JP3746722B2 - 医療機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対のジョー間で生体組織を把持した状態で生体組織を加熱し、生体組織の凝固およびこの凝固部位を切開するなどの加熱処置を行なう医療機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、生体組織を把持する一対の把持部(ジョー)を備え、把持部の一方または両方に発熱体を設け、生体組織を把持した状態で発熱体を発熱させて生体組織の凝固や、凝固した生体組織の凝固部位を切開するなどの加熱処置を行なう医療機器が知られている。この医療機器では通常、生体組織に含まれる血管の止血や、生体組織の表層の病変部や出血部の焼灼、凝固そして避妊を目的とした卵管の閉塞等、多様な手術症例に用いられている。
【0003】
この種の医療機器として、例えば特開2001−198137号公報や、特開2001−340349号公報には、一対の把持部の少なくとも一方にセラミックヒーターなどの熱発生素子を設けた構成が開示されている。
【0004】
これらの機器では、少なくとも一方の把持部に生体組織と接触する発熱板(処置部)が設けられている。この発熱板には熱源部である熱発生素子が固定されている。そして、熱発生素子で発生した熱を発熱板に伝熱させ、この発熱板によって生体組織の加熱処置を行なうようになっている。
【0005】
さらに、生体組織と接触する部分の幅を狭くした発熱板を熱発生素子に密着するように取付けることにより、熱発生素子で発生した熱を収束させて生体組織の凝固や切開を効率良く行なう構成にしたものもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成の医療機器では把持部に熱発生素子が直接接触しているので、熱発生素子で発生させた熱が把持部にも伝熱してしまう問題がある。ここで、医療機器の把持部は発熱板よりも熱伝導率が低く、伝熱し難い材料で形成されているので、熱発生素子で発生させた熱は発熱板側に大部分が伝達されるようになっている。
【0007】
しかしながら、一対の把持部の間に生体組織を挟んだ状態で、熱発生素子で熱を発生させた場合、一対の把持部間で生体組織を挟む力が熱発生素子と発熱板とを密着させる方向に作用すると同時に、把持部と熱発生素子とを密着させる方向にも作用する。そのため、熱発生素子の熱は、発熱板側に大部分が伝達されると同時に、その一部が把持部側にも伝熱されて逃げてしまう問題がある。その結果、生体組織に接触する発熱板の温度が迅速に上昇しなかったり、温度ムラが生じ、医療機器による凝固能や、切開能が劣化してしまうおそれがある。
【0008】
また、熱発生素子は裸状態で手術操作に使えるほど材料の強度や耐性がないので、熱発生素子に外部から力が直接に加わらないように保護する必要がある。さらに、熱発生素子や発熱板は発熱時と非発熱時(常温時)との温度差が大きいため、温度変化にともなう寸法変化(伸び縮み)が大きい。そのため、熱発生素子や発熱板は発熱を繰り返すと把持部への取付け部分に緩みが発生したり、熱発生素子や発熱板自体も把持部から応力を受けて破損するおそれがあるなど耐久性の面で問題がある。
【0009】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、熱源部で発生した熱を処置部側に効率良く伝達させることができ、良好な凝固能や切開能が得られ、かつ耐久性に優れた医療機器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、一対のジョーを相対的に開閉する操作部を備える医療機器において、生体組織に加熱処置を施すための熱を発生する熱源部と、前記一対のジョーの少なくとも一方に設けられ、前記熱源部を保持するとともに、前記ジョーの壁部によって周囲が覆われる断熱材料からなる保持手段と、前記保持手段より熱伝導率の高い材料からなり、前記熱源部から伝熱される位置に設けられ、前記生体組織に加熱処置を行うことが可能な処置部と、を備え、前記ジョーは、前記保持手段からの伝熱を低減するように前記保持手段との間で非接触を保つ非接触部を有することを特徴とする医療機器である。
【0011】
そして、本請求項1の発明では、熱源部で発生した熱が、保持手段より熱伝導率の高い処置部に集中的に効率よく伝達し、ジョー側に伝達され難いようにしたものである。さらに、ジョーの非接触部によって保持手段との間で非接触を保つことにより、保持手段からの伝熱を低減するようにしたものである。
【0012】
請求項2の発明は、前記ジョーは、前記生体組織を把持した際に前記処置部の両側面に前記生体組織が接触することを防止する接触防止部を有することを特徴とする請求項1に記載の医療機器である。
【0013】
そして、本請求項2の発明では、一対のジョー間で生体組織を把持した際にジョーの接触防止部によって処置部の両側面に生体組織が接触することを防止するようにしたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図4を参照して説明する。図1は本実施の形態の医療機器1のシステム全体の概略構成を示すものである。この医療機器1のシステムには処置具2と電源装置3とが設けられている。
【0025】
処置具2には略直線状の2本の操作アーム4,5(第1操作アーム4および第2操作アーム5)が設けられている。これらの操作アーム4,5は略中央部位が共通の回転軸6を介して連結され、この回転軸6を中心に自由に回転できるようになっている。
【0026】
さらに、処置具2には回転軸6よりも先端部側に開閉可能な一対の把持部(ジョー)7,8(第1把持部7および第2把持部8)が設けられている。ここで、第1操作アーム4の先端部側には第1把持部7、第2操作アーム5の先端部側には第2把持部8がそれぞれ形成されている。
【0027】
また、第1操作アーム4および第2操作アーム5の後端には、夫々、術者が指を入れて操作するためのリング(操作部)9が設けられている。そして、第1操作アーム4および第2操作アーム5の各リング9に手指を差し込んだ状態で、第1操作アーム4および第2操作アーム5を回転軸6を中心に回動操作することにより、第1把持部7と第2把持部8との間を開閉操作するようになっている。
【0028】
さらに、第1操作アーム4の後端には、リング9の近傍に接続口金10が取付けられている。この接続口金10には電源装置3から伸びるケーブル11の先端部のコネクタ12が着脱可能に接続されている。なお、電源装置3には、この電源装置3のON−OFFや、出力設定の調整を行なうためのフットスイッチ13などが接続されている。
【0029】
また、第1把持部7には生体組織の加熱処置を行なう図2(A),(B)に示す加熱処置ユニット14が装着されている。この加熱処置ユニット14には生体組織の加熱処置用の熱源部15と、この熱源部15から伝熱されて生体組織の加熱処置を行なう処置部16と、この熱源部15と処置部16の周囲に配設され、処置部16と熱源部15との接触部以外の方向への熱源部15からの熱伝達を遮断する断熱部17とが組み付けられている。
【0030】
なお、断熱部17(本実施形態における断熱枠体18)は、処置部16を保持する保持手段としての機能を有する。また、断熱部17(保持手段)は、熱源部15を囲むように前記一対のジョーの一方に配設され、処置部16より熱伝導率の低い材料からなり、処置部16に形成される生体組織と接触する生体組織接触部としての刃部21(後述する)が露出するように処置部を保持する。更に、処置部16は、前記保持手段より熱伝導率の高い材料からなり、熱源部15から伝熱される位置に設けられ、前記生体組織に加熱処置を行うことが可能である。なお、処置部16は熱源部15に対して伝熱可能に固定されていることが好ましい。これは熱源部15から処置部16への熱伝達を促進することに貢献する。
【0031】
断熱部17には、図3(A)〜(C)に示すように略U字状の断面形状の剛性のある断熱枠体18が設けられている。この断熱枠体18は、例えばフッ素樹脂や、シリコーンゴム、セラミックスなど熱を伝えにくい材料からなっている。この他、ガラス、木材、陶磁器、石綿、ゴム、テフロン(登録商標)など、処置部16及び把持部(ジョー)7,8と比べて熱伝導率が低い、熱を伝えにくい材料であれば、何でも断熱枠体18に使える。そして、この断熱枠体18によって処置部16を保持する保持枠19が形成されている。
【0032】
また、処置部16には、例えば銅、銅合金、アルミニウム合金、タングステンあるいはモリブデン等、断熱枠体18と比べて熱伝導率が高い、熱を伝え易い材料からなる伝熱板20が設けられている。この伝熱板20の下端部には、先細状の刃部21が形成されている。さらに、この伝熱板20の刃部21の少なくとも刃先部には、生体組織や血液が付着するのを防ぐためにフッ素樹脂などの薄い皮膜21aが施されている。
【0033】
また、伝熱板20の上端部には、図2(A)に示すように保持枠19内に収容される部分に熱源部15の取付け部22が形成されている。ここで、熱源部15には、例えばニクロム線、シリコーン半導体や、モリブデン薄膜抵抗などの熱発生素子である複数、本実施の形態では3つの発熱手段23が設けられている。そして、伝熱板20の上端部には、3つの発熱手段23をそれぞれ収容する凹陥状の3つの熱源部取付け部22が並設されている。
【0034】
さらに、伝熱板20の上端部には、図2(B)に示すように3つの熱源部取付け部22の各前方の仕切り壁に各発熱手段23の先端部を差し込み状態で固定する固定溝24が形成されている。そして、各発熱手段23の先端部はこの伝熱板20の固定溝24に差し込まれた状態で例えば半田付けなどの手段で固定されている。
【0035】
また、各発熱手段23の後端部にはリード線25の一端部が例えば半田付けなどの手段で固定されている。さらに、各発熱手段23のリード線25はそれぞれ後方に向けて延出されている。ここで、各発熱手段23のリード線25は伝熱板20の後端部で1つに束ねられて、更に手元側に伸び、前述の接続口金10に連結されている。
【0036】
なお、処置部16を保持する保持枠19は、伝熱板20に横方向から強い力が加わっても、曲りや変形などが生じないように、比較的、剛性の高い材料で、かつ、できるだけ高い剛性が得られるように比較的肉厚の剛性体によって形成されている。
【0037】
また、保持枠19の枠内には、図2(A)に示すように、伝熱板20の刃部21より上側の部分と、発熱手段23と、リード線25とを収容する溝状の収容空間19aが形成されている。そして、伝熱板20の刃部21より上側の部分と、発熱手段23と、リード線25とはこの保持枠19の枠内の収容空間19aに収容され、保持枠19の断熱枠体18で覆われるように取り囲まれている。
【0038】
さらに、伝熱板20の上部を覆う断熱枠体18の先端部位置は、図2(A)に示すように、伝熱板20の先端部位置と同じか、或いは伝熱板20の先端部位置よりも前方に突出する位置まで延設されている。同様に、断熱枠体18の後端部位置は、伝熱板20の後端位置より更に後方まで伸びて、伝熱板20の後端を覆っている。
【0039】
また、断熱枠体18の枠内の収容空間19aは、伝熱板20や、発熱手段23、リード線25との間に隙間26があくような大き目の寸法になっている。そして、この隙間26には、曲りにくい硬い板状のスペーサー部材27や、絶縁性と耐熱性を兼ね備えた充填材28が充填されている。これにより、断熱部17は、断熱枠体18と熱源部15の発熱手段23との隙間26に断熱性の充填剤28が充填されている。
【0040】
さらに、保持枠19には、前後の両端部に伝熱板20の支持ピン29a,29bがそれぞれ取付けられている。ここで、伝熱板20の前端部には保持枠19のの前側の支持ピン29aが挿入される第1の挿入穴30が形成されている。さらに、伝熱板20の後端部には保持枠19の後ろ側の支持ピン29bが挿入される第2の挿入穴31が形成されている。そして、伝熱板20と断熱枠体18とは、前後の支持ピン29a,29bによって連結された状態で支持されている。
【0041】
また、伝熱板20の第2の挿入穴31は、図4に示すように、この伝熱板20の前後方向に長い長穴によって形成されている。この第2の挿入穴31には支持ピン29bが前後方向に移動可能に緩く嵌まっている。そして、この第2の挿入穴31によって伝熱板20と保持枠19との熱膨張の差を吸収する長穴状の熱膨張吸収部が形成されている。
【0042】
また、第1把持部7には加熱処置ユニット14が装着される凹陥状の装着溝32が形成されている。この装着溝32の前端部には図2(A)に示すように加熱処置ユニット14の前端の肩部14aを係止する段差状の受部33が形成されている。そして、加熱処置ユニット14の前端の肩部14aをこの受部33内に挿入させることにより、加熱処置ユニット14の前端の肩部14aを第1把持部7の前端部に係脱可能に係止するようになっている。
【0043】
さらに、第1把持部7には装着溝32の後端部に図3(C)に示すように2つの係合ピン34a,34bが嵌着されている。そして、これらの係合ピン34a,34bは加熱処置ユニット14の後端部のピン挿入穴35a,35b内に圧入されている。これにより、加熱処置ユニット14は第1把持部7の装着溝32に挿入された状態で、加熱処置ユニット14の前端の肩部14aが受部33の段差状の受部33に挿入させて係止させた状態で、加熱処置ユニット14の後端部のピン挿入穴35a,35b内に圧入される2つの係合ピン34a,34bによって固定されている。
【0044】
また、図3(A)〜(C)に示すように第2把持部8には、第1把持部7との対向面に例えばフッ素樹脂やシリコーンなどの柔軟で、熱を伝えにくい材料からなる平板状の受け部36が設けられている。これにより、第1把持部7と第2把持部8とを閉じたとき、伝熱板20の刃部21全体がこの受け部36に接触する状態で受けるようになっている。そして、第1把持部7と第2把持部8とを閉じた状態で、第1把持部7と第2把持部8との間に生体組織を挟み込んで凝固や切開を行なうようになっている。
【0045】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の処置具2の使用時にはこの処置具2の第1操作アーム4および第2操作アーム5の手元側の各リング9に手指を差し込んだ状態で、第1操作アーム4および第2操作アーム5を回転軸6を中心に回動操作することにより、第1把持部7と第2把持部8との間が開閉操作される。そして、第1把持部7と第2把持部8との間を閉じて第1把持部7と第2把持部8との間に生体組織を挟み込んだ状態で、加熱処置ユニット14の熱源部15が通電加熱される。
【0046】
このとき、熱源部15の3つの発熱手段23からの熱は伝熱板20に伝熱され、伝熱板20の先細状の刃部21が高温度に加熱される。そのため、第1把持部7と第2把持部8との間で伝熱板20の刃部21に圧接されている生体組織はこの刃部21の熱によって加熱され、生体組織の凝固や切開が効率良く行なわれる。
【0047】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の処置具2の加熱処置ユニット14では略U字型の断熱枠体18により伝熱板20の刃部21より上側の部分と発熱手段23を覆っている。そのため、熱源部15(発熱手段23)で発生した熱が、断熱枠体(保持手段)18より熱伝導率の高い伝熱板20(処置部)に集中的に効率よく伝達し、ジョー側に伝達され難いようにできる。医療機器1の使用時に発熱手段23の熱が発熱手段23と伝熱板20との接触部以外の方向、例えば伝熱板20の左右方向や上方へ逃げることを防ぐことができるので、熱源部15である熱発生素子などの発熱手段23の熱を処置部16の伝熱板20側に集中的に効率よく伝達することができる。その結果、熱源部15の熱が第1把持部7側に伝熱されることを防ぐことができるので、生体組織に接触する伝熱板20の温度が迅速に上昇しなかったり、温度ムラが生じ、医療機器1による凝固能や、切開能の劣化が生じることを防止することができる。
【0048】
また、本実施の形態では伝熱板20の上端部に凹陥状の3つの熱源部取付け部22を並設し、3つの発熱手段23をそれぞれ収容するとともに、熱源部取付け部22の各前方の仕切り壁の固定溝24に各発熱手段23の先端部を差し込み状態で半田付けなどの手段で固定している。そして、保持枠19の枠内の収容空間19aに伝熱板20の刃部21より上側の部分と、発熱手段23と、リード線25とを収容させ、その周囲を取り囲むように保持枠19の断熱枠体18を設けている。ここで、処置部16を保持する保持枠19の断熱枠体18が比較的、剛性の高い材料で、かつ、一定の剛性を有する肉厚であり、更に、この保持枠19の枠内の伝熱板20や熱源部15である熱発生素子などの発熱手段23との間の隙間26が大きいので、第1把持部7や伝熱板20に横方向から強い力が加わっても、隙間26の中の充填材28によってその力を緩和させることができる。そのため、発熱手段23が発熱を繰り返した場合であっても第1把持部7への熱源部15である熱発生素子などの発熱手段23の取付けが不完全となったり、把持部7から応力を受けて熱源部15である熱発生素子などの発熱手段23自体が破損することを防止することがでる。
【0049】
さらに、伝熱板20の第2の挿入穴31を伝熱板20の前後方向に長い長穴によって形成し、この第2の挿入穴31に保持枠19側の支持ピン29bを前後方向に移動可能に緩く嵌めている。そのため、発熱手段23の熱発生素子が使用時(高温)と非使用時(常温)とで大きく温度変化した場合の伝熱板20と保持枠19の伸び量の違いによる支持ピン29bの穴位置のずれを吸収することができる。その結果、この第2の挿入穴31の長穴と保持枠19側の支持ピン29bとの係合部によって発熱手段23の発熱時に伝熱板20と保持枠19との熱膨張の差を吸収することができるので、熱発生素子が破損するような応力が発熱手段23に加わらないように安全で確実に固定できる。
【0050】
また、図5(A)〜(C)は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図4参照)の医療機器1の処置具2の構成を次の通り変更したものである。なお、本実施の形態では処置具2の基本構成は第1の実施形態とほぼ同様なので、第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0051】
すなわち、本実施の形態の処置具2では図5(A)に示すように第1把持部7に平面状のユニット取付け面41を設け、このユニット取付け面41に加熱処置ユニット14が着脱可能に取付けられている。ここで、第1把持部7のユニット取付け面41には複数の係合穴42が形成されている。
【0052】
さらに、加熱処置ユニット14には図5(B)に示すように略U字状の断面形状の剛性のある断熱枠体43が設けられている。この断熱枠体43の上面には図5(C)に示すように第1把持部7の各係合穴42と係脱可能に係合する複数の係合凸部44が突設されている。
【0053】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の処置具2では略U字型の断熱枠体43により伝熱板20の刃部21より上側の部分と発熱手段23(図2(A),(B)参照)を覆っている。そのため、熱源部15(発熱手段23)で発生した熱が、断熱枠体(保持手段)18より熱伝導率の高い伝熱板20(処置部)に集中的に効率よく伝達し、ジョー側に伝達され難いようにできる。医療機器1の使用時に発熱手段23の熱が発熱手段23と伝熱板20との接触部以外の方向、例えば伝熱板20の左右方向や上方へ逃げることを防ぐことができるので、熱源部15である熱発生素子などの発熱手段23の熱を処置部16の伝熱板20側に集中的に効率よく伝達することができる。その結果、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様に熱源部15の熱が第1把持部7側に伝熱されることを防ぐことができるので、生体組織に接触する伝熱板20の温度が迅速に上昇しなかったり、温度ムラが生じ、医療機器1による凝固能や、切開能の劣化が生じることを防止することができる。
【0054】
また、図6乃至図8(A),(B)は本発明の第3の実施の形態を示すものである。図6は本実施の形態の医療機器としての内視鏡下手術用の熱凝固切開鉗子51を示すものである。本実施の形態の熱凝固切開鉗子51には、細長い挿入部52と、この挿入部52の基端部に連結された手元側の操作部53とが設けられている。
【0055】
さらに、挿入部52の先端部には固定ジョー54と、可動ジョー55とが設けられている。ここで、挿入部52には外管56とこの外管56の内部に軸方向に移動自在に挿通された駆動軸57とが設けられている。そして、固定ジョー54は挿入部52の外管56の先端部に一体成形されている。
【0056】
また、可動ジョー55の基端部は外管56の先端部に外管56の軸方向と直交する方向に配置された回転軸58を中心に回転自在に軸支されている。ここで、外管56の先端部には図7(A)に示すように略U字状の軸支部59が形成されている。この軸支部59には2つの軸支アーム59a,59bが平行に配設されている。そして、これらの軸支アーム59a,59b間に回転軸58が架設されている。
【0057】
さらに、可動ジョー55の基端部には2つの軸支アーム59a,59b間に挿入される細幅の延設部60が形成されている。この延設部60には図7(B)中で回転軸58よりも下向きに山形の突設部61が突設されている。この突設部61には図8(A)に示すように駆動軸57の先端部が揺動軸62を中心に回動自在に連結されている。
【0058】
また、操作部53には、操作部本体63と、この操作部本体63と一体に設けられた固定ハンドル64と、操作部本体63に枢支軸65を支点として回動自在に設けられた可動ハンドル66とが設けられている。さらに、可動ハンドル66の上端部には駆動軸57の先端部が連結されている。そして、固定ハンドル64に対して可動ハンドル66が枢支軸65を支点として回動操作される動作にともない駆動軸57が軸方向に進退駆動され、この駆動軸57の進退動作にともない固定ジョー54に対して可動ジョー55が回転軸58を中心に回転駆動されて固定ジョー54と可動ジョー55との間が開閉操作されるようになっている。ここで、図8(A)中に矢印で示すように駆動軸57が手元側に引張り操作される動作にともない可動ジョー55が固定ジョー54側に閉じる方向に移動されるようになっている。さらに、図8(B)中に矢印で示すように駆動軸57が先端側に押し出される動作にともない可動ジョー55が固定ジョー54側から離れる開方向に移動されるようになっている。
【0059】
また、固定ジョー54には第1の実施の形態における処置具2の加熱処置ユニット14と略同様の構成の加熱処置ユニット67が装着されている。さらに、可動ジョー55には第1の実施の形態における処置具2の平板状の受け部36と略同様の構成の平板状の受け部68が装着されている。
【0060】
また、操作部本体63には加熱処置ユニット67の発熱手段23(図2(A),(B)参照)に接続されたリード線25の基端部が外部側に延出されている。そして、このリード線25の延出端部にはコネクタ69が接続されている。
【0061】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の熱凝固切開鉗子51の使用時にはこの熱凝固切開鉗子51の固定ハンドル64および可動ハンドル66の手元側の各リングに手指を差し込んだ状態で、固定ハンドル64に対して可動ハンドル66が枢支軸65を支点として回動操作することにより、駆動軸57が軸方向に進退駆動され、この駆動軸57の進退動作にともない固定ジョー54に対して可動ジョー55が回転軸58を中心に回転駆動されて固定ジョー54と可動ジョー55との間が開閉操作される。
【0062】
そして、可動ジョー55と固定ジョー54との間を閉じて可動ジョー55と固定ジョー54との間に生体組織を挟み込んだ状態で、加熱処置ユニット67の熱源部15(図2(A),(B)参照)が通電加熱される。
【0063】
このとき、熱源部15の3つの発熱手段23からの熱は伝熱板20に伝熱され、伝熱板20の先細状の刃部21が高温度に加熱される。そのため、可動ジョー55と固定ジョー54との間で伝熱板20の刃部21に圧接されている生体組織はこの刃部21の熱によって加熱され、生体組織の凝固や切開が効率良く行なわれる。
【0064】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の熱凝固切開鉗子51の加熱処置ユニット67では略U字型の断熱枠体18により伝熱板20の刃部21より上側の部分と発熱手段23を覆っている。そのため、熱源部15(発熱手段23)で発生した熱が、断熱枠体(保持手段)18より熱伝導率の高い伝熱板20(処置部)に集中的に効率よく伝達し、ジョー側に伝達され難いようにできる。熱凝固切開鉗子51の使用時に発熱手段23の熱が発熱手段23と伝熱板20との接触部以外の方向、例えば伝熱板20の左右方向や上方へ逃げることを防ぐことができるので、熱源部15である熱発生素子などの発熱手段23の熱を処置部16の伝熱板20側に集中的に効率よく伝達することができる。その結果、熱源部15の熱が固定ジョー54側に伝熱されることを防ぐことができるので、生体組織に接触する伝熱板20の温度が迅速に上昇しなかったり、温度ムラが生じ、熱凝固切開鉗子51による凝固能や、切開能の劣化が生じることを防止することができる。
【0065】
また、図9乃至図12は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図4参照)の医療機器1の処置具2の構成を次の通り変更したものである。なお、本実施の形態では医療機器1の基本構成は第1の実施形態とほぼ同様なので、第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0066】
すなわち、本実施の形態の処置具2では第1把持部7の内部の断熱枠体18の材質としては例えばテフロン(登録商標)等の熱伝導率が低く、生体組織の貼り付きを防ぐために非粘着性の高い材料が用いられる。さらに、処置部16の伝熱板20の材質としては銅等の熱伝導率の高い材料が用いられる。この伝熱板20の刃部21の少なくとも刃先部には、外周に非粘着性を持たせるため、テフロン(登録商標)等のコーティング部71が形成されている。
【0067】
また、第1把持部7の凹陥状の装着溝32の内底部には図10(C)に示すように断熱部17の断熱枠体18との間に断熱用の空気層を設けるための2つの溝部72(非接触部)が第1把持部7の軸方向に沿って延設されている。なお、断熱枠体18は、伝熱板20を介して発熱手段23を間接的に保持するよう構成されている。
【0068】
さらに、図11に示すように第1把持部7と断熱枠体18の両側面には下面を斜め上方に削った傾斜面73,74がそれぞれ形成されている。ここで、断熱枠体18の傾斜面74と伝熱板20の刃部21の中心線とのなす角αは90°よりも大きい鈍角に設定されている。同様に、第1把持部7の傾斜面73と伝熱板20の刃部21の中心線とのなす角αも90°よりも大きい鈍角に設定されている。これにより、図12に示すように伝熱板20の刃部21の露出分を増加させるとともに、第1把持部7の刃部21と第2把持部8との間で生体組織を把持した際に第1把持部7の傾斜面73と断熱枠体18の傾斜面74とによって処置部16の両側面に生体組織が接触することを防止する逃げ部(接触防止部)75が形成されている。
【0069】
また、断熱枠体18の下端部は第1把持部7の傾斜面73の下端部よりも下方に突出され、第1把持部7の傾斜面73の下端部と、断熱枠体18の傾斜面74の上端部との間には適宜の長さtの段差部76が形成されている。これにより、図12に示すように第1把持部7の刃部21と第2把持部8との間で生体組織Hを把持した際に生体組織Hが第1把持部7に当接する前に断熱枠体18を生体組織Hに接触させることにより、生体組織Hに第1把持部7が当接して熱が逃げることを防止するようになっている。また、第1把持部7に生体組織Hが張り付くのを防止するようになっている。
【0070】
また、本実施の形態では、第1把持部7に処置部16の先方に延出された延出部77が形成されている。この延出部77には、先端側に向かうにしたがって細くなる先細り部78が形成されている。同様に、第2把持部8には第1把持部7の延出部77と対応する形状の延出部79が形成されている。この延出部79にも、先端側に向かうにしたがって細くなる先細り部80が形成されている。
【0071】
さらに、第1把持部7および第2把持部8には図10(A),(B)に示すように第1把持部7と第2把持部8とを閉じた際に、第1把持部7の延出部77と第2把持部8の延出部79の対向面間に隙間Sが生じるように設定されている。これにより、第1把持部7と第2把持部8とを閉じた際に、第1把持部7の刃部21と第2把持部8の受け部36とが接触し、第1把持部7の延出部77と第2把持部8の延出部79の対向面間は接触しない構造になっている。
【0072】
また、図10(B)に示すように伝熱板20の前端部には発熱手段23の取付け位置よりも前方に延設された前方延設部81が形成されている。これにより、発熱手段23の熱を前方延設部81に伝熱することにより、第1把持部7の前端部に格別に発熱手段23を取付けることなく第1把持部7の前端部を効率よく加熱することができる。そのため、第1把持部7に発熱手段23を取付ける場合に比べて第1把持部7の前端部を先細化することができ、第1把持部7の延出部77と第2把持部8の延出部79の先細り部78,80によって生体組織Hの剥離操作などを行なうことができる。
【0073】
次に、上記構成の本実施の形態の作用について説明する。本実施の形態では処置具2の第1操作アーム4および第2操作アーム5の手元側の各リング9に手指を差し込んだ状態で、第1操作アーム4および第2操作アーム5を回転軸6を中心に回動操作することにより、第1把持部7と第2把持部8との間が開閉操作される。そして、図12に示すように、第1把持部7と第2把持部8との間を閉じて第1把持部7と第2把持部8との間に生体組織Hを挟み込む。このとき、伝熱板20の先細状の刃部21と受け部36との間で生体組織Hが圧縮され、生体組織Hが圧迫された状態で把持される。なお、伝熱板20の刃部21の先端は生体組織Hを切るほどには鋭利でなく、鈍な形状であり、生体組織Hが機械的に切開されることはない。
【0074】
続いて、電源装置3から発熱手段23に通電することにより、加熱処置ユニット14の各発熱手段23が通電加熱されて発熱される。このとき、各発熱手段23の熱は、伝熱板20に伝熱されて伝熱板20が発熱する。そのため、伝熱板20と受け部36に接触する生体組織Hの部分の圧力が高い状態で凝固される。
【0075】
さらに、生体組織Hの凝固によって生体組織Hの水分の蒸発が進み、もろくなった生体組織Hが切れて切開が実施される。
【0076】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の処置具2では略U字型の断熱枠体18により伝熱板20の刃部21より上側の部分と発熱手段23(図10(C)参照)を覆っている。そのため、熱源部15(発熱手段23)で発生した熱が、断熱枠体(保持手段)18より熱伝導率の高い伝熱板20(処置部)に集中的に効率よく伝達し、ジョー側に伝達され難いようにできる。医療機器1の使用時に発熱手段23の熱が発熱手段23と伝熱板20との接触部以外の方向、例えば伝熱板20の左右方向や上方へ逃げることを防ぐことができるので、熱源部15である熱発生素子などの発熱手段23の熱を処置部16の伝熱板20側に集中的に効率よく伝達することができる。その結果、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様に熱源部15の熱が第1把持部7側に伝熱されることを防ぐことができるので、生体組織に接触する伝熱板20の温度が迅速に上昇しなかったり、温度ムラが生じ、医療機器1による凝固能や、切開能の劣化が生じることを防止することができる。
【0077】
また、本実施の形態では金属材料製の第1把持部7および断熱枠体18の両側面に下面を斜め上方に削った傾斜面73,74をそれぞれ形成することにより、伝熱板20の刃部21の露出面積が大きくなる。そのため、伝熱板20の刃部21と生体組織Hとの接触面積が広がり、確実な凝固が可能である。
【0078】
さらに、断熱枠体18の傾斜面74と伝熱板20の刃部21の中心線とのなす角αは90°よりも大きい鈍角に設定され、同様に、第1把持部7の傾斜面73と伝熱板20の刃部21の中心線とのなす角αも90°よりも大きい鈍角に設定されて逃げ部75が形成されている。これにより、第1把持部7の刃部21と第2把持部8とを閉じた際に第1把持部7の傾斜面73と断熱枠体18の傾斜面74との逃げ部75により、処置部16の両側面に生体組織Hが接触することを防止することができる。そのため、第1把持部7の刃部21と第2把持部8との間で生体組織Hを把持した際に第1把持部7の刃部21に生体組織Hを押圧する圧力を集中させることができるので、第1把持部7の刃部21を生体組織Hに密着させて十分に圧縮させることができる。その結果、生体組織Hの凝固力が高く、更に凝固と同時に切開も可能である。
【0079】
また、断熱枠体18は非粘着性の材質でできており、第1把持部7より下に突出しているので、第1把持部7、断熱枠体18に生体組織Hが貼り付かない効果がある。
【0080】
さらに、本実施の形態では断熱枠体18の下端部を第1把持部7の傾斜面73の下端部よりも下方に突出させ、第1把持部7の傾斜面73の下端部と、断熱枠体18の傾斜面74の上端部との間に適宜の長さtの段差部76を形成している。そのため、第1把持部7と、第2把持部8とを閉じた際に、生体組織Hが断熱枠体18に当接した場合であっても生体組織Hにおける断熱枠体18との当接部が第1把持部7の下面に接触することを確実に防止することができる。
【0081】
また、第1把持部7および第2把持部8の先端部に先端側に向かうにしたがって細くなる先細り部78、80を形成したので、第1把持部7および第2把持部8の先端部を細径化できる。
【0082】
さらに、第1把持部7および第2把持部8は図10(A),(B)に示すように第1把持部7と第2把持部8とを閉じた際に、第1把持部7の延出部77と第2把持部8の延出部79の対向面間に隙間Sが生じるように設定されている。これにより、第1把持部7と第2把持部8とを閉じた際に、第1把持部7の刃部21と第2把持部8の受け部36とを接触させ、第1把持部7の延出部77と第2把持部8の延出部79の対向面間は接触しない構造になっているので、凝固・切開時に伝熱板20の刃部21と、受け部36との間で把持された生体組織Hに圧縮力を集中させることができる。
【0083】
さらに、伝熱板20は熱伝導率の高い材質でできているため、発熱手段23の熱をこの発熱手段23の取付け位置よりも前方に延設された前方延設部81に伝熱することにより、第1把持部7の前端部に格別に発熱手段23を取付けることなく第1把持部7の前端部を効率よく加熱することができる。その結果、第1把持部7の前端部に発熱手段23を取付ける場合に比べて第1把持部7の前端部の高さを抑え、先細化することができる。したがって、第1把持部7の延出部77と第2把持部8の延出部79の先細り部78,80によって生体組織Hの剥離操作などを行なうことができる。
【0084】
また、図13(A),(B)および図14(A),(B)は本発明の第5の実施の形態を示すものである。図13(A)は本実施の形態の処置具91を示すものである。この処置具91には、細長い挿入部92と、この挿入部92の基端部に連結された手元側の操作部93とが設けられている。挿入部92の先端には開閉可能な一対の把持部(ジョー)94,95(第1把持部94および第2把持部95)が設けられている。
【0085】
手元操作部93は、操作部本体96と、操作部本体96と一体に設けられたハンドル97と、操作部本体96に枢支軸98を支点として回動自在に軸支された可動ハンドル99とから構成されている。さらに、操作部本体96には挿入部92の軸心を回転中心として挿入部92を軸回り方向に回転操作する回転操作部100が設けられている。
【0086】
また、挿入部92には図13(B)に示すように細径パイプによって形成された外管101が設けられている。この外管101の内部にはチャンネルパイプ102と駆動軸チャンネル103とが平行に設けられている。チャンネルパイプ102の内部には後述する同軸ケーブル127を挿通する挿通空間104が設けられている。さらに、駆動軸チャンネル103には駆動軸105が進退自在に挿通されている。この駆動軸105の基端部は可動ハンドル99に連結されている。そして、可動ハンドル99の回動動作に連動して駆動軸105が軸方向に進退駆動されるようになっている。
【0087】
また、挿入部92の先端部には前方に突出された二股状の支持部材106が設けられている。この支持部材106の根元部106aは外管101の先端に固定されている。支持部材106の先端部間には横方向に枢支ピン107が貫通して設けられている。この枢支ピン107には第2把持部95の基端部が回動自在に枢支されている。
【0088】
また、第1把持部94の基端部には二股部94aが形成されている。この二股部94aは連結ピン108を介して駆動軸105に回動自在に連結されている。さらに、第2把持部95の基端部には二股状の連結部95aが形成されている。この連結部95aは接続ピン109によって第1把持部94の二股部94aに回動自在に接続されている。
【0089】
従って、可動ハンドル99を図13(A)中でa方向に回動すると、駆動軸105が前進する。この駆動軸105の前進時には接続ピン109を支点として第1把持部94が上方に回動し、第2把持部95が枢支ピン107を支点として下方に回動し、第1把持部94と第2把持部95が開くようになっている。逆に、可動ハンドル99をb方向に回動すると、駆動軸105が後退する。この駆動軸105の後退時には接続ピン109を支点として第1把持部94が下方に回動し、第2把持部95が枢支ピン107を支点として上方に回動し、第1把持部94と第2把持部95が閉じるようになっている。
【0090】
また、第1把持部94と第2把持部95の構造は第4の実施の形態(図9乃至図12参照)と同様である。すなわち、図14(B)に示すように第1把持部94の内部には第1の実施の形態における処置具2の加熱処置ユニット14と略同様の構成の加熱処置ユニット110が装着されている。この加熱処置ユニット110には略U字状の断面形状の断熱枠体111が設けられている。この断熱枠体111には伝熱板112の上部が固定されている。この伝熱板112の上部には発熱手段113が固定されている。そして、断熱枠体111によって発熱手段113の熱が第1把持部94側に放熱されることを防いでいる。なお、断熱枠体111は、伝熱板112を介して発熱手段113を間接的に保持するよう構成されている。
【0091】
また、第1把持部94の内底部には断熱用の空気層を設けるための2つの溝部114が第1把持部94の軸方向に沿って延設されている。さらに、伝熱板112の下側の刃部115の少なくとも刃先部には、外周に非粘着性を持たせるため、テフロン(登録商標)等のコーティング部116が形成されている。なお、溝部114は、2つの溝に限定されるものではなく、断熱、もしくは、断熱枠体111から第1把持部94への熱伝達を低減するという目的を達成できる構成であれば、1つ、もしくは、3つ以上の溝により構成されても構わない。
【0092】
また、第2把持部95には、第1把持部94との対向面に例えばフッ素樹脂やシリコーンなどの柔軟で、熱を伝えにくい材料からなる平板状の受け部117が設けられている。これにより、第1把持部94と第2把持部95とを閉じたとき、伝熱板112の刃部115全体がこの受け部117に接触する状態で受けるようになっている。そして、第1把持部94と第2把持部95とを閉じた状態で、第1把持部94と第2把持部95との間に生体組織を挟み込んで凝固や切開を行なうようになっている。
【0093】
また、第1把持部94と断熱枠体111の両側面には下面を斜め上方に削った傾斜面118,119がそれぞれ形成されている。ここで、断熱枠体111の傾斜面119と伝熱板112の刃部115の中心線とのなす角αは90°よりも大きい鈍角に設定されている。同様に、第1把持部94の傾斜面118と伝熱板112の刃部115の中心線とのなす角αも90°よりも大きい鈍角に設定されている。これにより、伝熱板112の刃部115の露出分を増加させるとともに、第1把持部94の刃部115と第2把持部95との間で生体組織を把持した際に第1把持部94の傾斜面118と断熱枠体111の傾斜面119とによって処置部の両側面に生体組織が接触することを防止する逃げ部(接触防止部)120が形成されている。
【0094】
さらに、伝熱板112の上部を覆う断熱枠体111の先端部位置は、伝熱板112の先端部位置よりも前方に突出する位置まで延設されている。同様に、断熱枠体111の後端部位置は、伝熱板112の後端位置より更に後方まで伸びて、伝熱板112の後端を覆っている。
【0095】
また、断熱枠体111の下端部は第1把持部94の傾斜面117の下端部よりも下方に突出され、第1把持部94の傾斜面118の下端部と、断熱枠体111の傾斜面119の上端部との間には適宜の長さtの段差部121が形成されている。これにより、第1把持部94の刃部115と第2把持部95との間で生体組織Hを把持した際に生体組織Hが第1把持部94に当接する前に断熱枠体111を生体組織Hに接触させることにより、生体組織Hに第1把持部94が当接して熱が逃げることを防止するようになっている。
【0096】
また、本実施の形態では、第1把持部94の先端部に先方に延出された延出部122が形成されている。この延出部122には、先端側に向かうにしたがって細くなる先細り部123が形成されている。同様に、第2把持部95には第1把持部94の延出部122と対応する形状の延出部124が形成されている。この延出部124にも、先端側に向かうにしたがって細くなる先細り部125が形成されている。
【0097】
さらに、第1把持部94および第2把持部95には図14(B)に示すように第1把持部94と第2把持部95とを閉じた際に、第1把持部94の延出部122と第2把持部95の延出部124との対向面間に隙間Sが生じるように設定されている。
【0098】
また、操作部本体96にはコネクタ接続部126が設けられている。このコネクタ接続部126には第1の実施の形態と同様に電源装置3(図1参照)から伸びるケーブル11(図1参照)の先端部のコネクタ12(図1参照)が着脱可能に接続されている。このコネクタ接続部126にはチャンネルパイプ102の内部に挿通された同軸ケーブル127の一端部が接続されている。この同軸ケーブル127の他端部は第1把持部94の加熱処置ユニット110の発熱手段113に接続されている。
【0099】
次に、上記構成の本実施の形態の作用について説明する。本実施の形態の処置具91では手元操作部93の可動ハンドル99を操作することにより、第1把持部94と第2把持部95を開閉して生体組織を把持する。さらに、第1把持部94と第2把持部95との間で生体組織を把持した状態で、加熱処置ユニット110の発熱手段113に通電することにより、加熱処置ユニット110の各発熱手段113が通電加熱されて発熱される。そのため、第1把持部94と第2把持部95との間で伝熱板112の刃部115に圧接されている生体組織はこの刃部115の熱によって加熱され、生体組織の凝固や切開が効率良く行なわれる。
【0100】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の処置具91では略U字型の断熱枠体111により伝熱板112の刃部115より上側の部分と発熱手段113を覆っている。そのため、発熱手段113(熱源部)で発生した熱が、断熱枠体(保持手段)111より熱伝導率の高い伝熱板112(処置部)に集中的に効率よく伝達し、ジョー側に伝達され難いようにできる。医療機器の使用時に発熱手段113の熱が発熱手段113と伝熱板112との接触部以外の方向、例えば伝熱板112の左右方向や上方へ逃げることを防ぐことができるので、熱源部である熱発生素子などの発熱手段112の熱を伝熱板112側に集中的に効率よく伝達することができる。その結果、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様に伝熱板112の熱が第1把持部94側に伝熱されることを防ぐことができるので、生体組織に接触する伝熱板112の温度が迅速に上昇しなかったり、温度ムラが生じ、医療機器による凝固能や、切開能の劣化が生じることを防止することができる。したがって、伝熱板112の刃部115と把持部95の受け部117とで生体組織を十分圧縮できるため、確実な凝固切開を行うことができ、術者の所望どおりの処置が可能である。
【0101】
さらに、本実施の形態では金属材料製の第1把持部94および断熱枠体111の両側面に下面を斜め上方に削った傾斜面118,119をそれぞれ形成することにより、伝熱板112の刃部115の露出面積が大きくなる。そのため、伝熱板112の刃部115と生体組織Hとの接触面積が広がり、確実な凝固が可能である。これにより、把持部94の高さを高くしなくとも、伝熱板112の刃部115の露出部の面積を十分な凝固能力を得られる程度に確保できる。
【0102】
さらに、断熱枠体111の傾斜面118と伝熱板112の刃部115の中心線とのなす角αは90°よりも大きい鈍角に設定され、同様に、第1把持部94の傾斜面118と伝熱板112の刃部115の中心線とのなす角αも90°よりも大きい鈍角に設定されて逃げ部120が形成されている。これにより、第1把持部94の刃部115と第2把持部95とを閉じた際に第1把持部94の傾斜面118と断熱枠体111の傾斜面119との逃げ部120により、処置部の両側面に生体組織Hが接触することを防止することができる。そのため、第1把持部94の刃部115と第2把持部95との間で生体組織Hを把持した際に第1把持部94の刃部115に生体組織Hを押圧する圧力を集中させることができるので、第1把持部94の刃部115を生体組織Hに密着させて十分に圧縮させることができる。その結果、生体組織Hの凝固力が高く、更に凝固と同時に切開も可能である。
【0103】
また、断熱枠体111は非粘着性の材質でできており、第1把持部94より下に突出しているので、第1把持部94、断熱枠体111に生体組織Hが貼り付かない効果がある。
【0104】
さらに、本実施の形態では断熱枠体111の下端部を第1把持部94の下端部よりも下方に突出させ、第1把持部94の下端部と、断熱枠体111の傾斜面119の上端部との間に適宜の長さtの段差部121を形成している。そのため、第1把持部94と、第2把持部95とを閉じた際に、生体組織Hが断熱枠体111に当接した場合であっても生体組織Hにおける断熱枠体111との当接部が第1把持部94の下面に接触することを確実に防止することができる。
【0105】
また、第1把持部94および第2把持部95の先端部に先端側に向かうにしたがって細くなる先細り部122、124を形成したので、第1把持部94および第2把持部95の先端部を細径化できる。
【0106】
さらに、第1把持部94および第2把持部95は両者間を閉じた際に、第1把持部94の延出部122と第2把持部95の延出部124の対向面間に隙間Sが生じるように設定されている。これにより、第1把持部94と第2把持部95とを閉じた際に、第1把持部94の刃部115と第2把持部95の受け部117とを接触させ、第1把持部94の延出部122と第2把持部95の延出部124の対向面間は接触しない構造になっているので、凝固・切開時に伝熱板112の刃部115と、受け部117との間で把持された生体組織Hに圧縮力を集中させることができる。
【0107】
さらに、伝熱板112は熱伝導率の高い材質でできているため、発熱手段113の熱をこの発熱手段113の取付け位置よりも前方に延設された前方延設部に伝熱することにより、第1把持部94の前端部に格別に発熱手段113を取付けることなく第1把持部94の前端部を効率よく加熱することができる。その結果、第1把持部94の前端部に発熱手段113を取付ける場合に比べて第1把持部94の前端部の高さを抑え、先細化することができる。したがって、第1把持部94の延出部122と第2把持部95の延出部124の先細り部123,125によって生体組織Hの剥離操作などを行なうことができる。
【0108】
また、図15(A),(B)は本発明の第6の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図4参照)の処置具2における第1把持部7の内部構成を次の通り変更したものである。
【0109】
すなわち、本実施の形態では第1把持部7の内部の処置部16は図15(A)に示すように先端の低い略三角形の平板状のベース131の表面上に薄膜抵抗半導体にて形成された発熱部132と、外部から電流を受け取る電極133と、発熱部132と電極133とを結ぶリード部134などを一体的に形成した1つの素子135として形成されている。
【0110】
この素子135のベース131を構成する平板は、例えば銅、銅合金、アルミ合金、タングステンあるいはモリブデン等の熱を伝え易い材料によって形成されている。そして、発熱部132で発生する熱により、素子135全体が加熱されるようになっている。
【0111】
また、図15(B)に示すように、素子135の下側稜線136は、断面が、先細りテーパ形状となっている。そして、この素子135は図15(B)中で上側の平板部分が断熱枠体18の保持枠19の枠内の溝状の収容空間19a内に収容され、保持枠19の断熱枠体18で覆われるように取り囲まれて固定されている。さらに、この素子135の下側稜線136の先細りテーパ形状部分は保持枠19の枠外に露出された状態で保持され、下側稜線136が生体組織との接触が可能になっている。なお、この素子135は、生体組織や血液が付着するのを防ぐために、電極133を除く外表面全体にテフロン(登録商標)なとの薄い皮膜が被覆されている。
【0112】
次に、上記構成の本実施の形態の作用について説明する。本実施の形態の処置具2の使用時には素子135上の発熱部132が熱を発生すると素子135全体が熱くなる。そして、第1把持部7と第2把持部8との間を閉じて第1把持部7と第2把持部8との間に生体組織Hを挟み込む際に、第1把持部7の素子135の下側稜線136を生体組織Hに接触させることで、生体組織Hの加熱凝固、切開などの処置が出来る。
【0113】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では発熱部132と下側稜線136を有する一つの素子135で電流を流し、発熱し、生体組織Hを処置するという一連の機能を実現できる。そのため、第1把持部7の内部の処置部16の構成部品数が減るので、組立も簡単になり、品質が安定する上にコスト低減も可能になる。また、第1把持部7の内部の処置部16の構成部品が少ないので、故障が発生する頻度を低くすることができる効果もある。
【0114】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。

(付記項1) 生体組織の凝固、切開などの処置を行なう医療機器において、
お互いに開閉する一対のジョーと、ジョーを開閉するための操作部と、ジョーと操作部の間に設けられた連結部と、少なくとも一方のジョーの中に設けられた発熱部と、組織に接触する刃部と、発熱部にエネルギーを供給する手段と、発熱部とジョーの間に設けられ発熱部と刃部の少なくとも一部を取り囲む断熱層と、から構成されることを特徴とする医療機器。
【0115】
(付記項2) 生体組織の凝固、切開などの処置を行なう医療機器において、
お互いに開閉する一対のジョーと、ジョーを開閉するための操作部と、ジョーと操作部の間に設けられた連結部と、少なくとも一方のジョーの中に設けられた発熱部と、組織に接触する刃部と、発熱部にエネルギーを供給する手段と、発熱部とジョーの間に設けられ少なくとも発熱部を覆う剛性のある枠と、
から構成されることを特徴とする医療機器。
【0116】
(付記項3) 生体組織の凝固、切開などの処置を行なう医療機器において、
お互いに開閉する一対のジョーと、ジョーを開閉するための操作部と、ジョーと操作部の間に設けられた連結部と、少なくとも一方のジョーの中に設けられた発熱部と、組織に接触する刃部と、発熱部にエネルギーを供給する手段と、発熱部とジョーの間に設けられ少なくとも発熱部を覆う枠と、
発熱部または刃部と枠とを緩く固定する少なくとも1つのピンと、から構成されることを特徴とする医療機器。
【0117】
(付記項4) 操作部の操作に応じて開閉し、生体組織を把持する第1、第2の把持部を有する処置具において、第1の把持部はジョー、ジョー内部に収納された発熱部と組織に接触する刃部と、発熱部にエネルギーを供給する手段を有し、発熱部とジョーの間に設けられ発熱部と刃部の少なくとも一部を取り囲む断熱層から構成される医療機器において刃部の長手方向に対して垂直上方に、刃部の露出部を増やすためにジョーと断熱層の側面に逃げ部を設けたことを特徴とする医療用処置具。
【0118】
(付記項5) 操作部の操作に応じて開閉し、生体組織を把持する第1、第2の把持部を有する処置具において、第1の把持部はジョー、発熱体、発熱体を発熱させるためのエネルギー供給手段、刃部を有し、ジョーを刃部の先方に延長し、先細りに形成したことを特徴とする医療用処置具。
【0119】
(付記項6) 付記項5の手術機器において、前記把持部を閉じた際、前記延長部の間に隙間が生じることを特徴とする医療用処置具。
【0120】
(付記項7) 操作部の操作に応じて開閉し、生体組織を把持する第1、第2の把持部を有する処置具において、第1の把持部はジョー、ジョー内部に収納された発熱部と組織に接触する刃部と、発熱部にエネルギーを供給する手段を有し、発熱部とジョーの間に設けられ発熱部と刃部の少なくとも一部を取り囲む断熱層から構成される医療機器においてジョーの内側に溝を設けたことを特徴とする、医療用処置具。
【0121】
(付記項8) 操作部の操作に応じて開閉し、生体組織を把持する第1、第2の把持部を有する処置具において、第1の把持部はジョー、ジョー内部に収納された発熱部と組織に接触する刃部と、発熱部にエネルギーを供給する手段を有し、発熱部とジョーの間に設けられ発熱部と刃部の少なくとも一部を取り囲む断熱層から構成される医療機器において、刃部の材質を熱伝導率の高い材料にし、発熱部の位置より先方に刃部を延長したことを特徴とする、医療用処置具。
【0122】
(付記項1〜3の従来技術) 一般に、生体組織を把持する一対の把持部を備え、把持部の一方または両方に発熱体を設け、生体組織を把持した状態で発熱体を発熱させて生体組織を凝固および凝固部位を切開するための手術機器が知られている。これらの手術機器は通常、生体組織に含まれる血管の止血、生体組織の表層の病変部や出血部の焼灼、凝固そして避妊を目的とした卵管の閉塞等、多様な手術症例に用いられ、生体組織の凝固や凝固した生体組織の切開ができるようになっている。
【0123】
例えば、特開2001−198137号公報や特開2001−340349号公報では、一対の把持部の少なくとも一方にセラミックヒーターなどの熱発生素子を設けた手術機器が開示されている。
【0124】
これらの機器では、少なくとも一方の把持部に熱発生素子を固定してあり、更に、熱発生素子で発生した熱を収束させて生体組織の凝固や切開を効率良く行なうために生体組織と接触する部分の幅を狭くした発熱板を熱発生素子に密着するように取付けられたものもある。
【0125】
(付記項1〜3が解決しようとする課題) しかし、一対の把持部の間に生体組織を挟んで、熱発生素子で熱を発生させた場合、一対の把持部を挟む力が熱発生素子と組織あるいは発熱板とが密着するように作用すると同時に、熱発生素子が取付けられた把持部と熱発生素子とが密着するようにも作用してしまうために、熱発生素子の熱は、発熱板に伝達されると同時に把持部にも逃げてしまう。このため、熱発生素子の組織に接触する部分や発熱板の温度が上昇しなかったり、温度ムラが生じてしまい、その結果として凝固能や切開能が劣化してしまう。
【0126】
また、熱発生素子は裸状態で手術操作に使えるほど材料の強度や耐性がないので、直接熱発生素子に外部から力が加わらないように保護する必要がある上に、発熱時と常温時の温度差が大きいため、温度変化にともなう寸法変化(伸び縮み)が大きく、発熱を繰り返すと把持部への取付けが不完全となったり、熱発生素子自体も把持部から応力を受けて破損するという不具合があった。
【0127】
(付記項1〜3の目的) 本発明はこうした不具合に着目し、熱発生素子で発生した熱が発熱板に効率良く伝達されるようにして、良好な凝固能や切開能が得られる手術機器を提供することを目的とする。
【0128】
本発明は、また、こうした不具合に対して発熱を繰り返しても、熱発生素子が破損するような応力が加わらないような、安全で確実な固定構造を提供することを目的としている。
【0129】
(付記項1〜3の課題を解決するための手段および作用) 熱発生素子の生体組織と接触する部分あるいは発熱板が取付けられる部分以外をテフロンなどの断熱材で囲い、熱発生素子の熱が把持部に伝わらないようにした。
【0130】
熱発生素子の生体組織と接触する部分あるいは発熱板が取付けられる部分以外を囲うように枠を設けた。
【0131】
熱発生素子と枠とをピンで緩く固定した。
【0132】
(付記項1〜3の効果) 熱発生素子の生体組織と接触する部分あるいは発熱板が取付けられる部分以外をテフロンなどの断熱材で囲い、熱発生素子の熱が把持部に伝わらないようにしたので、熱発生素子で発生した熱が発熱板に効率良く伝達されるようになり、良好な凝固能や切開能が得られるようになった。
【0133】
熱発生素子の生体組織と接触する部分あるいは発熱板が取付けられる部分以外を囲うように枠を設けたので、発熱を繰り返すと把持部への取付けが不完全となったり、把持部から応力を受けて熱発生素子自体が破損するということなくなった。
【0134】
熱発生素子と枠とをピンで緩く固定したので、熱発生素子が破損するような応力が加わらないように安全で確実に固定できるようになった。
【0135】
(付記項4〜8の従来技術) 一般に、生体組織を把持する一対の把持部を備え、把持部の一方又は両方に発熱体を設け、生体組織を把持した状態で発熱体を発熱させて生体組織を凝固及び凝固部位を切開する医療用処置具が知られている。この種の医療用処置具は、通常、生体組織に含まれる血管の止血、生体組織の表層の病変部、出血点の焼灼、避妊を目的とした卵管の閉塞等の多種症例に用いられ、患者の処置対象の生体組織を凝固または切開することができるようになっている。
【0136】
例えば、特開2001−198137号公報は刃部の上部に発熱体を設け、発熱部体をジョーで覆っている構造である。また、ブレードがジョーの先端部まである構造である。
【0137】
(付記項4〜8が解決しようとする課題) 特開2001−198137号公報は発熱体と把持部が接触しているため、把持部(ジョー)が発熱体からの伝熱により高温となり、凝固能または切開能が低下し、術者の望む処置が行えなかった。この伝熱を抑制するために、ジョーと発熱体の間に断熱層を設けるために、空気層を設けると、ブレードの機械的強度が落ちるので、空気層の代わりに熱伝導率の低い材料でできた、断熱部材を設けることが考えられている。しかし、この断熱部材を金属枠に単純に積層した場合、ブレードの露出部分が減少し、生体組織に十分な熱量が伝わらなくなり、十分な凝固能力が得られなくなる。また、ジョーと断熱部材に生体組織が接触することにより、ブレードと把持部の当接面とで検体組織を十分圧縮できないため、確実な凝固・切開が行えないという問題があった。この問題を解決するために、ブレードの高さを高くするという解決手段があるが、その場合把持部全体の高さが大きくなり、小型化できないという問題があった。
【0138】
特開2001−198137号公報ではブレードがジョーの先端部まで達している構造であるため、ブレードの高さ分把持部を細径化することができず、円滑な剥離操作が行えないという問題があった。また、ブレードの材質が熱伝導率の低いものにした場合、処置部の長さを確保するために、ブレードの先端に発熱体が従来必要であったため、小型細径化が不可能であるという問題があった。
【0139】
(付記項4〜8の目的) 本願は前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、生体組織を十分に圧縮し、高い凝固能力を得ることができ、先端が細く、円滑な剥離操作が行える手術機器を提供することにある。
【0140】
(付記項4の課題を解決するための手段および作用) この発明は前記目的を達成するために、ジョーと断熱部材を固定に必要な部分を残し、発熱体が露出しない範囲でブレードの長手方向に対して垂直上方に、ブレードの露出部を増やすためにジョーと断熱部材の側面に逃げ部を設けたことを特徴とする。
【0141】
(付記項5の課題を解決するための手段および作用) ジョーをブレードの先方に延長し、先細りに形成したことを特徴とする。
【0142】
(付記項6の課題を解決するための手段および作用) 前記延長部の下面と第2の把持部の間に隙間が生じることを特徴とする。
【0143】
(付記項7の課題を解決するための手段および作用) 断熱手段としてジョー内側に設けたことを特徴とする。
【0144】
(付記項8の課題を解決するための手段および作用) ブレードの材質を熱伝導率の高い材料にし、発熱体の位置より先方にブレードを延長したことを特徴とする。
【0145】
(付記項4〜8の効果) 上記作用により、確実な凝固切開が可能であり、先端部が細径化されているため、円滑な剥離操作が可能である。
【0146】
(付記項9) 一対のジョーを相対的に開閉する操作部を備える医療機器において、
前記生体組織に加熱処置を施すための熱を発生する熱源部と、
前記一対のジョーの少なくとも一方に設けられ、前記熱源部を保持する保持手段と、
前記保持手段より熱伝導率の高い材料からなり、前記熱源部から伝熱される位置に設けられ、前記生体組織に加熱処置を行うことが可能な処置部と、を備えることを特徴とする医療機器。
【0147】
(付記項10) 一対のジョーを相対的に開閉する操作部を備え、前記一対のジョーの間で生体組織を挟持させた状態で、前記生体組織の加熱処置を行う医療機器において、
前記生体組織の加熱処置用の熱源部と、
前記熱源部から伝熱される位置に設けられると共に、前記生体組織の加熱処置を行う生体組織接触部を有する処置部と、
前記熱源部を囲むように前記一対のジョーの一方に配設され、前記処置部より熱伝導率の低い材料からなり、前記生体組織接触部が露出するように前記処置部を保持する保持手段と、を備えることを特徴とする医療機器。
【0148】
(付記項11) 前記断熱部は、少なくとも前記熱源部を覆う略U字状の断面形状の剛性のある枠体によって形成されていることを特徴とする付記項9及び10に記載の医療機器。
【0149】
(付記項12) 前記断熱部は、前記枠体と前記熱源部との隙間に断熱性の充填剤が充填されていることを特徴とする付記項11に記載の医療機器。
【0150】
(付記項13) 前記断熱部は、略U字状の断面形状の剛性体によって前記処置部を保持する保持枠が形成され、
前記処置部は、前記保持枠内に収容される部分に前記熱源部の取付け部を有することを特徴とする付記項9及び10に記載の医療機器。
【0151】
(付記項14) 前記断熱部は、略U字状の断面形状の剛性体によって前記処置部を保持する保持枠が形成され、
前記保持枠は、前後の両端部に前記処置部の支持ピンが取付けられ、
前記処置部は、前記支持ピンが挿入される挿入穴の少なくともいずれか一方に前記処置部と前記保持枠との熱膨張の差を吸収する長穴状の熱膨張吸収部を有することを特徴とする付記項9及び10に記載の医療機器。
【0152】
(付記項15) 前記ジョーは、前記生体組織を把持した際に前記処置部の両側面に前記生体組織が接触することを防止する接触防止部を有することを特徴とする付記項9及び10に記載の医療機器。
【0153】
(付記項16) 前記ジョーは、前記処置部の先方に延出された延出部を有し、前記延出部に先細り部を形成したことを特徴とする付記項9及び10に記載の医療機器。
【0154】
(付記項17) 前記ジョーは、前記一対のジョーを閉じた際に、前記一対のジョーの各延出部間に隙間が生じることを特徴とする付記項9及び10に記載の医療機器。
【0155】
(付記項18) 前記ジョーは、前記断熱部との接触部に非接触状態で保持され、断熱用の空気層を形成する溝部を有することを特徴とする付記項9及び10に記載の医療機器。
【0156】
(付記項19) 前記ジョーは、前記生体組織を把持した際に前記処置部の両側面に前記生体組織が接触することを防止する接触防止部を有することを特徴とする付記項9及び10に記載の医療機器。
【0157】
(付記項20) 前記ジョーは、前記処置部の先方に延出された延出部を有し、前記延出部に先細り部を形成したことを特徴とする付記項9及び10に記載の医療機器。
【0158】
(付記項21) 前記ジョーは、前記一対のジョーを閉じた際に、前記一対のジョーの各延出部間に隙間が生じることを特徴とする付記項9及び10に記載の医療機器。
【0159】
(付記項22) 前記ジョーは、前記保持手段からの伝熱を低減するように前記保持手段との間で非接触を保つ非接触部を有することを特徴とする付記項9及び10に記載の医療機器。
【0160】
(付記項23) 前記熱源部は前記処置部に対して伝熱可能に固定されていることを特徴とする付記項9及び10記載の医療機器。
【0161】
(付記項23の効果) 付記項23は、熱源部を処置部に対して伝熱可能に固定することにより、熱源部から処置部への熱伝達を促返することに貢献する。
【0162】
(付記項24) 前記保持手段は前記一対のジョーより熱伝導率の低い材料からなることを特徴とする付記項9及び10記載の医療機器。
【0163】
(付記項24の効果) 付記項24は、保持部として用いられる材料の熱伝導率の程度を明確にしたもので、保持部をこのような材料を用いて構成することにより、熱源部の熱を処置部側に集中的に効率よく伝達し、熱源部の熱かジョー側に伝達されることを防ぐようにしている。
【0164】
(付記項25) 前記一対のジョーは、前記生体接触部の露出面積が増大する方向に変形していることを特徴とする付記項10の医療機器。
【0165】
(付記項25の効果) 生体接触部の露出面積が増大することにより、処置部(伝熱板)と生体組織との接触面積が広がり、確実な凝固が可能になる。
【0166】
【発明の効果】
本発明によれば、熱源部で発生した熱を処置部側に効率良く伝達させることができ、良好な凝固能や切開能が得られ、かつ耐久性に優れた医療機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の医療機器のシステム全体の概略構成図。
【図2】 (A)は第1の実施の形態の医療機器の処置具の先端部を示す縦断面図、(B)は(A)のIIB−IIB線断面図。
【図3】 (A)は図2(A)のIIIA−IIIA線断面図、(B)は図2(A)のIIIB−IIIB線断面図、(C)は図2(A)のIIIC−IIIC線断面図。
【図4】 第1の実施の形態の医療機器の処置具における断熱部の保持枠の支持ピンと処置部の熱膨張吸収用の長穴部との連結部を示す要部の側面図。
【図5】 本発明の第2の実施の形態を示すもので、(A)は医療機器の処置具におけるジョーと処置部との連結部を示す要部の側面図、(B)は同正面図、(C)はジョーと処置部との連結部を分離した状態を示す正面図。
【図6】 本発明の第3の実施の形態の医療機器の処置具を示す側面図。
【図7】 (A)は第3の実施の形態の処置具の先端部を示す平面図、(B)は同側面図。
【図8】 第3の実施の形態の処置具の作用を示すもので、(A)はジョーが閉じている状態を示す要部の縦断面図、(B)はジョーが開いた状態を示す要部の縦断面図。
【図9】 本発明の第4の実施の形態の医療機器のシステム全体の概略構成図。
【図10】 (A)は第4の実施の形態の処置具の先端部を示す側面図、(B)は(A)の要部の縦断面図、(C)は(A)のXC−XC線断面図。
【図11】 図10(A)のXI−XI線断面図。
【図12】 第4の実施の形態の処置具の使用状態を示す要部の縦断面図。
【図13】 本発明の第5の実施の形態を示すもので、(A)は医療機器の処置具全体の概略構成を示す側面図、(B)は処置具のジョーの開状態を示す要部の縦断面図。
【図14】 (A)は第5の実施の形態の処置具のジョーの閉状態を示す要部の縦断面図、(B)は(A)のXIVB−XIVB線断面図。
【図15】 本発明の第6の実施の形態を示すもので、(A)は処置具のジョーの内部の概略構成図、(B)は(A)のXVB−XVB線断面図。
【符号の説明】
7 第1把持部(ジョー)
8 第2把持部(ジョー)
9 リング(操作部)
15 熱源部
16 処置部
17 断熱部

Claims (1)

  1. 一対のジョーを相対的に開閉する操作部を備える医療機器において、
    生体組織に加熱処置を施すための熱を発生する熱源部と、
    前記一対のジョーの少なくとも一方に設けられ、前記熱源部を保持するとともに、前記ジョーの壁部によって周囲が覆われる断熱材料からなる保持手段と、
    前記保持手段より熱伝導率の高い材料からなり、前記熱源部から伝熱される位置に設けられ、前記生体組織に加熱処置を行うことが可能な処置部と、
    を備え、
    前記ジョーは、前記保持手段からの伝熱を低減するように前記保持手段との間で非接触を保つ非接触部を有することを特徴とする医療機器。
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