JP4063144B2 - 車両用後側方監視装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車両の後側方より接近してくる他車両を検出し、自車両と他車両との位置関係に応じて警報を出力して運転者に注意を促す車両用後側方監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自車両の後側方を撮像した撮像画像により自車両後側方から接近する他車両を検出し、自車両の車線変更時に警報を発して運転者の注意を喚起する後側方監視装置が知られている。この後側方監視装置は、自車両と他車両との相対位置および相対速度、すなわち接近度合いが所定の範囲内にあるときに警報を行う(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−11298号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の後側方監視装置において、上記接近度合いの所定の範囲はあらかじめ定められており、運転時の状況などによって変わることはない。しかし、警報に反応して車線変更を途中で中断し元の車線に戻るまでの時間(以下、反応時間という)や、車線変更を開始してから終了するまでに要する時間(以下、車線変更時間という)は、運転者によって個人差がある。したがって、同じ接近度合いであっても、運転者ごとに警報を行うタイミングは異なることが望ましい。しかしながら、特許文献1の後側方監視装置によれば、運転者に無関係に一律のタイミングで警報を行っている。
【0005】
本発明は、警報に対する反応操作を行う時間や車線変更時間が運転者ごとに異なることを考慮して、自車両とその後側方より接近する他車両との位置関係に応じて適切なタイミングで警報を行うようにした車両用後側方監視装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による車両用後側方監視装置は、少なくとも車線変更時において自車両の後側方から接近する他車両を検出する車両検出手段と、車両検出手段により検出された他車両が自車両を追い抜くために要する追い抜き時間を算出し、算出された追い抜き時間に基づいて、その他車両が自車両に対してどれだけ接近しているかを表す接近度を算出する接近度算出手段と、算出された接近度が所定の範囲内にあることを報知する報知手段と、報知手段による報知に反応して自車両の運転者が行う操作を検出する反応検出手段と、報知手段により報知されてから反応検出手段により操作が検出されるまでの時間を計測する反応時間計測手段と、反応時間計測手段により計測された時間に基づいて、接近度の所定の範囲を変更する第1の変更手段とを備えるものである。
また、本発明による車両用後側方監視装置は、少なくとも車線変更時において自車両の後側方から接近する他車両を検出する車両検出手段と、車両検出手段により検出された他車両が自車両を追い抜くために要する追い抜き時間を算出し、算出された追い抜き時間に基づいて、その他車両が自車両に対してどれだけ接近しているかを表す接近度を算出する接近度算出手段と、算出された接近度が所定の範囲内にあることを報知する報知手段と、自車両の車線変更を検出する車線変更検出手段と、車線変更検出手段により検出された車線変更の開始から完了までの時間を計測する車線変更時間計測手段と、車線変更時間計測手段により計測された時間に基づいて、接近度の所定の範囲を変更する第2の変更手段とを備えるものである。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、自車両後方から接近する他車両を検出し、その他車両が自車両を追い抜くために要する追い抜き時間を算出し、算出された追い抜き時間に基づいて、他車両と自車両との接近度を算出し、その接近度が所定の範囲内にあるときは、警報を出力して報知する。さらに、警報を出力している場合は、運転者が警報に反応して行われる操作を検出し、これにより、警報の出力から反応操作までの時間を計測して、その計測した時間に基づいて、接近度の所定の範囲を変更するようにした。このようにしたので、警報に対する反応操作を行う時間が運転者ごとに異なることを考慮して、自車両とその後側方より接近する他車両との位置関係に応じて適切なタイミングで警報を行うことができる。
また、本発明によれば、自車両の車線変更を検出し、これにより、車線変更の開始から完了までの時間を計測して、その計測した時間に基づいて、接近度の所定の範囲を変更するようにした。このようにしたので、車線変更時間が運転者ごとに異なることを考慮して、自車両とその後側方より接近する他車両との位置関係に応じて適切なタイミングで警報を行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明による後側方監視装置の一実施形態を示す。この後側方監視装置1は車両に搭載されるものであり、車両後側方の撮像画像により自車両の後側方へ接近してくる他車両を検出して、検出された他車両との位置関係を判断する。そして、その位置関係が所定の範囲にある場合には、警報を発して運転者の注意を促す。図1の後側方監視装置1は、撮像部2、アクセル開度検出部3、ギア位置(変速位置)検出部4、車輪速検出部5、操舵角検出部6、演算部7および警報部8を有する。さらに演算部7は、画像特徴点検出部71、消失点検出部72、オプティカルフロー検出部73、接近車両判定部74、相対位置・速度・加速度算出部75、自車速度・加速度算出部76、警報判定部77、およびしきい値設定部78を有する。
【0009】
撮像部2は、たとえばCCD撮像素子のような撮像デバイスを用いた撮像装置であり、自車両の後部のほぼ中央部に設置されて、自車両の後側方を連続的に撮像する。撮像部2による撮像の様子を図2に示す。走行中の自車両100には図1の後側方監視装置1が搭載されており、撮像部2は自車両100の後部に備えられている。この撮像部2によって、自車両100の後側方が連続的に撮像される。
【0010】
このときの撮像部2における水平方向の画角θは、他車両200が警報開始位置101よりも近い位置まで十分に撮像できるよう設定される。他車両200は、自車両100の隣の車線を走行しており、自車両100の後側方より接近してくる。なお、警報開始位置101は、自車両100と他車両200との相対速度に基づいて、自車両100に対する相対的な位置として、後に説明するようにして決定される。撮像部2により連続的に撮像された画像は、所定時間ごとに区切られた画像フレームに変換された後、演算部7の画像特徴点検出部71に出力される。
【0011】
アクセル開度検出部3により検出される自車両のアクセル開度と、ギア位置検出部4により検出される自車両のギア位置は、演算部7の自車速度・加速度算出部76に出力され、ここで後に説明するようにして理論加速度を求める。また、車輪速検出部5は、自車両の車輪速を検出して自車速度・加速度算出部76に出力する。この車輪速により、自車両の車速が求められる。
【0012】
操舵角検出部6により検出される自車両の操舵角は、演算部7の警報判定部77へ出力され、ここで後に説明するようにして警報を出力するか否かを判定する。警報を出力すると判定した場合、警報判定部77は警報部8へ信号を出力し、この信号によって、ブザーやインジケータ等の警報部8が警報を出力する。警報が出力されることにより、運転者は車線変更時において自車両後側方に他車両が接近してきていることを認識できる。
【0013】
演算部7はプロセッサおよびその周辺回路により構成され、上述した各部において様々な処理を実行する。演算部7が有する各部の動作について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。図3のフローチャートは、後側方監視装置の起動スイッチ(不図示)が運転者によってONされると実行される。なお、上述の起動スイッチは車両のイグニッションスイッチと連動してもよい。
【0014】
ステップS1では、不図示の起動スイッチがONされているか否かを判定する。図3のフローチャートでは、後に説明するステップS10またはステップS13が否定判定されている限り、ステップS1からそのステップS10またはステップS13までを1つの処理サイクルとして繰り返し実行する。したがって、ステップS1の判定を各処理サイクルのはじめに行うことで、その処理サイクルを実行すべきか否かを判断する。ステップS1において起動スイッチがONされている場合は、次のステップS2へ進み、今回の処理サイクルを実行する。起動スイッチがOFFである場合は、今回の処理サイクルを実行せずに図3の処理フローを終了する。
【0015】
なお、このステップS1における起動スイッチがONされているか否かの判定は、前述した図3のフローチャートを実行するときの条件と同様である。
【0016】
ステップS2では、画像特徴点検出部71において、撮像部2より出力された自車両後側方の撮像画像を画像フレームごとに取り込む。ステップS3では、ステップS2で取り込んだ撮像画像から、他車両とそれ以外の画像の境界(エッジ)を検出する。このエッジ検出は、微分処理によるエッジ強調や、空間フィルタリングを用いたノイズ除去等、周知の画像処理手法を用いることができる。
【0017】
ステップS4では、ステップS3で検出したエッジより、他車両の特徴点を抽出する。このとき、たとえば、エッジ線分の交点や、各エッジ線分の中点または端点等を、特徴点として抽出する。ステップS4において抽出される特徴点の例を図4に示す。図4(a)において、自車両100に備えられた撮像部2によって、他車両200が時刻tのときに撮像されたとする。この撮像画像においてステップS3で検出されるエッジ線分、すなわち他車両200の外周線について、それらのエッジ線分の交点のうち自車両100に最も近い位置にあるものを、このステップS4において特徴点Eとして抽出する。
【0018】
また、時刻tの直前(時刻tn−1とする)の処理サイクルにおいて、他車両200が符号200’に示す位置にあったとし、そのときの撮像画像をステップS2で取り込んだとする。このとき、時刻tn−1に実行する処理サイクルのステップS4では、他車両200’において検出されるエッジ線分から、上記の説明と同様にして特徴点En−1を抽出する。
【0019】
図4(a)の他車両200および200’を撮像装置2により撮像したときの例を図4(b)に示す。図4(b)において、他車両200と200’に対して特徴点EとEn−1がそれぞれ上記に説明したようにして抽出される。なお、他車両200と200’はそれぞれ時刻tおよびtn−1における同一の車両であるため、これらが実際に同時に撮像されることはない。また、以上説明した例では、各画像フレームで抽出する特徴点を他車両1台当たり1点としたが、これに限らず、他車両1台について複数の特徴点を抽出するようにしてもよい。
【0020】
ステップS5では、消失点検出部72において、ステップS2で取り込んだ自車両100の後側方の撮像画像から、ステップS4で抽出した特徴点EおよびEn−1に基づいて、図4(b)に示す消失点(FOE:Focus Of Expansion)を検出する。このFOEは、無限遠において撮像画像全体が収束する点として定義されるものであり、平坦な路面におけるFOE(基準FOE)は、自車両100における撮像部2の取付位置によって決定することができる。
【0021】
このステップS5では、ステップS4で抽出された特徴点EとEn−1を各画像フレーム間で繋げたときの収束点により、あらかじめ設定された基準FOEを補正し、それをそのときのFOEとする。または、道路上の白線等の道路区分線を撮像画像より検出し、その延長線の交点により基準FOEを補正することとしてもよい。このときの白線を検出する手法としては、前述したエッジ検出と同様に、微分処理によるエッジ強調や、空間フィルタリングを用いたノイズ除去等、周知の画像処理手法を用いることができる。
【0022】
なお、ステップS4で特徴点EとEn−1を抽出し、それらによりステップS5でFOEを検出すると、その次の処理サイクルにおいて、これらを結んだ直線上に次の画像フレームにおける特徴点(En+1とする)が抽出される。このように、前回の処理サイクルにおける特徴点とFOEを用いて、簡単に特徴点を抽出することができる。
【0023】
ステップS6では、オプティカルフロー検出部73において、ステップS4で抽出した特徴点に基づいて、他車両の移動量を表すオプティカルフローを求める。図4の例では、特徴点En−1から特徴点Eへ向かうベクトルが、符号103に示すオプティカルフローOPとして求められる。このようにして、前回の処理サイクルにおける特徴点から今回の処理サイクルにおける特徴点へ向かうベクトルを求め、これをオプティカルフローとする。なお、ステップS4において1つの画像フレームで特徴点を複数抽出している場合は、その特徴点ごとにそれぞれオプティカルフローを求める。
【0024】
なお、はじめてステップS6を実行する場合や、自車両の後側方に他車両が存在しない場合などは、前回と今回の処理サイクルで2つの連続する画像フレームの特徴点が抽出されていないことがある。この場合、このステップS6においてオプティカルフローを求めることができず、それ以降の処理を実行することができない。したがって、このような場合はステップS6〜ステップS9の処理を実行しないこととし、ステップS10における判定処理を常に否定判定することとする。なお、ステップS7以降の処理内容については、これ以降で説明する。
【0025】
ステップS7では、接近車両判定部74において、自車両に接近する他車両のオプティカルフローを検出する。ステップS6で求められたオプティカルフローOPが自車両100の方向に向かっている場合、他車両200は自車両100に接近していることになる。このとき、他車両200のオプティカルフローOPを検出して、これを以降の処理ステップにおける処理の対象とする。なお、図4に示すオプティカルフローOPの大きさ(ベクトルの長さ)は、画像フレーム間(時刻tn―1から時刻tの間)における自車両100に対する他車両200の相対的な移動量に相当する。
【0026】
なお、ステップS6で複数のオプティカルフローを求めていた場合は、大きさと向きに基づいて、オプティカルフローを選別してグループ分けし、そのグループごとに、オプティカルフローが自車両に接近するか否かを判別する。自車両に接近するオプティカルフローのグループがある場合、そのオプティカルフローのグループによって表される他車両が自車両に接近していることになる。
【0027】
ステップS8では、相対位置・速度・加速度算出部75において、ステップS7で検出した自車両100に接近する他車両200のオプティカルフローOPにより、自車両100に対する他車両200の相対的な位置、速度および加速度を算出する。自車両100の後端中央部に対するオプティカルフローOPの終点、すなわち特徴点Eの相対位置を(X、Y)とする。このときのX軸およびY軸は図4(a)に示すとおりであり、自車両100の左右方向をX軸、後方をY軸としている。この相対位置(X、Y)により、時刻tにおける自車両100に対する他車両200の相対位置S(n)と、時刻tn―1から時刻tの間の相対速度ΔV(n)および相対加速度ΔA(n)は、下記の式(1)によってそれぞれ算出することができる。
【数1】
Figure 0004063144
ここで、
L:自車両100の後端部から警報停止位置102までの距離
Δt:時刻tn―1から時刻tの間の時間
(Δt=t−tn―1
|OP|:オプティカルフローOPの大きさ
(|OP|=Y−Yn―1
【0028】
図4(a)の警報停止位置102は、自車両100に対する相対的な位置として設定される。後側方監視装置1は、他車両200の特徴点の一部、たとえば先端部にある特徴点Eが設定された警報停止位置102を通過する時間を算出し、このときにそれまで出力していた警報を停止する。なお、警報停止位置102を通過する時間は、後に説明するようにして算出する。
【0029】
このような警報停止位置は、自車両に対して任意の位置に設定することができる。たとえば、図4(a)では、他車両200が符号200Aの位置に移動して自車両100を追い抜いたとき、すなわち他車両200Aの後端部が自車両100の先端部を通過したときに他車両200Aの先端部が位置する自車両100に対する相対位置を、警報停止位置102として設定している。このとき、自車両100の後端部から警報停止位置102までの距離Lは、自車両100の全長に他車両200の全長を加えたものとなる。なお、他車両200の全長は、他車両200の先端部と後端部についてそれぞれステップS4において特徴点を抽出し、その特徴点の位置(自車両100に対する相対位置)の差を計算することにより、求めることができる。
【0030】
以上説明した例のほかにも、たとえば他車両がドライバー・アイポイントに入ったときや、他車両との間に適当な車間距離(安全余裕距離)を確保できるようにするなど、警報停止位置を様々に設定することができる。以降の説明では、この警報停止位置を図4(a)の符号102に示す位置にあるものとして説明する。すなわち、このときの自車両100の後端部から警報停止位置102までの距離Lは、自車両100の全長に他車両200の全長を加えたものとなる。
【0031】
ステップS9では、自車速度・加速度算出部76において、車輪速検出部5により検出された時刻tにおける車輪速W(n)より、自車速度V1(n)および自車加速度A1(n)を以下の式(2)により算出する。なお、式(2)における自車速度V1(n−1)は、時刻tn―1において実行された前回の処理サイクルで算出された自車速度を表す。
【数2】
V1(n)=a・W(n) (a:定数)
A1(n)=V1(n)−V1(n−1) ・・・・・・・・・(2)
【0032】
さらにこのステップS9では、自車加速度A1(n)と、アクセル開度により決まる今回の処理サイクルにおける理論加速度α(n)および次回の処理サイクルにおける理論加速度α(n+1)との比に基づいて、時刻tn+1において実行される次の処理サイクルにおける自車加速度A1(n+1)を、以下の式(3)によって算出する。
【数3】
A1(n+1)={A1(n)/α(n)}・α(n+1) ・・・(3)
ここで、
α(n):時刻tにおける理論加速度
【0033】
上記の式(3)における理論加速度α(n)およびα(n+1)は、アクセル開度検出部3により検出された自車両100のアクセル開度に基づいて、あらかじめ記憶されているアクセル開度−理論加速度特性によって求めることができる。このアクセル開度−理論加速度特性の例を図5に示す。たとえば、検出されたアクセル開度がAx(n)=Ax(−1)であった場合は、図5に基づいて、理論加速度α=α(0)を求めることができる。同様に、アクセル開度がAx(n)=Ax(0)であった場合は、理論加速度はα=α(+1)となる。このようにして、アクセル開度検出部3により検出された自車両100のアクセル開度Ax(n)およびAx(n−1)により、理論加速度α(n)およびα(n+1)を求める。
【0034】
なお、自車両100におけるアクセル開度−理論加速度特性は、そのとき自車両100が選択しているギア比によって変化する。そのため、ギア位置検出部4により自車両100が選択しているギア位置を検出し、これに基づいて、あらかじめギア位置に応じて設定された複数のアクセル開度−理論加速度特性から、最適なものを選択するようにする。
【0035】
なお、ここでは、自車加速度A1(n)とアクセル開度により決まる理論加速度α(n)との比を求め、それを理論加速度α(n+1)に乗じることにより自車加速度A1(n+1)に補正することとしたが、あらかじめ定めた補正値表を記憶し、読み出して用いる方法としてもよい。また、アクセル開度−理論加速度特定値は、ギア位置または路面勾配に応じて数式化して演算してもよいし、あらかじめ定めた数値表を記憶し、読み出す方法を用いてもよい。
【0036】
ステップS10では、警報判定部77において、車線変更時に自車両100と他車両200との接近度が所定の範囲にあるか否かを判定する。接近度が所定の範囲にあると判定した場合は、次のステップS11へ進み、警報部8へ信号を出力する。この信号を警報部8が受けることにより警報が出力され、運転者が車線変更を中断することができる。一方、接近度が所定の範囲内にないと判定した場合は、ステップS12へ進む。このとき警報は出力されない。ステップS12へ進んだ後は、ステップS1へ戻る。
【0037】
他車両200が自車両100を追い抜くために要する時間をt(n)とすると、ステップS9において算出された相対位置S(n)、相対速度ΔV(n)および相対加速度ΔA(n)により、t(n)は以下の式(4)のように表される。
【数4】
Figure 0004063144
【0038】
ステップS10では、上記の式(4)によって接近度が所定の範囲内にあるか否かを判定する。時間t(n)が設定されたしきい値Tc以下となるとき、接近度が所定の範囲内にあると判定して、ステップS11へ進む。時間t(n)がしきい値Tcより大きい場合は、接近度が所定の範囲内にないと判定して、ステップS12へ進む。ここで、時間t(n)は他車両200が自車両100にどれだけ接近しているかを表す接近度である。なお、式(4)におけるしきい値Tcは、図1のしきい値設定部78によって設定される。このとき、後に説明するように、反応時間または車線変更時間に応じて設定される値が変化する。
【0039】
ステップS11を実行した後、ステップS13では、他車両200が撮像部2の撮像可能範囲からフレームアウトしたか否かを判定する。他車両200が接近し続けてフレームアウトしてしまうと、ステップS4において特徴点を抽出できなくなり、ステップS6においてオプティカルフローを算出できない。したがって、この場合にはステップS8において相対位置S(n)、相対速度ΔV(n)および相対加速度ΔA(n)を算出することができないため、ステップS10において警報出力の判定処理を実行できない。
【0040】
しかし、フレームアウトした他車両200が自車両100の側方を通過している間は、なおも接近度が所定の範囲内にあり、警報を出力する必要がある。そのため、ステップS13で他車両がフレームアウトしたと判定された場合は、ステップS14へ進んでフレームアウト後の警報持続時間Tconを設定し、これに従ってフレームアウト後の警報を出力する。一方、ステップS13でフレームアウトしていないと判定された場合は、ステップS1へ戻り、上記に説明した処理サイクルを繰り返す。ステップS13におけるフレームアウトの判定処理は、たとえば、ステップS4で抽出された特徴点ごとに前回の処理サイクルで抽出された特徴点との対応関係を求め、対応する特徴点がない場合にはフレームアウトしたと判定する。
【0041】
ステップS14では、警報持続時間Tconを下記の式(5)により求め、これを設定する。
【数5】
Tcon=L/ΔV(n−1) ・・・・・・・・・・・・・・(5)
【0042】
式(5)において、Lは自車両100の後端部から警報停止位置102までの距離であり、これはすなわち、前述のように自車両100の全長に他車両200の全長を加えたものである。なお、他車両200の全長は、前述のように他車両200の先端部と後端部について抽出した特徴点の位置の差により求められる。また、ΔV(n−1)は自車両100と他車両200との相対速度として、前回の処理サイクル、すなわち他車両200がフレームアウトする前の処理サイクルにおいて求められている。したがって、フレームアウト後においても、式(5)によって警報持続時間Tconを算出することができる。
【0043】
ステップS15では、ステップS14で警報持続時間Tconを設定してからの経過時間をカウントする。次のステップS16では、ステップS15でカウントした経過時間が、ステップS14で設定した警報持続時間Tconを越えたか否かを判定する。この経過時間が警報持続時間Tconを越えた場合はステップS17へ進み、警報部8への信号出力を停止する。これにより、警報部8からの警報出力が停止される。ステップS17を実行したら、図3の処理フローを終了する。
【0044】
一方、ステップS16で経過時間が警報持続時間Tconを越えない場合はステップS18へ進み、警報部8からの警報出力が継続される。ステップS18の後はステップS15へ戻る。これにより、接近する他車両がフレームアウトしたとしても、警報持続時間Tconの間は警報出力が維持される。
【0045】
このようにして、ステップS14〜S18の処理により、自車両の後側方より接近する他車両がフレームアウトしても、警報持続時間Tconを設定し、その間は警報出力を維持する。これにより、他車両が自車両を追い抜いたと推定される時点まで、警報を出力し続けることができる。
【0046】
なお、上記の説明において、自車両後端と他車両がフレームアウトする地点とは必ずしも一致するわけではない。つまり、自車両後端からフレームアウトする地点までの距離をLfとすると、警報持続時間Tconを設定するための上記式(5)において、正確にはLの代わりにL+Lfを用いるべきである。しかし、このLfはLに対して通常はとても小さく設定されているため、Lfを無視したとしてもそれによる影響は少ない。したがって、式(5)によって求められる警報持続時間Tconにより、他車両が自車両を追い抜いたと推定される時点まで警報を出力し続けることができる。
【0047】
以上説明したようにして、後側方監視装置1は、撮像部2より取り込んだ画像に基づいて、車線変更時において自車両と他車両との接近度が所定の範囲内にあるか否かを判断する。そして、接近度が所定の範囲内にあると判断した場合には、警報を出力して運転者に注意を促す。
【0048】
ここで、図3のステップS10における判定に用いられるしきい値Tcの設定方法について説明する。前述の反応時間や車線変更時間は、運転者によって個人差があるため、同じ接近度合いであっても運転者ごとに警報を出すタイミングは異なることが望ましい。そのため、本発明では、図6に示す処理フローに従って運転者ごとに異なる反応時間や車線変更時間を反映して、しきい値Tcの設定を変更する。
【0049】
図6のフローチャートは、運転者が車線変更の動作を開始したとき、すなわち、たとえば方向指示器10が操作されてオンされたときや、操舵角検出部6によって検出された操舵角が所定値以上となったときに、図1のしきい値設定部78において実行される。ステップS21では、車線変更時間を求めるためのタイマ(タイマAとする)を作動して、時間のカウントを開始する。
【0050】
ステップS22では、警報部8より警報を出力しているか否か、すなわち警報判定部77において図3のステップS11が実行されているか否かを判定する。警報を出力している場合はステップS23へ進み、ステップS23において、反応時間を求めるためのタイマ(タイマBとする)を作動して、時間のカウントを開始する。なお、同一の処理サイクルでステップS23を2回目以降に実行するとき、すなわちタイマBにおいてカウントが既に開始されている場合は、このステップS23では何もしない。一方、ステップS22において警報を出力していない場合は、ステップS24へ進む。このとき、タイマBのカウントは開始されない。
【0051】
ステップS24では、操舵角検出部6によって検出される操舵角に基づいて、操舵方向が反転したか否かを判定する。操舵方向が反転すると、ステップS25へ進んで、そのときの操舵速度により車線変更が中断されたか否かを判定する。一方、操舵方向が反転していないときは、ステップS24からステップS22へ戻る。
【0052】
操舵角検出部6によって検出される操舵角の例を図7に示す。図7(a)は、車線変更を中断したときの時間Tと操舵角Φの関係を示す例である。また、図7(b)は、車線変更を実行したときの時間Tと操舵角Φの関係を示す例である。図7(a)、(b)どちらの例でも最初は操舵角Φが減少方向に向かっているが、図7(a)では点61、また図7(b)では点62において、操舵角Φがそれまでの減少方向から増加方向に転じている。
【0053】
この点61および62のように操舵角が反転したときの操舵速度、すなわち曲線の傾きは、車線変更を中断したときと実行したときでは、一般的にその大きさが異なる。車線変更を中断したときは、図7(a)の傾きαに示すように比較的大きく、車線変更を実行したときは、図7(b)の傾きβに示すように比較的小さい。したがって、β<α0<αとなる適当なしきい値α0をあらかじめ設定しておき、操舵角が反転したときの曲線の傾きがこのしきい値α0を越えるか否かを判定することで、車線変更が中断されたか否かを判定することができる。このとき、しきい値α0を越える場合は車線変更が中断されたと判定し、越えない場合は車線変更が実行されたと判定する。
【0054】
なお、図7の例における車線変更の方向とは反対方向へ車線変更する場合、すなわち操舵角Φが上下逆向きになって増加方向から減少方向に転じる場合は、以上の説明とは逆の判定をすればよい。すなわち、α’<α0’<β’となるしきい値α0’をあらかじめ設定しておき、操舵角が反転したときの曲線の傾きがこのしきい値α0’を越えない場合は、車線変更が中断されたと判定する。一方、しきい値α0’を越える場合は、車線変更が実行されたと判定する。なお、α’およびβ’は、車線変更中断時および実行時における操舵角反転時の傾きとしてそれぞれ計測される値の例であり、いずれも負数である。
【0055】
ステップS25では、以上説明したような判定処理によって、車線変更が中断されたか否かを判定する。車線変更が中断されたと判定した場合は、ステップS26へ進む。一方、車線変更が中断されなかった、すなわち車線変更が実行されたと判定した場合は、ステップS31へ進む。
【0056】
ステップS26では、タイマAおよびBのカウントを停止する。次のステップS27では、タイマBにおいてカウントされた値を取得し、その時間を反応時間Tresとする。
【0057】
ステップS28では、ステップS27で取得された反応時間Tresを、それまで設定されている設定反応時間t0と比較する。Tresがt0より大きい場合、すなわちそれまでの最大値である場合は、ステップS29へ進んで、t0=Tresとすることによって設定反応時間t0を更新する。このようにしてステップS29で設定反応時間t0が更新されたら、ステップS30において、その設定反応時間t0を以下の式(6)に代入することによって、しきい値Tcを更新する。ステップS28が否定判定された場合、またはステップS30が実行された後は、図6の処理フローを終了する。
【数6】
Tc=Tc+t0−d0 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6)
ただし、
d0:標準設定時間
【0058】
式(6)におけるしきい値Tcおよび設定反応時間t0にはあらかじめ初期値が設定されており、標準設定時間d0は、このt0の初期値と同じ値が設定されている。上記に説明したような処理によって設定反応時間t0が更新されると、式(6)によって、その更新されたt0の値と標準設定時間d0との差がしきい値Tcに加えられる。このようにして、設定反応時間t0がしきい値Tcに反映される。
【0059】
なお、以上の説明では、反応時間Tresが設定反応時間t0より大きい場合に設定反応時間t0を更新し、その更新されたt0の値によってしきい値Tcを更新する例であったが、その他の方法によってしきい値Tcを更新してもよい。たとえば、過去に求められた反応時間Tresを複数記憶しておき、その平均値を設定反応時間t0として、これによりしきい値Tcを更新することができる。
【0060】
あるいは、求められた反応時間Tresを設定反応時間t0に反映する反映率を設定し、下記の式(7)によって設定反応時間t0を更新して、それによりしきい値Tcを更新するようにしてもよい。式(7)における反映率aおよびbは任意の値を設定することができ、Tresが反映される度合いを大きくしたい場合には、aを小さくしてbを大きくする。また、Tresが反映される度合いを小さくしたい場合は、逆にaを大きくしてbを小さくする。
【数7】
t0=t0・a+Tres・b ・・・・・・・・・・・・・・(7)
ただし
a,b:反映率(a+b=1)
【0061】
一方、ステップS25が否定判定されてステップS31へ進んだ場合、ステップS31では、車線変更が終了したか否かを判定する。図7(b)に例示するように、車線変更を実行したときの操舵角Φは、点62において増加方向に転じた後、点63において再び減少方向に転じ、次第に収束していく。このような操舵角Φの特性に基づいて、点63において減少方向に転じた後に所定値Φch以下となったとき、すなわち点64に達したとき、車線変更が終了したと判定する。このようにしてステップS31で車線変更が終了したと判定した場合、ステップS32へ進む。そうでない場合は、ステップS31へ留まる。
【0062】
ステップS32では、タイマAおよびBのカウントを停止する。次のステップS33では、タイマAにおいてカウントされた値を取得し、その時間を車線変更時間Tchとする。
【0063】
ステップS34では、ステップS33で取得された車線変更時間Tchを、それまで設定されている設定車線変更時間t1と比較する。Tchがt1より大きい場合、すなわちそれまでの最大値である場合は、ステップS35へ進んで、t1=Tchとすることによって設定車線変更時間t1を更新する。このようにしてステップS35で設定反応時間t1が更新されたら、ステップS36において、その設定反応時間t1を以下の式(8)に代入することによって、しきい値Tcを更新する。ステップS34が否定判定された場合、またはステップS36が実行された後は、図6の処理フローを終了する。
【数8】
Tc=Tc+t1−d1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(8)
ただし、
d1:標準設定時間
【0064】
式(8)におけるしきい値Tcおよび設定反応時間t1にはあらかじめ初期値が設定されており、標準設定時間d1は、このt1の初期値と同じ値が設定されている。上記に説明したような処理によって設定車線変更時間t1が更新されると、式(8)によって、その更新されたt1の値と標準設定時間d1との差がしきい値Tcに加えられる。このようにして、設定反応時間t1がしきい値Tcに反映される。
【0065】
なお、以上の説明では、車線変更時間Tchが設定車線変更時間t1より大きい場合に設定車線変更時間t1を更新し、その更新されたt1の値によってしきい値Tcを更新する例であったが、その他の方法によってしきい値Tcを更新してもよい。たとえば、過去に求められた車線変更時間Tchを複数記憶しておき、その平均値を設定車線変更時間t1として、これによりしきい値Tcを更新することができる。
【0066】
あるいは、求められた車線変更時間Tchを設定車線変更時間t1に反映する反映率を設定し、下記の式(9)によって設定車線変更時間t1を更新して、それによりしきい値Tcを更新するようにしてもよい。式(9)における反映率cおよびdは任意の値を設定することができ、Tchが反映される度合いを大きくしたい場合には、cを小さくしてdを大きくする。また、Tchが反映される度合いを小さくしたい場合は、逆にcを大きくしてdを小さくする。
【数9】
t1=t1・c+Tch・d ・・・・・・・・・・・・・・(9)
ただし
c,d:反映率(c+d=1)
【0067】
以上の説明では、自車両が車線変更を中断あるいは実行したかを判定して、中断したときは反応時間Tresを計測し、実行したときは車線変更時間Tchを計測して、そのいずれかによってしきい値Tcを変更するようにした。しかし、反応時間または車線変更時間のどちらか一方のみを計測し、それによってしきい値Tcを変更するようにしてもよい。
【0068】
以上説明した後側方監視装置1では、自車両の車線変更の動作が開始されたとき、警報部8より警報を出力している場合はタイマBのカウントを開始して(ステップS23)、自車両の車線変更が中断されたことを検出すると(ステップS24、S25)、タイマBのカウントを停止する(ステップS26)。このようにして求められた反応時間に応じて、自車両と他車両の接近度が所定の範囲内にあるか否かを判定するためのしきい値Tcを変更する(ステップS29、S30)。
【0069】
また、この後側方監視装置1では、自車両の車線変更の動作が開始されたときタイマAのカウントを開始して(ステップS21)、車線変更が完了されたことを検出すると(ステップS24、S25、S31)、タイマAのカウントを停止する(ステップS32)。このようにして求められた車線変更時間に応じて、自車両と他車両の接近度が所定の範囲内にあるか否かを判定するためのしきい値Tcを変更する(ステップS35、S36)。
【0070】
以上説明した後側方監視装置1によれば、次の作用効果を奏する。
(1)自車両後方から接近する他車両を撮像部2により撮像して検出し、その他車両が自車両を追い抜くために要する時間を接近度として算出し、その接近度がしきい値以下であるときは、警報部8より警報を出力して報知する。さらに、自車両の車線変更中に警報を出力している場合は、警報に運転者が反応して行われる操作を検出し、これにより、警報の出力から反応操作までの時間を計測する。その計測した時間に基づいて、しきい値設定部78により、接近度を判定するためのしきい値を変更するようにした。このようにしたので、警報に対する反応操作を行う時間が運転者ごとに異なることを考慮して、自車両とその後側方より接近する他車両との位置関係に応じて、適切なタイミングで警報を行うことができる。
(2)自車両の車線変更を操舵角検出部6により検出する操舵角に基づいて検出し、これにより、車線変更の開始から完了までの時間を計測する。その計測した時間に基づいて、しきい値設定部78により、接近度を判定するためのしきい値を変更するようにした。このようにしたので、車線変更時間が運転者ごとに異なることを考慮して、自車両とその後側方より接近する他車両との位置関係に応じて、適切なタイミングで警報を行うことができる。
(3)計測した警報の出力から反応操作までの時間または車線変更時間の最大値や平均値に基づいて、接近度を判定するためのしきい値を変更するようにした。あるいは、計測した警報の出力から反応操作までの時間あるいは車線変更時間に反映率を設定し、警報の出力から反応操作までの時間または車線変更時間と反映率との乗算値に基づいて、接近度を判定するためのしきい値を変更するようにした。このようにしたので、計測した警報の出力から反応操作までの時間や車線変更時間に応じてしきい値を変更することができる。
(4)警報に運転者が反応して行われる車線変更の中断操作を、操舵角検出部6により検出する操舵角に基づいて検出し、これにより反応時間を計測して、警報の出力から反応操作までの時間とすることとした。このようにしたので、運転者が警報に反応して行う操作を確実に検出して、警報の出力から反応操作までの時間を計測することができる。
【0071】
なお、以上説明した実施の形態では、車線変更の中断あるいは完了を車両の操舵操作、すなわち操舵角検出部6によって検出される操舵角に基づいて検出することとしたが、運転者によって行われるそれ以外の車両の操作によって検出してもよい。たとえば、ブレーキ操作、方向指示器のキャンセル操作、アクセル操作などにより、車線変更が中断あるいは完了されたことを検出するようにできる。
【0072】
以上説明した実施の形態では、方向指示器10を運転者により操作されることによって車線変更の動作を検出するようにしていたが、他の方法によって検出することとしてもよい。たとえば、車速と操舵角を検出し、これらの値、またはこれらの値の変化量が所定の範囲にあるときや、方向指示器10の操作と操舵操作の両方が検出されたときを車線変更の動作中としてもよい。あるいは、レーンキープ装置のようなものによって自車両と車線との位置関係を判断することにより、車線変更を検出することもできる。なお、レーンキープ装置は、たとえば、路面の撮像画像などにより車線を検出し、その車線を維持したまま走行するよう車両を制御するものである。このレーンキープ装置は、上記に説明した実施の形態における撮像部2のように自車両後側方の撮像画像を用いてもよいし、自車両前方の撮像画像を取得し、これにより自車両と車線との位置関係を求めるようにしてもよい。また、図3のフローチャートの起動条件を起動スイッチのONとしているが、たとえば車線変更動作の検出を移動条件とすることによって、車線変更中のみ警報を行うようにしてもよい。
【0073】
以上の実施の形態では、自車両後側方の他車両が自車両を追い抜くまでの時間t(n)を接近度として、これにより自車両とその後側方より接近する他車両との位置関係を判断することとしていたが、それ以外のものを接近度として用いてもよい。たとえば、自車両と他車両との距離を接近度として用いることによって処理を簡略化してもよい。あるいは、横方向(進行方向に対して直交する方向)における自車両と他車両との相対距離または相対速度も加味した接近度を用いることとしてもよい。
【0074】
また、以上の実施の形態では、自車両後端部のほぼ中央に配置された撮像部2により撮像された画像によって、自車両後側方より接近してくる他車両を検出することとしたが、任意に配置された複数の撮像装置、たとえば自車両後端の左右2ヶ所に配置された撮像装置によって画像を撮像し、これにより他車両を検出するようにしてもよい。あるいは、このような撮像装置を用いず、たとえば電波によって対象物との距離を測定するレーダ装置のようなものを用いて、他車両を検出するようにしてもよい。
【0075】
以上の実施の形態では、撮像手段を撮像部2、操舵角検出手段を操舵角検出部6、報知手段を警報機8によりそれぞれ実現し、それ以外の各手段については、演算部7の各部によりそれぞれ実現している。しかし、これらはあくまで一例であり、本発明の特徴が損なわれない限り、各構成要素は上記実施の形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である後側方監視装置の構成を示す図である。
【図2】撮像部2による自車両後側方の撮像の様子を示す図である。
【図3】運転者が自車両の車線変更の動作を開始したときに演算部7で実行する処理フローを示すフローチャートである。
【図4】自車両の後側方に接近してきた他車両を検出して警報を行うときの処理内容を説明する図であり、(a)は自車両と他車両との位置関係を示し、(b)は撮像部2による撮像画像における他車両の位置を示す。
【図5】理論加速度を求めるときに用いるアクセル開度−理論加速度特性の例を示す図である。
【図6】自車両と他車両との接近度が所定の範囲内にあるか否かを判定するためのしきい値Tcを、反応時間や車線変更時間によって変更するときの処理フローを示すフローチャートである。
【図7】車線変更時に検出される操舵角変化の例を示す図であり、(a)は車線変更を中断したときの経過時間と操舵角との関係を示し、(b)は車線変更を完了したときの経過時間と操舵角との関係を示す。
【符号の説明】
1:後側方監視装置 2:撮像部
3:アクセル開度検出部 4:ギア位置検出部
5:車輪速検出部 6:操舵角検出部
7:演算部 8:警報部
10:方向指示器
100:自車両 200:他車両

Claims (16)

  1. 少なくとも車線変更時において自車両の後側方から接近する他車両を検出する車両検出手段と、
    前記車両検出手段により検出された他車両が前記自車両を追い抜くために要する追い抜き時間を算出し、算出された追い抜き時間に基づいて、その他車両が前記自車両に対してどれだけ接近しているかを表す接近度を算出する接近度算出手段と、
    前記算出された接近度が所定の範囲内にあることを報知する報知手段と、
    前記報知手段による報知に反応して前記自車両の運転者が行う操作を検出する反応検出手段と、
    前記報知手段により報知されてから前記反応検出手段により前記操作が検出されるまでの時間を計測する反応時間計測手段と、
    前記反応時間計測手段により計測された時間に基づいて、前記接近度の所定の範囲を変更する第1の変更手段とを備えることを特徴とする車両用後側方監視装置。
  2. 請求項1の車両用後側方監視装置において、
    前記反応時間計測手段は所定の時間間隔で前記時間を計測し、ある時点で計測された時間がそれ以前に計測された時間よりも長い場合、その計測された時間を記憶する最大反応時間記憶手段をさらに備え、
    前記第1の変更手段は、前記最大反応時間記憶手段により記憶された時間に基づいて、前記接近度の所定の範囲を変更することを特徴とする車両用後側方監視装置。
  3. 請求項1の車両用後側方監視装置において、
    前記反応時間計測手段は所定の時間間隔で前記時間を計測し、それら各時点で計測された時間を複数記憶する反応時間記憶手段をさらに備え、
    前記第1の変更手段は、前記反応時間記憶手段により記憶された複数の時間の平均値に基づいて、前記接近度の所定の範囲を変更することを特徴とする車両用後側方監視装置。
  4. 請求項1の車両用後側方監視装置において、
    前記反応時間計測手段により計測された時間に反映率を設定する第1の反映率設定手段をさらに備え、
    前記第1の変更手段は、前記反応時間計測手段により計測された時間と前記第1の反映率設定手段により設定された反映率との乗算値に基づいて、前記接近度の所定の範囲を変更することを特徴とする車両用後側方監視装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかの車両用後側方監視装置において、
    前記反応検出手段は、前記報知手段による報知に反応して前記自車両の運転者が車線変更を中断する操作を検出することを特徴とする車両用後側方監視装置。
  6. 請求項5の車両用後側方監視装置において、
    前記自車両の操舵角を検出する操舵角検出手段をさらに備え、
    前記反応検出手段は、前記操舵角検出手段により検出された操舵角に基づいて、前記車線変更を中断する操作を検出することを特徴とする車両用後側方監視装置。
  7. 少なくとも車線変更時において自車両の後側方から接近する他車両を検出する車両検出手段と、
    前記車両検出手段により検出された他車両が前記自車両を追い抜くために要する追い抜き時間を算出し、算出された追い抜き時間に基づいて、その他車両が前記自車両に対してどれだけ接近しているかを表す接近度を算出する接近度算出手段と、
    前記算出された接近度が所定の範囲内にあることを報知する報知手段と、
    前記自車両の車線変更を検出する車線変更検出手段と、
    前記車線変更検出手段により検出された車線変更の開始から完了までの時間を計測する車線変更時間計測手段と、
    前記車線変更時間計測手段により計測された時間に基づいて、前記接近度の所定の範囲を変更する第2の変更手段とを備えることを特徴とする車両用後側方監視装置。
  8. 請求項7の車両用後側方監視装置において、
    前記車線変更時間計測手段は所定の時間間隔で前記時間を計測し、ある時点で計測された時間がそれ以前に計測された時間よりも長い場合、その計測された時間を記憶する最大車線変更時間記憶手段をさらに備え、
    前記第2の変更手段は、前記最大車線変更時間記憶手段により記憶された時間に基づいて、前記接近度の所定の範囲を変更することを特徴とする車両用後側方監視装置。
  9. 請求項7の車両用後側方監視装置において、
    前記車線変更時間計測手段は所定の時間間隔で前記時間を計測し、それら各時点で計測された時間を複数記憶する車線変更時間記憶手段をさらに備え、
    前記第2の変更手段は、前記車線変更時間記憶手段により記憶された複数の時間の平均値に基づいて、前記接近度の所定の範囲を変更することを特徴とする車両用後側方監視装置。
  10. 請求項7の車両用後側方監視装置において、
    前記車線変更時間計測手段により計測された時間に反映率を設定する第2の反映率設定手段をさらに備え、
    前記第2の変更手段は、前記車線変更時間計測手段により計測された時間と前記第2の反映率設定手段により設定された反映率との乗算値に基づいて、前記接近度の所定の範囲を変更することを特徴とする車両用後側方監視装置。
  11. 請求項7〜10のいずれかの車両用後側方監視装置において、
    前記自車両の操舵角を検出する操舵角検出手段をさらに備え、
    前記車線変更検出手段は、前記操舵角検出手段により検出された操舵角に基づいて、前記車線変更を検出することを特徴とする車両用後側方監視装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかの車両用後側方監視装置において、
    前記車両検出手段は、前記自車両の後側方を撮像する撮像手段を備え、前記撮像手段により撮像された前記自車両の後側方の画像に基づいて、前記自車両の後側方から接近する他車両を検出することを特徴とする車両用後側方監視装置。
  13. 請求項1〜12のいずれかの車両用後側方監視装置において、
    前記自車両に対する前記他車両の相対位置、相対速度および相対加速度を算出する相対値算出手段をさらに備え、
    前記接近度算出手段は、前記相対値算出手段により算出された相対位置、相対速度および相対加速度に基づいて、前記追い抜き時間を算出することを特徴とする車両用後側方監視装置。
  14. 請求項13の車両用後側方監視装置において、
    前記相対値算出手段は、前記自車両の後端から前記他車両の前端までの距離に、前記自車両の全長と前記他車両の全長とを加えることにより、前記相対位置を算出することを特徴とする車両用後側方監視装置。
  15. 請求項1〜14いずれかの車両用後側方監視装置において、
    前記車両検出手段により前記他車両が検出されなくなった後の前記報知手段による報知の持続時間を設定する持続時間設定手段をさらに備え、
    前記報知手段は、前記車両検出手段により前記他車両が検出されなくなった後、前記持続時間設定手段により設定された持続時間の間、前記接近度が所定の範囲内にあることを報知し続けることを特徴とする車両用後側方監視装置。
  16. 請求項13または14の車両用後側方監視装置において、
    前記車両検出手段により前記他車両が検出されなくなる直前に前記相対値算出手段により算出された相対速度と、前記自車両の全長に前記他車両の全長を加えた値とに基づいて、前記車両検出手段により前記他車両が検出されなくなった後の前記報知手段による報知の持続時間を設定する持続時間設定手段をさらに備え、
    前記報知手段は、前記車両検出手段により前記他車両が検出されなくなった後、前記持続時間設定手段により設定された持続時間の間、前記接近度が所定の範囲内にあることを報知し続けることを特徴とする車両用後側方監視装置。
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