JP4070790B2 - 地盤改良工法 - Google Patents
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Description
また、粘性土層においても、標準貫入試験値であるN値が大きくなると同時に、固結体が小さくなる。
反対に、軟らかい地盤においては、N値は小さくなって固結体は必要以上の大きなものとなってしまう。
係る技術は有用なものであるが、光ファイバーを別途建て込むための労力、コストを必要とする。また、地盤改良用材料が噴射されている深度以外の情報を得ることが出来ないので、半径方向寸法が同一な高品質の地中固結体を造成する、という上述した要請に応えることは出来ない。
先端に削孔手段(3)を設けた削孔ロッド(2)を用いてガイドホール(h)を削孔する削孔工程(図2)と、
先端に流体噴射手段(9)を設けた噴射ロッド(10)をガイドホール(h)に挿入する工程(図4)と、
流体噴射手段(9)から半径方向外方へジェット(J)を噴射しつつ噴射ロッド(10)を回転し且つ引き上げる噴射工程(図5)とを有し、
前記削孔工程(図2)では、削孔手段(3)の深度と削孔手段(3)の回転数と削孔ロッド(2)の貫入速度を決定し且つ削孔トルクを計測し(S2)、削孔手段(3)の回転数と削孔ロッド(2)の貫入速度と削孔トルクから削孔手段の深度における地盤の硬さを決定し、以って、ガイドホールが削孔された箇所における削孔手段到達深度と到達深度における地盤の硬さとの関係を求め(S4)、
前記噴射工程(図5)では、噴射手段(9)の深度を決定し(S11)、削孔工程で求められた深度と到達深度における地盤の硬さとの関係から噴射手段(9)の深度における地盤の硬さを求め(S12)、地盤の硬さに基いて噴射手段(9)からのジェット(J)の噴射圧を決定し(S13A)、噴射手段(9)からのジェット(J)の噴射圧を決定された噴射圧に調節する(S14A、S15A)と共に、
スラリー中の固化材濃度を計測し(S21)、固化材濃度が許容下限値より薄い場合には固化材ジェットの噴射圧を減少し(S25A)、固化材濃度が許容下限値以上で且つ許容上限値以下の場合には固化材ジェットの噴射圧を維持し(S23A)、固化材濃度が許容上限値より濃い場合には固化材ジェットの噴射圧を増加する(S24A)制御を行うことを特徴としている(請求項1)。
先端に削孔手段(3)を設けた削孔ロッド(2)を用いてガイドホール(h)を削孔する削孔工程と、
先端に流体噴射手段(9)を設けた噴射ロッド(10)をガイドホール(h)に挿入する工程と、
流体噴射手段(9)から半径方向外方へジェット(J)を噴射しつつ噴射ロッド(10)を回転し且つ引き上げる噴射工程とを有し、
前記削孔工程では、削孔手段(3)の深度と削孔手段(3)の回転数と削孔ロッド(2)の貫入速度を決定し且つ削孔トルクを計測し(S2)、削孔手段(3)の回転数と削孔ロッド(2)の貫入速度と削孔トルクから削孔手段の深度における地盤の硬さを決定し、以って、ガイドホールが削孔された箇所における削孔手段到達深度と到達深度における地盤の硬さとの関係を求め(S4)、
前記噴射工程では、噴射手段(9)の深度を決定し(S11)、削孔工程で求められた深度と到達深度における地盤の硬さとの関係から噴射手段(9)の深度における地盤の硬さを求め(S12)、地盤の硬さに基いて噴射手段(9)の回転数を決定し(S13)、噴射手段(9)の回転数を決定された回転数に調節する(S14、S15)と共に、
スラリー中の固化材濃度を計測し(S21)、固化材濃度が許容下限値より薄い場合には噴射手段(9)の回転速度を増加し(S25)、固化材濃度が許容下限値以上で且つ許容上限値以下の場合には噴射手段(9)の回転速度を維持し(S23)、固化材濃度が許容上限値より濃い場合には噴射手段(9)の回転速度を減少する(S24)制御を行うことを特徴としている(請求項2)。
施工箇所近傍で調査ボーリングを行い、深度を決定しつつN値決定手段(114)により当該深度におけるN値を決定する調査ボーリング工程(S39)と、
調査ボーリング地点の近傍でガイドホール(h)を削孔して深度と掘削トルクを計測する工程(S40)と、
当該工程(S40)で計測された深度及び掘削トルクと調査ボーリング工程(S39)で決定された深度及びN値から、掘削トルクとN値との特性を決定する手段(116)を用いて、掘削トルクとN値との特性を求める工程(S41)と、
施工箇所で削孔ロッド(2)を用いてガイドホール(h)を削孔する削孔工程(S42)と、
該削孔工程(S42)の際にガイドホール(h)の深度と掘削トルクとの関係を記憶手段(112)に記憶する工程(S43)と、
調査ボーリングの際(S41)に決定した掘削トルクとN値との特性と、前記工程(S43)で記憶されたガイドホール(h)の深度と掘削トルクとの関係とに基づいて、特定の深度に対するN値を推定する工程(S44)と、
推定されたN値から、施工仕様に基づいて、当該深度における適正な流体噴射手段(9)からの固化材噴射量、噴射圧、流体噴射手段(9)の引き上げ速度を決定する工程(S45)と、
流体噴射手段(9)から半径方向外方へ固化材のジェット(J)を噴射しつつ噴射ロッド(10)を回転し且つ引き上げる噴射工程(S47)とを有し、
該噴射工程(S47)は、流体噴射手段(9)の深度に対応して前記工程(S43〜S45)で決定された流体噴射手段(9)からの固化材噴射量、噴射圧、流体噴射手段(9)の引き上げ速度で施工されることを特徴としている(請求項3)。
すなわち、固化材ジェット(J)の地盤中における到達距離に支配的な要素である「地盤の硬さ」に対応して、固化材ジェット(J)の地盤中における到達距離が一定となる様に制御しているので、造成された地中固結体の径(改良径)を一定にすることが出来る。
ここで、スラリー中の固化材濃度を計測し、固化材濃度が高い場合は、固化材の到達距離が標準設計有効径よりも短いと判断することが出来る。一方、固化材濃度が低い場合は、固化材の到達距離が標準設計有効径よりも長いと判断することが出来る。
この場合、スラリー中の固化材濃度は、スラリーが地中に存在する間に計測されるのが好ましい。ただし、スラリー中の固化材濃度を地上で計測することは可能である。
その結果、施工効率が向上し、造成された地中固結体の品質が維持されるのである。
先ず、図1〜図13を参照して、第1実施形態を説明する。
ここで、第1実施形態の説明に先立って、施工設備の概要について説明する。
削孔ロッド2の先端には削孔手段3が取り付けられており、削孔手段3の地上側には、データ収集・発信部4が設けられており、
図1において、掘削トルク計測装置44は、削孔ロッド2におけるデータ収集・発信部4が設けられているが、施工マシン1に設けても良い。
また、深度の時間変化量として削孔手段3の降下速度のデータも、送信用アンテナ42を介して電磁波で発信される。
発信用アンテナ42から発信された電磁波は、地上に設置した受信用アンテナ5を介して受信機6で受信する様に構成されている。
解析用パソコン7には、データ出力手段であるプリンタ8が接続され、必要に応じて、各種データが出力されるように構成されている。
造成される地中固結体の径を概略同一にするにあたっては、具体的には、後述する噴射ロッド10の回転速度や、後述する流体噴射手段であるモニタ9の噴射圧を制御する。
図2は、図1で説明した設備を用いてガイドホールhを削孔する工程を示している(削孔工程)。即ち、削孔ロッド2の先端に取り付けた削孔手段3で土壌Gを削孔し、ガイドホールhを削孔する。
図2の削孔工程の間は、データ発信部4のトルク計44で深度毎の削孔トルクが計測され、前述した方法によって地上の解析用パソコン7に当該データが送られ続けている。
そして、所定の深度hbまでガイドホールhが削孔されると、削孔ロッド2は地上側に引き上げられる(図3:削孔ロッド引き上げ工程)。
ステップS1では、ガイドホールhの削孔開始を待機している状態(S1が「NO」のループ)を示している。ガイドホールhの削孔を開始した場合には(ステップS1のYES)、所定の制御サイクル毎に(ステップS7参照)、削孔トルクも計測し、施工マシン1によって削孔箇所の深度を決定し、削孔ロッド2の削孔回転数を決定し、削孔ロッド2の貫入速度も決定する(ステップS2)。
そして、解析用パソコン7では前記データからその深度における地盤の硬さを求め、その求めた地盤の硬さを決定データとしてデータベースに記録しておく(ステップS4)。
一方、削孔ロッドが未だ完了していないのであれば、ステップS7に進み、1制御サイクルの時間が経過したなら(ステップS7のYES)、ステップS2まで戻り、ステップS2以降の制御を繰り返す。
ここで、モニタ9には、図示しない濃度計が設けられており、該濃度計により、スラリー中の固化材濃度を地中で計測できるように構成されている。モニタ9ではなくて、地上側にスラリー中の固化材濃度を計測する計測装置を設けることも可能である。但し、図9を参照して後述する理由により、濃度計がモニタ9に設けられているのが、造成される地中固結体の精度を向上するためには望ましい。
掘削或いは切削され、且つ、固化材と混合される原位置土壌は、時間の経過と共に固化する。
なお、図5において明確には図示されていないが、モニタ9にはスラリー中のセメントミルク濃度を計測する濃度センサが設けられている。
以下、図8に基づいて、モニタ9の回転速度を制御パラメータとした場合における地中固結体の造成制御方法について説明する。
一方、地盤が軟らかい場合、固結材のジェットが所定距離を越えないように、すなわち固結材ジェットの到達距離を短縮するように、モニタ9の回転速度を増加する制御を行う。
一方、地盤が硬くない(軟らかい)場合は、噴射手段であるモニタ9の回転速度を増加させる。
ここで、「概略同一」とは、ステップS13で決定された回転速度の数値と実際の回転速度の数値(或いは現状の値)との偏差が、所定範囲内にあることを意味している。そして、所定範囲については、施工現場毎にケース・バイ・ケースで決定される。
決定された回転速度と、現状の回転速度とが概略同一であれば(ステップS14がYES)、ステップS16まで進み、一方、概略同一でなければ(ステップS13で決定された回転速度と現状の回転速度との差異が所定範囲を超えていれば)(ステップS14のNO)、ステップS15に進む。
ステップS16は、モニタ9を回転しながら固化材を噴射して、且つ、地上側に引き上げて、地中固結体の造成を実行する(実施工)。そして、所定時間経過後(或いは、所定の制御タイミングにて)、ステップS17に進む。
ステップS17では、削孔が完了したか否かを判断しており、完了していれば(ステップS17がYES)、制御を終了する。削孔が完了していないのであれば(ステップS16がNO)、ステップS18で一制御サイクルあたりの時間が経過するまで待機してステップS11まで戻り、再びステップS11以降を繰り返す。
すなわち、固化材ジェットJの地盤中における到達距離に支配的な要素である「地盤の硬さ」に対応して、固化材ジェットJの地盤中における到達距離が一定となる様に制御しているので、造成された地中固結体の径(改良径)を一定にすることが出来る。
すなわち図9の制御方法では、スラリー中のセメント濃度によって切削・撹拌が適正に行われているか判断し、そのセメント濃度に対応して、モニタ9の回転速度を制御している。
セメント濃度の計測値が許容上限値よりも濃い場合には、土壌の切削量が少ないので、セメントミルクジェットJの土壌中の到達距離、すなわち地中固結体の径が、標準設計有効径よりも短くなっていることが分かる。従って、セメントミルクジェットJの到達距離(地中固結体の径)を長くするべく、噴射手段であるモニタ9の回転速度を減少する制御を行う必要がある。
セメント濃度が濃い(計測値が許容上限値を超えており、セメントミルクジェットJの到達距離が短過ぎる)場合は、所望の範囲よりも狭い領域しか、切削、撹拌で出来ていない。この場合はステップS24に進む。
セメント濃度が薄い(計測値が許容下限値未満であり、セメントミルクジェットJの到達距離が長過ぎる)場合は、所望の範囲よりも広い範囲が切削、撹拌されている。この場合はステップS25に進む。
図16の上段の表は砂地盤における地中固結体(改良体)の直径Φと、改良作業中のスラリーの比重を示しており、図16下段の表は、粘土地盤における地中固結体(改良体)の直径Φと、改良作業中のスラリーの比重を示している。
ここで、改良作業中のスラリーの比重は、セメント濃度に対応するパラメータである。
地中固結体(改良体)の直径Φの許容誤差が±0.5mとすれば、砂地盤の場合におけるセメント濃度の適正な範囲は、図16の上段の表から、以下に述べる範囲となる。
地中固結体(改良体)の目標とする直径が3.5mであれば、セメント濃度の適正な範囲は、スラリーの比重が1.69〜1.72となる範囲である。
地中固結体(改良体)の目標とする直径が4.0mであれば、セメント濃度の適正な範囲は、スラリーの比重が1.71〜1.74となる範囲である。
地中固結体(改良体)の目標とする直径が4.5mであれば、セメント濃度の適正な範囲は、スラリーの比重が1.72〜1.75となる範囲である。
地中固結体(改良体)の目標とする直径が3.0mであれば、セメント濃度の適正な範囲は、スラリーの比重が1.560〜1.575となる範囲である。
地中固結体(改良体)の目標とする直径が3.5mであれば、セメント濃度の適正な範囲は、スラリーの比重が1.570〜1.580となる範囲である。
地中固結体(改良体)の目標とする直径が4.0mであれば、セメント濃度の適正な範囲は、スラリーの比重が1.575〜1.580となる範囲である。
地中固結体(改良体)の目標とする直径が4.5mであれば、セメント濃度の適正な範囲は、スラリーの比重が1.580〜1.585となる範囲である。
ステップS24では、ジェット到達距離を長くするための制御、即ち、モニタ9の回転速度を減少させるように制御した後、ステップS26に進む。
ステップS25では、ジェット到達距離を短くするための制御、即ち、モニタ9の回転速度を増加させるように制御した後、ステップS26に進む。
噴射工程が完了していれば(ステップS26がYES)、そのまま制御を終了する。一方、未だ噴射工程が完了していないのであれば(ステップS26がNO)、一制御サイクルあたりの時間が経過するまで待機する(ステップS27がNOのループ)。
一制御サイクルあたりの時間が経過したなら(ステップS27がYES)、ステップS21まで戻り、再びステップS21以降を繰り返す。
このように制御することにより、モニタ9の深度が変化しても固化材ジェットJの到達距離が同一となるので、半径方向寸法が均一な高品質の地中固結体が造成可能となる。
例えば、図10、図11で示す制御では、モニタ9からの固化材(例えばセメントミルク)の噴射圧力を制御されるべきパラメータとして選定しており、図12、図13で示す制御では、或いは、モニタ9からの固結材(例えばセメントミルク)の噴射流量を制御されるべきパラメータとして選定している。
図10は、図8で示すフローチャートと概略同様であり、図10のステップS11、S12、S16〜S18は、図8と同様であり、図10のステップS13A〜S15Aは、図8のステップS13〜S15に対応する。
すなわち、図10においては、ステップS12で求められた地盤の硬さに基づいてモニタ9からの固化材の噴射圧を決定し(ステップS13A)、地盤が硬い場合は固結材の噴射圧を増加し、地盤が軟らかい場合は噴射圧を減少する。
ステップS15Aでは、モニタ9からの固化材の噴射圧力を、地盤の硬さに基づいて決定された数値(S13Aで決定された数値)に調節或いは制御する。そして、ステップS16に進む。それ以降は図8と同様である。
セメント濃度が濃い(計測値が許容上限値を超えており、セメントミルクジェットJの到達距離が短過ぎる)場合は、固化材の到達距離が標準設計有効径よりも短か過ぎるいと判断して、ステップS24Aに進む。
セメント濃度が薄い(計測値が許容下限値未満であり、セメントミルクジェットJの到達距離が長過ぎる)場合は、固化材の到達距離が標準設計有効径よりも長過ぎると判断して、ステップS25Aに進む。
ステップS24Aでは、ジェット到達距離を長くするため、モニタ9からの固化材噴射圧を増加(昇圧)するように制御した後、ステップS26に進む。
ステップS25Aでは、ジェット到達距離を短くするための制御、モニタ9からの固化材噴射圧を減少(減圧)するように制御した後、ステップS26に進む。
ステップS26以降は、図9と同様である。
図12は、図8、図10のフローチャートと概略同様であり、図12のステップS11、S12、S16〜S18は、図8及び図10と同様であり、図12のステップS13B〜S15Bは、図8のステップS13〜S15及び図10のステップS13A〜S15Aに対応する。
図12においては、ステップS12で求められた地盤の硬さに基づいてモニタ9からの固化材の噴射流量を決定し(ステップS13B)、地盤が硬い場合は固結材噴射流量を増加し、地盤が軟らかい場合は固結材噴射流量を減少する。
ステップS15Bでは、モニタ9からの固化材噴射流量を、地盤の硬さに基づいて決定された数値(S13Bで決定された数値)に調節或いは制御する。そして、ステップS16に進む。それ以降は図8及び図10と同様である。
セメント濃度が濃い(計測値が許容上限値を超えており、セメントミルクジェットJの到達距離が短過ぎる)場合は、固化材の到達距離が標準設計有効径よりも短か過ぎるいと判断して、ステップS24Bに進む。
セメント濃度が薄い(計測値が許容下限値未満であり、セメントミルクジェットJの到達距離が長過ぎる)場合は、固化材の到達距離が標準設計有効径よりも長過ぎると判断して、ステップS25Bに進む。
ステップS24Bでは、ジェット到達距離を長くするため、モニタ9からの噴射流量を増加するように制御した後、ステップS26に進む。
ステップS25Bでは、ジェット到達距離を短くするための制御、モニタ9からの噴射流量を減少するように制御した後、ステップS26に進む。
ステップS26以降は、図9、図11と同様である。
図1〜図13の第1実施形態では、削孔工程の際に決定された地盤の硬さに基づいて、モニタ9の回転速度、固化材の噴射圧、固化材の噴射流量の何れか一つのパラメータを決定している。それに対して、図14、図15の第2実施形態では、予め施工領域の何れかで実行される調査ボーリングの結果をも参照して、削孔工程で各深度におけるN値(サンプルの土に重錘を落下させた際に、重錘が所定の寸法に貫入するのに必要な落下回数:地盤強度或いは土壌の硬さを表す数値)を推定し、推定されたN値から、既知の施工仕様により、当該深度における適正な固化材(例えばセメント)噴射量、噴射圧、モニタ9(或いは噴射ロッド10)の引き上げ速度を決定し、噴射工程では各深度ごとに、決定された固化材(例えばセメント)噴射量、噴射圧、モニタ9(或いは噴射ロッド10)の引き上げ速度で施工される。
また、第2実施形態を施工する設備は、図14の制御機構に関連する部分を除くと図1で示すのと概略同様である。そして、削孔工程については、図14の制御機構に関連する内容を除くと図2で示すのと同様であり、噴射工程についても、図15のフローチャートに関連する内容を除けば、図5で示すのと同様である。
制御機構100は、中央処理ユニット110(C.U.)と、データベース112(記憶装置)と、N値決定手段114と、掘削トルク−N値特性決定手段116と、N値推定手段118と、噴射量、噴射圧、引き上げ速度決定手段120とを備えている。
掘削トルク−N値特性決定手段116には、N値決定手段114からの深度及びN値のデータに加えて、調査ボーリングを行った箇所近傍でガイドホールを掘削した際における深度及び当該深度における掘削トルクが入力される。それにより、掘削トルク−N値特性決定手段116では、掘削トルクとN値との対応関係或いは特性が決定される。
掘削トルク−N値特性決定手段116で求められた深度と掘削トルクとN値との対応関係或いは特性は、データベース112に送られて、記憶される。
決定されたN値の推定値は、噴射量、噴射圧、引き上げ速度決定手段120に送られる。
当該深度とセメント噴射量、噴射圧、モニタ9の引き上げ速度との関係は、データベース112で記憶されると共に、必要に応じて、中央処理ユニット110に送られる。
先ず、第2実施形態に係る地盤改良工法を施工する施工領域の何れかにおいて、図示しない調査ボーリング用の機器を用いて調査ボーリング(詳細な図示は省略している)を行い、調査ボーリングを実施する際における深度と各深度におけるN値とを計測する(図15のステップS39)。
そして、調査ボーリングを行っている際における(ステップS39)で求めた深度及びN値と、調査ボーリング箇所近傍で行われたガイドホール削孔(ステップS40)の際に求めた深度と掘削トルクとが、N値決定手段114に入力される。ここで、深度については共通しているので、ステップS39で求められたパラメータと、ステップS40で求められたパラメータとから、掘削トルク−N値特性決定手段116において、掘削トルクとN値との特性が決定され、データベース112に記憶される(ステップS41)。
削孔工程の実施の際には、深度と当該深度における掘削トルクとが施工マシン1で計測され、深度と掘削トルクとの関係がデータベース112に記憶される(ステップS43)。
N値が推定されれば、過去の施工実績の蓄積から得られた施工仕様に基づいて、噴射量、噴射圧、引き上げ速度決定手段120により、後続する噴射工程における各深度毎に、セメント(固化材)の噴射量、噴射圧、モニタ9或いは噴射ロッド10の引き上げ速度の最適値が求められる。そして、決定された各深度毎の噴射量、噴射圧、引き上げ速度の最適値は、データベース112に記憶される(ステップS45)。
噴射工程では、各深度毎に、ステップS45で求められたセメント(固化材)の噴射量、噴射圧、モニタ9或いは噴射ロッド10の引き上げ速度の最適値となる様に、中央処理ユニット110により制御される(ステップS47)。そして、ステップS45で求められた噴射量、噴射圧、引き上げ速度となる様な制御(ステップS48がNOのループ)は、噴射工程が終了するまで(ステップS48がYES)続行される。
例えば、図示の第1実施形態においては、自動制御の場合について説明されているが、オペレータによりマニュアルにて各種工程を実施することも可能である。
2・・・削孔ロッド
3・・・削孔手段
4・・・データ収集・発信進部
5・・・受信用アンテナ
6・・・受信機
7・・・データ処理装置/処理用パソコン
8・・・データ出力手段/プリンタ
9・・・流体噴射手段/モニタ
10・・・噴射ロッド
41・・・電源部
42・・・送信用アンテナ
43・・・送信部
44・・・トルク計
Claims (3)
- 先端に削孔手段(3)を設けた削孔ロッド(2)を用いてガイドホール(h)を削孔する削孔工程と、
先端に流体噴射手段(9)を設けた噴射ロッド(10)をガイドホール(h)に挿入する工程と、
流体噴射手段(9)から半径方向外方へジェット(J)を噴射しつつ噴射ロッド(10)を回転し且つ引き上げる噴射工程とを有し、
前記削孔工程では、削孔手段(3)の深度と削孔手段(3)の回転数と削孔ロッド(2)の貫入速度を決定し且つ削孔トルクを計測し(S2)、削孔手段(3)の回転数と削孔ロッド(2)の貫入速度と削孔トルクから削孔手段の深度における地盤の硬さを決定し、以って、ガイドホールが削孔された箇所における削孔手段到達深度と到達深度における地盤の硬さとの関係を求め(S4)、
前記噴射工程では、噴射手段(9)の深度を決定し(S11)、削孔工程で求められた深度と到達深度における地盤の硬さとの関係から噴射手段(9)の深度における地盤の硬さを求め(S12)、地盤の硬さに基いて噴射手段(9)からのジェット(J)の噴射圧を決定し(S13A)、噴射手段(9)からのジェット(J)の噴射圧を決定された噴射圧に調節する(S14A、S15A)と共に、
スラリー中の固化材濃度を計測し(S21)、固化材濃度が許容下限値より薄い場合には固化材ジェットの噴射圧を減少し(S25A)、固化材濃度が許容下限値以上で且つ許容上限値以下の場合には固化材ジェットの噴射圧を維持し(S23A)、固化材濃度が許容上限値より濃い場合には固化材ジェットの噴射圧を増加する(S24A)制御を行うことを特徴とする地盤改良工法。 - 先端に削孔手段(3)を設けた削孔ロッド(2)を用いてガイドホール(h)を削孔する削孔工程と、
先端に流体噴射手段(9)を設けた噴射ロッド(10)をガイドホール(h)に挿入する工程と、
流体噴射手段(9)から半径方向外方へジェット(J)を噴射しつつ噴射ロッド(10)を回転し且つ引き上げる噴射工程とを有し、
前記削孔工程では、削孔手段(3)の深度と削孔手段(3)の回転数と削孔ロッド(2)の貫入速度を決定し且つ削孔トルクを計測し(S2)、削孔手段(3)の回転数と削孔ロッド(2)の貫入速度と削孔トルクから削孔手段の深度における地盤の硬さを決定し、以って、ガイドホールが削孔された箇所における削孔手段到達深度と到達深度における地盤の硬さとの関係を求め(S4)、
前記噴射工程では、噴射手段(9)の深度を決定し(S11)、削孔工程で求められた深度と到達深度における地盤の硬さとの関係から噴射手段(9)の深度における地盤の硬さを求め(S12)、地盤の硬さに基いて噴射手段(9)の回転数を決定し(S13)、噴射手段(9)の回転数を決定された回転数に調節する(S14、S15)と共に、
スラリー中の固化材濃度を計測し(S21)、固化材濃度が許容下限値より薄い場合には噴射手段(9)の回転速度を増加し(S25)、固化材濃度が許容下限値以上で且つ許容上限値以下の場合には噴射手段(9)の回転速度を維持し(S23)、固化材濃度が許容上限値より濃い場合には噴射手段(9)の回転速度を減少する(S24)制御を行うことを特徴とする地盤改良工法。 - 施工箇所近傍で調査ボーリングを行い、深度を決定しつつN値決定手段(114)により当該深度におけるN値を決定する調査ボーリング工程(S39)と、
調査ボーリング地点の近傍でガイドホール(h)を削孔して深度と掘削トルクを計測する工程(S40)と、
当該工程(S40)で計測された深度及び掘削トルクと調査ボーリング工程(S39)で決定された深度及びN値から、掘削トルクとN値との特性を決定する手段(116)を用いて、掘削トルクとN値との特性を求める工程(S41)と、
施工箇所で削孔ロッド(2)を用いてガイドホール(h)を削孔する削孔工程(S42)と、
該削孔工程(S42)の際にガイドホール(h)の深度と掘削トルクとの関係を記憶手段(112)に記憶する工程(S43)と、
調査ボーリングの際(S41)に決定した掘削トルクとN値との特性と、前記工程(S43)で記憶されたガイドホール(h)の深度と掘削トルクとの関係とに基づいて、特定の深度に対するN値を推定する工程(S44)と、
推定されたN値から、施工仕様に基づいて、当該深度における適正な流体噴射手段(9)からの固化材噴射量、噴射圧、流体噴射手段(9)の引き上げ速度を決定する工程(S45)と、
流体噴射手段(9)から半径方向外方へ固化材のジェット(J)を噴射しつつ噴射ロッド(10)を回転し且つ引き上げる噴射工程(S47)とを有し、
該噴射工程(S47)は、流体噴射手段(9)の深度に対応して前記工程(S43〜S45)で決定された流体噴射手段(9)からの固化材噴射量、噴射圧、流体噴射手段(9)の引き上げ速度で施工されることを特徴とする地盤改良工法。
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