JP3745582B2 - 車載用周辺視認装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車等の車両内において車両周辺の前方または左側方及び右側方の少なくとも一方の視野画像をセンシングする撮像センサを持つ車載用周辺視認装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車が交差点に差し掛かると、左右の安全確認が必要となるが、左右の見通しの悪い交差点においては、運転者は車両を交差点内に若干進入させて、左右を安全確認する必要があった。従って、交差点内への前記進入に注意を要すると共に、進入後は左右両側をそれぞれ直接、視認して安全確認する必要があり、運転者の精神的負担となっていた。
【0003】
そこで、上記負担の軽減を図るべく、近年、自動車のバンパーの両側面に孔を開けてCCD等からなる撮像センサをそれぞれ取り付け、車両内部に設置された二画面テレビ等の表示手段に各撮像センサによりそれぞれ撮像された車両両側の左右の画像を表示する方式や、自動車のバンパーやフロントガラス周辺に単一の撮像センサを取り付け、この撮像センサにより車両両側の左右の景色を同時に取り込んで車両内部に設置された表示手段に車両両側の左右の画像を同時に表示する方式の視認装置が提案されている。
【0004】
例えば、前者の方式としては、特開平10−81173号公報等に開示のものがあり、後者の方式としては、特開平6−344827号公報等に開示のものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来では、撮像センサをバンパーに埋め込んだり、車室内のフロントガラス周辺に装着していたため、撮像センサの放熱効率が悪く、夏場の高温時には撮像センサの性能が低下することがあった。そこで、高温環境下での性能維持のため、撮像センサの耐熱性を向上する必要があり、ヒートシンク(放熱板)を取り付けるなどの措置を講じていたが、この方法では部品点数が増大してコストアップにつながっていた。
【0006】
そこで、この発明の課題は、車両周辺の視界を十分捉えつつも、車両の意匠性への影響が小さく、且つ放熱効率を改善し得る車載用周辺視認装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、撮像手段により、車両の前方または周辺の左側方及び右側方の少なくとも一方を撮像し、その撮像された画像を前記車両内部に設けられた表示手段に表示する車載用周辺視認装置において、前記撮像手段は、車両のラジエータの外側に形成された開口部グリルが有する隣り合うフィン部間に収容されるようにして1個のフィン部に止着されているものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記開口部グリルの内側に、前記ラジエータを冷却するための冷却ファンが設置されたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の一の実施の形態に係る車載用周辺視認装置の撮像手段が自動車に取り付けられた状態を示す外観斜視図、図2は同じく撮像手段が自動車に取り付けられた状態を示す断面図、図3は車載用周辺視認装置の全体構成を示す説明図である。
【0010】
この車載用周辺視認装置は、図1ないし図3に示される如く、車両の一例としての自動車1におけるラジエータ1aの前方の開口部グリル(ラジエータグリル)2に埋め込む等して目立たないように設置される撮像手段3と、撮像手段3で撮像された画像を表示すべく、車室内のインストルメントパネル等の運転者が視認しやすい位置に設けられたLCD(液晶ディスプレイ)やCRT等からなる表示手段4と、撮像手段3で撮像された画像信号を所定の表示信号に変換処理して表示手段4に供給する信号処理部5とを備える。
【0011】
撮像手段3は、図3の如く、自動車1の前後方向に沿って長い直方体形状のケース体10と、ケース体10の両側面前部に位置してそれぞれ形成された矩形開口に装着された透明ガラス等から構成される左右一対の透過窓11、12と、ケース体10内に配置された単一の撮像部としてのCCDカメラ13と、各透過窓11、12から進入した光を反射させてCCDカメラ13の撮像面に案内するプリズム体14とを備える。
【0012】
この際、左側の透過窓11から進入した光はプリズム体14の一側面14aを透過した後に他側面14bで反射されてCCDカメラ13の撮像面における右半部に案内され、右側の透過窓12から進入した光はプリズム体14の他側面14bを透過した後に一側面14aで反射されてCCDカメラ13の撮像面における左半部に案内されて、単一のCCDカメラ13を有する撮像手段3により、図4の如く、左視界及び右視界の左右両側の景色が同時に撮像できるように構成されている。
【0013】
このCCDカメラ13で撮像された画像信号は信号処理部5で鏡像反転処理されて表示手段4に供給され、表示手段4の表示部4aにおける右半部に透過窓12を通じて撮像された右側景色が右画像として表示され、表示部4aにおける左半部に透過窓11を通じて撮像された左側景色が左画像として表示されるように構成されている。
【0014】
ここで、図2の如く、自動車1のボンネット15の前端下部に収納されたラジエータ1aの背後部には、ラジエータ1aの冷却用の冷却ファン16が設置されており、ボンネット15の前端とバンパー17との間の冷却用空気を取り入れるための開口部18には開口部グリル2が設置されている。そして、撮像手段3は、開口部グリル2の一部、例えば、隣り合うフィン部2a間に、透過窓11,12が設けられている前端部を除き収容されるようにして1個のフィン部2aに接着樹脂19等の所定の止着手段を使用して止着されている。尚、冷却ファン16は、ラジエータ1aの温度が高まった場合に、図示しない所定の温度センサによりその旨を検出し、自動的に冷却ファン16が作動するようになっている。したがって、自動車1の走行時の自然風により十分な冷却効果が得られない場合には、冷却ファン16の作動により十分な冷却風が開口部グリル2に吸引されるようになっている。
【0015】
以上のように構成された車載用周辺視認装置において、左右の見通しの悪い交差点等では、自動車1の前端部のみを交差点内に進入させることによって、開口部グリル2に設置された撮像手段3の各透過窓11、12から交差点内における左右の景色が図4のように同時に取り込まれ、車内の表示手段4(図3)における表示部4aにその左右の景色を同時に映し出すため、運転者は表示部4aを視認することにより交差点内における左右の安全確認を一度に行うことができ、安全確認が容易に行える。
【0016】
また、撮像手段3は、自動車1のラジエータ1aの前方にある冷却用空気取り入れ用の開口部18の開口部グリル2に配置されているので、自動車1の走行時には、開口部グリル2に流れ込む自然風により、また冷却ファン16が作動している場合には、上記自然風に加えて冷却ファン16により開口部グリル2に強制的に吸引される冷却風により撮像手段3が冷却されることで、撮像手段3における冷却効果を十分に確保できる。また、低速走行時や停車アイドリング時にも、冷却ファン16によって冷却風を開口部グリル2に強制的に吸引することにより、冷却風の経路上に取り付けてある撮像手段3を十分に冷却することが可能となり、撮像手段3の放熱を効果的に行うことが可能となる。
【0017】
また、撮像手段3は、その前端部を除き、開口部グリル2のフィン部2a間に収容されるように取り付けられているため。撮像手段3が外部に目立つようなこともなく、自動車1の意匠性が損なわれることもない。
【0018】
尚、上記実施の形態では、冷却ファン16として吸引型のものを使用し、ラジエータ1aの背面側に設置するようにしていたが、押し込み型の冷却ファン16を使用してラジエータ1aの前方に配置するようにしてもよい。この場合でも、撮像手段3を冷却ファン16の前方に配置することで、冷却ファン16が冷却風を吸引し、これにより撮像手段3の放熱効果を高めることができる。
【0019】
また、撮像手段3として、車両周辺の左右両側を同時に撮像するものをに挙げて説明したが、例えば前方のみまたは片側方のみを撮像するものであってもよい。
【0020】
尚、撮像手段3を自動車1の前端部の開口部グリル2に設置していたが、自動車1の後部にエンジン及びラジエータを搭載している車種においては、その自動車1の後部のラジエータまたはエンジン付近の開口部グリルに設置してもよい。この場合であっても、望ましくは、ラジエータまたはエンジンに送風または吸気するための冷却ファンのさらに後方(外側)に撮像手段を設置することが望ましい。もっとも、この場合には、撮像手段3による撮像方向は車両の後方または車両後部周辺の左右両側となる。
【0021】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、撮像手段により車両の前方または周辺の左側方及び右側方の少なくとも一方を撮像する際、撮像手段を、ラジエータに送風するための開口部グリルに取り付けているので、撮像手段の放熱効果を高いレベルで確保することができる。また、開口部グリルに撮像手段を設置することで、意匠性を損なうこともない。
【0022】
請求項2に記載の発明によれば、冷却ファンを作動させることで、ラジエータだけでなく撮像手段の放熱効果を確実にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一の実施の形態に係る車載用周辺視認装置の撮像手段が自動車に取り付けられた状態を示す外観斜視図である。
【図2】この発明の一の実施の形態に係る車載用周辺視認装置の撮像手段が自動車に取り付けられた状態を示す断面図である。
【図3】この発明の一の実施の形態に係る車載用周辺視認装置の全体構成を示す説明図である。
【図4】撮像手段で左視界及び右視界の両方の画像を取り込む様子を示す図である。
【符号の説明】
1 自動車1
1a ラジエータ1a
2 開口部グリル2
3 撮像手段3
4 表示手段4
4a 表示部4a
5 信号処理部5
13 CCDカメラ13
16 冷却ファン16
18 開口部18
Claims (2)
- 撮像手段により、車両の前方または周辺の左側方及び右側方の少なくとも一方を撮像し、その撮像された画像を前記車両内部に設けられた表示手段に表示する車載用周辺視認装置において、
前記撮像手段は、車両のラジエータの外側に形成された開口部グリルが有する隣り合うフィン部間に収容されるようにして1個のフィン部に止着されていることを特徴とする車載用周辺視認装置。 - 請求項1に記載の車載用周辺視認装置であって、
前記開口部グリルの内側に、前記ラジエータを冷却するための冷却ファンが設置されたことを特徴とする車載用周辺視認装置。
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