JP3746541B2 - 居眠り運転検出装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、居眠り運転検出装置に関し、詳しくは、先行車との関係や車線との関係で居眠り運転の状態を検出する居眠り運転検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、居眠り運転検出装置として、特開平5−162562号公報や特開平5−69757号公報に記載のものが知られている。
【0003】
前者の装置は、要するに先行車との関係で居眠り運転の状態を検出するものであるが、このために、先行車が有るときに先行車との車間距離を計測して、所定期間(5分)に亘るこの車間距離の変化について標準偏差を算出し、この標準偏差が所定の閾値を超えた場合に居眠り運転と判定するものとなっている。
【0004】
後者の装置は、要するに車線との関係で居眠り運転の状態を検出するものであるが、このために、ドアミラー等に設けられた受発光器等を用いて走行区分帯内での横変位を計測して、所定期間(4〜5分)に亘るこの横変位の変化について標準偏差を算出し、この標準偏差が所定の閾値を超えた場合に居眠り運転と判定するものとなっている。
【0005】
そして、何れの装置も、所定期間に亘る測定値の標準偏差が閾値を超えて、自車の運転状態が居眠り運転の状態にあることを検出すると、運転者に対して警報等を発する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の居眠り運転検出装置は、測定値の標準偏差に基づいて居眠り運転を検出するものであることから、居眠り運転の状態か否かの判定には、これに先立つ数分程度の固定的な時間の経過を避けることができない。
【0007】
このため、一定期間の経過を待たずに、速やかに、運転者を覚醒させることを可能にするため、固定的な一定期間の経過を必要としないで居眠り運転を検出することができる装置を新たに開発することが重要な課題となる。
【0008】
そこで、発明者は、運転者の覚醒度が低くなると、すなわち意識レベルが薄れて来ると、状況判断や運転操作における機敏性を欠くこととなるため、道路状況に応じて運転操作に遅れが生じるとともに、この遅れを補おうとして操作量が大きくなりがちであるという特性に着目した。
【0009】
そして、具体的な調査の結果、先行車との関係では、覚醒度の低い状態での運転の場合、先行車の減速に対し、ブレーキを操作する等の減速操作が遅れて車間距離が極端に短縮しがちであり、しかも、この遅れを取り戻そうとしてその後にブレーキを強く踏み過ぎることが明確となった。
【0010】
また、車線との関係では、路面状況やカーブの曲がり具合い等に応じて横移動したことにより自車の走行車線に対して横変位して片寄りが生じた場合、自車の横変位を修正するのが遅れて、特に覚醒度の低下に連れてこの遅れが大きくなって、徐々に蛇行が大きくなるということも明らかになった。しかも、このような蛇行運転によって車線の境界に迫ったり、さらにはこれを超えたり、あるいは路肩にはみ出したりした場合等に、このことに気づくと車線中央に自車を戻そうとして、慌ててステアリングホィールを急激に操作するということも判明した。
【0011】
この発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、先行車との関係でのブレーキ操作等の減速操作に基づいて速やかに居眠り運転の状態を検出することができる居眠り運転検出装置を提供することを目的とする。
また、この発明は、車線との関係での操舵特性に基づいて速やかに居眠り運転の状態を検出することができる居眠り運転検出装置を提供することをも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の居眠り運転検出装置は、自車の走行状態が居眠り運転の状態であることを検出する車両搭載用の居眠り運転検出装置において、先行車との車間距離又は相対速度と自車の加速度と自車のブレーキ又はアクセルの操作状態とに基づいて先行車と自車との接近に応じた自車の減速を検出する検出手段と、前記検出手段によって前記自車の減速を検出した際、この自車減速の期間中における前記加速度の絶対値の最大値及び前記自車減速の検出当初の車間距離を求める設定手段と、この設定手段によって求められた前記加速度の絶対値の最大値が通常運転での加速度に基づく第1の閾値以上であること、及び前記設定手段によって求められた前記自車減速の検出当初における車間距離が通常運転における車間距離に基づく第2の閾値よりも小さいか否かにより減速操作の遅れを判別する判別手段とを備えて、この判別手段の結果によって居眠り運転を検出することを特徴とするものである。
【0014】
【作用】
このような本発明による居眠り運転検出装置にあっては、自車の走行状態が居眠り運転の状態であることを検出するに際し、先行車が有ってこの先行車が減速した場合において居眠り運転をしていたときには車間距離が異常に小さくなるまで減速操作が遅れる一方で減速操作時には過度なブレーキ踏込を伴うという特性に基づいて居眠り運転を検出する。
【0015】
具体的には、先行車との車間距離等と自車の加速度と自車のブレーキ等操作状態とに基づいてこの先行車と自車との接近に応じた自車の減速が検出され、さらに、この自車減速の期間中における加速度の絶対値の最大値も求められ、それから、この最大値と自車減速当初における車間距離の値とが所定の閾値と比較される。そして、この比較結果によって上記の特性に合致した居眠り運転の状態が検出される。
【0016】
これにより、減速期間中の検出・算出等の処理を経て減速時には居眠り運転か否かの判定結果が出される。そこで、所定の固定された数分もの時間の経過を待たなくても、一般に数秒程度に過ぎない減速期間の経過後直ちに、判定結果が出される。
【0017】
したがって、本発明による居眠り運転検出装置は、先行車との関係での減速操作に基づいて速やかに居眠り運転の状態を検出することができる。
【0022】
【実施例】
本発明の居眠り運転検出装置の第1実施例について、その構成を説明する。図1は概要構成図であり、図2は機能ブロック図であり、図3は居眠り判定処理のフローチャートであり、図4はそこで参照される基準値の定め方を示すグラフであって、(a)は第1の閾値としての基準値である基準車間距離Lsについてのものであり、(b)は第2の閾値としての基準値である基準加速度Gsについてのものである。
なお、A/D変換回路等の極く一般的なハードウェア構成部分については図示及びその説明を割愛する。
【0023】
この居眠り運転検出装置は、自車としての車両10に搭載される装置である。この車両10には、車体上部に設けられてそこから見える前方の映像を撮像して前方映像信号I,Jを出力する一対のCCDカメラ20と、車両10の運転状態を検出するための各種センサ等40とが備えられている。センサ等40には、アクセルの操作状態に応じて“ON”又は“OFF”のアクセル作動状態Aを出力するアクセル作動スイッチ41と、ブレーキの操作状態に応じて“ON”又は“OFF”のブレーキ作動状態Bを出力するブレーキ作動スイッチ42と、車両10の走行方向を正とする加速度Gを検出する前後加速度センサ43と、車速Vを検出して出力する車速センサ44とが含まれている。そして、これらの検出された前方映像信号I,Jや、アクセル作動状態A等は居眠り運転検出装置に送出される。また、このことと対応して、居眠り運転検出装置は、これらを入力するものとなっている。なお、車速センサ44は居眠り運転検出装置の構成に応じて選択的に装備されるものである。
【0024】
また、車両10には、居眠り警報Sを受けて警報音を発するスピーカ等の警報出力装置60も設けられており、このことに対応して、居眠り運転検出装置は、判別結果に応じた居眠り警報Sを生成して警報出力装置60等に送出するものとなっている。
【0025】
この居眠り運転検出装置の構成は、大別して、画像処理に適したDSP(デジタルシグナルプロセッサ)30と、一般的な情報処理に適したMPU(マイクロプロセッサ)50と、これらの間で必要な情報を転送するための不図示のインターフェイスとからなるものである。
【0026】
DSP30は、前方映像信号I,Jを入力し、この前方映像から所望の情報を検出し、この情報をMPU50に送出するものである。そして、このために、前方映像信号I,Jのデータを受けて保持するためのステレオ画像31の領域と、ステレオ画像31にアクセスしてこれに箱パターンの特徴抽出等の処理を行って先行車が有るときにこれを検出するとともにステレオ画像31における視差角等に基づいてその先行車との車間距離Lを検出する先行車検出部32とを備えたものである。
【0027】
MPU50は、メモリ等を内蔵した1チップコンピュータであり、先行車検出部32によって検出された車間距離Lからこれに差分等の処理を行って相対速度Rを算出する相対速度算出部51と、タイマ割り込み等による所定周期でアクセル作動状態Aとブレーキ作動状態Bと加速度Gと車速Vとを入力しておくセンサ信号取込部52と、これら入力値に基づいて車両10の運転状態が居眠り運転の状態にあるか否かを判別する居眠り判定部53とを有して、これらを実行処理した結果生成された居眠り警報Sを警報出力装置60に送出するものである。
【0028】
次に、居眠り判定部53の処理について図3を参照して詳述する。
居眠り判定部53は、先ず、相対速度Rと加速度Gとアクセル作動状態Aとブレーキ作動状態Bとに基づいて、論理式[(R<0).AND. (G<0).AND. {(A:“OFF”).OR.(B:“ON”)}]を論理演算し(ステップS1)、これにより、先行車の減速等によるこの先行車と自車との接近(R<0)に応じた操作によって((A:“OFF”),(B:“ON”))自車が減速させられた(G<0)か否かを判別する。そして、この結果が“真”即ち“YES”であれば自車の減速が検出できたものと判定してこの減速期間についての居眠り運転を検出するための処理(ステップS2以降)を行う一方、“偽”即ち“NO”であれば単なる異常接近を検出するための処理(ステップS8以降)を行うものとなっている。
【0029】
次に、上述の判別結果が“YES”の場合、自車減速時の検出当初における車間距離を後の処理に備えて保持するため、このときの車間距離Lの値を当初車間距離Lmにセーブする(ステップS2)。
【0030】
また、最大加速度Gmを零クリア(ステップS3)した後、加速度Gが正(G≧0)の間継続して(ステップS5)、最大加速度Gmの値と加速度Gの絶対値との大きい方を最大加速度Gmに代入する(ステップS4)。これにより、今回の減速期間中における加速度Gの絶対値の最大値を求めるものとなっている。
【0031】
そして、当初車間距離Lmと基準車間距離Lsと最大加速度Gmと基準加速度Gsとに基づいて、論理式[(Lm<Ls).AND. (Gm≧Gs)]を論理演算して(ステップS6)、通常運転における同一条件下で測定した車間距離に基づいて定められた基準車間距離Lsよりも当初車間距離Lmが小さいこと、及び最大加速度Gmが通常運転での加速度に基づく基準加速度Gs以上であることの判別を行うものである。
【0032】
ここで、基準車間距離Lsは、先行車が有ってこの先行車が減速した場合において居眠り運転をしていたときには車間距離が異常に小さくなるまで減速操作が遅れることに対応して、覚醒時運転において通常測定される車間距離よりも十分に小さな値に設定されている(図4(a)参照)。また、基準加速度Gsは、そのような減速操作には過度なブレーキ踏込を伴うことに対応して、覚醒時運転において通常測定される加速度よりも十分に大きな値に設定されている(図4(b)。そこで、先行車との関係での減速操作に基づいて居眠り運転の状態が検出されるのである。
【0033】
そして、上記の判別の結果が“YES”であれば、居眠り運転が行われていると判定して、居眠り警報Sを警報出力装置60に送出する処理(ステップS7)を行う。これにより、この減速期間での減速操作が居眠りしながらの減速操作であったか否かの判定及び警報が、減速期間の終了後直ちに行われる。
したがって、居眠り判定部53は、先行車との関係での減速操作に基づいて速やかに居眠り運転の状態を検出するものとなっている。
【0034】
また、ステップS8以降の処理では、論理式[(R<0).AND. (A:ON).AND. (B:OFF)]を論理演算し(ステップS8)、この結果が“YES”のときは先行車との関係での減速操作に基づかない先行車との接近が検出される。この場合、車速Vに安全距離算出係数“2”を乗算して求めた値を安全車間距離Laとして(ステップS9)、車間距離Lと安全車間距離Laとを比較し(ステップS10)、その結果、車間距離Lが安全車間距離Laよりも小さいときには、接近警報(S)を警報出力装置60に送出する(ステップS11)。これにより、この居眠り判定部53は、居眠り運転の検出に加えて、単なる異常接近をも検出して警報するものとなっている。
【0035】
第1実施例の居眠り運転検出装置について、その動作を説明する。
【0036】
車両10の走行中に運転者が居眠り運転検出装置を作動させると、居眠り運転検出装置では、所定の初期化が行われ、これが済むと、DSP30及びMPU50で所定の処理が行われる。すなわち、DSP30での画像処理と、この処理結果のDSP30からMPU50への転送と、MPU50での居眠り運転の検出処理とが継続して行われる。
【0037】
これらの処理手順を詳述すると、DSP30では、先ず前方映像信号I,Jからステレオ画像データ31の取り込みが行われ、次に先行車検出部32の処理が行われる。これにより、車間距離Lが求められる。
【0038】
この車間距離Lを受けてMPU50では、相対速度算出部51の処理が行われて、相対速度Rが求められる。
また、MPU50では、センサ信号取り込み部52の処理も行われて、アクセル作動状態A、ブレーキ作動状態B、加速度G、車速Vも求められる。
さらに、これらの検出値・算出値に基づく居眠り判定部53の処理も随時又は時分割的に行われて、居眠り運転の状態か否かの判定等の判定結果が出される。
【0039】
そして、このようなDSP30やMPU50の処理が継続してなされ、居眠り運転検出装置の作動中に先行車が有ってこの先行車が減速した場合に、居眠り運転をしていたために減速操作が遅れて車間距離が異常に小さくなるとともにブレーキを過度に踏み込むと、居眠り運転が検出されて居眠り警報Sが警報出力装置60に送出される。これにより、居眠り運転をしているときには、警報出力装置60が作動するので、運転者の注意を喚起することができる。
【0040】
本発明の居眠り運転検出装置の第2実施例について、その構成を説明する。
【0041】
図5はその機能ブロック図であり、図6はその居眠り判定処理のフローチャートであり、図7は、(a)が車線検出処理による検出値の説明図であり、(b)が居眠り運転中における横変位の変化パターンの典型例を示す図である。
なお、装置の構成は図1に示した第1実施例と同様であるが、センサ等40に具体的に該当するセンサは、ステアリングシャフト部に設けられてステアリングホィールの舵角θを検出する舵角センサ45だけとなっている。
【0042】
居眠り運転検出装置の構成は、DSP30におけるステレオ画像31の領域及び車線検出部33と、MPU50における偏走変位算出部54と横速度算出部55とピーク検出部56及び57と舵角速度算出部58と居眠り判定部59とからなっている。
【0043】
詳述すると、車線検出部33は、細線パターンの特徴を抽出する等の画像処理を行い、この処理によってステレオ画像データ31から車線パターンを検出する。さらに、この車線パターンについて、車線幅Wと横変位Dを算出する(図7(a)参照)。これらの算出値は居眠り判定部59での処理に供される。これにより、車線検出部33は、自車の車線内での走行状態についての横移動状態量のうち横変位を検出するものとなっている。
【0044】
偏走変位算出部54は、車線幅Wと車幅Tとを受け、算出式[Ds={((W−T)/2)×50%}]に従って演算処理を行い、この処理によって、偏走変位Dsを算出するものである。この算出値は居眠り判定部59での偏走検出の処理に供されるものとなっている。
【0045】
横速度算出部55は、自車の車線内での走行状態についての横移動状態量のうち横速度を算出するため、横変位Dを受け、これに対して時間微分を近似する差分等の処理を行い、この処理によって、横速度Mを算出する。
【0046】
ピーク検出部57は、横変位Dを受け、これの値が負から正に変わって一旦増加してから減少に転じたとき、[DP1←(DP2)]及び[DP2←(DP3)]の処理を行うとともに、このときのピーク値を最新のピーク値DP3にセーブする。また、横変位Dの値が正から負に変わって一旦減少してから増加に転じたときも、同じ処理を行う。この処理によって、横変位Dについての最近の3個のピーク値DP1,DP2,DP3を算出するものである。
【0047】
ピーク検出部56は、横速度Mを受け、これの値が負から正に変わって一旦増加してから減少に転じたとき、[MP1←(MP2)]及び[MP2←(MP3)]の処理を行うとともに、このときのピーク値を最新のピーク値MP3にセーブする。また、横速度Mの値が正から負に変わって一旦減少してから増加に転じたときも、同じ処理を行う。この処理によって、横速度Mにつての最近の3個のピーク値MP1,MP2,MP3を算出するものである。
【0048】
舵角速度算出部58は、舵角センサ45から舵角θを受け、時間微分を近似する差分等の処理を行い、この処理によって、舵角速度δを算出するものである。
【0049】
居眠り判定部59は、偏走変位Dsとピーク値DP1,DP2,DP3とピーク値MP1,MP2,MP3と舵角速度δとを受け、これらに基づいて偏走検出の処理と、蛇行増大検出の処理と、急操舵検出の処理とを行う。そして、これらの処理結果として、自車の走行状態が居眠り運転の状態にあれば、このことを検出し、さらに、この検出に応じて居眠り警報Sを警報出力装置60に送出するものとなっている。なお、居眠り判定部53の処理については以下の動作説明にてさらに詳述する。
【0050】
かかる構成の第2実施例の居眠り運転検出装置について、その動作を説明する。
【0051】
車両10の走行中に運転者が居眠り運転検出装置を作動させると、この居眠り運転検出装置では、所定の初期化が行われた後、DSP30で、ステレオ画像データ31の取り込みと、車線検出部33の処理とが行われて、車線幅Wと横変位Dが求められる。
【0052】
この車線幅Wと横変位Dを受けてMPU50では、偏走変位算出部54の処理が行われて偏走変位Dsが求められ、ピーク検出部57の処理が行われて横変位Dのピーク値DP1,DP2,DP3が求められ、横速度算出部55とピーク検出部56との処理が行われて横速度Mのピーク値MP1,MP2,MP3が求められる。
【0053】
また、MPU50では、一定周期のタイマ割り込みのタイミング等で、舵角速度算出部58の処理が行われて、舵角速度δも求められる。これにより、居眠り判定に必要な検出値・算出値が揃う。
【0054】
そして、これらの検出値・算出値に基づく居眠り判定部59の処理も随時又は時分割的に行われる。
具体的には、横変位Dと偏走変位Dsとを比較することで偏走検出の処理が行われる(ステップS20)。その結果、横変位Dが偏走変位Dsを超える場合には、蛇行走行等に起因する片寄り即ち極端な偏走が行われていることが判明するので、さらに検出処理を続行する(“YES”側)。
【0055】
そして、蛇行増大検出の処理として、一連のピーク値DP1,DP2,DP3の絶対値を比較して[|DP1|<|DP2|<|DP3|]の関係(図7(b)参照)が成立するか否かを判別する(ステップS21)。あるいは、一連のピーク値MP1,MP2,MP3の絶対値を比較して[|MP1|<|MP2|<|MP3|]の関係が成立するか否かを判別する(ステップS22)。これらの関係のうち少なくとも1つが成立した場合には、最近の3個のピーク値の絶対値が単調増加であること、すなわち蛇行が徐々に大きくなりつつあることが判明するので、検出処理を続行する(“YES”側)。
【0056】
この段階では、急操舵検出の処理として、舵角速度δと基準舵角速度δsと比較して[δ>δs]か否かの判別を行う(ステップS23)。ここで、基準舵角速度δsは、通常運転における一般的な舵角速度を十分に超える値に設定された所定値である。そこで、この段階で舵角速度δが基準舵角速度δsを超える場合には、蛇行増大に急激な操舵が後続したことが判明するので、自車の走行状態が居眠り運転の状態にあると判定し、この判定結果に従って居眠り警報Sを警報出力装置60に送出する(ステップS24)。
【0057】
そして、居眠り運転検出装置の作動中にはこれらの処理が継続してなされるが、この作動中に車両10の運転者が居眠りすると、上述した処理手順に従って、その居眠り運転の状態が検出される。すなわち、走行車線に対する自車の蛇行が徐々に大きくなって自車が激しく偏走するに至り、さらに、この偏走から脱しようとして運転者が急激な操舵をも行うと、このような運転状態が居眠り運転の状態として検出される。そして、居眠り警報Sが警報出力装置に送出される。これにより、居眠り運転をしているときには、警報出力装置が作動するので、運転者の目を覚まさせるために運転者の注意を喚起することができる。
【0058】
なお、これらの居眠り運転検出装置は、互いに又は従来装置に対して排他的なものではない。すなわち上述した居眠り運転検出のための手段は、単一の居眠り運転検出装置に一体化して共存させることが可能であり、さらに従来の検出手段との装置内並存も可能である。このような場合、警報の発生は多めになるが、各手段が補い合って居眠り運転の検出可能な場合が豊富になるので、より安全側に作用する。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明による居眠り運転検出装置にあっては、先行車が有ってこの先行車が減速した場合において居眠り運転をしていたときには車間距離が異常に小さくなるまで減速操作が遅れる一方で減速操作時には過度なブレーキ踏込を伴うという特性に基づいて検出を行うことにより、固定時間の経過を待つこと無く、減速期間の経過後直ちに判定結果が出される。したがって、先行車との関係での減速操作に基づいて速やかに居眠り運転の状態を検出することができるという効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の居眠り運転検出装置の概要構成図である。
【図2】 本発明の居眠り運転検出装置の第1実施例について、その機能ブロック図である。
【図3】 第1実施例の装置について、その居眠り判定処理のフローチャートである。
【図4】 第1実施例の装置について、そこで参照される基準値の定め方を示すグラフである。
【図5】 本発明の居眠り運転検出装置の第2実施例について、その機能ブロック図である。
【図6】 第2実施例の装置について、その居眠り判定処理のフローチャートである。
【図7】 第2実施例の装置についての説明図である。
(a)は、車線検出処理による検出値の説明図である。
(b)は、居眠り運転中における横変位の典型例である。
【符号の説明】
10 車両(自車)
20 CCDカメラ
30 DSP(デジタルシグナルプロセッサ)
31 ステレオ画像
32 先行車検出部
33 車線検出部
40 センサ等
41 アクセル作動スイッチ
42 ブレーキ作動スイッチ
43 前後加速度センサ
44 車速センサ
45 舵角センサ
50 MPU:マイクロプロセッシングユニット
51 相対速度算出部
52 センサ信号取り込み部
53 居眠り判定部
54 偏走変位算出部
55 横速度算出部
56 ピーク検出部
57 ピーク検出部
58 舵角速度算出部
59 居眠り判定部
60 警報出力装置
A アクセル作動状態
B ブレーキ作動状態
D 横変位(横移動状態量)
Ds 偏走変位
G 加速度
Gm 最大加速度
Gs 基準加速度
L 車間距離
Lm 当初車間距離
Ls 基準車間距離
La 安全車間距離
M 横速度(横移動状態量)
R 相対速度
S 居眠り警報
T 車幅
V 車速
W 車線幅
θ 舵角
δ 舵角速度
δs 基準舵角速度
DP1,DP2,DP3 横変位のピーク値
MP1,MP2,MP3 横速度のピーク値
Claims (1)
- 自車の走行状態が居眠り運転の状態であることを検出する車両搭載用の居眠り運転検出装置において、
先行車との車間距離又は相対速度と自車の加速度と自車のブレーキ又はアクセルの操作状態とに基づいて先行車と自車との接近に応じた自車の減速を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記自車の減速を検出した際、この自車減速の期間中における前記加速度の絶対値の最大値及び前記自車減速の検出当初の車間距離を求める設定手段と、
この設定手段によって求められた前記加速度の絶対値の最大値が通常運転での加速度に基づく第1の閾値以上であること、及び前記設定手段によって求められた前記自車減速の検出当初における車間距離が通常運転における車間距離に基づく第2の閾値よりも小さいか否かにより減速操作の遅れを判別する判別手段とを備えて、
この判別手段の結果によって居眠り運転を検出することを特徴とする居眠り運転検出装置。
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