JP3750505B2 - 感熱記録体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体は、記録装置がコンパクトで安価でかつ保守が容易であることから、ファクシミリ、自動券売機、科学計測器、あるいはCRT医療計測器等のアウトプット用の記録媒体として広範囲に使用されている。
【0003】
例えば、支持体として樹脂フイルムを用いた感熱記録体がキャシュカード、定期券等に使用されているが、使用している間に、支持体上に形成された感熱記録層が剥がれ落ちる問題がある。
【0004】
また、感熱記録体の記録感度を高めるために平均粒子径が1μm程度に微分散されたロイコ染料および呈色剤を用感熱記録体が特開平6−286315号公報、特開平8−324115号公報、特開2000−52661号公報に記載されているが、感熱記録体が水に浸されると記録濃度が低下したり、あるいは感熱記録層が支持体から剥がれたりする等の問題がある。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】
本発明の課題は、樹脂フイルムからなる支持体への密着性、および耐水性に優れ、しかも記録感度と耐地肌カブリ性に優れた感熱記録体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
樹脂フイルム上に、ロイコ染料、呈色剤および接着剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、上記の課題を解決するための一つの手段として、感熱記録層中にスチレン・メタクリルのみからなる酸共重合体のアンモニウム塩を含有させるものである。
【0007】
更に、ロイコ染料として赤色発色性のロイコ染料を使用するものである。耐地肌カブリ性に極めて優れた効果が得られる。
【0008】
また、接着剤として乳化重合されたラテックスから得られる樹脂を使用することにより、耐水性と樹脂フイルム、特にポリエチレンテレフタレートフイルムへの接着性に極めて優れた効果が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
樹脂フイルム上に、ロイコ染料、呈色剤および接着剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、感熱記録層中にスチレン・メタクリル酸のみからなる共重合体のアンモニウム塩を含有させることにより、樹脂フイルムと感熱記録層との密着性が高められ、定期券のように長期に渡り使用していても、感熱記録層が樹脂フイルムから剥がれ難い効果が得られる。スチレン・メタクリル酸のみからなる共重合体のアンモニウム塩の使用量としては特に限定されないが、感熱記録層の全固形量に対して1〜10重量%程度が好ましい。スチレン・メタクリル酸のみからなる共重合体のアンモニウム塩の使用量が1重量%未満になると感熱記録層の樹脂フイルムへの密着性が低下し、また10重量%を越えると記録感度が低下する恐れがある。
【0010】
また、一般的に地肌カブリが発生し易い赤色発色性ロイコ染料に対してスチレン・メタクリル酸のみからなる共重合体のアンモニウム塩が地肌カブリの発生を抑制する格別の効果が得られる。特に、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3,3'−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド及び3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7−フェノキシフルオラン等の赤色発色性ロイコ染料に対して耐地肌カブリ性に優れた効果が得られる。
【0011】
かかる赤色発色性ロイコ染料と、赤色発色性ロイコ染料とは発色色調の異なるロイコ染料が内包されたマイクロカプセル、或いは発色色調の異なるロイコ染料と樹脂との複合粒子とを併用することにより色調分離性に優れた二色感熱記録体が得られる。
【0012】
感熱記録層が形成される樹脂フイルムとしては特に限定されないが、例えばポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリスチレンフイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム等が挙げられる。なかでも、ポリエチレンテレフタレートフイルムが感熱記録層との密着性に優れ好ましい。
【0013】
樹脂フイルムは、無延伸、あるいは二軸延伸されていてもよく、更に樹脂フイルム中には一次粒子の平均粒子径が0.1〜2μm程度の酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の白色の無機顔料、あるいは着色有機顔料や染料が内添されていてもよい。樹脂フイルムの厚さとしては、30〜300μm程度である。樹脂フイルム表面に、感熱記録層との密着性、及び感熱記録層を形成するための感熱記録層用塗液の塗布性を高めるためにコロナ放電処理をしたり、アンカーコート層を設けたりすることもできる。
【0014】
ところで、スチレン・メタクリル酸のみからなる共重合体のアンモニウム塩は、感熱記録層中に含有される呈色剤を平均粒子径が0.1〜2.0μm程度に微粉砕する際の分散剤として特に優れた効果がある。なかでも、スルホニル基を有する呈色剤に対する分散性に優れた効果がある。
【0015】
例えば、水を分散媒体とし、呈色剤を粉砕する際には、スチレン・メタクリル酸のみからなる共重合体のアンモニウム塩の使用量としては呈色剤に対して1〜20重量%程度、特に5〜15重量%程度が好ましい。
【0016】
スチレン・メタクリル酸のみからなる共重合体のアンモニウム塩は、スチレンとメタクリル酸の単量体のモル比が10:1〜10程度の共重合体であるものが好ましい。
【0017】
スチレン・メタクリル酸のみからなる共重合体のアンモニウム塩の分子量としては1000〜50000程度であることが好ましく、特に5000〜40000程度のものが好ましい。これよりも分子量が小さいと樹脂フイルムへの密着性、あるいは呈色剤分散液の安定性が劣り、また反対にこれよりも分子量が大きいと呈色剤分散液の粘度が高くなり過ぎる為、分散効率が低下する。
【0018】
感熱記録層に含有されるロイコ染料および呈色剤としては、各種公知のものが使用可能で、かかるロイコ染料の具体例としては、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン等の青色発色性染料、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン等の緑色発色性染料、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、ローダミン(o−クロロアニリノ)ラクタム、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3,3’−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7−フェノキシフルオラン等の赤色発色性染料、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等の黒色発色性染料、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジュメチルアミノ)フタリド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料等が挙げられる。
【0019】
例えば4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェニル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオ尿素、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス(p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−{3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛等が挙げられる。
【0020】
勿論、ロイコ染料および呈色剤としてはこれらに限定されるものでなく、必要に応じてそれぞれ二種以上を併用することもできる。ロイコ染料と呈色剤の使用比率は用いられるロイコ染料、呈色剤の種類に応じて適宜選択されるもので、特に限定されるのではないが、一般に無色ないしは淡色のロイコ染料1重量部に対して1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部の呈色剤が使用される。
【0021】
感熱記録層は、水を分散媒体とし、例えばアトライターやサンドミル等の粉砕機により分散剤と共にロイコ染料と呈色剤とを別々にその平均粒子径が0.1〜2.0μm程度となるよう微分散した後、接着剤、および必要により下記の助剤を添加して調製された感熱記録層用塗液を樹脂フイルムの一方の面に乾燥後の塗布量が3〜15g/m2程度となるように塗布乾燥して形成される。
【0022】
感熱発色層用塗液中の接着剤としては、例えば部分(完全ケン化)ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、ゼラチン、、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、ゼラチン等の水溶性接着剤、並びに酢酸ビニル系ラテックス、ウレタン系ラテックス、アクリル系ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラテックス等が挙げられる。ながでも、乳化重合されたラテックスから得られる樹脂が感熱記録層面側の耐水蒸気性と樹脂フイルムへの密着性に優れ好ましい。
【0023】
感熱記録層用塗液中に添加し得る助剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤類、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、無定形シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー、焼成クレー、コロイダルシリカ等の無機顔料類、スチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー等の有機顔料類、グリオキザール、ジメチロール尿素、ポリアミドエピクロルヒドリン、ホウ酸、ホウ砂等の架橋剤類、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤類、その他界面活性剤類、蛍光染料類、着色顔料類および着色染料類等が挙げられる。
【0024】
感熱記録層には、更に記録感度を高めるために増感剤、および記録部の保存性を高めるために保存性改良剤を含有させることもできる。
増感剤としては、例えば1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1、2−ジフェノキシエタン、パラベンジルビフェニル、ナフチルベンジルエーテル、ベンジル−4−メチルチオフェニルエーテル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジルエステル、テレフタル酸ジブチルエステル、テレフタル酸ジベンジルエステル、イソフタル酸ジブチルエステル等が挙げられる。
【0025】
また、保存性改良剤としては、例えば4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,4−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(5−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2、6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸等のヒンダードフェノール類;4−(2−メチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン、4−(2−エチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2,3−グリシジルオキシ)ジフェニルスルホン等のエポキシ基を有するジフェニルスルホン誘導体;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0026】
なお、感熱記録層中に含有し得る助剤、増感剤および保存性改良剤の平均粒子径としては1μm以下が望ましい。増感剤および呈色剤の使用量としてはロイコ染料1重量部に対して0.5〜4重量部程度である。
【0027】
感熱記録層上には、記録走行性、記録部の薬品に対する保存性をより高めるために成膜性に優れた有機高分子化合物を主成分とす保護層を設けるのが好ましい。
【0028】
保護層は、成膜性に優れた有機高分子として、例えば部分(完全)ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン等の水溶液、および必要により感熱記録層用塗液中に添加し得る助剤とを混合攪拌して調製された保護層用塗液を感熱記録層上に乾燥後の塗布量が1〜6g/m 程度となるように塗布乾燥して形成される。
【0029】
感熱記録層用塗液および保護層用塗液の塗布方法については特に限定されず、例えばエアーナイフコーティング、ブレードコーティング、ダイコーティング、カーテンコーティング、スライドビードコーティング等の方法が挙げられる。
【0030】
なお、感熱記録層を塗布乾燥後に、必要に応じてスーパーカレンダー掛け等の平滑化処理をしたり、保護層上に紫外線または電子線を照射して硬化された光沢層を設けたり、透明な支持体の他方の面に導電層、磁気記録層を設けたりする等の感熱記録体の製造に関する各種公知の技術を付加し得る。
【0031】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。特に断らない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」をあらわす。
【0032】
実施例1
黒色発色性ロイコ染料として3−ジ(n−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部を100℃に加熱したジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート40部に溶解し、この溶液を25℃に冷却後、同じ温度の8%ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールGM−14L、日本合成化学工業社製)水溶液200部に徐々に添加し、TKホモミキサー(モデルHV−M、特殊機化工業社製)を用い、4000rpmの攪拌によって乳化分散した後、この乳化分散液に水80部を加えて均一化した。この乳化分散液を80℃に昇温し、10時間の硬化反応を行わせ、室温にて固形分濃度20%となるように水を添加し、平均粒子径1.6μmの黒色発色性ロイコ染料含有複合粒子分散液を調製した。
【0033】
・赤色発色性ロイコ染料分散液の調製
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン36部、スチレン・メタクリル酸共重合体のアンモニウム塩の20%水溶液(商品名:ポリマロン1308S、荒川化学工業社製)20部および水50部とからなる組成物をサンドミルにて平均粒子径が1.2μmとなるまで粉砕して赤色発色性ロイコ染料分散液を得た。
【0034】
・呈色剤分散液の調製
N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア36部、スチレン・メタクリル酸共重合体のアンモニウム塩の20%水溶液(商品名:ポリマロン1308S、荒川化学工業社製)20部および水30部とからなる組成物をサンドミルにて平均粒子径が0.8μmとなるまで粉砕して呈色剤分散液を得た。
【0035】
・増感剤分散液の調製:
シュウ酸ジ−p−メチルベンジル36部、スチレン・メタクリル酸共重合体のアンモニウム塩の20%水溶液(商品名:ポリマロン1308S、荒川化学工業社製)20部および水30部とからなる組成物をサンドミルにて平均粒子径が1.2μmとなるまで粉砕して増感剤分散液を得た。
【0036】
・保存性改良剤分散液の調製
4−ベンジルオキシ−4’−(2,3−グリシジルオキシ)ジフェニルスルホン36部、スチレン・メタクリル酸共重合体のアンモニウム塩の20%水溶液(商品名:ポリマロン1308S、荒川化学工業社製)20部および水44部とからなる組成物をサンドミルにて平均粒子径が0.9μmとなるまで粉砕して増感剤分散液を得た。
【0037】
・感熱記録層用塗液の調製
黒色発色性ロイコ染料含有複合粒子分散液125部、赤色発色性ロイコ染料分散液25部、呈色剤分散液65部、増感剤分散液50部、保存性改良剤分散液10部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムの5%水溶液3部、固形分濃度50%のスチレン−ブタジエン系ラテックス22部、スチレン・メタクリル酸共重合体のアンモニウム塩の20%水溶液(商品名:ポリマロン1308S、荒川化学工業社製)10部、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(架橋剤)の20%水溶液10部とからなる組成物を混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
【0038】
・保護層用塗液の調製
カルボキシ変性ポリビニルアルコールの10%水溶液100部、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(架橋剤)の20%水溶液10部、平均粒子径1μmの水酸化アルミニウム10部、ステアリン酸亜鉛の30%分散液2部および水10部とを混合攪拌して保護層用塗液を得た。
【0039】
・感熱記録体の作製
坪量240g/m2の白色ポリエチレンテレフタレートフイルム(商品名:ルミラーE22、東レ社製)感熱記録層用塗液および保護層用塗液を乾燥後の塗布量がそれぞれ7.0g/m2、3.0g/m2となるように順次塗布乾燥して感熱記録層、保護層を設けたた後、スーパーカレンダー処理して、保護層面のベック平滑度(JIS−P8119)が8000秒の感熱記録体を得た。
【0040】
実施例2
実施例1の赤色発色性ロイコ染料分散液の調製、増感剤分散液の調製および保存性改良剤分散液の調製において、それぞれスチレン・メタクリル酸共重合体のアンモニウム塩の20%水溶液20部および水44部の代わりにスルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL3266、日本合成化学工業社製)の10%水溶液40部および水24部を用い、かつ感熱記録層用塗液の調製において、スチレン・メタクリル酸共重合体のアンモニウム塩の20%水溶液10部の代わりにカルボキシ変性ポリビニルアルコールの10%水溶液20部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0041】
実施例3
実施例2の感熱記録体において用いた呈色剤分散液の代わりに下記の呈色剤分散液を用いた以外は、実施例2と同様にして感熱記録体を得た。
【0042】
・呈色剤分散液の調製
N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア36部、スチレン・メタクリル酸共重合体のアンモニウム塩の20%水溶液(商品名:ポリマロン1308S、荒川化学工業社製)5部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL3266、日本合成化学工業社製)の10%水溶液30部および水29部とからなる組成物をサンドミルにて平均粒子径が0.8μmとなるまで粉砕して呈色剤分散液を得た。
【0043】
実施例4
実施例1の呈色剤分散液の調製において、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアの代わりに3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0044】
実施例5
実施例1の赤色発色性ロイコ染料分散液の調製において、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオランの代わりに3,3’−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0045】
実施例6
実施例1の赤色発色性ロイコ染料分散液の調製において、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオランの代わりに3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7−フェノキシフルオランを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0046】
実施例7
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、固形分濃度50%のスチレン−ブタジエン系ラテックス22部の代わりにスチレン・メタクリル酸共重合体のアンモニウム塩の20%水溶液(商品名:ポリマロン1308S、荒川化学工業社製)55部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0047】
比較例1
実施例3の呈色剤分散液の調製において、スチレン・メタクリル酸共重合体のアンモニウム塩の20%水溶液(商品名:ポリマロン1308S、荒川化学工業社製)5部の代わりにスチレン・アクリル酸共重合体のアンモニウム塩の20%水溶液5部を用いた以外は、実施例3と同様にして感熱記録体を得た。
【0048】
比較例2
実施例3の呈色剤分散液の調製において、スチレン・メタクリル酸共重合体のアンモニウム塩の20%水溶液(商品名:ポリマロン1308S、荒川化学工業社製)5部の代わりにスチレン・メタクリル酸共重合体のナトリウム塩の20%水溶液5部を用いた以外は、実施例3と同様にして感熱記録体を得た。
【0049】
かくして得られた感熱記録体について、以下の評価試験を行い、その結果を表1に示した。
【0050】
・記録濃度
表1の感熱記録体について、感熱印字試験装置TH−PMD(大倉電機製)を用いて、1ライン記録時間:5msec、副走査線密度:8ライン/mm、ドット当たり印加エネルギー:0.5mJの条件下に256ラインのベタ記録を施し、低温記録部における赤発色記録を行った。また、別に1ライン記録時間:5msec、副走査線密度:8ライン/mm、ドット当たり印加エネルギー:2.0mJの条件下に256ラインのベタ記録を施し、高温記録部における黒発色記録を行った。
未記録部および記録部をマクベス濃度計(RD−914型、マクベス社製)にて測定した。なお、未記録部についてはビジュアルモード、赤発色記録部はマゼンタフィルター、黒発色記録部はシアンフィルターにおける光学濃度を測定した。
【0051】
<耐地肌カブリ性>
感熱記録体を40℃、90%条件下に24時間放置した後、未記録部をマクベス濃度計(RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。測定値が小さいほど、耐地肌カブリ性に優れている・
【0052】
<耐水蒸気性>
上記の条件で記録された感熱記録体を、80℃の水から発生する湯気に30分さらした後、感熱記録層面側を指先で擦り、感熱記録層面側の剥がれ程度を目視判定した。
☆:セロハンテープには感熱記録層側の剥がれが全くない。
◎:セロハンテープには感熱記録層の剥がれが僅かある。
○:セロハンテープには感熱記録層の剥がれが少しある。
×:セロハンテープには感熱記録層の剥がれが多い。
【0053】
<密着性>
感熱記録層形成後の感熱記録体の感熱記録層面(縦目方向)に市販のセロハンテープ(巾:18mm、長さ50mm)を貼付けた後、強くセロハンテープを剥がし、セロハンテープに付着した感熱記録層量を目視判定した。
☆:セロハンテープには感熱記録層の付着が全くない。
◎:セロハンテープには感熱記録層の付着が僅かある。
○:セロハンテープには感熱記録層の付着が少しある。
△:セロハンテープには感熱記録層の付着がやや多くある。
×:セロハンテープには感熱記録層の付着が多い。
【0054】
【表1】
Figure 0003750505
【0055】
【発明の効果】
表1の結果から明らかなように、本発明の感熱記録体は記録部の退色および未記録部の着色が少なく、かつ耐水性、耐薬品性に優れた効果を有するものである。

Claims (6)

  1. 樹脂フイルム上に、ロイコ染料、呈色剤および接着剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、感熱記録層中にスチレン・メタクリル酸のみからなる共重合体のアンモニウム塩が含有されたことを特徴とする感熱記録体。
  2. スチレン・メタクリル酸のみからなる共重合体のアンモニウム塩が、感熱記録層の全固形量に対して1〜10重量%である請求項1記載の感熱記録体。
  3. ロイコ染料が、赤色発色性ロイコ染料である請求項1または2記載の感熱記録体。
  4. 赤色発色性ロイコ染料が、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3,3'−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド及び3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7−フェノキシフルオランから選ばれる少なくとも一種である請求項3記載の感熱記録体。
  5. 樹脂フイルムが、ポリエチレンテレフタレート樹脂フイルムである請求項1〜4のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  6. 接着剤が、乳化重合されたラテックスから得られる樹脂である請求項1〜5のいずれか一項に記載の感熱記録体。
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