JP3749356B2 - レーザ加工機の加工ノズル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーザ加工機の加工ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザ加工機に採用されている二重ノズルとしては、図15または図18に示されている二重ノズルが知られている。すなわち、加工ヘッド101にはアウタノズル103とインナノズル105がそれぞれネジ部107,109を介して固定装着されて二重ノズル111は構成されている。
【0003】
また、インナノズル105は単一部材より削り出されて製作され、先端部に穴113が形成され、この穴113を通って集光されたレーザ光LBとアシストガスが噴射され切断加工が行なわれる。そこで、前記穴113の加工材料および切断方法により、その径を変えて対応するが、SS材(ステンレス)での厚板加工においては現在例えば3mmもしくは4mm径のものが使用されている。穴113により噴出するアシストガスの圧力分布は、図16,図17に示されているごとく、板厚tの薄い場合(図16参照)、穴113は径が小さく、分布範囲L,中心部の圧力ピーク値Hも小さくなる。厚板になるほどカーフを通って溶接金属を下面へ押し出すアシストガスの圧力は低下してしまうため、穴113の径を大きく(図17参照)して中心圧力Hを高くして対応している。
【0004】
また、図15に示される二重ノズルのインナノズル105およびアウタノズル103より噴出するガスはインナノズル105およびアウタノズル103をネジにより装着する加工ヘッド101の構造により同一種もしくは個別のガス類を流すことが可能であり圧力も個別に調整が可能である。図18に示された従来の二重ノズル111へ供給するアシストガスは独立した配管が接続されて、圧力および流量も個別に調整が可能なシステムとなっていることを示す。すなわち、別個のガスボンベより管路を介して噴出流路133,135へ連通している。なお、符号139は集光レンズである。
【0005】
また、二重ノズルは材質、板厚、加工方法により、特にノズル穴径の大きさで決定される。ノズルの穴径は切断加工を基準にして決定されるが、選定されたノズルでピアス加工および切断加工が行なわれる。なお、ピアス加工に合せてノズルの穴径を決定したり、また加工途中で穴径を変えることは現システムでは行なわれていない。
【0006】
また、レーザ切断において、厚板加工に対して単一穴ノズルならば穴径の大きい方が品質の高い切断面が得られるが、二重構造になつたノズルは、それよりも小さい穴径で高い品質の切断面が得られることより、アシストガスの噴射流量も少なくてすむことがわかっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のレーザ加工機の二重ノズルでは、図15および図18に示された二重ノズル111を構成するインナノズル105,アウタノズル103の小型化が難かしく、加工ヘッド101の構造が複雑化する。更に、Z軸倣い機能の並用が難かしく、インナノズル105とアウタノズル103の位置関係をネジ込み量にて調整する必要があるという問題があった。
【0008】
また、図16および図17に示されているごとく穴113の径を大きくすれば、圧力ピーク値Hが高くなると同時にガス分布範囲Lも広がってしまい、切断面の条痕が大きくなり、アシストガスの圧力を上げることができず下面の切断おくれが発生する。更に、不必要な範囲にまでアシストガスがかかり、バーニングが発生しやすくなり、切断速度も上げられないという問題があった。
【0009】
また、図18に示されたアシストガスは独立した配管が接続されているため、加工ヘッド101回りの配管が複雑化し、加工ヘッド101自体の構造も複雑で、インナノズル105とアウタノズル103の小型化と、静電容量式倣い機能の並用が困難となる。更に、インナノズル105とアウタノズル103はネジ部107,109とで加工ヘッド101へ取り付けるため、位置関係をジ込み量で調整する必要があるという問題があった。
【0010】
また、軟鋼厚板のピアス加工においては、パルス低出力でのピアス加工法では、小さい穴にはなるが加工時間がかかりすぎる。現在ではフルパワーにより一気に穴を開けてしまうピアス加工法があるが、切断加工に合わせせて設定されたノズル穴(例えば3mm穴)でCWピアス(連続ピアス)を行なうと、レンズがよごれやすくなり、ブローホールの径が大きくなり穴切断加工などて切断したい形状によっては使えない場合がある。また、生成されるスパッタ、火花が大量にでる等の問題点があった。
【0011】
この発明の目的は、Z軸倣い機能の有効化と二重ノズルの小型化と電気的導電性の安定化を図り、厚板切断の安定化と切断面の品質向上とアシストガスの流れの均一化を図ると共に、メンテナンス、段取り性の向上とコストの低減とピアス加工におけるピアス穴の穴径の小径化とアシストガスの消費流量の減少を図ったレーザ加工機の加工ノズルおよびアシストガス配分方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1によるこの発明のレーザ加工機の加工ノズルは、アウタノズルの軸中心を中心に形成した係合穴に対して、インナノズルを圧入あるいは溶接により一体化して二重ノズルを構成し、前記インナノズルの軸芯に平行にして外周に複数の平面もしくはミゾを有し、この平面もしくはミゾとアウタノズル内壁とのスキ間で形成されたバイパス用切欠部のアシストガス出口側と所定の距離を隔てて前記アウタノズルに突当面を形成してなることを特徴とするものである。
【0013】
したがって、インナノズルをアウタノズルに圧入あるいは溶接により一体化したことにより、ノズルの小型化と安定した電気導通性の確保ができ、安定したZ軸倣い機能が利用可能となる。また、バイパス用切欠部の出口は、ある一定の距離をおいてアウタノズルに形成した突当面と向き会う構造となっているので、バイパス用切欠を通ったガスは突当面に当り、内部にて撹拌されるので、ガスの流れを均一化することができ切断面品質の向上を図ることができる。
【0014】
また、請求項2によるこの発明のレーザ加工機の加工ノズルは、請求項1のレーザ加工機の加工ノズルにおいて、前記アウタノズルのアシストガス噴出口先端に対してインナノズルのアシストガス噴射出口を所定量引き込んだ位置に設けてなることを特徴とするものである。
【0015】
したがって、インナノズルの先端はアウタノズルの先端よりも引き込んだ位置になることにより、Z軸倣い機能の調整が安定して行えることになる。
【0016】
また、請求項3によるこの発明のレーザ加工機の加工ノズルは、アウタノズルの軸中心を中心に形成した係合穴に対してインナノズルを圧入あるいは溶接により一体化して設け、前記インナノズルの外周に1箇所または複数箇所に平面部もしくはスリット状のミゾを軸芯と同一方向へ設けてなることを特徴とするものである。
【0017】
したがって、インナノズルの外周に切欠面を軸芯と同一方向へ形成し、このインナノズルをアウタノズルに圧入あるいは溶接により一体化して二重ノズルを構成したので、アシストガスはインナノズルの中心穴と切欠面とアウタノズル内壁とによりできた流出口より分岐して噴出される。而して、中心圧力の高いアシストガスの噴流が得られ、品質の高い切断面が得られると共に電気導通性が確保される。
【0020】
請求項4によるこの発明のレーザ加工機の加工ノズルは、インナノズルを前記アウタノズルに上下方向へ移動自在に設け、このインナノズルを常時上方向へ付勢する弾機を設け、前記アウタノズルの上面に前記インナノズルの上方向への突出を止めるストッパプレートを設けると共に、前記アウタノズル内に前記インナノズルに形成したバイパス用の切欠またはスリット状のミゾより噴出するアシストガスを閉鎖可能なストッパリングを設けてなることを特徴とするものである。
【0021】
したがって、アウタノズル内にインナノズルを上下動自在に設け、インナノズルはアシストガスの圧力により上下に動作することにより、アシストガスのバイパス用の流路が閉鎖あるいは開放する。この結果、アシストガスの噴出口の径が変化し、ワークへ噴射されるアシストガスの面積が変化するので、ピアス加工時にアシストガスを高圧にすればインナノズルは押圧され、インナノズルの穴からのみアシストガスが噴射され、ワークに形成されるピアス穴は小さくなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、レーザ加工機は既に公知の構成のものであるため、図示と説明を省略する。
【0025】
まず、加工ヘッドについて概略的に説明する。図8を参照するに、レーザ加工機1に備えられた加工ヘッド3には集光レンズ5が設けられている。また、加工ヘッド3の側面にはアシストガスの供給口7が設けられ、この供給口7へ図示を省略したがアシストガス発生源より配管材を介してアシストガスが供給される。
【0026】
前記加工ヘッド3の先端(図8において下方)には、加工ノズルである二重ノズル9が設けられている。より詳細には、二重ノズル9は、アウタノズル11とインナノズル13とで構成され、アウタノズル11は前記加工ヘッド3へ螺着され、このアウタノズル11内へインナノズル13が圧入あるいは溶接で止められている。そして、インナノズル13の外周近傍には複数個のアシストガスのバイパス用切欠15が設けられている。なお、アシストガスの流れを図中に矢印で示してあり、符号17はアウタノズル11に設けたアシストガスの噴出口であり、符号19はインナノズル13は設けたアシストガス噴出口である。
【0027】
上記構成により、加工ヘッド3へ供給されたアシストガスは二重ノズル9を構成するインナノズル13の中心穴を通り、アシストガス噴出口19より噴出されると共に、バイパス用切欠15を通り噴出され、インナノズル13先端部にて合流した後アウタノズル11のアシストガス噴出口17よりワーク表面へ噴出する。
【0028】
次に、この発明の第1の実施の形態について詳細に説明する。
【0029】
図1を参照するに、図1(a)にはアウタノズルを、図1(b)にはインナノズルを、図1(c)には組立てた状態を示してある。アウタノズル11は、外周にネジ部21を備え、このネジ部21は加工ヘッド(図示省略)螺合されるものである。また、アウタノズル11の先端にはアシストガス噴出口17が形成され、係合穴23が軸芯を平行に形成されている。
【0030】
前記インナノズル13は、軸芯にテーパ穴25が形成され、このテーパ穴25の先端(図1(b)にて左側)にはアシストガス噴出口19が形成されている。そして、インナノズル13の外周近傍に複数個のアシストガスのバイパス用切欠15が軸芯と平行に形成されている。
【0031】
このインナノズル13をアウタノズル11に形成した係合穴23内へ圧入して、図1(c)に示されているごとく組立てられて二重ノズル9が形成されている。
【0032】
上記構成により、圧入によりアウタノズル11とインナノズル13は組み合わされて二重ノズル9が構成されているため、電気的な導通性において、単一素材より削り出されて製作されたノズルと同等となり、また小型化ができる。これにより、センサノズルとして使用が可能となり、Z軸倣い機能が利用可能となる。
【0033】
次に、この発明の第1の実施の形態の二重ノズルについて詳細に説明する。
【0034】
図2を参照するに、図2(a)には二重ノズルを示し、図2(b)はアシストガスの圧力分布を示す。
【0035】
アウタノズル11内へ圧入されたインナノズル13はインナノズル13のテーパ穴25とアウタノズル11のアシストガス噴出口17は、同芯の位置関係となり、且つ、インナノズル13の先端はアウタノズル11の先端(図2(a)において下端)より所定量ΔLだけ引き込んだ位置に設けてある。
【0036】
したがって、アシストガスの圧力分布は図2(b)に示されているごとく、中心部の圧力Pは高く分布範囲Hは同じピーク値を得る単一穴のノズルよりもせまくなる。なお、単一穴のノズルの圧力分布を破線で示す。
【0037】
これにより、ワークWの下面まで十分なアシストガスを供給するために、ノズル穴径を大きくするのではなく、バーニングすることなく、ガス圧力を上げることが可能となり、その結果、大気からの外乱がなくワークWの下面での切断遅れがなく、中心部圧力が高く外周部は低いため条痕が小さく切断面の品質が向上し、切断速度が上がる。
【0038】
次に、この発明の第2の実施の形態について詳細に説明する。
【0039】
図3を参照するに、図3(a)は二重ノズルを示し、図3(b),(c)はバイパス用切欠きの配置を示す。
【0040】
図3(a)を参照するに、アウタノズル11内へ圧入されたインナノズル13にはアシストガスのバイパスレベル用切欠き15が複数設けられている。このバイパス用切欠き15の出口はある一定の距離をおいてアウタノズル11に形成した垂直な突当面27に向き会っている。この場合バイパス用切欠き15を通ったアシストガスは、一度突当面27に当ることとなり突当面27の作る空間がチャンバーとなり、サージタンクの役目をすることで撹拌され流れのむらを無くすることができる。
【0041】
したがって、バイパス用切欠き15を通って流れたアシストガスは突当面27に当り均一な流れとなり、インナノズル13のアシストガス噴出口19からのガスと合流し、アウタノズル11のアシストガス噴出口17から噴出される。よって、噴出されるアシストガスのみだれはななくなり、切断面品質の向上を図ることができる。
【0042】
また、図3(b),図3(c)に示されているごとく、図3(b)はインナノズル13に設けたバイパス用切欠き15は1個設けた例で、図3(c)はバイパス用切欠き15は3個設けた例である。
【0043】
インナノズル13のアシストガス噴出口19からのガス噴出量と突当面27にて当ってアウタノズル11のアシストガス噴出口17へと流れるアシストガスの流量配分は、バイパス用切欠き15の大きさとその数によっても決定される。
【0044】
すなわち、図3(b)と図3(c)とのバイパス用切欠き15の数の異なりにより、アシストガスの圧力Pは図4および図5に示されているごとく変化する。図4には、図3(b)示された1個のバイパス用切欠き15が設けられた場合の圧力Pを示し、図5には、図3(c)に示された3個のバイパス用切欠き15が設けられた場合の圧力Pを示す。なお、図中破線で示す圧力は単一穴のノズルの圧力を示してある。
【0045】
したがって、バイパス用切欠き15の個数を変更することで、インナノズル13の穴入口面積との面積比を決定し、厚板加工に対して最適なガス圧力分布の流れを得るので、インナノズル13、アウタノズル11より噴出するガス制御、圧力コントロールを常に調整する必要がなく、メンテナンス、段取り性の向上が図られる。更に、二重ノズル9の構造を単純化、小型化ができ、配管等の減少を図ることができる。
【0046】
次に、この発明の第3の実施の形態について詳細に説明する。
【0047】
図6および図7を参照するに、図6(a)はアウタノズルを示し、図6(b)はインナノズルを示し、図7(a)はアシストガスのバイパス用切欠部を示し、図7(b)は二重ノズルを示す。
【0048】
図6(a)に示されているごとく、アウタノズル43の軸芯に係合穴45が形成され、この係合穴45の出側に突当面47が形成されていて、アウタノズル43の先端(図6(a)において左側)にはアシストガス噴出口17が形成されている。なお、図示を省略した加工ヘッドに螺着するネジ部21が形成されている。
【0049】
インナノズル49は、図6(b)および図7(a)に示されているごとく、中心部ににテーパ穴51が形成され、インナノズル49の先端(図6(b)において左側)にはアシストガス噴出口19が形成され、インナノズル49の外周複数箇所にスリット53が軸芯と平行に形成されている。
【0050】
上記アウタノズル43とインナノズル49とを組み合わせ二重ノズル9としたものが図7(b)に示されている。
【0051】
而して、二重ノズル9へ供給されるアシストガスをアシストガス噴出口17,19とバイパス用切欠であるスリット53より同時噴出させることができる。
【0052】
次に、この発明の第4の実施の形態について詳細に説明する。
【0053】
図9を参照するに、図9(a)は二重ノズルを示し、図9(b)はバイパス用切欠穴の配置を示す。
【0054】
二重ノズル9は、アウタノズル55内へインナノズル57が上下動自在に装着されている。より詳細には、アウタノズル55の軸芯に係合穴59が形成され、この係合穴59の下面にはストッパリンク61が立設され、アウタノズル55の下端(図9(a)において下側)にはアシストガス噴出口17が形成されている。
【0055】
前記係合穴59内へインナノズル57が上下動自在に装着され、このインナノズル57とアウタノズル55との間に弾機63が装着されインナノズル55は常時上方向へ付勢されていて、上昇限を一定とするストッパプレート65が前記アウタノズル55上部に固定されている。なお、インナノズル57の軸中心にはテーパ穴67が形成され、このテーパ穴67の先端にアシストガス噴出口19が形成されていて、ノズル57の外周近傍に複数個のバイパス用切欠き69が軸芯と平行して設けられている。
【0056】
上記構成により、その作用としては、二重ノズル9を加工ヘッド3(図示省略)へ装着し、切断加工およびピアス加工時のアシストガスの圧力設定によりインナノズル57の位置が変化する。
【0057】
すなわち、アシストガスの圧力Px が弾機63の弾撥力Pより低い時は、図10に示されているごとく、インナノズル57は弾機63の弾撥力により上方へ移動してストッパプレート65に当接し、インナノズル57に設けたバイパス用切欠69よりアシストガスはアウタノズル55のアシストガス噴出口17より噴射される。
【0058】
アシストガスの圧力Pが弾機63の弾撥力Px より高圧の時は、図11に示されているごとく、インナノズル57はアシストガスの圧力により下方へ押し下げられ、アウタノズル55に設けたストッパリンク61に当接する。この状態では、インナノズル57に設けたバイパス用切欠69はストッパリング61により閉じられることになり、その結果、アシストガスはインナノズル57に設けたアシストガス噴出口19のみより噴出することとなる。
【0059】
上述したごとく、アシストガスの噴出面積が変化することにより、ピアス加工時にはアシストガスの圧力Px を高圧にすれば、噴出穴径はインナノズル57のアシストガス噴出口19のみより噴出されるので、ピアス穴は小さくなる。
【0060】
次に、この発明の第5の実施の形態について詳細に説明する。
【0061】
図12,図13および図14を参照するに、図12(a)はアウタノズルを示し、図12(b)はインナノズルを示し、図12(c)はインナノズルに形成した切欠面を示す。また、図13(a)は組み合わせた状態を示し、図13(b)は図13(a)X矢視における断面を示し図14(a)はインナノズルの斜視図であり、図14(b)はアウタノズルの斜視図である。
【0062】
アウタノズル87には図示を省略したが加工ヘッドに螺着するためのネジ部21が形成され、アウタノズル87の軸芯に係合穴89が設けられ、係合穴89の先端は突当面91が形成されている。なお、アウタノズル87の先端(図12(a)において左側)にはアシストガス噴出口17が設けられている。
【0063】
前記係合穴89に圧入されるインナノズル93の軸芯にテーパ穴95が形成されていて、このテーパ穴95の先端(図12(b)において左側)にはアシストガス噴出口19が形成されている。また、インナノズル93の外周には1箇所あるいは複数箇所(本実施例で2箇所)に切欠面97が形成されている(図12(c)参照)。
【0064】
上記構成により、図13(a)に示されているごとく、アウタノズル87内へインナノズル93を圧入により一体的に組み合わせて二重ノズル9とすることでコンパクトなノズルとなり、インナノズル93に形成した切欠面97とアウタノズル87の内周面とに円弧と弦に囲まれた隙間が生じる(図13(b)参照)。
【0065】
これにより、アシストガスをインナノズル93にテーパ穴95と上記隙間のバイパス用の噴出切欠とに分岐して噴出可能とする。その結果、中心圧力の高いアシストガスの噴流が得られ、品質の高い切断面が得られる。また、一体化することでインナノズル93とアウタノズル87の電気的導通性が確保され、単一穴ノズルと同等にセンサノズルとして使用が可能となる。
【0066】
なお、この発明は前述した発明の実施の形態に限定することなく、適宜な変更を行なうことにより、その他の態様で実施し得るものである。例えば、ノズルの外周、あるいはアウタノズルの内周面に、スパイラル状の溝を設けることでも可能である。
【0067】
【発明の効果】
以上のごとく発明の実施の形態の説明より理解さされるように、請求項1によるこの発明によれば、インナノズルをアウタノズルに圧入あるいは溶接により一体化したことにより、ノズルの小型化と安定した導通の確保ができ、Z軸倣い機能が利用可能となる。また、バイパス用切欠部の出口は、ある一定の距離をおいてアウタノズルに形成した突当面と向き会う構造となっているので、バイパス用切欠を通ったガスは突当面に当り、内部にて撹拌されるので、ガスの流れを均一化することができ切断面品質の向上を図ることができる。
【0068】
請求項2によるこの発明によれば、インナノズルの先端はアウタノズルの先端よりも引き込んだ位置になり、厚板加工に適したアシストガスの圧力分布が得られ、この結果良好な切断面品質が得られると共に、切断速度の向上も可能となる。
【0069】
請求項3によるこの発明によれば、インナノズルの外周に切欠面を軸芯と同一方向へ形成し、このインナノズルをアウタノズルに圧入あるいは溶接により一体化して二重ノズルを構成したので、アシストガスはインナノズルの中心穴と切欠面によりできた流出口より分岐して噴出される。而して、中心圧力の高いアシストガスの噴流が得られ、品質の高切断面が得られると共に電気導通性が確保される。
【0071】
請求項4によるこの発明によれば、アウタノズル内にインナノズルを上下動自在に設け、インナノズルはアシストガスの圧力により上下に動作することにより、アシストガスのバイパス用の切欠が閉鎖あるいは開放する。この結果、アシストガスの噴出口の径が変化し、ワークへ噴射されるアシストガスの面積が変化するので、ピアス加工時にアシストガスを高圧にすればインナノズルは押圧され、インナノズルの穴からのみアシストガスが噴射され、ワークに形成されるピアス穴は小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の二重ノズルを示し、図1(a)はアウタノズルの断面図、図1(b)はインナノズルの断面図、図1(c)は二重ノズルの断面図である。
【図2】第1の実施の形態の二重ノズルを示し、図2(a)は二重ノズルの断面図、図2(b)は作用説明図である。
【図3】第2の実施の形態の二重ノズルを示し、図3(a)に二重ノズルの断面図、図3(b)はバイパス用切欠の配置図、図3(c)はバイパス用切欠の他の配置図である。
【図4】作用説明図である。
【図5】作用説明図である。
【図6】第3の実施の形態の二重ノズルを示し、図6(a)はアウタノズルの断面図、図6(b)はインナノズルの断面図である。
【図7】第3の実施の形態の二重ノズルを示し、図7(a)はインナノズルの側面図、図7(b)は二重ノズルの断面図である。
【図8】この発明を実施する一実施の形態である加工ヘッドの断面説明図である。
【図9】第4の実施の形態の二重ノズルを示し、図9(a)は二重ノズルの断面図、図11(b)は上面図である。
【図10】作用説明図である。
【図11】作用説明図である。
【図12】第5の実施の形態の二重ノズルを示し、図12(a)はアウタノズルの断面図、図12(b)はインナノズルの断面図、図12(c)は側面図である。
【図13】第5の実施の形態の二重ノズルを示し、図13(a)は二重ノズルの断面図、図13(b)は図13(a)におけるXVI(b)−XVI(b)線に沿った断面図である。
【図14】第5の実施の形態の二重ノズルを示し、図14(a)はインナノズルの斜視図、図14(b)はアウタノズルの斜視図である。
【図15】従来例を示し、二重ノズルの断面図である。
【図16】従来例の作用説明図である。
【図17】従来例の作用説明図である。
【図18】従来の二重ノズルへアシストガスを供給する配管説明図の一例である。
【符号の説明】
1 レーザ加工機
9 二重ノズル
11,43,55,87,103 アウタノズル
13,49,57,93,105 インナノズル
15,53,69,97 バイパス用切欠き部
17 アシストガス噴出口(アウタ側)
19 アシストガス噴出口(インナ側)
23,45,59,89 係合穴
27,47,91 突当面
53 スリット
61 ストッパリング
63 弾機
65 ストッパプレート
97 切欠面
Claims (4)
- アウタノズルの軸中心を中心に形成した係合穴に対してインナノズルを圧入あるいは溶接により一体化して二重ノズルを構成し、前記インナノズルの軸芯に平行にして外周に複数の平面もしくはミゾを有し、この平面もしくはミゾとアウタノズル内壁とのスキ間で形成されたバイパス用切欠部のアシストガス出口側と所定の距離を隔てて前記アウタノズルに突当面を形成してなることを特徴とするレーザ加工機の加工ノズル。
- 前記アウタノズルのアシストガス噴出口先端に対してインナノズルのアシストガス噴射出口を所定量引き込んだ位置に設けてなることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工機の加工ノズル。
- アウタノズルの軸中心を中心に形成した係合穴に対してインナノズルを圧入あるいは溶接により一体化して設け、前記インナノズルの軸芯に平行にして外周に1箇所または複数箇所に切欠面もしくはスリット状のミゾを設けてアウタノズルと組み合わせることによりバイパス路を形成してなることを特徴とするレーザ加工機の加工ノズル。
- アウタノズルの軸中心を中心に形成した係合穴に対して、アシストガスのバイパス用の切欠またはスリット状のミゾを複数外周に備えたインナノズルを前記アウタノズルに上下方向へ移動自在に設け、このインナノズルを常時上方向へ付勢する弾機を設け、前記アウタノズルの上面に前記インナノズルの上方向の突出を止めるストッパプレートを設けると共に、アウタノズル内に前記インナノズルに形成したバイパス用の切欠またはスリット状のミゾより噴出するアシストガスを閉鎖可能なストッパを設けてなることを特徴とするレーザ加工機の加工ノズル。
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