JP3853742B2 - 電子部品接合補助具、接合用電子部品、電子部品接合中間基板及び電子部品の接合方法 - Google Patents

電子部品接合補助具、接合用電子部品、電子部品接合中間基板及び電子部品の接合方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
はんだ等の金属接合材を用いて電子部品のリードと基板のランドとを接合する際にブリッジが形成されるのを防止するための、電子部品接合補助具、それを組み付けた接合用電子部品、電子部品接合中間基板及び電子部品の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
接合する物体よりも融点が低い物質を用いた接合技術であるはんだ付けは、古くから用いられており、その起源は古代メソポタミア文明に遡ることができるとも言われている。
【0003】
電子機器の接合に使用されるはんだは、実装基板における半導体、マイクロプロセッサー、メモリー、抵抗などの電子部品と基板との接合をはじめとして幅広く用いられている。その長所としては、部品を基板に固定するだけでなく、導電性を有する金属をはんだに含有させることにより有機系の接着剤と異なる電気的接合も兼ね備えている点にある。今日、パーソナルコンピューター、携帯電話やポケットベルなどに代表されるパーソナル機器の急激な普及が進むにつれ、電子部品の実装技術におけるはんだ接合はますますその重要性が増している。
【0004】
ところが、このような電子機器の普及は人々の生活を豊かにしている反面、技術革新によって古くなっていく機器が多量に廃棄されていることも事実であり、そのリサイクル技術が強く求められている。また、環境汚染を未然に防ぐという観点から、事前に有害性の高い物質を用いない製造方法も提唱されており、はんだ技術も例外ではない。現在最も多く使われているのは、錫と鉛を用いた共晶はんだであり、銅板に対するぬれ性が他の金属混合物よりも優れているという特質を持つ。ところが、この共晶はんだに含まれる鉛が、有害性を有していることから、廃棄された電子機器を埋め立て処分した場合、長年に渡り酸性雨などに晒されて鉛イオンの土壌中への溶出が懸念されている。溶出した金属イオンは食物連鎖よって生態系の中で濃縮されていくと、家畜や人間などに大きな被害をもたらすこともあるため、固定化する技術も提案されているが、土中への長期にわたる拡散については十分なデータが得られていない。また、近年水質汚濁の防止という視点から、法的な規制も強化される状況に至っている。
【0005】
プリント配線基板へのはんだの供給方法の代表例であるフロー法においては、はんだを加熱し溶融するはんだ溶融槽と、溶融したはんだをはんだ付け対象領域に導くためのポンプと、はんだの酸化を防止するために不活性ガスを流入するガス注入装置、プリント配線基板を搭載しはんだ溶融槽の上を通過させ、はんだと接触させるためのコンベアとからなる装置を用い、製品用基板の連続したはんだ付が行われている。このフロー法は、一度に多量の製品化が望まれる民生用基板のはんだ付で用いられることも多く、はんだの鉛フリー化が進んでも重要な工法として位置付けられている。
【0006】
しかし、鉛フリーはんだとして近年適用が図られているSn−Ag−Cu系、Sn−Cu系はんだなどは、いずれも大気中でのぬれ広がりが従来のSn−Pb系はんだと比べて劣ることから、はんだ付不良の発生が増える懸念がある。さらに、Sn−Zn系はんだに至っては、酸化し易いとの理由から、リフローはんだ付けに適用された例はあってもフローはんだ付けへの適用は進んでいない。
【0007】
一方、民生用基板に求められる性能については、軽薄短小化のトレンドに呼応するように高密度化した実装が不可欠となり、ICなども多ピン化したものが求められるようになっている。このようなICには、DIPの他、SOPやQFPのように本来表面実装用として作られた部品においても接着剤でプリント配線基板に仮止めし、フロー法ではんだ付される部品もあるが、ブリッジの多発という問題が浮上してきた。特に多ピンの部品においては、ブリッジが多発すると、ヤニ入りはんだによる手修正に非常に手間がかかる。実用化の上で、手作業でのはんだ付を減らすことが生産性確保のために重要であるため、ブリッジの発生を抑制するために、部品実装用のランド以外に余分のランドを基板上に形成したものが提示されている。(例えば、下記特許文献1、2参照)
【0008】
【特許文献1】
特開昭63−213994号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平5−280836号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような余分のランドを基板に形成することは、基板の更なる高密度化や設計の自由度を制限する要素となるので、このような制限を排除する必要がある。また、はんだの鉛フリー化に伴って変更される使用はんだの種類や電子部品及び基板の設計変更によりブリッジ発生の頻度や傾向が変化するので、これに対応する必要がある。
【0011】
本発明は、上記課題を解決し、基板の更なる高密度化や設計の自由度を制限することなく、電子部品の接合におけるブリッジの発生を防止可能な接合技術を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、鉛フリー化に伴うはんだ組成の変更に対応して、電子部品の接合におけるブリッジの発生防止を容易に行うことができる接合技術を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の一態様によれば、電子部品接合補助具は、基板の複数のランドに対応する複数のリードを有する電子部品に着脱可能な固定部材と、前記固定部材を装着した前記電子部品の前記複数のリードに前記複数のランドを接触させた時に前記基板に密接するように前記固定部材に付設され、前記複数のリード及び前記複数のランドを接合させるための溶融した金属接合部材に対する親和性を有し、接合時に供給される前記溶融した金属接合部材の余剰分を前記複数のリードから導引し除去する導引部材とを有することを要旨とする。
【0014】
又、本発明の一態様によれば、接合用電子部品は、基板の複数のランドに対応する複数のリードを有する電子部品と、前記電子部品に着脱可能に装着される固定部材と、前記固定部材を装着した前記電子部品の前記複数のリードに前記複数のランドを接触させた時に前記基板に密接するように前記固定部材に付設され、前記複数のリード及び前記複数のランドを接合させるための溶融した金属接合部材に対する親和性を有し、接合時に供給される前記溶融した金属接合部材の余剰分を前記複数のリードから導引し除去する導引部材と、を有することを要旨とする。
【0015】
又、本発明の一態様によれば、電子部品接合中間基板は、複数のランドを有する基板と、
前記複数のランドに対応する複数のリードを有し、前記複数のランドを対応する前記複数のリードに接触させた状態に固定される電子部品と、前記電子部品に着脱可能に装着される固定部材と、前記基板に密接するように前記固定部材に付設され、前記複数のランド及び対応する前記複数のリードとを接合するための溶融した金属接合部材に対する親和性を有し、接合時に供給される前記溶融した金属接合部材の余剰分を前記複数のリードから導引し除去する導引部材と、を有することを要旨とする。
【0016】
又、本発明の一態様によれば、電子部品の接合方法は、複数のランドを有する基板に、前記複数のランドに対応する複数のリードを有する電子部品を固定して前記複数のランドを対応する前記複数のリードに接触させる工程と、前記電子部品に着脱可能な固定部材と;金属接合材に対する親和性を有し、前記電子部品に前記固定部材を装着した時に前記基板に密接するように前記固定部材に付設される導引部材と;を有する電子部品接合補助具を前記部品に装着する工程と、前記複数のリード及び前記複数のランドに溶融した前記金属接合材を供給し、前記導引部材によって前記複数のリードから余剰の溶融した金属接合材を導引し除去する工程とを有することを要旨とする。
【0017】
導引部材としての金属片を電子部品に着脱可能な補助具に組み込み、電子部品及び基板から除去可能に構成することにより、リードにブリッジが発生することを防止しつつ、捨てランド等に割り当てられていた領域の有効活用が可能となる。且つ、その領域はディップソルダリングから保護される。
【0018】
【発明の実施の形態】
軽薄短小化のトレンドに呼応して、民生用プリント配線基板の性能として高密度化した実装は不可欠となり、実装されるICパッケージなどの電子部品も多ピン化したものが求められるようになっている。ICパッケージには、DIPのような挿入実装型パッケージや、SOP、QFPのような表面実装用として作られたパッケージなどがあり、表面実装型パッケージ部品の一部は、接着剤でプリント配線基板に仮止めし、フロー法ではんだ付されている。しかし、はんだの鉛フリー化に伴い、表面実装型パッケージの接合においてもブリッジの多発が問題となり、実用化の上での課題となっている。特に、0.65mmピッチよりもピン間隔が小さくなると、SOPやQFPのように本来表面実装用として作られたパッケージ部品で現行のSn−Pbはんだを用いた場合でもブリッジが多発しやすいことから、本来の電気的接続機能を持たない捨てパターンと言われる銅めっきパターンをプリント配線基板に余分に設けてショート発生の抑制に努めている。しかし、捨てパターンのような無機能部分をプリント配線基板上に設けることは、限られた面積の中に多数の部品を搭載する足かせとなるので、ポータブル化が進む電気・電子機器における実装にとって好ましくない。
【0019】
本発明者らは、製品廃棄後の無害化を目指し、電子部品の基板への実装及び接合において従来のSn−Pbはんだの代替化を検討すると共に、多ピンICや強ピッチ部品などのブリッジが多発しやすい部品の実装における不良抑制技術の開発に鋭意取り組んできた。
【0020】
その結果、本発明者らは、プリント配線基板に位置決め固定(仮止め)された電子部品に溶融金属接合材(はんだ)をディップソルダリング法によって供給する際に、余剰の溶融金属接合材を導引し除去する導引部材と、電子部品に着脱可能で導引部材が付設された固定部材とを有する電子部品接合補助具を用いることによって、捨てパターンのような余分な部分を基板に形成することなくブリッジの発生を防止でき、高密度化に有利であることを見出した。電子部品接合補助具を電子部品に装着して基板のランドに対応する電子部品のリードを接触させると、導引部材はリードの並びの末端に近接した位置において基板に密接する。この状態で溶融した金属接合材を供給すると、リードとランドとの間を流れる溶融金属接合材は、その下流に位置し金属接合材に対する親和性を有する導引部材によって導引され、余剰の金属接合材がリード間及びランド間に残存するのを抑制する。この後、補助具を電子部品から外すことにより、余剰の溶融金属接合材を除去する役割を終えた導引部材は基板上から除去される。従って、基板の導引部材が配置される位置には、必要に応じて様々な構造設計を施すことができ、しかも導引部材によって金属接合材との接触から保護される。
【0021】
以下に、本発明の電子部品接合補助具について詳細に説明する。
【0022】
電子部品接合補助具は、金属接合材に対する親和性を有する導引部材と、導引部材を電子部品に着脱可能に装着するための固定部材とを有する。導引部材は、溶融した金属接合材の流れを妨げないように凹凸がなく薄形に、つまり平板状に形成された薄片によって構成され、溶融した金属接合材と接する面が金属接合材に対する親和性を示す。従って、少なくとも金属接合材と接する表面が金属接合材に対する親和性を有する金属材料で構成されていればよく、例えば、この金属材料のメッキを施したものであってよい。金属接合材に対する親和性を有する金属材料としては、金属接合材と金属間化合物を形成可能な金属を成分として含有する金属材料や、金属接合材が合金である場合にその構成成分である金属を用いることができる。具体的には、例えば金属接合材がSn−Znはんだである場合、Sn及びZn、並びに、Ag、Au、Ni、Al、Cu等が挙げられる。従って、この場合には、例えば、銅板、銅板表層に錫を基とする鉛を含まない合金めっきを施したもの、表層部に厚さ5μm以下の金めっきを施した金属板又はセラミック板などを用いることができる。導引部材の好適な配置及び形状は、供給される金属接合材の流れ方向及び電子部品のリード配列によって異なり、これらについては、図面を参照して後述する。
【0023】
固定部材は、導引部材を電子部品に着脱可能に装着するために、接合前の電子部品に取り付け、接合後に容易に取り外すことができ、溶融した金属接合材との接触に耐える耐熱性を有する素材を用いて形成する。具体的には、金属のような変形性を有する材料で形成され、材料の塑性変形、弾性変形による可撓性、温度依存変形などを固定部材の着脱に利用することができる。温度依存変形性を有する材料には、Ni−Ti合金、Cu−Zn−Al合金、Cu−Al−Ni合金、Fe−Pd合金、Ni2MnGa合金などの所定温度で変形する形状記憶合金や温度変化に伴って変形するバイメタルなどが挙げられる。例えば、合金中にTiを50重量部含むNi−Ti合金は、室温で変形しても温度を上げることでもとの形にすることができる典型例であるが、固定部材をディップソルダリングする高温時(本発明では210℃以上)にパッケージ外周部と基板に密着させ一体化する形状とし、ディップソルダリングが終了すると徐冷により固定部材とパッケージとの間に隙間がわずかに生じはじめ、室温で取り外し易い構造としても良い。Cu−Zn−Al合金、Cu−Al−Ni合金、Fe−Pd合金、Ni2MnGa合金についても塑性変形させて電子部品に装着した後に冷却により形状を戻して取り外すことが可能である。電子部品の大きさにもよるが、QFPやSOPにおいては、固定部材は直径0.3〜2mmの針金状、対角線長が0.4〜2mmの板状のものが好ましい。生産性を向上させるために42アロイやステンレスで固定部材を形成することもでき、この場合、塑性変形により電子部品に脱着したり、固定部材の一部を電子部品のモールド樹脂の中に埋め込みあるいは接着させて一体化し、固定部材に予め設けられる切断用切欠き等を利用して電子部品の接合後に切り離して導引部材を除去することも可能である。固定部材によって導引部材が着脱されるので、基板は、導引部材の位置する部分に余分なめっきを施す必要がなくなるため、その部分を別の部品の実装に用いることも可能となり、限られた大きさのプリント配線基板に搭載させる部品を増加させることができる。
【0024】
図1〜7は、電子部品接合補助具1及びその使用の実施形態を例示する。図1、2は、金属接合材の流れ方向が電子部品の直方体形パッケージの側面に対して傾斜するように供給される場合の一例、図3は、パッケージの側面に垂直又は平行な場合の一例を示す。
【0025】
図1、2の例において、電子部品EのパッケージPはQFP型であり、リードLeは、図1(a)のように直方体形のパッケージPの4つの側面各々に1列づつ配置されて4つのリード列を構成し、導引部材3は、少なくとも3つ(図では4つ)の矩形(この例では正方形)の金属薄片3a〜dからなり、電子部品Eに固定部材5を装着した時に、図1(b)のようにパッケージPの側部の少なくとも3つ(図では4つ)の角部に各々近接し、リード列の末端とも近接する。固定部材5は、パッケージPの上面及び側部角に沿った紐状の金属枠で構成される。固定部材5にパッケージPを嵌合して電子部品接合補助具1を装着した接合用電子部品7は、図2(a)のような基板Sに樹脂接着剤などを用いて仮固定して図2(b)のようにリードLeと対応するランドLaとを接触させ、電子部品接合中間基板9としてリードLeとLaとの接合操作に供する。尚、この例においては、基板Sのランド列の末端に近接して後付け部品用のスルーホールHが4ヶ所形成されており、電子部品接合補助具1を装着することによって基板に密接する金属薄片3a〜dによってスルーホールHは被覆される。この状態で、溶融した金属接合材を基板Sに沿って供給してパッケージの側面に対して傾斜した方向に流れさせると、金属接合材の流れには、図1(c)に示すようなパッケージPの厚みによって、パッケージPの流れ下流側の2つの側面付近で乱れが生じる。又、流れ上流側の2つの側面付近においては、リードとランドとの間の流れがリード列の下流側末端付近でリードによる流れ抵抗によって淀む。このような流れの乱れや淀みが生じ易い部分にあるリードには余剰の金属接合材が溜ってブリッジを発生し易い。導引部材は、金属接合材との親和性によって金属接合材を引き付け、ある程度の量以上に金属接合材が導引部材上に溜ると、流れと共に一挙に導引部材3から離脱し、この時、導引部材の上流側に近接するリード付近の金属接合材も伴って離脱しようとする作用が働くので、余剰の金属接合材の除去が促される。従って、パッケージの上流側角部は導引部材は省略することができる。接合後に電子部品接合補助具1を取り外せば、スルーホールHを用いて他の電子部品を後付けすることができる。
【0026】
導引部材(金属薄片)の表面積が大きいほど、その上に貯留されて一挙に離脱する金属接合材の量も増え、リード付近から金属接合材を導引しようとする作用も大きくなる。従って、ブリッジの発生し易さに応じて各金属薄片の形状及び大きさを適宜調整すればよい。
【0027】
図3の電子部品接合補助具11は、電子部品Eのパッケージの側面に垂直又は平行に溶融金属接合材が流れる場合に有効な一例である。
【0028】
図3における導引部材は1対の金属薄片13a〜bからなり、金属薄片13a〜bは、電子部品Eに固定部材15を装着した時にリード列に近接して並行し、その両末端はL字形に屈曲して前例の導引部材と同様にパッケージPの角部に近接する。固定部材15にパッケージPを嵌合して電子部品接合補助具11を装着した接合用電子部品17は、図3(c)のような基板Sに樹脂接着剤などを用いて仮固定して図3(d)のようにリードLeと対応するランドLaとを接触させる。この状態で、パッケージPの上流側及び下流側に金属薄片13a〜bが位置するように、溶融した金属接合材を基板Sに沿って流れさせると、金属接合材の流れには、パッケージPの流れ下流側の側面付近で乱れが生じる。又、流れ方向に沿った2つの側面付近においては、リードとランドとの間の流れがリード列の下流側末端付近でリードによる流れ抵抗によって淀む。導引部材の流れ下流側の金属薄片は、その上流側に近接するリード付近の余剰の金属接合材を導引するように作用する。従って、この例におけるパッケージの上流側の金属薄片は簡略化することができる。図4は、上流側の金属薄片を簡略化した一例である。
【0029】
図4における導引部材は金属薄片23a〜cからなり、金属薄片23aは、電子部品Eのリード列に近接して並行し、その両末端はL字形に屈曲してパッケージPの角部に近接する。金属薄片23b〜cは図1の例のように矩形状に形成され、パッケージPの角部に近接する。この例において、固定部材25は、切断用切り欠きが設けられ、金属薄片23a〜cに接続された4つの棒からなり、モールド樹脂製のパッケージPの角部に埋め込まれている。この時、固定部材25は、パッケージPの各々の角部にドリルを用いて削られた深さ1〜3mmの穴に1つずつ差し込んで着脱可能にしてもよく、必要に応じて樹脂接着剤を用いて固定できる。パッケージに差込む棒の方向は、水平もしくは傾斜したもののいずれでもよいが、水平の場合は棒を折り曲げて金属箔片と接続できる高さまで傾斜部分を伸ばし寸法を調整する。つまり、この例では、電子部品接合補助具21は、電子部品Eの製造時に一体化されて図4(a)のような接合用電子部品27として供給される。これを、樹脂接着剤などを用いて基板Saに仮固定して図4(b)のようにリードLeと対応するランドLaとを接触させる。この状態で、パッケージPの下流側に金属薄片23aが、上流側に金属薄片23b〜cが位置するように、溶融した金属接合材を基板Saに沿って流れさせる。リードLeとランドLaとを接合した後、切り欠きを用いて固定部材25を切断し、金属薄片23a〜cを除去する。
【0030】
図5は、図1,2のように電子部品Eのパッケージの側面に対して傾斜した方向に溶融金属接合材が流れる場合に有効な他の実施形態を示す。この電子部品接合補助具31の導引部材は、金属薄片33a〜cからなり、金属薄片33aは矩形(この例では正方形)であり、電子部品Eに固定部材35を装着した時に、図5のようにパッケージPの角部に近接配置され、リード列の末端とも近接する。金属薄片23b〜cは細長い帯状に形成され、パッケージPの2つ角部の各々に近接する。電子部品接合補助具31を電子部品Eに装着した接合用電子部品37を基板に仮固定し、溶融した金属接合材を供給する際、金属片33aがパッケージPの下流側になるように、パッケージPの金属薄片の存在しない角部から金属片33aのある角部の方へ向かって基板に沿って流れさせる。金属片33b,cは、細長い形状に形成されることによって、その長手方向に流れを導く作用を有し、金属片33b,cの上流側のリード付近で淀む流れをパッケージPから遠ざけ、下流側のリード付近に滞留するのを防止する。
【0031】
電子部品が、図6(a)に示すSOP型のようなパッケージP’の2つの対向する側面にリードLe’を配列させたものである場合、溶融した金属接合材は、基板に仮固定したパッケージの長手方向つまりリード列に沿って流れるように供給される。このような電子部品の接合に有効な電子部品接合補助具41,51を図6及び7に示す。
【0032】
図6の電子部品接合補助具41は、導引部材として、少なくとも3つ(図では4つ)の矩形(この例では正方形)の金属薄片43a〜dを有し、電子部品E’に固定部材45を装着した時に、図6(b)のようにパッケージP’の少なくとも3つ(図では4つ)の角部に各々近接配置され、リード列の末端とも近接する。固定部材45は、パッケージPの上面及び側面角部に沿った紐状の金属枠で構成される。固定部材45にパッケージP’を嵌合して電子部品接合補助具41を装着した接合用電子部品47は、図6(c)のような基板Sbに樹脂接着剤などを用いて仮固定して図6(d)のようにリードLe’と対応するランドLa’とを接触させ、電子部品接合中間基板49として接合操作に供する。溶融した金属接合材を基板Sbに沿って供給してパッケージP’の長手方向に流れさせると、リードとランドとの間の金属接合材の流れがリード列の下流側末端付近でリードによる流れ抵抗によって淀む。導引部材に引き付けられる金属接合材は、一挙に導引部材から離脱し、同時に導引部材の上流側に近接するリード付近の金属接合材も伴い、余剰の金属接合材の除去を促す。従って、パッケージの上流側角部の2つの金属薄片は省略することができる。又、この例の基板Sbにおいても、電子部品を後付けするためのスルーホール等を設けることができる。
【0033】
図7における導引部材は1対の金属薄片53a〜bからなり、金属薄片53a〜bは、電子部品E’に固定部材55を装着した時にパッケージP’のリードのない側面に近接して並行し、その両末端はL字形に屈曲して前例の導引部材と同様にパッケージPの角部及びリード列末端に近接する。固定部材55にパッケージP’を嵌合して電子部品接合補助具51を装着した接合用電子部品57は、図7(a)のような基板Scに樹脂接着剤などを用いて仮固定して図7(b)のようにリードLe’と対応するランドLa’とを接触させる。この状態で、パッケージP’の上流側及び下流側に金属薄片53a〜bが位置するように溶融した金属接合材を基板Scに沿って流れさせると、流れ方向に沿った2つの側面のリードとランドとの間の流れがリード列の下流側末端付近でリードによる流れ抵抗によって淀む。流れ下流側の金属薄片は、その上流側に近接するリード付近の余剰の金属接合材を導引するように作用する。従って、この例におけるパッケージの上流側の金属薄片は省略することができる。パッケージP’のリードのない側面に近接して並行する金属薄片の部分は、パッケージP’の流れ下流側の側面付近で生じる流れの乱れによる滞留を減少させる。この例においても、パッケージの上流側の金属薄片は省略することができる。電子部品接合補助具51を取り外せば、スルーホールHを用いて、更に部品を後付けすることができる。
【0034】
上記のような、電子部品に電子部品接合補助具を装着して基板に仮止めした電子部品接合中間基板は、溶融した金属接合材を用いてディップソルダリング法によりリードとランドとが接合される。前述における溶融した金属接合材の流れの方向は、噴流(フロー)方式の場合は、噴流に基板が接した際の、浸漬法の場合には、浸漬した基板を溶融金属接合材から引き出す際の、基板に対する溶融金属接合材の相対移動方向となる。
【0035】
金属接合材には、一般に金属部材どうしの接合や導電接続形成に用いられる金属又は合金があり、プリント配線基板の実装に通常用いられるはんだを含む各種組成のはんだから適宜選択して使用することができる。鉛フリーはんだとしては、Sn−Ag−Cu系、Sn−Ag−Bi系、Sn−Cu系、Sn−Bi系、Sn−Zn系のはんだなどが挙げられるが、導引部材による効果は、Znの酸化し易さからはんだのピールバック時の流動性に影響を受けやすいSnとZnとからなる2元系はんだの場合において著しい効果をもたらす。
【0036】
Sn−Zn系はんだを用いる場合は、はんだ溶融槽内に極低酸素状態で作成した組成比が重量換算で錫90.9%以上、亜鉛9%他の金属元素含有量が0.1%未満の共融物質としてのはんだを入れ、そのほぼ理論値としての共晶点である199℃よりも11℃以上高い210〜230℃で保持し、完全に固形物を溶融させることが好ましい。この時、190℃に到達した時点から不活性ガスをはんだ付け対象物が移動する領域に流し続け、酸素をできる限り内部に存在させないようにする。雰囲気酸素濃度は1000ppm以下、好ましくは300ppm以下にすることによって溶湯内への酸素ガスの吸着を抑制できる。また、同様の効果が現れる組成としては、Sn−Zn二元系はんだの亜鉛の含有率が6〜12wt%の範囲にあるものが好適である。さらに、他の二元系はんだとしてSn−0.7Cu、Sn−0.3Cu、Sn−0.3Alが挙げられ、はんだの溶融温度を243〜250℃とし、雰囲気酸素濃度は1500ppm以下、好ましくは400ppm以下とすることによって溶湯への酸素ガスの吸着を抑制できる。
【0037】
ディップソルダリング法によりリードとランドとを接合した後、固定部材の変形、切断等により電子部品接合補助具を取り外して金属薄片を基板上から除去することにより、基板の金属薄片で覆われていた部分を部品の後付けやその他の処理に利用することができる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
【0039】
(実施例1)
[部品の調製]
表面実装部品として、多ピンの銅リード(ピッチ:0.65mm)を有するQFP(Quad Flat Package)型電子部品を用い、形状記憶機能を有するNi−Ti合金製の枠によって鉛フリーはんだ導引用の1辺が8mmの正方形銅板を4つ連結させた図1のような電子部品接合用補助具1を電子部品の直方体形樹脂モールドパッケージの上から被せて装着し、パッケージの4つの角部の下側頂点に近接する位置に4つの銅板を配置した(図1(b))。この状態で、リードの底面と銅板の底面が同じ面上にあった。
【0040】
次に、ガラスエポキシ樹脂製のFR−4プリント配線基板(サイズ:180mm×200mm×1.6mm)上に、上記電子部品のリードに対応した銅めっきの配線パターン(サイズ:0.3mm×5mm、ピッチ:0.65mm)と、パッケージの4つの角部に対応する位置付近の領域に部品後付け用のスルーホールパターン(スルーホール径:0.9mm、ランド径:1.5mm)とを形成した(図2(a))。さらに、対応するリードとランドとが接触するようにこの基板の実装する位置に電子部品を配置して、基板とパッケージの間に3〜7mm径のスポット状に瞬間型接着剤(ロックタイト社製)をパターンに接触しないように供給して、電子部品を基板に固定した(図2(b))。
【0041】
[はんだ付試験]
極低酸素状態で共融物に調製した組成比が重量換算で錫90.9%以上、亜鉛9%、他の金属元素含有量が0.1%未満のはんだをはんだ溶融槽(内寸:600mm×1000mm×800mm)内に入れ、そのほぼ理論値としての共晶点である198℃よりも22℃高い220℃まで上昇して保持し、完全に溶融させた。この間、温度が190℃に到達した時点から、はんだ付け対象物を移動させる領域に不活性ガスとして窒素を流し続け、酸素濃度を低い状態に維持した。この時の酸素濃度は250ppm以下であった。
【0042】
次に、上述において電子部品を固定したプリント配線基板を、パッケージの2頂点を結ぶ1本の対角線とコンベア−の進行方向とのなす角が0度となるようにコンベアに搭載し、1.0m/minの速さで水平方向に対して6度の傾斜角度でコンベアを移動させ、はんだ付用ポストフラックス(千住金属工業製:HSX−01)を60cc/minの割合で噴霧してプリント配線基板に付着させてから、220℃に加熱されているはんだと3.5秒接触させて自然冷却させ、部品の接合を行なった。尚、はんだに接触した際のプリント配線基板に対するはんだの相対移動方向は実質的にパッケージの対角線に平行であった。
【0043】
冷却後に電子部品接合用補助具を電子部品からはずして目視で観察したところ、金属片に被覆されていた部品後付け用のスルーホールにはんだが全く付着しておらず、はんだ付した電子部品の各ピンにおいて無はんだ・ブリッジは認められず、ピン間の0.08mm以下のはんだボールも認められず良好な外観を示していた。
【0044】
さらに、錫めっきで被覆された銅リードのピンを有するトランジスタを後付用の部品として、スルーホールにピンを挿入し、はんだごてを用いて松脂入り錫−亜鉛共晶はんだで後付したところ、スルーホール内を満たし、接合可能なことを確認した。
【0045】
この一連の操作で使用した電子部品接合用補助具を、はんだ付していない別の電子部品に被せて装着し、上記と同様のはんだ付試験を実施したところ、部品後付け用のスルーホールにはんだが全く付着しておらず、はんだ付した電子部品の各ピンにおいて無はんだ・ブリッジは認められず、ピン間の0.08mm以下のはんだボールも認められず良好な外観を示していたことから、補助具の繰り返し使用が可能であることも分かった。
【0046】
(実施例2)
電子部品に装着する補助具、及び、プリント配線基板に固定された電子部品のパッケージの2頂点を結ぶ対角線とコンベア−の進行方向のなす角を変更した以外は、実施例1と同様の条件で試験した場合について述べる。
【0047】
[部品の調製]
表面実装部品として、多ピンの銅リード(ピッチ:0.65mm)を有するQFP(Quad Flat Package)型電子部品を用い、1辺が8mmの正方形部分2つを3mm幅の細い連結部で連結した形状の鉛フリーはんだ導引用の2つの銅板を形状記憶機能を有するNi−Ti合金製の枠によって連結させた図3のような電子部品接合用補助具11を作成して電子部品のパッケージの上から被せて装着することにより、銅板の連結部がリード列に近接して並行し正方形部分がパッケージの4つの角部の下側頂点に近接するように2つの銅板を配置した(図3(b))。この状態で、リードの底面と銅板の底面が同じ面上にあった。このように補助具を装着した接合用電子部品を10ケ用意した。
【0048】
次に、ガラスエポキシ樹脂製のFR−4プリント配線基板(サイズ:180mm×200mm×1.6mm)上に、上記電子部品のリードに対応した銅めっきの配線パターン(サイズ:0.3mm×5mm、ピッチ:0.65mm)と、パッケージの4つの角部に対応する位置付近の領域に部品後付用のスルーホールパターン(スルーホール径:0.9mm、ランド径:1.5mm)とを形成した(図3(c))。さらに、対応するリードとランドとが接触するようにこの基板の実装する位置に電子部品を配置し、基板とパッケージとの間に3〜7mm径のスポット状に瞬間型接着剤(ロックタイト社製)をパターンに接触しないように供給して、電子部品を基板に固定した(図3(d))。
【0049】
[はんだ付試験]
実施例1と同様にはんだ溶融槽内に溶融はんだを準備し、温度を220℃に保持した。
【0050】
次に、上述において電子部品を固定したプリント配線基板を、パッケージの2頂点を結ぶ対角線とコンベア−の進行方向のなす角が30度〜45度の範囲内(つまり、矩形パッケージの長辺方向とコンベア−の進行方向のなす角が0度(傾きの無いもの)となるものを含む)となるようにコンベアーに搭載し、1.0m/minの速さで水平方向に対して6度の角度でコンベアを移動させ、はんだ付用ポストフラックス(千住金属工業製:HSX−01)を60cc/minの割合で噴霧してプリント配線基板に付着させてから、220℃に加熱されているはんだと3.5秒接触させて自然冷却させ、部品の接合を行なった。尚、はんだに接触した際のプリント配線基板に対するはんだの相対移動方向は、パッケージの長辺方向とほぼ平行であった。
【0051】
冷却後に電子部品接合用補助具を電子部品からはずし目視で観察したところ、金属片に被覆されていた部品後付け用のスルーホールにはんだが全く付着しておらず、はんだ付した電子部品の各ピンにおいて無はんだ・ブリッジは認められず、ピン間の0.08mm以下のはんだボールも認められず良好な外観を示していた。
【0052】
さらに、錫めっきで被覆された銅リードのピンを有するトランジスタを後付用の部品として、スルーホールにピンを挿入し、はんだごてを用いて松脂入り錫−亜鉛共晶はんだで後付したところ、スルーホール内を満たし、接合可能なことを確認した。
【0053】
この一連の操作で使用した電子部品接合用補助具を、はんだ付していない別の電子部品に被せて装着し、上記と同様のはんだ付試験を実施したところ、部品後付け用のスルーホールにはんだが全く付着しておらず、はんだ付した電子部品の各ピンにおいて無はんだ・ブリッジは認められず、ピン間の0.08mm以下のはんだボールも認められず良好な外観を示していたことから、補助具の繰り返し使用が可能であることも分かった。
【0054】
(実施例3)
電子部品に装着する補助具を変更した以外は実施例2と同様の条件で試験した場合について述べる。
【0055】
[部品の調製]
1辺が8mmの正方形部分2つを3mm幅の細い連結部で連結した形状の1つの銅板と、1辺が8mmの正方形の2つの銅板とを用意して、切断用切り欠きが設けられた1mm径の42アロイ製棒に接合して、表面実装部品として多ピンの銅リード(ピッチ:0.65mm)を有するQFP(Quad Flat Package)型電子部品のパッケージのモールド樹脂に、図4(a)のように埋め込んだ。この状態で、リードの底面と銅板の底面が同じ面上にあった。このような電子部品を10ケ用意した。
【0056】
次に、ガラスエポキシ樹脂製のFR−4プリント配線基板(サイズ:180mm×200mm×1.6mm)上に、上記電子部品のリードに対応した銅めっきの配線パターン(サイズ:0.3mm×5mm、ピッチ:0.65mm)と、パッケージの4つの角部に対応する位置付近の領域に部品後付用のスルーホールパターン(スルーホール径:0.9mm、ランド径:1.5mm)とを形成した(図4(a))。さらに、対応するリードとランドとが接触するようにこの基板の実装する位置に電子部品を配置し、基板とパッケージの間に3〜7mm径のスポット状に瞬間型接着剤(ロックタイト社製)をパターンに接触しないように供給して、電子部品を基板に固定した(図4(b))。
【0057】
[はんだ付試験]
実施例1と同様にはんだ溶融槽内に溶融はんだを準備し、温度を220℃に保持した。
【0058】
次に、上述において電子部品を固定したプリント配線基板を、パッケージの2頂点を結ぶ対角線とコンベア−の進行方向のなす角が30度〜45度の範囲内(つまり、矩形パッケージの長辺方向とコンベア−の進行方向のなす角が0度(傾きの無いもの)となるものを含む)となるようにコンベアーに搭載し、1.0m/minの速さで水平方向に対して6度の角度でコンベアを移動させ、はんだ付用ポストフラックス(千住金属工業製:HSX−01)を60cc/minの割合で噴霧してプリント配線基板に付着させてから、220℃に加熱されているはんだと3.5秒接触させて自然冷却させ、部品の接合を行なった。尚、はんだに接触した際のプリント配線基板に対するはんだの相対移動方向は、パッケージの長辺方向とほぼ平行であった。
【0059】
冷却後に42アロイ製棒を切断して金属片を電子部品からはずし目視で観察したところ、金属片に被覆されていた部品後付け用のスルーホールにはんだが全く付着しておらず、はんだ付した電子部品の各ピンにおいて無はんだ・ブリッジは認められず、ピン間の0.08mm以下のはんだボールも認められず良好な外観を示していた。
【0060】
(実施例4)
表面実装部品としてSOP型電子部品を用いた場合について述べる。
【0061】
[部品の調製]
表面実装部品として、多ピンの42アロイリード(ピッチ:0.65mm)を有するSOP型電子部品を用い、形状記憶機能を有するCu−Zn−Al合金製の枠によって厚さ10μmの錫めっきを被覆した1辺が6mmの正方形の鉛フリーはんだ導引用の銅板を4つ連結させた図6のような電子部品接合用補助具41を電子部品の直方体型樹脂モールドパッケージの上から被せて装着し、パッケージの4つの角部の下側頂点に近接する位置に4つの錫めっき銅板を配置した(図6(b))。この状態で、リードの底面と錫メッキ銅板の底面が同じ面上にあった。補助具を装着した接合用電子部品を10ケ用意した。
【0062】
次に、ガラスエポキシ樹脂製のFR−4プリント配線基板(サイズ:180mm×200mm×1.6mm)上に、上記電子部品のリードに対応した銅めっきの配線パターン(サイズ:0.3mm×5mm、ピッチ:0.65mm)を形成した(図6(c))。さらに、対応するリードとランドとが接触するようにこの基板の実装する位置に電子部品を配置し、基板とパッケージとの間に3〜6mm径のスポット状に瞬間型接着剤(ロックタイト社製)をパターンに接触しないように供給して、電子部品を基板に固定した(図6(d))。
【0063】
[はんだ付試験]
実施例1と同様にはんだ溶融槽内に溶融はんだを準備し、温度を220℃に保持した。
【0064】
次に、上述において電子部品を固定したプリント配線基板を、パッケージの2頂点を結ぶ対角線とコンベア−の進行方向のなす角が5度〜45度の範囲内(つまり、矩形パッケージの長辺方向とコンベア−の進行方向のなす角が0度(傾きの無いもの)となるものを含む)となるようにコンベアーに搭載し、1.0m/minの速さで水平方向に対して6度の角度でコンベアを移動させ、はんだ付用ポストフラックス(千住金属工業製:HSX−01)を60cc/minの割合で噴霧してプリント配線基板に付着させてから、220℃に加熱されているはんだと3.5秒接触させて自然冷却させ、部品の接合を行なった。尚、はんだに接触した際のプリント配線基板に対するはんだの相対移動方向は、パッケージの長辺方向とほぼ平行であった。
【0065】
冷却後に電子部品接合用補助具を電子部品からはずし目視で観察したところ、はんだ付した電子部品の各ピンにおいて無はんだ・ブリッジは認められず、ピン間の0.08mm以下のはんだボールも認められず良好な外観を示していた。
【0066】
この一連の操作で使用した電子部品接合用補助具を、はんだ付していない別の電子部品に被せて装着し、上記と同様のはんだ付試験を実施したところ、部品後付け用のスルーホールにはんだが全く付着しておらず、はんだ付した電子部品の各ピンにおいて無はんだ・ブリッジは認められず、ピン間の0.08mm以下のはんだボールも認められず良好な外観を示していたことから、補助具の繰り返し使用が可能であることも分かった。
【0067】
(実施例5)
電子部品に装着する補助具を変更した以外は実施例4と同様の条件で試験した場合について述べる。
【0068】
[部品の調製]
1辺が8mmの正方形部分2つを3mm幅の細い連結部で連結した形状で1つの金めっき銅板と、1辺が8mmの正方形の2つの金めっき銅板(めっきの厚さは各々1μm)とを用意して、形状記憶機能を有するCu−Al−Ni合金製の枠によって図7のように接合して電子部品接合用補助具51を形成し、表面実装部品として多ピンの銅リード(ピッチ:0.65mm)を有するSOP型電子部品の直方体型樹脂モールドパッケージの上から被せて装着し、パッケージの4つの角部の下側頂点に金めっき銅板を近接させた(図7(b))。この状態で、リードの底面と金メッキ銅板の底面が同じ面上にあった。補助具を装着した接合用電子部品を10ケ用意した。
【0069】
次に、ガラスエポキシ樹脂製のFR−4プリント配線基板(サイズ:180mm×200mm×1.6mm)上に、上記電子部品のリードに対応した銅めっきの配線パターン(サイズ:0.3mm×5mm、ピッチ:0.65mm)と、パッケージの2つの角部に対応する位置付近の領域に部品後付用のスルーホールパターン(スルーホール径:0.9mm、ランド径:1.5mm)とを形成した(図7(a))。さらに、対応するリードとランドとが接触するようにこの基板の実装する位置に電子部品を配置し、基板とパッケージとの間に3〜7mm径のスポット状に瞬間型接着剤(ロックタイト社製)をパターンに接触しないように供給して、電子部品を基板に固定した(図7(b))。
【0070】
[はんだ付試験]
実施例1と同様にはんだ溶融槽内に溶融はんだを準備した。但し、はんだの温度は240℃まで上昇させて保持した。
【0071】
次に、上述において電子部品を固定したプリント配線基板を、パッケージの2頂点を結ぶ対角線とコンベア−の進行方向のなす角が5度〜45度の範囲内(つまり、矩形パッケージの長辺方向とコンベア−の進行方向のなす角が0度(傾きの無いもの)となるものを含む)となるようにコンベアーに搭載し、1.4m/minの速さで水平方向に対して6度の角度でコンベアを移動させ、はんだ付用ポストフラックス(千住金属工業製:HSX−01)を60cc/minの割合で噴霧してプリント配線基板に付着させてから、240℃に加熱されているはんだと2.8秒接触させて自然冷却させ、部品の接合を行なった。尚、はんだに接触した際のプリント配線基板に対するはんだの相対移動方向は、パッケージの長辺方向とほぼ平行であった。
【0072】
冷却後に電子部品接合用補助具を電子部品からはずし目視で観察したところ、金属片に被覆されていた部品後付け用のスルーホールにはんだが全く付着しておらず、はんだ付した電子部品の各ピンにおいて無はんだ・ブリッジは認められず、ピン間の0.08mm以下のはんだボールも認められず良好な外観を示していた。
【0073】
さらに、錫めっきで被覆された銅リードのピンを有するトランジスタを後付用の部品として、スルーホールにピンを挿入し、はんだごてを用いて松脂入り錫−亜鉛共晶はんだで後付したところ、スルーホール内を満たし、接合可能なことを確認した。
【0074】
この一連の操作で使用した電子部品接合用補助具を、はんだ付していない別の電子部品に被せて装着し、上記と同様のはんだ付試験を実施したところ、部品後付け用のスルーホールにはんだが全く付着しておらず、はんだ付した電子部品の各ピンにおいて無はんだ・ブリッジは認められず、ピン間の0.08mm以下のはんだボールも認められず良好な外観を示していたことから、補助具の繰り返し使用が可能であることも分かった。
【0075】
(実施例6〜10)
実施例1におけるはんた材料の組成、はんだの溶解温度・はんだ付温度を変化させたこと以外は全て同じ条件で試験した結果を表1に述べる。いずれの場合も、繰り返し補助具が使用できることも分かった。さらに、金属片に被覆されてはんだが付着しなかったスルーホールに、後付用の部品として錫めっき被覆された銅リードを有するトランジスタのピンを挿入し、はんだごてを用いて前記実施例と同じ組成の松脂入りはんだで後付したところ、スルーホール内を満たし、接合可能なことを確認した。
【0076】
【表1】
Figure 0003853742
冷却後に補助具を電子部品からはずし目視で観察したところ、金属片で被覆されていた部品後付け用のスルーホールにはんだが全く付着されておらず、はんだ付した電子部品の各ピンにおいて無はんだ・ブリッジは認められず、ピン間の0.08mm以下のはんだボールも認められず、良好な外観を示していた。
【0077】
(比較例)
比較例として表面実装部品のQFP型電子部品に電子部品接合用補助具を装着しなかったこと以外は全て実施例1と同じ条件で試験を行った。
【0078】
フローはんだ付試験により基板に接合し冷却した後の電子部品を目視で観察したところ、部品後付け用のスルーホールにはんだが付着し、また、はんだ付した電子部品のピンにおいてブリッジが2箇所は認められた。さらに、ピン間において0.08mm以下のはんだボールが2ケ以上認められる部分が多々あり、製品としてみた場合に品質を確保することが難しい状況であった。
【0079】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、フロー(噴流)方式を含むディップソルダリング法で多ピン電子部品をプリント配線基板に接合する際に、基板に余分なめっきを施すことなくブリッジの発生を抑制することができ、限られた寸法のプリント配線基板に搭載させる部品を増加させ高密度化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子部品接合用補助具を示す平面図(a)及びそれを装着した接合用電子部品を示す平面図(b)及び側面図(c)。
【図2】図1の接合用電子部品と基板とを示す平面図(a)及びそれらによる電子部品接合中間基板を示す平面図(b)。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る電子部品接合用補助具を示す平面図(a)、それを装着した接合用電子部品を示す平面図(b)、接合用電子部品と基板とを示す平面図(c)及び電子部品接合中間基板を示す平面図(d)。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る電子部品接合用補助具を装着した接合用電子部品と基板とを示す平面図(a)及び電子部品接合中間基板を示す平面図(b)。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る電子部品接合用補助具を装着した接合用電子部品を示す平面図。
【図6】本発明の第5の実施形態に係る電子部品接合用補助具を示す平面図(a)、それを装着した接合用電子部品を示す平面図(b)、接合用電子部品と基板とを示す平面図(c)及び電子部品接合中間基板を示す平面図(d)。
【図7】本発明の第6の実施形態に係る電子部品接合用補助具を装着した接合用電子部品と基板とを示す平面図(a)及び電子部品接合中間基板を示す平面図(b)。
【符号の説明】
E,E’ 電子部品、 Le,Le’ リード
La,La’ ランド、 P,P’ パッケージ
S,Sa,Sb 基板、 H スルーホール
1,11,21,31,41,51 電子部品接合用補助具
3a〜d,13a〜b,23a〜c,33a〜c,43a〜d,53a〜b 導引部材(金属片)
5,15,25,35,45,55 固定部材
7,17,27,37,47,57 接合用電子部品
9,19,29,39,49,59 電子部品接合中間基板

Claims (8)

  1. 基板の複数のランドに対応する複数のリードを有する電子部品に着脱可能な固定部材と、
    前記固定部材を装着した前記電子部品の前記複数のリードに前記複数のランドを接触させた時に前記基板に密接するように前記固定部材に付設され、前記複数のリード及び前記複数のランドを接合させるための溶融した金属接合部材に対する親和性を有し、接合時に供給される前記溶融した金属接合部材の余剰分を前記複数のリードから導引し除去する導引部材と、
    を有することを特徴とする電子部品接合補助具。
  2. 前記固定部材が着脱可能な前記電子部品は直方体形のパッケージを有し、前記複数のリードは前記パッケージの4つの側面各々に1列づつ配置される4つのリード列を構成し、前記導引部材は、前記電子部品に前記固定部材を装着した時に前記パッケージの少なくとも3つの角部に各々近接配置される少なくとも3つの金属薄片を有する請求項1記載の電子部品接合補助具。
  3. 前記固定部材が着脱可能な前記電子部品は直方体形のパッケージを有し、前記導引部材は、前記電子部品に前記固定部材を装着した時に前記複数のリードが前記パッケージの側面に構成するリード列に近接して並行する金属薄片を有する請求項1記載の電子部品接合補助具。
  4. 前記金属接合材は、実質的に錫と亜鉛とからなる2元はんだであり、前記金属薄片の少なくとも表面は、前記金属接合材と金属間化合物を形成可能な金属要素からなる請求項2又は3記載の電子部品接合補助具。
  5. 基板の複数のランドに対応する複数のリードを有する電子部品と、
    前記電子部品に着脱可能に装着される固定部材と、
    前記固定部材を装着した前記電子部品の前記複数のリードに前記複数のランドを接触させた時に前記基板に密接するように前記固定部材に付設され、前記複数のリード及び前記複数のランドを接合させるための溶融した金属接合部材に対する親和性を有し、接合時に供給される前記溶融した金属接合部材の余剰分を前記複数のリードから導引し除去する導引部材と、
    を有することを特徴とする接合用電子部品。
  6. 複数のランドを有する基板と、
    前記複数のランドに対応する複数のリードを有し、前記複数のランドを対応する前記複数のリードに接触させた状態に固定される電子部品と、
    前記電子部品に着脱可能に装着される固定部材と、
    前記基板に密接するように前記固定部材に付設され、前記複数のランド及び対応する前記複数のリードとを接合するための溶融した金属接合部材に対する親和性を有し、接合時に供給される前記溶融した金属接合部材の余剰分を前記複数のリードから導引し除去する導引部材と
    を有することを特徴とする電子部品接合中間基板。
  7. 複数のランドを有する基板に、前記複数のランドに対応する複数のリードを有する電子部品を固定して前記複数のランドを対応する前記複数のリードに接触させる工程と、
    前記電子部品に着脱可能な固定部材と;金属接合材に対する親和性を有し、前記電子部品に前記固定部材を装着した時に前記基板に密接するように前記固定部材に付設される導引部材と;を有する電子部品接合補助具を前記部品に装着する工程と、
    前記複数のリード及び前記複数のランドに溶融した前記金属接合材を供給し、前記導引部材によって前記複数のリードから余剰の溶融した金属接合材を導引し除去する工程と
    を有することを特徴とする電子部品の接合方法。
  8. 前記金属接合材の供給後に、前記電子部品接合補助具を前記部品から取り外すことを特徴とする請求項7の接合方法。
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