JP3750429B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルムや用紙等のシート部材に記録された画像をCCD(Charge Coupled Device)エリアセンサ等の撮像素子で読み取り、記録紙に出力する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、互いに異なる色を発光する複数個のフラッシュチューブを備え、各フラッシュチューブで多色原稿を照明して、色成分に分離した光像を形成し、その光像を撮像手段で画像信号に光電変換して読み取る画像読取装置が知られている(特開昭59−80059号)。
【0003】
また、フィルムに撮影された画像をCCDラインセンサで画像信号に光電変換して取り込むフィルムスキャナーにおいて、R,G,Bの照明光源を有し、各色の照明光でフィルムを順次、照明し、その照明により形成される光像をCCDラインセンサで読み取るものが商品化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フィルムに撮影された画像(以下、フィルム画像という。)を画像信号に光電変換して取り込み、その画像信号を用いてフィルム画像を記録紙に出力する場合、一般に記録紙への像形成は減色法の三原色C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)の色成分若しくはこれらにK(黒)の色成分を加えた4種類の色成分で行われるのに対し、フィルムにはカラーネガ、カラーポジ、モノクロネガの3種類があり、撮像手段で取り込む際の好適な色成分はフィルムの種類に応じて異なる。
【0005】
このため、種々のフィルムに撮影されたフィルム画像を記録紙に出力し得るプリンタを構成する場合、記録紙に形成された画像の高画質化と画像処理の簡略化とを考慮すると、フィルムの種類に適した色成分に分解してフィルム画像を読み取り、その色成分の画像信号をCMY又はCMYKのポジ信号に変換し、そのポジ信号を用いて像形成することが望ましい。
【0006】
例えばカラーネガフィルムのフィルム画像をプリントする場合は、R,G,Bの色成分に分解してフィルム画像を読み取り、R,G,Bの色成分のネガ画像信号をC,M,Yの色成分のポジ画像信号に反転処理してプリントすることが好ましい。また、カラーポジフィルムのフィルム画像をプリントする場合は、C,M,Yの色成分に分解してフィルム画像を読み取り、C,M,Yの色成分のポジ画像信号を反転処理することなくそのままプリントすることが好ましい。
【0007】
しかし、上記従来の画像読取装置は、R,G,Bの色を発光する複数個の光源を設け、各色でカラー原稿やカラーフィルムを照明することによりR,G,Bの色成分に分解された画像信号を取り込むのみであり、フィルムの種類に応じて光源の色を選択するものではないので、フィルムの種類によってはフィルム画像を読み取る際の色分解が適切でない場合が生じる。
【0008】
また、種々のフィルムに撮影されたフィルム画像を記録紙に出力し得るプリンタであって、マイクロコンピュータ等の加色法の三原色R,G,Bで画像処理を行う画像処理装置が外部接続可能なプリンタにおいては、画像信号の出力先がプリンタのプリント部か外部接続された画像処理装置かによって出力信号の色成分の種類が異なるので、更にフィルムの種類と出力先の組み合わせによって画像信号の取り扱いが適切でない場合が生じる。
【0009】
そして、このような問題はフィルム画像に限られず、原稿等の画像が記録されたシート部材についても言えることである。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、撮像対象の種類に応じて最も適した色成分に分解して画像信号を読み取り、必要に応じて取扱可能な色成分の画像信号に変換し、その画像信号を用いて記録紙に出力することにより画質劣化の少ない画像形成装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画像が記録されたシート部材に複数の色の照明光を順次、照射して当該画像の光像を作成し、その光像を撮像手段で順次、画像信号に光電変換して取り込み、それらの色の画像信号に基づいて上記画像を記録紙に形成する画像形成装置であって、第1の三原色で上記画像を記録紙に形成する画像形成手段と、少なくとも第1の三原色とこれと補色関係にある第2の三原色とからなる6種類の色が発光可能な照明手段と、上記シート部材に記録された画像の陰陽の種類を設定する設定手段と、上記撮像手段で取り込まれた画像信号を上記画像形成手段で取扱可能な信号にするべく当該画像信号の明暗及び色彩を反転する信号反転手段と、上記設定手段で設定された画像の種類に基づいて上記照明光の発光色と上記信号反転手段の反転処理動作とを制御する制御手段とを備えたものである(請求項1)。なお、上記第1の三原色は減色法における三原色のシアン、マゼンタ、イエローとし、上記第2の三原色は加色法における三原色の赤、青、緑とするとよい(請求項2)。
【0012】
上記構成によれば、設定手段で設定された画像の種類に基づいて照明光の発光色が設定され、この発光色でシート部材が順次、照明され、その照明により作成された光像が撮像手段で画像信号に光電変換して取り込まれる。撮像手段で取り込まれた画像信号は、必要に応じて信号反転手段でその明暗及び色彩が反転され、これにより画像形成手段で取扱可能な色の画像信号に変換される。
【0013】
例えばシート部材に記録された画像がカラーネガ画像のとき、当該画像が第2の三原色からなる発光色、例えば赤,緑,青の発光色で順次、照明して撮像手段でそれぞれ読み取られ、その画像信号は明暗及び色彩の反転処理により第1の三原色からなるカラーポジ信号に反転されて像形成手段に出力される。また、シート部材に記録された画像がカラーポジ画像のとき、当該画像が第1の三原色からなる発光色、例えばシアン、マゼンタ、イエローの発光色で順次、照明して撮像手段でそれぞれ読み取られ、その画像信号(第1の三原色からなるカラーポジ信号)は明暗及び色彩の反転処理を行うことなくそのまま像形成手段に出力される。
【0014】
そして、像形成手段で画像信号に基づき読み取られた画像が記録紙に像形成される。
【0015】
また、上記画像形成装置において、上記照明手段は、赤、緑、青の単色光を発光する3種類の光源とこれらの光源の発光を制御する発光制御手段とからなり、上記単色光を単独で発光し、若しくは2色以上を同時に発光して上記6種類の色を発光するとよい(請求項3)。
【0016】
上記構成によれば、R(赤),G(緑),B(青)の単色光を単独で発光させて第1の三原色の照明光が発光され、R,G,Bのうちの2色を同時に発光させて第2の三原色(C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー))の照明光が発光される。すなわち、GとBを同時に発光させてCの色が発光され、BとRを同時に発光させてMの色が発光され、RとGを同時に発光させてYの色が発光される。
【0017】
また、上記画像形成装置において、上記シート部材が新写真システムに適用されるフィルムからなり、上記設定手段は、上記シート部材が収納されるフィルムカートリッジに記録された当該シート部材の種類に関する情報を読み取り、その情報内容に基づいて画像の陰陽の種類を自動設定するとよい(請求項4)。
【0018】
上記構成によれば、画像形成装置にフィルムカートリッジが装填されると、当該フィルムカートリッジに記録されたフィルムの種類に関する情報が自動的に読み取られ、その読取内容に基づいてフィルムに記録された画像の陰陽(ネガ/ポジ)の種類が設定される。
【0019】
更にまた、上記画像形成装置において、各色成分の画像信号は、上記撮像手段で取り込まれる毎に、上記画像形成手段に順次、出力するとよい(請求項5)。
【0020】
上記構成によれば、シート部材に記録された画像は三原色の色成分に分解されて撮像手段で順次、読み取られるが、各色成分の画像が読み取られる毎にその画像信号が画像形成手段で取扱可能な色成分の画像信号に変換されて当該画像形成手段に出力される。
【0021】
例えばシート部材に記録された画像がカラーネガ画像のとき、まず、当該画像が赤の発光色で照明されて撮像手段で読み取られ、その赤の色成分のネガ画像信号は明暗及び色彩の反転処理によりシアンの色成分のポジ信号に反転されて像形成手段に出力される。次に、シート部材に形成された画像は、緑の発光色で照明されて撮像手段で読み取られ、その緑の色成分のネガ画像信号はマゼンタの色成分のポジ信号に反転されて像形成手段に出力され、最後に青の発光色で照明されて撮像手段で読み取られ、その青の色成分のネガ画像信号はイエローの色成分のポジ信号に反転されて像形成手段に出力される。
【0022】
また、本発明は、上記画像形成装置において、上記制御手段は、上記シート部材の画像がカラーネガ画像のとき、当該カラーネガ画像を第2の三原色の単色光で照明し、上記撮像手段で取り込まれた第2の三原色の色成分からなるネガ画像信号を上記信号反転手段で第1の三原色の色成分からなるポジ画像信号に反転して上記画像形成手段に出力するものである(請求項6)。
【0023】
上記構成によれば、シート部材に記録されたカラーネガ画像は、第2の三原色からなる発光色(例えばR,G,Bの発光色)で順次、照明されて撮像手段でそれぞれ読み取られ、各色成分の画像信号は、明暗及び色彩の反転処理により第1の三原色(C,M,Y)の色成分からなるカラーポジ信号に変換されて像形成手段に出力される。
【0024】
また、本発明は、請求項6記載の画像形成装置において、上記照明手段は、更に白色の照明光を発光可能になされ、上記制御手段は、当該カラーネガ画像を第2の三原色の単色光と白色光とで順次、照明し、上記撮像手段で取り込まれた第2の三原色の色成分と輝度成分とからなるネガ画像信号を上記信号反転手段でポジ画像信号に反転して上記画像形成手段に出力するものである(請求項7)。
【0025】
上記構成によれば、シート部材に記録されたカラーネガ画像は、第2の三原色からなる発光色(例えばR,G,Bの発光色)と白色光とで順次、照明されて撮像手段で読み取られ、各色成分及び輝度成分の画像信号は、明暗及び色彩の反転処理により第1の三原色(C,M,Y)の色成分と輝度成分とからなるカラーポジ信号に変換されて像形成手段に出力される。
【0026】
また、本発明は、上記画像形成装置において、上記制御手段は、上記シート部材の画像がカラーポジ画像のとき、当該カラーポジ画像を第1の三原色の単色光で照明し、上記撮像手段で取り込まれた第1の三原色の色成分からなるポジ画像信号を上記信号反転手段で反転処理することなく上記画像形成手段に出力するものである(請求項8)。
【0027】
上記構成によれば、シート部材に記録されたカラーポジ画像は、第1の三原色からなる発光色(例えばC,M,Yの発光色)で順次、照明されて撮像手段でそれぞれ読み取られ、各色成分の画像信号(ポジ信号)は、明暗及び色彩の反転処理をすることなくそのまま像形成手段に出力される。
【0028】
また、本発明は、請求項8記載の画像形成装置において、上記照明手段は、更に白色の照明光を発光可能になされ、上記制御手段は、当該カラーポジ画像を第1の三原色の単色光と白色光とで順次、照明し、上記撮像手段で取り込まれた第1の三原色の色成分と輝度成分とからなるポジ画像信号を上記信号反転手段で反転処理することなく上記画像形成手段に出力するものである(請求項9)。
【0029】
上記構成によれば、シート部材に記録されたカラーポジ画像は、第1の三原色からなる発光色(例えばC,M,Yの発光色)と白色光とで順次、照明されて撮像手段で読み取られ、各色成分及び輝度成分の画像信号(ポジ信号)は、明暗及び色彩の反転処理をすることなくそのまま像形成手段に出力される。
【0030】
また、本発明は、上記画像形成装置において、第2の三原色で画像処理を行う画像処理装置が外部接続可能な接続手段と、画像信号の上記画像形成手段への出力と上記画像処理装置への出力とを切換設定する出力先設定手段とを更に備え、上記制御手段は、上記設定手段で設定された画像の種類と上記出力先設定手段で設定された出力先とに基づいて上記照明光の発光色と上記信号反転手段の反転処理動作とを制御するものである(請求項10)。なお、上記画像形成装置において、上記出力先設定手段は、上記接続手段の接続状態を検出し、上記画像処理装置が外部接続されているとき、画像信号の出力先を当該画像処理装置に自動設定するとよい(請求項11)。
【0031】
上記構成によれば、設定手段で設定された画像の種類に基づいて照明光の発光色が設定され、この発光色でシート部材が順次、照明され、その照明により作成された光像が撮像手段で画像信号に光電変換して取り込まれる。また、設定手段で設定された画像の種類と出力先設定手段で設定された出力先とに基づいて信号反転手段の反転処理の有無が設定され、撮像手段で取り込まれた画像信号は、必要に応じて信号反転手段でその明暗及び色彩が反転され、これにより出力先で処理可能な信号に変換されて像形成手段若しくは画像処理装置に出力される。
【0032】
例えばシート部材に記録された画像がカラーネガ画像で、出力先が像形成手段のとき、当該画像は、第2の三原色からなる発光色、例えば赤,緑,青の発光色で順次、照明されて撮像手段でそれぞれ読み取られ、その画像信号は明暗及び色彩の反転処理により第1の三原色からなるカラーポジ信号に反転されて像形成手段に出力される。また、シート部材に記録された画像がカラーポジ画像で、出力先が画像処理装置のとき、当該画像は、第2の三原色からなる発光色で順次、照明されて撮像手段でそれぞれ読み取られ、その画像信号(第2の三原色からなるカラーポジ信号)は明暗及び色彩の反転処理を行うことなくそのまま画像処理装置に出力される。
【0033】
そして、像形成手段では画像信号に基づき読み取られた画像が記録紙に像形成され、画像処理装置では画像信号に基づき所定の画像処理が行われる。
【0034】
また、本発明によれば、請求項10又は11記載の画像形成装置において、上記制御手段は、上記シート部材の画像がカラーネガ画像で、画像信号の出力先が画像処理装置に設定されているとき、カラーネガ画像を第1の三原色の単色光で照明し、上記撮像手段で取り込まれた第1の三原色の色成分からなるネガ画像信号を上記信号反転手段で第2の三原色の色成分からなるポジ画像信号に反転して上記画像処理装置に出力するものである(請求項12)。
【0035】
上記構成によれば、シート部材に記録されたカラーネガ画像は、第1の三原色からなる発光色(例えばC,M,Yの発光色)で順次、照明されて撮像手段でそれぞれ読み取られ、各色成分の画像信号は、明暗及び色彩の反転処理により第2の三原色(R,G,B)の色成分からなるカラーポジ信号に変換されて画像処理装置に出力される。
【0036】
また、本発明は、請求項12記載の画像形成装置において、上記照明手段は、更に白色の照明光を発光可能になされ、上記制御手段は、カラーネガ画像を第1の三原色の単色光と白色光とで順次、照明し、上記撮像手段で取り込まれた第1の三原色の色成分と輝度成分とからなるネガ画像信号を上記信号反転手段でポジ画像信号に反転して上記画像形成手段に出力するものである(請求項13)。
【0037】
上記構成によれば、シート部材に記録されたカラーネガ画像は、第1の三原色からなる発光色(例えばC,M,Yの発光色)と白色光とで順次、照明されて撮像手段で読み取られ、各色成分及び輝度成分の画像信号は、明暗及び色彩の反転処理により第2の三原色(R,G,B)の色成分と輝度成分からなるカラーポジ信号に変換されて画像処理装置に出力される。
【0038】
また、本発明は、請求項10又は11記載の画像形成装置において、上記制御手段は、上記シート部材の画像がカラーポジ画像で、画像信号の出力先が画像処理装置に設定されているとき、カラー画像を第2の三原色の単色光で照明し、上記撮像手段で取り込まれた第2の三原色の色成分からなるポジ画像信号を上記信号反転手段で反転処理することなく上記画像処理装置に出力するものである(請求項14)。
【0039】
上記構成によれば、シート部材に記録されたカラーポジ画像は、第2の三原色からなる発光色(例えばR,G,Bの発光色)で順次、照明されて撮像手段でそれぞれ読み取られ、各色成分の画像信号(ポジ信号)は、明暗及び色彩の反転処理をすることなくそのまま画像処理装置に出力される。
【0040】
また、本発明は、請求項14記載の画像形成装置において、上記照明手段は、更に白色の照明光を発光可能になされ、上記制御手段は、カラーポジ画像を第2の三原色の単色光と白色光とで順次、照明し、上記撮像手段で取り込まれた第2の三原色の色成分と輝度成分とからなるポジ画像信号を上記信号反転手段で反転処理することなく上記画像形成手段に出力するものである(請求項15)。
【0041】
上記構成によれば、シート部材に記録されたカラーポジ画像は、第2の三原色からなる発光色(例えばR,G,Bの発光色)と白色光とで順次、照明されて撮像手段で読み取られ、各色成分及び輝度成分の画像信号(ポジ信号)は、明暗及び色彩の反転処理をすることなくそのまま画像処理装置に出力される。
【0042】
【発明の実施の形態】
本発明に係る画像形成装置について、フィルムの各コマに撮影された画像を読み取り、記録紙にプリントアウトするフィルム画像プリント装置を例に説明する。
【0043】
図1は、フィルム画像プリント装置の第1実施形態のブロック構成図である。
【0044】
同図に示すフィルム画像プリント装置1は、新写真システム(APS:Advanced Photo System)に適用されるフィルム5の各コマに撮影された画像を画像信号に光電変換して取り込み、その画像信号を用いて撮影画像を用紙にプリントアウトすることができるようになっている。
【0045】
同図において、フィルム給送部2は、フィルム5の給送を行うものである。フィルム給送部2には、図略のフィルム給送ローラを駆動する駆動モータとこの駆動モータの駆動を制御するモータドライバとが含まれている。フィルム給送部2の駆動は、フィルム画像プリント装置1の画像読取動作を集中制御する制御部18により制御される。フィルム給送部2は、装置本体のフィルム装填室に装填されたフィルムカートリッジ4からフィルム5を押し出して先頭コマを所定の画像読取位置に給送する(このフィルム給送をイニシャルローディングという。)とともに、操作部19により指定されたコマの画像を取り込むべくそのコマを所定の画像読取位置まで給送する。また、操作部19によりフィルムカートリッジ4のイジェクトが指示されると、フィルム5をフィルムカートリッジ4内に完全に収納する。
【0046】
照明部3は、白色(Wh)、加色法における三原色の赤(R),緑(G),青(B)及び減色法における三原色のシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の合計7色の色が発光可能になされ、フィルム5のネガ/ポジの種類に応じた所定の色で所定の画像読取位置に給送されたコマを所定の照度で照明するものである。
【0047】
図2は、第1の実施形態に係る照明部3の構成を示す図である。
【0048】
同図に示す照明部3は、白色光源301と透明板302a及びR,G,B,C,M,Yの色フィルタ302b〜302gが円板状のベースにターレット状に配列されたフィルタ部材302とこのフィルタ部材302を回転駆動するステップモータからなる駆動部材303とこのフィルタ部材302の回転位置(色フィルタの設定)を検出するフォトリフレクタ等の位置検出センサ304とから構成され、透明板302a又は色フィルタ302b〜302gのいずれかを白色光源301とフィルム5との間で切換設定することにより、フィルム5をWh,R,G,B,C,M,Yのいずれかの色で照明できるようになっている。なお、本実施の形態では透明板302aを設けているが、透明板302aに代えて白色光透過用の窓のみを設けてもよい。
【0049】
白色光源301は、例えば白色蛍光ランプを備え、この白色蛍光ランプからの発光を反射傘でフィルム5側に反射するとともに、拡散板で照度分布を均一にしてフィルム5に照射するように構成されている。また、フィルタ部材302の切換設定は駆動部材303の駆動を制御することにより行なわれ、制御部18は位置検出センサ304からの検出信号に基づいて駆動部材303の駆動量を制御することによりフィルタ部材302の切換設定を行う。なお、光源としてXe管等の白色放電管を用いてもよい。
【0050】
図3は、第2の実施形態に係る照明部の概略構成を示す図である。
【0051】
同図に示す照明部3′は、R,G,Bの各色を発光する複数個のLED(light emitting diode)301a′を隣接するR,G,Bの各色がデルタ形となるように配列してなる光源301′と拡散板305とで構成したものである。第2の実施形態に係る照明部3′は、全てのLED301a′を略同一の強度で発光することにより白色光が発光され、Gの色のLED301a′とBの色のLED301a′を略同一の強度で発光することによりCの色の光が、Bの色のLED301a′とRの色のLED301a′を略同一の強度で発光することによりMの色の光が、また、Rの色のLED301a′とGの色のLED301a′を略同一の強度で発光することによりYの色の光が発光される。
【0052】
図4は、第3の実施形態に係る照明部の概略構成を示す図である。
【0053】
同図に示す照明部3″は、R,G,Bの各色の複数個のLED301a″がR,G,Bの順にサイクリックに繰り返されて一列に配列された光源301″と光源301″からの各色の光をフィルム5側に導く導光板306と拡散板305とから構成したものである。導光板306は板状の光学部材からなり、一側面306aに光の入射面が形成され、この入射面306aに直交する一方の平板面306bに光の出射面が形成されている。出射面306bに対向する他方の平板面306cは、入射面306aからこれに対向する他方の側面306dに向かって先窄まりとなるように所定の角度で傾斜されており、入射面306aから入射された光は当該平板面306cで反射されて出射面306bから出射されるようになっている。
【0054】
第3の実施形態に係る照明部3″も全てのLED301a″を略同一の強度で発光することにより白色光が発光される。すなわち、光源301″の全てのLED301a″を略同一の強度で発光させると、R,G,Bの各色の光は導光板306で混合されつつ平板面306cから出射され、更に拡散板305で拡散(均一に混合)されてフィルム5に白色光が照射される。また、Gの色のLED301a″とBの色のLED301a″を略同一の強度で発光することによりCの色の光が、Bの色のLED301a′とRの色のLED301a′を略同一の強度で発光することによりMの色の光が、また、Rの色のLED301a′とGの色のLED301a′を略同一の強度で発光することによりYの色の光が発光される。
【0055】
図1に戻り、フィルム情報読取部6は、フィルムカートリッジ4に収納されたフィルム5に関する情報(フィルム撮影枚数、ISO感度、カラー/モノクロ、ネガ/ポジ等の情報。以下、フィルム情報という。)を読み取るものである。フィルムカートリッジ4の一方端部にはフィルム情報がバーコードで記録されたコード板がスプールと一体回転可能に設けられており、フィルム情報読取部6は、フィルムカートリッジ4のスプールを回転させてフィルム5をカートリッジから引き出し、フィルム給送ローラに巻き付けるイニシャルローディングの際にコード板に記録されたバーコードを読み取る。すなわち、フィルム情報読取部6はフォトリフレクタ等の光センサで構成され、イニシャルローディング時にコード板の回転により光センサをバーコードに対して相対走査させて読み取り、制御部18に出力する。制御部18では、フィルム情報読取部6から入力されるコード信号をデコードしてフィルム情報の内容が解読され、図略のメモリに格納される。
【0056】
また、磁気情報読取部7は、フィルム5の磁気記録部に磁気的に記録された撮影に関する情報(撮影情報、露出条件、撮影倍率等の情報。以下、Ixデータという。)の読み取り又は書き込みを行うものである。なお、磁気記録部は、フィルム5の各コマ毎にそのコマ位置に平行して設けられた帯状の記録部である。磁気情報読取部7は磁気ヘッド及びこの磁気ヘッドで検出された信号をIxデータに変換し又は書き込むべきIxデータを磁気ヘッドの駆動信号に変換する信号処理回路を備えている。磁気情報読取部7の駆動も制御部18により制御され、磁気情報読取部7はフィルム5を給送することで磁気ヘッドを各コマの磁気記録部に対して相対的に移動させ、これにより各コマのIxデータの読み取り又は書き込みを行う。読み取られたIxデータは制御部18に入力され、それをデコードして磁気情報の内容が解読され、図略のメモリに格納される。
【0057】
撮影レンズ8は、フィルム5の各コマの画像を撮像素子9の撮像面に結像するものである。撮像素子9は、フィルム5の各コマの画像(光像)を画像信号に光電変換して取り込む光電変換素子である。本実施の形態では、カラーフィルムに撮影されたカラー画像を読み取るに当たり、R,G,Bの光源若しくはC,M,Yの光源を用いて三原色の成分色の照明をすることでカラー画像を色成分の光像に分解するようにしているので、撮像素子9は、複数の画素をマトリックス状に配置してなるモノクロームタイプのCCDエリアセンサで構成されている。従って、カラー画像を読み取るときは、少なくとも3種類の色の照明光を切り換えてフィルム5を照明し、撮像素子9で撮像動作が3回行なわれる。
【0058】
アナログプロセス回路10は、CDS回路(Correlative Double Sampling)回路及びアナログアンプを有し、撮像素子9(以下、CCD9という。)から出力される画像信号(アナログ信号)のサンプリングノイズの低減やレベル調整等の所定のアナログ信号処理を行うものである。アナログプロセス回路10は、R,G,Bの各色成分の画像信号毎にアナログ信号処理を行う。
【0059】
A/D変換回路11は、アナログプロセス回路10から出力される画像信号を、例えば10ビット構成のデジタル信号からなる画像信号(以下、画像データという。)に変換するものである。
【0060】
タイミングジェネレータ(T・G)12は、CCD9の撮像動作(電荷蓄積動作)を制御する制御信号を生成するとともに、CCD9、アナログプロセス回路10、A/D変換回路11及び画像処理部13の信号処理に対するタイミング信号を生成するものである。タイミングジェネレータ12は、基準クロック発生回路を有し、この基準クロック発生回路で発生した基準クロックに基づいてCCD9の駆動制御信号とタイミング信号とを生成し、それぞれCCD9、アナログプロセス回路10、A/D変換回路11及び画像処理部13に出力する。
【0061】
CCD9では、タイミングジェネレータ12から入力される駆動制御信号に基づいてコマ画像の撮像が行われる。また、CCD9、アナログプロセス回路10、A/D変換回路11及び画像処理部13ではタイミングジェネレータ12から入力されるタイミング信号に基づいてCCD9からの画像信号の読出し、アナログ信号処理、A/D変換及びデジタル信号処理(後述)の一連の信号処理が行われる。
【0062】
画像処理部13は、A/D変換回路11から入力され画像データに対してホワイトバランス(WB)調整、階調(γ)補正等の所定のデジタル信号処理を行うものである。また、画像処理部13にはネガ/ポジ反転処理部131が設けられ、画像データの明暗を反転するとともに、カラー画像の場合、色相を補色に反転する処理を行うものである。ネガ/ポジ反転処理は、制御部18からの反転指令に従って行なわれ、非反転が指示されていると、画像処理部13ではWB調整後に反転処理を行うことなくγ補正が行われ、制御部18から反転処理が指示されていると、画像処理部13では、下記表1のように、WB調整後の画像データの明暗及び色相が反転される。
【0063】
【表1】
【0064】
従って、画像処理部13では、A/D変換回路11から入力された画像データはR,G,B若しくはC,M,Yの色成分毎にWB調整され、反転指示がされているときはネガ/ポジ反転処理が行われ、また、非反転指示がされているときはネガ/ポジ反転処理が行われることなく、所定のガンマ特性に従って階調補正が行われる。
【0065】
画像メモリ14は、画像処理部13から出力される画像データを記憶するメモリである。画像メモリ14は、内部に少なくとも各色成分毎にフレーム画像1枚分の画像データを記憶し得る容量を有している。メモリコントローラ15は、画像メモリ15への画像データの書込/読出を制御するものである。
【0066】
D/A変換回路16は、フィルム画像をプリンタ部17で記録紙にプリントアウトする当たり、画像メモリ14から読み出された画像データをアナログ信号にD/A変換してプリンタ部17に入力するものである。
【0067】
プリンタ部17は、フィルム画像を記録紙にプリントアウトするものである。プリンタ部17は、熱転写方式のプリンタからなり、画像データに基づいてプリンタヘッド174の駆動を行なうヘッド駆動部171、記録紙Pの給送を行う記録紙給送部172、インクリボン173dを給送するインクリボン給送部173及びインクリボン173dのインクを記録紙Pに熱転写するプリンタヘッド174を有し、制御部18からの制御信号に基づき画像メモリ14から出力される画像データに基づき、普通紙等の記録紙Pに画像を形成する。
【0068】
記録紙給送部172は、記録紙Pを給送する給紙ドラム172a、この給紙ドラム172aを回転駆動するドラムモータ172b及びこのドラムモータ172bの駆動を制御するモータ制御回路172cから構成されている。
【0069】
また、インクリボン給送部173は、インクリボン173dを給送する一対の給紙ローラ173a、この給紙ローラ173aを回転駆動するモータ173b及びこのモータ173bの駆動を制御するモータ制御回路173cから構成されている。インクリボン173dは、C,M,Y,Kの色のインクが所定長ずつ循環させて塗布されたリボンで、C,M,Y,Kの順にプリンタヘッド174に給送され、対応する色成分の画像データに基づいてプリンタヘッド174を駆動することにより記録紙Pに色成分毎に像形成できるようになっている。
【0070】
プリンタヘッド174は、例えば1ライン乃至数ライン分のドット印字部を有し、記録紙Pに1ライン乃至数ライン単位でインクリボン173dのインクを熱転写させて画像を形成するものである。CCD9で読み取られたフィルム画像は、画像メモリ14から1ライン乃至数ライン単位で画像データを出力し、D/A変換回路16でD/A変換した後、プリンタ部17に入力し、この画像データに基づいてプリンタ部17を駆動することで記録紙Pに像形成される。
【0071】
プリンタ部17に入力された画像データは、ヘッド駆動部171内のバッファに一時、保存される。このバッファから画像データを読み出す一方、この画像データの読出しに同期して給紙ドラム172aに装填されたロールシート若しくはカットシートの記録紙Pの給送とインクリボン173dの給送とを行うとともに、プリンタヘッド174によりインクリボン173dを記録紙Pに押圧し、これによりインクリボン173dのインクを記録紙Pに転写して画像が形成される。そして、C,M,Y,Kの色成分毎にライン単位の像形成と記録紙Pの給送とを交互に繰り返して記録紙Pに画像が形成され、全ての色成分の画像形成が完了すると、フィルム画像のプリントアウトが終了する。
【0072】
なお、本実施形態では、熱転写方式のシリアルプリンタを示したが、ページプリンタでも、昇華方式のプリンタでもよく、インクジェット式のプリンタを用いてもよい。
【0073】
制御部18は、フィルム画像の読取り及び記録紙へのプリントアウトの動作を統括制御するものである。制御部18はマイクロコンピュータからなり、光源3の発光、フィルム5の給送、CCD9の撮像動作、CCD9からの出力信号に対するアナログプロセス回路10〜画像メモリ14の信号処理及びプリンタ部17における画像形成の一連の処理を制御する。制御部18は、内部にフィルム判別部181を備え、フィルム情報読取部6から入力されるフィルム情報に基づいてフィルム5の種類、特にカラーネガ、カラーポジ、モノクロームネガの判別を行う。この情報は、照明部3の発光色の設定及び画像処理部13でのネガ/ポジ反転の有無の制御に利用される。
【0074】
操作部19は、電源のON/OFF、カートリッジ4のイジェクト、画像データを取り込むコマ番号の指定、フィルム画像をモノクローム画像に変換して出力させるためのモノクロ出力の設定等の各種のフィルム画像読取装置1に関する操作を入力するものである。
【0075】
なお、本実施の形態では、フィルム5のカラーネガ/カラーポジ/モノクロームネガの種類をフィルム情報に基づいて自動設定するようにしているが、操作部19からマニュアル設定するようにしてもよい。
【0076】
次に、フィルム画像プリント装置1のフィルム画像の読取り及び記録紙へのプリントの制御について説明する。
【0077】
表2は、フィルムの陰陽の種類、照明光の色及びネガ/ポジ反転処理の関係を示したものである。
【0078】
【表2】
【0079】
同表において、No.1,No.3は、カラー画像をモノクロ画像でプリントする場合であり、カラーポジフィルムの場合は、モノクロームネガフィルムの画像をプリントする場合と同一の処理となる。また、カラー画像をカラー画像でプリントする場合は、本実施の形態ではプリンタ部17がC,M,Y,Kの色成分でカラー画像を印字するように構成しているので、カラーネガフィルムに対してはR,G,B,Whの4種類の照明光を用いてR,G,B,Kのネガ信号を取り込み、カラーポジフィルムに対してはC,M,Y,Whの4種類の照明光を用いてC,M,Y,Kのポジ信号を取り込むようにしているが(No.2,No.4参照)、プリンタ部17がC,M,Yの色成分でカラー画像を印字するように構成されている場合は、Whの照明光を用いたフィルム画像の読取りは省略することができる。
【0080】
図5〜図7は、第1実施形態に係るフィルム画像プリント装置1のフィルム画像の読取り及び記録紙へのプリントの制御を示すフローチャートである。
【0081】
同図に示すフローチャートは、フィルム5に撮影された全てのフィルム画像を順次、読み取って記録紙にプリントアウトする場合の処理手順で、上記表2のNo.2,4,5に対応する処理手順である。
【0082】
なお、同フローチャートには表2のNo.1,No.3に相当する処理は含まれていないが、これらのケースはユーザによってカラー画像が意図的にモノクローム画像に変換されて記録紙にプリントアウトされるケースであるから、処理手順の複雑さ、煩雑さを回避するため省略したものである。
【0083】
No.1に対応する処理は、フィルム5がカラーネガフィルムのとき、操作部19からカラー画像をモノクローム画像に変換して出力する指示がなされているか否かを判別し、その指示がされている場合、後述するNo.5に対応する処理(ステップ#63〜#81)と同一の手順で行われる。また、No.3に対応する処理は、フィルム5がカラーポジフィルムのとき、操作部19からカラー画像をモノクローム画像に変換してプリントする指示がなされているか否かを判別し、その指示がされている場合、ステップ#65でネガ/ポジ反転を「無し」とし、ステップ#71の画像データの信号処理でネガ/ポジ反転をしないようにする点を除いて、No.5に対応する処理(ステップ#63〜#81)と同一の手順で行われる。
【0084】
また、このフローチャートでは、全コマのフィルム画像を自動的に読み取って記録紙にプリントアウトするようにしているが、操作部19から入力される特定のコマについてのみフィルム画像をプリントアウトするようにしてもよい。
【0085】
図5〜図7のフローチャートにおいて、電源をオンにしてフィルム画像読取装置1を起動し(#1)、フィルムカートリッジ4が装填されると、フィルム5のイニシャルローディングが行われ、このとき、フィルム情報読取装置6によりフィルム情報が読み取られ(#3)、このフィルム情報からフィルム5の種類が判別される(#5,#61)。
【0086】
フィルム5がカラーネガフィルムであると(#5でYES)、ステップ#7に移行し、表2のNo.2の処理が行われる(#7〜#59)。すなわち、照明部3の発光色がWh(白色)と加色法の三原色であるR,G,Bに設定され(#7)、画像処理部13におけるネガ/ポジ反転処理が「有り」に設定される(#9)。続いて、先頭コマを所定の撮像位置に設定するべくフィルム5が給送され(#11)、このフィルム給送の間にフィルタ部材302のカラーフィルタをR,G,Bの順に順次、切り換えてフィルム5の引き出し部分(オレンジベースの部分)がCCD9でそれぞれ撮像され、これらの撮像画像を用いて画像処理部13におけるWB調整用のデータ(各色成分の画像データのレベルを調整するためのゲインデータ)が算出される(#13)。なお、本実施の形態では画像処理部13でWB調整するようにしているので、WB調整データとしてゲインデータを算出するようにしているが、各色成分毎に画像信号を取り込む際のCCD9の露光時間を調整することによりWB調整された画像信号を取り込むことも可能で、この方法を採用した場合は、WB調整データとしてホワイトバランスで適正となる各色成分毎の露光時間が算出される。また、露光時間と画像データのレベル補正の両方を組み合わせてWB調整を行うようにしてもよい。
【0087】
先頭コマが所定の撮像位置に設定されると、フィルタ部材302が赤のカラーフィルタ302bに切換設定され、先頭コマが照明部3からの赤色の光で照明される。そして、この照明により形成される赤の色成分の光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれる(#15)。
【0088】
CCD9で取り込まれた画像信号(赤の色成分のネガ画像信号)は、アナログプロセス回路10に読み出され、ノイズ低減やレベル調整等の所定のアナログ信号処理が行われた後、A/D変換回路11でデジタルの画像データに変換されて画像処理部13に入力され、更にこの画像処理部13でWB調整、γ補正等の所定のデジタル信号処理が行われる。このデジタル信号処理ではネガ/ポジ反転処理も行われ、赤の色成分のネガ画像データは、赤の補色であるシアンの色成分に変換されるとともに、ポジ画像データに変換される(#17)。従って、Rの色成分のネガ画像データは、画像処理部13でCの色成分のポジ画像データ(以下、Cポジデータという。)に反転されて画像メモリ14に一旦、記憶される(#19)。続いて、Cポジデータは所定のタイミングで画像メモリ14から読み出され、D/A変換回路16でアナログデータに変換された後、プリンタ部17に出力される(#21)。
【0089】
Cポジデータは、1ライン乃至数ライン単位で順次プリンタ部17に出力され、このデータに基づいてプリンタヘッド174を駆動することによりインクリボン173dのCの色のインクが記録紙Pに転写されてCの色成分の画像が当該記録紙Pにプリントアウトされる(#23)。
【0090】
続いて、フィルタ部材302が緑のカラーフィルタ302cに切り換えられ、先頭コマが照明部3からの緑色の光で照明される。そして、この照明により形成される緑の色成分の光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれる(#25)。
【0091】
CCD9で取り込まれた画像信号(緑の色成分のネガ画像信号)についても上述した赤の色成分のネガ画像信号と同様の所定のアナログ信号処理とデジタル信号処理とが行われ、このデジタル信号処理で緑の補色であるマゼンタの色成分の画像データ(以下、Mポジデータという。)に反転されて画像メモリ14に一旦、記憶される(#27,#29)。そして、Mポジデータは所定のタイミングで画像メモリ14から読み出され、D/A変換回路16でアナログデータに変換された後、プリンタ部17に出力され(#31)、当該プリンタ部17でMの色成分の画像がCの色成分の画像が形成された記録紙Pに重ねてプリントアウトされる(#33)。
【0092】
続いて、フィルタ部材302が青のカラーフィルタ302dに切り換えられ、先頭コマが照明部3からの青色の光で照明される。そして、この照明により形成される青の色成分の光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれる(#35)。
【0093】
CCD9で取り込まれた画像信号(青の色成分のネガ画像信号)についても上述した赤の色成分のネガ画像信号と同様の所定のアナログ信号処理とデジタル信号処理とが行われ、このデジタル信号処理で青の補色であるイエローの色成分の画像データ(以下、Yポジデータという。)に反転されて画像メモリ14に一旦、記憶される(#37,#39)。そして、Yポジデータは所定のタイミングで画像メモリ14から読み出され、D/A変換回路16でアナログデータに変換された後、プリンタ部17に出力され(#41)、当該プリンタ部17でYの色成分の画像がC,Mの色成分の画像が形成された記録紙Pに重ねてプリントアウトされる(#43)。
【0094】
続いて、フィルタ部材302が透明板302aに切り換えられ、先頭コマが照明部3からの白色光で照明される。そして、この照明により形成される光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれ(#45)、その画像信号(輝度成分のネガ画像信号)についても上述した赤の色成分のネガ画像信号と同様の所定のアナログ信号処理とデジタル信号処理とが行われ、このデジタル信号処理で輝度成分のポジ画像データ(以下、Kポジデータという。)に反転されて画像メモリ14に一旦、記憶される(#47,#49)。
【0095】
そして、Kポジデータは所定のタイミングで画像メモリ14から読み出され、D/A変換回路16でアナログデータに変換された後、プリンタ部17に出力され(#51)、当該プリンタ部17で黒(K)の色成分の画像がC,M,Yの色成分の画像が形成された記録紙Pに重ねてプリントアウトされ(#53)、これによりフィルム画像の記録紙Pへのプリントアウトを完了する。
【0096】
続いて、最終コマのフィルム画像の読取りが終了したか否かが判別され(#55)、終了していなければ(#55でNO)、次のコマを所定の撮像位置に設定するべくフィルム5が給送され(#57)、次のコマが所定の撮像位置に設定されると、ステップ#15に戻り、上述した手順と同様の手順で次のコマのフィルム画像がR,G,B,輝度の色成分に分離して順次、読み取られ、C,M,Y,Kのポジデータに変換されてプリンタ部17に出力され、各色成分の画像が記録紙Pに形成される(#15〜#53)。
【0097】
そして、以下同様に各コマのフィルム画像が読み取られ(#15〜#53のループ)、全てのコマのフィルム画像の読取り及びプリントアウトが終了すると(#55でYES)、フィルム5がフィルムカートリッジ4内に巻き戻され、イジェクト可能にして処理を終了する(#59)。なお、全コマの読取終了は、フィルム画像の読取枚数をカウントし、このカウント値とフィルムカートリッジ4から読み取られたフィルム情報に含まれるフィルム撮影枚数とを比較することにより判別される。
【0098】
本実施の形態では、C,M,Y,Kの各ポジデータを順次、プリンタ部17に出力するようにしているが、これは画像メモリ14の記憶容量をできる限り低減し、装置の低廉化を図ることを考慮したもので、全ての色のポジデータを得た後、画像メモリ14から順次、各色成分のポジデータをプリンタ部17に出力して記録紙Pに画像を形成するようにしてもよい。
【0099】
フィルム5がモノクロームフィルムであると(#61でYES)、ステップ#63に移行し、表2のNo.5の処理が行われる(#63〜#81)。すなわち、照明部3の発光色が白色に設定され(#63)、画像処理部13におけるネガ/ポジ反転処理が「有り」に設定される(#65)。続いて、フィルム5を給送して先頭コマが所定の撮像位置に設定され(#67)、フィルタ部材302が透明板302aに切換設定されて先頭コマが照明部3からの白色光で照明される。
【0100】
そして、この照明により形成される光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれ(#69)、その画像信号は、アナログプロセス回路10に読み出され、ノイズ低減やレベル調整等の所定のアナログ信号処理が行われた後、A/D変換回路11でデジタルの画像データに変換されて画像処理部13に入力され、更にこの画像処理部13でγ補正等の所定のデジタル信号処理が行われる。このデジタル信号処理では、画像データが輝度データのみであるからWB調整は行われないが、ネガ/ポジ反転処理は行われ、輝度成分のポジ画像データに変換される(#71)。従って、輝度成分のネガ画像データは、画像処理部13でポジ画像データ(以下、輝度ポジデータという。)に反転されて画像メモリ14に一旦、記憶される(#73)。
【0101】
続いて、輝度ポジデータは所定のタイミングで画像メモリ14から読み出され、D/A変換回路16でアナログデータに変換された後、プリンタ部17に出力され(#75)、当該プリンタ部17でモノトーンの画像が記録紙Pにプリントアウトされる(#77)。
【0102】
続いて、最終コマのフィルム画像の読取りが終了したか否かが判別され(#79)、終了していなければ(#79でNO)、次のコマのフィルム画像を読み取るべくステップ#67に戻り、フィルム5を給送して次のコマが所定の撮像位置に設定される(#67)、次のコマが所定の撮像位置に設定されると、上述した手順と同様の手順で次のコマのフィルム画像が読み取られ、輝度ポジデータに変換されてプリンタ部17に出力され、モノトーンの画像が記録紙Pに形成される(#67〜#77)。
【0103】
そして、以下同様に各コマのフィルム画像が読み取られ(#67〜#79のループ)、全てのコマのフィルム画像の読取り及びプリントアウトが終了すると(#79でYES)、フィルム5がフィルムカートリッジ4内に巻き戻され、イジェクト可能にして処理を終了する(#81)。
【0104】
フィルム5がカラーポジフィルムであると(#61でNO)、ステップ#83に移行し、表2のNo.4の処理が行われる(#83〜#127)。すなわち、照明部3の発光色がWh(白色)と減色法の三原色であるC,M,Yに設定され(#83)、画像処理部13におけるネガ/ポジ反転処理が「無し」に設定される(#85)。続いて、先頭コマを所定の撮像位置に設定するべくフィルム5が給送される(#87)。
【0105】
先頭コマが所定の撮像位置に設定されると、フィルタ部材302がシアンのカラーフィルタ302eに切換設定され、先頭コマが照明部3からのシアン色の光で照明される。そして、この照明により形成されるシアンの色成分の光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれる(#89)。
【0106】
CCD9で取り込まれた画像信号(シアンの色成分のポジ画像信号)は、アナログプロセス回路10に読み出され、ノイズ低減やレベル調整等の所定のアナログ信号処理が行われた後、A/D変換回路11でデジタルの画像データ(Cポジデータ)に変換されて画像処理部13に入力され、更にこの画像処理部13でWB調整、γ補正等の所定のデジタル信号処理が行われる。このデジタル信号処理ではネガ/ポジ反転処理は行わず、Cポジデータはそのまま画像メモリ14に一旦、記憶され(#91)、所定のタイミングで画像メモリ14から読み出され、D/A変換回路16でアナログデータに変換された後、プリンタ部17に出力される(#93)。
【0107】
そして、このCポジデータに基づいてプリンタヘッド174を駆動することによりインクリボン173dのCの色のインクが記録紙Pに転写されてCの色成分の画像が当該記録紙Pにプリントアウトされる(#95)。
【0108】
続いて、フィルタ部材302がマゼンタのカラーフィルタ302fに切り換えられ、先頭コマが照明部3からのマゼンタ色の光で照明される。そして、この照明により形成されるマゼンタの色成分の光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれる(#97)。
【0109】
CCD9で取り込まれた画像信号(マゼンタの色成分のポジ画像信号)についても上述したシアンの色成分のポジ画像信号と同様の所定のアナログ信号処理とデジタル信号処理とが行われ、Mポジデータはネガ/ポジ反転が行われることなくそのまま画像メモリ14に一旦、記憶される(#99)。そして、Mポジデータは所定のタイミングで画像メモリ14から読み出され、D/A変換回路16でアナログデータに変換された後、プリンタ部17に出力され(#101)、このMポジデータに基づいてプリンタヘッド174を駆動することによりインクリボン173dのMの色のインクが記録紙Pに転写されてMの色成分の画像がCの色成分の画像が形成された当該記録紙Pに重ねてプリントアウトされる(#103)。
【0110】
続いて、フィルタ部材302がイエローのカラーフィルタ302gに切り換えられ、先頭コマが照明部3からの黄色の光で照明される。そして、この照明により形成されるイエローの色成分の光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれる(#105)。
【0111】
CCD9で取り込まれた画像信号(イエローの色成分のポジ画像信号)についても上述したシアンの色成分のポジ画像信号と同様の所定のアナログ信号処理とデジタル信号処理とが行われ、Yポジデータはネガ/ポジ反転が行われることなくそのまま画像メモリ14に一旦、記憶される(#107)。そして、Yポジデータは所定のタイミングで画像メモリ14から読み出され、D/A変換回路16でアナログデータに変換された後、プリンタ部17に出力され(#109)、このYポジデータに基づいてプリンタヘッド174を駆動することによりインクリボン173dのYの色のインクが記録紙Pに転写されてYの色成分の画像がC,Mの色成分の画像が形成された当該記録紙Pに重ねてプリントアウトされる(#111)。
【0112】
続いて、フィルタ部材302が透明板302aに切り換えられ、先頭コマが照明部3からの白色光で照明される。そして、この照明により形成される光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれ(#113)、その画像信号(輝度成分のポジ画像信号)についても上述したシアンの色成分のポジ画像信号と同様の所定のアナログ信号処理とデジタル信号処理とが行われ、このデジタル信号処理で輝度成分のポジ画像データ(以下、Kポジデータという。)はそのまま画像メモリ14に一旦、記憶される(#115)。
【0113】
そして、Kポジデータは所定のタイミングで画像メモリ14から読み出され、D/A変換回路16でアナログデータに変換された後、プリンタ部17に出力され(#117)、当該プリンタ部17で黒(K)の色成分の画像がC,M,Yの色成分の画像が形成された記録紙Pに重ねてプリントアウトされ(#119)、これによりフィルム画像の記録紙Pへのプリントアウトを完了する。
【0114】
続いて、最終コマのフィルム画像の読取りが終了したか否かが判別され(#121)、終了していなければ(#121でNO)、ステップ#89に戻り、次のコマを所定の撮像位置に設定するべくフィルム5が給送され、次のコマが所定の撮像位置に設定されると、上述した手順と同様の手順で次のコマのフィルム画像がC,M,Y,輝度の色成分に分離して順次、読み取られ、ネガポジ反転されることなくプリンタ部17に出力され、各色成分の画像が記録紙Pに形成される(#87〜#119)。
【0115】
そして、以下同様に各コマのフィルム画像が読み取られ(#87〜#121のループ)、全てのコマのフィルム画像の読取り及びプリントアウトが終了すると(#121でYES)、フィルム5がフィルムカートリッジ4内に巻き戻され、イジェクト可能にして処理を終了する(#123)。
【0116】
なお、上述の処理手順では、照明光の色をR→G→B→Whの順、C→M→Y→Whの順に切り換えて順次、各色成分の画像データを取り込んでいたが、この照明光の色の切換順は任意であり、本実施形態の順番に限定されるものではない。
【0117】
上記のように、第1実施形態に係るフィルム画像プリント装置1においては、白色(Wh)、加色法の三原色であるR,G,B及び減色法の三原色であるC,M,Yの合計7色の色を発光することのできる照明部3と輝度及び色彩を反転するネガ/ポジ反転機能とを設け、フィルムの種類(カラーネガ/カラーポジ/モノクローム)に応じた適正な色で照明してフィルム画像を読み取るとともに、その読取画像をプリンタ部17で記録紙Pにプリントアウトするようにしているので、色再現性の高いフィルム画像のプリント画像を得ることができる。
【0118】
図8は、フィルム画像プリント装置の第2実施形態のブロック構成図である。
【0119】
第2実施形態に係るフィルム画像プリント装置1′は、フィルム画像を読み取って外部接続されたパーソナルコンピュータに出力可能にしたものである。従って、図8は、図1において、パーソナルコンピュータ30(以下、PC30という。)が外部接続されるコネクタ20(ケーブル接続端子)と画像メモリ14に記憶された画像データのPC30への出力を制御する出力I/O21とを追加的に設けたものである。また、画像処理部13に画像データの画像圧縮部132を設け、画像データをPC30に出力する場合には、例えば画像データをJPEG(Joint Photographic Coding Group)方式により圧縮して画像メモリ14に出力するようにしている。
【0120】
PC30の接続の有無は出力I/O21により検出され、その検出情報は制御部18に入力される。そして、出力I/O21の駆動は制御部18によりPC30の接続情報に基づいて制御される。すなわち、PC30が接続されて交信状態のときは、フィルム画像の読取データの出力先はPC30が優先され、当該PC30と交信しつつPC30からのコマンドに従って画像メモリ14に記憶された画像データが出力I/O21及びコネクタ20を介してPC30に出力され、PC30が接続されていないとき若しくは接続されているが交信状態にないときは、フィルム画像の読取データはプリンタ部17に出力され、記録紙Pにプリントアウトされる。
【0121】
なお、PC30の接続状態を検出することなく、操作部19から画像データの出力先の優先順位をマニュアル設定できるようにしてもよく、あるいは通常はPC30の接続の有無に関わらず、フィルム画像のプリントアウトを優先させ、PC30へのデータ出力をプリントアウトに優先させるときにのみ操作部19からその指示を入力させるようにしてもよい。
【0122】
第2実施形態に係るフィルム画像プリント装置1′では、フィルム画像の読取データがCMYの色成分で画像処理を行なうプリンタ部17とRGBの色成分で画像処理を行なうPC30とに選択的に出力されるので、フィルム画像の種類と読取データの出力先との組み合わせによってフィルム画像を読み取る色成分や画像信号のネガ/ポジ反転処理の有無が異なり、第1実施形態のようにフィルム5の種類だけで照明光の色を決定することはできない。
【0123】
表3は、フィルムの陰陽の種類、照明光の色及びネガ/ポジ反転処理の組み合わせによりフィルム画像読取装置1′で取り扱われる画像信号とプリンタ部17及び外部接続されるPC30との関係を示したものである。
【0124】
【表3】
【0125】
同表において、照明色の欄は、R,G,Bの単色光源を用いて所望の色を発光する場合のもので、例えば「白色(R+G+B)」は、R,G,Bの単色光を全て略同一の強度で発光させて白色光を発生することを示し、例えば「シアン(G+R)」は、RとGの単色光を略同一の強度で発光させてシアンの光を発生することを示している。本実施の形態のように白色光源とR,G,B,C,M,Yのカラーフィルタとを組み合わせて所望の色を発光させるようにしてもよい。
【0126】
「出力1」の欄は、CCD9から出力されるフィルム画像の画像信号をネガ/ポジ反転処理を行うことなくそのまま出力した場合の出力信号の種類を示したものであり、「出力2」の欄は、CCD9から出力されるフィルム画像の画像信号をネガ/ポジ反転処理を行って出力した場合の出力信号の種類を示したものである。両欄において、例えば「輝度ネガ」は明暗が被写体と逆になっている輝度信号を示し、例えば「Rネガ」は明暗が被写体と逆になっているR成分の画像信号を、また、「Rポジ」は明暗が被写体と同じになっているR成分の画像信号を示している。
【0127】
「出力先」の欄は、画像処理部13から出力される画像信号と出力先(PC:パーソナルコンピュータ,PR:プリント部)との適合性を示したもので、○印は「適合」、×印は「不適合」を示している。また、△印は「条件付きの適合」を示し、具体的には色成分を補色に反転することにより適合することを示している。
【0128】
プリンタ部17は、CMYKのポジデータを用いてフィルム画像をプリントアウトするようになっているので、画像出力部13からCMYのポジデータが出力されないケースは不適合となっている。また、PC30は、一般にRGBのポジデータを用いて画像処理を行なうようになっているから、画像出力部13からRGBのポジデータが出力されないケースは原則として不適合となるが、PC30に色反転機能がある場合は、それを条件として適合するものとなっている(No.2〜4,No.12〜14参照)。
【0129】
また、「白黒」はカラー画像の輝度成分のみが出力された場合(すなわち、カラー画像がモノクローム画像に変換されて出力された場合)、モノクローム画像として取扱可能であることを示している。No.1,8,15のケースで、画像処理部13から輝度ネガ信号で出力される場合は、出力画像の明暗が原画像の明暗と逆になるから、「×(取扱不可)」となっているが、輝度ポジ信号で出力される場合は、出力画像の明暗が原画像の明暗と同一となり、モノクローム画像として取扱可能であるから、「白黒」となっている。
【0130】
表2から明らかなように、No.1〜No.15のケースにおいて、○印又は「白黒」が付された内容でフィルム画像の読取処理とその読取画像の画像処理とを行ってPC30への出力若しくはプリンタ部17でのプリントアウトとを行なうようにすると、最も適した条件でフィルム画像の読取りから画像信号の出力を行うことができる。なお、△印が付された内容で処理することも可能であるが、その場合は、PC30側に色反転の処理機能を有することが条件となる。
【0131】
そこで、第2実施の形態に係るフィルム画像プリント装置1′では、フィルムの種類と画像信号の出力先とに応じて表4に示すNo.1〜No.7の内容でフィルム画像の読取りとその読取画像の信号処理とを行うようにしている。
【0132】
【表4】
【0133】
なお、同表において、No.1,No.2,No.4,No.5,No.7はプリンタ部17で記録紙Pにプリントアウトするケースであるから、それぞれ表2のNo.1〜No.5と同一の内容となっている。
【0134】
次に、第2実施形態に係るフィルム画像プリント装置1′のフィルム画像の読取り及びPC30への画像データの出力制御について、図9〜図11のフローチャートを用いて説明する。
【0135】
電源をオンにしてフィルム画像読取装置1を起動すると(#131)、まず、PC30の接続状態が検出され(#133)、フィルムカートリッジ4が装填されると、フィルム5のイニシャルローディングが行われ、このとき、フィルム情報読取装置6によりフィルム情報が読み取られる(#135)。
【0136】
続いて、コネクタ20の接続状態とPC30との交信状態とからPC30が接続されているか否かが判別され(#137)、PC30が接続されていなければ(#137でNO)、ステップ139に移行し、フィルム画像を読み取って記録紙Pにプリントアウトされる。このフィルム画像の読取り及びプリントアウトの処理は、上述した図5〜図7に示すフローチャートの処理手順に従って行われる。
【0137】
一方、PC30が接続されていれば(#137でYES)、ステップ#141に移行し、フィルム画像を読み取ってPC30に出力する処理が行なわれる(#141〜#231)。
【0138】
ステップ#141に移行すると、フィルム情報からフィルム5の種類が判別され(#141,#181)、フィルム5がカラーネガフィルムであると(#141でYES)、ステップ#143に移行し、表4のNo.3の処理が行われる(#143〜#179)。
【0139】
すなわち、照明部3の発光色がC,M,Yに設定され(#143)、画像処理部13におけるネガ/ポジ反転処理が「有り」に設定される(#145)。続いて、先頭コマを所定の撮像位置に設定するべくフィルム5が給送され(#147)、このフィルム給送の間にフィルタ部材302のカラーフィルタをC,M,Yの順に順次、切り換えてフィルム5の引き出し部分(オレンジベースの部分)がCCD9でそれぞれ撮像され、これらの撮像画像を用いて画像処理部13におけるWB調整用のデータが算出される(#149)。
【0140】
先頭コマが所定の撮像位置に設定されると、フィルタ部材302がシアンのカラーフィルタ302eに切換設定され、先頭コマが照明部3からのシアン色の光で照明される。そして、この照明により形成されるシアンの色成分の光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれる(#151)。
【0141】
CCD9で取り込まれた画像信号(シアンの色成分のネガ画像信号)は、アナログプロセス回路10に読み出され、ノイズ低減やレベル調整等の所定のアナログ信号処理が行われた後、A/D変換回路11でデジタルの画像データに変換されて画像処理部13に入力され、更にこの画像処理部13でWB調整、γ補正、画像圧縮等の所定のデジタル信号処理が行われる。このデジタル信号処理ではネガ/ポジ反転処理も行われ、シアンの色成分のネガ画像データは、シアンの補色である赤の色成分に変換されるとともに、ポジ画像データに変換される(#153)。従って、Cのネガ画像データは、画像処理部13でRのポジ画像データ(以下、Rポジデータという。)に反転されるとともに、所定の圧縮率で圧縮されて画像メモリ14に一旦、記憶され(#155)、出力I/O21により所定のタイミングで画像メモリ14から読み出されてPC30に出力される(#157)。
【0142】
続いて、フィルタ部材302がイエローのカラーフィルタ302gに切り換えられ、先頭コマが照明部3からの黄色の光で照明される。そして、この照明により形成されるイエローの色成分の光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれる(#159)。
【0143】
CCD9で取り込まれた画像信号(イエローの色成分のネガ画像信号)についても上述したシアンの色成分のネガ画像信号と同様の所定のアナログ信号処理とデジタル信号処理とが行われ、このデジタル信号処理でイエローの補色である青の色成分の画像データ(Bポジデータ)に反転されるとともに、所定の圧縮率で圧縮されて画像メモリ14に一旦、記憶される(#161,#163)。そして、Bポジデータは出力I/O21により所定のタイミングで画像メモリ14から読み出されてPC30に出力される(#165)。
【0144】
続いて、フィルタ部材302がマゼンタのカラーフィルタ302fに切り換えられ、先頭コマが照明部3からのマゼンタ色の光で照明される。そして、この照明により形成されるマゼンタの色成分の光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれる(#167)。
【0145】
CCD9で取り込まれた画像信号(マゼンタの色成分のネガ画像信号)についても上述したシアンの色成分のネガ画像信号と同様の所定のアナログ信号処理とデジタル信号処理とが行われ、このデジタル信号処理でマゼンタの補色である緑の色成分の画像データ(Gポジデータ)に反転されるとともに、所定の圧縮率で圧縮されて画像メモリ14に一旦、記憶される(#169,#171)。そして、Gポジデータは出力I/O21により所定のタイミングで画像メモリ14から読み出されてPC30に出力される(#173)。
【0146】
続いて、最終コマのフィルム画像の読取りが終了したか否かが判別され(#175)、終了していなければ(#175でNO)、次のコマを所定の撮像位置に設定するべくフィルム5が給送され(#177)、次のコマが所定の撮像位置に設定されると、ステップ#151に戻り、上述した手順と同様の手順で次のコマのフィルム画像がC,M,Yの色成分に分離して順次、読み取られ、R,G,Bのポジ画像データに変換されてPC30に出力される(#151〜#173)。
【0147】
そして、以下同様に各コマのフィルム画像が読み取られ(#151〜#177のループ)、全てのコマのフィルム画像の読取りが終了すると(#175でYES)、フィルム5がフィルムカートリッジ4内に巻き戻され、イジェクト可能にして処理を終了する(#179)。
【0148】
フィルム5がモノクロームネガフィルムであると(#181でYES)、ステップ#183に移行し、表4のNo.7の処理が行われる(#183〜#199)。すなわち、照明部3の発光色が白色に設定され(#183)、画像処理部13におけるネガ/ポジ反転処理が「有り」に設定される(#185)。続いて、フィルム5を給送して先頭コマが所定の撮像位置に設定され(#187)、フィルタ部材302が透明板302aに切換設定されて先頭コマが照明部3からの白色光で照明される。
【0149】
そして、この照明により形成される光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれ(#189)、その画像信号は、アナログプロセス回路10に読み出され、ノイズ低減やレベル調整等の所定のアナログ信号処理が行われた後、A/D変換回路11でデジタルの画像データに変換されて画像処理部13に入力され、更にこの画像処理部13でγ補正、画像圧縮等の所定のデジタル信号処理が行われる。このデジタル信号処理では、画像データが輝度データのみであるからWB調整は行われないが、ネガ/ポジ反転処理は行われ、輝度成分のポジ画像データに変換される(#191)。従って、輝度成分のネガ画像データは、画像処理部13でポジ画像データ(以下、輝度ポジデータという。)に反転されるとともに、所定の圧縮率で圧縮されて画像メモリ14に一旦、記憶され(#193)、出力I/O21により所定のタイミングで画像メモリ14から読み出されてPC30に出力される(#195)。
【0150】
続いて、最終コマのフィルム画像の読取りが終了したか否かが判別され(#197)、終了していなければ(#197でNO)、次のコマのフィルム画像を読み取るべくステップ#187に戻り、フィルム5を給送して次のコマが所定の撮像位置に設定される(#187)、次のコマが所定の撮像位置に設定されると、上述した手順と同様の手順で次のコマのフィルム画像が読み取られ、輝度ポジデータに変換されてPC30に出力される(#187〜#195)。
【0151】
そして、以下同様に各コマのフィルム画像が読み取られ(#187〜#197のループ)、全てのコマのフィルム画像の読取りが終了すると(#197でYES)、フィルム5がフィルムカートリッジ4内に巻き戻され、イジェクト可能にして処理を終了する(#199)。
【0152】
フィルム5がカラーポジフィルムであると(#181でNO)、ステップ#201に移行し、表4のNo.6の処理が行われる(#201〜#229)。すなわち、照明部3の発光色が加色法の三原色であるR,G,Bに設定され(#201)、画像処理部13におけるネガ/ポジ反転処理が「無し」に設定される(#203)。続いて、先頭コマを所定の撮像位置に設定するべくフィルム5が給送される(#205)。
【0153】
先頭コマが所定の撮像位置に設定されると、フィルタ部材302が赤のカラーフィルタ302bに切換設定され、先頭コマが照明部3からの赤色の光で照明される。そして、この照明により形成される赤の色成分の光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれる(#207)。
【0154】
CCD9で取り込まれた画像信号(赤の色成分のポジ画像信号)は、アナログプロセス回路10に読み出され、ノイズ低減やレベル調整等の所定のアナログ信号処理が行われた後、A/D変換回路11でデジタルの画像データ(Rポジデータ)に変換されて画像処理部13に入力され、更にこの画像処理部13でWB調整、γ補正、画像圧縮等の所定のデジタル信号処理が行われる。このデジタル信号処理ではネガ/ポジ反転処理は行わず、RポジデータはWB調整後にγ補正され、更に所定の圧縮率で圧縮されて画像メモリ14に一旦、記憶され(#209,#211)、出力I/O21により所定のタイミングで画像メモリ14から読み出されてPC30に出力される(#213)。
【0155】
続いて、フィルタ部材302が青のカラーフィルタ302dに切り換えられ、先頭コマが照明部3からの青色の光で照明される。そして、この照明により形成される青の色成分の光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれる(#215)。
【0156】
CCD9で取り込まれた画像信号(青の色成分のポジ画像信号)についても上述した赤の色成分のポジ画像信号と同様の所定のアナログ信号処理とデジタル信号処理とが行われ、Bポジデータはネガ/ポジ反転が行われることなく所定の圧縮率で圧縮されて画像メモリ14に一旦、記憶される(#217,#219)。そして、Bポジデータは出力I/O21により所定のタイミングで画像メモリ14から読み出されてPC30に出力される(#221)。
【0157】
続いて、フィルタ部材302が緑のカラーフィルタ302cに切り換えられ、先頭コマが照明部3からの緑色の光で照明される。そして、この照明により形成される緑の色成分の光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれる(#221)。
【0158】
CCD9で取り込まれた画像信号(緑の色成分のポジ画像信号)についても上述した赤の色成分のポジ画像信号と同様の所定のアナログ信号処理とデジタル信号処理とが行われ、Gポジデータはネガ/ポジ反転が行われることなく所定の圧縮率で圧縮されて画像メモリ14に一旦、記憶される(#225,#227)。そして、Gポジデータは出力I/O21により所定のタイミングで画像メモリ14から読み出されてPC30に出力される(#229)。
【0159】
続いて、最終コマのフィルム画像の読取りが終了したか否かが判別され(#231)、終了していなければ(#231でNO)、ステップ#205に戻り、次のコマを所定の撮像位置に設定するべくフィルム5が給送され、次のコマが所定の撮像位置に設定されると、上述した手順と同様の手順で次のコマのフィルム画像がR,G,Bの色成分に分離して順次、読み取られ、ネガ/ポジ反転されることなくPC30に出力される(#207〜#229)。
【0160】
そして、以下同様に各コマのフィルム画像が読み取られ(#205〜#231のループ)、全てのコマのフィルム画像の読取りが終了すると(#231でYES)、フィルム5がフィルムカートリッジ4内に巻き戻され、イジェクト可能にして処理を終了する(#233)。
【0161】
なお、上述の説明では外部接続される出力機器としてパーソナルコンピュータを例示したが、これに限定されるものではなくRGBの色成分で画像処理を行なう他の出力機器(例えばCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置)を接続することもできる。
【0162】
また、本実施の形態では、カラーネガ、モノクロームネガ、カラーポジの各フィルム画像の読取りにおいて、画像信号は色データ毎に出力されているが、全ての色データを一旦、画像メモリ14に記憶し、その後、JPEG圧縮を行って出力するようにしてもよい。この方法では、PC30への画像データの転送時間を短縮することができる。
【0163】
上記のように第2実施形態に係るフィルム画像プリント装置1′では、RGBの色成分で画像処理を行なう出力機器を外部接続可能にし、出力機器に画像データを出力する場合には当該出力機器に適した色成分の画像データが得られるように適切な色で照明するとともに、画像信号のネガポジ反転処理を行なうようにしているので、フィルム画像の出力態様に応じて好適な画像読取りと信号処理とが行われ、高画質のプリント画像若しくは画質劣化の少ない表示装置への表示画像を得ることができる。
【0164】
また、画像データを圧縮してPC30に転送するようにしているので、転送処理を迅速に行うことができる。
【0165】
図12は、フィルム画像プリント装置の第3実施形態のブロック構成図である。
【0166】
第3実施形態に係るフィルム画像プリント装置1″は、いわゆる画素ずらし法によりフィルム画像の高精細化を可能にしたものである。
【0167】
画素ずらし法は、被写体光像に対するCCD9の撮像位置を当該CCD9の画素ピッチpよりも短い距離で変位させて少なくとも2回撮像し、これらの撮像画像を用いてCCD9の画素密度よりも高い密度の画像データを得る方法である。
【0168】
例えば被写体光像に対するCCD9の撮像位置を上下左右にp/2だけ(斜めに0.707pだけ)変位させて2回撮像する場合、1回目の撮像画像の画像データ群をD1、2回目の撮像画像の画像データ群をD2とすると、画素データ群D1,D2の被写体光像に対する撮像位置は、図13に示すようになっている。同図において、白丸は画素データ群D1の受光位置を示し、黒丸は画素データ群D2の受光位置を示している。なお、CCD9の撮像位置を斜め右下方向に0.707pだけ変位させるとすると、CCD9内の任意の画素の被写体光像に対する1回目の受光位置と2回目の受光位置とは、図13においてa点とa′点との位置関係になっている。
【0169】
図13に示すように、画素データ群D1及び画素データ群D2から被写体光像に対して上下左右にp/2ピッチで設定された受光位置のデータが得られるが、□印で示す位置については、画素データが欠落し、完全なp/2ピッチの画素密度の画素データは得られない。そこで、画素ずらし法では画素データ群D1及び画素データ群D2とを用いて不足する受光位置の画素データ群D3を補間することによりCCD9の画素密度の4倍の画素密度を有する画像データを得るようにしている。
【0170】
画素データ群D3の補間方法には種々の方法が有り、例えば特開平10−257507号公報に示されるように、例えばb点の画素データD3を補間する場合、b点に隣接する上下の画素データD1と左右の画素データD2とを用いて平均値若しくは加重平均値を算出することにより画素データD3が補間される。すなわち、図14に示すように、b点に隣接する上下の画素データD1をD1U,D1B、左右の画素データD2をD2R,D2Lとすると、
D3=(D1U+D1B)/2…(1)
D3=(D2R+D2L)/2…(2)
D3=K1・(D1U+D1B)/2+(1-K1)・(D2R+D2L)/2…(3)
D3=[C1・(D1U+D1B)+C2・(D2R+D2L)]/2 …(4)
等の演算式により画素データD3が補間される。なお、(3)式、(4)式におけるK1,K2,C1,C2は係数である。
【0171】
図12は、CCD9の撮像面に対する被写体光像の結像位置を光学的にずらすようにしたもので、図1において、撮影レンズ8とCCD9との間に撮像面における被写体光像の結像位置をずらせるための光学系22(以下、画素ずらし光学系22という。)を設けるとともに、この画素ずらし光学系22を駆動する駆動部23を設け、更に画像処理部13内に2枚の撮像画像を画素データの補間処理を行なって合成することにより高精細画像を作成する画像合成部133を設けたものである。
【0172】
画素ずらし光学系22は、図15に示すように一方面22aが他方面22bに対して僅かに傾斜するように構成され、入射光と出射光の光軸の平行性は保持されるが、入射点と出射点とが異なる板状の光学系である。画素ずらし光学系22は光軸を中心に回転可能に設けられ、駆動部23により第1の位置(図15の(a)の状態)と第2の位置(図15の(b)の状態)とに切換設定されるようになっている。
【0173】
図16は、画素ずらし光学系22を第1の位置と第2の位置とに切換設定した場合の被写体光像(「a」の文字で示す。)の撮像面における結像位置の変位の一例を示すものである。なお、同図は、説明の便宜上、画素ずらし光学系22の切換により撮像面Sが被写体光像に対して相対的に変位した内容で描いている。
【0174】
同図において、実線で示す撮像面Sは、例えば画素ずらし光学系22を第1の位置に設定した場合の相対位置を示し、点線で示す撮像面Sは、画素ずらし光学系22を第2の位置に設定した場合の相対位置を示している。すなわち、第1の位置を画素ずらし光学系22の初期位置とすると、初期位置では被写体光像「a」は撮像面Sの略中央に投影され、画素ずらし光学系22を第2の位置に切り換えると、撮像面Sにおける被写体光像「a」の投影位置は、斜め右下に変位される。このときの変位量はCCD9の正方画素gの配列ピッチをpとすると、斜め下方向に0.707pとなっている。
【0175】
従って、画素ずらし光学系22を第1の位置と第2の位置とに切り換えて同一の被写体をそれぞれ撮像すると、被写体に対してCCD9を上下左右にp/2だけずらせて撮影した2枚の撮像画像が得られ、画像処理部13内の画像合成部133でこれらの撮像画像の画像データを用いて、上述の画素データ群D3の補間処理を行なうことにより通常の撮像によって得られる撮像画像よりも4倍の画素密度の高精細画像を得ることができるようになっている。
【0176】
なお、本実施の形態では、画素ずらし光学系22を用いて光学的に被写体の撮像面における結像位置を変位させているが、CCD9を変位可能に配設し、例えば圧電アクチュエータ等の駆動手段で当該CCD9を所定の方向に微小変位させて被写体の撮像面における結像位置を変位させるようにしてもよい。
【0177】
次に、第3の実施形態に係るフィルム画像読取装置1″のフィルム画像の読取り及び記録紙へのプリントの制御について説明する。
【0178】
モノクローム画像の場合(表2のNo.5参照)やカラー画像をモノクローム画像として取り込む場合、画素ずらし法により被写体光像に対するCCD9の撮像位置をずらして2回撮像し、各撮像画像から2種類の輝度信号を得ることによりこれらの輝度信号を用いて高精細のモノクローム画像を得ることができる。
【0179】
カラー画像の場合、全ての色成分(CMYK)について画素ずらし法により画素密度を高めるようにしてもよいが、このようにすると、1枚のフィルム画像を読み取るのに8回の撮像動作を繰り返す必要があり、画像読取動作に長時間を要する。
【0180】
その一方、視覚的には刺激値の大きい色成分について高精細化を図るだけでも効果的な高画質が得られるので、本実施の形態では輝度データに相当するデータを読み取る際(白色で照明するとき)にのみ画素ずらし法を適用し、1枚のフィルム画像の画像読取を5回の撮像動作で行なうようにしている。
【0181】
白色照明のときにのみ画素ずらし法を適用する場合は、図5〜図7に示すフローチャートにおいて、ステップ#45〜#53及びステップ#69〜#77を図17に示すように修正し、ステップ#113〜#119を図18に示すように修正すれば、第3の実施形態に係るフィルム画像読取装置1″のフィルム画像の読取り及び記録紙へのプリントの制御のフローチャートとなる。
【0182】
そこで、ここでは図17,図18の修正部分の処理内容についてのみ説明する。
【0183】
(1)カラーネガ若しくはモノクロームネガのフィルム画像を読み取る際の白色照明における画像読取とプリントアウトの処理(図17のフローチャート)。
【0184】
フィルタ部材302が透明板302aに切換設定されて先頭コマが照明部3からの白色の光で照明され、この照明により形成される光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれる(#241)。その画像信号は、アナログプロセス回路10に読み出され、ノイズ低減やレベル調整等の所定のアナログ信号処理が行われた後、A/D変換回路11でデジタルの画像データに変換されて画像処理部13に入力され、更にこの画像処理部13でγ補正等の所定のデジタル信号処理が行われる。このデジタル信号処理ではWB調整は行われず、ネガ/ポジ反転処理により輝度ポジデータに反転されて画像メモリ14に一旦、記憶される(#243,#245)。この輝度ポジデータは、画素ずらし法により高精細化するための第1の輝度データ(図13における画素データ群D1。以下、第1輝度ポジデータという。)に相当するものである。
【0185】
続いて、画素ずらし光学系22が第1の位置から第2の位置に切り換えられ(#247)、再度、先頭コマが白色の光で照明された状態でCCD9により読み取られる(#249)。この画像信号も上述と同様に所定のアナログ信号処理とデジタル信号処理とが行われて輝度ポジデータに反転されて画像メモリ14に一旦、記憶される(#251,#253)。この輝度ポジデータは、画素ずらし法により高精細化するための第2の輝度データ(図13における画素データ群D2。以下、第2輝度ポジデータという。)に相当するものである。
【0186】
続いて、画像メモリ14から第1輝度ポジデータと第2輝度ポジデータとが画像処理部13に読み出され、画像合成部133で上記(1)〜(4)のいずれかの演算式により不足する画素位置の画素データが補間されて高精細化された輝度ポジデータが作成され、再度画像メモリ14に記憶される(#255)。そして、この輝度ポジデータは、所定のタイミングで画像メモリ14から読み出され、D/A変換回路16でアナログデータに変換された後、プリンタ部17に出力され(#257)、当該プリンタ部17で黒(K)の色成分の画像が記録紙Pにプリントアウトされ(#259)、これによりフィルム画像の記録紙Pへのプリントアウトを完了する。
【0187】
なお、カラー画像をモノクローム画像で記録紙にプリントする場合も図17に示す処理手順と同様の手順で画像の読取り及び記録紙へのプリントを行なうことにより高精細のプリント画像を得ることができる。
【0188】
(2)カラーポジのフィルム画像を読み取る際の白色照明における画像読取とプリントアウトの処理(図18のフローチャート)。
【0189】
フィルタ部材302が透明板302aに切換設定されて先頭コマが照明部3からの白色の光で照明され、この照明により形成される光像がCCD9で画像信号に光電変換されて取り込まれる(#261)。その画像信号は、アナログプロセス回路10に読み出され、ノイズ低減やレベル調整等の所定のアナログ信号処理が行われた後、A/D変換回路11でデジタルの画像データ(第1輝度ポジデータ)に変換されて画像処理部13に入力され、更にこの画像処理部13でγ補正等の所定のデジタル信号処理が行われる。このデジタル信号処理ではWB調整及びネガ/ポジ反転処理は行われず、第1輝度ポジデータはそのまま画像メモリ14に一旦、記憶される(#263)。
【0190】
続いて、画素ずらし光学系22が第1の位置から第2の位置に切り換えられ(#265)、再度、先頭コマが白色の光で照明された状態でCCD9により読み取られる(#267)。この画像信号も上述と同様に所定のアナログ信号処理とデジタル信号処理とが行われ(デジタル信号処理ではWB調整及びネガ/ポジ反転処理は行われず)、画像処理部13から出力される第2輝度ポジデータが画像メモリ14に一旦、記憶される(#269)。
【0191】
続いて、画像メモリ14から第1輝度ポジデータと第2輝度ポジデータとが画像処理部13に読み出され、画像合成部133で上記(1)〜(4)のいずれかの演算式により不足する画素位置の画素データが補間されて高精細化された輝度ポジデータが作成され、再度、画像メモリ14に記憶される(#271)。そして、この輝度ポジデータは、所定のタイミングで画像メモリ14から読み出され、D/A変換回路16でアナログデータに変換された後、プリンタ部17に出力され(#273)、当該プリンタ部17で黒(K)の色成分の画像が記録紙Pにプリントアウトされ(#275)、これによりフィルム画像の記録紙Pへのプリントアウトを完了する。
【0192】
なお、第3実施形態に係るフィルム画像プリント装置1″は、第1実施形態に係るフィルム画像プリント装置1に画素ずらし法による高精細化機能を付加したものであるが、第2実施形態に係るフィルム画像プリント装置1′に画素ずらし法による高精細化機能を付加することも可能である。
【0193】
フィルム画像プリント装置1′に画素ずらし法による高精細化機能を付加したフィルム画像プリント装置(以下、第4実施形態に係るフィルム画像プリント装置という。)のブロック構成は、図8において、撮影レンズ8とCCD9との間に画素ずらし光学系22を設けるとともに、この画素ずらし光学系22を駆動する駆動部23を設け、画像処理部13内に画像合成部133を設けたものとなる。
【0194】
第4実施形態に係るフィルム画像プリント装置におけるフィルム画像の記録紙へのプリント処理は第3実施形態に係るフィルム画像プリント装置と同一であるが、フィルム画像を読み取って得られる画像データのPC30への転送処理は、例えば図19〜図21に示すフローチャートに従って行われる。
【0195】
図19に示すフローチャートは、マゼンタの色で照明してフィルム画像を読み取る際、画素ずらし法を適用して被写体光像に対してCCD9の撮像位置をずらせて2回撮像し、両撮像画像から得られる2個の緑色のポジデータ(G1,G2ポジデータ)をPC30に転送するようにしたもので、図9のフローチャートにおいて、ステップ#173とステップ#175との間にステップ#174−1〜#174−5の処理(2回目のフィルム画像の読取り及び画像データのPC30への転送処理)を挿入したものである。
【0196】
また、図20に示すフローチャートは、白色で照明してフィルム画像を読み取る際、画素ずらし法を適用して被写体光像に対してCCD9の撮像位置をずらせて2回撮像し、両撮像画像から得られる2個の輝度データ(第1,第2輝度データ)をPC30に転送するようにしたもので、図10のフローチャートにおいて、ステップ#195とステップ#197との間にステップ#196−1〜#196−5の処理(2回目のフィルム画像の読取り及び画像データのPCへの転送処理)を挿入したものである。
【0197】
また、図21に示すフローチャートは、緑の色で照明してフィルム画像を読み取る際、画素ずらし法を適用して被写体光像に対してCCD9の撮像位置をずらせて2回撮像し、両撮像画像から得られる2個の緑色のポジデータ(G1,G2ポジデータ)をPC30に転送するようにしたもので、図11のフローチャートにおいて、ステップ#229とステップ#231との間にステップ#230−1〜#230−5の処理(2回目のフィルム画像の読取り及び画像データのPC30への出力処理)を挿入したものである。
【0198】
図19〜図21のフローチャートにおいて、追加挿入した処理は画素ずらし光学系22を第1の位置から第2の位置に切り換えてその処理の前の照明色について行われたフィルム画像の読取り及び画像データのPC30への出力処理(画素ずらし法における1回目の処理)と同一の処理を行なうものであり、画素ずらし光学系22の切換えやフィルム画像の読取り及びPC30への画像データの出力処理は上述したものと同一であるから、図19〜図21のフローチャートについての詳細説明は省略する。
【0199】
なお、これらのフローチャートでは、画像データのPC30への出力速度の高速化を考慮して画像処理部13で高精細化した画像データを作成することなくPC30に2個の画像データを出力するようにしているが、高精細化した画像データをPC30に出力するようにしてもよい。また、上述の図19〜図21のフローチャートでは、輝度データに相当する色成分についてのみ画素ずらし法を適用するようにしているが、全ての色成分について画素ずらし法を適用するようにしてもよい。
【0200】
上記のように第3実施形態及び第4実施形態に係るフィルム画像読取装置では、少なくとも輝度データに相当するデータに対して画素ずらし法により2枚の画像データを読み取り、プリンタ部17に出力するときは、両画像データから画素密度を高めた画像データを作成し、この画像データを用いて記録紙にプリントアウトし、PC30に出力するときは、両画像データをそれぞれ出力してPC側で高精細化できるようにしたので、解像度の高いフィルム画像の記録画像若しくは再生画像を得ることができる。
【0201】
なお、上述した実施形態では自動的に画素ずらし法を適用するようにしているが、第3実施形態及び第4実施形態に係るフィルム画像読取装置に高精細画像読取モードを設け、操作部19から高精細画像読取モードが設定されているときにのみ画素ずらし法を適用してフィルム画像を読み取るようにしてもよい。このようにすれば、ユーザのニーズに合った画質を自由に選択でき、使い勝手がより向上する。
【0202】
また、上記実施の形態では、撮像素子としてエリアセンサを用いているが、ラインセンサを用いてフィルム画像を読み取るようにしてもよい。ラインセンサを用いた場合は、エリアセンサに比べてフィルム画像の読取速度は低下するが、画素ずらし法を適用することなく高解像度の画像データを取り込むことができる利点がある。
【0203】
また、上記実施の形態では、フィルムのように画像が形成されたシート部材に照明光を透過させて当該画像の光像が形成されるタイプについて説明したが、本発明はこのタイプに限定されるものではなく、画像が形成されたシート部材に照明光を反射させて当該画像の光像が形成されるタイプ(例えば原稿画像など)についても適用することができる。
【0204】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画像が記録されたシート部材に複数の色の照明光を順次、照射して当該画像の光像を作成し、その光像を撮像手段で順次、画像信号に光電変換して取り込み、それらの色の画像信号に基づいて上記画像を記録紙に形成する画像形成装置であって、少なくとも第1の三原色とこれと補色関係にある第2の三原色とからなる6種類の色が発光可能な照明手段と、撮像手段で取り込まれた画像信号の明暗及び色彩を反転する信号反転手段とを設け、フィルムのネガ/ポジの種類に基づいて照明手段の発光色を設定するとともに、出力される画像信号が像形成手段で取扱可能な色成分の画像信号となるように信号反転手段の反転処理動作を制御するようにしたので、色再現性の高いフィルム画像のプリント画像を得ることができる。
【0205】
特に三原色の色成分の画像に加えて白色照明により輝度成分の画像を取り込み、この輝度成分の画像信号に基づいてカラー画像の黒色成分を印字するようにしているので、プリント画像の色再現性がより向上する。
【0206】
また、照明手段を、赤、緑、青の単色光を発光する3種類の光源とこれらの光源の発光を制御する発光制御手段とで構成したので、照明手段の構造が簡単かつ小型になる。
【0207】
また、新写真システムに適用されるフィルムの場合、フィルムカートリッジに記録されたフィルム情報を読み取り、その情報内容に基づいてフィルムの陰陽の種類を自動設定するようにしたので、フィルムの種類のマニュアル設定操作が不要になり、操作性が向上する。
【0208】
また、各色成分の画像信号を撮像手段で取り込まれる毎に、像形成手段に順次、出力するようにしたので、全色成分の画像信号を一括して出力する場合に比して画像信号のメモリ容量を低減することができ、コスト低減に寄与する。
【0209】
また、第2の三原色で画像処理を行う画像処理装置を外部接続可能にし、フィルムのネガ/ポジの種類と画像信号の出力先とに基づいて照明手段の発光色と信号反転手段の反転処理動作とを制御するようにしたので、高画質の画像を読み取ることができるとともに、出力先が像形成手段のときは色再現性の高いプリント画像が得られ、出力先が画像処理装置のときは画像データの取扱いが容易となり、画質劣化の少ない画像を出力させることができる。
【0210】
また、画像処理装置が外部接続されているときは、画像信号の出力先を当該画像処理装置に自動設定するようにしたので、マニュアルでのその操作が不要になり、操作性が向上する。
【0211】
また、撮像手段の撮像面に対する被写体光像の結像位置を当該撮像手段の画素ピッチよりも小さい所定量だけ変位可能にし、少なくとも1の照明色について撮像面に対する被写体光像の結像位置を変位させて複数の画像を取り込み、その画像を合成して画素密度の高い画像を生成するようにしたので、フィルム画像を記録紙にプリントした画像や画像処理装置で画像処理した画像の高精細化が可能になる。
【0212】
また、高精細画像読取モードを設定可能にし、高精細画像読取モードが設定されたとき、撮像面に対する被写体光像の結像位置を変位させて高精細化が可能な画像データを読み取るようにしたので、ユーザのニーズに合った画質を自由に選択でき、画像読取装置の使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るフィルム画像プリント装置の第1実施形態のブロック構成図である。
【図2】 第1の実施形態に係る照明部の概略構成を示す斜視図である。
【図3】 第2の実施形態に係る照明部の概略構成を示す斜視図である。
【図4】 第3の実施形態に係る照明部の概略構成を示す斜視図である。
【図5】 第1実施形態に係るフィルム画像プリント装置のフィルム画像の読取り及び記録紙へのプリントの制御を示すフローチャートである。
【図6】 第1実施形態に係るフィルム画像プリント装置のフィルム画像の読取り及び記録紙へのプリントの制御を示すフローチャートである。
【図7】 第1実施形態に係るフィルム画像プリント装置のフィルム画像の読取り及び記録紙へのプリントの制御を示すフローチャートである。
【図8】 本発明に係るフィルム画像読取装置の第2実施形態のブロック構成図である。
【図9】 第2実施形態に係るフィルム画像プリント装置のフィルム画像の読取り及びPCへの出力制御を示すフローチャートである。
【図10】 第2実施形態に係るフィルム画像プリント装置のフィルム画像の読取り及びPCへの出力制御を示すフローチャートである。
【図11】 第2実施形態に係るフィルム画像プリント装置のフィルム画像の読取り及びPCへの出力制御を示すフローチャートである。
【図12】 本発明に係るフィルム画像読取装置の第3実施形態のブロック構成図である。
【図13】 画素ずらし法により2回の撮像動作で読み取られた画素データ群の被写体光像に対する受光位置を示す図である。
【図14】 画素ずらし法における不足する画素位置の画素データの補間方法を説明するための図である。
【図15】 画素ずらし光学系の概略構成を示す図である。
【図16】 画素ずらし光学系を第1の位置と第2の位置とに切り換えた場合の被写体に対する撮像面の相対的な位置ずれを示す図である。
【図17】 カラーネガフィルム及びカラーポジフィルムに対して白色照明のときに画素ずらし法によるフィルム画像の読取り及び記録紙へのプリントを行なわせる処理手順を示すフローチャートである。
【図18】 モノクロームネガフィルムに対して白色照明のときに画素ずらし法によるフィルム画像の読取り及び記録紙へのプリントを行なわせる処理手順を示すフローチャートである。
【図19】 図9に示すフローチャートにおいて、マゼンタの色で照明してフィルム画像を読み取る際に画素ずらし法を適用するように処理を修正したフローチャートである。
【図20】 図10に示すフローチャートにおいて、白色で照明してフィルム画像を読み取る際に画素ずらし法を適用するように処理を修正したフローチャートである。
【図21】 図11に示すフローチャートにおいて、緑の色で照明してフィルム画像を読み取る際に画素ずらし法を適用するように処理を修正したフローチャートである。
【符号の説明】
1,1′,1″ フィルム画像プリント装置(画像形成装置)
2 フィルム給送部
3,3′,3″ 照明部(照明手段)
301,301′,301″ 光源
302 フィルタ部材(カラーフィルタ)
303 駆動部材
304 位置検出部材
305 拡散板
306 導光板
4 フィルムカートリッジ
5 フィルム(シート部材)
6 フィルム情報読取部
7 磁気情報読取部
8 撮影レンズ
9 撮像素子(撮像手段)
10 アナログプロセス回路
11 A/D変換回路
12 タイミングジェネレータ
13 画像処理部
131 ネガ/ポジ反転処理部(信号反転手段)
132 画像圧縮部
133 画像合成部(画像合成手段)
14 画像メモリ
15 メモリコントローラ
16 D/A変換回路
17 プリント部(像形成手段)
171 ヘッド駆動部
172 記録紙給送部
173 インクリボン給送部
174 プリンタヘッド
18 制御部(設定手段,制御手段,発光制御手段,出力先設定手段,撮像制御手段)
181 フィルム情報判別部
19 操作部(出力先設定手段,モード設定手段)
20 コネクタ(接続手段)
21 出力I/O
22 画素ずらし光学系(像変位手段,光学手段)
23 駆動部(像変位制御手段)
30 パーソナルコンピュータ(画像処理装置)
Claims (15)
- 画像が記録されたシート部材に複数の色の照明光を順次、照射して当該画像の光像を作成し、その光像を撮像手段で順次、画像信号に光電変換して取り込み、それらの色の画像信号に基づいて上記画像を記録紙に形成する画像形成装置であって、第1の三原色で上記画像を記録紙に形成する画像形成手段と、少なくとも第1の三原色とこれと補色関係にある第2の三原色とからなる6種類の色が発光可能な照明手段と、上記シート部材に記録された画像の陰陽の種類を設定する設定手段と、上記撮像手段で取り込まれた画像信号を上記画像形成手段で取扱可能な信号にするべく当該画像信号の明暗及び色彩を反転する信号反転手段と、上記設定手段で設定された画像の種類に基づいて上記照明光の発光色と上記信号反転手段の反転処理動作とを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 上記第1の三原色は減色法における三原色のシアン、マゼンタ、イエローであり、上記第2の三原色は加色法における三原色の赤、青、緑であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 上記照明手段は、赤、緑、青の単色光を発光する3種類の光源とこれらの光源の発光を制御する発光制御手段とからなり、上記単色光を単独で発光し、若しくは2色以上を同時に発光して上記6種類の色を発光するものであることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
- 上記シート部材は、新写真システムに適用されるフィルムからなり、上記設定手段は、上記シート部材が収納されるフィルムカートリッジに記録された当該シート部材の種類に関する情報を読み取り、その情報内容に基づいて画像の陰陽の種類を自動設定するものであることを特徴とする請求項1載の画像形成装置。
- 各色成分の画像信号は、上記撮像手段で取り込まれる毎に、上記画像形成手段に順次、出力されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 上記制御手段は、上記シート部材の画像がカラーネガ画像のとき、当該カラーネガ画像を第2の三原色の単色光で照明し、上記撮像手段で取り込まれた第2の三原色の色成分からなるネガ画像信号を上記信号反転手段で第1の三原色の色成分からなるポジ画像信号に反転して上記画像形成手段に出力することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 請求項6記載の画像形成装置において、上記照明手段は、更に白色の照明光を発光可能になされ、上記制御手段は、当該カラーネガ画像を第2の三原色の単色光と白色光とで順次、照明し、上記撮像手段で取り込まれた第2の三原色の色成分と輝度成分とからなるネガ画像信号を上記信号反転手段でポジ画像信号に反転して上記画像形成手段に出力することを特徴とする画像形成装置。
- 上記制御手段は、上記シート部材の画像がカラーポジ画像のとき、当該カラーポジ画像を第1の三原色の単色光で照明し、上記撮像手段で取り込まれた第1の三原色の色成分からなるポジ画像信号を上記信号反転手段で反転処理することなく上記画像形成手段に出力することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 請求項8記載の画像形成装置において、上記照明手段は、更に白色の照明光を発光可能になされ、上記制御手段は、当該カラーポジ画像を第1の三原色の単色光と白色光とで順次、照明し、上記撮像手段で取り込まれた第1の三原色の色成分と輝度成分とからなるポジ画像信号を上記信号反転手段で反転処理することなく上記画像形成手段に出力することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1又は2記載の画像形成装置において、第2の三原色で画像処理を行う画像処理装置が外部接続可能な接続手段と、画像信号の上記画像形成手段への出力と上記画像処理装置への出力とを切換設定する出力先設定手段とを更に備え、上記制御手段は、上記設定手段で設定された画像の種類と上記出力先設定手段で設定された出力先とに基づいて上記照明光の発光色と上記信号反転手段の反転処理動作とを制御するものであることを特徴とする画像形成装置。
- 上記出力先設定手段は、上記接続手段の接続状態を検出し、上記画像処理装置が外部接続されているとき、画像信号の出力先を当該画像処理装置に自動設定するものであることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
- 上記制御手段は、上記シート部材の画像がカラーネガ画像で、画像信号の出力先が画像処理装置に設定されているとき、カラーネガ画像を第1の三原色の単色光で照明し、上記撮像手段で取り込まれた第1の三原色の色成分からなるネガ画像信号を上記信号反転手段で第2の三原色の色成分からなるポジ画像信号に反転して上記画像処理装置に出力することを特徴とする請求項10又は11記載の画像形成装置。
- 請求項12記載の画像形成装置において、上記照明手段は、更に白色の照明光を発光可能になされ、上記制御手段は、カラーネガ画像を第1の三原色の単色光と白色光とで順次、照明し、上記撮像手段で取り込まれた第1の三原色の色成分と輝度成分とからなるネガ画像信号を上記信号反転手段でポジ画像信号に反転して上記画像処理装置に出力することを特徴とする画像形成装置。
- 上記制御手段は、上記シート部材の画像がカラーポジ画像で、画像信号の出力先が画像処理装置に設定されているとき、カラー画像を第2の三原色の単色光で照明し、上記撮像手段で取り込まれた第2の三原色の色成分からなるポジ画像信号を上記信号反転手段で反転処理することなく上記画像処理装置に出力することを特徴とする請求項10又は11記載の画像形成装置。
- 請求項14記載の画像形成装置において、上記照明手段は、更に白色の照明光を発光可能になされ、上記制御手段は、カラーポジ画像を第2の三原色の単色光と白色光とで順次、照明し、上記撮像手段で取り込まれた第2の三原色の色成分と輝度成分とからなるポジ画像信号を上記信号反転手段で反転処理することなく上記画像形成手段に出力することを特徴とする画像形成装置。
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