JP2005261773A - 手術用処置具 - Google Patents

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健一 木村
Chie Yanai
千恵 谷内
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Abstract

【課題】この発明は、簡便にして容易に高精度な生体組織の切開及び凝固作用を実現し得るようにして、使い勝手の向上を図ることにある。
【解決手段】処置部を構成する把持部10に発熱体15を埋設した伝熱部材16を一体的に配し、発熱体15を発熱させることにより、生体組織の切開及び凝固処置を行い得るように構成したものである。
【選択図】 図2

Description

この発明は、例えば外科手術等の手術において生体組織を凝固したり切開するために用いられる手術用処置具に関する。
一般に、この種の手術用処置具は、生体組織を把持する一対の把持部が設けられ、この把持部の一方又は両方に発熱体を設け、生体組織を把持した状態で発熱体を発熱させて生体組織の凝固及び切開に供される。このような手術用処置具は、通常、生体組織に含まれる血管の止血、生体組織の表層の病変部、出血点の焼灼、避妊を目的とした卵管の閉塞等の多種症例に用いられ、患者の処置対象の生体組織を凝固又は切開することができるようになっている。
具体的には、2つの対向して位置される上側ジョー及び下側ジョー部材を設け、一方のジョー部材の作業表面の内又は該表面に隣接して切断手段と、電気抵抗性のワイヤである加熱要素を設け、組織をシール及び切断するように構成したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このワイヤは、弾性変形可能なヒータスリーブに熱的に結合され、発生した熱を組織に伝達して、ヒータスリーブを介してシールゾーンを形成する。
また、メス刃に発熱抵抗体を設け、メスの温度を制御して、組織の止血を行いながらメス刃による切開を行う手術用処置具も知られている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2には、組織切開縁部を有する刃形手段と、刃形手段の切開縁部近くに設けられた電気加熱手段とを有する、止血を伴なって細胞を切開するための外科用器具で、電気信号に応じて加熱することができる外科用メスが開示される。
特表2003−506190号公報 特公昭53−9031号公報
しかしながら、上記特許文献1では、対向されるジョー部材によって挟んだ生体組織の部位の面積にだけしか熱を作用させることができず、その目的が組織を切開するところにあるため、実質臓器などから発生するウージングとよばれる、にじみ出るような広い面からの出血に対しては対処することが困難であるという問題を有する。
また、特許文献1では、加熱要素であるワイヤとヒータスリーブとが、ヒータスリーブの弾力性、及び生体組織を把持した時の圧縮力のみにより接している構成のため、ワイヤで発生した熱がヒータスリーブに効率良く供給されない。このため、電源装置からの電力供給に対して、効率良く生体組織の処置を実現することができないと共に、ワイヤとヒータスリーブの接触面付近に付着した血液や生体組織等の除去に時間が掛かるという問題を有する。更に、細い線状であるワイヤが、外部に露出される構成となっているため、繰り返し使用により、該ワイヤが破損、劣化するという問題を有する。
また、上記特許文献2にあっては、メス刃に加熱用の抵抗体を設ける構成となっているために、高価となるうえ、生体組織の切開と凝固を独立して高精度に行うことが困難であることで、その使用形態に制約を有する。
この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、簡便にして容易に高精度な生体組織の切開及び凝固作用を実現し得るようにして、使い勝手の向上を図った手術用処置具を提供することを目的とする。
また、この発明は、電源装置からの電力供給に対して効率良い処置を実現し得、且つ、容易な洗滌作業を実現したうえで、耐久性の向上を図り得るようにして、長寿命化の促進を図ると共に、低価格化の促進を図り得るようにした手術用処置具を提供することを目的とする。
この発明は、生体組織の処置を行う処置部と、前記処置部に設けられた発熱部と、
前記発熱部の少なくとも一部を覆うように配置される伝熱部とを備えて手術用処置具を構成した。
上記構成によれば、発熱部で発生した熱は、伝熱部に伝達され、この伝熱部を使用することにより、生体組織の切開処置、あるいは生体組織の広い範囲の凝固処置が行われる。これにより、生体組織の切開及び凝固処置を同時若しくは選択的に効率よく、しかも容易に行うことが可能となり、使い勝手の向上が図れる。
また、この発明は、生体組織の処置を行う処置部と、前記処置部の表面に配置される第1の発熱部と、前記処置部に埋設されて配置される第2の発熱部とを備えて手術用処置具を構成した。
上記構成によれば、第1及び第2の発熱部を選択することにより、生体組織の切開に適した温度、又は生体組織の凝固に適した温度に処置部の温度を設定することが可能となる。これにより、生体組織の切開及び凝固処置を同時若しくは選択的に効率よく、しかも容易に行うことが可能となる。
この発明によれば、簡便にして容易に高精度な生体組織の切開及び凝固作用を実現し得るようにして、使い勝手の向上を図った手術用処置具を提供することができる。
また、この発明によれば、電源装置からの電力供給に対して効率良い処置を実現し得、且つ、容易な洗滌作業を実現したうえで、耐久性の向上を図り得るようにして、長寿命化の促進を図ると共に、低価格化の促進を図り得るようにした手術用処置具を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、この発明の第1の実施の形態に係る手術用処置具を示すもので、処置部を構成する鉗子1と、電源装置2と、エネルギ供給手段を構成するフットスイッチ3とで構成される。
このうち鉗子1は、ステンレス等の金属材料製の第1及び第2のアーム10,11が、枢支軸12を介して回動式に開閉可能に取付けられ、これら第1及び第2のアーム10,11の先端側には把持部13、14が対向して設けられる。この把持部13,14は、生体組織を把持、剥離、圧排操作するための処置部を構成する。また、これら第1及び第2のアーム10,11の後端側には、手指挿入用のリング101,111が設けられる。これにより、これら第1及び第2のアーム10,11は、そのリング101,111に術者が指を挿入して枢支軸12を中心として回動させると、その一対の把持部13,14が開閉操作される。
また、把持部13には、図2及び図3に示すように把持部14に対向する位置に、生体組織に熱エネルギーを与えるための発熱部を構成する線状の発熱体15が把持部13の長手方向に沿って設けられる。この発熱体15は、伝熱部である伝熱部材16内に、例えば埋設される。この発熱体15は、通電されることにより熱を発生する電気抵抗性の線状部材からなり、例えばNi−CrやFe−Cr等の材質で形成される。
また、伝熱部材16は、熱伝導率が高く、且つ電気絶縁性を有する材料、例えば窒化アルミニウム等の材料で射出成形等により両端部が湾曲状を有した断面略矩形状に形成され、その内部に上記発熱体15が埋設される如くインサートされることにより、該発熱体15と一体的に形成される。これにより、伝熱部材16は、第2のアーム11の把持部14に設けられる受け部材17との接触面16aでは、発熱体15からの距離が近い中央部b付近が比較的高温となり、発熱体15からの距離が遠い両側部c、d付近が比較的低温となる。この受け部材17は、例えばシリコンゴムやPTFE等の樹脂材料で形成され、上記第1のアーム10の伝熱部材16に対向配置される。
上記発熱体15は、その先端部に電力を供給するためのリード線181の一端が接続され、その後端部に電力を供給するためのリード線182の一端が接続される。これらリード181,182の外周部は、電気絶縁性の被覆チューブが被着される。
なお、上記伝熱部材16の生体組織と接触部には、生体組織の付着を防止するため、PTFE等の非粘着性の材料からなるコーティングを施すと良い。これにより、伝熱部材16の洗滌が容易となり、例えば付着した血液、組織等の除去作業性が向上される。
また、上記伝熱部材16の上側部分には、PTFEやPEEK等の熱伝導率が低く耐熱性の高い材料からなる断熱部材19が設けられる。この断熱部材19は、上記把持部13に設けられる凹部131に嵌め込まれた形で固定される。これにより、発熱体15で発生した熱は、伝熱部材16に効率良く伝達されると共に、断熱部材19の作用によりステンレス等の金属材料からなる把持部13が過度に熱くなるのが防止される。
上記断熱部材19には、伝熱部材16との接触面側に溝191が把持部13の長手方向に沿って設けられ、この溝191には、上記リード線181が挿通されて発熱体15の後端側に導かれる。そして、このリード線181及び上記発熱体15の後端側に接続されたリード線182は、第1のアーム10に設けられた通路102を通って、該第1のアーム10のリング101に設けられたケーブル接続部103に接続される。このケーブル接続部103には、上記電源装置2が接続ケーブル20を介して電気的に接続される。そして、この電源装置2には、接続ケーブル21を介して上記フットスイッチ3が接続される。
上記構成において、生体組織を処置する場合には、先ず、術者が指を第1及び第2のアーム10,11のリング101,111に挿入して、その鉗子1の把持部13,14の間に生体組織を位置させる。次に、該第1及び第2のアーム10,11を閉じて、伝熱部材16と受け部材17との間で生体組織を把持する。続いて、フットスイッチ3を操作することにより、電源装置2から接続ケーブル20、ケーブル接続部103、及びリード線181,182を介して発熱体15に電力を供給し、該発熱体15を発熱させる。すると、伝熱部材16は、熱伝導率の高い材料からなる為、この発熱体15で発生した熱は、伝熱部材16を介して生体組織に効率良く供給される。この際、伝熱部材16は、電気絶縁性を有することで、発熱体15に流れる電流が周囲に分流することなく、電源装置2から供給された電力による発熱体15の発熱を効率良く実現させる作用を奏する。
ここで、伝熱部材16の受け部材17との接触面16aでは、発熱体15からの距離が近い中央部b付近が比較的高温となり、発熱体15からの距離が遠い両側部c、d付近が比較的低温となる。これにより、接触面16aの両端部c、d付近に接する生体組織には、十分な凝固作用が生じる。また、中央部b付近に接する生体組織には、両端部c、d付近に接する生体組織に比べ多くの熱エネルギーが与えられ、局所的な加熱による切開作用が生じ、生体組織を切開処置することができる。よって、組織は凝固された状態で切開することができるため、例えば生体組織に比較的太い血管が含まれていても十分な止血が可能となる。
このように、上記手術用処置具は、発熱体15と伝熱部材16とが射出成形等により一体的に形成されているため、発熱体15と伝熱部材とを単に接触させて配置した場合に比べ、伝熱の効率が良い。このため、電源装置2からの電力供給に対して効率良く生体組織の処置を行うことができる。また、発熱体15を含む発熱部に付着した血液、生体組織等の容易な除去が可能となり、洗滌性の向上が図れると共に、発熱体15の破損、劣化防止が図れる為、耐久性に優れる。
これによれば、電源装置2からの電力供給に対して効率良く組織の処置が行えると共に、洗滌性、耐久性が良好となり、繰り返しての使用が可能となり、結果として、コストを低くおさえることができる。
また、上記第1の実施の形態における説明では、伝熱部材16及び受け部材17を互いに対向する部位を略平面状に形成するように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、その他、図4(a)(b)に示すように構成しても略同様の効果が期待される。但し、図4においては、上記図3と同一部分について同一符号を付して、その説明を省略する。
先ず、図4(a)では、伝熱部材16の受け部材17との接触面16aに先端部が湾曲した凸部161を形成して、この凸部161に上記発熱体15を埋設するように構成したものである。これによれば、把持部13、14で生体組織を把持した状態で、圧力が大きくなることにより、機械的な切開作用がより大きくなる。よって、凝固された組織は、より短い時間で切開することが可能となる。
また、図4(b)では、受け部材17に、例えば断面略V字状の溝171を形成し、伝熱部材16には、先端が略V字状に形成した凸部162を、上記溝171に対応して設けて構成したものである。これによれば、機械的な切開作用が、さらに大きくなることにより、さらに切開時間の短縮化が図れる。また、これによれば、把持した生体組織は、凸部162と溝171により十分な幅で圧縮、加熱されることにより、十分な凝固ゾーンを確保した状態で素早い切開処置が可能となる。
また、上記実施の形態の説明では、線状の発熱体15を伝熱部材16に埋設するように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、図5に示すように板状の発熱体151を、伝熱部材16に埋設するように構成しても、同様の効果が期待される。但し、図5(a)(b)(c)では、上記図3及び図4と同一部分について、同一符号を付して、その説明を省略する。
即ち、図5(a)では、図3と同様の伝熱部材16にNi−CrやFe−Cr等の材質で形成した板状の電気抵抗性の発熱体151を横向きに埋設するように構成したものである。
図5(b)では、図4(a)の凸部161に同様の板状の電気抵抗性の発熱体151を縦向きに埋設するように構成したものである。
図5(c)では、図4(b)の凸部162に同様の板状の電気抵抗性の発熱体151を縦向きに埋設するように構成したものである。この場合、例えば発熱体151の先端部は露出するように配置される。
(第2の実施の形態)
図6は、この発明の第2の実施の形態に係る手術用処置具を示すもので、上記第1の実施の形態と略同様の効果が期待される。
即ち、第2の実施の形態では、処置部30が、術者が把持する操作部31と一体的に設けられて、その内部にエネルギ供給路32が形成される。この操作部31には、図7に示すように後端部にケーブル破損防止用の折れ止め部311が設けられ、この折れ止め部311により位置規制された接続ケーブル33の一端部が接続される。この接続ケーブル33の他端部は、上記折れ止め部311から延出されて電源装置34に接続され、この電源装置34を介して電力が供給されると、上記処置部30及び操作部31のエネルギ供給路32に導かれる。この電源装置34には、フットスイッチ35が接続ケーブル36を介して電気的に接続される。
なお、上記ケーブル破損防止用の折れ止め部311は、操作部31と一体的に設けても、接続ケーブル33と一体的に設けるようにしても良い。
また、上記処置部30は、図7及び図8に示すようにNi−CrやFe−Cr等の材質で構成される線状の発熱体301が、伝熱部を構成する伝熱部材302の一端に沿うように設けられる。この伝熱部材302は、例えば電気的絶縁性を有し、且つ熱伝導性の高い窒化アルミニウム等で形成され、発熱体301に対して熱的に結合された状態で、電気的に絶縁されて配置される。そして、この伝熱部材302には、上記エネルギ供給路32が埋設される。
ここで、上記発熱体301は、処置部30の表面に一部が露出され、上記伝熱部材302に埋設されたエネルギ供給路32が接続されて上記電源装置34からの電力が供給される。そして、発熱体301は、電力が供給されて発熱されると、その熱を伝熱部材302に伝達すると共に、該伝熱部材302に比して高温状態が確保される。
なお、上記エネルギ供給路32としては、伝熱部材302に一体的に埋設しても良いし、あるいは伝熱部材302を分割構造として挟装配置するように構成しても良い。
上記構成において、生体組織の切開及び凝固を行う場合には、先ず、術者が操作部31を手に持ってフットスイッチ35を操作する。すると、電源装置34が駆動されて電力が接続ケーブル33を介してエネルギ供給路32に導かれ、処置部30の発熱体301が発熱され、その熱が伝熱部材302に導かれる。ここで、術者は、例えば図9に示すように処置部30の発熱体301を利用して生体組織の切開処置を行うと共に、その伝熱部材302を利用して生体組織の凝固処置を行い止血が施される。これにより、生体組織の切開処置を、出血を伴わず行うことができる。
また、臓器の断端等の広い範囲の出血等に対して、その生体組織を凝固させるような場合には、例えば図10に示すように処置部30の伝熱部材302の一部または全面を利用して、所望の時間生体組織に押し付けることで、広い範囲の凝固処置を行うことができる。
このように第2の実施の形態に係る手術用処置具は、処置部30の表面に発熱体301を露出させ、この発熱体301に熱的に結合させて伝熱部材302を配し、その発熱体301及び伝熱部材302を選択的に用いて生体組織の切開あるいは凝固処置を行うように構成した。
これによれば、発熱体301で生体組織の切開を行い、その伝熱部材302で生体組織の凝固処置を行うことで、迅速な切開作用と、生体組織の広い範囲に亘る凝固作用が可能となり、例えば組織切開時の出血の防止が図れ、しかも、広い範囲の出血を、迅速に止血することが可能となり、さらに使い勝手の向上が図れる。
(第3の実施の形態)
図11及び図12は、この発明の第3の実施の形態に係る手術用処置具を示すもので、上記第2の実施の形態と略同様の効果が期待される。但し、図11及び図12においては、上記第2の実施の形態と同一構成部について同一符号を付して、その説明を省略する。
即ち、第3の実施の形態では、上記発熱体301を伝熱部材302に対して絶縁部材37を介して電気的に絶縁配置するように構成したものである。この場合、発熱体301は、その先端側において伝熱部材302と接続され、その後端側においてエネルギ供給路32に接続される。
上記伝熱部材302は、熱伝導率が高く、導電性が高い銅、ステンレス、タングステン、モリブデン、アルミニウム等の金属材料で形成される。そして、上記絶縁部材37としては、耐熱性に優れた、絶縁性の高い、伝熱を阻害しないような材料が選択される。
この第3の実施の形態によれば、材料の制約が少なく、低価格化が図れると共に、設計の自由度が図れる。
(第4の実施の形態)
図13及び図14は、この発明の第4の実施の形態に係る手術用処置具を示すもので、上記第2及び第3の実施の形態と略同様の効果が期待される。但し、図13及び図14においては、上記第2及び第3の実施の形態と同一構成部について同一符号を付して、その説明を省略する。
即ち、第4の実施の形態では、図13に示すように処置部40を操作部41に対して挿入部42を介して一体的に配置し、奥まった生体組織の切開及び凝固処置を可能に構成される。この処置部40は、図14に示すように所望の形状を有する伝熱部材401内に発熱体402を埋設して形成され、その伝熱部材401の表面には、例えば非粘着性コーティングが施される。
この第4の実施の形態によれば、発熱体402が伝熱部材401内に埋設されることで、伝熱部材401の温度の均一化が図れ、さらに均等な処置が可能となる。
(第5の実施の形態)
図15は、この発明の第5の実施の形態に係る手術用処置具を示すもので、操作部50には、挿入部51が延設され、この挿入部51の先端には、処置部52が設けられる。操作部50には、接続ケーブル53の一端が接続され、この接続ケーブル53の他端は、電源装置54が接続される。そして、この電源装置54には、エネルギ供給手段を構成するフットスイッチ55が接続ケーブル56を介して接続され、このフットスイッチ55を介して選択的に駆動制御される。
上記処置部52は、例えば図16及び図17に示すようにフック状の伝熱部材521と、該伝熱部材521のフック側の表面に配置される第1の発熱体522及び伝熱部材521の内部に埋設される第2の発熱体523で構成される。この第1及び第2の発熱体522,523は、各一端が共通電源ライン524に接続され、その他端が切開用電源ライン525及び凝固用電源ライン526に接続される。これら共通電源ライン524、切開用電源ライン525及び凝固用電源ライン526は、挿入部51内に配線された後、上記電源装置54に接続され、この電源装置54で発生したエネルギ(電力)を上記第1及び第2の発熱体522,523に各々案内し、該第1及び第2の発熱体522,523が異なる発熱を実行するように構成されている。
上記構成において、生体組織の切開処置を施す場合には、操作部50を手に持ってフットスイッチ55を操作して、電源装置54を介して処置部52の第1の発熱体522にエネルギを供給して例えば150°〜300°C程度に発熱させることで、伝熱部材521のフック面側が略同温度に設定され、生体組織の切開処置が可能となる。
また、生体組織の凝固処置を施す場合には、フットスイッチ55を操作(例えばもう一方のペダルを操作)して電源装置54を介して第2の発熱体523にエネルギを供給して該第2の発熱体523を例えば100°Cに発熱させる。すると、処置部52の伝熱部材521は、第2の発熱体523の熱が伝達されて凝固作用に適した100°C程度の温度に設定され、生体組織の凝固処置が可能となる。
この第5の実施の形態によれば、第1の発熱体522あるいは第2の発熱体523の一方を選択することにより、処置部52を切開処置状態あるいは凝固処置状態に容易に切替設定することが可能となることで、生体組織の処置における使い勝手の向上を図ることが可能となる。
なお、上記説明では、第1の発熱体522を伝熱部材521のフック側の表面だけに配することなく、例えば図18及び図19に示すように第1の発熱体527を伝熱部材521のフック側から該フック側と逆側の表面に亘って設け、第2の発熱体528を伝熱部材521内に第1の発熱体527に沿うように配置するように構成しても良い。これによれば、処置部52における伝熱部材521のフック側と逆側においても生体組織の切開を行うことが可能となることにより、さらに使用形態の多様化が図れることで、使い勝手の向上が図れる。
また、上記実施の形態における説明では、電源装置54とフットスイッチ55により第1及び第2の発熱体522,523(527.528)の一方を駆動するように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、その他、図20に示すように操作部50に切替スイッチ57及びバッテリ電源58を配する処置具構成においても適用可能で、同様の効果が期待される。
よって、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
例えば実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
また、この発明は、上記各実施の形態によれば、その他、次のような構成を得ることもできる。
(付記1)
生体組織の処置を行う処置部と、
前記処置部に設けられた発熱部と、
前記発熱部の少なくとも一部を覆うように配置される伝熱部と、
を具備することを特徴とする手術用処置具。
(付記2)
前記伝熱部は、電気絶縁性材料で形成されることを特徴とする付記1記載の手術用処置具。
(付記3)
生体組織の処置を行う処置部と、
前記処置部の表面に配置される第1の発熱部と、
前記処置部に埋設されて配置される第2の発熱部と、
を具備することを特徴とする手術用処置具。
(付記4)
前記第1及び第2の発熱部に対して選択的にエネルギを供給するエネルギ供給手段を備えることを特徴とする付記3記載の手術用処置具。
(付記5)
前記第1及び第2の発熱部は、異なる発熱温度に設定されることを特徴とする付記3又は4記載の手術用処置具。
(付記6)
先端部に開閉可能な一対の把持部からなる処置部と、
基端部に前記把持部を開閉する操作部を有し、前記把持部の少なくとも一方に生体組織を処置するための発熱部とを備える手術用処置具において、
前記発熱部は、
通電することにより、発熱する電気抵抗性の発熱体と、
前記発熱体の少なくとも一部を覆うように一体的に設けられる伝熱部と、
を具備することを特徴とする手術用処置具。
(付記7)
生体組織に熱を作用させて処置を行う手術用処置具において、
処置を行う処置部は、発熱部と、該発熱部とは電気的に絶縁された伝熱部とを有することを特徴とする手術用処置具。
(付記8)
前記伝熱部は、高熱伝導率の電気絶縁性材料で形成されることを特徴とする付記6又は7記載の手術用処置具。
(付記9)
前記電気絶縁性材料は、窒化アルミニウムであることを特徴とする付記8記載の手術用処置具。
(付記10)
熱エネルギを利用して生体組織を処置する手術用処置具であって、
前記生体組織を処置するための処置部と、
前記処置部の表面に配置される第1の発熱体と、
前記処置部の内部に配置される第2の発熱体と、
前記第1及び第2の発熱体の少なくとも一方を駆動するエネルギ供給手段と、
を具備することを特徴とする手術用処置具。
(付記11)
前記第1の発熱体は、略150°C〜略300°Cに温度制御され、前記第2の発熱体は、略100°Cに温度制御されることを特徴とする付記10記載の手術用処置具。
この発明の第1の実施の形態に係る手術用処置具の構成を示した図である。 図1の発熱体の設けられる把持部を長手方向に断面して示した図である。 図1の一対の把持部を断面して示した図である。 図3の変形例を示した図である。 図3の変形例を示した図である。 この発明の第2の実施の形態に係る手術用処置具の構成を示した図である。 図6の処置部及び操作部を取り出して示した図である。 図7の処置部を断面して示した図である。 図6の動作を説明するために示した図である。 図6の動作を説明するために示した図である。 この発明の第3の実施の形態に係る手術用処置具の構成を示した図である。 図11の処置部を断面して示した図である。 この発明の第4の実施の形態に係る手術用処置具の構成を示した図である。 図13の要部を拡大して示した図である。 この発明の第5の実施の形態に係る手術用処置具の構成を示した図である。 図15の要部の詳細を示した図である。 図16の外観を示した図である。 図15の変形例を示した図である。 図18を外観から見た状態を示した図である。 図15の変形例を示した図である。
符号の説明
1…鉗子、2…電源装置、3…フットスイッチ、10…第1のアーム、11…第2のアーム、101,111…リング、102…通路、103…ケーブル接続部、12…枢支軸、13,14…把持部、131…凹部、15,151…発熱体、16…伝熱部材、16a…接触面、161,162…凸部、17…受け部材、171…溝、181,182…リード線、19…断熱部材、191…溝、20,21…接続ケーブル、30…処置部、301…発熱体、302…伝熱部材、31…操作部、311…折れ止め部、32…エネルギ供給路、33,36…接続ケーブル、34…電源装置、35…フットスイッチ、37…絶縁部材、40…処置部、401…伝熱部材、402…発熱体、41…操作部、50…操作部、51…挿入部、52…処置部、521…伝熱部材、522,527…第1の発熱体、523,528…第2の発熱体、524…共通電源ライン、525…切開用電源ライン、526…凝固用電源ライン、53,56…接続ケーブル、54…電源装置、55…フットスイッチ、57…切替スイッチ、58…バッテリ電源。

Claims (5)

  1. 生体組織の処置を行う処置部と、
    前記処置部に設けられた発熱部と、
    前記発熱部の少なくとも一部を覆うように配置される伝熱部と、
    を具備することを特徴とする手術用処置具。
  2. 前記伝熱部は、電気絶縁性材料で形成されることを特徴とする請求項1記載の手術用処置具。
  3. 生体組織の処置を行う処置部と、
    前記処置部の表面に配置される第1の発熱部と、
    前記処置部に埋設されて配置される第2の発熱部と、
    を具備することを特徴とする手術用処置具。
  4. 前記第1及び第2の発熱部に対して選択的にエネルギを供給するエネルギ供給手段を備えることを特徴とする請求項3記載の手術用処置具。
  5. 前記第1及び第2の発熱部は、異なる発熱温度に設定されることを特徴とする請求項3又は4記載の手術用処置具。
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