JP5755298B2 - 薬液注入工法 - Google Patents

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本発明は、地中に薬液を浸透注入する薬液注入工法に関する。詳しくは、内部が中空で、先端部に注入口が設けられた内管ロッドと、中空の内部に内管ロッドが挿入可能で、先端が開口した外管ロッドを用いて、地盤内に薬液を注入する薬液注入工法に関する。
従来、地中に薬液を浸透注入する薬液注入工法として、たとえば、薬液注入孔が形成されている外管と、外管に取り外し自在に内挿されている削孔用内管と、を有する二重管を、地盤に貫入させ、外管から削孔用内管を取り外し、外管に薬液注入用内管を挿入して、薬液注入用内管を移動させながら、薬液注入用内管から吐出された薬液を外管の薬液注入孔から対象地盤に注入する薬液注入工法が知られている(たとえば、特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、薬液注入用内管を移動させながら、薬液注入用内管から吐出された薬液を外管に設けられた薬液注入孔一箇所から対象地盤に注入するようにしているため、注入された薬液の地盤への受入面積が小さく、浸透効率が低く、薬液を注入するために多くの時間を要していた。
この問題点を解消させるため、外管と内管を同心状に配列した注入部材を備え、外管の外周面には、外管の内側と内管の外側とから形成される外管流路と連通した第一の環状スリット吐出口と、内管の内側に形成される内管流路と連通した複数個の第二の環状スリット吐出口とを、長手方向の任意の間隔で配設した注入管を用いたグラウト注入方法であって、注入管を用いて無水状態で改良対象地盤内の所定深度まで穿孔した後、複数個の第二の環状スリット吐出口から同時にグラウト剤を注入管の外周の全方位へ面状状態で吐出するグラウト注入方法が提案されている(たとえば、特許文献2)。この技術によれば、注入管に設けられた第一の環状スリット吐出口の外周の全方位にエアーカーテンが形成されているので、注入管に設けられた複数個の第二の環状スリット吐出口から吐出された薬液が注入管に設けられた第一の環状スリット吐出口の外周方向から上方に吐出しにくくなり、薬液の地上への漏出を効果的に防止することができるとともに、改良対象地盤への流体の受入面積が増加するため、改良対象地盤内への浸透速度が増大して、流体を改良対象地盤内に短時間で効率的に注入させることができるというものであった。
特開2004− 84363号公報 特開2008−169546号公報
特許文献2に記載された技術は、複数個の第二の環状スリット吐出口から同時にグラウト剤を注入管の外周の全方位へ面状状態で吐出することにより、特許文献1に記載された技術が有する問題点を解決することができるものであるが、特許文献2に記載された技術は、注入管に設けられた第一の環状スリット吐出口の外周の全方位にエアーカーテンを形成して薬液が地上へ漏出することを防止しながら、注入管に設けられた複数個の第二の環状スリット吐出口から同時にグラウト剤を注入管の外周の全方位へ面状状態で吐出しているため、エアーカーテンの位置を移動させることなく、第二の環状スリット吐出口からのグラウト剤の吐出位置を変えることができなかった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、パッカーの位置を移動させることなく、注入口から注入される緩結性薬液の注入位置を自由に変えることができるとともに、内管ロッドの内管注入口から注入される緩結性薬液が地上へ漏出することを効果的に防止することができる薬液注入工法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、 内部が中空で、先端部に注入口が設けられた内管ロッドと、中空の内部に内管ロッドが挿入可能で、先端が開口した外管ロッドを用いて、地盤内に薬液を注入する薬液注入工法であって、内管ロッドと外管ロッドからなる二重注入管を地盤内に挿入する注入管挿入工程と、地盤内の所定の位置において、内管ロッドの先端と外管ロッドの先端を略同一位置にした状態で、内管ロッドの内側に形成された内管通路と連通し内管ロッドの先端部に複数設けられた内管注入口から瞬結性薬液Aを注入するとともに、内管ロッドの外周面と外管ロッドの内周面とから形成された外管通路と連通し外管ロッドの先端部に設けられた開口部から瞬結性薬液Bを注入して、パッカーを形成するパッカー形成工程と、パッカー形成工程により瞬結性薬液が注入された位置において、内管ロッドを外管ロッドの軸方向の下方に移動してパッカーを貫通させて、内管ロッドの先端部を外管ロッドの外部に送り出す内管ロッド送出工程と、内管ロッド送出工程によりパッカーを貫通させて送り出された内管ロッドの先端部に複数設けられた内管注入口から緩結性薬液を注入する緩結性薬液注入工程とを有するものである。
本発明によれば、パッカー形成工程により瞬結性薬液が注入されパッカーが形成された位置で、内管ロッドを外管ロッドの軸方向の下方に移動してパッカーを貫通させて、内管ロッドの先端部を外管ロッドの外部に送り出して、内管ロッドの先端部に複数設けられた内管注入口から緩結性薬液が注入されるので、内管注入口から同時に緩結性薬液が注入される地盤の受入面積が増加し、地盤内への浸透速度を増大させることができるともに、瞬結性薬液により形成されたパッカーの位置を変えずに、内管ロッドの先端部を外管ロッドの外部に送り出すことにより、内管注入口から注入される緩結性薬液の注入位置を変えることができる。さらに、このパッカーにより、内管ロッドの内管注入口から注入される緩結性薬液が地上へ漏出することを効果的に防止することができる。
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係る薬液注入工法であって、内管ロッドの先端部に複数設けられた内管注入口は、内管ロッドが送り出される方向から見て、所定の間隔を隔ててそれぞれ設けられていることを特徴とするものである。
本発明によれば、内管ロッドの先端部の内管注入口が所定の間隔を隔てて設けられているので、内管ロッドから同時に注入される緩結性薬液を均等に地盤内に注入することができる。これにより、地盤内への浸透を効率よくすることができる。
本発明のうち第3の態様に係るものは、第1または第2の態様に係る薬液注入工法であって、内管ロッドの先端部に複数設けられた内管注入口は、内管ロッドの先端に配置されている内管注入口の口径のほうが大きいことを特徴とするものである。
複数設けられた注入口が同一の注入口であれば、先端にいくほど注入圧力が低くなるため内管ロッドの先端に設けられた注入口のほうが注入される薬液の量が少なくなるが、本発明によれば、内管ロッドの先端に配置されている内管注入口の口径のほうが大きくしているので、内管ロッドの先端のほうに設けられた内管注入口からの薬液の注入量を増やすことができる。これにより、たとえば、内管ロッドの先端部に複数設けられた内管注入口のすべての注入量を同じにすることができる。
本発明のうち第4の態様に係るものは、第1〜第3のいずれかの態様に係る薬液注入工法であって、緩結性薬液注入工程が行われた後に、内管ロッドを外管ロッドの内部に引き込み、内管ロッドおよび外管ロッドを地上方向に引き上げる注入管引上工程と、注入管引上工程により所定の長さ引き上げられた後に、再度、パッカー形成工程、内管ロッド送出工程、緩結性薬液注入工程を行うことを特徴とするものである。
本発明によれば、緩結性薬液注入工程が行われた後に、再度緩結性薬液注入工程が行われるので、内管ロッドと外管ロッドが挿入された挿入穴全体に薬液を注入することができる。
本発明のうち第5の態様に係るものは、第1の態様に係る薬液注入工法であって、パッカー形成工程が行われた後に、内管ロッド送出工程により、瞬結性薬液が注入された位置において、内管ロッドの先端部を外管ロッドの外部に送り出しながら、緩結性薬液注入工程により、内管ロッド送出工程により送り出された内管ロッドの先端部に複数設けられた内管注入口から緩結性薬液を注入することを特徴とするものである。
本発明によれば、瞬結性薬液が注入された位置において、内管ロッドの先端部を外管ロッドの外部に送り出しながら、内管ロッド送出工程により送り出された内管ロッドの先端部に複数設けられた内管注入口から緩結性薬液が注入されるので、連続的に大量の緩結性薬液を地盤内に注入することができる。
以上のように本発明の薬液注入工法によれば、パッカーの位置を移動させることなく、注入口から注入される緩結性薬液の注入位置を自由に変えることができるとともに、このパッカーにより、内管ロッドの内管注入口から注入される緩結性薬液が地上へ漏出することを効果的に防止することができる。
本発明の一実施形態における薬液注入工法に用いられる薬液注入システムを示す図である。 (a)同薬液注入工法に用いられる内管ロッドの側面図である。 (b)A−A断面を示す図である。 (c)B−B断面を示す図である。 (a)同薬液注入工法に用いられる外管ロッドの側面図である。 (b)C−C断面を示す図である。 (c)本発明の一実施形態における薬液注入工法に用いられる外管ロッドの下面図である。 (a) 同薬液注入工法に用いられる外管ロッドの内部に内管ロッドが挿入された状態の側面図である。 (b) D−D断面を示す図である。 (c) E−E断面を示す図である。 本発明の一実施形態における薬液注入工法の施工手順を示すフローチャートである。 (a) 外管ロッドにより掘削している状況を示す図である。 (b) 内管ロッドを外管ロッド内に挿入した状況を示す図である。 (c) 内管ロッドの先端付近および外管ロッドの先端付近にパッカーが形成された状況を示す図である。 (d) 内管ロッドの先端が外管ロッドの外部に送り出された状態を示す図である。 (e) 内管ロッドの内管注入口から緩結性薬液が地盤内に注入される状況を示す図である。 本発明の第2実施形態における薬液注入工法の施工手順を示すフローチャートである。 (a)本発明の第3実施形態における薬液注入工法に用いられる内管ロッドの側面図である。 (b)同内管ロッドの下面図を示す図である。 本発明の第3実施形態における薬液注入工法の施工手順を示すフローチャートである。 内管ロッドの注入口から緩結性薬液を注入しながら、所定の深さまで内管ロッドを送り出している状態を示す図である。
以下、本発明の薬液注入工法の一実施形態について図面を参照にしながら説明する。図1は、本発明の一実施形態における薬液注入工法に用いられる薬液注入システムである。
図1に示すように、作業機1は、内管ロッド2と外管ロッド3からなる二重注入管4を支持するとともに、内管ロッド2および外管ロッド3をそれぞれ上下動、回転および揺動させる機械である。具体的には、作業機1は、外管ロッド3を外管ロッド把持部5により把持(保持)し、内管ロッド2を内管ロッド把持部6により把持(保持)する。これにより、内管ロッド2、外管ロッド3は、個別に上下動のみならず回転、揺動することができる。なお、本実施形態では、内管ロッド把持部6を設けて説明したが、これに限らず、内管ロッド把持部6を設けず、後述する外管スイベル8bの内周で内管ロッド2を把持(保持)するようにしてもよい。また、図1に示す内管ロッド把持部6は後方にて、作業機1などにより支持されている。
内管ロッド2は、後述するように、内部が中空で先端部に内管注入口7が設けられている(図2参照)。外管ロッド3は、後述するように、内部が中空で、先端が開口している(図3参照)。これにより、外管ロッド3の内部に内管ロッド2を挿入することが可能となる。なお、本実施形態では、内管ロッド2の先端部に内管注入口7を設けたが、これに限らず、内管ロッド2の先端部ではない内管ロッド2の側面部に内管注入口7を設けてもよい。ここで、内管ロッド2の先端部とは、内管ロッド2の先端部分のことをいい、内管ロッド2の先端および内管ロッド2の先端付近の側面を含む意味である。
内管ロッド2および外管ロッド3の後端部には、それぞれスイベル8(内管スイベル8a、外管スイベル8b)が取り付けられている。なお、外管ロッド3で地盤を掘削する際には、外管ロッド3の内部に内管ロッド2を挿入しないで、外管ロッド3の上部に掘削用の掘削スイベルが取り付けて地盤を掘削するが、ここでは図を省略する。
スイベル8(内管スイベル8a、外管スイベル8b)は、瞬結性薬液の供給源(図示略)、緩結性薬液の供給源(図示略)、水の供給源(図示略)などからそれぞれ供給される瞬結性薬液、緩結性薬液、水の各供給管などと連結されるとともに、瞬結性薬液、緩結性薬液、水などを二重注入管4内に設けられた内管通路9、および外管通路10に供給するものである。このように、瞬結性薬液の供給源(図示略)、緩結性薬液の供給源(図示略)、水の供給源(図示略)からそれぞれ供給される瞬結性薬液(瞬結性薬液A、瞬結性薬液B)、緩結性薬液、水は、各供給源(図示略)→スイベル8→各通路を経て、内管ロッド2の先端部の内管注入口7、内管ロッド2と外管ロッド3により形成された開口部11から地盤内に注入される。なお、スイベル8に連結されている供給管の数は、それぞれ内管ロッド2の先端部の内管注入口7、内管ロッド2と外管ロッド3により形成された開口部11から注入される液体の数に対応して設けられている。また、掘削スイベル(図示略)は、水の供給源(図示略)から供給される水の供給管と連結されるとともに、水を外管ロッド3内部に供給するものである。ここで、瞬結性薬液A、瞬結性薬液Bは、後述するように、個々の薬液としては液体の状態であるが、瞬結性薬液Aと瞬結性薬液Bとが混合することにより、薬液が秒単位で固化する性質を有する。
このようにして、二重注入管4内を介して、内管ロッド2の先端部の内管注入口7、内管ロッド2と外管ロッド3により形成された開口部11から瞬結性薬液(瞬結性薬液A、瞬結性薬液B)、緩結性薬液、水などが地盤内に注入される。
次に、本発明の薬液注入工法に用いられる内管ロッドについて説明する。図2(a)は、本発明の一実施形態における薬液注入工法に用いられる内管ロッドの側面図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A断面を示す図であり、図2(c)は、図2(a)のB−B断面を示す図である。
図2に示すように、内管ロッド2は、内部が中空(外径約30mm)で断面が円形(ドーナツ形状)であり、先端部に内管注入口7(第一内管注入口7a〜第四内管注入口7d)が設けられている。
内管注入口7は、内管ロッド2の先端部に長手方向(内管ロッド2が送り出される方向)から見て、それぞれ所定の間隔を隔てて4つ設けられ(図2(a)参照)、一番上部に対角線上に設けられた2個の注入口からなる第一内管注入口7a(図2(b)参照)、その下部に第一内管注入口7aの位置から90度回転させた位置に設けられた2個の注入口ならなる第二内管注入口7b(図2(c)参照)、その下部に第一内管注入口7aと同じ位置に設けられた2個の注入口ならなる第三内管注入口7c(図2(b)参照)、その下部に第二内管注入口7bと同じ位置に設けられた2個の注入口ならなる第四内管注入口7d(図2(c)参照)がそれぞれ設けられている。なお、本実施形態では、内管注入口7を4個設けたが、これに限らず、内管注入口7を6個設けてもよく8個設けてもよく、内管注入口7を複数個設けるものであればよい。また、本実施形態の内管ロッド2は、先端がコーン状に尖がっている。これにより、内管ロッド2が地盤内に挿入されやすくなる。
内管注入口7は、内管ロッド2の先端に配置されている内管注入口7のほうが口径を大きくしている。すなわち、本実施形態では、第一内管注入口7a(口径小)→第二内管注入口7b→第三内管注入口7c→第四内管注入口7d(口径大)の順で注入口の口径を大きくしている。これにより、一般的には内管ロッド2の先端にいくほど注入圧力が低くなるので、注入口の大きさが同じであれば先端にいくほど注入口から注入される薬液の量が少なくなるが、本実施形態では、内管ロッド2の先端に配置されている内管注入口7の口径のほうが大きいので、内管ロッド2の先端のほうに設けられた内管注入口7から注入される薬液の量を増やすことができる。これにより、たとえば、内管ロッド2の先端に複数設けられた内管注入口7のすべての注入量を同じにすることもできる。
次に、本発明の薬液注入工法に用いられる外管ロッド3について説明する。図3(a)は、本発明の一実施形態における薬液注入工法に用いられる外管ロッドの側面図であり、図3(b)は、図3(a)のC−C断面を示す図であり、図3(c)は、本発明の一実施形態における薬液注入工法に用いられる外管ロッドの下面図である。
図3に示すように、外管ロッド3は、上述したように、内部が中空(外径約50mm)で断面が円形(ドーナツ形状(図3(b)参照))であり、先端が開口している(図3(c)参照)。そして、外管ロッド3の先端には、掘削刃12が設けられ、外管ロッド3ともに掘削刃13が回転することにより地中を掘削することができる。
次に、本発明の薬液注入工法に用いられる外管ロッド3の内部に内管ロッドが挿入された状態について説明する。ここで、図4(a)は、薬液注入工法に用いられる外管ロッドの内部に内管ロッドが挿入された状態の側面図であり、図4(b)は、図4(a)のD-D断面を示す図であり、図4(c)は、図4(a)のE−E断面を示す図である。
図4に示すように、外管ロッド3の先端の少し上部の位置に内管ロッド2に装着された内管誘導逆止弁13が設けられている(図4(a)および図4(b)参照)。この内管誘導逆止弁13は、外管ロッド3内に挿入された内管ロッド2が外管ロッド3の中央付近になるように誘導するとともに、流体(瞬結性薬液、水など)が外管ロッド3の先端方向から逆方向(G方向(図4(a)参照))へ流れようとするのを止めるための弁である。具体的には、内管誘導逆止弁13は、ゴムを材料として生成され、内径が内管ロッド2の外径より少さく、外径が内管ロッド2に装着した状態で外管ロッド3の内径と略同径の大きさで形成されている。そして、外径は上面部が少し狭くなったテーパ状で形成されている。このように、内管誘導逆止弁13の外周面がテーパ状になっているので、外管通路10を流れる液体は先端方向に流すことができるが、その逆は流れにくくなる。なお、本実施形態では、内管誘導逆止弁13により、内管ロッド2が外管ロッド3の中央付近に誘導するとしたが、これに限るものではなく、外管ロッド3の中空部(内部)の形状によって内管ロッド2を誘導する位置も異なる場合もある。このように、内管誘導逆止弁13を設けているため、内管ロッド2が外管ロッド3に挿入された状態では、その位置では内管ロッド2の中心と外管ロッド3の中心がほぼ同一となる(図4(b)参照)。
図4(a)に示すように、内管誘導逆止弁13の外管ロッド3の先端側の位置から外管ロッド3の先端までの距離(GS)より内管ロッド2の第一内管注入口7aから内管ロッド2の先端までの距離(TS)(第一内管注入口7aの外周の一番遠いところから内管ロッド2の先端までの距離)のほうを短くしている。これにより、内管ロッド2の先端と外管ロッド3の先端を略同一にした状態で、外管ロッド3の内周面と内管ロッド2の外周面により形成される外管通路10に瞬結性薬液Bを流すとともに、内管ロッド2内部の内管通路9に瞬結性薬液Aを流すことにより、外管通路10の瞬結性薬液Bと内管ロッド2の内管注入口7から注入された瞬結性薬液Aが内管誘導逆止弁13(外管ロッド3先端側の所)から外管ロッド3の先端までの間で混合し、その混合した混合流体が外管通路10の先端の開口部11から外部に放出される。さらに、本実施形態では、第一内管注入口7a〜第四内管注入口7dをそれぞれ互い違いに交互に設けているので、外管通路10の瞬結性薬液Bと内管ロッド2の内管注入口7から注入された瞬結性薬液Aが内管誘導逆止弁13(外管ロッド3先端側の所)から外管ロッド3の先端までの間でさらに混合しやすくなる。
次に、本発明の一実施形態における薬液注入工法による施工手順について図5および図6を用いて説明する。図5は、本発明の一実施形態における薬液注入工法の施工手順を示すフローチャートであり、図6(a)は、外管ロッドにより掘削している状況を示す図である。
まず、S1において、外管ロッド3をこれから掘削(薬液注入)しようとする位置に位置決めする。具体的には、外管ロッド3をクレーンで吊り下げ、外管ロッド3を作業機1の外管ロッド把持部5により把持させ、外管ロッド3をこれから掘削(薬液注入)するところに位置決めする。そして、外管ロッド3がこれから掘削する所定の位置に位置決めされると、S2に進む。なお、本実施形態では、外管ロッド3をクレーンで吊り下げて位置決めしたが、これに限らず、作業者により手動で外管ロッド3を作業機1の外管ロッド把持部5により把持させて位置決めしてもよい。
S2において、外管ロッド3を回転させながら地盤内を下方に掘削する。具体的には、水供給源(図示略)から掘削スイベル(図示略)を介し外管ロッド3の先端から水を放出させながら、作業機1の外管ロッド把持部5により外管ロッド3を回転し地盤内に移動させる。これにより、外管ロッド3の先端の掘削刃12により地盤内が掘削される。
S3において、外管ロッド3により地盤中の所望の深度まで掘削できたかが判断され、まだ所望の深度まで掘削されていない場合は「NO」と判断され、S2により、さらに外管ロッド3により掘削が行なわれる。そして、S3により、外管ロッド3により所望の深度まで掘削したと判断された場合は「YES」と判断され、掘削が完了したとして、S4に進む(図6(a)参照)。ここで、図6(a)は、外管ロッド3により掘削している状況を示す図である。
S4により、外管ロッド3内に内管ロッド2を挿入する(注入管挿入工程)。具体的には、内管ロッド2をクレーンで吊り下げ、内管ロッド2を外管ロッド3内に挿入する(図6(b)参照)。ここで、図6(b)は、内管ロッド2を外管ロッド3内に挿入した状況を示す図である。なお、本実施形態では、内管ロッド2をクレーンで吊り下げて外管ロッド3内に挿入したが、これに限らず、作業者により手動で内管ロッド2を外管ロッド3内に挿入してもよい。このようにして、内管ロッド2と外管ロッド3からなる二重注入管4が地盤内に挿入される。ここで、注入管挿入工程は、本実施形態のように、外管ロッド3で掘削し、その後に内管ロッド2を外管ロッド3内に挿入する場合のほか、まず地盤をボーリング装置(別部材)で掘削し、その掘削された穴に外管ロッド3と内管ロッド2を挿入する場合も含まれる。このS1からS4の処理により掘削工程が構成される。また、本実施形態では、まず、あらかじめ薬液を注入しようとする位置まで外管ロッド3にて掘削し、その後に外管ロッド3を少し上部に引き上げて、その少し引き上げられた後に内管ロッド2を外管ロッド3内に挿入しているが、これに限らず、あらかじめ薬液を注入しようとする位置まで外管ロッド3にて掘削し、外管ロッド3を上部に引き上げずに内管ロッド2を外管ロッド3内に挿入してもよい。
S5において、地盤内の所定の位置において、内管ロッド2の先端部と外管ロッド3の先端部を略同一位置にした状態で、内管ロッド2の内側に形成された内管通路9を介し内管ロッド2に設けられた内管注入口7から瞬結性薬液Aが注入されるとともに、内管ロッド2の外側と外管ロッド3の内側とから形成された外管通路10を介し外管ロッド3の先端に設けられた開口部11から瞬結性薬液Bが注入される(パッカー形成工程(図6(c)参照))。なお、地盤内の所定の位置は、外管ロッド3により掘削された穴内の所定の位置であり、本実施形態では、外管ロッド3により掘削された穴の一番深い位置から少し引き上げた位置である。ここで、図6(c)は、内管ロッド2の先端付近および外管ロッド3の先端付近にパッカーが形成された状況を示す図である。また、瞬結性薬液とは、秒単位で固化する薬液(ゲルタイムが秒単位)のことをいい、この瞬結性薬液Aと瞬結性薬液Bを混合することにより、薬液が秒単位で固化される。そして、この固化された薬液により、内管ロッド2の先端および外管ロッド3の先端やその周辺部がシールされ、パッカーが完成する。このパッカーにより、後述する内管ロッド2の内管注入口7から注入される薬液が地上へ漏出することを効果的に防止することができる。そして、S6に進む。
S6により、外管ロッド3を動かさずに、内管ロッド2の先端部を外管ロッド3の外部に送り出される(内管ロッド送出工程)。具体的には、パッカー形成工程により瞬結性薬液が注入された位置において、内管ロッド2によりパッカーを貫通させて、所定の深さまで内管ロッド2が外管ロッド3の外部に送り出される(図6(d)参照)。ここで、図6(d)は、内管ロッドの先端が外管ロッドの外部に送り出された状態を示す図である。なお、内管ロッド2が送り出される所定の深さは、内管ロッド2の内管注入口7から薬液を注入しようとする任意の深さであり、特に内管ロッド2のすべての内管注入口7が外管ロッド3の外部に送り出された深さにする好適である。そして、S7に進む。なお、本実施形態では、S4において、あらかじめ薬液を注入しようとする位置まで外管ロッド3にて掘削し、その後に外管ロッド3を少し上部に引き上げて、その少し引き上げられた位置でパッカーが形成し、内管ロッド2を外管ロッド3の外部に送り出している。このように外管ロッド3を少し引き上げて、その位置で内管ロッド2を外管ロッド3の外部に送り出しているので、既に外管ロッド3により掘削され地盤が緩んでいるところに内管ロッド2が送り出され、内管ロッド2を送り出しやすい。
S7において、内管ロッド送出工程により所定の深さまで送り出された内管ロッド2の内管注入口7から緩結性薬液が地盤内に注入される(緩結性薬液注入工程(図6(e)参照))。ここで、図6(e)は、内管ロッドの内管注入口から緩結性薬液が地盤内に注入される状況を示す図である。この緩結性薬液は、固化されるまで数十分以上要するので、4つの内管注入口7から注入された緩結性薬液は放射線状に浸透されながら球状に広がっていく。本実施形態では、内管ロッド2に設けられた内管注入口7は、所定の間隔を隔ててそれぞれ設けられているので、内管注入口7から同時に注入される緩結性薬液を均等に地盤内に注入することができる。また、本実施形態では、内管ロッド2の先端に配置されている内管注入口7の口径のほうが大きいので、内管ロッド2の先端に設けられた内管注入口7でも多くの薬液を注入することができる。そして、各内管注入口7から放射線状に浸透注入し球状に広がった緩結性薬液は数十分後に固化し、地盤を強化することができる。そして、S8に進む。
S8において、薬液注入が完了したかが判断される。そして、薬液注入が完了していない場合はS8で「NO」と判断され、S9により、内管ロッド2を外管ロッド3の内部に引き込み、内管ロッド2および外管ロッド3が地上方向に引き上げられる(注入管引上工程)。そして、薬液注入を行おうとする位置まで引き上げた後に、さらにS5→S6→S7の処理が行われる。S8により、薬液注入が完了した場合はS8で「YES」と判断され、薬液注入工程が終了する。このようにすることにより、内管ロッド2と外管ロッド3が挿入された挿入穴全体に薬液を注入することができる。なお、本実施形態では、内管ロッド2を外管ロッド3の内部に引き込んで、内管ロッド2および外管ロッド3を地上方向に引き上げたが、これに限らず、内管ロッド2および外管ロッド3を地上方向に引き上げた後に、内管ロッド2を外管ロッド3の内部に引き込むようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、パッカー形成工程によりパッカーが形成された位置において、内管ロッド2の先端部を外管ロッド3の外部に送り出し、内管ロッド2の先端部に複数設けられた内管注入口7から緩結性薬液が注入されるので、内管ロッド2から同時に緩結性薬液が注入される地盤の受入面積が増加し、地盤内への浸透速度を増大させることができ、また、瞬結性薬液により形成されたパッカーの位置を変えずに内管ロッド2の先端部が外管ロッド3の外部に送り出されるので、内管注入口7から注入される緩結性薬液の注入位置を変えることができ、たとえば、内管注入口7付近に岩や粘土などがあり薬液が注入しづらい場所であっても、内管注入口の位置を移動させることにより、薬液を効果的に注入浸透させることができる。
次に、本発明の薬液注入工法の第2実施形態について図面を参照にしながら説明する。ここで、本発明の第2実施形態と第1実施形態の異なるところは、第1実施形態では、緩結性薬液注入工程の後に、次に薬液注入を行おうとする位置まで内管ロッド2と外管ロッド3を引き上げ、その位置で再度パッカーを形成し(S5)、内管ロッド2を外管ロッド3の外部に送り出して(S6)、内管ロッド2の内管注入口7から緩結性薬液を地盤内に注入させたが、第2実施形態では、緩結性薬液注入工程の後に、外管ロッド3をそのままにして内管ロッド2のみ地上方向に引き上げ、次に薬液注入を行おうとする位置まで引き上げられた後に、内管ロッド2の内管注入口7から緩結性薬液を地盤内に注入させるようにしたところである。図7は、本発明の第2実施形態における薬液注入工法の施工手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態と同一構成のものについては、同一符号を用い、同一の作用効果を有するものとし説明は省略する。本実施形態では、第1実施形態と異なるところを中心に説明する。
S7において、所定の深さまで送り出された内管ロッド2の内管注入口7から緩結性薬液が地盤内に注入される(緩結性薬液注入工程)。そして、S82に進む。
S82において、薬液注入が完了したかが判断される。そして、薬液注入が完了していない場合はS82で「NO」と判断され、S92により、内管ロッド2が地上方向に引き上げられる(内管ロッド引上工程)。そして、次に薬液注入を行おうとする位置まで内管ロッド2が引き上げられた後にS7(緩結性薬液注入工程)の処理が行われる。S82により、薬液注入が完了した場合はS82で「YES」と判断され、薬液注入工程が終了する。このように、薬液が注入された後に、内管ロッド2を外管ロッド3方向に引き上げ、複数の内管注入口7から緩結性薬液が注入されるので、再度パッカーを形成することなく広範囲に薬液を注入することができる。これにより、一回形成したパッカーを用いて広範囲に緩結性薬液が注入され、地盤内への浸透速度を増大させることができるとともに、作業効率も向上させることができる。なお、本実施形態の内管ロッド引上工程は、緩結性薬液注入工程に含まれ、緩結性薬液注入工程の一部を構成するものである。
次に、本発明の薬液注入工法の第3実施形態について図面を参照にしながら説明する。ここで、本発明の第3実施形態と第1実施形態の異なるところは、第1実施形態では、緩結性薬液注入工程の後に、次に薬液注入を行おうとする位置まで内管ロッド2と外管ロッド3を引き上げ、その位置で再度パッカーを形成し(S5)、内管ロッド2を外管ロッド3の外部に送り出して(S6)、内管ロッド2の内管注入口7から緩結性薬液を地盤内に注入させたが、第3実施形態では、パッカーが形成された後に、緩結性薬液を注入しながら内管ロッド2により所定の深さまで地盤を掘削し、所定の深さまで掘削された後は、薬液を注入しながら内管ロッド2を地上方向に引き上げるようにしたところである。ここで、図8(a)は、本発明の第3実施形態における薬液注入工法に用いられる内管ロッドの側面図であり、図8(b)は、同内管ロッドの下面図を示す図である。
図8に示すように、本実施形態の薬液注入工程に用いられる内管ロッド2には、先端に先端内管注入口14が設けられている(図8(b)参照)。先端内管注入口14は、内管ロッド2内の内管通路9と連通され、先端内管注入口14からも内管注入口7と同様の液体が注入される(図8(a)参照)。また、第3実施形態では、内管ロッド2の先端部に先端掘削刃100が設けられている。この先端掘削刃100により、内管ロッド2により地盤を掘削しやすくしている(図8(a)参照)。なお、第一実施形態および第2実施形態では、先端内管注入口14および先端掘削刃100を設けない内管ロッド2を使用したが、これに限らず、第一実施形態および第2実施形態でも、第3実施形態同様、先端内管注入口14および先端掘削刃100、または先端内管注入口14と先端掘削刃100のいずれかを設けた内管ロッド2を用いてもよい。これにより、内管ロッド2を外管ロッド3の外部に送り出しやすくなる。
本発明の第3実施形態における薬液注入工法による施工手順について図9および図10を用いて説明する。図9は、本発明の第3実施形態における薬液注入工法の施工手順を示すフローチャートであり、図10は、内管ロッドの注入口から緩結性薬液を注入しながら、所定の深さまで内管ロッドを送り出している状態を示す図である。なお、第1実施形態と同一構成のものについては、同一符号を用い、同一の作用効果を有するものとし説明は省略する。本実施形態では、第1実施形態と異なるところを中心に説明する。
S4により、外管ロッド3内に内管ロッド2が挿入される(注入管挿入工程)。そして、S53に進む。
S53において、地盤内の所定の位置において、内管ロッド2の先端部と外管ロッド3の先端部を略同一位置にした状態で、内管ロッド2に設けられた内管注入口7および先端内管注入口14から瞬結性薬液Aが注入されるとともに、外管ロッド3の先端部に設けられた開口部11から瞬結性薬液Bが注入される(パッカー形成工程)。そして、S63に進む。
S63により、外管ロッド3を動かさずに、内管ロッド2の先端内管注入口14および内管注入口7から緩結性薬液を注入させながら、内管ロッド2の先端部を外管ロッド3の外部に送り出して、内管ロッド2により地盤が掘削される(内管ロッド送出工程、緩結性薬液注入工程)。具体的には、パッカー形成工程により瞬結性薬液が注入された位置において、内管ロッド2によりパッカーを貫通させて、内管ロッド2の先端内管注入口14および内管注入口7から緩結性薬液を注入させながら、所定の深さまで内管ロッド2が送り出される(図10参照)。このようにすることにより、内管ロッド2の先端内管注入口14から注入される緩結性薬液より地盤が掘削されやすくなり、また、地盤内の広範囲に亘って薬液を注入することができる。なお、本実施形態では、内管ロッド2を回転せずに内管ロッド2で掘削させたが、これに限らず、内管ロッド2を回転させながら内管ロッド2を下降させ地盤を掘削してもよい。このように、内管ロッド2を回転させながら内管ロッド2により掘削するようにすれば、周りの地盤が少し緩み薬液が浸透しやすくなり、また内管ロッド2によりさらに地盤が掘削されやすくなる。そして、S73に進む。また、第1実施形態および第2実施形態でも、内管ロッド2を回転せずに内管ロッド2を送り出したが、これに限らず、内管ロッド2を回転させながら内管ロッド2を送り出してもよい。このようにすることにより、周りの地盤が少し緩み薬液が浸透しやすくなり、また内管ロッド2が地盤内に送り出されやすくなる。
S73により、内管ロッド2が所定の深さまで送り出されたかが判断される。そして、所定の深さまで送り出されていない場合はNOと判断され、内管ロッド2が所定の深さまで送り出されるまでS73→S63→S73の処理が行われ、内管ロッド2が所定の深さまで送り出されると、S73によりYESと判断され、S83に進む。
S83において、内管ロッド下降薬液注入工程により所定の深さまで内管ロッド2が送りされると、内管ロッド2が外管ロッド3の内部に引き込まれる方向に内管ロッド2が引き上げられる(内管ロッド引上工程、緩結性薬液注入工程)。具体的には、外管ロッド3を動かさずに、内管ロッド2の先端内管注入口14および内管注入口7から緩結性薬液を注入させながら、内管ロッド2が引き上げられる。そして、S93に進む。
S93により、内管ロッド2の先端部が外管ロッド3の内部まで引き上げられたかが判断される。そして、外管ロッド3の内部まで引き上げられていない場合はNOと判断され、内管ロッド2が所定の深さまで送り出されるまでS93→S83→S93の処理が行われ、内管ロッド2が外管ロッド3の内部まで引き上げられると、S93によりYESと判断され、薬液注入処理が終了する。
このように、内管ロッド下降薬液注入工程により、内管ロッド2を下降させながら各注入口(内管注入口7および4つの内管注入口7)から緩結性薬液を注入させるともに、内管ロッド2を上昇させながら各注入口(内管注入口7および4つの内管注入口7)から緩結性薬液を注入させるので、大量の緩結性薬液を地盤内に注入することができる。これにより、各注入口から大量に地盤内に注入された緩結性薬液が数十分後に固化し、地盤内を強化することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される
次に、本発明の変形例について説明する。
(1) 本実施形態(第1実施形態〜第3実施形態)では、外管ロッド3および内管ロッド2を振動させずに地盤内に下降させたが、外管ロッド把持部5の上部に外管ロッド3を振動させる外管ロッド振動装置(図示略)を設け、また内管ロッド把持部6の上部に内管ロッド2を振動させる内管ロッド振動装置(図示略)を設けて、外管ロッド3および内管ロッド2をそれぞれ個別に振動させながら地盤内に下降させるようにしてもよい。このようにすることにより、たとえば、S2の処理では、外管ロッド3を振動させながら回転させるので、外管ロッド3により掘削されやすくなる。また、S6の処理においても、内管ロッド2を振動させながら外管ロッド3の外部に送り出されるので、周りの地盤が少し緩み薬液が浸透しやすくなり、また内管ロッド2が地盤内に送り出されやすくなる。さらに、S63の処理においても、内管ロッド2を振動させながら掘削されるので、周りの地盤が少し緩み薬液が浸透しやすくなり、内管ロッド2により地盤内を掘削されやすくなる。また、この外管ロッド振動装置(図示略)と内管ロッド振動装置(図示略)は、必ずしも両方設ける必要はなく、外管ロッド振動装置(図示略)のみ、または内管ロッド振動装置(図示略)のみ設けるようにしてもよいし、外管ロッド3と内管ロッド2を一つの振動装置で振動させるロッド振動装置(図示略)を設けるようにしてもよい。
(2) 本実施形態(第1実施形態〜第3実施形態)では、内管通路9に流れる液体、外管流路10に流れる液体の圧力を検出していないが、たとえば、液体(瞬結性薬液、緩結性薬液、水など)の供給ポンプのポンプ圧をポンプ圧検出手段により検出するようにしてもよい。このようにすることにより、ポンプ圧検出手段により検出されたポンプ圧が高い場合に、緩結性薬液を注入している内管ロッド2を上下に移動させて、内管注入口7の位置をずらすことができる。これにより、たとえば、内管注入口7の周辺が粘土層などの緩結性薬液が注入しにくい場所であっても、内管ロッド2を上下に移動させることにより、緩結性薬液が注入しやすい場所に内管注入口7を移動させることができる。
(3) 本実施形態(第1実施形態〜第3実施形態)では、中空円柱形状の外管ロッド3を用いたが、外管ロッド3を中空の円弧形状とし、内管ロッド2を外管ロッド3の曲がりに追従して変形可能な可撓性部材から構成させてもよい。このようにすることにより、薬液が注入されにくい場所でも、円弧形状の外管ロッド3の形を利用して薬液を注入することができる。
(4) 本実施形態では、地盤内鉛直方向に外管ロッド3および内管ロッド2を挿入させる態様について説明したが、これに限らず、水平方向や斜め方向に外管ロッド3および内管ロッド2を挿入するようにしてもよい。
1 作業機
2 内管ロッド
3 外管ロッド
4 二重注入管
5 外管ロッド把持部
6 内管ロッド把持部
7 内管注入口
7a 第一内管注入口
7b 第二内管注入口
7c 第三内管注入口
7d 第四内管注入口
8 スイベル
8a 内管スイベル
8b 外管スイベル
9 内管通路
10 外管通路
11 開口部
12 掘削刃
13 内管誘導逆止弁
14 先端内管注入口

Claims (5)

  1. 内部が中空で、先端部に注入口が設けられた内管ロッドと、中空の内部に前記内管ロッドが挿入可能で、先端が開口した外管ロッドを用いて、地盤内に薬液を注入する薬液注入工法であって、
    前記内管ロッドと前記外管ロッドからなる二重注入管を地盤内に挿入する注入管挿入工程と、
    地盤内の所定の位置において、前記内管ロッドの先端と前記外管ロッドの先端を略同一位置にした状態で、前記内管ロッドの内側に形成された内管通路と連通し該内管ロッドの先端部に複数設けられた内管注入口から瞬結性薬液Aを注入するとともに、前記内管ロッドの外周面と前記外管ロッドの内周面とから形成された外管通路と連通し前記外管ロッドの先端部に設けられた開口部から瞬結性薬液Bを注入して、パッカーを形成するパッカー形成工程と、
    該パッカー形成工程により瞬結性薬液が注入された位置において、前記内管ロッドを前記外管ロッドの軸方向の下方に移動して前記パッカーを貫通させて、前記内管ロッドの先端部を前記外管ロッドの外部に送り出す内管ロッド送出工程と、
    該内管ロッド送出工程により前記パッカーを貫通させて送り出された前記内管ロッドの先端部に複数設けられた前記内管注入口から緩結性薬液を注入する緩結性薬液注入工程と、
    を有する薬液注入工法
  2. 前記内管ロッドの先端部に複数設けられた前記内管注入口は、前記内管ロッドが送り出される方向から見て、それぞれ所定の間隔を隔てて設けられていることを特徴とする請求項1記載の薬液注入工法。
  3. 前記内管ロッドの先端に複数設けられた前記内管注入口は、該内管ロッドの先端に配置されている前記内管注入口の口径のほうが大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の薬液注入工法。
  4. 前記緩結性薬液注入工程が行われた後に、前記内管ロッドを前記外管ロッドの内部に引き込み、前記内管ロッドおよび前記外管ロッドを地上方向に引き上げる注入管引上工程と、
    前記注入管引上工程により所定の長さ引き上げられた後に、再度、前記パッカー形成工程、前記内管ロッド送出工程、前記緩結性薬液注入工程を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薬液注入工法。
  5. 前記パッカー形成工程が行われた後に、
    前記内管ロッド送出工程により、瞬結性薬液が注入された位置において、前記内管ロッドの先端部を前記外管ロッドの外部に送り出しながら、
    前記緩結性薬液注入工程により、前記内管ロッド送出工程により送り出された前記内管ロッドの先端部に複数設けられた前記内管注入口から緩結性薬液を注入することを特徴とする請求項1記載の薬液注入工法。
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