JP4070790B2 - 地盤改良工法 - Google Patents

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Description

本発明は、改良するべき地盤中に固化材(例えば、セメントミルク)を噴射して円柱状の地中固結体を造成する地盤改良工法に関する。
地盤改良工法により造成される円柱状の地中固結体は、深度が異なってもその半径方向寸法が均一であることが好ましい。地盤改良工法では、地盤条件により標準設計有効径が決められているので、深度の如何に関わらず、半径方向寸法が標準設計有効径と等しい円柱状地中固結体は、高品質である。
ここで、地盤改良工法では、セメント系固化材を超高圧で噴射して現地盤を切削し、且つ混合・撹拌して地中に改良固結体を造成するために、固い地盤では切削径が小さくなり、従って固結体も小さくなる。
また、粘性土層においても、標準貫入試験値であるN値が大きくなると同時に、固結体が小さくなる。
反対に、軟らかい地盤においては、N値は小さくなって固結体は必要以上の大きなものとなってしまう。
しかし、従来、施工箇所或いはその近傍で施工に際して調査ボーリングを行わず、近隣の領域で過去の時点で行われた調査ボーリングのデータに基づいて、地盤改良工法を施工することがあった。そして、係る施工では、造成される地中固結体の品質が保証できない場合が存在した。
その他の従来技術としては、地盤改良用材料ジェットの噴射管周囲の地中に光ファイバーを垂直に建て込み、地盤改良用材料ジェットにより切断された光ファイバーの長さから地盤改良用材料が噴射されている深度をリアルタイムに検出する技術が提案されている(特許文献1参照)。
係る技術は有用なものであるが、光ファイバーを別途建て込むための労力、コストを必要とする。また、地盤改良用材料が噴射されている深度以外の情報を得ることが出来ないので、半径方向寸法が同一な高品質の地中固結体を造成する、という上述した要請に応えることは出来ない。
特開平5−239825号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、地中固結体を造成するのに必要な施工現場における地盤の情報を正確に且つ容易に取得し、以って、半径方向寸法が同一な高品質の地中固結体の造成を可能とする地盤改良工法の提供を目的としている。
本発明の地盤改良工法は、
先端に削孔手段(3)を設けた削孔ロッド(2)を用いてガイドホール(h)を削孔する削孔工程(図2)と、
先端に流体噴射手段(9)を設けた噴射ロッド(10)をガイドホール(h)に挿入する工程(図4)と、
流体噴射手段(9)から半径方向外方へジェット(J)を噴射しつつ噴射ロッド(10)を回転し且つ引き上げる噴射工程(図5)とを有し、
前記削孔工程(図2)では、削孔手段(3)の深度と削孔手段(3)の回転数と削孔ロッド(2)の貫入速度を決定し且つ削孔トルクを計測し(S2)、削孔手段(3)の回転数と削孔ロッド(2)の貫入速度と削孔トルクから削孔手段の深度における地盤の硬さを決定し、以って、ガイドホールが削孔された箇所における削孔手段到達深度と到達深度における地盤の硬さとの関係を求め(S4)、
前記噴射工程(図5)では、噴射手段(9)の深度を決定し(S11)、削孔工程で求められた深度と到達深度における地盤の硬さとの関係から噴射手段(9)の深度における地盤の硬さを求め(S12)、地盤の硬さに基いて噴射手段(9)からのジェット(J)の噴射圧を決定し(S13A)、噴射手段(9)からのジェット(J)の噴射圧を決定された噴射圧に調節する(S14A、S15A)と共に、
スラリー中の固化材濃度を計測し(S21)、固化材濃度が許容下限値より薄い場合には固化材ジェットの噴射圧を減少し(S25A)、固化材濃度が許容下限値以上で且つ許容上限値以下の場合には固化材ジェットの噴射圧を維持し(S23A)、固化材濃度が許容上限値より濃い場合には固化材ジェットの噴射圧を増加する(S24A)制御を行うことを特徴としている(請求項1)。
また、本発明の地盤改良工法は、
先端に削孔手段(3)を設けた削孔ロッド(2)を用いてガイドホール(h)を削孔する削孔工程と、
先端に流体噴射手段(9)を設けた噴射ロッド(10)をガイドホール(h)に挿入する工程と、
流体噴射手段(9)から半径方向外方へジェット(J)を噴射しつつ噴射ロッド(10)を回転し且つ引き上げる噴射工程とを有し、
前記削孔工程では、削孔手段(3)の深度と削孔手段(3)の回転数と削孔ロッド(2)の貫入速度を決定し且つ削孔トルクを計測し(S2)、削孔手段(3)の回転数と削孔ロッド(2)の貫入速度と削孔トルクから削孔手段の深度における地盤の硬さを決定し、以って、ガイドホールが削孔された箇所における削孔手段到達深度と到達深度における地盤の硬さとの関係を求め(S4)、
前記噴射工程では、噴射手段(9)の深度を決定し(S11)、削孔工程で求められた深度と到達深度における地盤の硬さとの関係から噴射手段(9)の深度における地盤の硬さを求め(S12)、地盤の硬さに基いて噴射手段(9)の回転数を決定し(S13)、噴射手段(9)の回転数を決定された回転数に調節する(S14、S15)と共に、
スラリー中の固化材濃度を計測し(S21)、固化材濃度が許容下限値より薄い場合には噴射手段(9)の回転速度を増加し(S25)、固化材濃度が許容下限値以上で且つ許容上限値以下の場合には噴射手段(9)の回転速度を維持し(S23)、固化材濃度が許容上限値より濃い場合には噴射手段(9)の回転速度を減少する(S24)制御を行うことを特徴としている(請求項2)。
さらに本発明の地盤改良工法は、
施工箇所近傍で調査ボーリングを行い、深度を決定しつつN値決定手段(114)により当該深度におけるN値を決定する調査ボーリング工程(S39)と、
調査ボーリング地点の近傍でガイドホール(h)を削孔して深度と掘削トルクを計測する工程(S40)と、
当該工程(S40)で計測された深度及び掘削トルクと調査ボーリング工程(S39)で決定された深度及びN値から、掘削トルクとN値との特性を決定する手段(116)を用いて、掘削トルクとN値との特性を求める工程(S41)と、
施工箇所で削孔ロッド(2)を用いてガイドホール(h)を削孔する削孔工程(S42)と、
該削孔工程(S42)の際にガイドホール(h)の深度と掘削トルクとの関係を記憶手段(112)に記憶する工程(S43)と、
調査ボーリングの際(S41)に決定した掘削トルクとN値との特性と、前記工程(S43)で記憶されたガイドホール(h)の深度と掘削トルクとの関係とに基づいて、特定の深度に対するN値を推定する工程(S44)と、
推定されたN値から、施工仕様に基づいて、当該深度における適正な流体噴射手段(9)からの固化材噴射量、噴射圧、流体噴射手段(9)の引き上げ速度を決定する工程(S45)と、
流体噴射手段(9)から半径方向外方へ固化材のジェット(J)を噴射しつつ噴射ロッド(10)を回転し且つ引き上げる噴射工程(S47)とを有し、
該噴射工程(S47)は、流体噴射手段(9)の深度に対応して前記工程(S43〜S45)で決定された流体噴射手段(9)からの固化材噴射量、噴射圧、流体噴射手段(9)の引き上げ速度で施工されることを特徴としている(請求項3)。
上述する構成を具備する本発明によれば、先ず、改良体を作る箇所(ジャストポイント)、すなわち、削孔ロッド(2)を用いてガイドホール(h)を削孔する際(削孔工程の際:図2)に、到達深度における地盤の硬さを決定し、半径方向外方へ固化材(例えばセメントミルク等のジェットJ)を噴射する(噴射工程:図5)に際しては、決定した地盤の硬さにあった施工仕様で施工する。具体的には、噴射ロッド(10)或いは噴射手段(モニタ9)の回転速度、固化材の噴射圧、固化材の噴射流量の何れかを制御して、固化材を噴射している。
すなわち、固化材ジェット(J)の地盤中における到達距離に支配的な要素である「地盤の硬さ」に対応して、固化材ジェット(J)の地盤中における到達距離が一定となる様に制御しているので、造成された地中固結体の径(改良径)を一定にすることが出来る。
噴射工程(図5)においては、噴射された固化材と削孔された土壌との混合物が、スラリーとしてガイドホール(h)を通って地上側へ排出される。
ここで、スラリー中の固化材濃度を計測し、固化材濃度が高い場合は、固化材の到達距離が標準設計有効径よりも短いと判断することが出来る。一方、固化材濃度が低い場合は、固化材の到達距離が標準設計有効径よりも長いと判断することが出来る。
この場合、スラリー中の固化材濃度は、スラリーが地中に存在する間に計測されるのが好ましい。ただし、スラリー中の固化材濃度を地上で計測することは可能である。
本発明において、噴射工程でスラリー中の固化材濃度を計測し、固化材濃度が高い場合には、ジェット到達距離を長くするための制御(噴射ロッド或いは噴射手段の回転速度を遅くし、固化材の噴射圧を増圧し、或いは、固化材の噴射流量を増加する何れかの制御)を行い、固化材濃度が低い場合には、ジェット到達距離を短くするための制御(噴射ロッド或いは噴射手段の回転速度を速くし、固化材の噴射圧を減圧し、或いは、固化材の噴射流量を減少する何れかの制御)を行えば(請求項5)、流体噴射手段(9)の深度とは無関係に、固化材ジェット(J)の到達距離が均一となるので、造成された円柱状地中固結体の半径方向寸法が均一となり、高品質の地中固結体が造成されるのである。
また、本発明において、予め施工ポイント近傍で行われる調査ボーリングの結果をも参照して、削孔工程で各深度におけるN値を推定し、推定されたN値から、既知の施工仕様により、当該深度における適正な固化材(例えばセメント)噴射量、噴射圧、(モニタ9或いは噴射ロッド10の)引き上げ速度を決定し、噴射工程では各深度毎に、決定された固化材(例えばセメント)噴射量、噴射圧、モニタ9(或いは噴射ロッド10)の引き上げ速度で施工すれば(請求項6)、施工ポイント近傍で予め行われる調査ボーリングの結果に基づいて、且つ、既存の施工実績に基づいて蓄積された既知の施工仕様に基づいて、適正な固化材(例えばセメント)噴射量、噴射圧、モニタ9(或いは噴射ロッド10)の引き上げ速度で施工することが出来る。
その結果、施工効率が向上し、造成された地中固結体の品質が維持されるのである。
以下、添付図面を参照して、本発明の地盤改良工法における実施形態について説明する。
先ず、図1〜図13を参照して、第1実施形態を説明する。
ここで、第1実施形態の説明に先立って、施工設備の概要について説明する。
図1において、施工エリアの地上側には、ガイドホールhを削孔する削孔ロッド2が据付けられた施工マシン1が配置されている。
削孔ロッド2の先端には削孔手段3が取り付けられており、削孔手段3の地上側には、データ収集・発信部4が設けられており、
削孔ロッド2におけるデータ収集・発信部4は、電源部41、送信用アンテナ42、送信部43、掘削トルク計測装置44を備えている。掘削トルク計測装置44は、ガイドホールhの削孔や調査ボーリングに際して、削孔ロッド2が受ける掘削トルク(抵抗トルク)を計測する様に構成されており、公知或いは市販のものを適用可能である。
図1において、掘削トルク計測装置44は、削孔ロッド2におけるデータ収集・発信部4が設けられているが、施工マシン1に設けても良い。
図示はしないが、削孔ロッド2を下降させる場合に、削孔手段3の深度が施工マシン1によって自動的に計測される。そして、その深度における削孔手段3の削孔トルクが掘削トルク計測装置44で計測され、送信部43から送信用アンテナ42を介して、電磁波で発信されるように構成されている。
また、深度の時間変化量として削孔手段3の降下速度のデータも、送信用アンテナ42を介して電磁波で発信される。
発信用アンテナ42から発信された電磁波は、地上に設置した受信用アンテナ5を介して受信機6で受信する様に構成されている。
受信機6で受信した計測データはデータ処理装置である解析用パソコン7に送られ、データ処理される。そして、前記トルク、削孔手段3の回転速度(或いは回転数)及び削孔手段3の貫入速度から、深度毎の地盤の硬さが演算され、解析用パソコン7に内蔵のデータベースに「深度」対「地盤の硬さ」の関係を示すマップとして記憶されていく。
解析用パソコン7には、データ出力手段であるプリンタ8が接続され、必要に応じて、各種データが出力されるように構成されている。
上述したように、図示の第1実施形態によれば、改良体を造成する箇所における各種数値(特性値)の計測結果より、(ジャストポイントで)地盤の硬さを決定することが出来る。そして、決定した地盤の硬さにあった施工仕様で施工することが出来るため、造成される地中固結体の径を概略同一にすることが出来る。
造成される地中固結体の径を概略同一にするにあたっては、具体的には、後述する噴射ロッド10の回転速度や、後述する流体噴射手段であるモニタ9の噴射圧を制御する。
上述した図1は、改良体を造成するにあたって、先ずガイドホールを削孔するが、そのガイドホール削孔時の装備について説明している。それと共に、施工領域の硬さ等について、削孔と同時に、ジャストポイントにて計測するための設備についても説明している。
次に、図2〜図6を参照して、本発明の地盤改良工法を、工程順に且つ各工程毎に説明する。
図2は、図1で説明した設備を用いてガイドホールhを削孔する工程を示している(削孔工程)。即ち、削孔ロッド2の先端に取り付けた削孔手段3で土壌Gを削孔し、ガイドホールhを削孔する。
図2の削孔工程は、所定の深さhb(図3参照)に掘り進むまで行われる。
図2の削孔工程の間は、データ発信部4のトルク計44で深度毎の削孔トルクが計測され、前述した方法によって地上の解析用パソコン7に当該データが送られ続けている。
そして、所定の深度hbまでガイドホールhが削孔されると、削孔ロッド2は地上側に引き上げられる(図3:削孔ロッド引き上げ工程)。
ここで、図7を参照して、図2の削孔工程において、地盤改良箇所のガイドホールhの削孔時に地盤の硬さを決定する作業の流れを説明する。
ステップS1では、ガイドホールhの削孔開始を待機している状態(S1が「NO」のループ)を示している。ガイドホールhの削孔を開始した場合には(ステップS1のYES)、所定の制御サイクル毎に(ステップS7参照)、削孔トルクも計測し、施工マシン1によって削孔箇所の深度を決定し、削孔ロッド2の削孔回転数を決定し、削孔ロッド2の貫入速度も決定する(ステップS2)。
次のステップS3では、深度と削孔ロッド2の回転数及び貫入速度とが、地盤の硬さの決定手段である解析用パソコン7へ出力されると共に、トルク計44で計測したトルク計測値が解析用パソコン7へ送信される。
そして、解析用パソコン7では前記データからその深度における地盤の硬さを求め、その求めた地盤の硬さを決定データとしてデータベースに記録しておく(ステップS4)。
ステップS5では、ガイドホールhの削孔が完了したか否かを判断して、ガイドホールhの削孔が完了したなら(ステップS5のYES)、ステップS6で削孔ロッド2を地上に引き上げて制御を終了する。
一方、削孔ロッドが未だ完了していないのであれば、ステップS7に進み、1制御サイクルの時間が経過したなら(ステップS7のYES)、ステップS2まで戻り、ステップS2以降の制御を繰り返す。
図4で示す工程では、削孔されたガイドホールhの底部hbに先端に流体噴射手段(モニタ:本明細書では、固化代噴射手段を「モニタ」と記載する)9を取り付けた噴射ロッド10を吊り降ろす。
ここで、モニタ9には、図示しない濃度計が設けられており、該濃度計により、スラリー中の固化材濃度を地中で計測できるように構成されている。モニタ9ではなくて、地上側にスラリー中の固化材濃度を計測する計測装置を設けることも可能である。但し、図9を参照して後述する理由により、濃度計がモニタ9に設けられているのが、造成される地中固結体の精度を向上するためには望ましい。
そして、図5の工程(噴射工程)では、モニタ9から固化材(例えばセメントミルク)の噴流(ジェットJ)を噴射し、矢印Rで示す様に噴射ロッド10を回転させつつ、矢印Uで示す様に図中上方に(地上側へ)引き揚げる。
すると土壌Gは、噴射された固化材ジェットJによって掘削或いは切削されると共に、噴射ロッド10を回転(R)することにより、撹拌されて固化材と原位置土壌とが混合される。そして、矢印Uで示す様に噴射ロッド10を地上側へ引き揚げることにより、噴射ロッド10の軸方向の所定の領域において、原位置土壌が掘削或いは切削され、且つ、固化材と混合されるのである。
掘削或いは切削され、且つ、固化材と混合される原位置土壌は、時間の経過と共に固化する。
図6は固化材の噴射が終わって地中固結体Kが完成した後、モニタ9を地上に引抜いた状態を示している。
なお、図5において明確には図示されていないが、モニタ9にはスラリー中のセメントミルク濃度を計測する濃度センサが設けられている。
図5において、決定された地盤の硬さ(図2及び図7参照)に基づいて、モニタ9の回転速度、モニタ9からの固結材(例えばセメントミルク)の噴射圧力、或いは、モニタ9からの固結材(例えばセメントミルク)の噴射流量の何れか制御している。
図8は、モニタ9の回転速度の制御を示したフローチャートである。
以下、図8に基づいて、モニタ9の回転速度を制御パラメータとした場合における地中固結体の造成制御方法について説明する。
ここで、地盤が硬い場合は、固結材のジェットが所定距離まで到達できるように、換言すれば固結材ジェットの到達距離を延長するように、モニタ9の回転速度を減少する制御を行う。
一方、地盤が軟らかい場合、固結材のジェットが所定距離を越えないように、すなわち固結材ジェットの到達距離を短縮するように、モニタ9の回転速度を増加する制御を行う。
図8のステップS11では、噴射手段(モニタ)9の深度を決定(確認)し、その深度における地盤の硬さを解析用パソコンのデータベースから読み込み(ステップS12)、地盤の硬さに基づいてモニタ9の回転速度を決定する(ステップS13)。
すなわち、ステップS13において、地盤が硬い場合は、噴射手段であるモニタ9の回転速度を減少させる。
一方、地盤が硬くない(軟らかい)場合は、噴射手段であるモニタ9の回転速度を増加させる。
次のステップS14では、決定されたモニタ9の回転速度が、実際の回転速度(現状の回転速度)と概略同一か否かを判断する。
ここで、「概略同一」とは、ステップS13で決定された回転速度の数値と実際の回転速度の数値(或いは現状の値)との偏差が、所定範囲内にあることを意味している。そして、所定範囲については、施工現場毎にケース・バイ・ケースで決定される。
決定された回転速度と、現状の回転速度とが概略同一であれば(ステップS14がYES)、ステップS16まで進み、一方、概略同一でなければ(ステップS13で決定された回転速度と現状の回転速度との差異が所定範囲を超えていれば)(ステップS14のNO)、ステップS15に進む。
ステップS15では、モニタ9の回転速度を、地盤の硬さに基づいて決定された数値(S13で決定された数値)に調節或いは制御する。そして、ステップS16に進む。
ステップS16は、モニタ9を回転しながら固化材を噴射して、且つ、地上側に引き上げて、地中固結体の造成を実行する(実施工)。そして、所定時間経過後(或いは、所定の制御タイミングにて)、ステップS17に進む。
ステップS17では、削孔が完了したか否かを判断しており、完了していれば(ステップS17がYES)、制御を終了する。削孔が完了していないのであれば(ステップS16がNO)、ステップS18で一制御サイクルあたりの時間が経過するまで待機してステップS11まで戻り、再びステップS11以降を繰り返す。
図8では、改良体を作る箇所(ジャストポイント)で地盤の硬さを測定し、測定した地盤の硬さに適合した噴射ロッドの回転速度となるように制御している。
すなわち、固化材ジェットJの地盤中における到達距離に支配的な要素である「地盤の硬さ」に対応して、固化材ジェットJの地盤中における到達距離が一定となる様に制御しているので、造成された地中固結体の径(改良径)を一定にすることが出来る。
図5で示す工程で実行される制御は、図8で説明した制御だけではなく、図8で説明した制御の裏側で、図9で説明する制御が行われる。
すなわち図9の制御方法では、スラリー中のセメント濃度によって切削・撹拌が適正に行われているか判断し、そのセメント濃度に対応して、モニタ9の回転速度を制御している。
図9の制御では、先ず、ステップS21において、スラリー中のセメント濃度を計測する。次のステップS22では、セメント濃度の計測値が許容範囲に入っているか否か、即ち、計測値が許容下限値以上で且つ許容上限値以下であるか否かを判断する。
セメント濃度の計測値が許容上限値よりも濃い場合には、土壌の切削量が少ないので、セメントミルクジェットJの土壌中の到達距離、すなわち地中固結体の径が、標準設計有効径よりも短くなっていることが分かる。従って、セメントミルクジェットJの到達距離(地中固結体の径)を長くするべく、噴射手段であるモニタ9の回転速度を減少する制御を行う必要がある。
一方、セメント濃度の計測値が許容下限値よりも薄い場合には、土壌の切削量が多いので、セメントミルクジェットJの土壌中の到達距離、すなわち地中固結体の径が、標準設計有効径よりも長いことが分かる。そのため、セメントミルクジェットJの到達距離(地中固結体の径)を短くするべく、噴射手段であるモニタ9の回転速度を増加する制御を行う必要がある。
スラリー中のセメント濃度が適性(許容下限値以上で且つ許容上限値以下)であれば、固化材噴流(J)が地盤中を所望の範囲まで到達しており、切削、撹拌が行われていると判断して、噴射手段であるモニタ9の回転速度を現状で維持するべく、ステップS23に進む。
セメント濃度が濃い(計測値が許容上限値を超えており、セメントミルクジェットJの到達距離が短過ぎる)場合は、所望の範囲よりも狭い領域しか、切削、撹拌で出来ていない。この場合はステップS24に進む。
セメント濃度が薄い(計測値が許容下限値未満であり、セメントミルクジェットJの到達距離が長過ぎる)場合は、所望の範囲よりも広い範囲が切削、撹拌されている。この場合はステップS25に進む。
ここで、図16を参照して、ステップS22におけるセメント濃度の許容下限値及び許容上限値、すなわちセメント濃度の適正な範囲について説明する。
図16の上段の表は砂地盤における地中固結体(改良体)の直径Φと、改良作業中のスラリーの比重を示しており、図16下段の表は、粘土地盤における地中固結体(改良体)の直径Φと、改良作業中のスラリーの比重を示している。
ここで、改良作業中のスラリーの比重は、セメント濃度に対応するパラメータである。
図16の上段の表及び下段の表から明らかな様に、スラリーの比重或いはセメント濃度は、地盤の種類と、要求される地中固結体(改良体)の直径Φとによって相違する。
地中固結体(改良体)の直径Φの許容誤差が±0.5mとすれば、砂地盤の場合におけるセメント濃度の適正な範囲は、図16の上段の表から、以下に述べる範囲となる。
すなわち、地中固結体(改良体)の目標とする直径が3.0mであれば、セメント濃度の適正な範囲は、スラリーの比重が1.66〜1.71となる範囲である。
地中固結体(改良体)の目標とする直径が3.5mであれば、セメント濃度の適正な範囲は、スラリーの比重が1.69〜1.72となる範囲である。
地中固結体(改良体)の目標とする直径が4.0mであれば、セメント濃度の適正な範囲は、スラリーの比重が1.71〜1.74となる範囲である。
地中固結体(改良体)の目標とする直径が4.5mであれば、セメント濃度の適正な範囲は、スラリーの比重が1.72〜1.75となる範囲である。
同じく、地中固結体(改良体)の直径Φの許容誤差が±0.5mとすれば、粘土地盤の場合におけるセメント濃度の適正な範囲は、図16の下段の表から、次の通りである。
地中固結体(改良体)の目標とする直径が3.0mであれば、セメント濃度の適正な範囲は、スラリーの比重が1.560〜1.575となる範囲である。
地中固結体(改良体)の目標とする直径が3.5mであれば、セメント濃度の適正な範囲は、スラリーの比重が1.570〜1.580となる範囲である。
地中固結体(改良体)の目標とする直径が4.0mであれば、セメント濃度の適正な範囲は、スラリーの比重が1.575〜1.580となる範囲である。
地中固結体(改良体)の目標とする直径が4.5mであれば、セメント濃度の適正な範囲は、スラリーの比重が1.580〜1.585となる範囲である。
図9のステップS22における許容下限値と許容上限値、或いは、セメント濃度の適正な範囲について、図16を参照して上述した数値については、後述する図11のステップS22、図13のステップS22についても、同一である。
ステップS23では、モニタ9の回転速度をそのまま維持してステップS26に進む。
ステップS24では、ジェット到達距離を長くするための制御、即ち、モニタ9の回転速度を減少させるように制御した後、ステップS26に進む。
ステップS25では、ジェット到達距離を短くするための制御、即ち、モニタ9の回転速度を増加させるように制御した後、ステップS26に進む。
ステップS26では噴射工程が完了したか否かを判断する。
噴射工程が完了していれば(ステップS26がYES)、そのまま制御を終了する。一方、未だ噴射工程が完了していないのであれば(ステップS26がNO)、一制御サイクルあたりの時間が経過するまで待機する(ステップS27がNOのループ)。
一制御サイクルあたりの時間が経過したなら(ステップS27がYES)、ステップS21まで戻り、再びステップS21以降を繰り返す。
図9で説明した制御の前提として、図5の噴射工程では、噴射された固化材と削孔された土壌との混合物が、スラリーとしてガイドホールhを通って地上側へ排出される。図9で説明した制御では、このスラリー中の固化材濃度を計測し、固化材濃度が高い場合は、所望の範囲よりも狭い領域しか、切削・撹拌で出来ていないと判断し、一方、固化材濃度が低い場合は、所望の範囲よりも広い範囲が切削・撹拌されていると判断する。
ここで、スラリー中のセメント濃度(固結材濃度)は、リアルタイムで計測しないと正確な数値は計測することが困難である。例えば、地上側に噴出したスラリーは、固結材濃度が異なる複数種類のスラリーが混合してしまっていることがあり得るからである。従って、図9で示す制御においては(図11で示す制御、図13で示す制御も含めて)、スラリー中のセメント濃度は、モニタ9(図4、図5参照)に設けられた図示しない濃度計で計測されることが好ましい。
図9では、噴射工程でスラリー中の固化材濃度を計測し、固化材濃度が高い場合には、ジェット到達距離を長くするための制御を行い、反対に固化材濃度が低い場合には、ジェット到達距離を短くするための制御を行っている。
このように制御することにより、モニタ9の深度が変化しても固化材ジェットJの到達距離が同一となるので、半径方向寸法が均一な高品質の地中固結体が造成可能となる。
ここで、図8、図9では、制御されるべきパラメータは噴射手段(モニタ9)の回転速度であったが、それ以外のパラメータを制御することも可能である。
例えば、図10、図11で示す制御では、モニタ9からの固化材(例えばセメントミルク)の噴射圧力を制御されるべきパラメータとして選定しており、図12、図13で示す制御では、或いは、モニタ9からの固結材(例えばセメントミルク)の噴射流量を制御されるべきパラメータとして選定している。
図10、図11で示す制御(以下、第1変形例と記載する)について説明する。
図10は、図8で示すフローチャートと概略同様であり、図10のステップS11、S12、S16〜S18は、図8と同様であり、図10のステップS13A〜S15Aは、図8のステップS13〜S15に対応する。
すなわち、図10においては、ステップS12で求められた地盤の硬さに基づいてモニタ9からの固化材の噴射圧を決定し(ステップS13A)、地盤が硬い場合は固結材の噴射圧を増加し、地盤が軟らかい場合は噴射圧を減少する。
次のステップS14Aでは、決定された噴射圧力が、実際の噴射圧力(現状の固化材噴射圧力)と概略同一か否かを判断し、決定された噴射圧力と現状の噴射圧力とが概略同一であれば(ステップS14AがYES)、ステップS16まで進み、一方、概略同一でなければ(ステップS13Aで決定された噴射圧力と現状の噴射圧力との差異が所定範囲を超えていれば)(ステップS14AのNO)、ステップS15Aに進む。
ステップS15Aでは、モニタ9からの固化材の噴射圧力を、地盤の硬さに基づいて決定された数値(S13Aで決定された数値)に調節或いは制御する。そして、ステップS16に進む。それ以降は図8と同様である。
図11は、図9で示すフローチャートと概略同様であり、図11のステップS21、S22、S26、S27は、図9と同様であり、図11のステップS23A〜S25Aは、図9のステップS23〜S25に対応する。
すなわち、図11において、ステップS22においてスラリー中のセメント濃度について判定し、スラリー中のセメント濃度が適性(許容下限値以上で且つ許容上限値以下)であれば、固化材噴流(J)が地盤中を所望の範囲まで到達していると判断して、ステップS23Aに進む。
セメント濃度が濃い(計測値が許容上限値を超えており、セメントミルクジェットJの到達距離が短過ぎる)場合は、固化材の到達距離が標準設計有効径よりも短か過ぎるいと判断して、ステップS24Aに進む。
セメント濃度が薄い(計測値が許容下限値未満であり、セメントミルクジェットJの到達距離が長過ぎる)場合は、固化材の到達距離が標準設計有効径よりも長過ぎると判断して、ステップS25Aに進む。
ステップS23Aでは、固化材噴射圧を現状通りに維持してステップS26に進む。
ステップS24Aでは、ジェット到達距離を長くするため、モニタ9からの固化材噴射圧を増加(昇圧)するように制御した後、ステップS26に進む。
ステップS25Aでは、ジェット到達距離を短くするための制御、モニタ9からの固化材噴射圧を減少(減圧)するように制御した後、ステップS26に進む。
ステップS26以降は、図9と同様である。
図10、図11の第1変形例のその他の構成及び作用効果については、図8、図9で示す制御と同様である。
次に、図12、図13で示す制御(以下、第2変形例と記載する)について説明する。
図12は、図8、図10のフローチャートと概略同様であり、図12のステップS11、S12、S16〜S18は、図8及び図10と同様であり、図12のステップS13B〜S15Bは、図8のステップS13〜S15及び図10のステップS13A〜S15Aに対応する。
図12においては、ステップS12で求められた地盤の硬さに基づいてモニタ9からの固化材の噴射流量を決定し(ステップS13B)、地盤が硬い場合は固結材噴射流量を増加し、地盤が軟らかい場合は固結材噴射流量を減少する。
次のステップS14Bでは、決定された固化材噴射流量が、実際の固化材噴射流量(現状の固化材噴射流量)と概略同一か否かを判断し、決定された回転速度と現状の回転速度とが概略同一であれば(ステップS14BがYES)、ステップS16まで進み、一方、概略同一でなければ(ステップS13Bで決定された固化材噴射流量と現状の固化材噴射流量との差異が所定範囲を超えていれば)(ステップS14BのNO)、ステップS15Bに進む。
ステップS15Bでは、モニタ9からの固化材噴射流量を、地盤の硬さに基づいて決定された数値(S13Bで決定された数値)に調節或いは制御する。そして、ステップS16に進む。それ以降は図8及び図10と同様である。
図13は、図9或いは図11で示すフローチャートと概略同様であり、図13のステップS21、S22、S26、S27は、図9及び図11と同様であり、図13のステップS23B〜S25Bは、図9のステップS23〜S25或いは図11のステップS23A〜S25Aに対応する。
図13において、ステップS22においてスラリー中のセメント濃度について判定し、スラリー中のセメント濃度が適性(許容下限値以上で且つ許容上限値以下)であれば、固化材噴流(J)が地盤中を所望の範囲まで到達していると判断して、ステップS23Bに進む。
セメント濃度が濃い(計測値が許容上限値を超えており、セメントミルクジェットJの到達距離が短過ぎる)場合は、固化材の到達距離が標準設計有効径よりも短か過ぎるいと判断して、ステップS24Bに進む。
セメント濃度が薄い(計測値が許容下限値未満であり、セメントミルクジェットJの到達距離が長過ぎる)場合は、固化材の到達距離が標準設計有効径よりも長過ぎると判断して、ステップS25Bに進む。
ステップS23Bでは、固化材の噴射流量を現状通りに維持してステップS26に進む。
ステップS24Bでは、ジェット到達距離を長くするため、モニタ9からの噴射流量を増加するように制御した後、ステップS26に進む。
ステップS25Bでは、ジェット到達距離を短くするための制御、モニタ9からの噴射流量を減少するように制御した後、ステップS26に進む。
ステップS26以降は、図9、図11と同様である。
図12、図13の第2変形例のその他の構成及び作用効果については、図8、図9で示す制御或いは第1変形例と同様である。
次に、図14、図15を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
図1〜図13の第1実施形態では、削孔工程の際に決定された地盤の硬さに基づいて、モニタ9の回転速度、固化材の噴射圧、固化材の噴射流量の何れか一つのパラメータを決定している。それに対して、図14、図15の第2実施形態では、予め施工領域の何れかで実行される調査ボーリングの結果をも参照して、削孔工程で各深度におけるN値(サンプルの土に重錘を落下させた際に、重錘が所定の寸法に貫入するのに必要な落下回数:地盤強度或いは土壌の硬さを表す数値)を推定し、推定されたN値から、既知の施工仕様により、当該深度における適正な固化材(例えばセメント)噴射量、噴射圧、モニタ9(或いは噴射ロッド10)の引き上げ速度を決定し、噴射工程では各深度ごとに、決定された固化材(例えばセメント)噴射量、噴射圧、モニタ9(或いは噴射ロッド10)の引き上げ速度で施工される。
第2実施形態において、調査ボーリングについては公知の態様で行われるので、図15のフローチャートで関連箇所を説明する他は、図示を省略する。
また、第2実施形態を施工する設備は、図14の制御機構に関連する部分を除くと図1で示すのと概略同様である。そして、削孔工程については、図14の制御機構に関連する内容を除くと図2で示すのと同様であり、噴射工程についても、図15のフローチャートに関連する内容を除けば、図5で示すのと同様である。
図14で示す第2実施形態を実行するための制御機構は全体が符号100で示されており、図1における解析用パソコン7で構成されるか、或いは、施工マシン1内部に設けられている。
制御機構100は、中央処理ユニット110(C.U.)と、データベース112(記憶装置)と、N値決定手段114と、掘削トルク−N値特性決定手段116と、N値推定手段118と、噴射量、噴射圧、引き上げ速度決定手段120とを備えている。
図15を参照して後述されるように、N値決定手段114では、調査ボーリングのデータにより或る深度に対するN値が求められる。求められたN値は、当該N値に相当する深度のデータと共に、掘削トルク−N値特性決定手段116に入力される。
掘削トルク−N値特性決定手段116には、N値決定手段114からの深度及びN値のデータに加えて、調査ボーリングを行った箇所近傍でガイドホールを掘削した際における深度及び当該深度における掘削トルクが入力される。それにより、掘削トルク−N値特性決定手段116では、掘削トルクとN値との対応関係或いは特性が決定される。
掘削トルク−N値特性決定手段116で求められた深度と掘削トルクとN値との対応関係或いは特性は、データベース112に送られて、記憶される。
N値推定手段118は、施工の際に、削孔工程の深度及び当該深度における掘削トルクが入力され、且つ、データベース112から掘削トルクとN値との対応関係が入力される。そして、削孔工程の各深度における掘削トルクから、前記対応関係に基づいて、その深度におけるN値を、推定値として決定する。換言すれば、N値推定手段118は、深度とN値との対応関係を決定するように機能する。
決定されたN値の推定値は、噴射量、噴射圧、引き上げ速度決定手段120に送られる。
噴射量、噴射圧、引き上げ速度決定手段120には、決定されたN値の推定値(深度とN値の推定値)が入力されるのに加えて、データベース112に記憶されている施工仕様が入力される。この施工仕様は、従来の施工データにより求められたものであり、施工領域におけるN値と、それに最適なセメント噴射量、噴射圧、モニタ9の引き上げ速度が定義されている。噴射量、噴射圧、引き上げ速度決定手段120は、或る深度におけるN値の推定値(以下、「推定N値」と記載する)と、施工仕様に基づいて、或る深度におけるセメント噴射量、噴射圧、モニタ9の引き上げ速度を決定し、そして、或る深度と、その深度におけるセメント噴射量、噴射圧、モニタ9の引き上げ速度との関係を決定するように構成されているのである。
当該深度とセメント噴射量、噴射圧、モニタ9の引き上げ速度との関係は、データベース112で記憶されると共に、必要に応じて、中央処理ユニット110に送られる。
次に、図15を主として参照しつつ、第2実施形態の施工手順について説明する。
先ず、第2実施形態に係る地盤改良工法を施工する施工領域の何れかにおいて、図示しない調査ボーリング用の機器を用いて調査ボーリング(詳細な図示は省略している)を行い、調査ボーリングを実施する際における深度と各深度におけるN値とを計測する(図15のステップS39)。
次に、調査ボーリングの施工箇所の近傍において、施工マシン1を用いてガイドホールを削孔する。当該ガイドホールの削孔に際しては、深度と当該深度における掘削トルク(施工マシン1により計測可能)とが計測される(ステップS40)。
そして、調査ボーリングを行っている際における(ステップS39)で求めた深度及びN値と、調査ボーリング箇所近傍で行われたガイドホール削孔(ステップS40)の際に求めた深度と掘削トルクとが、N値決定手段114に入力される。ここで、深度については共通しているので、ステップS39で求められたパラメータと、ステップS40で求められたパラメータとから、掘削トルク−N値特性決定手段116において、掘削トルクとN値との特性が決定され、データベース112に記憶される(ステップS41)。
掘削トルクとN値との特性が求まれば、ステップS42に進み、地盤改良工法を施工するべき地点で削孔工程を実行する(ステップS42)。ここで削孔工程については、図2を参照して説明した通りである。
削孔工程の実施の際には、深度と当該深度における掘削トルクとが施工マシン1で計測され、深度と掘削トルクとの関係がデータベース112に記憶される(ステップS43)。
或る深度における掘削トルクが決定すれば、N値推定手段118により、データベース112に記憶されている掘削トルクとN値との特性に基づいて、当該深度におけるN値が推定される(ステップS44)。
N値が推定されれば、過去の施工実績の蓄積から得られた施工仕様に基づいて、噴射量、噴射圧、引き上げ速度決定手段120により、後続する噴射工程における各深度毎に、セメント(固化材)の噴射量、噴射圧、モニタ9或いは噴射ロッド10の引き上げ速度の最適値が求められる。そして、決定された各深度毎の噴射量、噴射圧、引き上げ速度の最適値は、データベース112に記憶される(ステップS45)。
この様にして、各深度毎の噴射量、噴射圧、引き上げ速度が決定されたならば、図5で示す様な噴射工程が開始される(ステップS46)。
噴射工程では、各深度毎に、ステップS45で求められたセメント(固化材)の噴射量、噴射圧、モニタ9或いは噴射ロッド10の引き上げ速度の最適値となる様に、中央処理ユニット110により制御される(ステップS47)。そして、ステップS45で求められた噴射量、噴射圧、引き上げ速度となる様な制御(ステップS48がNOのループ)は、噴射工程が終了するまで(ステップS48がYES)続行される。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
例えば、図示の第1実施形態においては、自動制御の場合について説明されているが、オペレータによりマニュアルにて各種工程を実施することも可能である。
本発明の第1実施形態のガイドホール削孔工程における設備全体の構成を示したブロック図。 第1実施形態の地盤改良工法におけるガイドホール削孔を示す工程図。 第1実施形態の地盤改良工法におけるガイドホール完成後の削孔ロッドの撤去工程図。 第1実施形態の地盤改良工法において、ガイドホールへの噴射ロッドの建て込み工程図。 第1実施形態の地盤改良工法における固化材噴射工程図。 第1実施形態の地盤改良工法において、地中固結体の完成状態を示した図。 第1実施形態に係る地盤の硬さの算定に係る制御を示したフローチャート。 第1実施形態において、地盤の硬さに基づいてモニタ回転速度を制御する方法を説明するフローチャート。 第1実施形態において、スラリー中のセメント濃度によってモニタ回転速度を制御する方法を説明するフローチャート。 第1実施形態の第1変形例において、地盤の硬さによって固化材の噴射圧を制御する方法を説明するフローチャート。 第1変形例において、スラリー中のセメント濃度によって固化材の噴射圧を制御する方法を説明したフローチャート。 第1実施形態の第2変形例において、地盤の硬さによって固化材の噴射流量を制御する方法を説明するフローチャート。 第2変形例において、スラリー中のセメント濃度によって固化材の噴射流量を制御する方法を説明したフローチャート。 本発明の第2実施形態における制御機構を示すブロック図。 第2実施形態の手順を示すフローチャート。 土壌の質と、改良体の造成目標直径と、スラリーの比重との関係を表として示す図。
符号の説明
1・・・施工マシン
2・・・削孔ロッド
3・・・削孔手段
4・・・データ収集・発信進部
5・・・受信用アンテナ
6・・・受信機
7・・・データ処理装置/処理用パソコン
8・・・データ出力手段/プリンタ
9・・・流体噴射手段/モニタ
10・・・噴射ロッド
41・・・電源部
42・・・送信用アンテナ
43・・・送信部
44・・・トルク計

Claims (3)

  1. 先端に削孔手段(3)を設けた削孔ロッド(2)を用いてガイドホール(h)を削孔する削孔工程と、
    先端に流体噴射手段(9)を設けた噴射ロッド(10)をガイドホール(h)に挿入する工程と、
    流体噴射手段(9)から半径方向外方へジェット(J)を噴射しつつ噴射ロッド(10)を回転し且つ引き上げる噴射工程とを有し、
    前記削孔工程では、削孔手段(3)の深度と削孔手段(3)の回転数と削孔ロッド(2)の貫入速度を決定し且つ削孔トルクを計測し(S2)、削孔手段(3)の回転数と削孔ロッド(2)の貫入速度と削孔トルクから削孔手段の深度における地盤の硬さを決定し、以って、ガイドホールが削孔された箇所における削孔手段到達深度と到達深度における地盤の硬さとの関係を求め(S4)、
    前記噴射工程では、噴射手段(9)の深度を決定し(S11)、削孔工程で求められた深度と到達深度における地盤の硬さとの関係から噴射手段(9)の深度における地盤の硬さを求め(S12)、地盤の硬さに基いて噴射手段(9)からのジェット(J)の噴射圧を決定し(S13A)、噴射手段(9)からのジェット(J)の噴射圧を決定された噴射圧に調節する(S14A、S15A)と共に、
    スラリー中の固化材濃度を計測し(S21)、固化材濃度が許容下限値より薄い場合には固化材ジェットの噴射圧を減少し(S25A)、固化材濃度が許容下限値以上で且つ許容上限値以下の場合には固化材ジェットの噴射圧を維持し(S23A)、固化材濃度が許容上限値より濃い場合には固化材ジェットの噴射圧を増加する(S24A)制御を行うことを特徴とする地盤改良工法。
  2. 先端に削孔手段(3)を設けた削孔ロッド(2)を用いてガイドホール(h)を削孔する削孔工程と、
    先端に流体噴射手段(9)を設けた噴射ロッド(10)をガイドホール(h)に挿入する工程と、
    流体噴射手段(9)から半径方向外方へジェット(J)を噴射しつつ噴射ロッド(10)を回転し且つ引き上げる噴射工程とを有し、
    前記削孔工程では、削孔手段(3)の深度と削孔手段(3)の回転数と削孔ロッド(2)の貫入速度を決定し且つ削孔トルクを計測し(S2)、削孔手段(3)の回転数と削孔ロッド(2)の貫入速度と削孔トルクから削孔手段の深度における地盤の硬さを決定し、以って、ガイドホールが削孔された箇所における削孔手段到達深度と到達深度における地盤の硬さとの関係を求め(S4)、
    前記噴射工程では、噴射手段(9)の深度を決定し(S11)、削孔工程で求められた深度と到達深度における地盤の硬さとの関係から噴射手段(9)の深度における地盤の硬さを求め(S12)、地盤の硬さに基いて噴射手段(9)の回転数を決定し(S13)、噴射手段(9)の回転数を決定された回転数に調節する(S14、S15)と共に、
    スラリー中の固化材濃度を計測し(S21)、固化材濃度が許容下限値より薄い場合には噴射手段(9)の回転速度を増加し(S25)、固化材濃度が許容下限値以上で且つ許容上限値以下の場合には噴射手段(9)の回転速度を維持し(S23)、固化材濃度が許容上限値より濃い場合には噴射手段(9)の回転速度を減少する(S24)制御を行うことを特徴とする地盤改良工法。
  3. 施工箇所近傍で調査ボーリングを行い、深度を決定しつつN値決定手段(114)により当該深度におけるN値を決定する調査ボーリング工程(S39)と、
    調査ボーリング地点の近傍でガイドホール(h)を削孔して深度と掘削トルクを計測する工程(S40)と、
    当該工程(S40)で計測された深度及び掘削トルクと調査ボーリング工程(S39)で決定された深度及びN値から、掘削トルクとN値との特性を決定する手段(116)を用いて、掘削トルクとN値との特性を求める工程(S41)と、
    施工箇所で削孔ロッド(2)を用いてガイドホール(h)を削孔する削孔工程(S42)と、
    該削孔工程(S42)の際にガイドホール(h)の深度と掘削トルクとの関係を記憶手段(112)に記憶する工程(S43)と、
    調査ボーリングの際(S41)に決定した掘削トルクとN値との特性と、前記工程(S43)で記憶されたガイドホール(h)の深度と掘削トルクとの関係とに基づいて、特定の深度に対するN値を推定する工程(S44)と、
    推定されたN値から、施工仕様に基づいて、当該深度における適正な流体噴射手段(9)からの固化材噴射量、噴射圧、流体噴射手段(9)の引き上げ速度を決定する工程(S45)と、
    流体噴射手段(9)から半径方向外方へ固化材のジェット(J)を噴射しつつ噴射ロッド(10)を回転し且つ引き上げる噴射工程(S47)とを有し、
    該噴射工程(S47)は、流体噴射手段(9)の深度に対応して前記工程(S43〜S45)で決定された流体噴射手段(9)からの固化材噴射量、噴射圧、流体噴射手段(9)の引き上げ速度で施工されることを特徴とする地盤改良工法。
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