイヤハーネス収納部23の一部に軸支されてワイヤはーネス15を覆うように開閉可能に配置されている。後部蓋部27も前部蓋部25と同様に、閉じた時に他端がワイヤハーネス収納部23にマグネット等で固着される。
【0023】
なお、パレット20は、基板収納部22、ワイヤハーネス収納部23、ロボット2のハンド201に把持される被把持部24、及び各基板を押圧する前部蓋部25、ワイヤハーネス15を覆う後部蓋部27、MID基板本体部11の下面に噴流はんだ液を噴き込むための開口部222が形成あるいは配置されていれば、特にそれらの形状に限定するものではなく、また、MID基板やプリント基板あるいは他の基板の形状に合わせて全体の形状を形成すればよい。
【0024】
ロボット2は、機台1上の略中央部に位置するように配置され、投入・回収装置6に投入されてMID基板10を収納したパレット20をハンド201で把持して、順に、フラックス装置3、加熱装置4、はんだ槽5にMID基板10を搬送して投入・回収装置6に回収するように作動される。
【0025】
フラックス装置3は、ロボット2のハンド201で搬送されたMID基板10の裏面側にフラックス液を塗布してはんだ付行なえるように構成され、これは、公知のフラックス装置が配置される。実施形態において、このフラックス装置3では、フラックス液はソルダライトULF−3000が使用され、間欠スプレー方式で約2秒間で塗布する。
【0026】
加熱装置4は、搬送部41と加熱部42とを有して構成され、MID基板10を収納してロボット2のハンド201で把持されたパレット20が、ハンド201の把持解除で加熱装置4の一端に載置されると、搬送部41によってMID基板10を収納したパレット20を一方の側に向かって所定時間内で搬送し、その間、加熱装置42によってMID基板10に予熱を加える。実施形態においては、この予熱温度は約80〜100℃に設定され、予熱時間は約10秒程度に設定されている。
【0027】
はんだ槽5は、フローはんだ付方式が採用され、噴流となった噴流はんだ液をパレット20の開口部222を通って裏面側から噴き付けることによってはんだ付が行なわれるように構成され、図7に示すように、ノズル51とはんだ流ガイド52とを有して1槽で構成されている。はんだ槽5には、噴流はんだ液を噴き付けるためのノズルと51、ノズル51から噴射された噴流はんだ液の流れを形成するはんだ流ガイド52と、噴流はんだ液に乱流を発生させる図示しないモータとを有している。そして、このはんだ槽5では、モータを作動させることによって噴流はんだ液を攪拌して高速のはんだ流で乱流域を形成する。
【0028】
そして、はんだ槽5では、MID基板10を収納したパレット20をロボット2のハンド201が把持した状態で、ロボット2の制御によって、乱流域又は層流域の中でノズル51の上方でパレット20を順送させたり逆送させたりする。この作動は後述の作用の中で詳細に説明する。
【0029】
はんだ槽5におけるはんだ付作業は大気雰囲気の中で行なわれ、また、はんだ付作業によって、はんだ槽5の上方で上昇された温度を吸引するバキューム装置8(図2参照)が、はんだ槽5の上方に配置されている。
【0030】
次に、上記のように構成されたはんだ付装置Mの作用を、図1〜8に基づいて説明する。
【0031】
はんだ付装置Mの外でパレット20にセットされたMID基板10(以下、基板組30という。)が、投入・回収装置6からはんだ付装置M内に投入されると、ロボット2のハンド3がパレット20の被把持部24を両側から把持して、基板組30を保持する。
【0032】
ロボット2に保持された基板組30は、フラックス装置3に搬送されてロボット2に保持された状態のまま、フラックス液をMID基板10の裏面側に塗布する。
【0033】
次にフラックス液が塗布された基板組30は、ロボット2によって加熱装置4に搬送される。加熱装置4では、ロボット2がハンド201で基板組30を把持解除すると、基板組30は搬送部41で搬送されながら予熱される。この際、基板組30を把持解除したロボット2は、加熱装置4で予熱されて予熱部42の先端で待機している直前の基板組30をはんだ槽5に搬送してはんだ付をする。そして、はんだ付をした基板組30を投入・回収装置6で回収した後、新たな基板組30を把持して、フラックス処置をして加熱装置4に再び搬送する。これによって、タクトタイムを短縮することができる。
【0034】
はんだ槽5に搬送された基板組30は、ロボット2に保持された状態のまま、はんだ槽5のノズル51上方に搬送される。実施形態のはんだは、図8に示すように、濡れ性が悪く高融点の錫100%のものを使用して、MIDはんだ付性(はんだはい上がり)を確保しながらはんだ外観不良を低減するために、基板組30がはんだ槽5のノズル51上方に配置される際、はんだ槽5は、下記表1のはんだ付条件で示すように、シーケンス制御あるいはコンピュータプログラミングされたモータによって乱流域を形成し、MID基板10の浸漬深さを2〜2.5mmに設定している。はんだ槽5のノズル51から噴流する噴流はんだ液は基板組30のパレット20の下部開口部222からMID基板10内に噴流するとともにはんだ流ガイド52に沿って流れている(順送方向)。基板収納体10がロボット2にて、はんだ槽5の上方に移動されると、基板組30は、水平方向に対してMID基板角度0〜8°(実施形態では約8°)の範囲内ではんだ流の順送方向に沿って移動させる。この移動は約3.5〜4秒で行なわれ、この間に、はんだがMID基板10に浸漬されることになる。
【0035】
【表1】
Figure 0003750733
【0036】
基板組30が、所定時間搬送されると、次に、はんだ槽5は乱流域を停止して層流域を形成させる。そして、基板組30をロボット2により噴流はんだ液の流れに対して逆送させる。このときのはんだ槽5のはんだ付条件は、下記表2の第2のはんだ付条件で示すように、噴流はんだ液量を2.5〜3mmとし、層流域内でMID基板深さを2〜2.5mmに設定する。そして、基板組30をロボット2によって、MID基板角度3〜8°で噴流はんだ液に対して逆送方向に3.5〜4秒間移動させる。
【0037】
【表2】
Figure 0003750733
【0038】
これによって、MID基板10のはんだ付部に付着されたはんだは、基板組30の層流域内での逆送によって、力学的関係で釣合が取れることによって、無駄なくきれいに切り返されることとなる。
【0039】
上記のようなはんだ付条件で、ロボット2に把持された基板組30のMID基板10を、1槽のはんだ槽5ではんだ付を行なうことによって、大気雰囲気内で行なうことができ、その結果、図8に示すように極めて短時間でワイヤハーネス15を付帯したMID基板10にはんだ付を行なうことができる。
【0040】
図8のグラフは、従来から一般的に行なわれてプリント基板を窒素雰囲気の中でフローはんだ付をしたもの(二点鎖線で示す)と、本発明によるはんだ付装置Mで行なわれて大気雰囲気内でMID基板10をフローはんだ付したもの(実線で示す)との、温度プロファイルの比較を示したものである。
【0041】
上述のように、高融点(約232℃)の錫100%を使用しても、乱流域での順送、層流域での逆送をロボット2の搬送により大気雰囲気で行なうことにより、一般に行なわれていたはんだ付方法に比べて、極めて短時間ではんだ付を行なうことができる。
【0042】
なお、ロボット2がはんだ槽5上において、乱流域の中での順送、層流域の中での逆送を行なう作動は、その位置及び移動量を記憶されることから、一旦行なえばティーチングされてこれを繰り返して行なうこととなる。
【0043】
従って、上記のように、実施形態のはんだ付方法では、以下のような効果を達成できる。
【0044】
第1に、MID基板10が、はんだ槽5の上方で往復移動するためにロボット2に把持されるパレット20に収納されて、はんだ付けされることから、例えば、MID基板10にワイヤハーネス15が付帯されているものでも、また立体成形基板やプリント基板であっても、ロボット2がパレット20の被把持部24を把持してはんだ槽5の上方で搬送することによって、MID基板10の下方から噴流はんだ液を噴き付けることができる。従って、各種の基板をはんだ付けすることが可能となる。
【0045】
第2に、MID基板10がパレット20に収納されることによってロボット2での搬送が可能となり、さらに、パターン化されるMID基板10をパレット20とともにロボット2ではんだ槽5に搬送すると、はんだ槽5においては、噴流はんだ液を乱流域にした状態で、MID基板10を所定時間、噴流はんだ液の流れに対してパレット20ごと順送してMID基板10に噴流はんだ液を浸漬させることから、スルーホール内に噴流はんだ液を浸入させ、パターン化されるはんだ付部にはんだ付を行なう。従って、噴流はんだ液は高さの高いスルーホール内においてもはい上がることができる。また、はんだ槽5の乱流域を停止させて層流域にした後、噴流はんだ液の流れに対して、MID基板10をパレット20ごと逆送させることによって付着されたはんだを切り返すこととなる。従ってはんだが無駄なく切り返しを行なえることから、はんだブリッジやはんだつららの発生をなくして外観を向上させることができる。
【0046】
従って、乱流域の中で、ロボット2によりMID基板10をパレット20ごと順送させ、層流域内でロボット2によりMID基板10をパレット20ごと逆送給させることができることから、1個のノズル51を配置させた1槽のはんだ槽5ではんだ付を行なえてコンパクトなはんだ付装置Mの構成を可能とするとともに、立体成形基板やプリント基板、あるいはワイヤハーネスが付帯する基板や付帯しない基板のどのような基板でも短時間にはんだ付を行なうことができる。
【0047】
第3に、MID基板10にワイヤハーネス15が付帯されていても、パレット20には、MID基板本体部11は基板支持部26に支持され、ワイヤハーネス15はワイヤハーネス収納部23に収納されることから、ワイヤハーネス収納部23に、例えば、ワイヤハーネス15を覆う後部蓋部27を配置することによって、加熱される際に、ワイヤハーネス15を保護することができ、はんだ付を行なうことが可能となる。
【0048】
第4に、実施形態のはんだ付装置Mでは、大気雰囲気内ではんだ付を行なうことによって、極めて短時間でのはんだ付作業を行なうことができ、作業性を向上することができる。
【0049】
第5に、実施形態のパレット20は、MID基板10の基板本体部11を基板支持部26に支持し、ロボット2で被把持部24を把持すれば、ロボット2によってパレット20に収納されたMID基板10をはんだ槽5の上方を搬送でき、しかもパレット20に形成された開口部222を通して噴流はんだ液を噴き付けることができることから、どのような基板であっても、基板をパレット20に収納させることによってはんだ付を行なうことが可能となる。
【0050】
第6に、実施形態のパレット20には、ワイヤハーネス収納部23を配置させていることから、MID基板10にワイヤハーネス15が付帯されていても、パレット20には、MID基板本体部11は基板支持部26に支持され、ワイヤハーネス15はワイヤハーネス収納部23に収納される。従って、ワイヤハーネス収納部23に、例えば、ワイヤハーネス15を覆う後部蓋部27を配置することによって、加熱される際に、ワイヤハーネス15を保護することができ、はんだ付を行なうことが可能となる。
【0051】
なお、基板組30に収納される基板はMID基板10に限らず、ワイヤハーネスの付帯したプリント基板、あるいは、ワイヤハーネスの付帯しないMID基板、プリント基板等であってもよい。
【0052】
また、上記形態でははんだ槽5を1槽で構成しているが、勿論2槽以上で形成するようにしてもよい。
【0053】
さらに、はんだ槽5におけるはんだは、錫100%でなくても、鉛フリーはんだ、例えば、Sn−Ag,Sn−Ag−Cu,Sn−Ag−Bi等のSn系であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態によるはんだ付装置を示す平面図である。
【図2】図1におけるはんだ付装置を示す側面図である。
【図3】図1のはんだ付装置ではんだ付けされるMID基板を示す平面図である。
【図4】MID基板を収納するパレットを示す平面図である。
【図5】同正面断面図である。
【図6】同側面断面図である。
【図7】図1におけるはんだ槽ではんだ付を行なう状態を示す簡略断面図である。
【図8】本発明によるはんだ付と従来のはんだ付による温度プロファイルを比較したグラブである。
【図9】従来のはんだ付装置を示す断面図である。
【符号の説明】
M…はんだ付装置
1…機台
2…ロボット
3…フラックス装置
4…加熱装置
5…はんだ槽
6…投入・回収装置
10…MID基板(立体成形基板)
11…MID基板本体部
14…スルーホール
15…ワイヤハーネス
20…パレット
21…ベース板
22…基板載置部
222…開口部
23…ワイヤハーネス収納部
24…被把持部
25…前部蓋部
26…基板支持部
27…後部蓋部
30…基板組
51…ノズル
52…はんだ流ガイド

Claims (3)

  1. パターン化される基板をはんだ槽に搬送するとともに、はんだ槽から噴流された噴流はんだ液で加熱されてはんだ付を行なう鉛フリーはんだ付方法であって、
    前記基板は、ロボットのハンドに把持可能な基板収納体に収納され、
    前記はんだ槽での前記噴流はんだ液を乱流域にするとともに、前記基板を所定時間、前記噴流はんだ液で浸漬しながら、前記基板を前記基板収納体ごと前記噴流はんだ液の流れに沿って順送し、
    その後、前記はんだ槽での前記噴流はんだ液を層流域にするとともに、前記基板を前記基板収納体ごと前記噴流はんだ液の流れに対して逆送させ、
    前記乱流域の発生、前記基板の順送、前記層流域の発生、前記基板の逆送を、順次シーケンス制御して行なうことを特徴とする鉛フリーはんだ付方法。
  2. 前記基板にワイヤハーネスが付帯され、前記基板収納体が、基板支持部とワイヤハーネス収納部とを有して構成されることを特徴とする請求項1記載の鉛フリーはんだ付方法。
  3. 前記噴流はんだ液の噴流が、大気雰囲気で行なわれることを特徴とする請求項1又は2記載の鉛フリーはんだ付方法。
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