JP3749415B2 - 大型建造物の直下における地盤の改良工法 - Google Patents

大型建造物の直下における地盤の改良工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薬液を注入し、浸透・固化させて地盤を改良する処理工法に係り、殊に既存の大型建造物の直下における地盤の改良工法に係る。
【0002】
【従来の技術】
既存建造物の直下における地盤を改良することにより該建造物の安全性を高める場合に、対象建造物が小型であれば該建造物の周囲から垂直及び斜めボーリングを行い、形成された削孔内に薬液注入管を挿入し、地盤中に注入して薬液を浸透・固化させることにより施工が可能である。しかしながら、対象建造物が大型の場合には傾斜注入工法を以て建造物の中心部直下に至るまで薬液を浸透させることが不可能であり、従って大型建造物の周辺部に関しては垂直及び傾斜注入工法を利用し、一方該建造物直下の地盤を改良するためには、先ず建造物の周囲近傍に立坑を構築し、該立坑の側壁から水平ボーリングを行い、次いで形成された削孔内に薬液注入管を挿入して薬液を地盤中に注入する開削工法が実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題乃至発明の目的】
立坑の側壁から薬液の水平注入を行う従来の開削工法は建造物の周囲に幾つかの大きな立坑を構築する必要性があり、従って該立坑の構築コストが多大になる点並びに通常のボーリング機により薬液注入管配設用の削孔するために直線的な施工以外は不可能であり、従って改良対象地盤域において予定している削孔の軸線上に障害物が存在する場合には所期の地盤改良ができない点に課題がある。更に、通常の水平ボーリング機による削孔距離は形成される孔腔の精度の面から約50m が限界である。
【0004】
従って、本発明の主たる目的は、大型建造物の直下における地盤の改良工法であって、深い立坑の構築を必要とせず、従ってコストの廉価な工法を提供することにある。
【0005】
本発明の付随的な、但し重要な目的は、改良対象地盤域において企図している削孔の軸線上に障害物が存在する場合にも該障害物を回避しながら削孔が可能であり、従って形成される削孔の向きに相当程度の自由度が存在し且つ効率の良好な削孔ピッチを設定し得る、地盤の改良工法を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は削孔距離を従来よりも大幅に延長し得る、地盤の改良工法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決し目的を達成する手段】
本発明によれば、既述の課題は、先端にドリルヘッドを有する可撓性の連結用ロッドを備えた非開削式ボーリング機を用いて大型建造物の近傍から且つ該構造物に向かって斜め下方に削孔を開始し、上記ドリルヘッドの先端が所定の深さに達した時点でその推進の向きを水平に転じて削孔を継続し、次いで上記ドリルヘッドの推進の向きを斜め上方に転じて地表に至るまで削孔することによりパイロット孔を形成し、上記ボーリング機の上記ドリルヘッドをバックリーマーに換装し、一方パッカーが装着され、可撓性を有し且つ改良対象地盤域に該当する長さ部位に多数の細孔が穿たれている薬液注入管を可撓性を有する外管内に挿入し、該外管及び上記薬液注入管の少なくとも一方の遊端と上記バックリーマーとを接続し、該バックリーマーから滑剤をパイロット孔の内部側壁に噴射しつつ該パイロット孔の出口側から上記ボーリング機に向かって且つパイロット孔の孔径を拡径しながら上記バックリーマーにより二次削孔することにより本孔を徐々に形成してゆくと共に上記の薬液注入管収容外管を該本孔内に引き込み、上記ボーリング機本体に向かってパイロット孔内を次第に引き戻される上記連結用ロッドを上記ボーリング機本体側で個々に回収し、上記外管の先端が上記パイロット孔の入口に達した時点においてロッドの先端から上記バックリーマーを取り脱して回収し、上記外管を引き抜いて上記のパッカー装着薬液注入管を本孔内に残置させ、次いで薬液注入管に薬液を圧入して地盤に薬液を注入浸透させ、その後に上記ボーリング機を移動させて上記のパイロット孔の削孔操作、バックリーマーによる本孔の形成操作及び薬液注入管収納外管の本孔内引き込み操作、外管引き抜き操作並びに薬液注入操作を繰り返し行うことにより改良対象地盤域全体に亘って薬液を浸透させ、該薬液を固化させることを特徴とする、大型建造物の直下における地盤の改良工法により解決されると共に、上記の目的が達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明による工法においてパイロット孔の削孔に使用される非開削式ボーリング機としては、英国ノザンプトンシャー州、コービー在の FlowMole Ltd. 及び 米国ワシントン州、サウス ケント在の UTILX Corporation から市販されているボーリング機を例示することができる。このボーリング機における可撓性ロッドの先端に取り付けられたドリルヘッドは回転しながら推進する場合には直線的に削孔し、回転させずに推進させる場合にはドリルヘッド先端の斜めにカットされた面で土圧を受けて向きが変化するようになされている。このドリルヘッドは発信器を内蔵しており、従ってドリルヘッドの位置は常時監視することができるので、改良対象地盤域において企図している削孔の軸線上に障害物が存在する場合においても該障害物を回避しながら削孔することが可能である。
【0009】
本発明による工法は、改良対象地盤中に場合により存在する障害物を避けながらドリルヘッドにより先ずパイロット孔を削孔し、パイロット孔の出口側においてドリルヘッドをバックリーマーに換装し、該バックリーマーを上記パイロット孔内に導くと共にパイロット孔の孔径を拡径して本孔を形成しつつ該本孔内に薬液注入管収容外管を引き込む形式のものであるために、通常の水平ボーリング機を使用する場合と比較して施工の自由度が著しく向上し、又構造物の外側ではドリルヘッド位置の検知により削孔の精度が高くなるので削孔距離を従来の水平削孔ボーリング機を用いる場合の 2 倍以上に、即ち 100m 以上迄延長することが できる。
【0010】
垂直又は斜めの向きに地盤を削孔し、形成された孔腔内に薬液注入管を挿入し薬液を圧入して地盤中に浸透させ、固化させる地盤の非開削改良工法においては、削孔時に通常の水が滑剤として用いられ、又立坑を構築して該立坑の側壁から水平ボーリングにより削孔し、形成された孔腔内に薬液注入管を挿入し薬液を圧入して地盤中に浸透させ、固化させる地盤の開削改良工法においては、削孔時にベントナイト系滑材が用いられている。
【0011】
しかしながら、ドリルヘッドによりパイロット孔を形成し、次いでバックリーマーによりパイロット孔を拡径して本孔を形成する、本発明工法を実施する場合に滑剤として水やベントナイト系のものを使用すると本孔の周壁に泥膜が形成され、地盤への後の薬液圧入時に該泥膜が地盤中への薬液の浸透を阻害する可能性がある。
【0012】
従って、本発明による工法を実施する場合には、本孔の削孔に際しては高吸水性ポリマー系等の滑剤が使用される。高吸水性ポリマーとしては澱粉系、セルロース系、その他の多糖類系 (例えばヒアルロン酸系) 及び蛋白質系の天然高分子ポリマー並びにポリビニルアルコール系、アクリル系、その他の付加ポリマー(例えば無水マレイン酸系ポリマー)、ポリエーテル系、縮合系ポリマー (例えばエステル系ポリマー) 等の合成高分子ポリマーがあるが、地盤中への薬液の浸透を考慮に入れると天然高分子ポリマーは吸水ゲルの圧壊強度が低いので好ましいものとは云えず、従って合成高分子ポリマーが好ましく、又使用安全性等を配慮するとアクリル酸系及び無水マレイン酸系ポリマーを使用するのが有利である。
【0013】
尚、パイロット孔の削孔時にも上記の滑剤を使用することができる。該パイロット孔の孔径は約 50mm であり、基本的には無排土形式で削孔が行われる。即ち、ドリルヘッドの推進により土砂を押し分けながら圧密式に削孔が行われるのである。滑剤を使用してパイロット孔の削孔を行う場合には若干量の滑剤含有泥水がロッドを伝わってボーリング機本体側に流れ出てくる。バックリーマーにより形成される本孔も孔径は約 100mm であるために、上記のパイロット孔と同様 に基本的には無排土形式で削孔が行われる。この本孔の形成に際しては、既述のように滑剤が使用されるので若干量の滑剤含有泥水がロッドを伝わってボーリング機本体側に、又外管を伝わってパイロット孔の出口であった部分に流れ出てくる。
【0014】
本発明による工法を実施する場合に使用され且つ適宜箇所に細孔が穿設されている薬液注入管及び該薬液注入管を収容する外管は合成樹脂製、例えば塩化ビニル樹脂製であり、これらの管は削孔の最小曲率半径 30m に追随し得る可撓性を 有しているならば施工上差し支えがない。薬液注入管上において適宜の箇所に複数個装着され該薬液注入管と共に外管内に収容されるパッカーは布製のものであることができ、このパッカーは後に外管が引き抜かれる際に取り付け位置が移動しないように薬液注入管に施される。外管は、引き抜かれて薬液注入管とパッカーとが地盤に形成された本孔内に残置されるまで該薬液注入管とパッカーとを保護し、又薬液注入管の薬液注入孔が土砂により目詰まりを生じるのを防止する役目を果たす。
【0015】
【実施例】
次に本発明による工法の実施例について図面を参照しつつ説明する。
図 1 は本発明による、大型建造物の直下における地盤の改良工法の第 1 工程であるパイロット孔削孔工程の概要を示している。該図において 10 は対象となる大型建造物であり、12 は地盤であって、122 は改良対象地盤域である。薬液 を注入し、該改良対象地盤域 122 に浸透させ、該薬液の固化により地盤を改良 し、これによって上記構造物の安全性を向上させるためには、先ず建造物 10 の近傍にパイロット孔削孔開始用の小さな立坑 14 を掘削すると共に、ボーリング機 20 に合成樹脂、例えば塩化ビニル樹脂製であり且つ可撓性のロッド 22 を取り付け、該ロッドの遊端にドリルヘッド 24 を装着し、該ドリルヘッドを先端が上記構造物の斜め下方に向くように上記立坑 14 中にセットしてパイロット孔の削孔を開始する。このパイロット孔の形成は無排土形式で行われ、上記のロッドを継ぎ足し連結しながらドリルヘッドの推進によりパイロット孔の削孔を継続する。図 1 にはドリルヘッド 24 が上記立坑 14 を経て地盤 12 中に斜めに侵入 し、建造物 10 の一端付近の下方において改良対象地盤域 122 に達し、更に斜 め下方に直進した後に該改良対象地盤域内で向きを水平に転じて直進し、斯くて上記建造物 10 の他端における直下までパイロット孔 126 を削孔した状態が示 されている。その後、ドリルヘッドは向きを斜め上方に転じながら地表 124 に 達し、これによりパイロット孔の削孔を完了する。このようにして形成されるパイロット孔の孔径は約 5cm である。
【0016】
図 2 にはドリルヘッド 24 の先端部分が示されており、このドリルヘッドは 回転しながら推進する場合に直線的に削孔し、回転を止めて推進させる場合には斜めにカットされた面 242 で土圧を受け向きが変化するようになされている。 パイロット孔 16 を形成するドリルヘッドの推進の向きは、該ドリルヘッドが内蔵している発信器からの信号をボーリング機側で作業員が受信してドリルヘッドの現在位置を常時監視し、必要に応じて修正される。尚、継ぎ足されたロッド22 はパイロット孔の最小曲率半径 30m に追随し得る可撓性を有しているのでドリルヘッド 24 の推進により形成されるパイロット孔の入口から出口までの道程が上下方向及び左右方向において変化する場合にも対応することができ、従ってパイロット孔の削孔予定軸線上に障害物が存在する場合には該障害物を避けてパイロット孔を削孔するようにドリルヘッドの推進の向きを修正するように作業員は操作することができる。更に、パイロット孔の削孔に際してはドリルヘッドから滑剤、例えば粉末状、球状又は破砕物状の高吸水性ポリマーであるアクリル酸系又は無水マレイン酸系ポリマーを水に添加混合して調製された滑剤をドリルヘッドから噴射し、これにより削孔効率を向上させることもできる。
【0017】
上記ドリルヘッド 24 の後端に接続されている可撓性のロッド 22 の先端がパイロット孔 16 の出口から出現したならば、ドリルヘッドを取り外して回収し、これに代えてロッド 22 の遊端には後述のバックリーマーが装着される。
【0018】
図 3 には薬液注入管 30 が示されており、該薬液注入管には改良対象地盤域 122 に該当する部位に地盤に薬液を注入して改良対象地盤域に浸透させる薬液注入孔としての多数の細孔 302 が形成されており、又改良対象地盤域において薬 液が均斉に圧入されるようにパッカー 32 が断続的に装着されている。このパッカーは布製であることができる。尚、薬液注入管の先端部分 304 は細孔を有さ ず、その遊端は閉鎖状態であり、末端には取り付け用リング 306 が形成されて いる。上記のパッカー 32 を装着した薬液注入管 30 は、パッカー保護用の後述する外管内に収容される。該外管及び上記の薬液注入管は共に合成樹脂例えば塩化ビニル樹脂製であり且つ最小曲率半径 30m に追随し得る可撓性を有している。
【0019】
図 4 にはパッカー 32 の装着されている薬液注入管 30 の取り付けリング306 (図 3 参照) とバックリーマー 26 の後端とをケーブル 34 により接続し、滑剤供給車 40 から滑剤をボーリング機 20 に送り、連結されたロッド 22 を介してバックリーマ 26 に滑剤を給送し且つボーリング機 20 を操作してバックリーマーを回転駆動させると共に該バックリーマーの周壁から滑剤を既に形成されているパイロット孔の出口部分からパイロット孔の周壁部に噴射しつつボーリング機側にロッドを引き寄せ、パイロット孔を拡径して本孔 18 を徐々に形成してゆくと共に、上記のパッカー装着薬液注入管を上記のケーブル 34 を介して且つ該パッカー装着薬液注入管を収容している外管 40 と一緒に上記の本孔 18 内に引き込む態様が示されている。本孔の孔径は約 100mm 程度であり、バックリー マー 26 による本孔 18 の形成も、ドリルヘッド 24 (図 2 参照) によるパイロット孔 16 の削孔と同様に無排土形式で行われる。尚、本孔の形成に際して使用される滑剤も既述のものと同様である。
【0020】
連結されているロッド 22 はボーリング機側に引き寄せられるにつれて個々のロッドになされて回収され、バックリーマーによる本孔の形成操作は立坑 14 に達する迄行われ、バックリーマーが立坑に達した時点でバックリーマーの回転駆動は停止され、パッカー付き薬液注入管を収容している外管 40 の先端が立坑内に達した際にバックリーマーが取り外されて回収されると共に外管の引き抜きが行われる。この場合に、該外管内に収容されていたパッカー装着薬液注入管 (図3 参照) は地盤 12 中の本孔 18 内に残置される。
【0021】
次いで、薬液注入管 30 には薬液調製装置 (図示せず) から薬液 (図示せず) が圧入され、該薬液は薬液注入管に形成されている細孔 302 (図 3 参照) を経 て地盤 12 中に所定量注入され、改良対象地盤域 122 中に浸透し、次第に固化 して大型建造物 10 の直下における地盤の一部を改良する。上記の薬液としては地盤中への注入・浸透・固化による地盤の改良に用いられる汎用の薬液を用いることができ、例えば超微粒シリカゾルグラウトを用いることができ、このグラウトが硬化した場合の一軸圧縮強度 q は約 100kPa に設定される。薬液注入管へ の薬液の圧入後、本孔 18 の入口部 付近であり且つ薬液注入管 30 の周囲に若 干の掘削が施され、地表下において薬液注入管が切断され、該掘削部及びボーリング機側の立坑 14 埋め戻され、パッカー付き薬液注入管は地盤 12 内に埋入された状態となる。
【0022】
その後に、ボーリング機の位置を移動して、既述の諸操作、即ちパイロット孔削孔操作、本孔形成操作及び薬液注入管収納外管の本孔内への引き込み操作、外管引き抜き操作、薬液注入操作、薬液注入管の切断操作並びに掘削部及び立坑の埋め戻し操作が実施される。上記のボーリング機の移動を含む上記の諸操作は繰り返し行われ、これによって大型建造物の直下における改良対象地盤域全体に亘って改良を行うことができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明による工法は非開削工法であり、従ってコスト高となる大規模な立坑の構築が不要となり、又位置を常時監視することができ且つ推進の向きを修正可能なドリルヘッド及び該ドリルヘッドに接続された可撓性を有する連結用のロッドを備えたボーリング機を使用してパイロット孔を削孔し、該パイロット孔の出口側でドリルヘッドをバックリーマーに換装してパイロット孔を削孔した向きとは逆向きに且つパイロット孔の孔径を上記のバックリーマーにより拡径して本孔を形成して行くと共に、パッカー装着可撓性薬液注入管を収容している可撓性の外管を上記の本孔内に引き込み、該外管の先端部が先に形成された上記のパイロット孔の入口に到達した後に外管を引き抜いて上記のパッカー装着薬液注入管を本孔内に残置させ、その後にパッカー付き薬液注入管を通じ薬液を圧入することにより地盤中に薬液を注入して改良対象地盤域に薬液を浸透させ固化させることを基本とするものであり、大型建造物の直下における地盤を合理的に改良することができる。本発明の工法によれば、孔道の向きが上下左右に変化したパイロット孔を削孔することができるので、改良対象地盤中に場合により存在する障害物を避けながらパイロット孔を形成することができ且つ薬液注入管の配置されるべき本孔は該パイロット孔を拡径することにより形成されるために、従来の開削工法と比較する場合に施工の自由度が著しく高まり且つ削孔精度が高いために本孔の削孔距離を大幅に延長させることができる。尚、削孔に際して従来のようにベントナイト系滑剤を用いずに高吸水性ポリマー系滑剤を用いるので、地盤中への薬液の浸透が妨げられることがなく、従って改良対象地盤域全体に亘って所期の改良を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による工法におけるパイロット孔の削孔態様を示す概略図である。
【図2】パイロット孔の削孔に使用されるドリルヘッドの先端部を示す斜視図である。
【図3】本発明による工法に使用されるパッカー装着薬液注入管を部分的に破断して示した平面図である。
【図4】本発明による工法における本孔の削孔態様及びパッカー装着薬液注入管を収容している外管を該本孔内に引き込む態様を示す概略図である。
【符号の説明】
10 : 大型建造物
12 : 地盤
122 : 改良対象地盤域
124 : 地表
14 : 立坑
16 : パイロット孔
18 : 本孔
20 : ボーリング機
22 : (連結用の) ロッド
24 : ドリルヘッド
242 : (ドリルヘッドの) 斜めにカットされた面
26 : バックリーマー
30 : 薬液注入管
302 : 細孔
304 : (薬液注入管の) 先端部
306 : (取り付け用) リング
32 : パッカー
34 : ケーブル
40 : 滑剤供給車
50 : 外管

Claims (3)

  1. 先端にドリルヘッドを有する可撓性の連結用ロッドを備えた非開削式ボーリング機を用いて大型建造物の近傍から且つ該構造物に向かって斜め下方に削孔を開始し、上記ドリルヘッドの先端が所定の深さに達した時点でその推進の向きを水平に転じて削孔を継続し、次いで上記ドリルヘッドの推進の向きを斜め上方に転じて地表に至るまで削孔することによりパイロット孔を形成し、上記ボーリング機の上記ドリルヘッドをバックリーマーに換装し、一方パッカーが装着され、可撓性を有し且つ改良対象地盤域に該当する長さ部位に多数の細孔が穿たれている薬液注入管を可撓性を有する外管内に挿入し、該外管及び上記薬液注入管の少なくとも一方の遊端と上記バックリーマーとを接続し、該バックリーマーから滑剤をパイロット孔の内部側壁に噴射しつつ該パイロット孔の出口側から上記ボーリング機に向かって且つパイロット孔の孔径を拡径しながら上記バックリーマーにより二次削孔することにより本孔を徐々に形成してゆくと共に上記の薬液注入管収容外管を該本孔内に引き込み、上記ボーリング機本体に向かってパイロット孔内を次第に引き戻される上記連結用ロッドを上記ボーリング機本体側で個々に回収し、上記外管の先端が上記パイロット孔の入口に達した時点においてロッドの先端から上記バックリーマーを取り脱して回収し、上記外管を引き抜いて上記のパッカー装着薬液注入管を本孔内に残置させ、次いで薬液注入管に薬液を圧入して地盤に薬液を注入浸透させ、その後に上記ボーリング機を移動させて上記のパイロット孔の削孔操作、バックリーマーによる本孔の形成操作及び薬液注入管収納外管の本孔内引き込み操作、外管引き抜き操作並びに薬液注入操作を繰り返し行うことにより改良対象地盤域全体に亘って薬液を浸透させ、該薬液を固化させることを特徴とする、大型建造物の直下における地盤の改良工法。
  2. 削孔時に高吸水性ポリマー系の滑剤を用いることを特徴とする、請求項 1 に記載の大型建造物の直下における地盤の改良工法。
  3. 超微粒子シリカを含有している薬液を用いることを特徴とする、請求項 1 に記載の大型建造物の直下における地盤の改良工法。
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