JP3747751B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、外光を利用する反射表示を行なう液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、表示の観察側である前側の透明基板とこの前側基板に対向する後側の透明基板との間に、これらの基板の内面にそれぞれ設けられた電極間に印加される電界に応じて透過光の偏光状態を制御する液晶層が設けられてなる液晶素子と、この液晶素子をはさんでその前側と後側とに配置された前後一対の偏光板(一方の偏光成分の光を透過させ、他方の偏光成分の光を吸収する吸収偏光板)とにより構成されている。
【0003】
この種の液晶表示装置としては、TN(ツイステッド・ネマティック)型のものが広く利用されており、このTN型液晶表示装置は、前記液晶素子の液晶層の液晶分子の無電界状態における配向状態をほぼ90°のツイスト角でツイスト配向とするとともに、前記一対の偏光板を、それぞれの透過軸を互いにほぼ平行にするか、あるいは互いにほぼ直交させて配置した構成となっている。
【0004】
ところで、液晶表示装置には、バックライトからの照明光を利用して透過表示を行なう透過型のものと、液晶表示装置の使用環境の光である外光を利用して反射表示を行なう反射型のものとがあるが、透過型の液晶表示装置は、バックライトの点灯に大きく電力を消費するため、省電力の面では、外光を利用して反射表示を行なう反射型のものが有利である。
【0005】
反射型の液晶表示装置は、従来、前記液晶素子の後側に配置された後側偏光板の後側に反射板(一般には拡散反射板)を配置した構成となっている。
【0006】
この反射型液晶表示装置は、表示の観察側である前側から入射する外光を、前記液晶素子の前側に配置された前側偏光板の偏光作用により直線偏光光として液晶素子に入射し、液晶層により偏光状態を制御されて前記液晶素子の後側に出射した光のうち、後側偏光板を透過した光を前記反射板により反射させ、その反射光を前記後側偏光板と液晶素子と前側偏光板とを透過させて前側に出射する。
【0007】
この光の出射は、前記液晶素子の液晶層に印加される電界(電極間に印加され電界)により制御され、例えばノーマリーブラックモードの液晶表示装置では、電界OFF時(電界が印加されずに液晶分子が初期のツイスト配向状態にあるとき)に、前側から入射した光が前記後側偏光板により吸収されてその領域の表示が暗表示となり、電界ON時(電界が印加されて液晶分子が基板面に対して立ち上がり配向したとき)に、前側から入射した光が前記反射板により反射されて前側に出射し、その領域の表示が明表示になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の反射型液晶表示装置は、前側から入射した外光が、前側偏光板によりその吸収軸に沿った偏光成分の光を吸収され、この前側偏光板の透過軸に沿った偏光成分の光だけが液晶素子に入射するため、入射した外光のうちのほぼ半分の光が無駄になる。
【0009】
そのため、従来の反射型液晶表示装置は、入射光の利用効率が悪く、したがって、反射板により反射されて前側に出射する光の強度が低くて、明表示が暗いという問題をもっている。
【0010】
この発明は、前側から入射する外光を高い効率で利用して明表示を明るくするとともに、良好なコントラストを得ることができる液晶表示装置を提供することを目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の液晶表示装置は、表示の観察側である前側の基板と、この前側基板に対向する後側基板との間に、印加される電界に応じて透過光の偏光状態を制御する液晶層が設けられてなる液晶素子と、前記液晶素子の前側に配置され、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を反射し、他方の偏光成分の光を透過させる反射偏光板と、前記反射偏光板の前側に配置された位相板からなり、前側から入射した光を透過させて前記反射偏光板に入射させ、前記反射偏光板により反射された前記一方の偏光成分の光の少なくとも一部をその偏光状態を変えて前記反射偏光板に再び入射させるとともに、後側から前記液晶素子および前記反射偏光板を透過してその前側に出射した光を透過させて前側に出射する光学素子と、前記液晶素子の後側に配置され、前記液晶素子を透過してその後側に出射した光の少なくとも一部を反射する後面部材とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
この液晶表示装置は、外光を利用する反射表示を行なうものであり、この液晶表示装置においては、表示の観察側である前側から入射した外光が、前記光学素子を透過して前記反射偏光板に入射し、その入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光が、この反射偏光板により反射され、他方の偏光成分の光が、この反射偏光板を透過して、直線偏光光となって液晶素子に入射する。
【0013】
前記反射偏光板により反射された前記一方の偏光成分の光は、前記光学素子にその後側から入射するとともに、この光学素子により偏光状態を変えられて前記反射偏光板に再び入射し、その光のうち、前記他方の偏光成分に偏光状態を変えた光が、この反射偏光板を透過して、直線偏光光となって前記液晶素子に入射する。
【0014】
そして、前記液晶素子に入射した光は、液晶層により偏光状態を制御されてこの液晶素子の後側に出射し、その光が前記後面部材に入射して、この後面部材により反射された光が、前記液晶素子に後側から再び入射し、この液晶素子と前記反射偏光板と光学素子とを透過して前側に出射する。
【0015】
この光の出射は、前記液晶素子の液晶層に印加される電界により制御され、例えばノーマリーブラックモードの液晶表示装置では、電界OFF時(電界が印加されずに液晶分子が初期のツイスト配向状態にあるとき)に、その領域の表示が暗表示となり、電界ON時(電界が印加されて液晶分子が基板面に対して立ち上がり配向したとき)に、前側から入射した光が前記後面部材により反射されて前側に出射し、その領域の表示が明表示になる。
【0016】
すなわち、この液晶表示装置は、液晶素子の前側に配置する偏光素子として反射偏光板を用いるとともに、この反射偏光板の前側に前記光学素子を配置することにより、前側から入射した外光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、前記反射偏光板を透過する偏光成分の光と、この反射偏光板により反射され、前記光学素子により偏光状態を変えられて再び前記反射偏光板に入射した光のうちのこの反射偏光板を透過する偏光成分の光との両方を、前記反射偏光板を透過させて液晶素子に入射させるようにしたものであり、したがって、前側から入射する外光を高い効率で利用して、明表示を明るくすることができる。
【0017】
しかも、この液晶表示装置においては、前記反射偏光板が、前側から入射した外光の互いに直交する2つの偏光成分のうちの一方の偏光成分の光を反射するが、その反射光は、上述したように前記光学素子により偏光状態を変えられて再び前記反射偏光板に入射し、その光のうちの他方の偏光成分に偏光状態を変えた光が液晶素子に入射するため、前記反射偏光板により反射された光が前記光学素子を透過して前側に出射する光漏れは少なく、したがって、前記光漏れによる暗表示の暗さ浮き上がりを抑え、良好なコントラストを得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明の液晶表示装置は、上記のように、液晶素子の前側に、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうちの一方の偏光成分の光を反射し、他方の偏光成分の光を透過させる反射偏光板を配置するとともに、この反射偏光板の前側に配置された位相板からなり、前側から入射した光を透過させて前記反射偏光板に入射し、前記反射偏光板により反射された前記一方の偏光成分の光の少なくとも一部をその偏光状態を変えて前記反射偏光板に再び入射するとともに、後側から前記液晶素子および前記反射偏光板を透過してその前側に出射した光を透過させて前側に出射する光学素子を配置し、前記液晶素子の後側に、前記液晶素子を透過してその後側に出射した光の少なくとも一部を反射する後面部材を配置することにより、前側から入射する外光を高い効率で利用して明表示を明るくするとともに、良好なコントラストを得るようにしたものである。
【0019】
この発明の液晶表示装置において、前記反射偏光板の前側に配置される光学素子は、透過する光の常光と異常光との間に位相差を与え、透過光の偏光状態を変化させる位相板が望ましく、さらに、この前記位相板は、透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与えるλ/4板が好ましい。
【0020】
前記λ/4板からなる位相板は、その遅相軸を、液晶素子の前側に配置された反射偏光板の反射軸および透過軸に対してほぼ45°の角度で交差させて配置するのが好ましい。
【0021】
また、この液晶表示装置において、前記液晶素子の前側に配置された反射偏光板は、その前面に、この反射偏光板により反射された前記一方の偏光成分の光を、前記反射偏光板の前側に配置された前記位相板に対し、この位相板により内面反射される入射角で入射させるための表面処理が施されたものが好ましい。
【0022】
さらに、前記反射偏光板は、その前面に、前記一方の偏光成分の光を拡散させて反射し、前記他方の偏光成分の光を拡散することなく透過させるための表面処理が施されたものが好ましい。
【0023】
また、この液晶表示装置においては、前記液晶素子の前側に配置された反射偏光板とこの反射偏光板の前側に配置された前記位相板との間に、透過光を所定の広がり角度範囲に拡散させる拡散層を設けてもよい。その場合、前記拡散層は、前記液晶素子の前側に配置された前記反射偏光板の法線に対して傾いた方向に指向性を有しているのが好ましい。
【0024】
さらに、この液晶表示装置においては、前記液晶素子とその前側に配置された前記反射偏光板との間に、透過光を拡散させる拡散手段を設けるのが望ましい。
【0025】
また、この液晶表示装置において、前記液晶素子の後側に配置された前記後面部材は、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を反射し、他方の偏光成分の光を吸収するものが好ましい。
【0026】
このような後面部材は、例えば、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を反射し、他方の偏光成分の光を透過させる反射偏光板と、この反射偏光板の後側に設けられた光吸収手段とにより構成すればよい。
【0027】
この後面部材は、液晶素子の後面に対向する第1の反射偏光板と、その後側に配置された第2の反射偏光板とを備え、前記第1の反射偏光板と第2の反射偏光板との間に透過光を拡散させる拡散層を設け、前記第2の反射偏光板の後側に光吸収手段を設けた構成のものがより好ましい。
【0028】
その場合、前記光吸収手段は、光吸収膜でも、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を透過させ、他方の偏光成分の光を吸収する吸収偏光板でも、あるいは、所定の波長帯域の光を吸収する着色膜でもよい。
【0029】
また、前記後面部材は、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を透過させ、他方の偏光成分の光を吸収する吸収偏光板と、この吸収偏光板の後側に設けられた反射板とにより構成してもよい。
【0030】
また、この液晶表示装置においては、前記液晶素子と前記後面部材との間に、透過光を拡散させる拡散手段を設けるのが望ましい。
【0031】
さらに、前記液晶素子とその前側に配置された前記反射偏光板との間に設ける前記拡散手段と、前記液晶素子と前記後面部材との間に設ける前記拡散手段の一方または両方は、液晶素子の前側に配置された反射偏光板の法線に沿った方向に指向性を有しているのが好ましく、望ましくは、一方の面に微小なレンズが配列形成されたレンズフィルムが好ましい。
【0032】
また、この液晶表示装置においては、前記後面部材として、拡散反射性を有するものを用いてもよい。
【0033】
さらに、この液晶表示装置において、前記液晶素子が単純マトリックス液晶素子である場合、前記液晶素子の液晶分子のツイスト角は、約100°にするのが望ましい。
【0034】
その場合、前記液晶素子の液晶の複屈折性Δnと液晶層厚dとの積Δndの値は、115nm〜130nmの範囲が好ましい。
【0035】
【実施例】
図1〜図6はこの発明の第1の実施例を示しており、図1は液晶表示装置の分解斜視図である。
【0036】
この実施例の液晶表示装置は、液晶素子1と、この液晶素子1の前側に配置された反射偏光板10と、前記反射偏光板10の前側に配置された光学素子12と、前記液晶素子1の後側に配置された後面部材13とを備えている。
【0037】
図2は前記液晶素子1の一部分の拡大断面図であり、この液晶素子1は、表示の観察側である前側の透明基板2と、この前側基板2に対向する後側の透明基板3との間に、これらの基板2,3の内面にそれぞれ設けられた透明電極4,5の間に印加される電界に応じて透過光の偏光状態を制御する液晶層9が設けられた構成のものである。
【0038】
この液晶素子1は、例えばアクティブマトリックス液晶素子であり、前後一対の基板2,3のうちの後側基板3の内面に設けられた電極5は、行方向および列方向にマトリックス状に配列する複数の画素電極、前側基板2の内面に設けられた電極4は、前記複数の画素電極5に対向する一枚膜状の対向電極である。
【0039】
なお、図2では省略しているが、前記後側基板3の内面には、前記複数の画素電極5にそれぞれ接続された複数のTFT(薄膜トランジスタ)と、各行のTFTにそれぞれゲート信号を供給するための複数のゲート配線と、各列のTFTにそれぞれデータ信号を供給するための複数のデータ配線とが設けられている。
【0040】
さらに、この液晶素子1の前側基板2の内面には、前記複数の画素電極5と前記対向電極4とが互いに対向する複数の画素領域にそれぞれ対応させて、複数の色、例えば赤、緑、青の3色のカラーフィルタ6R,6G,6Bが設けられており、前記対向電極4は、前記カラーフィルタ6R,6G,6Bの上に形成されている。
【0041】
そして、前記前側基板2と後側基板3は、その周縁部において図示しない枠状のシール材を介して接合されており、これらの基板2,3間の前記シール材により囲まれた領域に液晶層9が設けられている。
【0042】
この液晶層9の液晶分子は、前記一対の基板2,3の内面に前記電極4,5を覆って設けられた配向膜7,8によりそれぞれの基板2,3の近傍における配向方向を規制され、一対の基板2,3間において所定の初期配向状態に配向している。
【0043】
前記液晶素子1の前側に配置された反射偏光板10は、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を反射し、他方の偏光成分の光を透過させる特性を有している。
【0044】
この反射偏光板10は、ポリエチレン・ナフタレート共重合体等からなる等方性薄膜(光学的に等方性の薄膜)と異方性薄膜(光学的に異方性の薄膜)とを、多数層、全ての異方性薄膜の屈折率が最大となる方向を同じにして交互に積層した多層フィルムからなっている。
【0045】
すなわち、この反射偏光板10は、前記異方性薄膜の屈折率が前記等方性薄膜の屈折率と異なる方向に反射軸10sをもち、前記異方性薄膜の屈折率が前記等方性薄膜の屈折率と同じである方向(反射軸10sに対して直交する方向)に透過軸10pをもっており、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、前記反射軸10sに沿った振動面を有する偏光成分の光を、多数枚交互に積層された等方性薄膜と異方性薄膜とのそれぞれの界面で反射し、前記透過軸10pに沿った振動面を有する偏光成分の光を、前記界面で反射することなく透過させる。
【0046】
なお、この反射偏光板10は、その前側からの入射光に対しても、後側からの入射光に対しても同じ特性を示し、入射光が含む互いに直交する2つの偏光成分のうち、前記反射軸10sに沿った一方の偏光成分の光を反射し、前記透過軸10pに沿った他方の偏光成分の光を透過させる。
【0047】
また、前記反射偏光板10の前側に配置された光学素子12は、前側から入射した光を透過させて前記反射偏光板10に入射し、前記反射偏光板10により反射された前記一方の偏光成分(反射軸10sに沿った偏光成分)の光をその偏光状態を変えて前記反射偏光板10に再び入射するとともに、後側から前記液晶素子1および前記反射偏光板10を透過してその前側に出射した光を透過させて前側に出射する特性を有している。
【0048】
この光学素子12は、例えば、透過する光の常光と異常光との間に位相差を与え、透過光の偏光状態を変化させる位相板であり(以下、光学素子12を位相板と言う)、前記反射偏光板10により反射されて前記位相板12にその後側から入射した前記一方の偏光成分の光のうち、前記位相板12の前面と外気である空気層との界面に対して全反射角で入射した光が、この位相板12により内面反射され、前記一方の偏光成分に対して直交する偏光成分の光またはその偏光成分を含む偏光状態の光となって前記反射偏光板10に再び入射する。
【0049】
この実施例で用いた位相板12は、前記反射偏光板の透過軸10pと平行な方向の屈折率が、前記反射偏光板の透過軸10p方向の屈折率と実質的に等しいか、あるいは、前記反射偏光板の透過軸10p方向の屈折率の差が前記反射偏光板の異方性薄膜の屈折の異方性の値より小さく設定されており、その法線に沿った方向に透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与えるλ/4板であり、その後側から入射した直線偏光光(反射偏光板10により反射された一方の偏光成分の光)を、この位相板12の前面に向かって透過する間に円偏光に変え、さらに、その前面と外気である空気層との界面で内面反射された光を、この位相板12をその後面に向かって透過する間に、前記後側から入射した直線偏光光に対して振動面がほぼ90°変化した偏光状態の直線偏光光に変えて後側に出射する。
【0050】
すなわち、このλ/4板からなる位相板12は、その後面から入射し、前面と外気である空気層との界面で内面反射されて再び後面に出射する光に対し、λ/2板と同じ光学作用を示す。
【0051】
なお、前記位相板12にその後側から入射する光は、前側から様々な入射角で入射し、前記位相板12を透過して前記反射偏光板10により反射された光であるが、その光のうち、前記位相板12の前面と外気である空気層との界面に対して全反射角で入射した光が内面反射されて位相板12の後側に出射するから、この位相板12の後側に出射する光は、前記反射偏光板10により反射された前記一方の偏光成分に対して直交する偏光成分の光である。
【0052】
一方、前記液晶素子1の後側に配置された後面部材13は、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を反射し、他方の偏光成分の光を吸収するものであり、この実施例で用いた後面部材13は、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を反射し、他方の偏光成分の光を透過させる反射偏光板(以下、後側反射偏光板と言う)14と、この後側反射偏光板14の後側に配置された光吸収手段15とにより構成されている。
【0053】
前記後側反射偏光板14は、前記液晶素子1の前側に配置された反射偏光板(以下、前側反射偏光板と言う)10と同様な構成の多層フィルムからなっており、その異方性薄膜の屈折率が等方性薄膜の屈折率と異なる方向に反射軸14sをもち、前記異方性薄膜の屈折率が前記等方性薄膜の屈折率と同じである方向(反射軸14sに対して直交する方向)に透過軸14pをもっており、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、前記反射軸14sに沿った振動面を有する偏光成分の光を反射し、前記透過軸14pに沿った振動面を有する偏光成分の光を透過させる。
【0054】
また、前記光吸収手段15は、可視光帯域のほとんどの波長光を吸収する黒色の光吸収層からなっており(以下、光吸収手段15を光吸収層と言う)、この光吸収層15は、前記後側反射偏光板14の後面に対向させて配置されるか、あるいは、後側反射偏光板14の後面に塗布されている。
【0055】
この実施例の液晶表示装置は、ノーマリーブラックモードのTN(ツイステッド・ネマティック)型液晶表示装置であり、前記液晶素子1の液晶層9は、カイラル剤を添加した誘電異方性が正のネマティック液晶からなっており、その液晶分子は、一対の基板2,3間においてほぼ90°のツイスト角でツイスト配向し、また、前記前側反射偏光板10と前記後側反射偏光板14は、それぞれの反射軸10s,14s同士および透過軸10p,14p同士を互いにほぼ直交させて配置されている。
【0056】
すなわち、図1において、矢印2a,3aは、前記液晶素子1の前側基板2および後側基板3の近傍における液晶分子の配向方向(配向膜7,8の配向処理方向)を示しており、この液晶素子1の液晶層9の液晶分子は、前側基板2の近傍と後側基板3の近傍において互いにほぼ90°ずれた方向に配向し、これらの基板2,3間において、図に破線矢印で示したようにほぼ90°のツイスト角でツイスト配向している。
【0057】
そして、前側反射偏光板10は、図1のように、その透過軸10pを前記液晶素子1の前側基板2の近傍における液晶分子配向方向2aとほぼ平行にするか、あるいはほぼ直交させて配置されており、また後側反射偏光板14は、その反射軸14sを前側反射偏光板10の反射軸10sとほぼ直交させ、透過軸14pを前側反射偏光板10の透過軸10pとほぼ直交させて配置されている。
【0058】
また、前記前側反射偏光板10の前側に配置された前記位相板12は、図1のように、その遅相軸12aを、前記前側反射偏光板10の反射軸10sおよび透過軸10pの両方に対してほぼ45°の角度で交差させて配置されている。
【0059】
一方、前記前側反射偏光板10の前面には、図1および図6に示したように、前記前側反射偏光板10により反射された光を、この反射偏光板10の前側に配置された前記位相板12に対し、この位相板12により内面反射される入射角で入射させるための表面処理が施されている。なお、前記後面部材13を構成する後側反射偏光板14は、前記表面処理が施されていない通常の反射偏光板である。
【0060】
図3および図4はそれぞれ前記表面処理が施された前側反射偏光板10の表面粗さを示す図、図5は表面処理が施されていない後側反射偏光板14の表面粗さを示す図であり、各図において、(a)は、反射軸に沿った断面の表面粗さを示し、(b)は透過軸に沿った断面の表面粗さを示している。
【0061】
なお、この図3〜図5は、いずれも、反射偏光板の前面の任意の領域を、探針により反射軸方向および透過軸方向にそれぞれ1秒/μmの速度で走査し、その走査中の前記探針の上下方向への変位量を測定した結果を示しており、各図において、縦軸にとった表面粗さの正の値は、前記探針の初期高さに対する上方への変位量を示し、負の値は、前記探針の初期高さに対する下方への変位量を示している。
【0062】
図3および図4に示したように、前記前側反射偏光板10は、その前面が、微小な凹凸が反射軸方向および透過軸方向に繰り返し連続し、しかも、反射軸に沿った方向の凹凸の周期が、透過軸に沿った方向の凹凸の周期よりもはるかに大きい凹凸面となっている。
【0063】
すなわち、前記前側反射偏光板10の前面は、図1および図6のように、透過軸10pに沿った溝が反射軸10s方向に周期的に形成され、これらの溝の間の凸部にそれぞれ、反射軸10sに沿った筋状溝が、前記透過軸10pに沿った溝のピッチよりも十分小さいピッチで透過軸10p方向(前記凸部の長さ方向)に周期的に形成された凹凸面11となっている。図1では便宜上、前側反射偏光板10の前面の凹凸面11を網目状に示している。
【0064】
なお、図3は、前面を凹凸の強い(凹凸面の高低差が大きい)凹凸面とする表面処理を施した前側反射偏光板10の表面粗さを示し、図4は、前面を凹凸の弱い(凹凸面の高低差が小さい)凹凸面とする表面処理を施した前側反射偏光板10の表面粗さを示しているが、いずれの表面処理を施した前側反射偏光板10も、その反射軸10sに沿った一方の偏光成分の光を、その前面の凹凸面により、前記位相板12に対し、この位相板12により内面反射される入射角で入射させる。
【0065】
そして、前記前側反射偏光板10の前面には、図6に示したように、前記位相板12が、透明な接着層16により接着されている。この接着層16は、前記反射偏光板10の透過軸10p方向の屈折率と実質的に等しいか、あるいは、前記反射偏光板10の透過軸10p方向の屈折率の差が前記反射偏光板10の異方性薄膜の屈折の異方性の値より小さい値の屈折率を有する光学的接着剤からなっている。
【0066】
そのため、前記前側反射偏光板10は、この反射偏光板10により反射された一方の偏光成分、つまり反射軸10sに沿った偏光成分の光を、その前面の凹凸面11により、前記位相板12に対し、この位相板12により内面反射される入射角で入射させるとともに、前記反射軸10sに沿った一方の偏光成分の光を拡散させて反射し、透過軸10pに沿った他方の偏光成分の光を拡散することなく透過させる。
【0067】
前記前側反射偏光板10は、図6のように、透明な接着層17により前記液晶素子1の前面(前側基板2の外面)に接着されている。なお、この接着層17は、前記反射偏光板10と位相板12とを接着している前記接着層16と同様な屈折率を有する光学的接着剤により形成するのが好ましい。
【0068】
一方、図5に示したように、表面処理を施さない通常の反射偏光板からなる後側反射偏光板14は、その表面の凹凸が極く小さく、表面全体がほぼ平坦になっている。
【0069】
この後側反射偏光板14は、反射軸14sに沿った一方の偏光成分の光を、あまり拡散させずに反射するとともに、透過軸14pに沿った他方の偏光成分の光を、拡散することなく透過させる。
【0070】
また、前記液晶素子1と前記後面部材13との間(液晶素子1と後側反射偏光板14との間)には、図1および図6に示したように、透過光を拡散させる拡散手段18が設けられている。
【0071】
この拡散手段18は、光拡散粒子を混入した接着層からなっており、前記後側反射偏光板14は、前記拡散手段18を形成する粒子混入接着層により前記液晶素子1の後面(後側基板3の外面)に接着されている。
【0072】
なお、この拡散手段14は、ヘイズ値が約30で、また、前記液晶素子1の前側に配置された前側反射偏光板10の法線に沿った方向(より好ましくは、前記法線を中心としてほぼ30°の角度範囲の方向)に光を拡散する指向性を有しているのが望ましい。
【0073】
この液晶表示装置は、外光を利用する反射表示を行なうものであり、表示の観察側である前側から入射した外光の反射光の出射を、前記液晶素子1の液晶層9に印加される電界(電極4,5間に印加される電界)により制御して表示する。
【0074】
図6は、上記液晶表示装置の光の透過経路を示す模式図であり、(a)は電界OFF時(電界が印加されずに液晶分子が初期のツイスト配向状態にあるとき)の透過経路を示し、(b)は電界ON時(電界が印加されて液晶分子が基板面に対して立ち上がり配向したとき)の透過経路を示している。
【0075】
この液晶表示装置においては、表示の観察側である前側から入射した外光(非偏光光)Iが、図6の(a)および(b)のように、位相板12を透過して前側反射偏光板10に入射し、その入射光Iの直交する2つの偏光成分S,Pのうち、前側反射偏光板10の反射軸10sに沿った振動面を有する一方の偏光成分Sの光Isが、この反射偏光板10により反射され、前側反射偏光板10の透過軸10pに沿った振動面を有する他方の偏光成分Pの光Ipが、この反射偏光板10を透過して液晶素子1に入射する。
【0076】
また、前記前側反射偏光板10により反射された前記一方の偏光成分Sの光Isは、前記位相板12にその後側から入射し、この位相板12の前面と外気である空気層との界面により内面反射されるとともに、前記位相板12の位相差により偏光状態を変えられて前記前側反射偏光板に再び入射し、その光のうち、前側反射偏光板10の透過軸10pに沿った他方の偏光成分Pに偏光状態を変えた光Ip1が、この前側反射偏光板10を透過して前記液晶素子1に入射する。
【0077】
すなわち、この液晶表示装置では、前側から入射した外光Iの互いに直交する2つの偏光成分S,Pのうち、前側反射偏光板10を透過する偏光成分Pの光Ipと、この前側反射偏光板10により内面反射され、前記位相板12により偏光状態を変えられて再び前記前側反射偏光板10に入射した光のうちの、前記前側反射偏光板10を透過する偏光成分Pの光Ip1との両方が、前記前側反射偏光板10を透過して液晶素子1に入射する。
【0078】
なお、前記位相板12により偏光状態を変えられて前側反射偏光板10に再び入射する光は、前記前側反射偏光板10により反射されて位相板12にその後側から入射した光のうち、この位相板12の前面と外気である空気層との界面に対して全反射角で入射した光であり、前記位相板12の前面に対して全反射角よりも小さい(垂直に近い)入射角で入射した光は、図6の(a)および(b)のように位相板12を透過して前側に出射し、漏れ光R1となる。
【0079】
前記位相板12の前面と外気である空気層との界面の全反射臨界角(位相板12の法線に対する角度)は、全反射臨界角をi、前記位相板12の屈折率をn、空気層の屈折率を1とすると、sini=1/nの式により求めることができ、例えば、前記位相板12の屈折率が1.6である場合、前記界面の全反射臨界角は、i=38.7°である。
【0080】
この実施例では、前記前側反射偏光板10の前面に、その表面を上述したような凹凸面11とする表面処理を施し、この反射偏光板10により反射された前記一方の偏光成分Sの光Isを、前記位相板10に対し、この位相板10により内面反射される入射角で入射させるようにしているため、前記前側反射偏光板10により反射された光Isをより多く、前記位相板12に対して、この位相板12により内面反射される入射角で入射させることができ、したがって、前記位相板12により偏光状態を変えられて前側反射偏光板10に再び入射する光を多くし、前記漏れ光R1を少なくすることができる。
【0081】
しかも、前記前側反射偏光板10は、その前面を図3または図4に示した表面粗さの凹凸面となるように表面処理されており、その反射軸10sに沿った一方の偏光成分Sの光Isを拡散させて反射し、透過軸10pに沿った他方の偏光成分Pの光Ipを拡散することなく透過させるため、この前側反射偏光板10により反射された前記一方の偏光成分の光Isを拡散反射し、その光の多くを前記位相板12に対して、この位相板12により内面反射される入射角で入射させることができ、したがって、前記位相板12により偏光状態を変えられて前側反射偏光板10に再び入射する光をさらに多くすることができる。
【0082】
また、この実施例では、前記位相板12として、透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与えるλ/4板を用いているため、前記前側反射偏光板10により反射されて前記位相板(λ/4板)12にその後側から入射し、この位相板12により内面反射されてその後側に出射する光を、前側反射偏光板10により反射された一方の偏光成分Sに対して直交する偏光成分(前側反射偏光板10を透過する偏光成分)Pの偏光状態の光とし、前記前側反射偏光板10に再び入射した光のほとんどを、この前側反射偏光板10を透過させて液晶素子1に入射することができる。
【0083】
このλ/4板からなる位相板12を用いたことによる効果は、前記λ/4板からなる位相板12を、その遅相軸12aを前記反射偏光板10の反射軸10sおよび透過軸10pに対してほぼ45°の角度で交差させて配置したときに最も効果的に発揮される。
【0084】
そして、前記液晶素子1に入射した光は、液晶層9により偏光状態を制御されてこの液晶素子1の後側に出射し、その光が、前記液晶素子1と後面部材13との間の拡散手段18を透過して前記後面部材13の後側反射偏光板14に入射し、この後側反射偏光板14により反射された光が、前記液晶素子1に後側から再び入射し、この液晶素子1と前側反射偏光板10と位相板12とを透過して前側に出射する。
【0085】
この光の出射は、前記液晶素子1の液晶層9に印加される電界(電極4,5間に印加される電界)により制御される。
【0086】
この実施例の液晶表示装置は、図1に示したように、前記前側反射偏光板10と後側反射偏光板14とを、それぞれの反射軸10s,14s同士および透過軸10p,14p同士を互いにほぼ直交させて配置したノーマリーブラックモードのものであるため、電界OFF時(液晶素子1の液晶層9に電界が印加されないとき)に、前側から入射した光が後面部材13の後側反射偏光板14を透過して光吸収層15により吸収され、その領域の表示が暗表示となり、電界ON時(液晶素子1の液晶層9に電界が印加されたとき)に、前側から入射した光が前記後側反射偏光板14により反射されて前側に出射し、その領域の表示が明表示になる。
【0087】
すなわち、電界ON時の液晶素子1の液晶分子の配向状態は、初期のツイスト配向であり、このときは、図6の(a)のように、前側反射偏光板10を透過して液晶素子1に入射した光(前側反射偏光板10の透過軸10pに沿った偏光成分Pの直線偏光光)Ipが、液晶分子がツイスト配向している液晶層9の複屈折作用によりほぼ90°旋光され、前側反射偏光板10を透過して液晶素子1に入射した光Ipの偏光成分に対してほぼ直交する偏光成分の光(後側反射偏光板14の透過軸14pに沿った偏光成分の直線偏光光)となって液晶素子1の後側に出射する。
【0088】
そのため、電界OFF時は、前記液晶素子1の後側に出射して前記後面部材13に入射した光が、後側反射偏光板14を透過してその後側の光吸収層15により吸収され、その領域の表示が暗表示になる。
【0089】
なお、上述したように、この液晶表示装置にその前側から入射し、前側反射偏光板10により反射されて位相板12にその後側から入射した光(前側反射偏光板10の反射軸10sに沿った一方の偏光成分の光)のうち、前記位相板12の前面を外気である空気層との界面に対して全反射角よりも小さい(垂直に近い)入射角で入射した光は、前記界面を透過して位相板12の前側に出射し、漏れ光R1となるが、このような液晶表示装置の正面方向から入射する光は弱いので、この入射光による漏れ光R1の量は少なく、また、その出射方向が、位相板12の法線に対して傾いた、表示観察者の視野方向以外の方向である。
【0090】
しかも、この実施例では、前記前側反射偏光板10の前面に上記のような表面処理を施すことにより、前記漏れ光R1を少なくしているため、上記OFF電界印加時の暗表示の暗さは充分である。
【0091】
一方、電界ON時は、前記液晶素子1の液晶分子が、印加された電界に応じて基板2,3面に対して立ち上がり配向し、それに応じて液晶層9の複屈折性が変化する。
【0092】
そして、液晶分子が基板2,3面に対してほぼ垂直に立ち上がり配向すると、液晶層9がほとんど複屈折性を示さなくなるため、このときは、図6の(b)のように、前側反射偏光板10を透過して液晶素子1に入射した光(前側反射偏光板10の透過軸10pに沿った偏光成分Sの直線偏光光)Ipが、液晶層9をその複屈折作用をほとんど受けずに透過する。すなわち、電界ON時に前記液晶素子1の後側に出射する光は、後側反射偏光板14の反射軸14sに沿った偏光成分の直線偏光光であり、したがって、ON電界印加時は、図6の(b)のように、液晶素子1の後側に出射した光が前記後側反射偏光板14により反射され、その反射光が、前記液晶素子1に後側から再び入射し、この液晶素子1と前側反射偏光板10と位相板12とを透過して前側に出射して、その領域の表示が明表示になる。
【0093】
この液晶表示装置では、上述したように、前側から入射した外光Iの互いに直交する2つの偏光成分S,Pのうち、前側反射偏光板10を透過する偏光成分Pの光Ipと、この前側反射偏光板10により反射され、前記位相板12により偏光状態を変えられて再び前記前側反射偏光板10に入射した光のうちのこの前側反射偏光板10を透過する偏光成分Pの光Ip1との両方が、前記前側反射偏光板10を透過して液晶素子1に入射するとともに、その両方の入射光が前記液晶素子1を透過し、後側反射偏光板14により反射されて前側に出射するため、前記明表示は、充分な明るさである。
【0094】
すなわち、図6の(b)に示したように、前記液晶素子1に入射する両方の入射光Ip,Ip1のうち、前側反射偏光板10により反射されることなくこの前側反射偏光板10を透過した光(以下、直接入射光と言う)Ipは、液晶素子1の法線に対する角度が比較的小さい入射角で入射する。
【0095】
そして、液晶素子1を透過した前記直接入射光Ipは、前記液晶素子1と後側反射偏光板14との間に設けられた拡散手段18により拡散されて前記後側反射偏光板14に入射し、この後側反射偏光板14により反射された光が、前記拡散手段18により再び拡散され、液晶素子1と前側反射偏光板10と位相板12とを透過して、正面方向(液晶表示装置の画面の法線に沿った方向の付近)に出射する光の強度が高い強度分布の光R2となって前側に出射する。
【0096】
一方、前側反射偏光板10により反射されて前記位相板12により偏光状態を変え、再び前記前側反射偏光板10に入射してこの前側反射偏光板10を透過した光(以下、間接入射光と言う)Ip1は、前記液晶素子1の法線に対する角度が大きい入射角で入射する。
【0097】
そして、液晶素子1を透過した前記間接入射光Ip1は、前記拡散手段18により拡散されて前記後側反射偏光板14に入射し、この後側反射偏光板14により反射された光が、前記拡散手段18により再び拡散され、液晶素子1と前側反射偏光板10と位相板12とを透過して、正面方向(液晶表示装置の画面の法線に沿った方向の付近)に出射する光の強度が高い強度分布の光Rr1となって前側に出射する。
【0098】
したがって、前記直接入射光Ipの反射光R2と、前記間接入射光Ip1の反射光Rr1とにより表示される明表示は、これらの反射光R2,Rr1が重畳した、充分な明るさで、しかも正面輝度の高い表示である。
【0099】
この明表示の明るさは、前記液晶素子1の液晶分子の立ち上がり配向状態に応じた液晶層9の複屈折性の変化に対応して変化するため、前記液晶層9に印加するON電界を段階的に制御することにより、複数の階調の明表示を得ることができる。
【0100】
なお、この実施例の液晶表示装置は、前記液晶素子1が、その複数の画素領域にそれぞれ対応させて赤、緑、青の3色のカラーフィルタ6R,6G,6Bを備えているため、これらの画素領域から出射する反射光R2,Rr1により表示される明表示は、赤、緑、青のいずれかの色に着色した光であり、その赤、緑、青の表示画素の組み合わせにより、フルカラー画像等の多色カラー画像が表示される。
【0101】
上述したように、この液晶表示装置は、液晶素子の前側に配置する偏光素子として、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を反射し、他方の偏光成分の光を透過させる反射偏光板10を用いるとともに、この反射偏光板10の前側に、前側から入射した光を透過させて前記反射偏光板10に入射し、前記反射偏光板10により反射された前記一方の偏光成分の光をその偏光状態を変えて前記反射偏光板10に再び入射するとともに、後側から前記液晶素子1および前記反射偏光板10を透過してその前側に出射した光を透過させて前側に出射する光学素子(この実施例では位相板)12を配置することにより、前側から入射した外光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、前記反射偏光板10を透過する前記他方の偏光成分の光と、前記反射偏光板10により反射され、前記光学素子12により偏光状態を変えられて再び前記反射偏光板10に入射した光のうちの前記他方の偏光成分に偏光状態を変えた光との両方を前記液晶素子1に入射させるようにしたものであり、したがって、前側から入射する外光を高い効率で利用して、明表示を明るくすることができる。
【0102】
しかも、この液晶表示装置においては、前記反射偏光板10が、前側から入射した外光の互いに直交する2つの偏光成分のうちの一方の偏光成分の光を反射するが、その反射光は、上述したように前記光学素子12により偏光状態を変えられて再び前記反射偏光板10に入射し、その光のうちの他方の偏光成分に偏光状態を変えた光が液晶素子1に入射するため、前記反射偏光板10により反射された光が前記光学素子12を透過して前側に出射する光漏れは少なく、したがって、前記光漏れによる暗表示の暗さ浮き上がりを抑え、良好なコントラストを得ることができる。
【0103】
このような効果は、液晶素子1の前側に配置する偏光素子12として前記反射偏光板を用い、さらに前記反射偏光板10の前側に前記位相板12を配置したことによって得られる。
【0104】
すなわち、図7は、上記実施例の液晶表示装置から前記光学素子12を省略した比較装置の光の透過経路を示す模式図であり、(a)はOFF電界印加時の透過経路を示し、(b)はON電界印加時の透過経路を示している。
【0105】
なお、この比較装置は、前側反射偏光板10の前側に光学素子12が無く、また前側反射偏光板10として、前面に表面処理を施さない通常の反射偏光板を用いたものであるが、他の構成は上記実施例の液晶表示装置と同じであるから、その構成の説明は、図に同符合を付して省略する。
【0106】
この比較装置においては、図7の(a)および(b)のように、表示の観察側である前側から入射した外光(非偏光光)Iが、直接前側反射偏光板10に入射し、その入射光Iが含む互いに直交する2つの偏光成分S,Pのうち、前側反射偏光板10の反射軸10sに沿った一方の偏光成分Sの光Isが、この反射偏光板10により反射され、前側反射偏光板10の透過軸10pに沿った他方の偏光成分Pの光Ipが、この反射偏光板10を透過して、直線偏光光となって液晶素子1に入射する。
【0107】
そして、記液晶素子1の液晶分子が初期のツイスト配向状態にある電界OFF電界時は、図7の(a)のように、前側反射偏光板10を透過して液晶素子1に入射した光Ipが、液晶層9の複屈折作用により、ほぼ直交する偏光成分Sの光、つまり後側反射偏光板14の透過軸14pに沿った偏光成分の光となって液晶素子1の後側に出射し、その光が、後側反射偏光板14を透過して光吸収層15により吸収され、その領域の表示が暗表示になる。
【0108】
しかし、この比較装置では、上述したように、前側から入射した外光Iが直接前側反射偏光板10に入射し、その入射光Iの互いに直交する2つの偏光成分S,Pのうちの前側反射偏光板10の反射軸10sに沿った一方の偏光成分Sの光Isがこの反射偏光板10により反射されて直接前側に出射するため、その表面反射光R1′の輝度が高く、したがって、充分な暗さの暗表示が得られない。
【0109】
また、前記液晶素子1の液晶層9に、液晶分子がほぼ垂直に立ち上がり配向する強さのON電圧が印加されたときは、図7の(b)のように、前側反射偏光板10を透過して液晶素子1に入射した光Ipが、液晶層9をその複屈折作用をほとんど受けずに液晶素子1を透過して後側反射偏光板14により反射され、その反射光が前側に出射して、その領域の表示が明表示になる。
【0110】
しかし、この比較装置では、上述したように、前側から入射した外光Iが直接前側反射偏光板10に入射し、その入射光Iの互いに直交する2つの偏光成分S,Pのうちの前側反射偏光板10の透過軸10pに沿った他方の偏光成分Pの光Ipだけが前側反射偏光板10を透過して液晶素子1に入射するため、前記液晶素子1を透過し、後側反射偏光板14により反射されて前側に出射する光R2′は、上記実施例の液晶表示装置における直線入射光および間接入射光の反射光R2,Rr1が重畳した光に比べて、輝度の低い光である。
【0111】
なお、この比較装置の明表示の明るさは、前記前側反射偏光板10により反射されて直接前側に出射する表面反射光R1′によって底上げされるが、この表面反射光R1′は、前記暗表示も明るくするため、良好なコントラストが得られない。
【0112】
しかも、表面反射光R1′は、液晶素子1を通らない光であり、したがって、この表面反射光R1′の輝度は常に外光Iの強度に応じた輝度であるため、この比較装置では、液晶素子1の液晶層9に印加するON電界を段階的に制御することにより表示される複数の階調の明表示の明るさに前記表面反射光R1′が影響し、良好な階調表示が行なえない。
【0113】
このような比較装置に対し、上記実施例の液晶表示装置は、液晶素子1の前側に配置した前側反射偏光板10の前側に、前側から入射した光を透過させて前記前側反射偏光板10に入射し、この前側反射偏光板10により反射された一方の偏光成分Sの光Isをその偏光状態を変えて前記前側反射偏光板10に再び入射するとともに、後側から前記液晶素子1および前側反射偏光板10を透過してその前側に出射した光を透過させて前側に出射する光学素子12を配置しているため、前側から入射する外光を高い効率で利用して明表示を明るくするとともに、良好なコントラストを得ることができ、しかも良好な階調表示を行なうことができる。
【0114】
また、上記実施例の液晶表示装置においては、前記前側反射偏光板10の前側に配置される光学素子12として、透過する光の常光と異常光との間に位相差を与え、透過光の偏光状態を変化させる位相板を用いているため、前記前側反射偏光板10により反射されて前記位相板12にその後側から入射した一方の偏光成分の光のうち、前記位相板12の前面と外気である空気層との界面に対して全反射角で入射した光を、この位相板12により内面反射させ、前記一方の偏光成分に対して直交する偏光成分の光またはその偏光成分を含む偏光状態の光として前記前側反射偏光板10に再び入射することができる。
【0115】
しかも、上記実施例では、前記位相板12として、透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与えるλ/4板を用いているため、上述したように、前側反射偏光板10により反射され、前記位相板(λ/4板)12により内面反射されて前記前側反射偏光板10に再び入射した光のほとんどを、この反射偏光板10を透過させて液晶素子1に入射することができ、したがって、前側から入射する外光の利用効率をさらに高くし、明表示をより明るくするとともに、前側への光漏れをほとんど無くし、さらに良好なコントラストを得ることができる。
【0116】
この実施例では、前記λ/4板からなる位相板12を、その遅相軸12aを前記反射偏光板10の反射軸10sおよび透過軸10pに対してほぼ45°の角度で交差させて配置しているため、前記λ/4板からなる位相板12を用いたことによる上記効果を、最も効果的に発揮させることができる。
【0117】
さらに、上記実施例では、前記前側反射偏光板10の前面に、この反射偏光板10により反射された前記一方の偏光成分の光を、前記位相板12に対し、この位相板12により内面反射される入射角で入射させるための表面処理を施しているため、前側から入射する外光をさらに高い効率で利用して明表示をより明るくするとともに、前側への光漏れをさらに少なくし、より良好なコントラストを得ることができる。
【0118】
しかも、上記実施例で用いた前側反射偏光板10は、その前面に、前記一方の偏光成分の光を拡散させて反射し、前記他方の偏光成分の光を拡散することなく透過させるための表面処理が施されたものであるため、この前側反射偏光板10により反射された前記一方の偏光成分の光を拡散反射し、その光の多くを前記位相板12に対して、この位相板12により内面反射される入射角で入射させるとともに、この前側反射偏光板10を透過する前記他方の偏光成分の光を、拡散することなく高い透過率で透過させて液晶素子1に入射することができる。
【0119】
また、上記液晶表示装置は、液晶素子1の後側に配置された後面部材13に、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を反射し、他方の偏光成分の光を吸収する特性をもたせているため、前記液晶素子1にその前側から入射し、液晶層9により偏光状態を制御されて液晶素子1の後側に出射した光のうち、前記一方の偏光成分の光を前記後面部材13により反射して明表示を得、他方の偏光成分の光を前記後面部材13により吸収して暗表示を得ることができる。
【0120】
すなわち、上記実施例では、前記後面部材13を、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を反射し、他方の偏光成分の光を透過させる反射偏光板14と、この反射偏光板14の後側に設けられた光吸収層15とにより構成しているため、前記液晶素子1にその前側から入射し、液晶層9により偏光状態を制御されて液晶素子1の後側に出射した光のうち、前記一方の偏光成分の光を前記反射偏光板14により反射して明表示を得、他方の偏光成分の光を前記反射偏光板14を透過させて前記光吸収層15により吸収し、暗表示を得ることができる。
【0121】
さらに、上記実施例では、前記液晶素子1と前記後面部材13との間に、透過光を拡散させる拡散手段18を設けているため、前記後面部材20により反射された光を、通常の表示観察方向である正面方向(液晶表示装置の画面の法線に沿った方向の付近)に出射する光の強度が高い強度分布の光として前側に出射し、正面輝度の高い表示を得ることができる。
【0122】
前記拡散手段18は、上述したように、ヘイズ値が約30で、また、前記液晶素子1の前側に配置された前側反射偏光板10の法線に沿った方向(より好ましくは、前記法線を中心としてほぼ30°の角度範囲の方向)に光を拡散する指向性を有しているのが望ましく、このようにすることにより、より正面輝度の高い表示を得ることができる。
【0123】
なお、上記実施例では、液晶素子1と後面部材13との間に、透過光を拡散させる拡散手段18を設けているが、前記拡散手段18を設ける代わりに、前記後面部材13に拡散反射性をもたせてもよく、このようにしても、正面輝度の高い表示を得ることができる。
【0124】
このように、前記後面部材13に拡散反射性をもたせるには、例えば、前記後面部材13の後側反射偏光板14の前面を表面処理し、この後側反射偏光板14の前面を拡散反射面とすればよく、その場合、前記後側反射偏光板14の前面の表面処理は、液晶素子1の前側に配置された前側反射偏光板10の前面に施した表面処理と同様な表面処理でよい。
【0125】
ただし、前記後面部材13に拡散反射性をもたせる場合も、液晶素子1と前記後面部材13との間に拡散手段18を設けるのが望ましく、このようにすることにより、さらに正面輝度の高い表示を得ることができる。
【0126】
また、上記実施例では、液晶素子1と後面部材13との間の拡散手段18を、光拡散粒子を混入した接着層により形成しているが、この拡散手段18は、他の拡散膜により形成してもよい。
【0127】
その場合、前記拡散膜は、表面を粗面化した透明樹脂フィルム等でもよいが、好ましい拡散膜は、一方の面に微小なレンズが配列形成されたレンズフィルムであり、このレンズフィルムを用いることにより、約30のヘイズ値と、前側反射偏光板10の法線に沿った方向(より好ましくは、前記法線を中心としてほぼ30°の角度範囲の方向)に光を拡散する指向性を得ることができる。
【0128】
さらに、上記実施例では、液晶素子1の前側に配置された前側反射偏光板10の前面に、この前側反射偏光板10により反射された一方の偏光成分の光を、前記前側反射偏光板10の前側に配置された位相板12に対し、この位相板12により内面反射される入射角で入射させるための表面処理を施しているが、前記前側反射偏光板10は、表面処理を施さない通常の反射偏光板でもよく、その場合も、前側反射偏光板10により反射された前記一方の偏光成分の光を反射させ、前記位相板12に対し、この位相板12により内面反射される入射角で入射させることができる。
【0129】
すなわち、前記前側反射偏光板10が表面処理を施さない通常の反射偏光板であっても、その表面は、図5に示したように、光の波長に比べれば、かなりの凹凸をもっているため、反射軸14sに沿った一方の偏光成分の光を、ある程度拡散させて反射する。
【0130】
また、前側反射偏光板10とその前側に配置された位相板12とを接着する接着層16の屈折率は、前記前側反射偏光板10および位相板12の屈折率と一致させることが難しく僅かではあっても異なるため、これらの界面に光学的な不連続面が生じ、その面で、透過光が少なからず拡散される。
【0131】
そのため、前側反射偏光板10が表面処理を施さない通常の反射偏光板であっても、この前側反射偏光板10により反射された前記一方の偏光成分の光を拡散させ、前記位相板12に対し、この位相板12により内面反射される入射角で入射させることができる。
【0132】
ただし、前記前側反射偏光板10を表面処理を施さない通常の反射偏光板とする場合は、この前側反射偏光板10と前記位相板12との間に拡散層を設けるのが望ましい。
【0133】
図8は、この発明の第2の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図であり、この実施例は、前側反射偏光板10を表面処理を施さない通常の反射偏光板とし、この前側反射偏光板10と、その前側に配置された位相板12との間に、拡散層19を設けたものである。
【0134】
前記拡散層19は、透過光を所定の広がり角度範囲に拡散させる特性を有するものであり、例えば、光拡散粒子を混入した接着層、または、表面を粗面化した透明樹脂フィルム等からなっている。
【0135】
なお、この実施例の液晶表示装置は、前側反射偏光板10を表面処理を施さない通常の反射偏光板とし、この前側反射偏光板10と位相板12との間に拡散層19を設けたものであるが、他の構成は上述した第1の実施例の液晶表示装置と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0136】
この実施例の液晶表示装置は、前側反射偏光板10を表面処理を施さない通常の反射偏光板としているが、この前側反射偏光板10と位相板12との間に、透過光を所定の広がり角度範囲に拡散させる拡散層19を設けているため、前記前側反射偏光板10により反射された前記一方の偏光成分の光を前記拡散層19により所定の広がり角度範囲に拡散反射し、その光の多くを、前記位相板12に対し、この位相板12により内面反射される入射角で入射させることができる。
【0137】
なお、前記拡散層19は、前記前側反射偏光板10の法線に対して傾いた方向に指向性を有しているのが好ましく、このようにすることにより、前記前側反射偏光板10により反射された前記一方の偏光成分の光の大部分を、前記位相板12に対し、この位相板12により内面反射される入射角で入射させることができる。
【0138】
また、上記第1および第2の実施例では、前記液晶素子1の後側に配置する後面部材13を、反射偏光板14と、その後側に配置された光吸収手段(上記実施例では光吸収層)15とにより構成しているが、液晶素子1の後側に配置する後面部材は、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を反射し、他方の偏光成分の光を吸収するものであれば、上記実施例の構成に限らない。
【0139】
図9は、この発明の第3の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図であり、この実施例は、液晶素子1の後側に、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を透過させ、他方の偏光成分の光を吸収する吸収偏光板21と、この吸収偏光板21の後側に配置された反射板22とからなる後面部材20を配置したものである。
【0140】
なお、この実施例の液晶表示装置は、後面部材20が異なるが、他の構成は図1に示した第1の実施例の液晶表示装置と同じであるため、重複する説明は図に同符合を付して省略する。
【0141】
この実施例の後面部材20を構成する吸収偏光板21は、透過軸21aと、前記透過軸21aに対してほぼ直交する吸収軸(図示せず)とをもっており、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、前記透過軸21aに沿った振動面を有する一方の偏光成分の光を透過させ、図示しない吸収軸に沿った振動面を有する他方の偏光成分の光を吸収する。
【0142】
すなわち、この実施例の後面部材20は、液晶素子1を透過して入射した光のうち、前記吸収偏光板21を透過した一方の偏光成分(透過軸21aに沿った偏光成分)の光を反射板22により反射し、前記吸収偏光板21の吸収軸に沿った他方の偏光成分の光を、この吸収偏光板21により吸収する。
【0143】
なお、この液晶表示装置は、ノーマリーブラックモードのものであり、前記吸収偏光板21は、その透過軸21aを、液晶素子1の前側に配置された反射偏光板10の透過軸10pとほぼ平行にして配置されている。
【0144】
この実施例の液晶表示装置においても、前記後面部材20にその前側から入射する光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、前記吸収偏光板21の透過軸21aに沿った一方の偏光成分の光が、この吸収偏光板21を透過して前記反射板22により反射され、前記吸収偏光板21の吸収軸に沿った他方の偏光成分の光がこの吸収偏光板21により吸収されるため、液晶素子1にその前側から入射し、液晶層9により偏光状態を制御されて液晶素子1の後側に出射した光のうち、前記一方の偏光成分の光を前記吸収偏光板21により吸収して暗表示を得、他方の偏光成分の光を前記反射板22により反射させて明表示を得ることができる。
【0145】
なお、この実施例において、前記後面部材20は、拡散反射性を有するものとしてよく、その場合は、前記吸収偏光板21の後側に配置された反射板22を拡散反射板とするか、前記吸収偏光板21と反射板22との間に拡散層を設けるか、あるいは前記吸収偏光板21の前面に透過光を拡散させるための表面処理を施せばよい。
【0146】
このように、前記後面部材20に拡散反射性をもたせる場合も、液晶素子1と前記後面部材20との間に拡散手段18を設けるのが望ましく、このようにすることにより、正面輝度の高い表示を得ることができる。
【0147】
図10は、この発明の第4の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図であり、この実施例は、反射偏光板14とその後側に設けられた光吸収層14とからなる後面部材13を備えた上記第1の実施例の液晶表示装置の液晶素子1と前側反射偏光板10との間に、透過光を拡散させる拡散手段23を設けたものである。
【0148】
この実施例の液晶表示装置によれば、後面部材13により反射された光を、液晶素子1と後面部材13との間に設けられた拡散手段18により拡散し、その光を、前記液晶素子1と前側反射偏光板10との間に設けられた拡散手段23によりさらに拡散することができるため、上記第1の実施例よりもさらに正面輝度の高い表示を得ることができる。
【0149】
この実施例において、前記液晶素子1と前側反射偏光板10との間に設けられた拡散手段23は、ヘイズ値が約30で、また、前記前側反射偏光板10の法線に沿った方向(より好ましくは、前記法線を中心としてほぼ30°の角度範囲の方向)に光を拡散する指向性を有しているのが望ましい。
【0150】
この拡散手段23は、光拡散粒子を混入した接着層、または、表面を粗面化した透明樹脂フィルム等でもよいが、好ましくは、一方の面に微小なレンズが配列形成されたレンズフィルムであり、このレンズフィルムを用いることにより、約30のヘイズ値と、前側反射偏光板10の法線に沿った方向(よりこのましくは、望ましくは前記法線を中心としてほぼ30°角度範囲の方向)に光を拡散する指向性を得ることができる。
【0151】
なお、この実施例のように、液晶素子1と前側反射偏光板10との間に拡散手段23を設ける場合は、前記液晶素子1と後面部材13との間の拡散手段18を省略してもよく、その場合でも、十分な正面輝度の表示を得ることができる。
【0152】
図11は、この発明の第5の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図であり、この実施例は、上記第4の実施例の液晶表示装置を、ノーマリーホワイトモードに変更したものである。
【0153】
すなわち、この実施例の液晶表示装置は、液晶素子1の前側に配置された前側反射偏光板10と、前記液晶素子1の後側に配置された後面部材13の後側反射偏光板14とを、それぞれの反射軸10s,14s同士および透過軸10p,14p同士を互いにほぼ平行にして配置したものであり、他の構成は上記第4の実施例の液晶表示装置と同じである。
【0154】
なお、この実施例では、前記前側反射偏光板10を、上記第4の実施例の配置状態に対してほぼ180°回転させて配置し、この前側反射偏光板10の反射軸14sおよび透過軸14pを、前記後側反射偏光板14の反射軸10sおよび透過軸10pとほぼ平行にしている。
【0155】
この実施例の液晶表示装置は、前側反射偏光板10と後側反射偏光板14とを、それぞれの反射軸10s,14s同士および透過軸10p,14p同士を互いにほぼ平行にして配置したノーマリーホワイトモードのものであるため、前記液晶素子1の液晶層9にOFF電界が印加されたときに、前側から入射した光が後面部材13の後側反射偏光板14により反射されて前側に出射し、その領域の表示が明表示になり、ON電界が印加されたときに、前側から入射した光が後面部材13の後側反射偏光板14を透過して光吸収層15により吸収され、その領域の表示が明表示になる。
【0156】
図12は、この発明の第6の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図であり、この実施例は、液晶素子1の後側に、反射偏光板25と、この反射偏光板25の後側に設けられた吸収偏光板26とからなる後面部材24を配置したものである。
【0157】
すなわち、この実施例の後面部材24は、反射偏光板25の後側に、光吸収手段として、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を透過させ、他方の偏光成分の光を吸収する吸収偏光板26を設けたものであり、前記吸収偏光板26は、その透過軸26aを前記反射偏光板25の透過軸25pとほぼ直交させて配置されている。
【0158】
なお、この実施例の液晶表示装置は、液晶素子1の前側に配置された反射偏光板10と、前記後面部材24の反射偏光板25とを、それぞれの反射軸10s,25s同士および透過軸10p,25p同士を互いにほぼ平行にして配置したノーマリーホワイトモードのものであり、前記後面部材24以外は、図11に示した第5の実施例の液晶表示装置と同じ構成となっている。
【0159】
この実施例の液晶表示装置は、後面部材24を、反射偏光板25と、この反射偏光板25の後側に設けられた吸収偏光板26とにより構成しているため、液晶素子1にその前側から入射し、液晶層9により偏光状態を制御されて液晶素子1の後側に出射した光のうち、前記反射偏光板25の反射軸25sに沿った振動面を有する一方の偏光成分の光を前記反射偏光板25により反射して明表示を得、前記反射偏光板25の透過軸25pに沿った振動面を有する他方の偏光成分の光を前記反射偏光板14を透過させて前記吸収偏光板26により吸収し、暗表示を得ることができる。
【0160】
図13は、この発明の第7の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図であり、この実施例は、液晶素子1の後側に、2枚の反射偏光板28A,28Bを備えた後面部材27を配置したものである。
【0161】
すなわち、この実施例の後面部材27は、液晶素子1の後面に対向する第1の反射偏光板28Aと、その後側に配置された第2の反射偏光板28Bとを備え、前記第1の反射偏光板28Aと第2の反射偏光板28Bとの間に、透過光を拡散させる拡散層29を設けるとともに、前記第2の反射偏光板28Bの後側に、光吸収手段として、光吸収膜(黒色膜)30を設けたものであり、前記第1の反射偏光板28Aと第2の反射偏光板28Bとは、それぞれの反射軸28s同士および透過軸28p同士を互いにほぼ平行にして配置されている。
【0162】
なお、この実施例の液晶表示装置は、液晶素子1の前側に配置された反射偏光板10と、前記後面部材27の第1の反射偏光板28Aとを、それぞれの反射軸10s,28s同士および透過軸10p,28p同士を互いにほぼ平行にして配置したノーマリーホワイトモードのものであり、前記後面部材27以外は、上述した第5の実施例の液晶表示装置と同じである。
【0163】
この実施例の液晶表示装置は、後面部材27を、液晶素子1の後面に対向する第1の反射偏光板28Aと、その後側に配置された第2の反射偏光板28Bとを、それぞれの反射軸28s同士および透過軸28p同士を互いにほぼ平行にして配置し、これらの反射偏光板28A,28Bとの間に拡散層29を設けるとともに、前記第2の反射偏光板28Bの後側に光吸収膜30を設けた構成としているため、前記後面部材27により反射される光量を多くし、より明るい表示を得ることができる。
【0164】
すなわち、この液晶表示装置では、液晶素子1にその前側から入射し、液晶層9により偏光状態を制御されて液晶素子1の後側に出射した光が、まず前記後面部材27の第1の反射偏光板28Aに入射し、その光のうち、前記第1の反射偏光板28Aの反射軸28sに沿った振動面を有する一方の偏光成分の光が、この第1の反射偏光板28Aにより反射され、前記第1の反射偏光板28Aの透過軸28pに沿った振動面を有する他方の偏光成分の光が、この第1の反射偏光板28Aを透過する。
【0165】
前記第1の反射偏光板28Aを透過した光は、拡散層29により拡散され、偏光状態を変えて第2の反射偏光板28Bに入射し、その光のうち、前記第2の反射偏光板28Aの反射軸28sに沿った振動面を有する一方の偏光成分の光が、この第2の反射偏光板28Bにより反射され、前記第2の反射偏光板28Bの透過軸28pに沿った振動面を有する他方の偏光成分の光が、この第2の反射偏光板28Bを透過して、光吸収層31により吸収される。
【0166】
そして、前記第2の反射偏光板28Bにより反射された前記一方の偏光成分の光は、前記拡散層29により拡散され、偏光状態を変えて前記第1の反射偏光板28Aにその後面から入射し、その光のうち、前記第1の反射偏光板28Aの透過軸28pに沿った振動面を有する他方の偏光成分の光が、この第1の反射偏光板28Aを透過して前側に出射する。
【0167】
このように、前記後面部材27は、前側から入射した光のうちの前記一方の偏光成分の光を前記第1の反射偏光板28Aにより反射するとともに、前記第1の反射偏光板28Aを透過した他方の偏光成分の光のうちのある程度の光を、前記第2の反射偏光板28Bにより反射し、前記第1の反射偏光板28Aを透過させて前側に出射する。
【0168】
したがって、この実施例の液晶表示装置によれば、前記後面部材27により反射される光量を多くし、より明るい表示を得ることができる。
【0169】
なお、上記第7の実施例の後面部材27は、前記第2の反射偏光板28Bの後側に、光吸収手段として、光吸収膜30を設けたものであるが、前記光吸収手段は、図14に示した第8の実施例のように、吸収偏光板31としてもよく、その場合は、前記吸収偏光板31を、その透過軸31aを前記第2の反射偏光板28Bの透過軸28pとほぼ直交させて配置すればよい。
【0170】
図15は、この発明の第9の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図であり、この実施例は、液晶素子1の後側に、反射偏光板25と、この反射偏光板25の後側に設けられた吸収偏光板26とからなる後面部材24を配置し、さらに前記後面部材24の後側にバックライト40を配置したものである。
【0171】
前記バックライト40は、例えば、後面全体に反射膜42が設けられたアクリル樹脂板等の透明な導光板41と、この導光板41の端面に対向させて配置された光源43とからなり、前記光源43からの光を前記導光板41により導いてその前面全体から出射するものであり、このバックライト40は、十分な明るさの外光が得られない環境下で液晶表示装置を使用する際に点灯される。
【0172】
なお、この実施例において、前記後面部材24は、図12に示した第6の実施例と同じものであり、また、後面部材24とバックライト40以外は、図11に示した第5の実施例の液晶表示装置と同じ構成であるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0173】
この実施例の液晶表示装置は、液晶素子1の後側に、反射偏光板25と、その後側に設けられた吸収偏光板26とからなる後面部材24を配置し、さらに前記後面部材24の後側にバックライト40を配置したものであるため、十分な明るさの外光が得られる環境下では外光を利用する反射表示を行ない、十分な明るさの外光が得られない環境下では前記バックライト40からの照明光を利用する透過表示を行なうことができる。
【0174】
すなわち、この液晶表示装置は、十分な明るさの外光が得られる環境下では、前側からの入射光を前記後面部材24の反射偏光板25により反射させて表示し、十分な明るさの外光が得られないときに、前記バックライト40を点灯させることにより、このバックライト40からの照明光を利用して表示するものである。
【0175】
なお、この実施例の液晶表示装置は、液晶素子1の前側に配置された前側反射偏光板10と、前記液晶素子1の後側に配置された後面部材24の反射偏光板25とを、それぞれの反射軸10s,25s同士および透過軸10p,25p同士を互いにほぼ平行にして配置したものであり、したがって、外光を利用する反射表示は、ノーマリーホワイトモードの表示であり、バックライト40からの照明光を利用する透過表示は、ノーマリーブラックモードの表示である。
【0176】
この実施例の液晶表示装置は、前記後面部材24の吸収偏光板26を、その透過軸26aを前記反射偏光板25の透過軸25pとほぼ直交させて配置したものであるため、前記バックライト40から出射し、前記吸収偏光板26を透過して前記反射偏光板25に入射する光は、この反射偏光板25の反射軸25sに沿った振動面を有する偏光成分の直線偏光光であるが、前記反射偏光板25は、その反射軸25sに沿った偏光成分の光もある程度透過させるため、その透過光を液晶素子1にその後側から入射させて前記透過表示を行なうことができる。
【0177】
この液晶表示装置は、前記透過表示のときのバックライト40からの照明光の利用効率が低いが、前記バックライト40から高輝度の照明光を出射させることにより、前記透過表示の明るさを確保することができる。
【0178】
図16は、この発明の第10の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図であり、この実施例は、液晶素子1の後側に、反射偏光板33と、この反射偏光板33の後側に光吸収手段として設けられた、所定の波長帯域の光を吸収する着色膜34とからなる後面部材32を配置し、さらに前記後面部材32の後側にバックライト40を配置したものである。なお、前記着色膜34は、単一色のカラーフィルムからなっている。
【0179】
この実施例において、前記後面部材24は、図12に示した第6の実施例と同じもの、前記バックライト40は、図15に示した第9の実施例と同じものであり、また、後面部材24とバックライト40以外は、図11に示した第5の実施例の液晶表示装置と同じ構成であるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0180】
ただし、この実施例では、液晶素子1として、カラーフィルタ6R,6G,6Bを備えないものを用いている。
【0181】
この実施例の液晶表示装置は、液晶素子1の後側に、反射偏光板33と、そのに設けられた着色膜34とからなる後面部材32を配置し、さらに前記後面部材32の後側にバックライト40を配置したものであるため、十分な明るさの外光が得られる環境下では外光を利用する反射表示を行ない、十分な明るさの外光が得られない環境下では前記バックライト40からの照明光を利用する透過表示を行なうことができる。
【0182】
すなわち、この液晶表示装置は、十分な明るさの外光が得られる環境下では、前側からの入射光を前記後面部材24の反射偏光板25により反射させて表示し、十分な明るさの外光が得られないときに、前記バックライト40を点灯させることにより、このバックライト40からの照明光を利用して表示するものである。
【0183】
なお、この実施例の液晶表示装置は、液晶素子1の前側に配置された前側反射偏光板10と、前記液晶素子1の後側に配置された後面部材32の反射偏光板33とを、それぞれの反射軸10s,33s同士および透過軸10p,33p同士を互いにほぼ平行にして配置したものであり、したがって、外光を利用する反射表示は、ノーマリーホワイトモードの表示であり、バックライト40からの照明光を利用する透過表示は、ノーマリーブラックモードの表示である。
【0184】
すなわち、外光を利用する反射表示のときは、液晶素子1の液晶層9にOFF電界が印加されたとき(液晶分子が初期のツイスト配向状態にあるとき)に、前側から入射した光が前記後面部材32の反射偏光板33により反射されてその領域の表示が、白の明表示となり、ON電界が印加されたとき(液晶分子が基板面に対して立ち上がり配向したとき)に、前側から入射した光が前記後面部材32の反射偏光板33を透過して着色膜34により吸収され、その領域の表示が、ほぼ黒の暗表示になる。
【0185】
また、バックライト40からの照明光を利用する透過表示のときは、前記バックライト40からの照明光が、前記着色膜34によりその吸収波長帯域の波長光を吸収され、この着色膜34の色に着色した着色光となって後側から入射する。
【0186】
そして、この反射表示のときは、前記液晶素子1の液晶層9にOFF電界が印加されたときに、後側から入射した光が前側反射偏光板10により反射され、その領域の表示が、ほぼ黒の暗表示になり、ON電界が印加されたときに、後側から入射した光が前側反射偏光板10を透過して前側に出射し、その領域の表示が、前記着色膜34の色の明表示になる。
【0187】
前記着色膜34の色は任意に選べばよく、例えば、前記着色膜34を赤色の着色膜とすることにより、前記透過表示を、白の背景中に赤色で表示情報を表示する着色表示とすることができる。
【0188】
また、上記第10の実施例の後面部材32は、反射偏光板33の後側に設ける着色膜34を、単一色のカラーフィルムにより形成しているが、前記着色膜34は、図17に示した第11の実施例のように、複数の色(図では2色)のカラーフィルム34a,34bを所定のパターンで設けた復数色の着色膜としてもよく、このようにすることにより、白の背景中に、複数の色で表示情報を表示する着色表示を行なうことができる。
【0189】
なお、上述した各実施例の液晶表示装置は、アクティブマトリックス液晶素子1を用いたものであるが、前記液晶素子は、単純マトリックス液晶素子でもよい。
【0190】
図18は、この発明の第12の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図であり、この実施例の液晶表示装置は、単純マトリックス液晶素子1′を用いたTN型液晶表示装置である。
【0191】
なお、前記単純マトリックス液晶素子1′は、液晶層を挟んで対向する一対の基板のうち、一方の基板の内面に、行方向に沿う複数の走査電極を互いに平行に形成し、他方の基板の内面に、列行方向に沿う複数の信号電極を互いに平行に形成したものでも、前記一方の基板の内面に、表示パターンに対応する形状の複数のセグメント電極を形成し、他方の基板の内面に、前記複数のセグメント電極に対向する複数のコモン電極を形成したものでもよい。
【0192】
この実施例の液晶表示装置は、図12に示した第6の実施例の液晶表示装置の液晶素子1を、単純マトリックス方式の液晶素子1′に置き換えたものであり、他の構成は、前記第6の実施例と同じである。
【0193】
そして、この実施例では、前記単純マトリックス液晶素子1′の液晶分子を、上述した第1〜第11の実施例で用いたアクティブマトリックス液晶素子1の液晶分子のツイスト角(ほぼ90°)よりも僅かに大きい約100°のツイスト角でツイスト配向させている。
【0194】
すなわち、この実施例では、前記単純マトリックス液晶素子1の前側基板2の近傍における液晶分子の配向方向2aと、後側基板3の近傍における液晶分子の配向方向3aとを、約100°ずらし、前記液晶分子を、図18に破線矢印で示したように、約100°のツイスト角でツイスト配向している。
【0195】
なお、前記液晶素子1′の前側に配置された前側反射偏光板10は、図18のように、その透過軸10pを前記液晶素子1の前側基板2の近傍における液晶分子配向方向2aとほぼ平行にするか、あるいはほぼ直交させて配置されており、後面部材24の反射偏光板25は、その反射軸25sを前側反射偏光板10の反射軸10sとほぼ直交させ、透過軸25pを前側反射偏光板10の透過軸10pとほぼ直交させて配置されている。
【0196】
この実施例の液晶表示装置は、液晶素子1′が単純マトリックス液晶素子であるが、その液晶分子を約100°のツイスト角でツイスト配向させているため、液晶分子をほぼ90°のツイスト角でツイスト配向させた単純マトリックス液晶素子に比べて、電界に対する液晶分子の応答性が良く、したがって良好なコントラストを得ることができる。
【0197】
この実施例において、前記単純マトリックス液晶素子1′の液晶分子のツイスト角(約100°)は、100°±5°の範囲が好ましく、また、前記液晶素子1′の液晶の複屈折性Δnと液晶層厚dとの積Δndの値は、115nm〜130nmの範囲が好ましい。
【0198】
図19は、前記単純マトリックス液晶素子1′の液晶分子のツイスト角を100°とした液晶表示装置(以下、100°ツイスト液晶表示装置と言う)と、前記単純マトリックス液晶素子1′の液晶分子のツイスト角を90°とした液晶表示装置(以下、90°ツイスト液晶表示装置と言う)との、1/5デューティで時分割駆動したときの液晶素子1′のΔndとコントラストの関係を示している。
【0199】
この図19のように、90°ツイスト液晶表示装置は、前記液晶素子1′のΔndの値が115nmのときに最も良いコントラストが得られるが、そのコントラスト値は5.3程度である。
【0200】
一方、100°ツイスト液晶表示装置は、前記液晶素子1′のΔndに対するコントラスト値が、前記90°ツイスト液晶表示装置に比べて高く、また、前記Δndが約160nm以下であるときのコントラスト値が、前記90°ツイスト液晶表示装置の最良コントラスト値(Δnd=115nmのときのコントラスト値)よりも高い。
【0201】
しかも、この100°ツイスト液晶表示装置は、前記Δndが115nm〜130nmの範囲であるときのコントラスト値が6.5以上と十分であり、特に、Δndが126nmのときのコントラスト値が約6.7と最も高い。
【0202】
この実施例の液晶表示装置は、液晶素子1′が単純マトリックス液晶素子であるが、その液晶分子を約100°のツイスト角でツイスト配向させているため、液晶分子をほぼ90°のツイスト角でツイスト配向させた単純マトリックス液晶素子に比べて、電界に対する液晶分子の応答性が良く、したがって良好なコントラストを得ることができる。
【0203】
したがって、この実施例の液晶表示装置においては、前記単純マトリックス液晶素子1′の液晶の複屈折性Δnと液晶層厚dとを、前記Δndの値が115nm〜130nmの範囲、より望ましくは126nmになるように選択するのが好ましく、このようにすることにより、良好なコントラストを得ることができる。
【0204】
なお、図18に示した液晶表示装置は、図12に示した第6の実施例の液晶表示装置の液晶素子1を、単純マトリックス方式の液晶素子1′に置き換えたものであるが、上述した第1〜第11のいずれの実施例の液晶表示装置においても、その液晶素子1を単純マトリックス方式の液晶素子1′に置き換える場合は、その液晶分子のツイスト角を約100°とし、前記単純マトリックス液晶素子1′のΔndの値を115nm〜130nmの範囲(より望ましくは126nm)にすればよい。
【0205】
また、上記第1〜第12の実施例の液晶表示装置は、TN型のものであるが、この発明は、液晶素子の液晶分子を180°〜270°のツイスト角のツイスト配向させたSTN(スーパー・ツイステッド・ネマティック)型の液晶表示装置、液晶素子の液晶分子を一方向にホモジニアス配向させたホモジニアス配向型液晶表示装置、強誘電性または反強誘電性液晶表示装置、液晶素子の一対の基板のうちの一方の基板の内面に複数のセグメント電極とそれに対向する複数のコモン電極とを配列形成した横電界駆動方式の液晶表示装置などにも適用することができる。
【0206】
【発明の効果】
この発明の液晶表示装置は、液晶素子の前側に、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうちの一方の偏光成分の光を反射し、他方の偏光成分の光を透過させる反射偏光板を配置するとともに、この反射偏光板の前側に配置された位相板からなり、前側から入射した光を透過させて前記反射偏光板に入射し、前記反射偏光板により反射された前記一方の偏光成分の光の少なくとも一部をその偏光状態を変えて前記反射偏光板に再び入射するとともに、後側から前記液晶素子および前記反射偏光板を透過してその前側に出射した光を透過させて前側に出射する光学素子を配置し、前記液晶素子の後側に、前記液晶素子を透過してその後側に出射した光の少なくとも一部を反射する後面部材を配置したものであるため、前側から入射する外光を高い効率で利用して明表示を明るくするとともに、良好なコントラストを得ることができる。
【0207】
この発明の液晶表示装置において、前記反射偏光板の前側に配置される光学素子は、透過する光の常光と異常光との間に位相差を与え、透過光の偏光状態を変化させる位相板が望ましく、この位相板を用いることにより、前記反射偏光板により反射されて前記位相板にその後側から入射した前記一方の偏光成分の光のうち、前記位相板により内面反射された光を、前記一方の偏光成分に対して直交する偏光成分の光またはその偏光成分を含む偏光状態の光として前記反射偏光板に再び入射することができる。
【0208】
前記位相板は、透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与えるλ/4板が好ましく、このλ/4板を用いることにより、前記反射偏光板により反射されて前記位相板(λ/4板)にその後側から入射し、この位相板により内面反射されてその後側に出射する光を、前記一方の偏光成分に対して直交する偏光成分(前記反射偏光板を透過する偏光成分)が多い偏光状態の光とし、前記反射偏光板に再び入射した光のほとんどを、この反射偏光板を透過させて液晶素子に入射することができるため、前側から入射する外光の利用効率をさらに高くし、明表示をより明るくするとともに、前側への光漏れをほとんど無くし、さらに良好なコントラストを得ることができる。
【0209】
前記λ/4板からなる位相板は、その遅相軸を、前記液晶素子の前側に配置された前記反射偏光板の反射軸および透過軸に対してほぼ45°の角度で交差させて配置するのが好ましく、このようにすることにより、前記λ/4板からなる位相板を用いたことによる上記効果を、最も効果的に発揮させることができる。
【0210】
また、この液晶表示装置において、前記液晶素子の前側に配置された反射偏光板は、その前面に、この反射偏光板により反射された前記一方の偏光成分の光を、前記反射偏光板の前側に配置された前記光学素子(例えば位相板)に対し、この光学素子により内面反射される入射角で入射させるための表面処理が施されたものが好ましく、このような反射偏光板を用いることにより、前側から入射する外光をさらに高い効率で利用して明表示をより明るくするとともに、前側への光漏れをさらに少なくし、より良好なコントラストを得ることができる。
【0211】
さらに、前記反射偏光板は、その前面に、前記一方の偏光成分の光を拡散させて反射し、前記他方の偏光成分の光を拡散することなく透過させるための表面処理が施されたものが好ましく、このような反射偏光板を用いることにより、前記反射偏光板により反射される前記一方の偏光成分の光を拡散反射し、その光の多くを前記光学素子に対して、この光学素子により内面反射される入射角で入射させるとともに、前記反射偏光板を透過する前記他方の偏光成分の光を、拡散することなく高い透過率で透過させて液晶素子に入射することができる。
【0212】
また、この液晶表示装置においては、前記液晶素子の前側に配置された反射偏光板とこの反射偏光板の前側に配置された前記光学素子との間に、透過光を所定の広がり角度範囲に拡散させる拡散層を設けてもよく、このような構成とすることにより、前記反射偏光板により反射される前記一方の偏光成分の光を前記所定の広がり角度範囲に拡散反射し、その光の多くを、前記光学素子に対し、この光学素子により内面反射される入射角で入射させることができる。
【0213】
前記拡散層は、前記液晶素子の前側に配置された前記反射偏光板の法線に対して傾いた方向に指向性を有する拡散手段により構成するのが好ましく、このようにすることにより、前記反射偏光板により反射される前記一方の偏光成分の光の大部分を、前記光学素子に対し、この光学素子により内面反射される入射角で入射させることができる。
【0214】
さらに、この液晶表示装置においては、前記液晶素子とその前側に配置された前記反射偏光板との間に、透過光を拡散させる拡散手段を設けるのが望ましく、このようにすることにより、前記後面部材により反射された光を前記拡散手段により拡散し、正面輝度の高い表示を得ることができる。
【0215】
また、この液晶表示装置において、前記液晶素子の後側に配置された前記後面部材は、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を反射し、他方の偏光成分の光を吸収するものが好ましく、このようにすることにより、前記液晶素子にその前側から入射し、この液晶素子の後側に出射した光のうち、前記一方の偏光成分の光を前記後面部材により反射して明表示を得、他方の偏光成分の光を前記後面部材により吸収して暗表示を得ることができる。
【0216】
このような後面部材は、例えば、互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を反射し、他方の偏光成分の光を透過させる反射偏光板と、この反射偏光板の後側に設けられた光吸収手段とにより構成すればよく、前記後面部材をこのような構成とすることにより、前記液晶素子の後側に出射した光のうち、前記一方の偏光成分の光を前記反射偏光板により反射して明表示を得、他方の偏光成分の光を前記光吸収層により吸収して暗表示を得ることができる。
【0217】
この後面部材は、前記液晶素子の後面に対向する第1の反射偏光板と、その後側に配置された第2の反射偏光板とを備え、前記第1の反射偏光板と第2の反射偏光板との間に透過光を拡散させる拡散層を設け、前記第2の反射偏光板の後側に光吸収手段を設けた構成のものがより好ましく、このようにすることにより、前記後面部材により反射される光量を多くし、より明るい表示を得ることができる。
【0218】
その場合、前記光吸収手段は、光吸収膜でも、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を透過させ、他方の偏光成分の光を吸収する吸収偏光板でも、あるいは、所定の波長帯域の光を吸収する着色膜でもよく、例えば前記光吸収手段を前記吸収偏光板とするか、あるいは前記着色膜とすることにより、十分な明るさの外光が得られる環境下では、外光を利用する反射表示を行ない、十分な明るさの外光が得られないときに、バックライトからの照明光を利用する透過表示を行なうことができる。
【0219】
また、前記後面部材は、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を透過させ、他方の偏光成分の光を吸収する吸収偏光板と、この吸収偏光板の後側に設けられた反射板とにより構成してもよく、後面部材をこのような構成とすることにより、前記液晶素子にその前側から入射し、この液晶素子の後側に出射した光のうち、前記一方の偏光成分の光を前記吸収偏光板により吸収して暗表示を得、他方の偏光成分の光を前記反射板により反射させて明表示を得ることができる。
【0220】
また、この液晶表示装置においては、前記液晶素子と前記後面部材との間に、透過光を拡散させる拡散手段を設けるのが望ましく、このようにすることにより、前記後面部材により反射された光を、通常の表示観察方向である正面方向(液晶表示装置の画面の法線に沿った方向の付近)に出射する光の強度が高い強度分布の光として前側に出射し、正面輝度の高い表示を得ることができる。
【0221】
前記液晶素子とその前側に配置された前記反射偏光板との間に設ける前記拡散手段と、前記液晶素子と前記後面部材との間に設ける前記拡散手段の一方または両方は、液晶素子の前側に配置された反射偏光板の法線に沿った方向に指向性を有しているのが好ましく、前記拡散手段にこのような指向性をもたせることにより、より正面輝度の高い表示を得ることができる。
【0222】
前記拡散手段は、一方の面に微小なレンズが配列形成されたレンズフィルムが好ましく、このレンズフィルムを用いることにより、前側反射偏光板の法線に沿った方向に光を拡散する指向性を得ることができる。
【0223】
また、この液晶表示装置においては、前記後面部材として、拡散反射性を有するものを用いてもよく、このようにしても、正面輝度の高い表示を得ることができる。
【0224】
さらに、この液晶表示装置において、前記液晶素子が単純マトリックス液晶素子である場合、前記液晶素子の液晶分子のツイスト角は、約100°にするのが望ましく、このようにすることにより、良好なコントラストを得ることができる。
【0225】
その場合、前記液晶素子のΔndの値は、115nm〜130nmの範囲が好ましく、このようにすることにより、より高いコントラストを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図。
【図2】前記液晶表示装置に用いた液晶素子の一部分の拡大断面図。
【図3】前記液晶素子の前側に配置された反射偏光板の表面粗さの一例を示す図。
【図4】前記液晶素子の前側に配置された反射偏光板の表面粗さの他の例を示す図。
【図5】前記液晶素子の後側に配置された後面部材を構成する反射偏光板の表面粗さを示す図。
【図6】前記液晶表示装置のOFF電界印加時とON電界印加時の光の透過経路を示す模式図。
【図7】前記液晶表示装置の前面の光学素子を省略した比較装置のOFF電界印加時とON電界印加時の光の透過経路を示す模式図。
【図8】この発明の第2の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図。
【図9】この発明の第3の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図。
【図10】この発明の第4の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図。
【図11】この発明の第5の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図。
【図12】この発明の第6の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図。
【図13】この発明の第7の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図。
【図14】この発明の第8の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図。
【図15】この発明の第9の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図。
【図16】この発明の第10の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図。
【図17】この発明の第11の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図。
【図18】この発明の第12の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図。
【図19】第12の実施例の単純マトリックス液晶素子の液晶分子のツイスト角を100°とした液晶表示装置と、前記単純マトリックス液晶素子の液晶分子のツイスト角を90°とした液晶表示装置とのΔndとコントラストの関係を示す図。
【符号の説明】
1,1′…液晶素子
2,3…基板
2a…前側基板の近傍における液晶分子配向方向
3a…後側基板の近傍における液晶分子配向方向
4,5…電極
6R,6G,6B…カラーフィルタ
7,8…配向膜
9…液晶層
10…反射偏光板
10s…反射軸
10p…透過軸
11…反射偏光板の前面の表面処理により形成された凹凸面
12…位相板(光学素子)
12a…遅相軸
13…後面部材
14…反射偏光板
14s…反射軸
14p…透過軸
15…光吸収膜
16,17…接着層
18…拡散手段
19…拡散層
20…後面部材
21…吸収偏光板
21a…透過軸
22…反射板
23…拡散手段
24…後面部材
25…反射偏光板
25s…反射軸
25p…透過軸
26…吸収偏光板
26a…透過軸
27…後面部材
28A…第1の反射偏光板
28B…第2の反射偏光板
28s…反射軸
28p…透過軸
29…拡散層
30…光吸収膜
31…吸収偏光板
31a…透過軸
32…後面部材
33…反射偏光板
33s…反射軸
33p…透過軸
34…着色膜
34a,34b…カラーフィルム
40…バックライト

Claims (21)

  1. 表示の観察側である前側の基板と、この前側基板に対向する後側基板との間に、印加される電界に応じて透過光の偏光状態を制御する液晶層が設けられてなる液晶素子と、
    前記液晶素子の前側に配置され、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を反射し、他方の偏光成分の光を透過させる反射偏光板と、
    前記反射偏光板の前側に配置された位相板からなり、前側から入射した光を透過させて前記反射偏光板に入射させ、前記反射偏光板により反射された前記一方の偏光成分の光の少なくとも一部をその偏光状態を変えて前記反射偏光板に再び入射させるとともに、後側から前記液晶素子および前記反射偏光板を透過してその前側に出射した光を透過させて前側に出射する光学素子と、
    前記液晶素子の後側に配置され、前記液晶素子を透過してその後側に出射した光の少なくとも一部を反射する後面部材と、
    を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 位相板は、透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与えるλ/4板であることを特徴とする請求項に記載の液晶表示装置。
  3. 位相板は、その遅相軸を、液晶素子の前側に配置された反射偏光板の反射軸および透過軸に対してほぼ45°の角度で交差させて配置されていることを特徴とする請求項に記載の液晶表示装置。
  4. 液晶素子の前側に配置された反射偏光板の前面に、この反射偏光板により反射された一方の偏光成分の光を、前記反射偏光板の前側に配置された光学素子に対し、この光学素子により内面反射される入射角で入射させるための表面処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  5. 液晶素子の前側に配置された反射偏光板の前面に、一方の偏光成分の光を拡散させて反射し、他方の偏光成分の光を拡散することなく透過させるための表面処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  6. 液晶素子の前側に配置された反射偏光板とこの反射偏光板の前側に配置された光学素子との間に、透過光を所定の広がり角度範囲に拡散させる拡散層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  7. 拡散層は、液晶素子の前側に配置された反射偏光板の法線に対して傾いた方向に指向性を有していることを特徴とする請求項に記載の液晶表示装置。
  8. 液晶素子とその前側に配置された反射偏光板との間に、透過光を拡散させる拡散手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  9. 液晶素子の後側に配置された後面部材は、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を反射し、他方の偏光成分の光を吸収することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  10. 後面部材は、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を反射し、他方の偏光成分の光を透過させる反射偏光板と、この反射偏光板の後側に設けられた光吸収手段とからなっていることを特徴とする請求項に記載の液晶表示装置。
  11. 後面部材は、液晶素子の後面に対向する第1の反射偏光板と、その後側に配置された第2の反射偏光板とを備えており、前記第1の反射偏光板と第2の反射偏光板との間に、透過光を拡散させる拡散層が設けられ、前記第2の反射偏光板の後側に、光吸収手段が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置。
  12. 光吸収手段は、光吸収膜からなっていることを特徴とする請求項10または11に記載の液晶表示装置。
  13. 光吸収手段は、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を透過させ、他方の偏光成分の光を吸収する吸収偏光板からなっていることを特徴とする請求項10または11に記載の液晶表示装置。
  14. 光吸収手段は、所定の波長帯域の光を吸収する着色膜からなっていることを特徴とする請求項10または11に記載の液晶表示装置。
  15. 後面部材は、入射光の互いに直交する2つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の光を透過させ、他方の偏光成分の光を吸収する吸収偏光板と、この吸収偏光板の後側に設けられた反射板とからなっていることを特徴とする請求項に記載の液晶表示装置。
  16. 液晶素子と後面部材との間に、透過光を拡散させる拡散手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  17. 拡散手段は、液晶素子の前側に配置された反射偏光板の法線に沿った方向に指向性を有していることを特徴とする請求項または16に記載の液晶表示装置。
  18. 拡散手段は、一方の面に微小なレンズが配列形成されたレンズフィルムからなっていることを特徴とする請求項17に記載の液晶表示装置。
  19. 後面部材が拡散反射性を有していることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  20. 液晶素子は、単純マトリックス液晶素子であり、その液晶分子のツイスト角が約100°であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  21. 液晶素子の液晶の複屈折性Δnと液晶層厚dとの積Δndの値が、115nm〜130nmの範囲であることを特徴とする請求項20に記載の液晶表示装置。
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