JP3747353B2 - 火災検出方法及び火源センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、大ホール、球技場等で用いられる火源検知方法及び火源センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、火源センサとして、焦電素子による温度計測式のものが用いられている。この火源センサは、焦電素子と入射光との間をシャッタで開閉し、開時の監視区域からの入射光による検出出力と閉時の検出出力との差を演算して監視区域の温度を求め、監視区域の温度が閾値を越えた場合に火災発生と判断している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来例では、監視空間の温度を火災判断の基準としているので、火災判別を正確に行うために、焦電素子の検出出力を高精度に温度変換しなければならない。そのため、この火源センサには、環境温度に対する校正データを得るために、シャッタ温度や環境温度を計測するサーミスタと、該サーミスタにアンプを介して連結された高精度A/D変換器と、などが設けられている。
ところが、これらの装置、電気回路、データ処理等は複雑であるとともにコストアップの原因となっている。
【0004】
この発明は上記事情に鑑み、火源センサの構造を簡素化し、コストダウンを図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、焦電素子の入射通路に設けられたシャッタと、該アヤッタを繰り返し開閉させる手段と、前記焦電素子の検出出力に基いて火災を判断する手段と、を備えた火源センサであって;前記シャッタを火災判断閾値出力温度に維持する温度調整手段と;前記検出出力の出力波形の位相に基いて火災を判断する位相判別手段と;を備えていることを特徴とする火源センサ、である。
【0006】
この発明は、焦電素子の入射通路にシャッタを設け、該シャッタを繰り返し開閉させながら火災監視区画を監視するとともに、前記焦電素子の検出出力に基いて火災を判断する方法であって;該シャッタ開時に火災判断閾値温度を監視した場合の検出出力と該シャッタ閉時のシャッタの検出出力とが等しくなる様に、該シャッタ温度を維持する行程と;前記検出出力の出力波形が反転したか否かを判断する火災判別行程と;を備えていることを特徴とする火災検出方法、である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明者は、シャッタ開時に火災判断の閾値温度を監視した場合の検出出力と、シャッタ閉時のシャッタの検出出力とが等しくなる様に、シャッタの温度を調整すると、検出出力の出力波形は、閾値温度より監視区域が低温の場合と高温の場合とでは反転する関係にあることに気がついた。
そこで、前記検出出力の出力波形が反転したか否かの位相比較に基き、火災の有無を判断することにした。
【0008】
【実施例】
この発明の実施例を図1〜図4により説明する。
火源センサ1は、焦電型検知器であり、火災監視区域FAの火源から発せられる赤外線3を検出する焦電素子2を備えている。
この焦電素子2の検出出力はアンプAMで増幅された後、ノイズフィルタNFによりノイズが除去され、その後、アナログデジタル変換器A/Dを介してコンピュータCPの位相比較部FCに送られる。
【0009】
前記焦電素子2の前方には、入射通路5を開閉するシャッタ6が設けられている。このシャッタ6は、所謂チョッパ板と呼ばれ、このチョッパ板をチョッパモータCMにより回転させることにより入射通路5の開閉を連続的に繰り返す。このチョッパモータCMはモータドライバMD、モータコントローラMCを介してコンピュータCPの基準クロックSCに接続されている。
【0010】
前記シャッタ6は、例えば、ぺルチェ素子を用いた電子冷却装置やヒータを用いた暖房装置を用いた冷暖房装置CHDにより所定温度に維持されている。
このシャッタ温度の調整は、温度制御装置TCにより行われるが、その温度は、シャッタ開時に火災判断の閾値温度を監視した場合の検出出力と、シャッタ閉時のシャッタの検出出力とが等しくなる様な温度、所謂、火災判断閾値出力温度、が選ばれる。
【0011】
次に本実施例の作動を説明する。
火源センサ1は、チョッパモータCMを駆動し、シャッタ6の開閉を所定スピードで繰り返しながら火災監視区域FAの火源を探査しているが、シャッタ6が火災判断閾値出力温度に設定されているので、検出出力X1、X2と監視温度との関係は図2に示す通り下向きの放物線となる。
【0012】
なお、図2において、X1はシャッタ閉時の検出出力、X2はシャッタ開時の検出出力、T0は火災判断閾値出力温度、をそれぞれ示す。
【0013】
低温監視時、即ち、火源センサ1が火源を検出しない時には、シャッタ温度が、火災監視区域の温度より高いので、検出出力の出力波形は、図3に示す様に、シャッタ閉時の検出出力X1が上、シャッタ開時の検出出力X2が下となる。
【0014】
ところが、火源監視時、即ち、火源センサ1が火源を検出した時には、シャッタ温度が火源温度より低くなるので、検出出力の出力波形は図4に示す通りとなる。
【0015】
即ち、シャッタ開時の検出出力X2が上、シャッタ閉時の検出出力X1が下となり、前記低温監視時の出力波形の位相が反転する。
【0016】
従って、この出力波形の位相の反転をコンピュータCPの位相比較部Feで検出することにより火災を検知し、火災信号を発報する。
【0017】
【発明の効果】
この発明は、以上の様に構成したので、検出出力の出力波形の反転の有無を検出するだけで簡単に火災を検出することができる。
又、従来例と異なり、環境温度に対する校正データを得る必要もないので、構造を簡素化することができるとともに、装置の価格も安価となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す略図であるる
【図2】火源センサの検出出力と監視温度との関係を示す図である。
【図3】低温監視時の検出出力の出力波形を示す図である。
【図4】火源監視時の検出出力の出力波形を示す図である。
【符号の説明】
1 火源センサ
2 焦電素子
5 入射通路
6 シャッタ
CHD 冷暖房装置

Claims (4)

  1. 焦電素子の入射通路に設けられたシャッタと、該シャッタを繰り返し開閉させる手段と、前記焦電素子の検出出力に基いて火災を判断する手段と、を備えた火源センサであって;
    前記シャッタを火災判断閾値出力温度に維持する温度調整手段と;
    前記検出出力の出力波形の位相に基いて火災を判断する位相判別手段と;
    を備えていることを特徴とする火源センサ。
  2. 温度調整手段が、冷暖房装置であることを特徴とする請求項1記載の火源センサ。
  3. 位相判別手段が、位相反転時に火災と判断することを特徴とする請求項1記載の火源センサ。
  4. 焦電素子の入射通路にシャッタを設け、該シャッタを繰り返し開閉させながら火災監視区画を監視するとともに、前記焦電素子の検出出力に基いて火災を判断する方法であって;
    該シャッタ開時に火災判断閾値温度を監視した場合の検出出力と該シャッタ閉時の検出出力とが等しくなる様に、該シャッタ温度を調整する行程と;
    前記検出出力の出力波形が反転したか否かを判断する火災判別行程と;
    を備えていることを特徴とする火災検出方法。
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