JP3749577B2 - 耐紫外線性物品の押出方法と該方法で作った物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、押出方法および該方法でつくった製品に関する。別の態様では、本発明は、押出工程中に耐紫外線性物質を物品中に包含させる押出方法および該方法でつくった耐紫外線性製品に関する。さらに別の態様では、本発明は、押出工程中、押出物品が押出ダイを出るときに、物品が冷却、固結しないうちに、耐紫外線性物質を該物品に接触させることによって耐紫外線性物質を物品中に包含させる押出方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
押出法は化学プロセスの分野では周知である。該方法では、押出機を用い、多量のプラスチック原料を押出して成形品とする。押出機は、通常、一端にペレットホッパーを有し、押出機の長さ方向に延びる加熱中空チャンバーを備え、かつ他端に所望の断面形状の押出ダイを有する細長い機械である。
【0003】
操作する場合には、プラスチックのペレットをホッパーに入れて押出機のバレル内に重力供給すると、ペレットは二軸スクリューのような機構によって、押出機のバレル内を推進される。押出機の操作温度は、プラスチックが押出ダイの断面形状に形成された押出機のダイを出るように、プラスチックのペレットを溶融させるだけの温度である。つぎに、この高温の押出物を、通常空冷または液浴により冷却して、最終の固形物とする。
【0004】
有機ポリマー物質の殆どすべては紫外線の高エネルギーフォトンに曝されると、ある様相の分解を生じ、該分解はポリマーの種類ならびに曝露の度合いおよび時間によって異なることがあり、黄変、変色、脆化、および他の物理的性質の低下などがある。たとえば、ポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、およびポリエステル類は、長時間にわたり紫外線に曝されるとポリマー鎖が破断してポリマーの劣化が始まり、亀裂またはひび割れおよび機械的破損に至るほどの引張強さの低下を生じる。他の例として、ポリアクリルアミド類、ポリアミド類、ポリアクリレート類、およびポリカーボネート類は紫外線に曝されると、変色、暗色化、退色する傾向がある。
【0005】
紫外線による攻撃から防護するために、種々のポリマーに紫外線吸収剤を用いることは業界では周知のことである。紫外線吸収剤は、損傷を与える光線の紫外域部分を、ポリマーに比して極めてすぐれた吸収力によって除去する能力があるので機能を果たす。
【0006】
従来技術では、紫外線に対してポリマーを安定化させるために耐紫外線性物質を利用する多くの方法が公知である。該方法には、加工前に紫外線吸収剤をポリマーに混合する方法、加工ポリマーの表面に適用される表面ラミネートまたはコーティング材に吸収剤を包含させる方法、およびポリマー表面に吸収剤を含浸させる方法などがある。
【0007】
たとえば、押出法の場合には、紫外線安定剤を含有させたポリマーペレットを用いるか、または紫外線安定剤をペレットホッパーに加えることが公知である。別の方法は、紫外線安定剤の上層とプラスチックの下層とを同時押出して、1枚のシートにすることである。さらに別の方法には、成形物品を安定剤を含む溶剤と接触させ、つぎに溶剤を蒸発させて物品上に安定剤を残すポスト押出加工法がある。
【0008】
従来技術で公知の表面含浸法には、(i)攻撃的溶剤を用いてポリマー表面を膨潤または軟化させ、それにより軟化したポリマー表面に吸収剤を拡散させる方法;(ii)溶融ポリマー表面に溶融吸収剤を拡散させるために、吸収剤およびポリマー表面を溶融させる方法;および(iii)ポリマー表面と高温に保った吸収剤の比較的貧溶剤との間に吸収剤を分配させることにより、溶剤よりもポリマーに溶けやすい吸収剤をポリマー表面に拡散させる方法などがある。
【0009】
これら各方法はポリマー系にすぐれた耐紫外線性を付与するために用いることができるけれども、該法にはいずれもいくらかの欠点がある。吸収剤を多量のポリマーと混合することは、結果として吸収剤をポリマー系全体にわたり分布させることになる。この方法は、通常、吸収剤がかなり高価であるので不経済であるだけでなく、完全にはうまく行かない。吸収剤の大部分は、もっとも必要なポリマー表面ではなくて内部に存在するので、多量の有害な紫外線は、内部に分布する大部分の吸収剤に到達する以前にポリマー構造の表面に浸透して劣化させる。さらに、吸収剤とポリマーとの相溶性の程度によって樹脂中の吸収剤の濃度が限定されるので、表面を防護するのに有効な十分に高濃度の吸収剤を使用すると、概してポリマーの物理的性質に悪影響を及ぼしやすい。表面ラミネートまたはコーティング材に吸収剤を包含させることは、余分の複雑な加工工程を必要とするので、使用し難くく、かつ経費がかかる不利を招く。さらに、ポリマー表面にコーティングまたはラミネート材を付着させる場合、またはとくに屋外曝露後に永続的に十分な付着力を維持させる場合に困難に遭遇することがある。コーティングまたはラミネート材はよく付着するときでさえも、適用するとポリマー表面に見苦しい縞を形成することが多い。この方法の他の欠点は、衝撃強さのようなポリマーの物理的性質がコーティングまたはラミネート材によって悪影響をこうむることが多いということである。
【0010】
耐紫外線性を有するポリマー物品の製造法の例には下記の諸方法がある。
【0011】
1966年10月25日にUcciに付与された米国特許第3,281,260号は、繊維を通常の紡糸操作にかけて繊維がまだゲル状の時に、紫外線安定剤を繊維に付加することを開示している。
【0012】
1967年3月14日にOsteenに付与された米国特許第3,309,220号は、物品を紫外線吸収性化合物を含有する沸騰水浴中に浸漬して物品を被覆することによる耐紫外線性ポリカーボネート物品の製造法を開示している。
【0013】
1976年12月28日にPondらに付与された米国特許第4,000,148号は多発色団の(polchromophoric)複素環式紫外線安定剤および有機組成物中におけるその利用を開示している。このUV安定剤は、溶融混合によって有機組成物に添加したり、適当な物体に成形する前に有機プラスチック物質の表面に添加したり、成形物体の表面に塗布するコーティングに適用するものとして開示されている。
【0014】
1977年9月13日にCarlssonらに付与された米国特許第4,048,367号は物品の成形中か、または成形した物品に耐紫外線性層をもたらす物品の形成法を開示している。この層は、基質を形成する不安定化もしくは部分安定化コアの表面に薄くて十分に安定化させたポリマー層を複合押出するか、または押出中に好ましくは安定剤が表面に移行するように熔融性と安定剤の移動度とを調節することによって加工中に形成させることができる。この耐UV性層は、たとえば昇華によって物品表面に分子接触する極めて薄い連続層として安定剤を堆積させるか、または付加が物品の表面層に限定されるように、安定剤を溶液から予備成形物品中に拡散させることによって成形物品に加えることができる。
【0015】
1978年6月20日にStrobelに付与された米国特許第4,096,242号は液状紫外線安定剤を、微粒状もしくは粉末状乾燥ポリマーに吹き付けるかまたはポリマーの低分子量アルコールもしくは他の分散剤懸濁液に安定剤を加えることができることを開示している。
【0016】
1979年3月27日にHumphreyに付与された米国特許第4,146,658号は物品をアクリレート、ヒドロキシエーテルおよびUV吸収剤を含む組成物と接触させることによる紫外線安定化ポリカーボネート物品の製造法を開示している。
【0017】
1982年3月30日にOlsonらに付与された米国特許第4,322,455号はポリカーボネート物品を加熱し、かつ紫外線吸収剤を搬送する非攻撃性液体キャリヤーを適用することによるポリカーボネート物品の表面領域に紫外線吸収剤を含浸させる方法を開示している。
【0018】
1982年4月6日にOlsonに付与された米国特許第4,323,597号は、まず物品表面に紫外線吸収剤およびキャリヤーを接触させ、つぎに物品を加熱して該吸収剤を表面に拡散させることによる物品表面層に紫外線吸収剤を含浸させる方法を開示している。
【0019】
1985年8月13日にPylesに付与された米国特許第4,535,104号は溶剤に溶解した紫外線安定剤を表面に含浸させる紫外線安定化コポリエステルカーボネートを開示している。
【0020】
1987年1月13日にAnthonyらに付与された米国特許第4,636,408号は非攻撃性液体キャリヤー中における紫外線吸収剤およびヒンダードアミン光安定剤のポリマー物品との接触を開示している。
【0021】
1988年3月1日にGasmanに付与された米国特許第4,728,540号は紫外線吸収剤を可溶化させて、すでに形成されたビニルプラスチック物品中に該吸収剤を搬送するビニル可塑剤の利用を開示している。
【0022】
1988年9月12日にSilbermannらに付与された米国特許第4,770,905号は紫外線吸収剤を含有する溶剤中に物品を浸漬することによるポリマー物品に該吸収剤を包含させる方法を開示している。
【0023】
1988年10月11日にGoossensらに付与された米国特許第4,776,913号は紫外線吸収剤含有接着剤層を有する保護マスキング層を適用することによるポリカーボネート物品表面に紫外線吸収剤を含浸させる方法を開示している。
【0024】
1988年12月20日にLee,Jr.に付与された米国特許第4,792,492号は2種の溶剤と紫外線吸収剤との混合物を物品と接触させることによるプラスチック物品中に紫外線吸収剤を包含させる方法を開示している。
【0025】
1989年8月29日にGoossensらに付与された米国特許第4,861,664号は紫外線吸収剤含有溶液で物品表面を含浸させることによる紫外線分解抵抗性を有するプラスチック物品製造法を開示している。
【0026】
1990年6月26日にGoossensらに付与された米国特許第4,937,026号はキャリヤー溶液および紫外線吸収剤の組成物を、高温のポリカーボネートシートの表面に含浸させる方法を開示している。
【0027】
1985年8月21日公告のEP 0151961は、非攻撃性液体キャリヤー中の紫外線吸収剤およびヒンダードアミン光安定剤の安定剤組成物を開示している。
【0028】
1989年7月5日公告のEP 0322557は、溶剤に溶解した紫外線吸収性芳香族有機化合物を含む物品の表面含浸用紫外線吸収剤溶液を開示している。
【0029】
1989年11月23日公告のEP 0342896は、水溶液中にミセル状の紫外線吸収剤を有する組成物で物品の表面を含浸させる組成物を開示している。
【0030】
原則的には、紫外線吸収剤は必要とするポリマーの表面領域にのみ含まれるので、表面含浸法がもっとも望ましいけれども、実際問題として従来技術の表面含浸法はすべて多少の欠点がある。吸収剤をポリマー表面に拡散させるためにポリマーおよび吸収剤を溶融させることは、ポリマーまたはすくなくともその表面領域を融点まで加熱しなければならないという欠点がある。これによって、ポリマーを冷却、固化すると、でこぼこか、またはしわが寄ったポリマー表面が生じるかもしれない。さらに、ポリマーの物理的性質がポリマーのこの溶融によって悪影響をうける場合もある。攻撃的溶剤法の場合には、紫外線吸収性化合物をポリカーボネートのようなポリマーに対して攻撃的な溶剤に溶解する。ポリカーボネートに対する典型的な攻撃的溶剤には塩素化炭化水素、エステルまたは芳香族炭化水素がある。該溶液をポリカーボネート物品の表面に適用すると、攻撃的溶剤はポリマー表面の軟化剤または膨潤剤として働いて、軟化または膨潤したポリマー表面領域に吸収剤を拡散させる。しかし、これら溶剤の攻撃性には問題がある。ポリマーと攻撃的溶剤との塗布および長時間の接触の間に表面欠陥が生じ、ポリマーの腐食、曇り、およびひび割れをもたらすことがある。安定化溶液よりもポリマーに可溶の紫外線吸収性化合物を含有する紫外線安定剤溶液の使用は、使用可能な紫外線吸収性化合物の数及び種類をかなり明白に限定する。その上、大量の安定剤溶液を使用しなければならない。これには、多量の紫外線吸収剤の使用が必要であり、かなり経費のかかる提案となる。
【0031】
このように、業界にはポリマー、とくにポリカーボネート物品を紫外線による分解から防護する経済的で効果的な方法に対する要望がある。
【0032】
業界には耐紫外線性ポリカーボネート物品に対する別の要望がある。
【0033】
前記および他の業界の要望はこの明細書を見れば当業者には明らかになろう。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は押出方法を提供することにある。
【0035】
本発明の他の目的は耐紫外線性物品を提供することにある。
【0036】
本発明のさらに他の目的はポリマー、とくにポリカーボネート物品を紫外線による分解から防護する経済的で効果的な方法を提供することにある。
【0037】
本発明の前記および他の目的は、この明細書を見れば当業者には明らかになろう。
【0038】
本発明の1つの態様によれば、耐紫外線性物品の押出方法が提供される。該方法によれば、ポリマーペレットを押出機に供給し、融点より高温に加熱し、所望の断面形状の押出ダイから押出して同じ断面形状の押出物を形成させる。押出物を、軟化点よりも低温に冷えないうちに耐紫外線性物質と接触させる。つぎに、接触させた押出物をさらに冷却して、表面に耐紫外線性物質を包含させた物品を形成させる。
【0039】
本発明の他の態様によれば、前記の耐紫外線性物品が提供される。
【0040】
広範な態様では、本発明は、軟化点よりも高温に加熱したプラスチックに耐紫外線性物質すなわち紫外線吸収性物質を含有させることに関する。押出、引抜、および成形法を含む適当な方法または装置によってプラスチックを軟化点よりも高温に加熱しうることは理解されよう。
【0041】
より明確には、本発明は、押出プラスチック物品に耐紫外線性物質すなわち紫外線吸収性物質を含有させること、および紫外線曝露に抵抗性がある押出プラスチック物品に関する。
【0042】
本発明の方法を実施する場合には、通常ペレット状のプラスチックを押出機の押出バレルに導入する。多くの場合、ペレットはホッパーから押出機に重力供給する。ペレットは一旦押出機に入ると、熱と圧縮を受け、通常、一軸または二軸スクリュ−機構によって押出バレルの全長を下流に押進められる。
【0043】
本発明に使用するのに適当な押出機の温度は、用いるポリマーの種類によって異なるが、通常はポリマーの融点よりも高温、ただし顕著な分解が起こる温度よりは低い。たとえば、ポリカーボネートポリマーの場合には、押出機は通常約220℃から約370℃の範囲の温度で操作する。
【0044】
つぎに、本発明を実施する場合に、加熱圧縮されたポリマーを、さらに所望の断面形状を有する押出ダイを経て押出機から押出す。
【0045】
押出ダイを出ると、押出物を耐紫外線性物質と接触させる。本発明の実施においては、押出物が軟化点よりも高温にある間に押出物を耐紫外線性物質と接触させる。
【0046】
押出機そのものは押出技術にたけた人にとっては周知のことであり、本発明の実施に適当な押出機を使用することができる。一般的な説明をすると、押出機は一般に、一端に供給機構、通常は重力供給ホッパー、ポリマーペレットを給送して溶融し、圧縮する長方形のバレルチャンバー、さらに他端に所望の断面形状を有する押出ダイを備えている。押出機本体内の高温のオイル循環、水蒸気の使用、または電熱素子系によって押出機に熱を与えることができる。使用可能な押出機の種類の例には一軸および二軸スクリュー押出機がある。
【0047】
本発明を実施する場合には、紫外線安定剤を、純粋な形の、すなわちキャリヤーまたは溶剤を使用しないポリマー押出物と接触させる。いうまでもなく、場合によっては、キャリヤーまたは溶剤を使用することができるが、紫外線安定化物品をつくるのには必ずしも必要ではない。
【0048】
本発明に使用可能な紫外線安定剤はいくつかの基準に合格しなければならない。該吸収剤は、防護する特定ポリマーにとってもっとも有害な波長範囲の光線に、すぐれた固有の吸収力をもたなければならない。該吸収剤はポリマーと相溶しなければならず、また性質の低下や色調の増大によりポリマーを実質的に劣化させてはならない。該吸収剤はスペクトルの可視領域の光線を著しく吸収してはならず、さもないと添加したポリマーを着色させる。
【0049】
本発明は紫外線の中の任意の波長を除去するために用いることができる。本発明の紫外線安定剤によって除去される一般的な波長は約400Aから約4000Aの範囲にある。
【0050】
本発明に用いるのに適する紫外線安定剤すなわち吸収剤に属する非限定例には、損傷を与える紫外線を、すぐれた吸収力によって除去すなわち吸収する能力があるために機能を果たす任意の公知の化合物がある。該化合物には、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、安息香酸エステル類、サリチル酸フェニル類、クロトン酸類、マロン酸エステル類、オルガノアクリレート類、ヒンダードアミン類、ヒンダードフェノール類、トリアジン類、前記の誘導体、およびこれらの混合物がある。本発明に使用するのに適する安定剤の例には、米国特許第4,937,026号、米国特許第4,770,905号、米国特許第4,636,408号、米国特許第4,323,597号、および同第4,096,242号に開示された安定剤があり、これらはすべて本明細書に参考資料として収録してある。
【0051】
押出物に適用される紫外線安定剤の量は、所望の防護の度合い、使用するポリマーの種類、予想される紫外線照射強度、予想される紫外線照射時間によって異なる。
【0052】
本発明に用いられる紫外線安定剤は、液体または固体を含み、ただしこれに限定されない任意の形態の押出物に適用することができる。
【0053】
本発明を実施する際に、紫外線安定剤は適当な方法を用いて押出物に適用することができる。適切な紫外線安定剤適用方法の非限定例には、押出物を安定剤の液浴に浸漬する方法、押出物に液状安定剤を吹き付ける方法、ロールコーターを用いて液状押出物に適用する方法、押出物に粉末安定剤を振りかける方法、または押出物を粉末もしくは粒状の安定剤と接触させる方法がある。
【0054】
本発明では、通常、紫外線に曝されると予想される押出物の部分に接触させることが必要なだけである。たとえば、片面のみが紫外線に曝されると予想されるポリカーボネートシートをつくる場合には該面を安定剤に接触させることが必要なだけである。
【0055】
本発明における押出物と紫外線安定剤との接触時間は最終押出物が所望の紫外線防護度を得るのに必要な時間である。接触時間は約0.1秒から約3時間の範囲にあるのが都合がよい。接触時間は約0.1秒から約1時間の範囲にあるのが好ましく、約1秒から約5秒の範囲にあるのがもっとも好ましい。
【0056】
成形物品に包含させる紫外線安定剤の量は所望の紫外線防護量によって決まる。多くの場合、紫外線安定剤の量は、物品の外層1mmの約1%から約20%の範囲にある。
【0057】
本発明は殆どすべての種類のポリマーに耐紫外線性物質を包含させる適用性を有する。一般に、該ポリマーは押出加工に適するものでなければならない。本発明によって紫外線照射に対する抵抗性を与えることができるポリマーの非限定例には、ポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル類、ポリアクリルアミド類、ポリアミド類、ポリアクリレート類、ポリカーボネート類、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン類、ポリアクリロニトリル類、およびブタヂエンスチレン類がある。
【0058】
本発明の実施において、所望の性質を付与するために、物品に他の添加剤を添加できることを理解されたい。本発明に使用できる他の添加剤の例には、粘着防止剤、殺菌剤、熱安定剤、着色剤、界面活性剤、殺虫剤、防曇剤、殺生物剤、消毒剤、殺カビ剤、増粘剤、酸化防止剤、芳香剤、潤滑剤、帯電防止剤、離型剤、遊離基、ヒンダードアミン類、ヒンダードフェノール類、および溌水剤がある。
【0059】
【実施例】
実施例1
240psiおよび90rpmで運転する1.5インチのKillian一軸スクリュー押出機を用い、約575°Fでポリカーボネートペレットを押出してストランドとした。押出機の末端にはTinuvin 571(液体ベンゾトリアゾールUV安定剤)を含有するトレーが設置されていた。
【0060】
試料Aはストランドとしてダイを離れ、安定剤の中を通ったのち、水浴で冷却した。
試料Bはダイを離れ、水浴で冷却したのち、安定剤中に浸漬した。
試料Cはダイを離れ、安定剤中に15秒間浸漬したのち、水浴で冷却した。
各試料の安定剤含有量は下記表1に示す通りである。
【0061】
【表1】
【0062】
この実施例は、本発明を押出ストランドに適用するものとして説明するけれども、本発明は特定形状の押出物に限定されるものではなく、非限定例として、シート、バーやロッドを含む任意の形状または形態の押出物が本発明によってつくることができるであろうということは理解されよう。
【0063】
,本発明の実施態様を詳細に説明したけれども、本発明の精神および範囲を逸脱せずに、種々の他の変更が明らかであり、かつ当業者が容易に行い得ることは理解されよう。したがって、ここに添付するクレームの範囲が、ここに示す実施例および説明に限定されるというよりは、むしろクレームは、本発明に関係がある当業者によって等価物とみなされるすべての特徴を含めて、本発明に属する特許可能な新規性の特徴をすべて包含するものとみなすつもりである。
Claims (24)
- (a)融点よりも高温に加熱したポリマーをダイから押出して押出物とし;つぎに
(b)その押出物がまだ軟化点よりも高温にある間に、その押出物を実質的に無溶剤の耐紫外線性物質と接触させる工程を含む耐紫外線性物品の押出方法。 - そのポリマーが、ポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル類、ポリアクリルアミド類、ポリアミド類、ポリアクリレート類、ポリカーボネート類、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン類、ポリアクリロニトリル類、およびブタジエンスチレン類よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1記載の方法。
- その耐紫外線性物質が、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、安息香酸エステル類、サリチル酸フェニル類、クロトン酸類、マロン酸エステル類、オルガノアクリレート類、ヒンダードアミン類、ヒンダードフェノール類、トリアジン類、前記の誘導体、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1記載の方法。
- その耐紫外線性物質が液体で、工程(b)におけるその押出物とその耐紫外線性物質との接触を、その耐紫外線性物質の液浴にその押出物を接触させることによって行う請求項1記載の方法。
- その耐紫外線性物質が液体で、工程(b)におけるその押出物とその耐紫外線性物質との接触を、その押出物にその耐紫外線性物質を吹き付けることによって行う請求項1記載の方法。
- その耐紫外線性物質が固体粒子を含み、工程(b)におけるその押出物とその耐紫外線性物質との接触を、その押出物にその耐紫外線性物質を付着させることによって行う請求項1記載の方法。
- 工程(b)の接触を、約0.1秒から約3時間の範囲にある接触時間の間行う請求項1記載の方法。
- そのポリマーが、ポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル類、ポリアクリルアミド類、ポリアミド類、ポリアクリレート類、ポリカーボネート類、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン類、ポリアクリロニトリル類、およびブタジエンスチレン類よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、耐紫外線性物質が、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、安息香酸エステル類、サリチル酸フェニル類、クロトン酸類、マロン酸エステル類、オルガノアクリレート類、ヒンダードアミン類、ヒンダードフェノール類、トリアジン類、前記の誘導体、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、かつ工程(b)の接触が約0.1秒から約3時間の範囲にある接触時間の間行われる請求項1記載の方法。
- その耐紫外線性物質がベンゾトリアゾールを含む請求項8記載の方法。
- その耐紫外線性物質が液体で、工程(b)におけるその押出物とその耐紫外線性物質との接触を、その耐紫外線性物質の液浴にその押出物を接触させることによって行う請求項8記載の方法。
- その耐紫外線性物質が液体で、工程(b)におけるその押出物とその耐紫外線性物質との接触を、その押出物にその耐紫外線性物質を吹き付けることによって行う請求項9記載の方法。
- その耐紫外線性物質が固体粒子を含み、工程(b)におけるその押出物とその耐紫外線性物質との接触を、その押出物にその耐紫外線性物質を付着させることによって行う請求項9記載の方法。
- (a)ポリマーを融点よりも高温に加熱して加熱ポリマーとし;さらに
(b)その加熱ポリマーがまだ軟化点よりも高温にある間に、その加熱ポリマーを実質的に無溶剤の耐紫外線性物質と接触させる工程を含む耐紫外線性物品の製造方法。 - そのポリマーが、ポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル類、ポリアクリルアミド類、ポリアミド類、ポリアクリレート類、ポリカーボネート類、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン類、ポリアクリロニトリル類、およびブタジエンスチレン類よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項13記載の方法。
- その耐紫外線性物質が、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、安息香酸エステル類、サリチル酸フェニル類、クロトン酸類、マロン酸エステル類、オルガノアクリレート類、ヒンダードアミン類、ヒンダードフェノール類、トリアジン類、前記の誘導体、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項13記載の方法。
- その耐紫外線性物質が液体で、工程(b)におけるその押出物とその耐紫外線性物質との接触を、その耐紫外線性物質の液浴にその押出物を接触させることによって行う請求項13記載の方法。
- その耐紫外線性物質が液体で、工程(b)におけるその加熱ポリマーとその耐紫外線性物質との接触を、その加熱ポリマーにその耐紫外線性物質を吹き付けることによって行う請求項13記載の方法。
- その耐紫外線性物質が固体粒子を含み、工程(b)におけるその加熱ポリマーとその耐紫外線性物質との接触を、その押出物にその耐紫外線性物質を付着させることによって行う請求項13記載の方法。
- 工程(b)の接触を、約0.1秒から約3時間の範囲にある接触時間の間行う請求項13記載の方法。
- そのポリマーが、ポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル類、ポリアクリルアミド類、ポリアミド類、ポリアクリレート類、ポリカーボネート類、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン類、ポリアクリロニトリル類、およびブタジエンスチレン類よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、その耐紫外線性物質が、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、安息香酸エステル類、サリチル酸フェニル類、クロトン酸類、マロン酸エステル類、オルガノアクリレート類、ヒンダードアミン類、ヒンダードフェノール類、トリアジン類、前記の誘導体、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、かつ工程(b)の接触が約0.1秒から約3時間の範囲にある接触時間の間行われる請求項13記載の方法。
- その耐紫外線性物質がベンゾトリアゾールを含む請求項20記載の方法。
- その耐紫外線性物質が液体で、工程(b)におけるその押出物とその耐紫外線性物質との接触を、その耐紫外線性物質の液浴にその押出物を接触させることによって行う請求項21記載の方法。
- その耐紫外線性物質が液体で、工程(b)におけるその押出物とその耐紫外線性物質との接触を、その押出物にその耐紫外線性物質を吹き付けることによって行う請求項21記載の方法。
- その耐紫外線性物質が固体粒子を含み、工程(b)におけるその押出物とその耐紫外線性物質との接触を、その押出物にその耐紫外線性物質を付着させることによって行う請求項21記載の方法。
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