JPH10277050A - 内視鏡用高周波処置具 - Google Patents

内視鏡用高周波処置具

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JPH10277050A
JPH10277050A JP9086618A JP8661897A JPH10277050A JP H10277050 A JPH10277050 A JP H10277050A JP 9086618 A JP9086618 A JP 9086618A JP 8661897 A JP8661897 A JP 8661897A JP H10277050 A JPH10277050 A JP H10277050A
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JP
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ratchet
treatment
forceps
tip
movable handle
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Application number
JP9086618A
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English (en)
Inventor
Eiji Murakami
栄治 村上
Yasuhiko Kikuchi
康彦 菊地
Kenichi Kimura
健一 木村
Toshihiko Hashiguchi
敏彦 橋口
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高周波電流により発生した熱により変性した体
液や組織等が先端処置部に付着するのを防ぐことができ
る内視鏡用高周波処置具を提供することにある。 【解決手段】操作部3と挿入部2とからなり、挿入部2
の先端処置部8の表面に非粘着性の性質を有するニッケ
ル、タングステン、ホウ素からなる金属被覆9を施した
ことを特徴とする内視鏡用処置具にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内視鏡下で体腔
内の処置を行う際に使用される内視鏡用高周波処置具に
関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡下で体腔内の処置を行う際に使用
される高周波処置具は、一般にトラカールを介して体腔
内に挿入される。トラカールは外套管と患者の体壁に穿
刺する際に外套管の中に装着する閉塞子から構成されて
いる。
【0003】例えば腹腔鏡下での高周波処置を行う際に
内視鏡用処置具である単極の電極等が使用される。この
種の処置具として例えば特開平7−8503号公報に示
すように患者の体腔内に挿入される細長い挿入部をもち
挿入部基端部には保持部である操作部が設けられてい
る。
【0004】また、挿入部内には導電部を兼ねた金属パ
イプが配設されており、金属パイプ先端には処置部であ
る電極部が取り付けられている。さらに、挿入部表面は
電極部基端部から挿入部基端部まで絶縁チューブで被覆
されている。
【0005】また、操作部には高周波電流を高周波装置
より供給するための電源コードを取り付けるための接続
ピンが設けられている。この接続ピンは操作部内で挿入
部の金属パイプと電気的に接続固定されていて、金属パ
イプを介して先端電極部と電気的に導通可能となってい
る。
【0006】また、USP4,290,286号明細書
に示すように電極には双極の高周波処置具も存在する。
また、腹腔鏡下で使用される高周波処置具には挿入部の
先端に処置部である先端作用部を備えた鉗子が知られて
いる。この種の処置具としては例えば特開平8−384
92号公報に示すように電極同様患者の体腔内に挿入さ
れる細長い挿入部を有し、挿入部基端部には先端作用部
を作用させるための操作力を伝達するためのハンドル開
閉機構を備えた操作部が連結されている。
【0007】この鉗子の挿入部内にも導電部を兼ねた金
属パイプが配設されている。挿入部先端には先端作用部
である開閉動作する鉗子部が取り付けられている。ハン
ドルを開閉操作すると操作力が先端作用部に伝達され鉗
子部が開閉動作される。
【0008】さらに、この鉗子の操作部にも電極同様高
周波電流を供給するための電源コードを取り付けるため
の接続ピンが設けられている。前記鉗子により体腔内組
織の把持、剥離の処置に加えて必要に応じて高周波電流
による切開、凝固等の処置を行う。
【0009】また、USP5,356,508号明細書
に示すように鉗子にも双極の高周波処置具が存在する。
また、一般にこれらの処置具の処置部である電極部、鉗
子部は機械的強度、耐食性を考慮してステンレス鋼から
なる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高周波
処置具は電流密度を処置部に集中させて組織に電流を流
してジュール熱や火花放電による熱により切開、凝固等
の処置を行うが、処置の際にこの熱により変成した血液
や組織が処置部に付着する。この付着物により通電効率
が下がり切開や凝固が十分に行えずに処置の中断を余儀
なくされることがある。
【0011】また、この付着物を除去するために一度処
置具をトラカールから抜去しなければならず手術時間の
遅延にもつながる恐れがある。さらに、前記処置部への
熱により変成した血液や組織の付着を防ぐために処置部
である電極部や鉗子部表面に非粘着性を有するフッ素の
有機物を被覆したものもあるが、前記有機物は絶縁性の
ため通電効率が非常に悪く、切開や凝固の効果が十分に
発揮されないのと高電圧、高電流密度によるジュール熱
や火花放電による熱に対して耐性が無いため長時間や繰
り返しの使用に耐えないという欠点があった。
【0012】このように高周波処置中に先端処置部に血
液や素子等がこびり付いてしまった場合、処置が困難と
なり手術の中断を余儀なくされることがあった。この発
明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的と
するところは、処置中に処置具の先端処置部に通電によ
り発生するジュール熱や火花放電による熱による変性し
た血液や組織等が付着することを防止し、処置の中断を
防ぐことで術者が処置に集中でき、手術時間の短縮を図
ることができる内視鏡用高周波処置具を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記目的を
達成するために、処置具本体の先端処置部の表面に非粘
着性の性質を有する金属被覆を施したことを特徴とする
内視鏡用高周波処置具にある。
【0014】先端処置部を体腔内の目的部位に接触させ
高周波電流を流し処置を行う際に、高電流密度と患者の
インピーダンスによりジュール熱が発生する。さらに火
花放電が生じ高熱が発生することで血液や組織等が変性
し、先端処置部へ付着し易い状態となるが、先端処置部
を被覆する前記金属被覆は非粘着性を有するため組織が
こびり着きにくくなり、さらに付着しても拭き取り易
い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の各実施の形態を
図面に基づいて説明する。図1〜図4は第1の実施形態
を示し、図1は高周波処置具である電極1全体の構成
図、図2は電極1の先端部の拡大した縦断側面図、図3
は先端処置部8の断面図、図4は先端処置部8の異なる
形状の具体例を示すものである。
【0016】前記電極1には長尺な処置具本体としての
挿入部2と挿入部2の基端部には保持部である操作部3
が設けられている。さらに、操作部3の後端には送水ま
たは吸引を制御するための弁装置を備えたバルブ4が着
脱可能に取り付けられている。挿入部2の外側は電気絶
縁材からなる絶縁チューブ5が挿入部基端部まで被覆し
ている。
【0017】さらに、絶縁チューブ5の内側には導電部
を兼ねた金属パイプ6が配設されている。この金属パイ
プ6の内側には送水または吸引用の管路7が操作部3の
後端まで配設されバルブ4と連通している。
【0018】また、金属パイプ6の先端には通電部であ
る先端処置部8が固定されていて、この先端処置部8は
必要範囲を除いて基端部まで絶縁被覆9で覆われてい
る。操作部3は絶縁材からなり高周波電源装置より高周
波電流を供給するためのコードを接続するピン10が設
けられている。このピン10は操作部3内で金属パイプ
6と電気的に接続固定されている。
【0019】先端処置部8はステンレス鋼からなり、そ
の表面には例えばニッケル(Ni)、タングステン
(W)、ホウ素(B)からなる金属被覆11が被覆して
いる。この金属被覆11の厚さは数μ〜数十μmであ
る。
【0020】また、先端処置部8の形状は図4に示すよ
うに種々の異なるもの(8a〜8e)が存在する。ここ
に示したのはほんの一部である。次に、前述のように構
成された電極1の作用について説明する。
【0021】先端処置部8を体腔内の目的部位に接触さ
せ高周波電流を流し処置を行う際に、高電流密度と患者
のインピーダンスによりジュール熱が発生する。さらに
火花放電が生じ高熱が発生することで血液や組織等が変
性し、先端処置部8へ付着し易い状態となるが、先端処
置部8を被覆する前記金属被覆11は非粘着性を有する
ため組織がこびり着きにくいという利点がある。さらに
付着しても拭き取り易いという利点も有する。
【0022】また、金属被覆11は十分な導電性と耐熱
性を有するため切開、凝固能力を損なうことなく処置が
可能であり、長時間や繰り返しの使用に対して十分な効
果を維持する。
【0023】したがって、前記構成のものにあっては次
の効果を奏する。本実施形態の電極1を用いて高周波処
置を行う場合に体液や組織の熱変性したものが先端処置
部8に付着することを防ぎスムーズに処置が行え、術者
は処置に集中でき付着による処置能力の減少、手術時間
の遅延を防止する。
【0024】また、本実施形態は単極電極に関してのも
のであるが、双極電極の先端処置部8に本実施形態の金
属被覆11を施しても同様である。図5及び図6は第2
の実施形態を示し、図5は高周波処置具としての鉗子1
2の全体構成図、図6は鉗子12の先端鉗子部14を拡
大した縦断側面図である。本実施形態の鉗子12には処
置具本体としての長尺な挿入部13とこの挿入部13の
基端部に連結された操作部14とが設けられている。
【0025】前記挿入部13の先端部には作用部である
先端鉗子部15が取り付けられている。この先端鉗子部
15はステンレス鋼からなる上下一対のジョー15a,
15bにより構成されている。また、挿入部13の外側
は先端鉗子部15の基端部から挿入基端部まで電気絶縁
材からなる絶縁チューブ16により被覆されている。
【0026】挿入部13の基端部には操作部14の固定
ハンドル17が固定されている。さらにこの固定ハンド
ル17にはピン18を介して回動自在に可動ハンドル1
9が取り付けられている。
【0027】さらに、挿入部13内には先端鉗子部15
に操作力を伝達するための操作ロッド20が配設されて
いて、操作ロッド20の基端部は操作部14の可動ハン
ドル19に連結されている。
【0028】前記構成により可動ハンドル19を開閉操
作することにより操作ロッド20を介して先端鉗子部1
5に操作力が伝達されたジョー15a,15bが開閉操
作されるようになっている。
【0029】また、固定ハンドル17には高周波電源措
置より高周波電流を供給するためのコードを接続するた
めのピン21が設けられている。このピン21は固定ハ
ンドル17内で挿入部13内に配設してある金属パイプ
を介してジョー15a、15bと電気的に接続されてい
る。
【0030】さらに、ジョー15a、15bの表面には
第1の実施形態と同様の非粘着性の金属被覆22が被覆
されている。この金属被覆22の厚さは数〜数十μmで
ある。
【0031】前述した構成にあっても第1の実施形態と
同様に高周波処置時に高周波電流により発生した熱によ
り変性した体液や組織がジョー15a、15bに付着す
るのを防ぐことができ、本実施形態においても第1の実
施形態と同様の効果を奏する。
【0032】また、本実施形態の高周波処置用の鉗子1
2は単極電極であるが、先端作用部を有する双極電極の
先端鉗子部に本実施形態の金属被覆22を施しても同様
である。
【0033】前述した第1及び第2の実施形態によれ
ば、次のような構成が得られる。 (付記1)処置具本体の先端処置部の表面に非粘着性の
性質を有する金属被覆を施したことを特徴とする内視鏡
用処置具。
【0034】(付記2)先端処置部は、双極であること
を特徴とする付記1記載の内視鏡用処置具。 (付記3)先端処置部は、先端作用部を有することを特
徴とする付記1または2記載の内視鏡用処置具。
【0035】(付記4)金属被覆は、ニッケル(N
i)、タングステン(W)、ホウ素(B)からなること
を特徴とする付記1〜3記載の内視鏡用処置具。 前述したように、内視鏡用処置具は、非粘着性を有しか
つ充分な導電性、耐熱性を有する金属被覆が先端処置部
に施され、この金属被覆は例えばニッケル(Ni)、タ
ングステン(W)、ホウ素(B)からなる複合金属であ
る。したがって、前記処置具に高周波電流を流して処置
を行えば、前記金属被覆が持つ特徴の一つである非粘着
性のために高周波処置により発生する熱により変成した
血液や生体組織の付着を極力防ぐことができ、また、導
電性を有するため十分な切開、凝固効果を失わない。さ
らに、熱に対する十分な耐性を有するため長時間または
繰り返し使用する高周波処置具に最適である。
【0036】また、従来、内視鏡下外科手術に使用され
る処置具としては特開平8−38495号公報に示され
ているように、組織を把持するための把持鉗子、切開す
るための鋏鉗子等が知られている。これらは高周波電流
によって組織を凝固、焼灼できるよう高周波電流が通電
できるよう構成されているものもある。
【0037】また、この種の処置具ではWO95/29
636に示されているような手術部位に通した糸で結び
目を作るための第1の手段と結んだ糸の余分な部分を切
るための切離部を併せ持つ鉗子も知られている。
【0038】また、双極電極を有する高周波処置具に接
続される高周波電流ケーブルとしてはDE43 37
590 A1に示されているような高周波電流ケーブル
が知られている。このケーブルは、Fig5b、Fig
6bに示されているように、互いに絶縁された一対の接
続部材(112、114)が絶縁部材(110)によっ
て有る一定の間隔をおいて配置されている。各接続部材
は処置具の一部を収納する空間を有しており、各接続部
材の収納空間はつながっており一つの空間を形成してい
る。
【0039】しかしながら、特開平8−38495号公
報に示されたような鉗子の多くは把持、切離といった単
一の機能しか有していない。そのため、術者は手術中の
処置内容によって鉗子を入れ換える必要があるため手術
が煩雑になると同時に、複数の鉗子を必要とすることに
なり費用の負担が強いられていた。
【0040】また、WO95/29636に示されてい
る鉗子は複数の機能を持つものの把持部が設けられてい
ないため用途が糸結びに限定されているため組織の把持
を把持するためには別の鉗子が必要となるため特開平8
−38495号公報に示されている鉗子同様に術者に対
して手術を煩雑にすると同時に複数の鉗子を必要とする
欠点があった。
【0041】更に言えばWO95/29636に示され
ている鉗子では処置具部の開閉にはとくに制限がないた
め術者が意図しないときに処置部が切開部まで開き、組
織を挟み込んで切開してしまう可能性がある。
【0042】DE43 37 590 A1に示されて
いる双極式高周波処置具用の高周波電流ケーブルは一対
の接続部材(112、114)間の空間がつながってい
るため生理食塩水等の電解質が流入した場合一対の接続
部材が短絡し、処置具に電流を供給することができず手
術を妨げてしまう可能性がある。
【0043】したがって、鉗子の入れ換え回数を削減
し、手術をより簡便なものとすることであると同時に必
要とする鉗子の本数を減らし術者の費用負担を減らすこ
とが要望されている。また、不意に意図しない組織を切
開してしまうことを未然に防止すること、また双極式高
周波処置具と高周波ケーブルとの間に電解質が流入して
も短絡すること無く確実に処置具に高周波電流を供給し
手術が妨げられるのを防止することが要望されている。
【0044】図7〜図9は第3の実施形態を示し、図7
(a)は手術器具としての鉗子31の一部を拡大した全
体構成図、図7(b)はB部を拡大した断面図である。
また、図8(a)は手術器具としての鉗子31の一部を
拡大した全体構成図、図8(b)はD部を拡大した断面
図、図8は作用説明図である。
【0045】鉗子31は図示しないトラカール外套管を
通して生体の体腔内に挿入される挿入部32と、挿入部
32の先端に配置された一対の開閉動作が可能な処置部
材33a、33bからなる処置部34と、挿入部32の
後端に接続され、前記処置部材33a、33bを作動さ
せるための操作部35とから構成されている。
【0046】処置部材33a、33bは処置しようとす
る組織を把持するのに適した形状を成した把持部36と
組織を切開するのに適した鋏状の形状をした切開部37
とが設けられている。また、操作部35は挿入部32に
固定された固定ハンドル38と固定ハンドル38に対し
て回動可能に枢支された可動ハンドル39とから構成さ
れている。この可動ハンドル39には1つの突起40を
有するレバー41が矢印Aの方向に付勢された状態でか
つ回動可能に取り付けられている。
【0047】前記固定ハンドル38には処置部34を高
周波電源(図示せず)に専用のケーブル(図示せず)を
介して接続するための接続ピン42と、突起40に係合
可能なよう配置された爪部43を有している。
【0048】次に、前述のように構成された鉗子31の
作用について説明する。図7(a)、図8(a)に示す
ように処置部材33a、33bは可動ハンドル39の旋
回量に応じて開閉の大きさが決まる。単に可動ハンドル
39を図8(a)の矢印Cの方向に旋回させた場合、可
動ハンドル39の動きに併せて移動した突起40が爪部
43に係合し、その旋回量が制限される。この範囲の旋
回では処置部材33a、33bは図8(a)に示すよう
に把持部36のみが拡開しており、切開部37は互いが
すり合わさった状態であるため組織の把持のみが可能と
なる。
【0049】一方、レバー41をA方向とは逆方向に押
し下げながら可動ハンドル39をC方向に旋回させる
と、突起40も押し下げられた状態で移動するため爪部
43と係合することがなく、可動ハンドル39を図7
(a)に示すように大きく旋回させることができる、そ
の結果、処置部材33a、33bは把持部36だけでな
く切開部37も拡開し、切開、把持が可能な状態にな
る。
【0050】把持部36で組織を把持した状態で、処置
部材33a、33bに高周波電流を供給すると、組織を
凝固あるいは組織中の血管を止血することが可能であ
る。また、拡開した切開部37の間に組織をおいた状態
で電流を供給しながら処置部材33a、33bを閉じれ
ば止血しながら組織の切開を行うことができる。このと
き、組織が切開部37よりも長い場合、図9に示すよう
に切開部37の前方は把持部36によって凝固(血管が
含まれていれば止血)が同時に成される。
【0051】したがって、1本の鉗子で把持、切開がで
きるため術者は用途に応じて鉗子を入れ換える手間が省
け、手術時間を短縮することができる。また、血管を含
む組織の切開は凝固した後に切開を行うが本実施形態に
よれば凝固、切開が1本で行えるため切開しようとする
組織が血管を含んでいても連続的に出血させること無く
切開することができるので術者は手術の危険性を高める
こと無く手術時間を短縮できる。また、意図しないとき
(把持、凝固のみを行いたい場合)は切開部が機能しな
いため不意に組織を切開してしまうことがなく安全であ
る。
【0052】図10及び図11は第4の実施形態を示
し、図10(a)は高周波コード50の全体構成図、図
10(b)はE部を拡大した断面図である。高周波コー
ド50は図11に示されるようなバイポーラ処置具57
に接続されるコネクター部51と、高周波電源(図示せ
ず)に接続されるコネクター部52と、コネクター部5
1,52をつなぐ充分な長さを有するケーブル部53と
から構成されている。
【0053】コネクター部51は絶縁性を有する材質か
らなるハウジング54と、54内に設けられた導電性を
有する材質からなる1対の受け部材55a、55bとで
構成されている。
【0054】受け部材55a、55bはそれぞれケーブ
ル部53を構成している一対の互いに絶縁されている電
源56a、56bとハウジング54内で電気的に接続さ
れていると同時に図10(b)に示すように受け部材5
5a、55bはハウジング54の一部によって隔てられ
た状態で配置されている。
【0055】したがって、図11に示すようにバイポー
ラ処置具57には一対のピン形状をした接続部材58
a、58bが設けられており、この接続部材58a、5
8bを受け部材55a、55bに差し込み、コネクター
部52を高周波電源に接続することでバイポーラ処置具
57には双極式に高周波電流を供給することが可能とな
る。
【0056】このように、受け部材55a、55bは絶
縁材によって隔てられているためハウジング54内に例
えば生理食塩水のような液状の電解質が流入しても互い
が導通することはないため常に確実な絶縁関係が保たれ
導通不良によって手術を妨げることはない。
【0057】図12は第5の実施形態を示し、図12は
高周波コード60の全体構成図である。高周波コード6
0はケーブル部63が途中で2本の電線62a、63b
に分かれており、それぞれの先端に第4の実施形態に示
したバイポーラ処置具57に接続されるコネクター部材
61a,61bが設けられている。他の構成は第4の実
施形態と同様である。
【0058】図13及び図14は第6の実施形態を示
し、図13に示すように、コネクター部材61a,61
b内に設けられた受け部材64が図14に示すモノポー
ラ処置具65に接続されるのに適した形状をなしてい
る。他の構成は第5の実施形態と同様である。
【0059】図14に示すように、コネクター部材61
a,61bを異なる2本のモノポーラ処置具65に接続
して通電した場合、電流は2本の鉗子66a,66bの
間を流れ、2本のモノポーラ処置具65で把持された組
織は凝固される。このとき、使用する処置具は図14の
ような鉗子に限らず、組織の切開を目的とした鋏鉗子で
あってもよい。
【0060】したがって、モノポーラ鉗子を低出力の電
気的処置が可能なバイポーラ処置に使用することができ
る。なお、第4〜6の実施形態において、処置具側およ
びコード側の各接続部材の形状は図15に示すように、
処置具側67が凹形状で、コード側68が凸形状であっ
ても構わない。
【0061】前述した第3〜第6の実施形態によれば、
次のような構成が得られる。 (付記5)体腔内に挿入される挿入部と、この挿入部の
先端に設けられた一対の処置部材からなる処置部と、前
記挿入部の後端に設けられた前記処置部材を開閉させる
ための操作部とからなり、前記処置部材には高周波電流
の供給が可能な内視鏡下手術用鉗子において、前記一対
の処置部材が組織等を把持するための把持部と、切開す
るための切開部を併せ持つことを特徴とする内視鏡下外
科手術用鉗子。
【0062】(付記6)前記処置部材の開閉範囲が前記
把持部のみが機能的に有効となる第1の開閉範囲と、前
記切開部も機能的に有効となる第2の開閉範囲のうち、
どちらか一方を選択する選択手段が設けられていること
を特徴とする付記5記載の内視鏡下手術用鉗子。
【0063】(付記7)前記選択手段が前記操作部に設
けられていることを特徴とする付記6記載の内視鏡下外
科手術用鉗子。 (付記8)前記操作部は、前記挿入部に接続された第1
のハンドルと、第1のハンドルに対して前記把持部材の
第1の開閉範囲に呼応した第1の旋回範囲と、前記把持
部材の第2の開閉範囲に呼応した第2の旋回範囲で旋回
可能なようピボット接続された第2のハンドルからな
り、前記選択手段は第2のハンドルの旋回範囲を選択す
るよう配置されていることを特徴とする付記7記載の内
視鏡下外科手術用鉗子。
【0064】(付記9)前記選択手段は前記第1のハン
ドルに設けられた一つの突起と、この突起に係合する突
起係合手段を有するレバーからなり、この突起係合手段
が前記突起に係合される第1の位置と係合されない第2
の位置の間を移動可能なよう前記第2のハンドルに旋回
可能に接続されていることを特徴とする付記8記載の内
視鏡下外科手術用鉗子。
【0065】(付記10)少なくとも一対の互いに絶縁
された電極を有する双極式高周波処置具に接続される高
周波電流コードで、このコードは前記処置具に接続され
る互いに絶縁された一対の導電性材からなる処置具接続
部材と絶縁材からなるハウジングとで構成される第1の
接続部と、高周波電源に接続される互いに絶縁された一
対の導電性材からなる電源接続部材を有する第2の接続
部と、この2種の接続部材同士を電気的に接続する互い
に絶縁された一対の電線からなるコード部とからなり、
前記一対の処置具接続部材間の空間が前記ハウジングに
よって隔てられていることを特徴とする高周波電流コー
ド。
【0066】(付記11)前記第1の接続部が前記一対
の処置具接続部材と、この一対の接続部材間を隔てる仕
切を有する絶縁材からなる1つのハウジングと、からな
ることを特徴とする付記10記載の高周波電流コード。
【0067】(付記12)前記第1の接続部が、一対の
絶縁材からなるハウジングと各ハウジングに内蔵された
前記一対の処置具接続部材とからなることを特徴とする
付記10記載の高周波電流コード。
【0068】前記付記5〜9によれば、1本の鉗子で把
持、切開ができるので術中の鉗子の入れ替え回数が減り
手術が円滑に行えると同時に手術時間を短縮することが
できる。また、術者が意図しないときに組織を切ること
がなく術者は確実に安全な手術を行うことができる。付
記10〜12によれば、高周波電流ケーブル内で短絡す
ること無く確実に高周波処置具に電流を供給できる。
【0069】図16は第1の開示例で、内視鏡下手術に
使用される手術用処置具71を示し、図16(a)はラ
チェット部が係合している状態の一部切欠した側面図、
図16(b)はラチェット部が解除している状態の一部
切欠した側面図である。
【0070】手術用処置具71は、図示しないトラカー
ル外套管を通して生体内に挿入される管状の挿入部72
と、この挿入部72内に挿通され、挿入部72と軸方向
に相対運動される駆動軸73と、前記挿入部72の先端
側に接続され、駆動軸73と連結する処置部74と、前
記挿入部72の手元側に接続され、駆動軸73と連結す
る操作部75とから構成されている。
【0071】操作部75には挿入部72を回動自在に保
持する操作部本体76と一体的に形成された末端がリン
グ状の固定ハンドル77と、支点部材78により固定ハ
ンドル77に回動自在に接続され、駆動軸73と結合し
ている末端がリング状の可動ハンドル79が設けられて
いる。
【0072】固定ハンドル77には3つの開口部80,
81,82を有するスリット83が形成され、このスリ
ット83内には爪部材84が設けられている。爪部材8
4には固定ハンドル77に固定した断面が円の両端を切
り欠いた形状のピン85と係合する溝86が形成されて
いる。さらに、爪部材84は末端に爪部材87を形成
し、側方には開口部80,81と係合する突起部88,
89を有する弾性変形可能な腕部90が形成されてい
る。突起部89は開口部81を越えて伸び、その先端に
は指で操作するための指当て部91が設けられている。
【0073】可動ハンドル79には突き当て部92を有
するスリット93が形成され、スリット93内には板状
のラチェット部材94が可動ハンドル79に対して回動
自在に設けられている。ラチェット部材94は回動中心
付近に付勢ばね95との当接部96を有し、スリット9
3の突き当て部92と突き当たる平面部97を形成して
いる。さらに、ラチェット部材94には爪部材84の爪
部87と係合する複数のラチェット歯98が固定ハンド
ル77に向けて形成されている。ラチェット部材94に
は固定ハンドル77のスリット83の開口部82を越え
て伸び、その先端には指で操作するためのレバー部材9
9が設けられている。
【0074】次に、前述のように構成された手術用処置
具71の作用について説明する。可動ハンドル79を時
計方向に回動させると、駆動軸73が後端側に移動して
処置部74が駆動する。このとき、ラチェット部材94
のラチェット歯98は付勢ばね95の付勢力に逆らって
爪部材84の爪部87上を滑りながら移動し、図16
(a)に示すように可動ハンドル79が反時計方向に回
動するのを規制する形で、爪部87と係合する。すなわ
ち、図16(a)の状態では、可動ハンドル79は反時
計方向に回動されることはない。
【0075】このとき、レバー部材99を下方に押す
と、ラチェット部材94が付勢ばね95の付勢力に逆ら
って反時計方向に回動し、ラチェット歯98と爪部87
の係合が解除され、可動ハンドル79は時計方向及び反
時計方向に回動可能となる。また、レバー部材99を下
方に押す操作をやめると、付勢ばね95の付勢力によ
り、再び図16(a)の状態に戻り、ラチェット部10
0が係合する。すなわち、レバー部材99の操作を行う
ことにより、ラチェット部100の一時的な解除が可能
となる。
【0076】また、図16(b)の状態では、爪部材8
4の突起部88,89がスリット83の開口部88と係
合しているため、爪部材84は固定ハンドル77に対し
て動くことはない。ここで、図16(a)の状態より指
当て部91を右方向に押し、腕部90を弾性変形させる
ことにより、突起部88,89と開口部81との係合が
解除される。さらに、指当て部91を右方向に押したま
ま爪部材84をピン85に沿って上方に移動させ、ピン
85と溝86とが突き当たった位置で、指当て部91を
右方向に押す操作をやめると、突起部88と開口部80
とが係合し、爪部材84は図16(b)に示す位置に固
定される。
【0077】また、このときラチェット部材94は付勢
ばね95により、ラチェット部材94の平面部97とス
リット93の突き当て部92とが突き当たる位置まで回
動させられる。このとき、ラチェット部材94のラチェ
ット歯98と爪部材84の爪部87とは、常に係合しな
い位置関係となり、可動ハンドル79は時計方向及び反
時計方向に回動可能となる。また、前述と逆の指当て部
91の操作を行うことにより、ラチェット部材94と爪
部材84は、図16(a)に示す位置に戻り、ラチェッ
ト部100が係合した状態となる。
【0078】したがって、ラチェット部100の一時的
な解除が容易であると共に、ラチェット部100が解除
した状態で爪部材84を固定可能であるため、ラチェッ
ト機構を有しながらもラチェット機構を有さない手術用
処置具と同様の操作性を選択的に得られる。
【0079】図17は第2の開示例で、内視鏡下手術に
使用される手術用処置具102を示し、図17(a)は
ラチェット部が係合している状態の一部切欠した側面
図、図17(b)はラチェット部が解除している状態の
一部切欠した側面図である。操作部103以外の構成は
第1の開示例と同じである。
【0080】操作部103には挿入部72を回動自在に
保持する操作部本体104と一体的に形成された末端が
リング状の固定ハンドル105と、支点部材106によ
り、固定ハンドル105に回動自在に接続され、駆動軸
73と係合している末端がリング状の可動ハンドル10
7が設けられている。
【0081】固定ハンドル105にはスリット108が
形成され、スリット108内には板状のラチェット部材
109が固定ハンドル105に対して回動自在に設けら
れている。ラチェット部材109は回動中心付近に付勢
ばね110との当接部111及び爪部112が形成され
ている。ラチェット部材109はスリット108を越え
て伸び、その先端には指で操作するためのレバー部材1
13が設けられている。
【0082】可動ハンドル107にはラチェットアーム
114が一体的に設けられている。ラチェットアーム1
14にはラチェット部材109の爪部112と係合する
複数のラチェット歯115が固定ハンドル105に向け
て形成され、ラチェットアーム114の先端は固定ハン
ドル105のスリット108を越えて伸びている。
【0083】次に、前述のように構成された手術用処置
具102の作用について説明する。可動ハンドル107
を時計方向に回動させると、駆動軸73が後端側に移動
し、図示しない処置部が駆動する。このときラチェット
部材109の爪部112は、付勢ばね110の付勢力に
逆らってラチェットアーム114のラチェット歯115
上を滑りながら移動し、図17(a)に示すように可動
ハンドル107が反時計方向に回動するのを規制する形
でラチェット歯115と係合する。
【0084】すなわち、図17(a)の状態では可動ハ
ンドル107は、反時計方向に回動されることはない。
図17(a)の状態では、付勢ばね110はラチェット
部材109を時計方向に回動させるよう付勢力を与えて
いる。ここでレバー部材113を下方に押すと、ラチェ
ット部材109は付勢ばね110の付勢力に逆らって反
時計方向に回動する。
【0085】さらに、レバー部材113を下方に押し、
ラチェット部材109を反時計方向に回動させると、付
勢ばね110の付勢力がラチェット部材109の回動中
心に向かう位置を越えラチェット部材109を反時計方
向に回動させるような位置関係となる。そして、その付
勢力によりラチェット部材109は図17(b)に示す
ようにレバー部材113が固定ハンドル105に突き当
たる位置まで自動的に回動する。このとき、ラチェット
部材109の爪部112と、ラチェットアーム114の
ラチェット歯115とは常に係合しない位置関係とな
り、可動ハンドル107は時計方向及び反時計方向に回
動可能となる。また、前述と逆のレバー部材113の操
作を行うことにより、ラチェット部材109は図17
(a)に示す位置に戻り、ラチェット116が係合した
状態となる。
【0086】また、付勢ばね110の付勢力がラチェッ
ト部材109を時計方向に回動させる範囲内でレバー部
材114を操作することにより、ラチェット部116の
一時的な解除が可能となる。
【0087】したがって、ラチェット部116の一時的
な解除及びラチェット部材109の解除位置、係合位置
への操作を、全てレバー部材114により行えるため操
作性に優れる。
【0088】図18は第3の開示例で、内視鏡下手術に
使用される手術用処置具118を示し、図18(a)は
ラチェット部が係合している状態の一部切欠した側面
図、図18(b)はラチェット部が解除している状態の
一部切欠した側面図である。操作部119以外の構成は
第1の開示例と同じである。
【0089】操作部119には、挿入部72を回動自在
に保持する操作部本体120と一体的に形成された末端
がリング状の固定ハンドル121と、支点部材122に
より固定ハンドル121に回動自在に接続され、駆動軸
73と係合している末端がリング状の可動ハンドル12
3が設けられている。
【0090】固定ハンドル121にはスリット124が
形成され、スリット124内にはばね性を有する板状の
ラチェット部材125が固定ハンドル121に対して回
動自在に設けられている。ラチェット部材125は回動
中心付近に略十字形状の4つのアーム126,127,
128,129が形成されている。アーム126はスリ
ット124を越えて左方に伸び、その先端には指で操作
するためのレバー部材130が設けられている。アーム
127は可動ハンドル123に向かう方向に伸びその先
端に爪部131が形成されている。また、アーム127
の先端の両側には板状の規制部材62がアーム127と
一体的に設けられている。アーム128は上方に向かっ
て伸び、その途中で90゜捻って付勢ばね部133を形
成している。付勢ばね部133はその途中で鈍角的に曲
げ、固定ハンドル121の側面と当接する当接部134
を形成している。
【0091】アーム129は下方に向かって伸びその先
端に係合部135を形成している。またアーム129の
先端の両側には板状の規制部材136がアーム129と
一体的に設けられる。また、固定ハンドル121の末端
には突き当て部137を有するスリット138が形成さ
れ、スリット138内には解除レバー139が固定ハン
ドル121に対して回動自在に設けられている。
【0092】解除レバー139は、アーム129の係合
部135と係合する凸部140を形成し、スリット14
8の突き当て部137と突き当たる平面部141を形成
している。さらに、解除レバー139の凸部140が形
成された反対側には指で操作するための指当て部142
が形成されている。
【0093】また、可動ハンドル123にはラチェット
アーム143が固定されており、ラチェットアーム14
3にはラチェット部材125の爪部131と係合する複
数のラチェット歯144が固定ハンドル121に向けて
形成されている。ラチェットアーム143はアーム12
7の両側の規制部材132の間に配置されている。
【0094】次に、前述のように構成された手術用処置
具118の作用について説明する。可動ハンドル123
を時計方向に回動させると、駆動軸73が後端側に移動
し、図示しない処置部が駆動する。このときラチェット
部材125の爪部131は、アーム128の付勢ばね部
133による付勢力に逆らってラチェットアーム143
のラチェット歯144上を滑りながら移動し、図18
(a)に示すように可動ハンドル123が反時計方向に
回動するのを規制する形でラチェット歯144と係合す
る。すなわち図18(a)の状態では、可動ハンドル1
23は反時計方向に回動されることはない。
【0095】このときレバー部材130を下方に押す
と、ラチェット部材125は、アーム128の付勢ばね
部133による付勢力に逆らって反時計方向に回動し、
ラチェット歯144と爪部131の係合が解除され、可
動ハンドル123は時計方向及び反時計方向に回動可能
となる。またレバー部材130を下方に押す操作をやめ
ると、アーム128の付勢ばね部133による付勢力に
よって、再び図18(a)の状態に戻り、ラチェット部
145が係合する。すなわちレバー部材130の操作を
行うことによりラチェット部145の一時的な解除が可
能となる。
【0096】また、図18(a)の状態より指当て部1
42を左方向に押すと、解除レバー139が時計方向に
回動し、凸部140がアーム129の両側の規制部材1
36の間を通ってアーム129の側面と接触し、ラチェ
ット部材125がアーム128の付勢ばね部133の付
勢力に逆らいながら反時計方向に回動する。このとき解
除レバー139に対する付勢ばね部133の付勢力はア
ーム129を介して解除レバー139を反時計方向に回
動させるように働く。
【0097】ここで、さらに指当て部142を左方向に
押し、解除レバー139を時計方向に回動させると、ア
ーム129を介して解除レバー139に与える付勢ばね
部133の付勢力が解除レバー139の回動中心に向か
う位置を越え、解除レバー139の凸部140をアーム
129の係合部135とが接触し、解除レバー139を
時計方向に回動させるような付勢ばね部133による付
勢力が働く。
【0098】そして、その付勢力により、解除レバー1
39は図18(b)に示すように、解除レバー139の
平面部141とスリット138の突き当て部137が突
き当たる位置まで自動的に回動する。このときラチェッ
ト部材125の爪部131と、ラチェットアーム143
のラチェット歯144とは常に係合しない位置関係とな
り、可動ハンドル123は時計方向及び反時計方向に回
動可能となる。
【0099】また、前述と逆の解除レバー139の操作
を行うことにより、解除レバー139及びラチェット部
材125は、図18(a)に示す位置に戻り、ラチェッ
ト部145が係合した状態となる。ここで図18(a)
の状態で解除レバー139が不意に回動するのを防ぐた
め、解除レバー139の凸部140及びスリット138
にクリック機構等の係止手段を付加してもよい。
【0100】したがって、ラチェット機構を有しながら
もラチェット機構を有さない手術用処置具と同様の操作
性を選択的に得られる。図19及び図20は第4の開示
例で、内視鏡下手術に使用される手術用処置具147を
示し、図19(a)はラチェット部が係合している状態
の一部切欠した側面図、図19(b)はラチェット部の
拡大した側面図、図20はラチェット部が解除している
状態の一部切欠した側面図である。操作部148以外の
構成は第1の開示例と同じである。
【0101】操作部148には挿入部72を回動自在に
保持する操作部本体149と一体的に形成された末端が
リング状の固定ハンドル150と、支点部材151によ
り、固定ハンドル150に回動自在に接続され、駆動軸
73と係合している末端がリング状の可動ハンドル15
2が設けられている。
【0102】固定ハンドル150には溝部153が形成
され、溝部153の上側には爪部154を形成してい
る。固定ハンドル150には溝部153の一部が爪部1
54の全体を覆う形で規制部材155が固定ハンドル1
50に一体的に設けられている。
【0103】規制部材155には断面が円形状のピン部
156が図19(a)中で手前に向かう方向に形成され
ている。可動ハンドル152にはスリット157が形成
され、スリット157内にはスリット157の幅よりも
十分薄く、ばね性を有する板状のラチェット部材158
が可動ハンドル152に対して回動自在に設けられてい
る。
【0104】ラチェット部材158は回動中心付近に右
下方に伸びるアーム159が形成されている。アーム1
59はその途中で90゜捻って付勢ばね部160を形成
している。付勢ばね部160はその途中で鈍角的に曲
げ、可動ハンドル152の側面と当接する当接部161
を形成している。またラチェット部材158には爪部1
54と係合する複数のラチェット歯162を固定ハンド
ル150に向けて形成している。
【0105】ラチェット部材158は固定ハンドル15
0の溝部153と規制部材155の間を通って伸びその
先端には指で操作するためのレバー部材163が設けら
れている。また、ラチェット部材158にはピン部15
6と係合する円弧状の溝164をラチェット歯162の
下方に形成している。
【0106】次に、前述のように構成された手術用処置
具147の作用について説明する。可動ハンドル152
を時計方向に回動させると駆動軸73が後端側に移動
し、図示しない処置部が駆動する。このとき、ラチェッ
ト部材158のラチェット歯162は、アーム159の
付勢ばね部160による付勢力に逆らって固定ハンドル
150の爪部154上を滑りながら移動し、図19
(a)(b)に示すように可動ハンドル152が反時計
方向に回動するのを規制する形で爪部154と係合す
る。すなわち、図19(a)の状態では可動ハンドル1
52は反時計方向に回動されることはない。
【0107】このとき、レバー部材163を下方に押す
と、ラチェット部材158はアーム159の付勢ばね部
160による付勢力に逆らって反時計方向に回動し、ラ
チェット歯162と爪部154の係合が解除され、可動
ハンドル152は時計方向及び反時計方向に回動可能と
なる。また、レバー部材163を下方に押す操作をやめ
ると、アーム159の付勢ばね部160による付勢力に
よって、再び図19(a)の状態に戻り、ラチェット部
165が係合する。すなわち、レバー部材163の操作
を行うことにより、ラチェット部165の一時的な解除
が可能となる。
【0108】また、図19(a)の状態より、レバー部
材163を下方に押し、ラチェット部材158をアーム
159の付勢ばね部160の付勢力に逆らいながら、規
制部材155に覆われていない位置まで反時計方向に回
動し、その時点で図19(a)中で手前方向にレバー部
材163を押すと、ラチェット部材158は、規制部材
155の下方を通って規制部材155の手前側に移動す
る。
【0109】ここで、さらに、レバー部材163を手前
側に押すと、可動ハンドル152のスリット157と、
ラチェット部材158のスリット157内に収納されて
いる部分とが接触し、ラチェット部材158は手前側に
弾性変形する。そしてラチェット部材158の溝164
が規制部材155のピン部156を乗り越える位置まで
弾性変形させ、溝164とピン部156の位置を合わせ
た状態で、レバー部材163を手前側に押す操作をやめ
ると、図20に示すように、溝164とピン部156が
係合した状態となる。このときラチェット部材158の
手前側への弾性変形は元に戻り、アーム159の当接部
161は、可動ハンドル152の側面と当接していない
状態となる。
【0110】さらに、ラチェット部材158のラチェッ
ト歯162と固定ハンドル150の爪部154は常に係
合しない位置関係となるため、可動ハンドル152は時
計方向及び反時計方向にスムーズに回動可能となる。ま
た、前述と逆のレバー部材163の操作を行うことによ
り、ラチェット部材158は図19(a)に示す位置に
戻りラチェット部165が係合した状態となる。
【0111】したがって、ラチェット部165の一時的
な解除及びラチェット部材158の解除位置、係合位置
への操作を全てレバー部材163により行えるため操作
性に優れる。
【0112】図21は第5の開示例で、内視鏡下手術に
使用される手術用処置具167を示し、図21(a)は
ラチェット部が解除している状態の側面図、図21
(b)は図21(a)のF−F線に沿う断面図、図21
(c)は図21(a)のG矢視図である。操作部148
以外の構成は第1の開示例と同じである。
【0113】操作部168には挿入部72を回動自在に
保持する操作部本体169と一体的に形成された末端が
リング状の固定ハンドル170と、支点部材171によ
り固定ハンドル170に回動自在に接続され、駆動軸7
3と結合している末端がリング状の可動ハンドル172
が設けられている。
【0114】可動ハンドル172の上端側には半円形状
の突出部173と、突出部173の略中心位置に可動ハ
ンドル172の回転中心となる支点部材171を挿通す
る孔が設けられている。
【0115】また、固定ハンドル170の上端側には突
出部173を嵌入する収納溝を有する突起部174が突
出部173を挟んで両側に設けられている。この突起部
174の収納溝の両側には支点部材171が摺動可能な
長円孔175が各々設けられている。
【0116】さらに、固定ハンドル170の突起部17
4の近傍には適度の弾性を有するゴム176と、ゴム1
76に固着したゴム176を保護する保護板177,1
78からなる操作力緩和手段としてのばね部179が設
けられ、固定ハンドル170に固定されている。
【0117】可動ハンドル172を時計方向に操作した
ときにゴム176が組み込み状態から変形を開始すると
きの力量である設定力量以上の力量が付加されない通常
の使用状態において、ばね部179は突出部173に貫
通した支点部材171を突出部173の外周面を通して
長円孔175内の通常の使用位置としてのばね部179
と離れた側の端に予めゴム176が圧縮されることによ
り、押圧するように設定されている。
【0118】また、固定ハンドル170の末端には円弧
状のラチェットアーム171が可動ハンドル172に向
けて設けられている。ラチェットアーム180には図2
1(c)に示すように複数のラチェット歯181が形成
されている。可動ハンドル172の末端には円弧状のラ
チェットアーム182が固定ハンドル170に向けて形
成されている。ラチェットアーム182には図21
(c)に示すようにラチェットアーム180のラチェッ
ト歯181と係合する複数のラチェット歯183が形成
されている。ここで、ラチェットアーム180のラチェ
ット歯181と、ラチェットアーム182のラチェット
歯183とは、設定力量以上の力量が付加されない通常
の使用状態においては、係合しない位置関係となってい
る。
【0119】次に、前述のように構成された手術用処置
具167の作用について説明する。設定力量未満の力量
で可動ハンドル172を回動操作するときは、支点部材
171はゴム176の弾性力によって一方向に押圧され
ているため、通常の使用位置(長円孔175内のばね部
179と離れた側の端)に保持されている。またこのと
き、ラチェットアーム180とラチェットアーム182
とからなるラチェット部184は係合しな位置関係とな
っているため、可動ハンドル172は反時計方向及び時
計方向に感動可能となり、駆動軸73を介した図示しな
い処置部の駆動が自在となる。
【0120】図21(a)は、駆動軸73がその可動範
囲の中で、最も後端側に移動したときの状態を示してい
る。よって、設定力量未満の力量で可動ハンドル172
を図21(a)の状態より時計方向に回動しようとして
も、ゴム176が変形を開始しないため、可動ハンドル
172は図21(a)の状態より時計方向に回動するこ
とはない。ここで、設定力量以上の力量で可動ハンドル
172を図21(a)の状態より時計方向に回動操作す
ると、支点部材171はゴム176の弾性に抗して長円
孔175に沿って他端に向かって移動し、その結果、可
動ハンドル172のラチェットアーム182のラチェッ
ト歯183が固定ハンドル170のラチェットアーム1
80のラチェット歯181上を滑りながら移動し、可動
ハンドル172が反時計方向に回動するのを規制する形
でラチェット歯181と係合する。このとき、ラチェッ
ト歯183がラチェット歯181を乗り越えるために、
固定ハンドル170と可動ハンドル172が弾性変形す
ることになる。またこのとき突出部173は、その外周
を通して保護板178を押圧し、保護板178はこの押
圧力を均等に分散させてゴム176に伝達して、ゴム1
76は弾性変形して前記設定力量以上の過大な力を吸収
するため、駆動軸73には設定力量以上の操作力が加わ
ることはない。
【0121】ここで、ラチェットアーム180のラチェ
ット歯181と、ラチェットアーム182のラチェット
歯183を解除する方向に固定ハンドル170と可動ハ
ンドル172を弾性変形させ、可動ハンドル172に加
えていた操作力を設定力量未満にすると、弾性変形して
いたゴム176が元の組み込み状態に復帰し、支点部材
171は通常の使用位置に戻る。すなわち図21(a)
の状態に戻る。
【0122】したがって、設定力量未満の力量で可動ハ
ンドル172を回動操作するとき、ラチェットアーム1
80とラチェットアーム182とからなるラチェット部
184は係合しないため操作性に優れる。
【0123】また、ラチェット部184を係合、解除す
るため可動ハンドル172を設定力量以上の力量で回動
操作するとき、ゴム176が設定力量以上の過大な力を
吸収し、駆動軸73に設定力量以上の操作力が加わるこ
とはない。すなわち処置具に設定力量以上の操作力が加
わることがないため、駆動軸73や処置部の破損を防止
できると共に、処置部にて処置する臓器や組織の不用意
な損傷を防ぐことができる。
【0124】なお、第5の開示例のばね部179及び長
円孔175の代わりに、突起部174に支点部材171
を挿通する孔を設けると共に、駆動軸73の材料を例え
ばNi−Ti合金からなる超弾性合金にすることによ
り、第5の開示例と同様の効果が得られる。
【0125】また、内視鏡用鉗子において、ダブルカム
機構を採用した開閉駆動機構が知られている。このダブ
ルカム機構は、2つのカムのみをで支持するため、全開
時と全閉時との中間において取り得る位置が一意に定ま
らず、この結果、全閉となる位置の少し前においてジョ
ー同士が軸方向にずれた状態となり、ジョーに刻まれた
歯がずれた位置でかみ合ってしまうことがある。
【0126】図22〜図24は第6の開示例を示し、開
閉時のジョーの食い違いを解消するようにしたものであ
る。図22は内視鏡用鉗子の全体構成図、図23(a)
(b)は先端部の一部切欠した平面図と側面図、図24
(a)(b)は先端部の一部切欠した全閉状態と全開状
態の側面図である。
【0127】内視鏡用鉗子191は、挿入部192と操
作部193とから構成されている。挿入部192は先端
部194とシース部195とからなり、先端部194に
は一対のジョー196とその駆動機構197が設けられ
ている。シース部195には管状シース198とその内
部に配置され先端部194の駆動機構197につながる
操作棒199が設けられている。操作部193には固定
ハンドル200とこの固定ハンドル200に支軸202
によって回動可能に枢支された可動ハンドル201が設
けられている。
【0128】次に、内視鏡用鉗子191の作用について
説明する。内視鏡用鉗子191の挿入部192をトラカ
ールを介して患者の腹腔等に挿入する。操作部193を
術者が操作することによって先端部194のジョー19
6が開閉し、臓器、血管、腹膜等の対象を把持または剥
離することができる。鋏鉗子の場合も、操作部193の
操作によって先端部194が開閉して対象部位を切断ま
たは剥離することができる。
【0129】図23に示すように、一対のジョー196
は支軸203により保持部材204に旋回可能に支持さ
れている。なお、支軸203はカム軸でもある。ジョー
196に設けた支軸203を通す孔は長円形のカム溝で
もある。また、一対のジョー196同士は回転軸である
共通支軸205により相互に旋回可能に支持されてい
る。ジョー196の後端には段差196aが設けられ、
駆動部材206を挟んで駆動部材206に設けたカム溝
206aと、ジョー196の後端に形成したカムピン1
96bとを係合させている。また、駆動部材206の基
端部には前記操作棒199が取り付けられている。さら
に、管状シース198、保持部材204の外周は絶縁チ
ューブ207で被覆されている。
【0130】次に、前述のように構成された内視鏡用鉗
子の作用について説明する。図24(a)の状態では支
軸203はジョー196の共通支軸205より先端側に
設けた先端側カム溝196cに係合している。操作棒1
99を図中左方向に押すことにより支軸203は先端側
カム溝196cの基端側に移動し、カムピン196bは
段差196aの基端側に移動する。
【0131】この結果、図24(b)の状態となる。駆
動部材206の裏側にはもう一つのカム溝(図示せず)
が挿入部192の長手方向の軸に対して軸対称に設けて
あるので、もう一つのジョー196も全く同一の運動を
する。図24(a)(b)の中間の状態においても、共
通支軸205によって拘束されているため一対のジョー
196同士は前後方向にずれることなく、上下対称な位
置を保つ。したがって、開閉時のジョー196の食い違
いを解消できる。
【0132】図25は第7の開示例を示し、図25
(a)は内視鏡用鉗子の先端部の一部切欠した平面図、
図25(d)は同側面図であり、共通支軸205を独立
した部品とせず、一つのジョー196と一体化し、先端
側カム溝196cと干渉することなくピン径を大きくし
て強度を増加させたものである。
【0133】すなわち、一つのジョー196にピン状突
起196dが形成されている。もう一つのジョー196
にはピン状突起196dに対応した形状寸法の嵌合穴1
96eが設けられている。なお、この嵌合穴196eは
貫通孔でもよい。先端側カム溝196cは、ピン状突起
196d、嵌合穴196eに食い込んでいる。これは先
端側カム機構の動作を妨げないためである。また、この
ように食い込んでもピン状突起196d、嵌合穴196
eの共通支軸205としての機能には支障はない。
【0134】駆動部材206の先端側の端面には大きく
なった共通支軸205との干渉を避けるための逃げ部2
06bが形成されている。これは駆動部材206の軸方
向の移動を妨げず、カム機構を完全に動作させるために
は不可欠である。ただし、設計次第では不要になること
もある。
【0135】前記構成によれば、先端側カム溝196c
と干渉することなく共通支軸205を形成することがで
きる。このため、ピン径、ピン位置の制約がなくなり、
強度、設計上の自由度が増加する。また、部品点数が減
ることによりコストが減少する。さらに、共通支軸20
5を2つの部品の孔を位置合わせした後に通すという面
倒な作業が不要となる。なお、ピン状突起196d、嵌
合穴196eを嵌合させることにより略一体として扱う
ことが可能になる。
【0136】図26は第8の開示例を示し、図26
(a)は内視鏡用鉗子の先端部の一部切欠した平面図、
図26(d)は同側面図である。ジョー196の側面に
は係合突起196fが形成され、保持部材204の側面
には係合溝204aが形成されている。係合突起196
fは第5、6の開示例における共通支軸205の位置に
形成され、係合溝204aは係合突起196fに対応す
る位置に軸方向に長い長円形の形状としている。第6、
7の開示例における共通支軸205は係合溝204aと
同じ位置を移動するので、一対のジョー196同士を拘
束する代わりにジョー196と保持部材204とを拘束
したものである。全開と全閉の中間において、ダブルカ
ム機構のみでは一意に定まらないジョー196の位置を
係合突起196fと係合溝204aにより一意に定め
る。したがって、ジョー196に共通支軸205のため
の孔を開ける必要がなくなるので、先端側のカム溝19
6cとの干渉を気にする必要がなくなる。
【0137】図27は第9の開示例を示し、図27
(a)は内視鏡用鉗子の先端部の一部切欠した平面図、
図27(d)は同側面図であり、ジョー196にカムピ
ン206cを形成せず、カム溝のみとして簡素な構造と
したものである。すなわち、基端側カム機構を、先端側
カム機構と同じくジョー196に溝を形成したものとす
る。駆動部材206はカム溝206aを形成する代わり
にカムピン206cが形成されている。
【0138】カムピン206cは駆動部材206に削り
出しで形成しても良いし、孔を開けてピンを通した構造
でも良い。また、2つの鋏刃208の間にカムピン20
6が介在する構造の他に、カムピン206にスリット2
06dを形成してカムピン206を軸のように通した構
造とし、スリット206dの間に鋏刃208の基端側を
挟む構造でも良い。
【0139】したがって、構造が簡素となり、低コスト
となる。また、ジョーにカム溝を形成するだけになるの
で薄くすることができ、板状の素材から容易に作成する
ことができる。鋏鉗子として好適な構造である。
【0140】なお、第6の開示例と第8の開示例を複合
したものでもよい。すなわち、第6の開示例の共通支軸
205を延長して第8の開示例の係合突起196fに相
当する形状とし、保持部材204に第8の開示例と同じ
係合溝204aを形成したものでもよい。このように構
成することにより、共通支軸205によりジョー196
同士を拘束しつつ、保持部材204に対しても位置ずれ
を防止しながら開閉する。
【0141】前述した第6〜第9の開示例によれば、ダ
ブルカム機構による長所を全て維持しつつ、この構造に
不可避のジョーの食い違いを防止することができる。こ
の結果、鉗子の先端において位置ズレによる食い違い発
生しなくなり、微細な対象を確実に把持することができ
る。
【0142】また、ジョー同士を共通支軸によって支持
し、さらに共通支軸の両端をカシメる等して脱落しない
よう組み立てることにより部品組立品とすることができ
る。これにより組立時の部品の扱いが容易になる。
【0143】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、内視鏡下外科手術において高周波電流を用いて高周
波処置中、高周波電流により発生した熱により変性した
体液や組織等が先端処置部に付着するのを防ぐことがで
き、体液や組織の先端処置部への付着による通電不良に
よる処置不能状態を防ぐことができる。したがって、術
者はより処置に集中でき、手術時間の短縮につながり患
者への負担の軽減にもつながるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す電極の側面
図。
【図2】同実施形態の電極の先端部の縦断側面図。
【図3】同実施形態の電極の先端処置部の縦断側面図。
【図4】同実施形態の電極の先端処置部の異なる例を示
す図。
【図5】この発明の第2の実施形態を示す鉗子の側面
図。
【図6】同実施形態の鉗子の先端部を示し、(a)は縦
断側面図、(b)はA部を拡大した縦断側面図。
【図7】この発明の第3の実施形態の鉗子を示し、
(a)は側面図、(b)はB部を拡大した断面図。
【図8】同実施形態の鉗子の作用を説明するためのもの
で、(a)は側面図、(b)はD部を拡大した断面図。
【図9】同実施形態の鉗子の作用を説明するためのもの
で、組織を切開する状態を示す図。
【図10】この発明の第4の実施形態の高周波コードを
示し、(a)は側面図、(b)はE部を拡大した断面
図。
【図11】同実施形態のバイポーラ処置具の側面図。
【図12】この発明の第5の実施形態の高周波コードを
示す側面図。
【図13】同実施形態の受け部材の縦断側面図。
【図14】同実施形態のモノポーラ処置具の側面図。
【図15】同実施形態の接続部材の変形例を示す縦断側
面図。
【図16】第1の開示例としての手術用処置具を示し、
(a)は一部切欠した全体の側面図、(b)はラチェッ
ト部の一部切欠した側面図。
【図17】第2の開示例としての手術用処置具を示し、
(a)は一部切欠した全体の側面図、(b)はラチェッ
ト部の一部切欠した側面図。
【図18】第3の開示例としての手術用処置具を示し、
(a)は一部切欠した側面図、(b)はラチェット部の
一部切欠した側面図。
【図19】第4の開示例としての手術用処置具を示し、
(a)は一部切欠した側面図、(b)はラチェット部の
一部切欠した側面図。
【図20】同開示例のラチェット部が解除している状態
の一部切欠した側面図。
【図21】第5の開示例としての手術用処置具を示し、
(a)は側面図、(b)はF−F線に沿う断面図、
(c)はG矢視図。
【図22】第6の開示例としての内視鏡用鉗子の側面
図。
【図23】同開示例の挿入部の先端部を示し、(a)は
縦断平面図、(b)は縦断側面図。
【図24】同開示例の挿入部の先端部を示し、(a)は
全閉状態の縦断側面図、(b)は全開状態の縦断側面
図。
【図25】第7の開示例としての内視鏡用鉗子の先端部
を示し、(a)は縦断平面図、(b)は縦断側面図。
【図26】第8の開示例としての内視鏡用鉗子の先端部
を示し、(a)は縦断平面図、(b)は縦断側面図。
【図27】第9の開示例の挿入部の先端部を示し、
(a)は全閉状態の縦断側面図、(b)は全開状態の縦
断側面図。
【符号の説明】
1…電極(高周波処置具) 2…挿入部 3…操作部 8…先端処置部 9…金属被覆
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋口 敏彦 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号オリン パス光学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処置具本体の先端処置部の表面に非粘着
    性の性質を有する金属被覆を施したことを特徴とする内
    視鏡用高周波処置具。
JP9086618A 1997-04-04 1997-04-04 内視鏡用高周波処置具 Pending JPH10277050A (ja)

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