JP2005137679A - 手術用処置具 - Google Patents

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健一 木村
Naoki Sekino
直己 関野
Koji Iida
浩司 飯田
Hitoshi Karasawa
均 唐沢
Chie Yanai
千恵 谷内
Takeaki Nakamura
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Abstract

【課題】本発明は、血管等を含む生体組織を短時間で、かつ確実に凝固、切開することができ、再使用が可能で、低コストを実現可能な手術用処置具を提供することを最も主要な特徴とする。
【解決手段】開閉可能な処置部10の第1把持部8の発熱部16に、各々独立して出力制御可能な3つの発熱体17,18,19を設け、各発熱体17,18,19に、第1把持部8の長さ方向に沿って延設された延設部17a,18a,19aを設け、第1把持部8の幅方向に各発熱体17,18,19の延設部17a,18a,19aを複数並設したものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、血管等を含む生体組織を凝固、切開する手術用処置具に関する。
従来から、生体組織を把持する一対の把持部(ジョー)を備え、把持部の一方または両方に発熱体を設け、生体組織を把持した状態で発熱体を発熱させて生体組織の凝固や、凝固した生体組織の凝固部位を切開するなどの加熱処置を行なう手術用処置具が知られている。従来の手術用処置具として、例えば、特許文献1がある。この特許文献1の器具には、開閉可能に取付けられた上下顎部材が設けられている。上下顎部材の少なくとも一つの作業面には加熱要素と、この作業面に位置決めされる切断手段とが設けられている。この器具で、生体組織の処置を行う場合は、上下顎部材を閉じて加熱要素による生体組織の凝固を行った後、切断手段を操作して生体組織の切開を行うようになっている。
また、特許文献1では、一つの顎部材の作業面にヒーターワイヤを設けたものがある。このヒーターワイヤは、ニクロム線等の電気抵抗体から構成されている。そして、このヒーターワイヤにより生体組織の凝固と切開とを行うようになっている。
国際公開第01/12090A1号パンフレット
特許文献1の器具の使用時には、上下顎部材を閉じて加熱要素による生体組織の凝固を行った後、切断手段を操作して生体組織の切開を行うようにしているので、生体組織の凝固切開操作に時間がかかる問題がある。さらに、切断手段は鋭利な刃で構成されている為、刃の切れ味を継続して維持することが難しい。よって、再使用が困難な為、コストが高くなるという問題がある。
また、ヒーターワイヤは線状である為、顎部材の長手方向(ヒーターワイヤの延出方向)に対する側方(顎部材の幅方向)への発熱領域が小さい。そのため、顎部材の側方部分の温度コントロールを正確に行うことが出来ない。その結果、比較的太い血管を含む生体組織を処置する場合、血管の凝固が不十分なまま生体組織が切開される可能性が有る。
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、血管等を含む生体組織を短時間で、かつ確実に凝固、切開することができ、再使用が可能で、低コストを実現可能な手術用処置具を提供することにある。
請求項1の発明は、処置具本体の先端部に配置され、開閉可能な一対の把持部を有する処置部と、前記処置具本体の基端部に配置され、前記把持部を開閉操作する操作部とを有し、前記把持部の少なくとも一方に生体組織を処置する為の発熱部を設けた手術用処置具において、前記発熱部は、各々独立して出力制御可能な複数の発熱要素を有し、前記各発熱要素は、前記把持部の長さ方向に沿って延設された延設部を有し、前記処置部は、前記把持部の幅方向に前記各発熱要素の延設部が複数並設されていることを特徴とする手術用処置具である。
そして、本請求項1の発明では、使用時には把持部の幅方向に複数並設されている各発熱要素の延設部を各々独立して出力制御する。このとき、両側位置の発熱要素によって生体組織を凝固する凝固用の熱エネルギーを発生するように出力制御し、中央位置の発熱要素によって生体組織を切除する切除用の熱エネルギーを発生するよう出力制御することにより、血管等を含む生体組織を短時間で、かつ確実に凝固、切開するようにしたものである。
請求項2の発明は、前記発熱要素は、基板上に薄膜を蒸着した発熱部パターンを有することを特徴とする請求項1に記載の手術用処置具である。
そして、本請求項2の発明では、基板上に薄膜を蒸着した発熱部パターンの発熱要素によって各々独立して出力制御する複数の発熱要素を形成することにより、発熱部の構成を簡素化するとともに、電源装置の出力回路の構成を簡素化するようにしたものである。
請求項3の発明は、前記発熱要素は、通電発熱するワイヤ状の発熱体を有することを特徴とする請求項1に記載の手術用処置具である。
そして、本請求項3の発明では、通電発熱するワイヤ状の発熱体の発熱要素によって各々独立して出力制御する複数の発熱要素を形成することにより、発熱部の構成を簡素化するとともに、電源装置の出力回路の構成を簡素化するようにしたものである。
請求項4の発明は、前記発熱部は、一方の前記把持部に設けられ、他方の前記把持部には、前記発熱部と対向する位置に前記発熱部の受け部材が設けられ、前記受け部材は、樹脂材料からなることを特徴とする請求項1に記載の手術用処置具である。
そして、本請求項4の発明では、使用時には一方の把持部の発熱部と他方の把持部の受け部材との間に生体組織を挟んで挟持した状態で、生体組織を凝固、切開するようにしたものである。
請求項5の発明は、前記発熱部は、前記各発熱要素の延設部が前記把持部の幅方向に3列に配置され、中央位置の前記発熱要素は、両側の前記発熱要素に比べ、高い熱エネルギーを発生するよう出力制御されることを特徴とする請求項1に記載の手術用処置具である。
そして、本請求項5の発明では、把持部の幅方向に各発熱要素の延設部が3列に配置されたうちの中央位置の発熱要素を両側の発熱要素に比べ、高い熱エネルギーを発生するよう出力制御させることにより、両側の発熱要素によって生体組織を凝固させ、中央位置の発熱要素によって生体組織を切除させる。これにより、血管等を含む生体組織を短時間で、かつ確実に凝固、切開するようにしたものである。
請求項6の発明は、前記処置部は、一対の前記把持部にそれぞれ前記発熱要素が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の手術用処置具である。
そして、本請求項6の発明では、一対の把持部にそれぞれ配設されている発熱要素を切開、凝固に併せて切換えて使用できるようにしたことにより、適切な処置ができるようにしたものである。
請求項7の発明は、前記処置具本体は、先端部に前記処置部、基端部に前記操作部がそれぞれ配置された管状の挿入シース部と、この挿入シース部内に挿通され、前記操作部の操作力を前記処置部に伝達する駆動軸とを具備することを特徴とする請求項1に記載の手術用処置具である。
そして、本請求項7の発明では、先端部に処置部、基端部に操作部がそれぞれ配置された管状の挿入シース部と、この挿入シース部内に挿通され、操作部の操作力を処置部に伝達する駆動軸とを有する内視鏡用処置具の処置具本体に適用することにより、内視鏡用処置具の処置部によって血管等を含む生体組織を短時間で、かつ確実に凝固、切開するようにしたものである。
本発明によれば、血管等を含む生体組織を短時間で、かつ確実に凝固、切開することができ、再使用が可能で、低コストを実現可能な手術用処置具を提供することができる。
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図5を参照して説明する。図1は本実施の形態の手術用処置具1のシステム全体の概略構成を示すものである。本実施形態の手術用処置具1のシステムは、ハサミ型の熱凝固切開鉗子(処置具本体)2と、電源装置3と、フットスイッチ4とから構成されている。
鉗子2は、2つ(第1,第2)の鉗子構成体5,6を有する。これら第1,第2の鉗子構成体5,6は、枢支軸7を介して相互に回動可能に取付けられている。第1の鉗子構成体5の先端側には第1把持部(ジョー)8、第2の鉗子構成体6の先端側には第2把持部(ジョー)9がそれぞれ設けられている。これらの第1把持部8と第2把持部9とによって、生体組織を把持、剥離、圧排操作するための処置部10が形成されている。第1把持部8と第2把持部9は、ステンレス等の金属材料によって形成されている。
また、第1の鉗子構成体5の後方側には、アーム11が延び、アーム11の末端には手指挿入用のリング12が設けられている。第2の鉗子構成体6の後方側にも同様に、アーム13が延び、アーム13の末端には手指挿入用のリング14が設けられている。そして、これらアーム11,リング12,アーム13,リング14によって、一対の把持部8,9を開閉操作する為の操作部15が形成されている。
図3(A),(B)に示すように、第1把持部8及び第2把持部9は先端に向かって湾曲した先細り形状となっている。また、図2に示すように第1把持部8には、第2把持部9との対向面に、発熱部装着用の長溝状の凹部8aが形成されている。この凹部8aには、生体組織に熱エネルギーを与える為の発熱部16が装着されている。
図2および図3(A)に示すように、発熱部16は、各々独立して出力制御可能な複数、本実施の形態では3つの発熱体(発熱要素)17,18,19を有する。3つの発熱体17,18,19は、それぞれ第1把持部8の長さ方向の湾曲形状に沿って延設された延設部17a,18a,19aを有する。各発熱体17,18,19の延設部17a,18a,19aは、第1把持部8の幅方向に並設されている。
図2に示すように発熱部16の上側部分は、断面形状が略U字状の断熱部材20によって覆われている。この断熱部材20は、PTFEやPEEK等の熱伝導率が低く耐熱性の高い材料からなる。この断熱部材20は第1把持部8の凹部8aに嵌め込まれた形で固定されている。これにより、発熱部16で発生した熱を生体組織に効率良く供給すると共に、ステンレス等の金属材料からなる第1把持部8が過度に熱くなるのを防止している。
また、3つの発熱体17,18,19は、例えば薄膜抵抗加熱素子、厚膜抵抗加熱素子、セラミックヒーター、PTCヒーター等の様に通電されることにより熱を発生する発熱要素によって形成されている。ここで、薄膜抵抗加熱素子は、セラミックや金属の基板に薄膜形成法(PVDやCVDなど)で抵抗発熱体のパターンを形成したもの、厚膜抵抗加熱素子は、セラミックや金属の基板に厚膜形成法(スクリーン印刷など)で抵抗発熱体のパターンを形成したものである。尚、発熱部16の外表面の生体組織との接触部には、生体組織の付着を防止する為、PTFE等の非粘着性の材料からなるコーティングが施されたコーティング層21が形成されている。
また、図4に示すように3つの発熱体17,18,19には、電力を供給する為の2本のリード線22,23、24,25、26,27がそれぞれ接続されている。図1に示すように、第1の鉗子構成体5には、リング12の後端側にコード接続部28が突設されている。コード接続部28には、各リード線22〜27の基端部が接続されている。
さらに、コード接続部28には一端が電源装置3に接続された接続コード29の他端部が接続されている。図4に示すように電源装置3の内部には、発熱体17,18,19を各々独立して出力制御する駆動回路30が設けられている。この駆動回路30には出力回路31と、制御回路32と、検知回路33とが設けられている。ここで、出力回路31には各発熱体17,18,19の一方のリード線22,24,26がそれぞれ接続されている。検知回路33には各発熱体17,18,19の他方のリード線23,25,27がそれぞれ接続されている。
これにより、発熱部16の3つの発熱体17,18,19は、各々独立して、電源装置3の検知回路33、制御回路32及び出力回路31にそれぞれ接続されている。その結果、3つの発熱体17,18,19は、電源装置3によって各々独立した出力制御が可能となる。そして、本実施の形態では中央位置の発熱体18の両側の発熱体17,19は、生体組織を凝固する凝固用の熱エネルギーを発生するように出力制御され、中央位置の発熱体18は、凝固用の熱エネルギーに比べ、高い切除用の熱エネルギーを発生するよう出力制御されるように設定されている。
また、電源装置3には、パネル入力・表示部34が設けられている。このパネル入力・表示部34は、制御回路32に接続されている。さらに、電源装置3には、フットスイッチ4がコード35を介して接続されている。このフットスイッチ4は、制御回路32に接続されている。
また、図2及び図3(B)に示すように、第2把持部9には、発熱部16と対向する位置に受け部材36が一体的に設けられている。受け部材36は、例えば、シリコンゴムやPTFE等の樹脂材料からなる。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の手術用処置具1のシステムを用いて生体組織を処置する場合について説明する。まず、鉗子2の操作部15の2つの手指挿入用のリング12,14内に手指を挿入して両リング12,14間を開く方向に回動操作することにより、2つの把持部8,9間を開操作する。この状態で、2つの把持部8,9の間に生体組織を位置させる。
その状態で、操作部15の2つのリング12,14を閉方向に操作し、発熱部16と受け部材36との間で生体組織を把持する。生体組織を把持したのち、フットスイッチ4をオン操作して、凝固、切開処置を開始する。この凝固、切開処置時には、電源装置3から接続コード29、コード接続部28、及びリード線22〜27を介して発熱体17,18,19に電力を供給し、発熱体17,18,19を発熱させる。この時、発熱体17,18,19は、制御回路32によって各々独立した出力制御がなされる。
出力制御の一つの例を図5に示す。図5中の特性曲線aは、凝固用の発熱体17及び発熱体19の出力制御状態を、特性曲線bは、切除用の発熱体18の出力制御状態をそれぞれ示す。すなわち、フットスイッチ4をオン操作することにより、発熱体17,18,19は発熱を開始し、温度が上昇する。凝固用の発熱体17及び発熱体19は、比較的温度の低い200℃付近に温度が維持される。切除用の発熱体18は、比較的温度の高い250℃付近に温度が維持される。これにより、発熱体17及び発熱体19に接する生体組織には十分な凝固作用が生じる。また、発熱体18に接する生体組織には、発熱体17及び発熱体19に接する生体組織に比べ多くの熱エネルギーが与えられる。これにより、発熱体18に接する生体組織の部分には局所的な加熱による切開作用が生じ、生体組織は切開される。
また、生体組織の凝固切開が完了した時点でフットスイッチ4をオフ操作して制御回路32による出力制御を止める。これにより、発熱体17,18,19への電力供給が停止され、発熱体17,18,19の温度は下降する。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の手術用処置具1のシステムでは、ハサミ型の熱凝固切開鉗子2の第1把持部8に各々独立して出力制御可能な3つの発熱体17,18,19を設けている。そして、生体組織の凝固、切開処置時には、3つの発熱体17,18,19は同時に発熱を開始し、生体組織の凝固と切開が同時に行われる。このとき、2つの把持部8,9の間に挟持されている生体組織には凝固用の発熱体17及び発熱体19により十分な幅の凝固ゾーンが形成される為、血管等を含む生体組織を短時間かつ確実に凝固切開することができる。
また、切除用の発熱体18からの局所的な加熱により生体組織の切開を行っている為、鋭利な刃で切開操作を行う場合のような切れ味の劣化が無い。よって、切除用の発熱体18の再使用が可能となるので、鋭利な刃で切開操作を行う場合に比べてコストを低くおさえることが出来る。
さらに、本実施形態においては、3つの発熱体17,18,19の種類が同一であるため、電源装置3の駆動回路30の回路構成を簡素化することができ、電源装置3の駆動回路30の小型化が可能となる。
また、図6は第1の実施の形態(図1乃至図5参照)の手術用処置具1の出力制御の第1の変形例を示す。図6中の特性曲線cは、凝固用の発熱体17及び発熱体19の出力制御状態を、特性曲線dは、切除用の発熱体18の出力制御状態を示す。
すなわち、本変形例では、フットスイッチ4をオン操作することにより、先ず凝固用の発熱体17及び発熱体19が発熱を開始し、温度が上昇する。このとき、発熱体17及び発熱体19は、比較的温度の低い200℃付近に温度が維持される。
その後、あらかじめ決められた設定時間t1の経過後、切除用の発熱体18が自動的に発熱を開始し、温度が上昇する。このとき、発熱体18は、比較的温度の高い300℃付近に温度が維持される。これにより、図5に示した出力制御と同様に、凝固用の発熱体17及び発熱体19に接する生体組織には十分な凝固作用が生じ、切除用の発熱体18に接する生体組織には局所的な加熱による切開作用が生じ、生体組織は切開される。
また、生体組織の凝固切開が完了した時点でフットスイッチ4をオフ操作して制御回路32による出力制御を止める。これにより、発熱体17,18,19への電力供給が停止され、発熱体17,18,19の温度は下降する。
なお、本変形例でもフットスイッチ4のオン操作時に、3つの発熱体17,18,19が同時に発熱を開始し、200℃付近の温度で保持されたのち、設定時間t1の経過後、切除用の発熱体18のみ300℃付近の切除用の温度に上昇されるようにしてもよい。
また、図7は第1の実施の形態(図1乃至図5参照)の手術用処置具1の出力制御の第2の変形例を示す。図7中の特性曲線eは、凝固用の発熱体17及び発熱体19の出力制御状態を、特性曲線fは、切除用の発熱体18の出力制御状態を示す。
すなわち、本変形例では、フットスイッチ4をオン操作することにより、3つの発熱体17,18,19は同時に発熱を開始し、温度が上昇する。このとき、凝固用の発熱体17及び発熱体19は、250℃と150℃付近との間の範囲でパルス的に温度が変化する様に、出力制御される。一方、切除用の発熱体18は、250℃付近を一定に保つ様に、出力制御される。
これにより、図5に示した出力制御状態と同様に、凝固用の発熱体17及び発熱体19に接する生体組織には十分な凝固作用が生じ、切除用の発熱体18に接する生体組織には局所的な加熱による切開作用が生じ、生体組織は切開される。
また、生体組織の凝固切開が完了した時点でフットスイッチ4をオフ操作して制御回路32による出力制御を止める。これにより、発熱体17,18,19への電力供給が停止され、発熱体17,18,19の温度は下降する。
ここで、図5、6、7の何れの出力制御状態においても、切除用の発熱体18により切開された生体組織の両断端には、発熱体17及び発熱体19により形成された十分な幅の凝固ゾーンが存在する。その為、生体組織に比較的太い血管が含まれていても十分な止血が達成される。
尚、図5、6、7で示した3つの発熱体17,18,19の制御温度は、処置する部位や、生体組織の状態により、適切な値に設定することが出来る。
また、図8および図9は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図5参照)のハサミ型の熱凝固切開鉗子2における第1把持部8の発熱部16の構成を次の通り変更したものである。なお、この発熱部16以外の部分は第1の実施の形態の手術用処置具1と略同様の構成になっており、第1の実施の形態の手術用処置具1と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは第1の実施の形態と異なる部分のみ説明する。
すなわち、本実施の形態の第1把持部8の発熱部16には、図9に示すように各々独立して出力制御可能な2つ(第1,第2)の発熱体41,42を有する。第1の発熱体41は、第1の実施の形態の中央位置の発熱体18に相当する1本の延設部41aを有する。この延設部41aは第1把持部8の長さ方向の湾曲形状に沿って延設されている。
第2の発熱体42は、第1の実施の形態の両側の発熱体17,19に相当する2本の延設部42a,42bを有する。これらの延設部42a,42bは第1の発熱体41の両側に並設されている。さらに、第2の発熱体42の2つの延設部42a,42bの先端部間はU字形状の連結部42cを介して連結されて1本に繋がっている。これにより、第2の発熱体42の2つの延設部42a,42bと連結部42cとによって形成されるU字形状によって第1の発熱体41を取り囲むように配置されている。
また、第1,第2の発熱体41,42には、電力を供給する為の2本のリード線(例えば図4の22,23、24,25)がそれぞれ接続されている。これらのリード線22,23、24,25の基端部は第1の鉗子構成体5のコード接続部28に接続されている。
さらに、コード接続部28には一端が電源装置3に接続された接続コード29の他端部が接続されている。これにより、発熱部16の第1,第2の発熱体41,42は、各々独立して、電源装置3の検知回路33、制御回路32及び出力回路31にそれぞれ接続されている。その結果、第1,第2の発熱体41,42は、電源装置3によって各々独立した出力制御が可能となる。そして、本実施の形態では第2の発熱体42の2つの延設部42a,42bと連結部42cとは、生体組織を凝固する凝固用の熱エネルギーを発生するように出力制御され、中央位置の第1の発熱体41は、凝固用の熱エネルギーに比べ、高い切除用の熱エネルギーを発生するよう出力制御されるように設定されている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の手術用処置具1のシステムを用いて生体組織の凝固切開処置する場合にはハサミ型の熱凝固切開鉗子2における第1把持部8の発熱部16の凝固用の第2の発熱体42と、切除用の第1の発熱体41とが第1の実施の形態と同様に出力制御される。このとき、凝固用の第2の発熱体42と、切除用の第1の発熱体41とは、図5、6、7に示す出力制御が行われる。
ここで、図5の特性曲線aは、凝固用の第2の発熱体42の出力制御状態を、特性曲線bは、切除用の第1の発熱体41の出力制御状態を示す。同様に、図6の特性曲線cは、凝固用の第2の発熱体42の出力制御状態を、特性曲線dは、切除用の第1の発熱体41の出力制御状態を示す。図7の特性曲線eは、凝固用の第2の発熱体42の出力制御状態を、特性曲線fは、切除用の第1の発熱体41の出力制御状態を示す。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の手術用処置具1のシステムでは、第1の実施の形態と同様に、図5、6、7の何れの出力制御においても、切除用の第1の発熱体41により切開された生体組織の両断端には、凝固用の第2の発熱体42により形成された十分な幅の凝固ゾーンが存在する。その為、生体組織に比較的太い血管が含まれていても十分な止血が達成される。
また、本実施の形態では、特に、第1の実施の形態の両側の発熱体17,19に相当する2本の延設部42a,42bを有するU字形状の第2の発熱体42を設けている。この第2の発熱体42では、第1の発熱体41の両側に並設されている2つの延設部42a,42bの先端部間をU字形状の連結部42cを介して1本に繋がっている構造にしたので、第1把持部8の発熱部16のリード線の数が4本と少なくて済む。その為、構造の簡略化、小型化が可能となる。
また、図10および図11は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図5参照)のハサミ型の熱凝固切開鉗子2における第1把持部8の発熱部16の構成を次の通り変更したものである。なお、この発熱部16以外の部分は第1の実施の形態の手術用処置具1と略同様の構成になっており、第1の実施の形態の手術用処置具1と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは第1の実施の形態と異なる部分のみ説明する。
すなわち、図10に示すように本実施の形態の第1把持部8の発熱部16は、各々独立して出力制御可能な2つ(第1,第2)の発熱体51,52を有する。図11に示すように2つの発熱体51,52は、それぞれ第1把持部8の長さ方向の湾曲形状に沿って延設された延設部51a,52aを有する。各発熱体51,52の延設部51a,52aは、第1把持部8の幅方向に2列に配置されている。
また、第1,第2の発熱体51,52には、電力を供給する為の2本のリード線(例えば図4の22,23、24,25)がそれぞれ接続されている。これらのリード線22,23、24,25の基端部は第1の鉗子構成体5のコード接続部28に接続されている。
さらに、コード接続部28には一端が電源装置3に接続された接続コード29の他端部が接続されている。これにより、発熱部16の第1,第2の発熱体51,52は、各々独立して、電源装置3の検知回路33、制御回路32及び出力回路31にそれぞれ接続されている。その結果、第1,第2の発熱体51,52は、電源装置3によって各々独立した出力制御が可能となる。そして、本実施の形態では第1の発熱体51は、生体組織を凝固する凝固用の熱エネルギーを発生するように出力制御され、第2の発熱体52は、凝固用の熱エネルギーに比べ、高い切除用の熱エネルギーを発生するよう出力制御されるように設定されている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の手術用処置具1のシステムを用いて生体組織の凝固切開処置する場合にはハサミ型の熱凝固切開鉗子2における第1把持部8の発熱部16の凝固用の第1の発熱体51と、切除用の第2の発熱体52とが第1の実施の形態と同様に出力制御される。このとき、凝固用の第1の発熱体51と、切除用の第2の発熱体52とは、図5、6、7に示す出力制御が行われる。
ここで、図5の特性曲線aは、凝固用の第1の発熱体51の出力制御状態を、特性曲線bは、切除用の第2の発熱体52の出力制御状態を示す。同様に、図6の特性曲線cは、凝固用の第1の発熱体51の出力制御状態を、特性曲線dは、切除用の第2の発熱体52の出力制御状態を示す。図7の特性曲線eは、凝固用の第1の発熱体51の出力制御状態を、特性曲線fは、切除用の第2の発熱体52の出力制御状態を示す。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の手術用処置具1のシステムでは、特に以下のような場面において有用である。すなわち、図10に示すように、血管H1の一部が止血クリップ53にて止血されている場合の、血管H1の凝固切開に用いる。このとき、凝固用の第1の発熱体51は止血クリップ53から遠い側に配置され、切除用の第2の発熱体52は止血クリップ53に近い側に配置される。これにより、凝固用の第1の発熱体51に接する血管H1には十分な凝固作用が生じ、切除用の第2の発熱体52に接する生体組織には局所的な加熱による切開作用が生じ、生体組織は切開される。
すなわち、切除用の第2の発熱体52によって切開された血管H1の断端の内、止血クリップ53にて止血されていない側の断端のみ十分な幅の凝固ゾーンが凝固用の第1の発熱体51により形成される。反対側の断端は、止血クリップ53にて機械的に止血されている為、凝固ゾーンを形成する必要はない。これにより、切除用の第2の発熱体52によって切開された血管H1の切開部の一端側の断端は止血クリップ53にて止血され、他端側の断端は凝固用の第1の発熱体51によって十分な幅の凝固ゾーンが形成されるので、第2の実施の形態と同様に生体組織に比較的太い血管が含まれていても十分な止血が達成される。
また、図12は本発明の第4の実施の形態を示すものである。図12は、内視鏡下外科手術に適した内視鏡下手術用鉗子61の側面図を示す。この内視鏡下手術用鉗子61は、細長い長尺な挿入シース部62と、この挿入シース部62の基端部に連結された操作部63と、挿入シース部62の先端に設けられた処置部64とを備えている。
操作部63は、固定ハンドル65と、この固定ハンドル65にハンドル枢支軸66を介して回動可能に取付けられた可動ハンドル67とを有する。固定ハンドル65の上端部には操作部本体68が一体に形成されている。この操作部本体68には挿入シース部62が軸回り方向に回転可能に取付けられている。
挿入シース部62は、長尺な外套管69を有する。この外套管69内には細長い棒状の駆動軸70が軸方向に進退可能に挿通されている。駆動軸70の基端側は可動ハンドル67の上端部に回動自在に連結されている。したがって、可動ハンドル67がハンドル枢支軸66を中心に回動されると、駆動軸70に操作力が作用し、この駆動軸70が軸方向に前後動する。
処置部64は、開閉可能な上下一対の把持部71,72を有する。駆動軸70の先端側は、図示しない駆動機構を介して把持部71,72と連結している。よって、可動ハンドル67を開閉操作することにより、駆動軸70を介して把持部71,72間の開閉が行われる。
また、把持部71,72は、第1〜第3の各実施の形態のハサミ型の熱凝固切開鉗子2における第1把持部8,第2把持部9と略同様に構成されている。すなわち、一方(上側)の把持部71には、他方(下側)把持部72と対向する位置に、生体組織に熱エネルギーを与える為の発熱部16(図2参照)が設けられている。発熱部16は、第1〜第3実施の形態で示した様に、複数の発熱体(例えば、第1の実施の形態の3つの発熱体17,18,19)によって構成されている。下側の把持部72には、発熱部16と対向する位置に受け部材36(図2参照)が一体的に設けられている。
また、挿入シース部62内には、第1の実施の形態と同様に3つの発熱体17,18,19に電力を供給する為の複数のリード線(例えば図4の22,23、24,25、26,27)が配設されている。各リード線22,23、24,25、26,27の先端部は3つの発熱体17,18,19にそれぞれ接続されている。
また、操作部本体68には、コード接続部73が設けられている。このコード接続部73の内端部には、各リード線22,23、24,25、26,27の基端部が接続されている。さらに、コード接続部73の外端部には接続コード74の一端が接続されている。この接続コード74の他端部は、第1の実施の形態と同様に電源装置3(図1参照)に接続されている。そして、本実施の形態の3つの発熱体17,18,19は、第1〜第3実施の形態と同様に、各々独立した出力制御がなされる。
次に、上記構成の作用について説明する。ここでは、本実施の形態の内視鏡下手術用鉗子61を用いて生体組織を処置する場合について説明する。まず、体壁に穿刺した図示しないトロッカー等を介して、内視鏡下手術用鉗子61の処置部64及び挿入シース部62の先端を体腔内に導入する。
その後、可動ハンドル67を開いて図12中に仮想線で示すように把持部71,72間を開操作し、2つの把持部71,72の間に生体組織を位置させる。その状態で、次に、可動ハンドル67を閉方向に操作し、把持部71と把持部72との間で生体組織を把持する。
生体組織を把持したのち、フットスイッチ4(図1参照)を操作することにより、電源装置3から接続コード74、コード接続部73、及びリード線を介して複数の発熱体(3つの発熱体17,18,19)に電力を供給し、発熱体(3つの発熱体17,18,19)を発熱させる。この時、第1〜第3実施の形態と同様に、図5、6、7による出力制御を行い、生体組織の凝固切開を行う。これにより、第1〜第3実施の形態と同様に、十分な幅の凝固ゾーンが形成された状態で、生体組織の凝固切開が同時に行われる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の内視鏡下手術用鉗子61であっても、第1〜第3実施の形態のハサミ型の熱凝固切開鉗子2と同様に、血管等を含む生体組織を短時間で、かつ確実に凝固、切開することができ、再使用が可能で、低コストを実現可能となる効果が得られる。
また、図13乃至図16(A),(B)は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図5参照)のハサミ型の熱凝固切開鉗子2における第1把持部8の発熱部16の構成を次の通り変更したものである。なお、この発熱部16以外の部分は第1の実施の形態の手術用処置具1と略同様の構成になっており、第1の実施の形態の手術用処置具1と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは第1の実施の形態と異なる部分のみ説明する。
すなわち、本実施の形態の第1把持部8の発熱部16には、図13に示すように平板状のベース部材81が設けられている。このベース部材81は、モリブデン等からなる金属の基材によって形成されている。このベース部材81の板面上には、絶縁材82が積層され、さらに、絶縁材82の表面上に薄膜抵抗加熱素子のヒーターパターン83が積層されている。このヒーターパターン83は、例えばPVD(Physical Vapor Deposition,物理蒸着)や、CVD(Chemical Vapor Deposition,化学蒸着)などで形成される。なお、ヒーターパターン83は、薄膜抵抗加熱素子に限定されるものではなく、例えば厚膜導体ペーストを基板上にスクリーン印刷させ、乾燥後、高温で焼き付けられた厚さ10〜20μm程度の厚膜による金属導電層であってもよい。
ヒーターパターン83は、各々独立して出力制御可能な複数、本実施の形態では3つの発熱パターン(発熱要素)84,85,86を有する。図14に示すように3つの発熱パターン84,85,86は、それぞれ第1把持部8の長さ方向の湾曲形状に沿って延設された延設部84a,85a,86aを有する。各発熱パターン84,85,86の延設部84a,85a,86aは、第1把持部8の幅方向に並設されている。さらに、ヒーターパターン83の外表面上にはテフロン等の非粘着性コーティングが施されたコーティング層87が形成されている。
また、3つの発熱パターン84,85,86への電力供給用の回路構成は第1の実施の形態の手術用処置具1と同様である。そして、発熱部16の3つの発熱パターン84,85,86は、各々独立して、図4に示す電源装置3の検知回路33、制御回路32及び出力回路31にそれぞれ接続されている。その結果、3つの発熱パターン84,85,86は、電源装置3によって各々独立した出力制御が可能となる。そして、本実施の形態では中央位置の発熱パターン85の両側の発熱パターン84,86は、生体組織を凝固する凝固用の熱エネルギーを発生するように出力制御され、中央位置の発熱パターン85は、凝固用の熱エネルギーに比べ、高い切除用の熱エネルギーを発生するよう出力制御されるように設定されている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の手術用処置具1のシステムのハサミ型の熱凝固切開鉗子2を使用して生体組織を処置する場合には第1の実施の形態の手術用処置具1と同様の手順で2つの把持部8,9間を開閉操作して2つの把持部8,9の間に生体組織を把持する。生体組織を把持したのち、フットスイッチ4をオン操作して、凝固、切開処置を開始する。
この凝固、切開処置時には、電源装置3から接続コード29、コード接続部28、及びリード線22〜27を介して発熱部16の3つの発熱パターン84,85,86に電力を供給し、3つの発熱パターン84,85,86を発熱させる。この時、発熱部16の3つの発熱パターン84,85,86は、制御回路32によって各々独立した出力制御がなされる。
出力制御の一つの例を図16(A),(B)に示す。図16(A),(B)は本実施の形態の発熱部16の3つの発熱パターン84,85,86への通電加熱時の第1把持部8の発熱部16の幅方向の温度分布を示す。同図中で、横軸は第1把持部8の幅方向の位置、縦軸は生体組織の加熱温度を表わし、0点は第1把持部8の中心線上の位置(中心位置)である。
また、図16(A)中で、発熱特性曲線A1は凝固用の発熱パターン84または86を単独で発熱させた場合の発熱分布を示し、発熱特性曲線A2は中央位置の発熱パターン85を単独で発熱させた場合の発熱分布を示す。ここでは、凝固用の発熱パターン84,86を作用させてから、適宜の時間が経過した後、切開用の発熱パターン85を作用させても良い。また、図16(B)の発熱特性曲線A3に示すように凝固用の発熱パターン84,86と、切開用の発熱パターン85の両方を同時に作用させても良い。
そして、凝固、切開処置時に、フットスイッチ4をオン操作することにより、3つの発熱パターン84,85,86が同時に発熱を開始した場合には、凝固用の発熱パターン84,86は、比較的温度の低い200℃付近に温度が維持される。切除用の発熱パターン85は、比較的温度の高い250℃付近に温度が維持される。これにより、発熱パターン84,86に接する生体組織には十分な凝固作用が生じる。また、発熱パターン85に接する生体組織には、発熱パターン84,86に接する生体組織に比べ多くの熱エネルギーが与えられる。これにより、発熱パターン85に接する生体組織の部分には局所的な加熱による切開作用が生じ、生体組織は切開される。
また、生体組織の凝固切開が完了した時点でフットスイッチ4をオフ操作して制御回路32による出力制御を止める。これにより、3つの発熱パターン84,85,86への電力供給が停止され、3つの発熱パターン84,85,86の温度は下降する。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の手術用処置具1のシステムでは、ハサミ型の熱凝固切開鉗子2の第1把持部8に各々独立して出力制御可能な3つの発熱パターン84,85,86を設けている。そして、生体組織の凝固、切開処置時には、3つの発熱パターン84,85,86は同時に発熱を開始し、生体組織の凝固と切開が同時に行われる。このとき、2つの把持部8,9の間に挟持されている生体組織には凝固用の発熱パターン84,86により十分な幅の凝固ゾーンが形成される為、凝固能を高くすることができ、血管等を含む生体組織を短時間かつ確実に凝固切開することができる。
また、本実施の形態の手術用処置具1のシステムでも第1の実施の形態と同様に、切除用の発熱パターン85からの局所的な加熱により生体組織の切開を行っている為、鋭利な刃で切開操作を行う場合のような切れ味の劣化が無い。よって、切除用の発熱パターン85の再使用が可能となるので、鋭利な刃で切開操作を行う場合に比べてコストを低くおさえることが出来る。
さらに、本実施形態でも、3つの発熱パターン84,85,86の種類が同一であるため、電源装置3の駆動回路30の回路構成を簡素化することができ、電源装置3の駆動回路30の小型化が可能となる。
なお、本実施の形態の手術用処置具1の3つの発熱パターン84,85,86でも第1の実施の形態と同様に、図5、6、7に示す出力制御が行われる構成にしてもよい。
また、図17および図18は本発明の第6の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第5の実施の形態(図13乃至図16(A),(B)参照)のハサミ型の熱凝固切開鉗子2における第1把持部8の発熱部16の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態の第1把持部8の発熱部16には、第5の実施の形態と同様に平板状のベース部材81の板面上に絶縁材82が積層されている。図17に示すように絶縁材82の表面上には、各々独立して出力制御可能な複数、本実施の形態では線状の2本(第1,第2)の発熱ワイヤ91,92を有する。第1,第2の発熱ワイヤ91,92は、ニクロム線等のワイヤヒーターによって形成されている。
第1の発熱ワイヤ91は、第5の実施の形態の中央位置の発熱パターン85に相当する1本の延設部91aを有する。この延設部91aは第1把持部8の長さ方向の湾曲形状に沿って延設されている。
第2の発熱ワイヤ92は、第5の実施の形態の両側の発熱パターン84,86に相当する2本の延設部92a,92bを有する。これらの延設部92a,92bは第1の発熱ワイヤ91の両側に並設されている。さらに、第2の発熱ワイヤ92の2つの延設部92a,92bの先端部間はU字形状の連結部92cを介して連結されて1本に繋がっている。これにより、第2の発熱ワイヤ92の2つの延設部92a,92bと連結部92cとによって形成されるU字形状によって第1の発熱ワイヤ91を取り囲むように配置されている。
また、2つの発熱ワイヤ91,92への電力供給用の回路構成は第1の実施の形態の手術用処置具1と同様である。そして、発熱部16の2つの発熱ワイヤ91,92は、各々独立して、図4に示す電源装置3の検知回路33、制御回路32及び出力回路31にそれぞれ接続されている。その結果、2つの発熱ワイヤ91,92は、電源装置3によって各々独立した出力制御が可能となる。そして、本実施の形態では第2の発熱ワイヤ92は、生体組織を凝固する凝固用の熱エネルギーを発生するように出力制御され、中央位置の第1の発熱ワイヤ91は、切除用の熱エネルギーを発生するよう出力制御されるように設定されている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の手術用処置具1のシステムのハサミ型の熱凝固切開鉗子2を使用して生体組織を処置する場合には第5の実施の形態の手術用処置具1と同様の手順で2つの把持部8,9間を開閉操作して2つの把持部8,9の間に生体組織を把持する。生体組織を把持したのち、フットスイッチ4をオン操作して、凝固、切開処置を開始する。
この凝固、切開処置時には、電源装置3から接続コード29、コード接続部28、及びリード線22〜27を介して発熱部16の2つの発熱ワイヤ91,92に電力を供給し、2つの2つの発熱ワイヤ91を発熱させる。この時、発熱部16の2つの発熱ワイヤ91,92は、制御回路32によって各々独立した出力制御がなされる。これにより、第5の実施の形態のハサミ型の熱凝固切開鉗子2と同様に凝固、切開処置時に、フットスイッチ4をオン操作することにより、2つの発熱ワイヤ91,92が同時に発熱を開始した場合には、凝固用の第2の発熱ワイヤ92は、比較的温度の低い200℃付近に温度が維持される。切除用の第1の発熱ワイヤ91は、比較的温度の高い250℃付近に温度が維持される。これにより、第2の発熱ワイヤ92に接する生体組織には十分な凝固作用が生じる。また、第1の発熱ワイヤ91に接する生体組織には、第2の発熱ワイヤ92に接する生体組織に比べ多くの熱エネルギーが与えられる。これにより、第1の発熱ワイヤ91に接する生体組織の部分には局所的な加熱による切開作用が生じ、生体組織は切開される。
そこで、上記構成のものにあっては切除用の第1の発熱ワイヤ91の両側に凝固用の第2の発熱ワイヤ92の2本の延設部92a,92bを配設したので、生体組織の凝固、切開処置時には、凝固用の第2の発熱ワイヤ92の2本の延設部92a,92bにより十分な幅の凝固ゾーンが形成される。そのため、本実施の形態でも第5の実施の形態のハサミ型の熱凝固切開鉗子2と同様に、凝固能を高くすることができ、血管等を含む生体組織を短時間かつ確実に凝固切開することができる。
また、図19は本発明の第7の実施の形態を示す。本実施の形態は、第6の実施の形態(図17および図18参照)のハサミ型の熱凝固切開鉗子2における第1把持部8の発熱部16の構成の変形例である。
すなわち、本実施の形態の発熱部16には、平板状のベース部材81の板面に第1把持部8の幅方向に沿って中央部分が最も高く、両側に向かうにしたがって徐々に低くなる湾曲形状の傾斜面101が形成されている。このベース部材81の傾斜面101上には絶縁材102が積層され、絶縁材102の表面上には、第6の実施の形態と同様の2本(第1,第2)の発熱ワイヤ91,92が配設されている。そして、切除用の第1の発熱ワイヤ91は、ベース部材81の傾斜面101の頂点となる中央部分の最も高い位置に配置され、凝固用の第2の発熱ワイヤ92の2本の延設部92a,92bはベース部材81の傾斜面101の両側部近傍で、第1の発熱ワイヤ91よりも高さが低い位置にそれぞれ配置されている。
これにより、2つの把持部8,9間を閉じて第1把持部8の第1,第2の発熱ワイヤ91,92を第2把持部9の受け部材36と接触させた際に、切除用の第1の発熱ワイヤ91の接触圧力が凝固用の第2の発熱ワイヤ92の2本の延設部92a,92bよりも高くなるように構成されている。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では、生体組織の凝固、切開処置時に、切除用の第1の発熱ワイヤ91の接触圧力を凝固用の第2の発熱ワイヤ92の2本の延設部92a,92bの接触圧力よりも高くなるように設定したので、切除用の第1の発熱ワイヤ91を発熱させて切開する際により切開しやすくなる。
また、図20および図21(A),(B)は本発明の第8の実施の形態を示すものである。本実施の形態は、第1の実施の形態(図1乃至図5参照)のハサミ型の熱凝固切開鉗子2における処置部10の構成を次の通り変更したものである。なお、この発熱部16以外の部分は第1の実施の形態の手術用処置具1と略同様の構成になっており、第1の実施の形態の手術用処置具1と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは第1の実施の形態と異なる部分のみ説明する。
すなわち、本実施の形態のハサミ型の熱凝固切開鉗子2における処置部10には、図20に示すように第1把持部8に第1の発熱部111、第2把持部9に第2の発熱部112がそれぞれ設けられている。
図21(A)に示すように第1の発熱部111は、複数、本実施の形態では2つ(第1,第2)の電熱線(発熱要素)113,114を有する。2つの電熱線113,114は、それぞれ第1把持部8の長さ方向に沿って延設されている。各電熱線113,114の延設部は、第1把持部8の幅方向に並設されている。
第1把持部8の凹部8aには、第1把持部8の幅方向に沿って中央に弾性部材115、この弾性部材115の両側にセラミックなどの絶縁部材116,117がそれぞれ並設された状態で嵌め込まれている。そして、一方の絶縁部材116に第1の電熱線113、他方の絶縁部材117に第2の電熱線114がそれぞれ固定されている。
また、第2把持部9には、第1把持部8の凹部8aと対応する位置に同様の凹部9aが形成されている。この凹部9a内には、第2把持部9の幅方向に沿って中央にセラミックなどの絶縁部材118、この絶縁部材118の両側に弾性部材119,120がそれぞれ並設された状態で嵌め込まれている。ここで、両側の弾性部材119,120は、第1把持部8の2つの電熱線113,114とそれぞれ対向する位置に配置されている。
さらに、中央位置の絶縁部材118には、第2の発熱部112を形成する第3の電熱線121が固定されている。この第3の電熱線121は、第1把持部8の弾性部材115と対向する位置に配置されている。これにより、第1把持部8と第2把持部9とを閉じた際に第3の電熱線121は、第1把持部8の2つの電熱線113,114間に配置されるように設定されている。
操作部15には第1の鉗子構成体5の後方側のリング12に第1のコード接続部122が突設されている。同様に、第2の鉗子構成体6の後方側のリング14には第2のコード接続部123が突設されている。
第1のコード接続部122の内端部には第1の発熱部111の2つの電熱線113,114にそれぞれ接続された各リード線の基端部が接続されている。さらに、第1のコード接続部122の外端部には一端が電源装置3に接続された第1の接続コード124の他端部が接続されている。
第2のコード接続部123の内端部には第2の発熱部112の電熱線121に接続されたリード線の基端部が接続されている。さらに、第2のコード接続部123の外端部には一端が電源装置3に接続された第2の接続コード125の他端部が接続されている。
これにより、第1の発熱部111の2つの電熱線113,114と、第2の発熱部112の電熱線121とは、各々独立して、電源装置3の検知回路33、制御回路32及び出力回路31にそれぞれ接続されている。その結果、第1の発熱部111の2つの電熱線113,114と、第2の発熱部112の電熱線121とは、電源装置3によって各々独立した出力制御が可能となる。そして、本実施の形態では第1の発熱部111の2つの電熱線113,114は、生体組織を凝固する凝固用の熱エネルギーを発生するように出力制御され、第2の発熱部112の電熱線121は、凝固用の熱エネルギーに比べ、高い切除用の熱エネルギーを発生するよう出力制御されるように設定されている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の手術用処置具1のシステムを用いて生体組織の凝固切開処置する場合にはハサミ型の熱凝固切開鉗子2における第1の発熱部111の2つの電熱線113,114と、第2の発熱部112の電熱線121とは、次の表1の通りに出力制御される。
Figure 2005137679
すなわち、フットスイッチ4をオン操作することにより、先ず凝固用の第1の発熱部111の2つの電熱線113,114がオン操作され、発熱を開始し、温度が上昇する。このとき、第2の発熱部112の電熱線121はオフ状態で保持される。これにより、2つの把持部8,9の間に挟持されている生体組織は凝固用の第1の発熱部111の2つの電熱線113,114によって凝固され、十分な幅の凝固ゾーンが形成される。
その後、あらかじめ決められた設定時間t1の経過後、凝固状態から切開状態に切換わる。この切換え操作時には第1の発熱部111の2つの電熱線113,114がオフ状態に切換え操作され、第2の発熱部112の電熱線121はオン状態に切換え操作される。そして、これ以後は、第2の発熱部112の電熱線121が発熱を開始し、温度が上昇する。このとき、第1の発熱部111の2つの電熱線113,114への電力供給は停止され、2つの電熱線113,114の温度は下降する。
これにより、2つの把持部8,9の間に挟持されている生体組織は、凝固用の第1の発熱部111の2つの電熱線113,114によって凝固された十分な幅の凝固ゾーン間の部分が第2の発熱部112の電熱線121によって切開される。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の手術用処置具1のシステムでは、ハサミ型の熱凝固切開鉗子2の第1把持部8に凝固用の第1の発熱部111、第2把持部9に切開用の第2の発熱部112をそれぞれ設けている。そして、生体組織の凝固、切開処置時には、2つの把持部8,9の間に挟持されている生体組織は、先に凝固用の第1の発熱部111の2つの電熱線113,114によって凝固された十分な幅の凝固ゾーンが形成され、その後、2つの電熱線113,114によって凝固された十分な幅の凝固ゾーン間の部分が第2の発熱部112の電熱線121によって切開される。このように、第1把持部8の第1の発熱部111と、第2把持部9の第2の発熱部112とを凝固、切開の各処理の進行状態に併せて切換えて使用できるようにしたので、適切な処置ができ、血管等を含む生体組織を短時間かつ確実に凝固切開することができる。
なお、生体組織の凝固切開処置する場合にハサミ型の熱凝固切開鉗子2における第1の発熱部111の2つの電熱線113,114と、第2の発熱部112の電熱線121とは、次の表2の通りに出力制御される構成にしてもよい。
Figure 2005137679
ここでは、フットスイッチ4をオン操作することにより、先ず凝固用の第1の発熱部111の2つの電熱線113,114がオン操作され、発熱を開始し、温度が上昇する。このとき、第2の発熱部112の電熱線121も同時にオン操作される。このときの第2の発熱部112の電熱線121は比較的温度の低い200℃付近に温度が維持される。これにより、2つの把持部8,9の間に挟持されている生体組織は凝固用の第1の発熱部111の2つの電熱線113,114と第2の発熱部112の電熱線121とによって凝固され、十分な幅の凝固ゾーンが形成される。
その後、あらかじめ決められた設定時間t1の経過後、凝固状態から切開状態に切換わる。この切換え操作時には第1の発熱部111の2つの電熱線113,114はオン状態で保持されるか、或いはオフ操作されるかのいずれか一方に操作され、第2の発熱部112の電熱線121はオン状態で保持される。このとき、第2の発熱部112の電熱線121は比較的温度の高い250℃付近の制御温度に切り換わる。そして、これ以後は、第2の発熱部112の電熱線121によって、切開作用が開始される。
これにより、2つの把持部8,9の間に挟持されている生体組織は、凝固用の第1の発熱部111の2つの電熱線113,114によって凝固された十分な幅の凝固ゾーン間の部分が第2の発熱部112の電熱線121によって切開される。
また、図22および図23は本発明の第9の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第8の実施の形態(図20および図21(A),(B)参照)のハサミ型の熱凝固切開鉗子2における処置部10の構成をさらに次の通り変更したものである。
図22は、鉗子2の先端の拡大正面図、図23は図22の23−23線断面図である。図22に示すように本実施の形態の処置部10の第1把持部8及び第2把持部9には開閉方向に対して、一致した方向に湾曲した形状の湾曲形状部121,122が設けられている。
第1把持部8には第1の発熱体(発熱体ユニット)123が、第2把持部9には第2の発熱体(発熱体ユニット)124がそれぞれ一体的に設けられている。図23に示すように第1の発熱体123は、シリコンゴム等の柔軟部材125の中に2本の発熱要素126,127が埋め込まれた構成になっている。第2の発熱体124は、シリコンゴム等の柔軟部材128の中に1本の発熱要素129が埋め込まれた構成になっている。ここで、発熱要素126,127、129はニクロム線等の電熱線からなる。
次に、上記構成の本実施の形態の作用について説明する。本実施の形態のハサミ型の熱凝固切開鉗子2では第8の実施の形態と同様の作用によって生体組織の凝固切開の処置が行なわれる。
そこで、上記構成のものにあっては第8の実施の形態と同様の効果が得られる。さらに、本実施の形態では特に、第1把持部8の第1の発熱体123および第2把持部9の第2の発熱体124は柔軟であるため、湾曲した第1把持部8および第2把持部9の各湾曲形状部121,122に沿って配置が可能となる。そのため、従来のカーブ型鉗子のように先端処置部が曲率を有しているものに、セラミック等で構成された面状発熱体を曲率させて取り付けることが困難である場合に比べて製品のラインナップを増やすことができ、術者が適切な手術ができるという効果を奏する。
さらに、本実施の形態では第1把持部8の第1の発熱体123および第2把持部9の第2の発熱体124の各柔軟部材125,128が受け部材の役割を果たすため、別部品によって受け部材を設ける必要がなく、構造を簡略化できる。
また、図24は、第9の実施の形態(図22および図23参照)の変形例を示す。本変形例は、第1把持部8の第1の発熱体123および第2把持部9の第2の発熱体124を次の通り構成したものである。
すなわち、本変形例では図24に示すように導電材を含有するゴムなどの伝熱基材131を設け、この伝熱基材131上に絶縁層132を介して一対の電極対133,134を設けたものである。本変形例でも第9の実施の形態と同様の効果が得られる。
また、図25乃至図27は本発明の第10の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図5参照)のハサミ型の熱凝固切開鉗子2における第1把持部8の構成を次の通り変更したものである。なお、これ以外の部分は第1の実施の形態の手術用処置具1と略同様の構成になっており、第1の実施の形態の手術用処置具1と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは第1の実施の形態と異なる部分のみ説明する。
図25は、本実施の形態の手術用処置具1のシステム全体の概略構成図、図26は、本実施の形態の熱凝固切開鉗子2の第1把持部8の側面図、図27は、図26の27−27線断面図である。
図26に示すように第1把持部8にはステンレスなどの金属材料によって形成されたジョー本体141が設けられている。このジョー本体141の先端部には下面側に発熱部取付け用の凹部142、上面(背面)側に断熱カバー取付け用の凹部143がそれぞれ形成されている。
ジョー本体141の下面側の凹部142には金属より熱伝導率が低い材質、例えばテフロン(登録商標)などの樹脂材料の断熱部材(第1の断熱部)144が固定されている。図26に示すようにこの断熱部材144の下面側には中央部位に熱凝固切開処置用の発熱ブレード(発熱要素)145が配設されている。この発熱ブレード145は第1の実施の形態の発熱部16と同様に構成されている。
また、ジョー本体141の下面側の凹部142には中央部位に上面側に貫通する貫通孔146が形成されている。断熱部材144の上面側にはジョー本体141の貫通孔146内に挿入される凸部147が突設されている。
ジョー本体141の上面側の凹部143には断熱部材144と同様に樹脂材料の断熱材によって略U字状の断面形状に形成された断熱カバー(第2の断熱部)148が固定されている。この断熱カバー148はジョー本体141の両側面から上面に亙りカバーする状態で接着剤などでジョー本体141の上面側の凹部143に固定されている。
また、断熱部材144にはジョー本体141の下面との接合部位に第1の凹部144aが形成されている。さらに、断熱部材144の凸部147の両側面にはジョー本体141の貫通孔146の内壁面との接合部位に第2の凹部144bが形成されている。そして、断熱部材144とジョー本体141の下面との接合部位には断熱部材144の第1の凹部144aの部分に断熱用の空気層を密封する第1の断熱空間(伝熱防止部分)149が形成されている。同様に、断熱部材144の凸部147の両側面とジョー本体141の貫通孔146の内壁面との接合部位には第2の凹部144bの部分に断熱用の空気層を密封する第2の断熱空間(伝熱防止部分)150が形成されている。
また、断熱部材144の凸部147の上面と断熱カバー148との間には適宜の隙間が空けられている。この断熱部材144の凸部147の上面と断熱カバー148との間の隙間によって断熱用の空気層を密封する第3の断熱空間(伝熱防止部分)151が形成されている。
さらに、ジョー本体141の両側面には断熱カバー148との接合部位に凹部141aが形成されている。そして、ジョー本体141の両側面と断熱カバー148との接合部位にはジョー本体141の凹部141aの部分に断熱用の空気層を密封する第4の断熱空間(伝熱防止部分)152が形成されている。
次に、上記構成の本実施の形態の作用について説明する。本実施の形態の手術用処置具1のシステムのハサミ型の熱凝固切開鉗子2を使用して生体組織を処置する場合には第1の実施の形態の手術用処置具1と同様の手順で2つの把持部8,9間を開閉操作して2つの把持部8,9の間に生体組織を把持する。生体組織を把持したのち、フットスイッチ4をオン操作して、凝固、切開処置を開始する。
この凝固、切開処置時には、発熱ブレード145の部分が高温度に発熱する。このとき、発熱ブレード145とジョー本体141との間の断熱部材144、ジョー本体141の背面の断熱カバー148によって発熱ブレード145の熱が金属で構成されたジョー本体141の背面に伝わることが防止される。
さらに、断熱部材144とジョー本体141と断熱カバー148との間の第1〜第4の各断熱空間149〜152の伝熱抵抗によって発熱ブレード145の熱が金属で構成されたジョー本体141の背面に伝わることが一層、効果的に防止される。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の熱凝固切開鉗子2では第1把持部8の金属材料によって形成されたジョー本体141の先端部に断熱部材144と、断熱カバー148とを設けたので、発熱ブレード145の熱をジョー本体141の背面に対して断熱することができる。そのため、発熱ブレード145の熱損失を少なくすることができるので、発熱効率の向上を図ることができる。
さらに、断熱部材144と、ジョー本体141と、断熱カバー148との間に第1〜第4の各断熱空間149〜152を設けたので、各構成部材間の接触部の接触面積を少なくすることができる。そのため、発熱ブレード145の熱が金属で構成されたジョー本体141の背面に伝わることが一層、効果的に防止される。これにより、発熱ブレード145の熱が金属で構成されたジョー本体141の背面に伝わり、ジョー本体141が熱くなってしまい、発熱効率が低下することを防止することができる。
また、本実施の形態の熱凝固切開鉗子2では金属材料によって形成されたジョー本体141の先端部に断熱部材144と、断熱カバー148とを設け、断熱部を2体に分割したので、これらの断熱部材144と、断熱カバー148とを鉗子2の種類に応じて色分けすることができる。これにより、鉗子2の種類を判別しやすくすることができ、使い勝手を高めることができる。
さらに、断熱カバー148の長さを、発熱ブレード145の長さに略一致させる構成にしてもよい。この場合には、断熱カバー148を目視することにより、発熱ブレード145による処置範囲を確実に確認することができる。
また、図28および図29は本発明の第11の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第10の実施の形態(図25乃至図27参照)のハサミ型の熱凝固切開鉗子2における第1把持部8の構成をさらに次の通り変更したものである。なお、これ以外の部分は第10の実施の形態の手術用処置具1と略同様の構成になっており、第10の実施の形態の手術用処置具1と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは第10の実施の形態と異なる部分のみ説明する。
すなわち、本実施の形態のハサミ型の熱凝固切開鉗子2では、第10の実施の形態の発熱ブレード145に代えてニクロム線などの発熱線161を使用したものである。ここで、断熱部材144の下面側中央部位には平板状の支持板162が固定されている。この支持板162は金属材料、またはセラミックなどの絶縁材料で形成されている。なお、支持板162が金属材料で形成されている場合には発熱線161との間に絶縁部材が介設される構成になっている。
また、発熱線161の基端部はジョー本体141に固定された導電板163の先端部に接続されている。この導電板163の基端部は操作部15のリング12の後端側のコード接続部28に接続されている。
そこで、本実施の形態の熱凝固切開鉗子2でも第10の実施の形態と同様に、第1把持部8に金属材料によって形成されたジョー本体141の先端部に断熱部材144と、断熱カバー148とを設けたので、発熱ブレード145の熱をジョー本体141の背面に対して断熱することができる。そのため、発熱ブレード145の熱損失を少なくすることができるので、発熱効率の向上を図ることができる。さらに、その他、第10の実施の形態と同様の効果が得られる。
また、図30は、第10の実施の形態(図25乃至図27参照)のハサミ型の熱凝固切開鉗子2の変形例を示す。本変形例は、第10の実施の形態の断熱部材144と、断熱カバー148とを一体成形した断熱部材171を設けている。この断熱部材171の内部には断熱用の空気層を密封する断熱空間(伝熱防止部分)172が形成されている。
そこで、本変形例の熱凝固切開鉗子2でも第10の実施の形態と同様に、第1把持部8の金属材料によって形成されたジョー本体141の先端部に第10の実施の形態の断熱部材144と、断熱カバー148とを一体成形した断熱部材171を設けたので、発熱ブレード145の熱をジョー本体141の背面に対して断熱することができる。さらに、断熱部材171の内部に断熱用の空気層を密封する断熱空間172を形成したので、発熱ブレード145の熱が金属で構成されたジョー本体141の背面に伝わることが一層、効果的に防止される。これにより、発熱ブレード145の熱が金属で構成されたジョー本体141の背面に伝わり、ジョー本体141が熱くなってしまい、発熱効率が低下することを防止することができる。
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。

(付記項1) 先端部に開閉可能な一対の把持部からなる処置部と、基端部に前記把持部を開閉操作する操作部を有し、前記把持部の少なくとも一方に生体組織を処置する為の発熱部を設けた手術用処置具において、発熱部は、少なくとも2つ以上の発熱体から構成され、前記発熱体は各々独立して出力制御可能であり、前記発熱体は、把持部の長手方向に沿って並列に、かつ把持部の開閉方向に対して並列に配置されている手術用処置具。
(付記項2) 付記項1において、発熱部は一方の把持部に設けられ、他方の把持部には、発熱部に対向する位置に樹脂材料からなる受け部材が設けられている手術用処置具。
(付記項3) 付記項1において、発熱体は3列に配置され、中央の発熱体は、両側の発熱体に比べ、高い熱エネルギーを発生するよう出力制御される手術用処置具。
(付記項4) 付記項3において、中央の発熱体は、両側の発熱体よりも出力開始が遅れて制御される手術用処置具。
(付記項5) 付記項1において、前記処置部と前記操作部とを接続する管状の挿入シース部と、この挿入シース部内に挿通され、前記操作部の操作力を前記処置部に伝達する駆動軸と、をさらに具備する手術用処置具。
(付記項6) 先端部に生体組織を把持する開閉可能な把持部が配設され、基端部に前記把持部を開閉操作する手元側の操作部が配設された医療用処置具において、発熱部が少なくとも2つ以上の発熱体から成り、前記発熱体は各々独立に制御可能であると同時に、前記複数の発熱体が共通の発熱部基材上に把持部の長手方向に沿って並列に配置されている医療用処置具。
(付記項7) 付記項6において、生体組織への接触面に、中心部と外側部に並行する複数の独立した発熱部を有することを特徴とする医療用処置具。
(付記項8) 付記項6において、前記発熱部は金属ベース上に発熱パターンを形成した発熱素子からなる医療用処置具。
(付記項9) 付記項6において、前記発熱部は支持部材からなるベース上に線状の発熱体(ニクロム線)を配置した構成とした医療用処置具。
(付記項10) 先端部に生体組織を把持する互いに開閉自在な第1と第2の把持部を有した手術器械において、第1及び第2の把持部に通電により発熱する電熱線を設けたことを特徴とする手術器械。
(付記項11) 付記項10における第1の把持部に設けた電熱線は、組織を凝固するものであることを特徴とする手術器械。
(付記項12) 付記項11における第1の把持部に設けた電熱線は、間隔を置いて複数本設けたことを特徴とする手術器械。
(付記項13) 付記項10における第2の把持部に設けた電熱線は、組織を切開するものであることを特徴とする手術器械。
(付記項14) 付記項13における電熱線は、第1の把持部と第2の把持部を閉じたとき、第1の把持部に設けた複数本の電熱線の間に位置するように設けたことを特徴とする手術器械。
(付記項15) 柔軟性がある基体と、前記基体と一体的構成された発熱体と、前記発熱体を取り付ける先端処置部とからなる熱鉗子。
(付記項16) 少なくともジョーの処置部(発熱ブレードの近傍)とジョーの背面に断熱部を有し、さらに両者の間に伝熱抵抗となる伝熱防止部分を設けたことを特徴とする発熱処置具。
(付記項17) 伝熱防止部分は空隙である付記項16の発熱処置具。
(付記項18) 断熱部は金属より熱伝導率が低い材質からなる付記項16の発熱処置具。
(付記項19) 断熱部を2体に分割した付記項16の発熱処置具。
(付記項20) 分割した2つの断熱材は一体成型、接着剤で固定のいずれでもよい付記項19の発熱処置具。
(付記項21) 一方の断熱材は鉗子の種類に応じて色分けされている付記項20の発熱処置具。
(付記項22) 一方の断熱材は発熱ブレードの長さに略一致している付記項20の発熱処置具。
(付記項23) 開閉するジョーの一方に発熱手段が設けられた発熱処置具において、ジョーの背面に部分的に設けられた断熱部材を有し、断熱部材は樹脂であることを特徴とする発熱処置具。
(付記項24) 付記項23において、前記断熱部材は厚さ0.5mm以上である発熱処置具。
(付記項25) 開閉可能な一対の把持部の少なくとも一方に生体組織を処置する為の発熱部が設けられ、前記発熱部に各々独立して出力制御可能な発熱体が2列に配置され、一側部の発熱体は、他側部の発熱体に比べ、高い熱エネルギーを発生するよう出力制御される手術用処置具を使用して血管の一部が止血クリップにて止血されている場合の、血管の凝固切開を行なう血管の凝固切開方法において、凝固用の第1の発熱体を前記止血クリップから遠い側に配置し、切除用の第2の発熱体を前記止血クリップに近い側に配置して前記発熱部を駆動することにより、前記凝固用の第1の発熱体に接する血管を凝固させ、前記切除用の第2の発熱体に接する生体組織を切開させることを特徴とする血管の凝固切開方法。
(付記項1〜5の従来技術) 従来技術としては、PCT WO 01/12090 A1がある。PCT WO 01/12090 A1では、双方に回転自在に取付けられた上下顎部材と、少なくとも一つの顎部材の作業面にある加熱要素と、顎部材の作業面に位置決めされる切断手段とからなる器具が示されている。また、PCT WO 01/12090 A1では、一つの顎部材の作業面にヒーターワイヤを設けたものがある。ここで、ヒーターワイヤは、ニクロム線等の電気抵抗体から構成され、このヒーターワイヤにより組織の凝固と切開を行うようになっている。
(付記項1〜5が解決しようとする課題) ここで、組織の処置を行う場合は、上下顎部材を閉じて加熱要素による組織の凝固を行った後、切断手段を操作して組織の切開を行う必要があった。よって、組織の凝固切開操作に時間がかかるという問題があった。また、切断手段は鋭利な刃で構成されている為、刃の切れ味を継続して維持することが難しい。よって、再使用が困難な為、コストが高くなるという問題があった。また、ヒーターワイヤは線状である為、顎部材の長手方向に対する側方への発熱領域が小さい。また、側方部分の温度コントロールを正確に行うことが出来ない。よって、比較的太い血管を含む生体組織を処置する場合、血管の凝固が不十分なまま組織が切開される場合があった。
(付記項1〜5の目的) 血管等を含む生体組織を短時間かつ確実に凝固切開することができ、再使用が可能で、低コストを実現可能な処置具の提供。
(付記項6〜9の従来技術) 従来の熱鉗子ではブレードを均一に発熱させて凝固と同時に切開する構成となっている。WO01/12090A1はヒーターワイヤにより凝固切開を行う構成となっている。特開2001−190564では略平板状で幅広な凝固用発熱部と断面略円形の発熱ワイヤによる切開用発熱部を組み合わせた凝固切開装置を提案している。
(付記項6〜9が解決しようとする課題) 凝固幅のマージンが少ないために凝固能を高くすることが出来なかった。WO01/12090A1はヒーターワイヤにより凝固切開を行うため、十分凝固されないまま切開されてしまう虞がある。特開2001−190564では種類の異なる発熱部の組み合わせのために、発熱部のコストが高くなると同時に、電源装置も異なる出力回路を設ける必要があり、構成が複雑になる問題があった。
(付記項6〜9の目的) 本案は凝固幅のマージンを大きくしながら凝固切開可能な医療器械を提供する。
(付記項10〜14の従来技術) 従来、熱鉗子は上ジョーまたは下ジョーのいずれかー方に発熱部材が設けられ凝固、切開を行っていた。
(付記項10〜14が解決しようとする課題) したがって、例えば凝固を優先に考えると切開する時間がかかり、切開を優先して考えると凝固されないうちに切開されてしまうという不具合があった。
(付記項10〜14の目的) 本案は、切開、凝固に併せて発熱部材をきりかえて使用できるようにしたことにより適切な処置ができる熱鉗子を提供する。
(付記項10〜14の効果) 本案は、上ジョー及び下ジョーそれぞれに発熱部材を設け、切開、凝固に併せて発熱部材をきりかえて使用できるようにしたことにより適切な処置ができるという効果を奏する。
(付記項15の従来技術) 従来、カーブ型鉗子のように先端処置部が曲率を有しているものがある。
(付記項15が解決しようとする課題) カーブ型鉗子のように先端処置部が曲率を有しているものに、セラミック等で構成された面状発熱体を曲率させ取り付けることは困難であった。
(付記項15の目的) 本案は、容易に先端処置部にあわせて発熱体を製造することができ、ラインナップを増やすことができ、術者が適切な手術ができる熱鉗子を提供する。
(付記項15の効果) 本案は、柔軟性がある基体に発熱体を設けたので、容易に先端処置部にあわせて発熱体を製造することができ、ラインナップを増やすことができ、術者が適切な手術ができるという効果を奏するものである。
(付記項16〜24の従来技術) 開閉するジョーの一方に発熱手段が設けられ、発熱手段の熱で処置を行う発熱処置具があった。
(付記項16〜24が解決しようとする課題) 発熱手段の熱が金属で構成されたジョーの背面に伝わり、ジョーが熱くなってしまい、発熱効率が低下するという問題があった。その解決手段として、ジョーの外周を熱伝導率の低い材質で構成して、発熱手段の熱をジョー背面に対して断熱するという方法があった。しかし、従来技術では外周全てを薄肉のチューブ状の断熱部材によって構成していたために、断熱効果が不充分であった。
(付記項16〜24の目的) 本発案は以上の問題点に着目し、断熱効果の改善が可能な発熱処置具の提供を目的とするものである。
(付記項16〜24の効果) 発熱ブレードの熱をジョー背面に対して断熱すること(背景として、発熱効率の向上)。
本発明は、血管等を含む生体組織を凝固、切開する手術用処置具を製造し、使用する技術分野で有効である。
本発明の第1の実施の形態の手術用処置具のシステム全体の概略構成図。 図1のII−II線断面図。 (A)は第1の実施の形態の手術用処置具の第1把持部の表面に配置された3個の発熱体の配置状態を示す平面図、(B)は第2把持部の表面に配置された受け部材の配置状態を示す平面図。 第1の実施の形態の手術用処置具の3個の発熱体の制御回路を示すブロック図。 第1の実施の形態の手術用処置具の出力制御の一例を説明するための特性図。 第1の実施の形態の手術用処置具の出力制御の第1の変形例を示す特性図。 第1の実施の形態の手術用処置具の出力制御の第2の変形例を示す特性図。 本発明の第2の実施の形態を示す手術用処置具の第1把持部および第2把持部の横断面図。 第2の実施の形態の手術用処置具の第1把持部の2個の発熱体の配置状態を示す平面図。 本発明の第3の実施の形態を示す手術用処置具の要部の横断面図。 第3の実施の形態の第1把持部の2個の発熱体の配置状態を示す平面図。 本発明の第4の実施の形態を示す内視鏡下外科手術に適した内視鏡下手術用鉗子の側面図。 本発明の第5の実施の形態を示す手術用処置具の要部の横断面図。 図13のXIV−XIV線断面図。 第5の実施の形態の手術用処置具の第2把持部の受け部材の配置状態を示す平面図。 (A)は第5の実施の形態の手術用処置具の凝固用の発熱部を単独で発熱させた場合の発熱分布と切開用の発熱部を単独で発熱させた場合の発熱分布とを示す特性図、(B)は凝固用の発熱部と切開用の発熱部の両方を同時に作用させた場合の温度分布を示す特性図。 本発明の第6の実施の形態を示す熱鉗子の第1把持部の3個の発熱体の配置状態を示す平面図。 第6の実施の形態の熱鉗子の要部の横断面図。 本発明の第7の実施の形態の熱鉗子の第1把持部の3個の発熱体の配置状態を示す要部の横断面図。 本発明の第8の実施の形態の手術用処置具のシステム全体の概略構成図。 (A)は第8の実施の形態の手術用処置具の要部の縦断面図、(B)は(A)の21B−21B線断面図。 本発明の第9の実施の形態の手術用処置具の要部の側面図。 図22の23−23線断面図。 第9の実施の形態の変形例を示す要部の横断面図。 本発明の第10の実施の形態の手術用処置具のシステム全体の概略構成図。 第10の実施の形態の手術用処置具の要部の側面図。 図26の27−27線断面図。 本発明の第11の実施の形態の手術用処置具の要部の側面図。 図28の29−29線断面図。 第10の実施の形態の手術用処置具の変形例を示す要部の横断面図。
符号の説明
8…第1把持部、10…処置部、16…発熱部、17,18,19…発熱体、17a,18a,19a…延設部。

Claims (7)

  1. 処置具本体の先端部に配置され、開閉可能な一対の把持部を有する処置部と、前記処置具本体の基端部に配置され、前記把持部を開閉操作する操作部とを有し、前記把持部の少なくとも一方に生体組織を処置する為の発熱部を設けた手術用処置具において、
    前記発熱部は、各々独立して出力制御可能な複数の発熱要素を有し、
    前記各発熱要素は、前記把持部の長さ方向に沿って延設された延設部を有し、
    前記処置部は、前記把持部の幅方向に前記各発熱要素の延設部が複数並設されていることを特徴とする手術用処置具。
  2. 前記発熱要素は、基板上に薄膜を蒸着した発熱部パターンを有することを特徴とする請求項1に記載の手術用処置具。
  3. 前記発熱要素は、通電発熱するワイヤ状の発熱体を有することを特徴とする請求項1に記載の手術用処置具。
  4. 前記発熱部は、一方の前記把持部に設けられ、他方の前記把持部には、前記発熱部と対向する位置に前記発熱部の受け部材が設けられ、前記受け部材は、樹脂材料からなることを特徴とする請求項1に記載の手術用処置具。
  5. 前記発熱部は、前記各発熱要素の延設部が前記把持部の幅方向に3列に配置され、
    中央位置の前記発熱要素は、両側の前記発熱要素に比べ、高い熱エネルギーを発生するよう出力制御されることを特徴とする請求項1に記載の手術用処置具。
  6. 前記処置部は、一対の前記把持部にそれぞれ前記発熱要素が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の手術用処置具。
  7. 前記処置具本体は、先端部に前記処置部、基端部に前記操作部がそれぞれ配置された管状の挿入シース部と、
    この挿入シース部内に挿通され、前記操作部の操作力を前記処置部に伝達する駆動軸とを具備することを特徴とする請求項1に記載の手術用処置具。
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