JP6710121B2 - 曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法 - Google Patents

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Description

本発明は、液状化防止対策のための曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法に関する。
地震による地盤の液状化対策のための地盤改良工法として薬液注入工法が公知である。近年、液状化対策の薬液注入工法としては、従来の薬液注入工法と異なり、注入薬液に溶液型の恒久薬液を用いた薬液注入工法が広く用いられるようになった(たとえば、特許文献1,非特許文献1参照)。既設構造物の直下等を改良する場合、直斜削孔では対応できない箇所があるため、曲がり削孔という技術が開発されている(たとえば、特許文献2参照)。
近年、空港滑走路直下の地盤の液状化対策工事が行われているが、この中では、埋立地盤において曲がり削孔工法が適用されている。空港滑走路で曲がり削孔式の薬液注入工法を実施する場合、図7(a)に示すように、滑走路Kを共用しながらの施工となり、滑走路周辺には着陸帯B等が設けられていることから、滑走路Kの近辺からの施工はできず、遠方に削孔機D等を設置して遠方からの施工となるため、100m以上の長距離削孔が必要となっている。
曲がり削孔は、削孔時のロッド先端部の位置と削孔軌跡を計測し、これを把握しながら削孔計画線に誘導する技術である。図8(a)のように、曲がり削孔(曲線削孔)の方向制御原理は、掘削ロッドの先端ビットTがテーパー状に加工されており、このテーパー面に強い土圧を受けることで方向修正しながら削孔するものである。直線削孔の場合、図8(b)のように、先端ビットTを回転させ押し込みながら削孔するが、図8(a)の曲がり削孔の場合は、先端ビットTを回転させずに押し込む。
特開平10-121457号公報 特開2005-273331号公報
「浸透固化処理工法技術マニュアル(2010年版)」平成22年6月 一般財団法人 沿岸技術研究センター
図8(a)の曲がり削孔の原理は、均質な砂質地盤にて、より効果的に機能する。しかし、削孔中、先端ビットTが計画ルート上の部分的な硬質部や障害物にあたった場合、テーパー面で受ける土圧(側圧)より障害物から受ける側圧の方が大きくなることがあり、方向制御機能が十分発揮できない状況が発生する。こうしたケースでは、無理をすると削孔ロッドが折れたり計画路線から大きく逸脱するなどの問題が生じてしまう。
滑走路直下の地盤の液状化対策工事における曲がり削孔工法の適用に際し、その施工条件には以下のような新しい問題が出ている。
(1)地盤中に部分的に存在する硬質部の削孔
(2)削孔ルートに存在する各種障害物(石、礫、コンクリート塊、等)対策
(3)従来になかった長距離施工(160m程度)
(4)従来になかった深い深度(G.L.-20m程度)の施工
以下、空港滑走路直下の地盤改良に適用される曲がり削孔式の薬液注入工法を実施する際の課題(a)〜(c)について説明する。
(a)浅い部分の直線削孔(アプローチ部における硬質部と障害物)
改良対象地盤が埋立地盤の場合、地盤内に礫や障害物(コンクリートガラ等)が含まれていることが多い。また、部分的に硬質部となっていることもある。曲がり削孔において、図7(b)の曲線部までのアプローチ部は、斜め直線削孔となっているため、図7(c)のように地表面から浅い場所に硬質部や障害物がある場合、斜めに直線的に削孔することが困難であった。
(b)曲線部以降の直線削孔(注入部における硬質部と障害物)
図7(b)の注入部に硬質部や障害物が存在する場合、硬質部や障害物を貫通するために、無理に削孔すると、ロッドが折れてしまい、先端の位置検出装置一式を含む折損部より前方部を全て地中に残置することになってしまう。また、先端ビットT(図9(c))が硬質部や障害物にはねられた場合、注入中心位置が管理基準を逸脱してしまう。このため、圧力をかけて削孔することもできず、回避することもできないため削孔はほとんど不可能であった。
(c)長距離、大深度地盤への注入(注入外管内の清掃)
削孔が長距離、大深度になると、削孔完了から薬液注入開始までの工程で次のような課題がある。すなわち、図9(a)のように、削孔完了後に削孔ロッド1の内部に薬液注入のための注入外管2を挿入して建て込むが、このとき、削孔ロッド1内は、泥水で満たされており、地盤内の水圧が高いため、注入外管2の薬液注入口4から泥水や粘性土等の雑物が逆流し、注入外管2内に堆積してしまう。このため、注入外管2内の清掃が必要となる。また、図9(b)のように、注入外管2を建て込んだ後、削孔ロッド1を引き抜くが、注入外管2内に孔壁9からの土砂等の堆積が懸念される。また、注入外管2の内部洗浄後、図9(c)のように、注入外管2内に注入ホース5を挿入してスリーブパッカー3内にセメントベントナイト(CB)を注入する。セメントベントナイトを注入すると、少量のセメントベントナイトが注入外管に残留するため、注入外管2内の洗浄が必要となる。この注入外管2内の洗浄には、注入ホース5から水を排出して実施していた。しかし、G.L.-20mの大深度で、内部に雑物が堆積し液体で満たされている注入外管2内に、注入ホース5を100m以上挿入するには、その抵抗以上の挿入力が必要であり、かなり困難であった。また、1列あたりの注入数が多いと、セメントベントナイトの固化が始まるため、セメントベントナイトが注入外管2の内壁に付着し、洗浄が困難となることがあった。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、硬質部や障害物がある大深度地盤内を長距離削孔して薬液注入する必要がある地盤においても適用可能な曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法は、テーパー面を先端に有する削孔ロッドにより改良対象地盤を曲がり削孔して溶液型の恒久薬液を注入することで前記地盤を固化する曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法であって、
前記地盤において、水平方向に対し斜めに直線削孔してアプローチ部を形成し、次に、曲がり削孔し、次に、直線削孔し薬液の注入部を形成し、
前記アプローチ部は、超硬チップ付コアビットを先端に有するコアドリル型の直斜削孔機を用いて削孔し、
前記削孔ロッドのビット先端に超硬チップを備え、
前記注入部の削孔のとき、前記地盤内に硬質部または障害物が存在したとき、前記硬質部または前記障害物が存在しない場合と比べて前記削孔ロッドの押し込み圧力を半分以下に低減しかつ回転数を倍以上に設定し、
前記削孔後、前記削孔ロッド内に注入外管を建て込み、前記削孔ロッドを引き抜いた後、回転ノズルを先端に有する洗浄ホースを、前記ノズルから斜め後方に高圧水を噴射させることで前記注入外管内に進行させる。
この曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法によれば、アプローチ部を、超硬チップ付コアビットを先端に有するコアドリル型の直斜削孔機を用いて削孔することで、先行削孔し、アプローチ部に硬質部や障害物が存在したとしても直線的な削孔を行うことができる。ビット先端に超硬チップを備える削孔ロッドにより、硬質部または障害物が存在しない場合と比べて削孔ロッドの押し込み圧力を半分以下に低減しかつ回転数を倍以上に設定して削孔することで、地盤内に硬質部または障害物が存在しても、注入部の削孔を実施することができる。また、洗浄ホースの先端の回転ノズルから斜め後方に高圧水を噴射させることで洗浄ホースが回転ノズルにより前方への推進力を得て自力で前方へ進むことができるので、大深度で長距離であっても、内部に雑物が堆積し液体で満たされている注入外管内に洗浄ホースを挿入することができ、注入外管内を洗浄できる。
上記曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法において、前記コアドリル型の直斜削孔機は、前記削孔ロッドよりも太径のケーシングを用いることが好ましい。
また、前記注入部の削孔において前記削孔ロッドの推進速度が所定の速度以下となったとき、前記削孔ロッドの前記超硬チップを備えたビットを交換することが好ましい。削孔ロッドの先端の超硬チップが使用により磨耗しても、推進速度を確認し、予め設定した速度以下となったときにビットを交換し新しい超硬チップにより削孔するので、削孔速度および所定の削孔ラインを維持することができる。
また、前記洗浄ホースの回転ノズルの外径を前記注入外管の内径の80〜90%、好ましくは85%に設定し、前記高圧水の圧力を20MPa以上とすることが好ましい。ノズル外径を注入外管の内径の80〜90%、好ましくは85%に設定することで、ノズルが注入外管内で自由に動き暴れるので、注入外管内を効率的に洗浄できる。
また、前記洗浄ホースによる前記注入外管内の洗浄を、前記注入外管のスリーブパッカー内に充填物を充填後に、実施することが好ましい。注入外管内から、充填物からなる固化した残留物を他の堆積物とともに除去し洗浄できる。
本発明によれば、硬質部や障害物がある大深度地盤内を長距離削孔して薬液注入する必要がある地盤においても適用可能な曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法を提供することができる。
本実施形態によるコアドリル型の直斜削孔機に用いるケーシング先端に装着されるコアビットを示す斜視図(a)および縦断面図(b)である。 本実施形態で使用可能な削孔ロッドを概略的に示す側面図である。 図2の削孔ロッドの先端ビットを詳細に示す正面図(a)および側面図(b)である。 本実施形態で用いる洗浄ホースの回転ノズル(注入外管内に挿入可能)を示す図である。 本実施形態における曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法の施工状況を概略的に示す図(a)〜(i)である。 本実施形態における曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法の施工工程S01〜S17を説明するためのフローチャートである。 空港滑走路直下の地盤内で曲がり削孔式の薬液注入工法を実施する様子を概略的に示す図(a)、削孔によるアプローチ部、曲線部、注入部を概略的に示す図(b)および地盤内に硬質部(または障害物)がある場合の問題を説明するための図(c)である。 曲がり削孔時の掘削ロッドのビット先端部を示す側面図(a)および直線削孔時の掘削ロッドのビット先端部を示す側面図(b)である。 曲がり削孔式の薬液注入工法において削孔ロッド内に注入外管を建て込んだ状態を示す図(a)、削孔ロッドを引き抜いた状態を示す図(b)および注入外管のスリーブパッカーにセメントベントナイトを注入した状態を示す図(c)である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態によるコアドリル型の直斜削孔機に用いるケーシング先端に装着されるコアビットを示す斜視図(a)および縦断面図(b)である。図2は、本実施形態で使用可能な削孔ロッドを概略的に示す側面図である。
本実施形態による曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法においては、改良対象地盤の浅い部分の斜め直線削孔となるアプローチ部(斜削孔部)は、図7(b)のように、直線的に削孔するため、コアドリル型の直斜削孔機を用いて先行削孔を行い、地盤内に硬質部または障害物が存在しても、硬質部または障害物に比較的容易に貫通穴を設けることができる。障害物がなくなった貫通穴の先端から曲がり削孔機を適用し、曲がり削孔する。
コアドリル型の直斜削孔機による先行削孔では、直進性を高めるため、削孔ロッド32の先端ビット径D2よりも大きな外径D1のケーシングによる先行削孔を実施する。ケーシング先端には、図1(a)、(b)のような岩盤削孔用の超硬チップ付コアビット6が装備されている。すなわち、コアビット6の先端円周面に超硬材料からなる複数の超硬チップ7が溶着されている。コアビット6はケーシング(図示省略)にねじ部8でねじ込まれることで装着される。
コアドリル型の直斜削孔機による先行削孔は、土質により次の二種類の方法がある。すなわち、図7(b)のアプローチ部における地盤が15kN/m2を超える粘着力cを有する土の場合、曲がり削孔時における削孔ロッド32の外径D2の1.05〜1.2倍の外径D1を有するコアビット6を用いて真っ直ぐに削孔し、かかる削孔による孔壁9(図9(b))を保持しながら抜管してアプローチ部の穴を保持する。
また、アプローチ部における地盤が15kN/m2以下の粘着力cを有する土の場合、曲がり削孔時における削孔ロッド32の外径D2の1.35〜1.5倍の外径D1を有するコアビット6を用いて真っ直ぐに削孔してから、別途、塩ビ等のガイド管を建て込むことでアプローチ部の孔壁9(図9(b))を保持する。
次に、図2の削孔ロッドについて説明する。図2のように、削孔ロッド32は、特殊鋼からなる複数の中空ロッド32aと、特殊鋼からなる先端側の中空ロッド32bと、テーパー面33aを有する先端ビット33と、を備え、曲線削孔に用いられる。削孔ロッド32は各ロッド32aがジョイント部36で接続されることで全体として細長く構成される。また、削孔位置をリアルタイムに検出する固定式位置検出装置13を収容するための中空の収容ケース34が先端近傍に設けられている。固定式位置検出装置13の給電とデータ通信のための導線(図示省略)が削孔ロッド32内に組み込まれている。また、削孔ロッド32内には挿入式位置検出装置14が挿入可能である。
固定式位置検出装置13は、加速度センサとジャイロとから構成され、削孔ロッド32の先端部における水平方向の相対的な方位角と絶対的な傾斜角と先端の回転角とを、削孔工程中にリアルタイムに検出し、ビット先端の3次元位置情報を得る。また、挿入式位置検出装置14は、図2のように、削孔ロッド32の中空内に挿入されるように構成されたロッド状のセンサプローブであり、加速度センサとジャイロとから構成されている。削孔後、センサプローブを削孔ロッド32の先端まで挿入してから削孔口まで引き抜きながら三次元位置情報を取得し削孔ロッド32の全体の3次元形状を計測する。挿入式位置検出装置14の位置検出精度は、固定式位置検出装置13よりも高くなっている。なお、固定式位置検出装置13および挿入式位置検出装置14は、たとえば特開2012-97430号公報に具体例が開示されている。
次に、図2の削孔ロッドの先端ビットについて図3を参照して説明する。図3は、図2の削孔ロッドの先端ビットを詳細に示す正面図(a)および側面図(b)である。
先端ビット33は、図3(a)(b)のように、テーパー面33aを有するくさび型に構成され、先端に超硬材料から凹凸に形成された超硬チップ31aが溶着されている。超硬チップ31aの凹凸は、たとえば、4〜7mmの高さhを有し、その先端pが同一高さではなく不揃いになっていることが好ましい。また、先端ビット33は、その根元部に半径方向外方に突き出て削孔ロッド32の長手方向に延びる複数の突き出し部33bを有する。各突き出し部33bの先端が傾斜面31cに構成され、これらの傾斜面31cに超硬材料から凹凸に形成された超硬チップ31bが溶着されている。
図7(b)の曲線部以降の直線削孔による注入部では、先行削孔に用いた直斜削孔機のコアドリルのロッドは曲がらないため、直斜削孔機は使用できない。したがって、曲線部以降は、曲がり削孔の可能な図2,図3の先端ビット33を有する削孔ロッド32で削孔する必要がある。ここで、注入部に図7(c)のように硬質部や障害物が存在する場合、削孔ロッド32に押し込み圧力をかけすぎると、削孔ロッド32が折損するため、大きな圧力をかけることはできない。また、硬質部や障害物を回避すると、注入中心位置が管理基準値から逸脱してしまうため、硬質部・障害物を破砕するか貫通させる必要がある。以下、かかる破砕・貫通させるための構成について説明する。
削孔ロッド32の折損を防止するため、先端ビット33に加えられる押し込み圧力の上限値を通常の半分以下に設定する。たとえば、硬質部・障害物が存在しない場合の押し込み上限圧力が10MPaの場合、硬質部・障害物が存在すると、4MPaに設定する。また、押し込み力が小さくとも破砕・貫通させるために、回転数を通常の倍以上に設定する。たとえば、硬質部・障害物が存在しない場合の回転数が30rpmの場合、硬質部・障害物が存在すると、60〜80rpmに設定する。
また、先端ビット33が凹凸のある超硬チップ31a,31bにより硬質部・障害物を削りとることで硬質部・障害物を破砕・貫通させることができるが、超硬チップ31a,31bが磨耗すると、切削能力が低下するため、推進速度が低下し、障害物貫通も困難になってしまうため、所定速度以下、たとえば、0.1mm/分以下の推進速度になったとき、先端ビット33を新しい超硬チップ31a,31bがついた先端ビットに交換する。
図7(b)の注入部の削孔では、以上の各構成により、地盤内の硬質部・障害物を破砕・貫通して、削孔できるため、削孔ロッド32の折損なく、所定の削孔ラインを維持して削孔することが可能となる。
次に、本実施形態による注入外管内の洗浄について図4を参照して説明する。図4は、本実施形態で用いる洗浄ホースの回転ノズル(注入外管内に挿入可能)を示す図である。
図4のように、可撓性のある洗浄ホース50の先端に装着される回転ノズル51は、回転部52と、回転部52の斜め後方に水が噴出するように円周方向に複数設けられた斜め後方ノズル部53と、回転部52の前方に半球状に設けられたヘッド部54と、ヘッド部54の先端に前方に水が噴射するように設けられた単数の前方ノズル部55と、を備える。
図4の回転ノズル51を注入外管46の入口にセットし、洗浄ホース50を通して20MPa以上の高圧水を前方ノズル部55と複数の斜め後方ノズル部53から噴射させることで、回転ノズル51が回転しながら自力で注入外管46内を進行するため、注入外管46内の洗浄が可能となる。また、回転ノズル51の外径D4を注入外管46の内径D3の80〜90%、好ましくは85%に設定することで、注入外管46内で回転ノズル51が自由に動き暴れるため、注入外管46内を効率的に洗浄でき、注入外管46内に堆積したセメントベントナイト等の充填物の固化体等を削り除去できる。これにより、注入外管46内から容易に雑物を除去できるとともに、大深度、長距離であっても、洗浄ホース50の挿入が可能となる。なお、回転ノズルは、たとえば特開2005-118749号公報に具体例が開示されている。
次に、本実施形態における曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法の施工工程について図5,図6を参照して説明する。図5は、本実施形態における曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法の施工状況を概略的に示す図(a)〜(i)である。図6は、本実施形態における地盤改良工法の施工工程S01〜S17を説明するためのフローチャートである。本実施形態における地盤改良工法は、削孔工程S02〜S07と、注入工程S08〜S17とに大別される。
まず、事前準備S01として各機器や各資材の準備・搬入等が行われる。次に、図5(a)のように、コアドリル型の直斜削孔機40を所定位置に設置し、図1(a)、(b)の岩盤削孔用の超硬チップ付コアビット6が装着された削孔ケーシング41を直斜削孔機40にセットし、地表面から斜めに先行削孔を行う(S02)。かかる先行削孔により図7(b)のアプローチ部を形成する。
次に、図5(b)のように、削孔機11を施工現場の所定位置に設置する(S03)。削孔機11には、図3の超硬チップ31a,31bを有する先端ビット33が装着された図2の削孔ロッド32がセットされる。
次に、削孔機11を駆動し、図5(c)のように、先行削孔したアプローチ部の穴先端から傾斜した方向に削孔を直線的に行い、途中、曲がるように向きが制御され、水平方向に行われる(S04)。このとき、図2の固定式位置検出装置13により削孔ロッド32の先端位置が検出されロッド先端の姿勢が制御される。なお、削孔ロッド32は必要長さに応じてロッド32a(図2)が継ぎ足される。
次に、図2の挿入式位置検出装置14を削孔ロッド32内に先端まで挿入し、図5(d)のように、挿入式位置検出装置14に接続されたワイヤ37を送出し巻取り装置38を通してウインチ39により巻き取ることで挿入式位置検出装置14を引き抜きながら削孔経路の位置計測を行う(S05)。削孔の位置情報は、この位置計測結果に置き換えられる。この位置計測は、たとえば、曲線削孔時には3〜6m毎、直線削孔時には9〜18m毎に行われる。
上記位置情報に基づいて削孔位置が計画位置に到達したか否かが判断され(S06)、到達していないと判断されると、図5(e)のように、上記位置情報が固定式位置検出装置13に引き継がれて、削孔が継続される。
削孔位置が計画位置に到達したと判断されると、削孔が完了し、削孔機11を搬出する(S07)。
次に、薬液注入のために注入機(図示省略)を設置する(S08)。具体的には、図5(f)のように、削孔機11により削孔ロッド32を逆回転させて先端ビット33を外してロストする。次に、図5(g)のように、注入外管46を削孔ロッド32内に挿入する。次に、図5(h)のように、削孔ロッド32を引き抜き、注入外管46を地盤G内に残置する。
次に、注入時の薬液の逸走防止のため注入外管46にダブルパッカー式の注入装置を挿入し、セメントベントナイト等の充填物によるスリーブパッカー注入を行う(図9(c)参照)(S09)。このときの注入速度と注入量とを計測器(図示省略)により測定し確認する(S10)。所定の注入量を注入したか否かを判断し(S11)、満たない場合は注入を続け、満たした場合は注入を終了する。
次に、図4の洗浄ホース50の回転ノズル51を注入外管46の端部から挿入し(S12)、注入外管46内を高圧水で洗浄し、堆積物やセメントベントナイト等の充填物による固化体を除去する(S13)。
次に、ミキサ(図示省略)で攪拌混合された溶液型の恒久薬液がインジェクションポンプ(図示省略)によりホース45を通して注入外管46に送られ、注入外管46に設けられた注入口から地盤G内に注入される(S14)。かかる薬液注入により、図5(i)のように、地盤G内に薬液が浸透し、固化体Cが形成される。
なお、溶液型の恒久薬液としては例えばシリカ系水溶液型の薬液を用いることができ、たとえば、Na2O/nSiO2もしくはK2O/nSiO2とその硬化剤である無機塩類、有機塩類、金属酸化物、金属水酸化物、無機酸、有機酸、酸性塩、塩基性塩等とを組み合わせて調製したもの、または、シリカ微粒子とその硬化剤とを組み合わせて調製したものを用いることができる(特許文献1参照)が、これらに限定されるものではない。
薬液注入における注入速度と注入量と注入圧力とを流量圧力計(図示省略)で測定し流量圧力測定装置(図示省略)により確認する(S15)。所定の注入量を注入したか否かを判断し(S16)、満たない場合は注入を続け、満たした場合は注入を終了する。次に、注入機を搬出する(S17)。
上述のようにして、曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法を実施できる。なお、本薬液注入工法は、浸透固化処理工法として実施可能であり、図6の施工工程については非特許文献1に詳述されている。
以上のように、本実施形態によれば、改良対象地盤が硬質部や障害物のある大深度地盤内を長距離削孔して薬液注入する必要がある場合でも、曲がり削孔による薬液注入工法により地盤改良を行うことができる。これにより、たとえば、図7(a)の空港滑走路Kの直下の地盤において液状化対策を施すことができる。
すなわち、図7(b)の改良対象地盤のアプローチ部を、超硬チップ付コアビットを先端に有するコアドリル型の直斜削孔機を用いて削孔することで、先行削孔し、アプローチ部に硬質部や障害物が存在したとしても直線的な削孔を効率よく行うことができる。また、コアドリル型の直斜削孔機で削孔ロッドの先端ビットよりも太径のケーシングを用いることで、効率的に先行削孔ができる。
また、ビット先端に超硬チップを備える削孔ロッドにより、地盤内に硬質部または障害物が存在しない場合と比べて削孔ロッドの押し込み圧力を半分以下に低減しかつ回転数を倍以上に設定して削孔することで、地盤内に硬質部または障害物が存在しても、薬液の注入部の削孔を効率的に実施することができる。また、注入部の削孔において削孔ロッドの推進速度が所定の速度以下となったとき、削孔ロッドの超硬チップを備えた先端ビットを交換することが好ましい。削孔ロッドの先端ビットの超硬チップが使用により磨耗しても、推進速度を確認し、予め設定した速度以下となったときにビットを交換し新しい超硬チップにより削孔するので、削孔速度および所定の削孔ラインを維持することができる。
また、洗浄ホースの先端の回転ノズルから斜め後方に高圧水を噴射させることで洗浄ホースが回転ノズルにより前方への推進力を得て自力で前方へ進むことができるので、図7(b)の注入部が大深度で長距離であっても、内部に雑物が堆積し液体で満たされている注入外管内に洗浄ホースを挿入することができ、注入外管内を洗浄することができ、その後、薬液注入を効率的に実施可能である。また、洗浄ホースによる注入外管内の洗浄を、注入外管のスリーブパッカー内にセメントベントナイト等の充填物を充填後に、実施することで、注入外管内から、充填物からなる固化した残留物を他の堆積物とともに除去し洗浄できる。
また、洗浄ホースの回転ノズルの外径を注入外管の内径の80〜90%、好ましくは85%に設定することで、回転ノズルが注入外管内で自由に動き暴れるので、注入外管内を効率的に洗浄できる。ここで、洗浄ホースが回転ノズルにより前方へ充分な推進力を得るためには、本発明者等の試行結果によれば、回転ノズルから斜め後方に噴射させる高圧水の圧力を少なくとも20MPaとする必要があることが判明した。
以上のように本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。たとえば、本発明による地盤改良工法は、図7(a)のような空港滑走路直下の地盤に適用して好ましいが、本発明は、これに限定されず、他の地盤にも適用できることはもちろんである。
本発明によれば、硬質部や障害物がある大深度地盤内を長距離削孔して薬液注入して地盤改良が可能であるので、従来までは困難とされていた地盤でも、液状化防止対策を施すことができる。
6 超硬チップ付コアビット、コアビット
7 超硬チップ
9 孔壁
11 削孔機
13 固定式位置検出装置
14 挿入式位置検出装置
31a,31b 超硬チップ
32 削孔ロッド
33 先端ビット
33a テーパー面
33b 傾斜面
40 直斜削孔機
41 削孔ケーシング
46 注入外管
50 洗浄ホース
51 回転ノズル
C 固化体

Claims (5)

  1. テーパー面を先端に有する削孔ロッドにより改良対象地盤を曲がり削孔して溶液型の恒久薬液を注入することで前記地盤を固化する曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法であって、
    前記地盤において、水平方向に対し斜めに直線削孔してアプローチ部を形成し、次に、曲がり削孔し、次に、直線削孔し薬液の注入部を形成し、
    前記アプローチ部は、超硬チップ付コアビットを先端に有するコアドリル型の直斜削孔機を用いて削孔し、
    前記削孔ロッドのビット先端に超硬チップを備え、
    前記注入部の削孔のとき、前記地盤内に硬質部または障害物が存在したとき、前記硬質部または前記障害物が存在しない場合と比べて前記削孔ロッドの押し込み圧力を半分以下に低減しかつ回転数を倍以上に設定し、
    前記削孔後、前記削孔ロッド内に注入外管を建て込み、前記削孔ロッドを引き抜いた後、回転ノズルを先端に有する洗浄ホースを、前記ノズルから斜め後方に高圧水を噴射させることで前記注入外管内に進行させる、曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法。
  2. 前記コアドリル型の直斜削孔機は、前記削孔ロッドよりも太径のケーシングを用いる、請求項1に記載の曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法。
  3. 前記注入部の削孔において前記削孔ロッドの推進速度が所定の速度以下となったとき、前記削孔ロッドの前記超硬チップを備えたビットを交換する、請求項1または2に記載の曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法。
  4. 前記洗浄ホースの回転ノズルの外径を前記注入外管の内径の80〜90%に設定し、前記高圧水の圧力を20MPa以上とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法。
  5. 前記洗浄ホースによる前記注入外管内の洗浄を、前記注入外管のスリーブパッカー内に充填物を充填後に、実施する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の曲がり削孔式薬液注入工法による地盤改良工法。
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