JP3747695B2 - 画像読取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像読取装置の原稿サイズ検知に係り、精度の高い原稿サイズ判定を実施する画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の複写機等の画像読取装置では、プラテンガラス上の任意の位置に置かれた原稿の位置検出や非定型の原稿サイズを検出するために、プラテンバックを黒色あるいは鏡面とし、原稿領域以外では背景が黒色となるようにし、CCD等で検出された画像情報の濃度変化が生じる位置を検出することにより原稿領域を判定していた。
【0003】
ところで、このような判定方法では、プラテンバックやプラテンガラスにゴミ等が付着している場合、これを原稿端と誤検知してしまう問題があった。この問題を解決するために、例えば、特開平5−110780では、原稿領域内画素が設定値の回数だけ連続した時、設定値の回数を遡った位置を原稿端とする方式が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術では、原稿内情報が原稿端まで記載されている原稿に対しては、原稿領域内であるにも拘わらず、原稿領域内画素の連続回数が設定値の回数に達しないので、原稿端を正しく検知することができなくなるという問題がある。そこで、このような場合でも原稿端を正しく検知するために、連続数の設定値を小さくすると、原稿領域外にゴミなどが存在すると、該ゴミを原稿領域内画素であると誤検知する可能性が高まるという問題があった。
【0005】
この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、どのような原稿内情報を持つ原稿に対しても正確に原稿サイズを判定することができ、また原稿領域外のゴミを誤検知することがなく高精度で原稿サイズを判定することができる画像読取装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1記載の発明では、原稿台上に載置された原稿に対し、読取手段を副走査方向に移動させながら主走査方向の画像情報を読み取る画像読取装置において、前記読取手段によって読み取られた画像情報が原稿領域候補画素であるか原稿領域外候補画素であるかを判定する画像情報判定手段と、前記画像情報判定手段によって判定された原稿領域外候補画素が第2閾値以上連続する場合には、該連続する原稿領域外候補画素を原稿領域外候補とし、それ以外の場合には、該連続する原稿領域外候補画素を原稿領域候補とする領域判定手段と、前記領域判定手段によって判定された原稿領域候補が第1閾値以上連続する場合、前記原稿領域候補の連続する数に基づいて原稿端位置を判定する原稿端判定手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、画像情報判定手段は、副走査方向に移動させながら読取手段によって読み取った画像情報が原稿領域候補画素であるか原稿領域外候補画素であるかを判定する。次いで、領域判定手段は、前記画像情報判定手段によって判定された原稿領域外候補画素が第2閾値以上連続する場合には、該連続する原稿領域外候補画素を原稿領域外候補とし、それ以外の場合には、該連続する原稿領域外候補画素を原稿領域候補とする。そして、原稿端判定手段は、前記領域判定手段によって判定された原稿領域候補が第1閾値以上連続する場合、前記原稿領域候補の連続する数に基づいて原稿端位置を判定する。これにより、第2閾値以下の原稿端領域外候補画素、すなわち原稿内情報を無視して原稿端を算出するので、原稿端まで原稿内情報が記載された原稿においても、原稿端を誤検知せずに、正確に原稿端を検知することが可能となる。また、このことにより、原稿領域候補の連続数を判定するための第1閾値を大きく設定できるため、原稿領域外のゴミによる誤検知を著しく低減することが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。
A.実施形態の構成
A−1.画像処理装置の外観
図1および図2は、本発明の一実施形態による原稿サイズ検知装置を適用した画像処理装置(一部)の外観例を示す斜視図である。図1において、画像読取装置1は、原稿を載置するためのプラテンガラス2、明度が低い色材で全面着色された原稿押え面3を持つプラテンカバー4、照明やミラーを積載し副走査方向に移動自在なキャリッジ7、原稿の画像情報を光から電気信号に変換する光電変換部9等から構成されている。図2において、画像読取装置10は、原稿を載置するためのプラテンガラス2、複数の着色領域11が副走査方向に形成された白地の原稿押え面を持つプラテンカバー4、プラテンカバー4の開閉を検知する開閉センサ5、プラテンカバー4がプラテンガラス2に対して所定角度になったことを検知する角度センサ6、照明やミラーを積載し副走査方向に移動自在なキャリッジ7、原稿の画像情報を光から電気信号に変換する光電変換部9等から構成されている。
【0009】
A−2.画像読取装置の読取原理
次に、図3は、本実施形態による原稿サイズ検知装置を具備した画像読取装置の読取原理を説明するための概念図である。キャリッジ7は、所定の走査速度で図示する副走査方向に移動するフルレートキャリッジ7aおよび半分の走査速度で図示する副走査方向に移動するハーフレートキャリッジ7bから構成される。フルレートキャリッジ7aは、プラテンガラス2上に載置された原稿Aの下面(以下、原稿面という)を照射する照明部15と、原稿面からの反射光をハーフレートキャリッジ7bに入光させる第一ミラー16とを備えている。また、ハーフレートキャリッジ7bは、原稿面からの反射光をレンズに導くための第2ミラー17a、第3ミラー17bを備えている。フルレートキャリッジ7aの照明部15は、原稿面を照射し、その反射光は第1ミラー16で反射され、ハーフレートキャリッジ7bの第2ミラー17aに入光する。第2ミラー17aに入光した反射光は、第3ミラー17bを経てレンズ18で結像する。レンズ18で結像された反射光は、光電変換素子19に入光する。光電変換素子19は、カラーCCD等であり、入光された反射光をRGBの3種類の電気信号へ変換する。キャリッジ7(フルレートキャリッジ7a,ハーフレートキャリッジ7b)は、上述したように、副走査方向に移動自在であり、原稿面を照射しながら副走査方向に移動することにより、原稿面の画像情報を読み取ることが可能になっている。
【0010】
A−3.画像読取装置の全体構成
次に、図4は、本実施形態による原稿サイズ検知装置を具備した画像読取装置の全体構成を示すブロック図である。画像読取制御部20は、ROM21に記憶されている所定のプログラムに従って、画像読取装置の各ブロックを制御する。照明制御部22は、画像読取制御部20の命令に従って、照明部23のON/OFF動作を実施する。走査制御部24は、画像読取制御部20の命令に従って、ステッピングモータ25に走査手段駆動信号を送信して駆動することで、キャリッジ7を副走査方向へ移動させる。光電変換部26は、入光した画像情報をRGBの3種類の電気信号に変換し、アナログ補正およびシェーディング補正部27へ送信する。アナログ補正およびシェーディング補正部27は、RGBの3種麺の電気信号に対して、AGC(自動ゲイン制御)、AOC(自動オフセット制御)等の処理を実施した後、A/D変換を実施し、アナログ値から多値情報へ変換するとともに、シェーディング補正を実施する。
【0011】
画像処理部28は、RGBの多値情報を画像情報を、明度と色度からなるL***の多値情報へ変換する。原稿サイズ検知部29は、上記L***の多値情報に従って、原稿の主走査方向および副走査方向の開始端・終了端を検出して記憶する。上述した光電変換部26から原稿サイズ検知部29まで伝達される画像情報は、画素単位の同期信号である画素同期信号、ライン単位の同期信号である主走査ライン同期信号にそれぞれ同期している。また、画素同期信号は、主走査同期信号が有効である期間内のみ有効、主走査同期信号は、副走査同期信号が有効である期間内のみ有効である。各センサ30は、図2に示す画像読取装置における開閉センサ5、角度センサ6などである。
【0012】
A−4.原稿サイズ検知部の構成
次に、図5は、本実施形態による原稿サイズ検知部の内部構成を示すブロック図である。原稿サイズ検知部29は、画素判定部40、主走査方向原稿端検出部41、ライン判定部42、副走査方向原稿端検出部43、レジスタ群44およびバスインターフェース45から構成されている。まず、画素判定部40は、画像処理部28からのL***の多値情報を、各画素毎に、予め設定してあるL***の閾値と比較し、原稿領域レベルか原稿領域外レベルかの2値判定を実施する。
【0013】
ところで、本実施形態では、予備走査で副走査方向のみのサイズ検知を実施する場合と、予備走査で主走査および副走査方向のサイズ検知を実施する場合とがあり、どちらを実施するかで処理が異なる。予備走査で副走査方向のみのサイズ検知を実施する場合には、図2に示す、白の原稿押え面に副走査方向の着色領域11を形成したプラテンカバー4を用い、原稿領域によって覆い隠される着色領域部分を検出することにより副走査方向の原稿端を検出する。この場合、主走査方向の原稿サイズ検知は、予備走査を行う前に実施する。一方、予備走査で主走査および副走査方向のサイズ検知を実施する場合には、図1に示す、明度が低い色材で全面着色された原稿押え面3を持つプラテンカバー4を用い、原稿領域と原稿領域外との明度の違いに基づいてエッジを検出することで、主走査方向および副走査方向の原稿端を検出する。
【0014】
副走査方向のみのサイズ検知を実施する場合には、画素判定部40による各画素の判定結果は、ライン判定部42へ供給される。ライン判定部42は、各画素の判定結果を受け、所定のアルゴリズムに従って、各ラインがそれぞれ原稿領域候補か原稿領域外候補かの2値判定を実施する。上記アルゴリズムでは、ライン中の原稿領域レベルであると判定された画素数を、予め設定した閾値と比較することにより、そのラインが原稿領域候補か原稿領域外候補か判定する。なお、ライン中の原稿領域外レベルであると判定された画素数を、予め設定した闇値と比較することにより、そのラインが原稿領域候補か原稿領域外候補か判定してもよい。あるいは、ライン中の各画素のレベルが予め各画素毎に設定した期待値と一致する数を、閾値と比較することにより、そのラインが原稿領域候補か原稿領域外候補か判定してもよい。
【0015】
主走査方向および副走査方向の両方向についてサイズ検知を実施する場合には、画素判定部40による各画素の判定結果は、主走査方向原稿端検出部41に供給される。主走査方向原稿端検出部41は、後述する動作原理に基づいて、各ライン毎に、主走査方向原稿領域確定期間を検出する。原稿領域確定期間とは、その期間に確実に原稿が存在すると判定される期間である。主走査方向原稿領域確定期間が存在しなければ、そのラインは原稿領域外侯補と判断され、存在すれぱ、そのラインは原稿領域候補と判断される。さらに、後述する動作原理に基づき、各ライン毎に主走査方向原稿開始端侯補および終了端候補を検出し、開始端候補の中の最小値を主走査方向原稿開始端、終了端候補の中の最大値を主走査方向原稿終了端とする。また、各ライン毎の主走査方向原稿領域確定期間の有無は、ライン判定結果として副走査方向原稿端検出部43へ供給される。
【0016】
副走査方向原稿端検出部43は、主走査方向原稿端検出部41によるライン判定結果を受け、後述する動作原理に基づいて、副走査方向原稿領域確定期間を検出し、後述する動作原理に基づいて、副走査方向原稿開始端および終了端を検出する。レジスタ群44は、上述した各部の検出結果を記憶したり、各部で使用する閾値や設定値等を格納している。画像読取制御部20は、バスインターフェース45を介してレジスタ群44の各情報を読み書きする。
【0017】
A−5.主走査方向原稿端検出部の構成
次に、図6は、上述した主走査方向原稿端検出部の詳細な構成を示すブロック図である。図において、主走査方向原稿端検出部41は、原稿領域判定部49、カウンタ55、演算器56、開始端有効信号生成部57およびライン判定結果生成部58から構成されている。原稿領域判定部49は、カウンタ50、比較器51、カウンタ52、比較器53およびAND回路54から構成されている。
【0018】
カウンタ50は、主走査同期信号が有効である時、常に画素同期信号の数をカウントし、画素判定結果が原稿領域レベルであると「0」にクリアされる。つまり、原稿領域外レベルが連続する限り、カウントアップしていくので、カウンタ50の出力は、原稿領域外レベルの連続数を示すことになる。比較器51は、カウンタ50の出力と第2閾値を比較し、原稿領域外レベルの連続数が第2閾値以上であるか否かを判断し、原稿領域外レベルの連続数が第2閾値以上となると、後段のカウンタ52を「0」にクリアする信号を出力する。
【0019】
カウンタ52は、主走査同期信号が有効である時、常に画素同期信号の数をカウントし、比較器51からのクリア信号で「0」にクリアされる。つまり、原稿領域外レベルの連続数が第2閾値以上続く場合を除き、カウントアップしていくので、カウンタ52の出力は、連続数が第2閾値未満の原稿領域外レベルを含む原稿領域レベルの連続数を示すことになる。比較器53は、上記連続数が第2閾値未満の原稿領域外レベルを含む原稿領域レベルの連続数が第1閾値以上であるか否かを判断し、原稿領域レベルの連続数が第1閾値以上であれば、「1」を出力する。
【0020】
AND回路54は、上記比較器53の出力と画素判定結果との論理積をとることで、原稿領域レベルの連続数が第1閾値以上で、かつ画素判定結果が原稿領域レベルを示すとき、原稿領域確定期間を示す原稿領域確定信号を出力する。原稿領域確定期間は、途中に原稿領域外レベルが存在する場合、複数個に分割される。カウンタ55は、主走査同期信号が有効である時、常に画素同期信号の数をカウントし、主走査同期信号が無効になると「0」にクリアされる。すなわち、カウンタ55の出力値は、現在の画素位置を示すことになる。演算器56は、原稿開始端の位置を算出するもので、現在の画素位置を示すカウンタ55の出力結果から原稿領域レベルの連続数を示すカウンタ52の出力結果を減算し、さらに「1」を加算した値を、原稿開始端を示す開始端データとしてレジスタ74へ供給する。
【0021】
開始端有効信号生成部57は、原稿領域確定信号がライン中に1つしか発生しない場合には、該原稿領域確定信号を、そのまま開始端有効信号とし、原稿領域確定信号がライン中に複数個発生した場合には、原稿領域確定信号のうち、最初の原稿領域確定信号を開始端有効信号として、レジスタ群44へ供給する。すなわち、原稿領域確定信号がライン中に1つしか発生しない場合には、原稿領域確定信号中にサンプリングした演算器56の出力結果が、そのまま原稿開始端の位置を示すので、原稿領域確定信号を、そのまま開始端有効信号とすればよい。一方、原稿領域確定信号がライン中に複数個発生した場合には、それぞれ原稿領域確定信号中にサンプリングした演算器56の出力結果は、それぞれの原稿領域確定信号における開始端位置を示すことになるので、最初の原稿領域確定信号以外の開始端位置は偽情報となる。したがって、原稿開始端位置をサンプリングする原稿領域確定信号のうち、最初の1つのみを開始端有効信号とすればよい。
【0022】
レジスタ群44は、上記開始端有効信号が有効である期間中、画素同期信号を書き込みクロックとして、原稿開始端位置を格納するレジスタの値を、演算器56の出力値で更新する。一方、原稿終了端の位置は、原稿開始端と異なり、全ての原稿領域確定期間のうち、最後の値となる。したがって、原稿終了端位置をサンプリングする期間は、全原稿領域確定期間とすればよい。ゆえに、レジスタ群44は、原稿領域確定信号を終了端有効信号とし、該終了端有効信号が有効である期間中、現在の画素位置を示すカウント55の出力値で、原稿終了端位置を格納するレジスタの値を更新する。また、ライン判定結果生成部58は、生成された原稿領域確定信号からライン判定結果信号を生成し、副走査方向原稿端検出部43へ供給する。
【0023】
A−6.副走査方向原稿端検出部の構成
次に、図7は、副走査方向原稿端検出部の詳細な構成を示すブロック図である。前述した主走査方向原稿端検出部41は、画素判定結果から主走査方向の原稿端を検出するのに対して、副走査方向原稿端検出部43は、ライン判定結果から副走査方向の原稿端を検出する。したがって、副走査方向原稿端検出部43の構成は、主走査方向原稿端検出部41とほぼ同じで、原稿領域判定部59、カウンタ65、演算器66、開始端有効信号生成部67から構成されている。また、原稿領域判定部59は、カウンタ60、比較器61、カウンタ62、比較器63、AND回路64から構成されている。これら原稿領域判定部59、カウンタ65、演算器66、開始端有効信号生成部67は、それぞれ主走査方向原稿端検出部41の原稿領域判定部49、カウンタ55、演算器56、開始端有効信号生成部57に対応し、カウンタ60、比較器61、カウンタ62、比較器63、AND回路64は、それぞれ主走査方向原稿端検出部41のカウンタ50、比較器51、カウンタ52、比較器53、AND回路54に対応する。副走査方向原稿端検出部43では、ライン判定結果に対して前述した主走査方向原稿端検出部41と同様の動作を行うことにより、副走査方向の原稿開始端および終了端を検出する。
【0024】
B.実施形態の動作
次に、上述した実施形態の動作について、図8を参照して2つの動作例で説明する。
B−1.第1の動作例
まず、第1の動作例として、図1に示すように、原稿押え面3の全面を黒色にしたプラテンカバー4を用いた画像読取装置1において、原稿サイズ検知を実施する例を説明する。この場合、原稿サイズ検知は、予備走査時に主走査方向および副走査方向の両方向のサイズ検知を実施する。まず、原稿をプラテンガラス2上に載置し、プラテンカバー4を閉じた後、図示しないスタートボタンを押下する。スタートボタンの押下により、キャリッジ7内の照明部を点灯し、キャリッジ7を副走査方向に移動させ、予備走査による画像読取を開始する。照明光は、原稿で反射され画像情報となり、ミラーを経て光電変換素子9に入光する。光電変換素子9は、入光した画像情報をRGBの3種類の電気信号に変換し、アナログ補正部&シェーディング補正部27へ供給する。アナログ補正部では、RGBの3種類の電気信号に対して、AGC(自動ゲイン制御)、AOC(自動オフセット制御)等の処理を実施した後、A/D変換を実施する。RGBの3種類の電気信号は、アナログ値から多値情報と変換される。この後、シェーディング補正部において、シェ−ディング補正が実施される。こうしてシェ−ディング補正されたRGBの多値情報は、画像処理部28へ供給される。画像処理部28では、RGB→L***変換が実施され、画像情報は明度と色度を表す多値情報となる。原稿サイズ検知部29では、画素判定部40により、上記L***の多値情報を、各画素毎に、予め設定してあるL***の閾値と比較し、原稿領域レベルであるか、原稿領域外レベルであるかの2値判定を実施する。画素判定結果は、主走査方向原稿端検出部41へ供給される。
【0025】
主走査方向原稿端検出部41では、まず、カウンタ50において、原稿領域外レベルの連続数がカウントされる。図8に示す例では、画素判定結果が原稿領域外レベルのときに、順次カウントされ、ゴミや、原稿によって原稿領域レベルとなると、「0」にクリアされる。また、カウンタ52では、原稿領域外レベルの連続数が第2閾値以上続き比較器51によって「0」にクリアされるまで、画素同期信号が順次カウントされる。図8に示す例では、第2閾値を「3」としているので、カウンタ50の出力が「3」以上となると、クリアされることになる。したがって、カウンタ52では、図8に示すように、原稿領域外レベルが第2閾値(「3」)以上続かなくなってからの原稿領域レベルの連続数がカウントされることになる。また、このとき、連続数が「3」未満の原稿領域外レベルが検出されたとしても、原稿内情報であると判断して無視する。
【0026】
そして、AND回路54からは、原稿領域レベルの連続数が第1閾値以上で、かつ画素判定結果が原稿領域レベルを示すとき、原稿領域確定期間を示す原稿領域確定信号が出力される。図8に示す例では、第1閾値を「4」としているので、カウンタ52の出力である原稿領域レベルの連続数が「4」以上で、かつ画素判定結果が原稿領域レベルを示すときに、「1」となる原稿領域確定信号が出力される。また、図8に示す例では、途中に原稿領域外レベル(原稿内情報)が存在するので、原稿領域確定信号は複数個に分割される。開始端有効信号生成部57では、原稿領域確定信号から開始端有効信号が生成され、レジスタ群44へ供給される。一方、カウンタ55では、現在の画素位置がカウントされ、演算器56では、現在の画素位置を示すカウンタ55の出力結果と原稿領域レベルの連続数を示すカウンタ52の出力結果とから、原稿開始端を示す開始端データが算出される。レジスタ群44では、原稿開始端位置を記憶するレジスタの値が、開始端有効信号が有効である期間中、演算器56の出力値で更新されていく。
【0027】
これに対して、原稿終了端の位置は、原稿開始端と異なり、全ての原稿領域確定信号のうち最後の値となるので、全原稿領域確定信号を終了端有効信号とすればよい。レジスタ群44では、原稿終了端位置を記憶するレジスタの値が、終了端有効信号が有効である期間中、現在の画素位置を示すカウント55の出力値で更新され続ける。このようにして、主走査同期信号の有効期間が終了すると、レジスタ群44には、対応するレジスタに、そのラインの原稿開始端位置と原稿終了端位置とが書き込まれていることになる。上述した動作を各ラインに対して実施していき、最終的に、各ラインの原稿開始端位置のうち、「0」以外の最も小さい値を主走査方向原稿開始端位置、原稿終了端位置のうち、最も大きい値を主走査方向原稿終了端位置とする。
【0028】
また、ライン判定結果生成部58では、検出した原稿領域確定信号からライン判定結果信号(原稿領域確定信号の有無を示す2値信号)が生成され、副走査方向原稿端検出部43へ供給される。副走査方向原稿端検出部43では、ライン判定結果に対して前述した主走査方向原稿端検出部41と同様の動作が行われ、最終的に、レジスタ群44における対応するレジスタに、副走査方向の原稿開始端位置と原稿終了端位置とが書き込まれることになる。このようにして、予備走査時に主走査および副走査方向の原稿サイズが検知され、その後、該原稿サイズに従って読取走査が実行される。
【0029】
B−2.第2の動作例
次に、第2の動作例として、図2に示すように、白の原稿押え面に副走査方向の着色領域11を形成したプラテンカバー4を用いた画像読取装置10にて、原稿サイズ検知を実施する例を説明する。この場合、主走査方向原稿サイズ検知は、予備走査開始以前に実施し、予備走査では、副走査方向原稿サイズ検知を実施する。主走査方向原稿サイズ検知は、原稿を載置しプラテンカバー4を閉じる動作を行う際に実施する。この時、プラテンカバー4がプラテンガラス2に対して所定角度になったことが角度センサ6によって検知されると、キャリア7の照明部により照射が開始され、画像情報が読み取られる。このとき、原稿サイズ検知部29には、1ライン分のL***の多値情報が供給される。原稿サイズ検知部29内の画素判定部40では、各画素情報が、予め設定されているL***の閾値と比較され、原稿領域レベルであるか原稿領域外レベルであるかの2値判定が実施される。画素判定結果は、主走査方向原稿端検出部41へ供給される。以降、前述した第1の動作例と同様にして主走査方向原稿開始端および終了端が検出される。この過程で白色系原稿の原稿端情報が得られる。
【0030】
次に、プラテンカバー4が完全に閉じたことが開閉センサ5によって検知されると、再び、キャリア7の照明部により照射が開始され、画像情報が読み取られる。このときも、原稿サイズ検知部29には、1ライン分のL***の多値情報が供給される。原稿サイズ検知部29内の画素判定部40では、各画素情報が、予め設定してあるL***の閾値と比較され、原稿領域レベルであるか原稿領域外レベルであるかの2値判定が実施される。画素判定結果は、主走査方向原稿端検出部41へ供給される。以降、前述した第1の動作例と同様にして主走査方向原稿開始端および終了端が検出される。この過程で黒色系原稿の原稿端情報が得られる。そして、上述した処理によって得られた2種類の主走査方向原稿開始端のうち、小さい値を最終的な主走査方向原稿開始端とし、2種類の主走査方向原稿終了端のうち、大きい値を最終的な主走査方向原稿終了端とする。以上により、主走査方向原稿端が検出される。
【0031】
次に、スタートボタンが押下されると、予備走査を開始する。このときも、第1の動作例と同様に、原稿サイズ検知部29にL***の多値情報が送られる。原稿サイズ検知部29内の画素判定部40では、各画素情報が予め設定されているるL***の閾値と比較され、原稿押え面上の着色領域レベルであるか着色領域外レベルであるかの2値判定が実施される。画素判定結果は、ライン判定部42へ供給される。ライン判定部42では、各ラインにおいて、それぞれ原稿押え面上の着色領域11が検出されたか判定される。原稿が載置されている領域では、着色領域11が原稿によって覆われているので、着色領域レベルを検出できない。これに対して、原稿が載置されていない領域では、着色領域レベルを検出できる。
【0032】
これは、ライン中の着色領域レベルの画素数を予め設定された閾値と比較することにより、そのラインが原稿領域候補であるか、原稿領域外候補であるか判定してもよいし、ライン中の着色領域外レベルの画素数を予め設定されている閾値と比較することにより、そのラインが原稿領域候補であるか、原稿領域外候補であるか判定してもよい。また、着色パターンに基づいて予め各画素毎に設定された期待値(例えば、着色領域が検出されるべき画素位置を「1」、他を「0」とする)と、ライン中の各画素のレベルとが一致する数を、予め設定されている閾値と比較することにより、そのラインが原稿領域候補であるか、原稿領域外候補であるかを判定してもよい。
【0033】
このようにして得られたラインの判定結果は、副走査方向原稿端検出部43へ供給される。副走査方向原稿端検出部43では、前述した第1の動作例と同様に、ライン判定結果に従って、副走査方向原稿開始端および終了端が検出される。このようにして、プラテンカバー4の閉操作時に、主走査方向の原稿サイズが検出され、予備走査時に副走査方向の原稿サイズが検知され、その後、該原稿サイズに従って読取走査が実行される。
【0034】
なお、上述した実施形態では、予備走査で主走査および副走査方向の原稿端を検出する場合と、予備走査で副走査方向の原稿端を検出する場合について説明したが、これに限らず、予備走査を行うこと無く、原稿の読取走査で主走査および副走査方向の原稿端を検出するようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上、説明したように、この発明によれば、画像情報判定手段によって、副走査方向に移動させながら読取手段によって読み取った画像情報が原稿領域候補であるか原稿領域外候補であるかを判定し、次いで、領域判定手段は、前記画像情報判定手段によって判定された原稿領域外候補が第2閾値以上連続する場合には、該連続する原稿領域外候補を原稿領域外候補とし、それ以外の場合には、該連続する原稿領域外候補を原稿領域候補とし、さらに、原稿端判定手段によって、前記領域判定手段によって判定された原稿領域候補が第1閾値以上連続する場合、前記原稿領域候補の連続数に基づいて原稿端位置を判定するようにしたので、第2閾値以下の原稿領域外候補、すなわち原稿内情報を無視して原稿端を算出するため、原稿端まで原稿内情報が記載された原稿においても、原稿端を誤検知せずに、正確に原稿端を検知することができるという利点が得られる。また、このことにより、原稿領域候補の連続数を判定するための第1閾値を大きく設定できるため、原稿領域外のゴミによる誤検知を著しく低減することができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による原稿サイズ検知装置を適用した画像処理装置(一部)の外観例を示す斜視図である。
【図2】 本発明の一実施形態による原稿サイズ検知装置を適用した画像処理装置(一部)の外観例を示す斜視図である。
【図3】 本実施形態による原稿サイズ検知装置を具備した画像読取装置の読取原理を説明するための概念図である。
【図4】 本実施形態による原稿サイズ検知装置を具備した画像読取装置の全体構成を示すブロック図である。
【図5】 本実施形態による原稿サイズ検知部の内部構成を示すブロック図である。
【図6】 本実施形態による主走査方向原稿端検出部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図7】 本実施形態による副走査方向原稿端検出部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図8】 本実施形態による原稿サイズ検知部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
20 画像読取制御部
28 画像処理部
29 原稿サイズ検知部
40 画素判定部(画像情報判定手段、画素判定手段)
41 主走査方向原稿端検出部(領域判定手段、原稿端判定手段)
42 ライン判定部(画像情報判定手段、ライン判定手段)
43 副走査方向原稿端検出部(領域判定手段、原稿端判定手段)
49 原稿領域判定部(原稿領域判定手段)
55,65 カウンタ(位置情報出力手段)
59 原稿領域判定部(原稿領域判定手段)

Claims (15)

  1. 原稿台上に載置された原稿に対し、読取手段を副走査方向に移動させながら主走査方向の画像情報を読み取る画像読取装置において、
    前記読取手段によって読み取られた画像情報が原稿領域候補画素であるか原稿領域外候補画素であるかを判定する画像情報判定手段と、
    前記画像情報判定手段によって判定された原稿領域外候補画素が第2閾値以上連続する場合には、該連続する原稿領域外候補画素を原稿領域外候補とし、それ以外の場合には、該連続する原稿領域外候補を原稿領域候補画素とする領域判定手段と、
    前記領域判定手段によって判定された原稿領域候補が第1閾値以上連続する場合、前記原稿領域候補の連続する数に基づいて原稿端位置を判定する原稿端判定手段と
    を具備することを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記原稿領域候補が第1閾値以上連続し、かつ前記画像情報判定手段によって原稿領域候補画素であると判定されている期間を、原稿領域確定期間と判定する原稿領域判定手段を具備し、前記原稿端判定手段は、前記原稿領域判定手段により判定された原稿領域確定期間中における前記原稿領域候補の連続数に基づいて原稿端位置を判定することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  3. 前記原稿端判定手段は、複数の原稿領域確定期間がある場合、最初の原稿領域確定期間中における前記原稿領域候補の連続数に基づいて原稿開始端位置を判定することを特徴とする請求項2記載の画像読取装置。
  4. 画像情報の現在位置を出力する位置情報出力手段を具備し、前記原稿端判定手段は、前記位置情報出力手段が出力する現在位置から前記原稿領域候補の連続数を減算し、該減算値に1を加算した位置を原稿開始端と判定することを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  5. 前記原稿端判定手段は、原稿領域確定期間の終了時点における前記位置情報出力手段から出力される現在位置を原稿終了端と判定することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  6. 前記画像情報判定手段は、主走査方向の画素毎に、原稿領域候補であるか原稿領域外候補であるかを判定する画素判定手段を具備することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  7. 前記画素判定手段は、明度の違いを判定基準として、原稿領域候補であるか原稿領域外候補であるかを判定することを特徴とする請求項6記載の画像読取装置。
  8. 前記画素判定手段は、明度および彩度の違いを判定基準として、原稿領域候補であるか原稿領域外候補であるかを判定することを特徴とする請求項6記載の画像読取装置。
  9. 前記原稿端判定手段は、主走査方向の複数ラインにおいて原稿開始端および終了端を検出した場合、各ライン毎に得られた原稿開始端のうち最小値を最終的な原稿開始端とし、各ライン毎に得られた原稿終了端のうち最大値を最終的な原稿終了端とすることを特徴とする請求項6記載の画像読取装置。
  10. 前記画像情報判定手段は、主走査方向のライン毎に、原稿領域候補ラインであるか原稿領域外候補ラインであるかを判定するライン判定手段を具備することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  11. 前記ライン判定手段は、ライン中の原稿領域候補画素数を判定基準として、原稿領域候補ラインであるか原稿領域外候補ラインであるかを判定する請求項10記載の画像読取装置。
  12. 前記ライン判定手段は、ライン中の原稿領域外候補画素数を判定基準として、原稿領域候補ラインであるか原稿領域外候補ラインであるかを判定する請求項10記載の画像読取装置。
  13. 前記ライン判定手段は、ライン中の画素情報と予め設定されている期待値との一致数を判定基準として、原稿領域候補ラインであるか原稿領域外候補ラインであるかを判定する請求項10記載の画像読取装置。
  14. 前記画像情報判定手段は、主走査方向の画素毎に、原稿領域候補画素であるか原稿領域外候補画素であるかを判定する画素判定手段と、
    主走査方向のライン毎に、原稿領域候補ラインであるか原稿領域外候補ラインであるかを判定するライン判定手段とを具備し、
    前記原稿端判定手段は、前記画素判定手段の判定結果に基づいて主走査方向の原稿端位置を判定し、前記ライン判定手段の判定結果に基づいて副走査方向の原稿端位置を判定することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  15. 前記画素判定手段によって、前記原稿領域候補画素が第1閾値以上連続し、かつ前記画素判定手段によって原稿領域候補画素であると判定されている期間を、原稿領域確定期間と判定する原稿領域判定手段を具備し、
    前記原稿端判定手段は、前記原稿領域判定手段により判定された原稿領域確定期間の有無を判定基準として、副走査方向の原稿端位置を判定することを特徴とする請求項14記載の画像読取装置。
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