JP2019116158A - 車両後方視認装置 - Google Patents

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孝治 吉田
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【課題】ミラーを保護し、車両の後方の画像が視認しやすくなる車両後方視認装置を提供する。【解決手段】車両後方視認装置1のハウジング20は、車両の後側であって、車両の上部に設けられている。ハウジング延長部25は、ハウジング20から車両の後方に向かって延びている。ミラー30は、車両に対してハウジング延長部25の下側の面であるハウジング下面27に設けられており、車両の後側の地面を含む鏡像を映すことが可能な鏡面31を有する。カメラ35は、車両に対してミラー30よりも下側に設けられ、車両の後方を向いて、ハウジング20に収容されており、車両の後方を撮像可能である。制御部は、車両のシフトレンジが後退レンジであるとき、ミラー30の向きまたはカメラ35の向きを変更し、カメラ35がミラー30を撮像するように、アクチュエータ55を制御する。【選択図】図4

Description

本開示は、車両後方視認装置に関する。
従来、特許文献1に記載されているように、カメラおよびミラーを併用して、車両の後方および車両の下方を視認可能となる車両後方視認装置が知られている。
特開2005−88758号公報
特許文献1の構成では、ミラーは、露出するように、車両の後側に設けられている。また、カメラは、筒状のミラーに設けられている。この構成では、ミラーが露出しており、ミラーは、割れやすい。また、雨天等のとき、ミラーおよびカメラが液体に濡れやすく、カメラが撮像した画像が視認しにくい虞がある。
本開示の目的は、ミラーを保護し、車両の後方および後下方の画像が視認しやすくなる車両後方視認装置を提供することにある。
本開示の車両後方視認装置は、ハウジング(20)、ハウジング延長部(25)、ミラー(30)、カメラ(35)、モニタ(50)、アクチュエータ(55)および制御部(60)を備える。
ハウジングは、車両(10)の後側であって、車両の上部(17)に設けられている。
ハウジング延長部は、ハウジングから車両の後方に向かって延びている。
ミラーは、車両に対してハウジング延長部の下側の面であるハウジング下面(27)に設けられており、車両の後側の地面(G)を含む鏡像を映すことが可能な鏡面(31)を有する。
カメラは、車両に対してミラーよりも下側に設けられ、車両の後方を向いて、ハウジングに収容されており、車両の後方を撮像可能である。
モニタは、車両に設けられており、カメラが撮像した画像であるカメラ画像(Im)を表示可能である。
アクチュエータは、ミラーの向きまたはカメラの向きを変更可能である。
制御部は、車両のシフトレンジが後退レンジであるとき、ミラーの向きまたはカメラの向きを変更し、カメラがミラーを撮像するように、アクチュエータを制御する。
ミラーは、ハウジング下面に設けられている。カメラは、ハウジングに収容されている。ハウジングおよびハウジング延長部によって、ミラー30およびカメラ35は、保護される。このため、ミラーおよびカメラは、液体に濡れにくくなる。これにより、車両後方視認装置は、ミラーおよびカメラを保護し、車両の後方および後下方のカメラ画像を視認しやすくする。
本実施形態による車両後方視認装置が用いられる車両の構成図。 図1のIIから見た背面図。 本実施形態による車両後方視認装置が用いられる車両のリヤスポイラーの斜視図。 第1実施形態による車両後方視認装置のハウジングの断面図。 第1実施形態による車両後方視認装置のハウジング延長部の位置関係を説明するための図。 第1実施形態による車両後方視認装置のミラーおよびカメラを説明するための断面図。 第1実施形態による車両後方視認装置を示すブロック図。 第1実施形態による車両後方視認装置の装置撮像範囲を説明するための図。 第1実施形態による車両後方視認装置の処理を説明するためのフローチャート。 第1実施形態による車両後方視認装置の画像処理部の処理を説明するための図。 第1実施形態による車両後方視認装置のアクチュエータおよび制御部の処理を説明するための断面図。 第1実施形態による車両後方視認装置の画像処理部の処理を説明するための図。 第1実施形態による車両後方視認装置における鏡面曲率半径および視認可能距離の関係図。 第1実施形態による車両後方視認装置におけるカメラの撮像角度および視認可能距離の関係図。 第1実施形態による車両後方視認装置におけるカメラの撮像角度およびミラー幅の関係図。 第1実施形態による車両後方視認装置におけるカメラの撮像角度および遠近感の関係図。 第1実施形態による車両後方視認装置におけるカメラ距離およびミラー幅の関係図。 第2実施形態による車両後方視認装置のアクチュエータおよび制御部の処理を説明するための断面図。 他の実施形態による車両後方視認装置のハウジング延長部の位置関係を説明するための図。 他の実施形態による車両後方視認装置のミラーおよびカメラを説明するための断面図。 他の実施形態による車両後方視認装置のミラーおよびカメラを説明するための断面図。
以下、車両後方視認装置の実施形態を図面に基づいて説明する。複数の実施形態において、実質的に同一の構成には、同一の符号を付して説明する。また、本実施形態という場合、複数の実施形態を包括する。本実施形態の車両後方視認装置は、車両に用いられる。
まず、本実施形態の車両後方視認装置に用いられる車両10について説明する。車両10の前進方向を「前」とする。車両10の後退方向を「後」とする。また、前進方向から見て上側を「上」とする。前進方向から見て下側を「下」とする。上下方向と車両10の高さ方向である車高方向とは同一である。さらに、前進方向から見て右側を「右」とする。前進方向から見て左側を「左」とする。左右方向と車両10の幅方向である車幅方向とは同一である。
図1および図2に示すように、車両10は、複数のタイヤ11、複数のサイドドア12、複数のサイドドアウィンドウ13、バックドア14、バックドアウィンドウ15、リヤスポイラー16、エンジン19および車両後方視認装置1を備える。
リヤスポイラー16は、車両10の後側であって、車両10の上部17に設けられており、バックドアウィンドウ15の上側に設けられている。リヤスポイラー16は、車幅方向に延びる板状に形成されており、車両10が前進しているとき、車両10に沿って流れる空気の流れを変更する。また、リヤスポイラー16は、車両10が前進しているとき、車両10のボディに発生する揚力を抑制する。
エンジン19は、車両10の前側に設けられており、燃料をガソリンまたは軽油等とする内燃機関である。なお、車両10は、内燃機関を有する自動車に限定されず、ハイブリッド自動車または電気自動車であってもよい。
(第1実施形態)
車両後方視認装置1は、ハウジング20、ハウジング延長部25、ミラー30、カメラ35、シフト位置センサ40、画像処理部45、モニタ50、アクチュエータ55および制御部60を備える。
図3に示すように、ハウジング20は、リヤスポイラー16に設けられており、リヤスポイラー16と一体に形成されている。また、ハウジング20は、内部に空間を有し、カメラ35を収容可能である。
図4に示すように、ハウジング延長部25は、ハウジング20から後方に向かって延びている。
図5に示すように、車両10の後端部18を通り、上下方向に延びる平面を車両後面Sbとする。ハウジング延長部25の後端26は、車両後面Sbよりも車両10の内側に位置する。図において、車両後面Sbの所在を明確にするため、車両後面Sbを二点鎖線で示している。
図4に戻って、ハウジング延長部25は、ハイマウントストップランプ251、ハウジング下面27およびハウジング凸部28を有する。
ハイマウントストップランプ251は、ハウジング延長部25の後側に設けられている。また、ハイマウントストップランプ251は、透明なカバー252で覆われており、光源253を含む。さらに、ハイマウントストップランプ251は、シフト位置センサ40が後退レンジを検出したとき、点灯する。
ハウジング下面27は、ハウジング延長部25の下側の面であり、リヤスポイラー16に沿って形成されている。
ハウジング凸部28は、ハウジング下面27から下方に延びている。また、ハウジング凸部28は、下方に向かって、ハウジング凸部28の大きさが小さくなるように、形成されている。さらに、ハウジング凸部28の先端部29は、ミラー30の鏡面31よりも下側に位置している。
ミラー30は、基部および主鏡で構成されており、平面鏡、凸面鏡または凹面鏡に形成されている。本実施形態では、ミラー30は、凸面鏡に形成されている。基部は、樹脂、ガラスまたは金属等で形成されている。主鏡は、めっきにより、基部の表面に成膜されている。ミラー30は、ハウジング下面27に設けられており、鏡面31を下側に有し、地面Gを含む鏡像を映すことが可能である。図において、ミラー30の所在を明確にするため、ミラー30をドット柄で記載している。
図6に示すように、ミラー30の鏡面31は、曲面を有する。鏡面31の外縁を局所的な曲がり具合を円に近似できる。この近似円の半径を鏡面曲率半径Rm[mm]とする。鏡面曲率半径Rmを有する円の中心を鏡面曲率中心Omとする。鏡面曲率中心Omは、鏡面31に対して、上側に設けられている。鏡面31は、1つの曲率半径を有し、鏡面曲率半径Rmが30mm以上、100mm以下になるように、形成されている。第1実施形態では、鏡面31は、1つの曲率半径を有する。図において、鏡面曲率中心Omの所在を明確にするため、ハウジング20を白色で記載している。また、鏡面曲率半径Rmを一点鎖線で記載している。
カメラ35は、撮像素子を有し、撮像を1秒間に60フレーム以上のフレーム数の動画として出力可能である。撮像素子は、例えば、CCD型またはCMOS型である。CCDは、Charge Coupled Deviceの略であり、電荷結合素子を用いたセンサのことである。CMOSは、Complementary MOSFETの略であり、金属酸化物半導体電界効果トランジスタであるMOSFETを相補形に設置されたゲート構造のことである。
カメラ35は、ミラー30よりも下側に設けられており、後方を向いて、ハウジング20に収容されている。また、カメラ35は、車両10の後方および鏡面31を撮像可能である。カメラ35が鏡面31を撮像したとき、車両10の後側の地面Gを含む鏡像が撮像される。カメラ35の撮像範囲Tm側のカメラ35の端面の中心をカメラ中心Ocとする。カメラ35の撮像素子に写る範囲を角度で表したものを撮像画角θとする。撮像画角θは、カメラ35の撮像範囲Tmの端で設定される角度である。カメラ35は、撮像画角θが35度以上、55度以下となるように、設定されている。カメラ35が撮像した画像をカメラ画像Imとする。カメラ画像Imは、画像処理部45およびモニタ50に出力される。
上下方向におけるカメラ中心Ocからミラー30の鏡面31までの距離をカメラ距離Lc[mm]とする。ミラー30およびカメラ35は、カメラ距離Lcが10mmから50mmとなるように、設けられている。また、ミラー30およびカメラ35を結ぶ線分は、地面Gに対して、30度から60度となるように、設定されている。
シフト位置センサ40は、車両10の内部に設けられており、車両10のシフトレンジを示す信号を出力可能である。車両10には、前進レンジとしてのDレンジが設定されており、後退レンジとしてのRレンジが設定されている。また、車両10には、駐車レンジとしてのPレンジが設定されており、中立レンジとしてのNレンジが設定されている。
シフト位置センサ40は、車両10のシフトレンジが変更されたか否かを検出する。また、シフト位置センサ40は、Dレンジ、Rレンジ、PレンジまたはNレンジを検出し、いずれのシフトレンジであったか否かを判定する。
図7に示すように、検出されたDレンジ、Rレンジ、PレンジまたはNレンジは、画像処理部45および制御部60に出力される。
画像処理部45は、車両10の内部に設けられており、カメラ画像Imを変換可能である。カメラ画像Imを車両10に対して左右反転したときの画像を左右反転画像Im_LRとする。画像処理部45は、車両10のシフトレンジがDレンジ、PレンジまたはNレンジであったとき、カメラ画像Imを左右反転画像Im_LRに変換する。カメラ画像Imを車両10に対して上下反転したときの画像を上下反転画像Im_UDとする。画像処理部45は、車両10のシフトレンジがRレンジであったとき、カメラ画像Imを上下反転画像Im_UDに変換する。
モニタ50は、車両10の内部に設けられており、カメラ画像Im、左右反転画像Im_LRまたは上下反転画像Im_UDを表示可能である。モニタ50は、例えば、バックライトを有する液晶型、プラズマ表示型またはOELD型のものが用いられる。ここで、OELDは、Organic Electroluminescence Displayの略であり、有機化合物を用いた層状の構造体に電圧を掛けると発光する現象を用いた表示装置である。
アクチュエータ55は、ソレノイドまたはモータであり、通電することによって、並進運動または回転運動可能である。アクチュエータ55は、並進運動または回転運動することによって、ミラー30の向きまたはカメラ35の向きを変更可能である。第1実施形態では、アクチュエータ55は、モータであり、カメラ35に設けられており、カメラ35の向きを変更可能である。
制御部60は、車両10の内部に設けられており、マイコンを主体として構成されている。制御部60は、CPU、読み出し可能な非一時的有形記録媒体、ROM、I/O、および、これらの構成を接続するバスライン等を備えている。制御部60の各処理は、ROM等の実体的なメモリ装置に予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理であってもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理であってもよい。なお、画像処理部45は、制御部60と同様に、マイコンを主体として構成されている。
制御部60は、車両10のシフトレンジがRレンジであるとき、ミラー30の向きまたはカメラ35の向きを変更し、カメラ35がミラー30を撮像するように、アクチュエータ55を制御する。第1実施形態では、カメラ35の向きが変更される。なお、車両10のシフトレンジがDレンジ、PレンジまたはNレンジであるとき、カメラ35は、後方を向いたままである。
図8に示すように、ミラー30により、カメラ35は、車両10の後側の地面Gおよび車両10の後端部18付近を撮像できる。また、カメラ35がミラー30を撮像しないとき、カメラ35は、比較的遠距離の後方を撮像できる。カメラ35およびミラー30により、撮像可能な範囲を装置撮像範囲Tdとする。装置撮像範囲Tdは、車両10の後側の地面Gを含み、車両10の後方および後下方の広範囲を含む。
図9のフローチャートを参照して、車両後方視認装置1の処理について説明する。フローチャートにおいて、「S」は、ステップを意味する。
ステップ101において、エンジン19が始動する。このとき、車両後方視認装置1の電源が入る。初期状態では、車両10のシフトレンジは、Pレンジである。
ステップ102において、カメラ35は、後方を撮像する。カメラ画像Imが画像処理部45に出力される。
図10に示すように、ステップ103において、画像処理部45は、カメラ画像Imを左右反転画像Im_LRに変換する。
ステップ104において、モニタ50は、左右反転画像Im_LRを表示する。
ステップ105において、シフト位置センサ40は、車両10のシフトレンジが変更されたか否かを検出する。
車両10のシフトレンジが変更されたとき、処理は、ステップ106に移行する。
車両10のシフトレンジが変更されなかったとき、処理は、ステップ102に戻る。
ステップ106において、シフト位置センサ40は、車両10のシフトレンジがRレンジであるか否かを判定する。
車両10のシフトレンジがDレンジ、PレンジまたはNレンジであったとき、処理は、ステップ107に移行する。
車両10のシフトレンジがRレンジであったとき、処理は、ステップ110に移行する。
ステップ107−109において、ステップ102−104と同様の処理が行われる。
ステップ110において、制御部60は、カメラ35の向きを変更し、カメラ35がミラー30を撮像するように、アクチュエータ55を制御する。
図11に示すように、ステップ111において、カメラ35は、ミラー30を撮像し、ミラー30の鏡像を撮像する。カメラ35がミラー30の鏡像を撮像するため、カメラ画像Imに対して上側に、車両10の後端部18が表示される。
図12に示すように、ステップ112において、画像処理部45は、カメラ画像Imを上下反転画像Im_UDに変換する。
ステップ113において、モニタ50は、上下反転画像Im_UDを表示する。
ステップ114において、シフト位置センサ40は、車両10のシフトレンジが変更されたか否かを判定する。
車両10のシフトレンジが変更されなかったとき、処理は、ステップ106に戻る。
車両10のシフトレンジが変更されたとき、処理は、ステップ115に移行する。
ステップ115において、シフト位置センサ40は、車両10のシフトレンジがPレンジであるか否かを判定する。
車両10のシフトレンジがDレンジ、RレンジまたはNレンジであったとき、処理は、ステップ106に移行する。
車両10のシフトレンジがPレンジであったとき、処理は、ステップ116に移行する。
ステップ116において、制御部60は、国連欧州経済委員会規則(UN/ECE規則)の規則番号R46を満たすように、エンジン19が停止したか否かを判定する。制御部60は、各法規に従って、エンジン19が停止したか否かを判定する。
エンジン19が停止したとき、車両後方視認装置1の電源がオフになり、処理は、終了する。
エンジン19が停止していないとき、処理は、ステップ102に戻る。
従来、特許文献1に記載されているように、カメラおよびミラーを併用して、車両の後方および車両の下方を視認可能となる車両後方視認装置が知られている。特許文献1の構成では、ミラーは、露出するように、車両の後側に設けられている。また、カメラは、筒状のミラーに設けられている。この構成では、ミラーが露出しており、ミラーは、割れやすい。また、雨天等のとき、ミラーおよびカメラが液体に濡れやすく、カメラが撮像した画像が視認しにくい虞がある。そこで、車両後方視認装置1は、ミラー30を保護し、車両10の後方および後下方のカメラ画像Imを視認しやすくする。
[1]ミラー30は、ハウジング下面27に設けられている。カメラ35は、ハウジング20に収容されている。ハウジング20およびハウジング延長部25によって、ミラー30およびカメラ35は、保護される。このため、ミラー30およびカメラ35は、液体に濡れにくくなる。これにより、車両後方視認装置1は、ミラー30およびカメラ35を保護し、カメラ画像Im、左右反転画像Im_LRまたは上下反転画像Im_UDを視認しやすくなる。
また、ミラー30は、車両10の後側の地面Gを含む鏡像を映すことができる。さらに、制御部60は、車両10のシフトレンジがRレンジであるとき、ミラー30の向きまたはカメラ35の向きを変更し、カメラ35がミラー30を撮像するように、アクチュエータ55を制御する。これにより、車両10が後退するとき、車両10の後側の地面Gを視認でき、車両10の後方の死角がなくなり、車両10の後方および車両10の後下方が視認されやすくなる。
[2]アクチュエータ55は、カメラ35に設けられており、カメラ35の向きを変更可能である。これにより、カメラ35の撮像範囲Tmが大きくなる。このため、撮像画角θを小さくできる。撮像画角θが小さくなると、カメラ画像Imがひずみにくくなる。これにより、カメラ画像Im、左右反転画像Im_LRまたは上下反転画像Im_UDは、より視認されやすくなる。
[3]ミラー30の鏡面31は、曲面を有する。これにより、鏡面31が映すことができる範囲が比較的大きくなる。このため、ミラー30を比較的小さくできる。
[4]ミラー30の鏡面31は、鏡面曲率半径Rmが30mm以上、100mm以下になるように、形成されている。ミラー30の幅方向におけるミラー30の最大長さをミラー幅Wm[mm]とする。アクチュエータ55および制御部60により、カメラ35がミラー30を撮像したときにおける車両10の後端部18から地面Gを含んで視認可能な距離を視認可能距離Le[m]とする。
図13は、鏡面曲率半径Rmおよび視認可能距離Leの関係を示す図である。この関係図において、カメラ35の回転角度、撮像画角θ、カメラ距離Lcおよびミラー幅Wmは、固定値である。鏡面曲率半径Rmが大きくなるに伴い、鏡面31が映すことが小さくなる。このため、視認可能距離Leが小さくなる。
本実施形態の車両後方視認装置1に関する特性に基づいて検討すると、鏡面曲率半径Rmが100mm以上であるとき、視認可能距離Leが許容値以上である。また、鏡面曲率半径Rmが30mm未満であるとき、視認可能距離Leは、比較的大きい。しかし、このとき、鏡面31に映される対象が大きくひずむ。このため、モニタ50に表示される画像を視認しにくくなる。
[5]カメラ35は、撮像画角θが35度以上、55度以下となるように、設定されている。
図14は、撮像画角θおよび視認可能距離Leの関係を示す図である。なお、この関係図において、カメラ35の回転角度、カメラ距離Lcおよびミラー幅Wmは、固定値である。撮像画角θが大きくなるに伴い、カメラ35がミラー30を撮像しやすくなる。このため、撮像画角θが大きくなるに伴い、視認可能距離Leが大きくなり、死角が小さくなる。
本実施形態の車両後方視認装置1に関する特性に基づいて検討すると、撮像画角θが35度以上であるとき、視認可能距離Leが許容値以上になる。撮像画角θが35度未満であるとき、視認可能距離Leが小さくなりすぎる。このため、装置撮像範囲Tdが過小になり、車両10の後方が視認されにくくなる。
図15は、撮像画角θおよびミラー幅Wmの関係を示す図である。なお、この関係図において、カメラ35の回転角度およびカメラ距離Lcは、固定値である。撮像画角θが大きくなるに伴い、カメラ35の撮像範囲Tmが大きくなる。カメラ35の撮像範囲Tmが大きくなるに伴い、カメラ35がミラー30を撮像するとき、カメラ35が不要な箇所を撮像しないように、ミラー30を大きくする必要がある。このため、撮像画角θが大きくなるに伴い、ミラー幅Wmが大きくなる。
本実施形態の車両後方視認装置1に関する特性に基づいて検討すると、撮像画角θが55度以下であるとき、ミラー幅Wmが許容値以下になる。ミラー幅Wmが許容値を超えると、ミラー幅Wmが過大となり、ミラー30が外部と接触しやすくなる。このため、ミラー30が割れやすくなる。
なお、撮像画角θが55度を超えて、ミラー30を小さくすると、カメラ画像Imの不要な箇所を切り取る等の画像処理を行う必要がある。本実施形態の車両後方視認装置1では、撮像画角θが55度以下としておくことで、カメラ画像Imの不要な箇所を切り取る等の画像処理を追加する必要がない。これにより、画像処理の演算負担が軽減される。
図16は、撮像画角θおよび遠近の距離の違い差による運転者の感覚である遠近感の関係を示す図である。なお、この関係図において、カメラ35の回転角度、カメラ距離Lcおよびミラー幅Wmは、固定値である。撮像画角θが大きくなるに伴い、カメラ35の撮像範囲Tmが大きくなり、運転者は、遠いものを見ている感覚になる。撮像画角θが小さくなるに伴い、カメラ35の撮像範囲Tmが小さくなり、運転者は、近いものを見ている感覚になる。撮像画角θが35度以上、55度以下であるとき、運転者にとって、遠近の距離の違いの差が許容される。撮像画角θが35度未満である場合、または、55度を超える場合、運転者の目視とモニタ50に表示される画像との遠近の距離に差異がでやすくなる。このため、運転者による遠近感がずれやすくなり、モニタ50に表示される画像を視認しにくくなる。
[6]ミラー30およびカメラ35は、カメラ距離Lcが10mmから50mmとなるように、設けられている。
図17は、カメラ距離Lcおよびミラー幅Wmの関係を示す図である。なお、この関係図において、カメラ35の回転角度、撮像画角θおよび視認可能距離Leは、固定値である。カメラ距離Lcが大きくなるに伴い、ミラー30に対して、カメラ35の撮像範囲Tmが大きくなる。このため、上記と同様に、ミラー幅Wmを大きくする必要がある。
本実施形態の車両後方視認装置1に関する特性に基づいて検討すると、カメラ距離Lcが50mmであるとき、ミラー幅Wmが許容値以下になる。また、カメラ距離Lcが10mm未満であるとき、カメラ35とミラー30とが接触しやすくなる。このため、ミラー30が割れやすくなる。
[7]ハウジング延長部25は、下方に延びるハウジング凸部28を有する。重力によって、ハウジング延長部25に付着する液体がハウジング凸部28に向かって移動しやすくなる。このため、ハウジング凸部28に液体が集中しやすくなり、ミラー30およびカメラ35は、より液体に濡れにくくなる。
[8]ハウジング延長部25の後端26は、車両後面Sbよりも車両10の内側に位置する。ハウジング延長部25が車両10から突き出ないため、ハウジング延長部25が外部と接触しにくくなり、ハウジング20が破損しにくくなる。
[9]従来、複数のカメラを用いて、車両の後方の死角を少なくする車両後方視認装置が知られている。複数のカメラを用いるとき、カメラの数に応じて、車両へのカメラおよび配線の組み付ける工数が大きくなる。このため、車両後方視認装置のコストが増加する虞がある。本実施形態の車両後方視認装置1では、カメラ35およびミラー30を併用することによって、カメラ35の数を減らすことができる。これにより、車両10へのカメラ35および配線の組み付ける工数が小さくなる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、アクチュエータの位置が異なる点を除き、第1実施形態と同様である。
図18に示すように、第2実施形態の車両後方視認装置2のアクチュエータ255は、ミラー30に設けられており、ミラー30の向きを変更可能である。図において、初期状態のミラー30の位置を破線で記載している。
制御部60は、車両10のシフトレンジがRレンジであるとき、ミラー30の向きを変更し、カメラ35がミラー30を撮像するように、アクチュエータ255を制御する。
第2実施形態においても、第1実施形態の[1]および[3]−[6]に記載される効果と同様の効果を奏する。
(他の実施形態)
(i)ハウジングは、リヤスポイラーが位置する車両のボディに直接設けられてもよい。
(ii)図19に示すように、ハウジング延長部25の後端26は、車両後面Sb上にあってもよい。
(iii)図20に示すように、ミラー30の鏡面31は、ミラー前端面32およびミラー後端面33を含む。ミラー前端面32の外縁を局所的な曲がり具合を円に近似できる。この近似円の半径を前端曲率半径Rfとする。前端曲率半径Rfを有する円の中心を前端曲率中心Ofとする。ミラー後端面33の外縁を局所的な曲がり具合を円に近似できる。この近似円の半径を後端曲率半径Rbとする。後端曲率半径Rbを有する円の中心を後端曲率中心Obとする。前端曲率中心Ofおよび後端曲率中心Obは、鏡面31に対して、上側に設けられている。図において、前端曲率半径Rfおよび後端曲率半径Rbを一点鎖線で記載している。
鏡面31は、前端曲率半径Rfが後端曲率半径Rbよりも小さくなるように、形成されている。鏡面31は、後方に向かって、曲率半径が大きくなるように、形成されてもよい。なお、図において、前端曲率中心Ofおよび後端曲率中心Obの所在を明確にするため、ハウジング20を白色で記載している。
(iv)図21に示すように、鏡面31は、前端曲率半径Rfが後端曲率半径Rbよりも大きくなるように、形成されている。鏡面31は、後方に向かって、曲率半径が小さくなるように、形成されてもよい。鏡面31が複数の曲率半径を有することによって、アクチュエータ55により、カメラ35がミラー30に向いたとき、カメラ中心Ocからミラー前端面32までの距離と、カメラ中心Ocからミラー後端面33までの距離とが等しくなりやすい。このため、カメラ35がミラー30を撮像しやすくなる。
以上、本開示はこのような実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
10 ・・・車両、 17 ・・・車両の上部、
20 ・・・ハウジング、
25 ・・・ハウジング延長部、 27 ・・・ハウジング下面、
30 ・・・ミラー、
35 ・・・カメラ、
50 ・・・モニタ、
55 ・・・アクチュエータ、
60 ・・・制御部。

Claims (10)

  1. 車両(10)の後側であって、前記車両の上部(17)に設けられているハウジング(20)と、
    前記ハウジングから前記車両の後方に向かって延びているハウジング延長部(25)と、
    前記車両に対して前記ハウジング延長部の下側の面であるハウジング下面(27)に設けられており、前記車両の後側の地面(G)を含む鏡像を映すことが可能な鏡面(31)を有するミラー(30)と、
    前記車両に対して前記ミラーよりも下側に設けられ、前記車両の後方を向いて、前記ハウジングに収容されており、前記車両の後方を撮像可能なカメラ(35)と、
    前記車両に設けられており、前記カメラが撮像した画像であるカメラ画像(Im)を表示可能なモニタ(50)と、
    前記ミラーの向きまたは前記カメラの向きを変更可能なアクチュエータ(55)と、
    前記車両のシフトレンジが後退レンジであるとき、前記ミラーの向きまたは前記カメラの向きを変更し、前記カメラが前記ミラーを撮像するように、前記アクチュエータを制御する制御部(60)と、
    を備える車両後方視認装置。
  2. 前記アクチュエータは、前記カメラに設けられており、前記カメラの向きを変更可能である請求項1に記載の車両後方視認装置。
  3. 前記鏡面は、曲面を含む請求項1または2に記載の車両後方視認装置。
  4. 前記鏡面は、曲率半径(Rm)が30mm以上、100mm以下になるように、形成されている請求項3に記載の車両後方視認装置。
  5. 前記カメラは、前記カメラの撮像画角(θ)が35度以上、55度以下となるように、設定されている請求項1から4のいずれか一項に記載の車両後方視認装置。
  6. 前記車両の上下方向における前記カメラの中心(Oc)から前記鏡面(31)までの距離(Lc)が10mmから50mmである請求項1から5のいずれか一項に記載の車両後方視認装置。
  7. 前記車両のシフトレンジが前進レンジであるとき、前記カメラ画像を前記車両に対して前記カメラ画像が左右反転した画像である左右反転画像(Im_LR)に変換し、前記車両のシフトレンジが後退レンジであるとき、前記カメラ画像を前記車両に対して前記カメラ画像が上下反転した画像である上下反転画像(Im_UD)に変換する画像処理部(45)をさらに備え、
    前記モニタは、前記カメラ画像、前記左右反転画像または前記上下反転画像を表示可能である請求項1から6のいずれか一項に記載の車両後方視認装置。
  8. 前記車両の後端部(18)を通り、前記車両に対して上下方向に延びる平面を車両後面(Sc)とすると、
    前記ハウジング延長部の後端(26)は、前記車両後面上に位置する、または、前記車両後面よりも前記車両の内側に位置する請求項1から7のいずれか一項に記載の車両後方視認装置。
  9. 前記ハウジング延長部は、前記車両に対して前記ミラーよりも後側であって、前記車両の下方に延びるハウジング凸部(28)を有する請求項1から8のいずれか一項に記載の車両後方視認装置。
  10. 前記車両は、前記車両の後側であって、前記車両の上部に設けられており、前記車両が前進しているとき、空気の流れを変更するリヤスポイラー(16)を有し、
    前記ハウジングは、前記リヤスポイラーと一体に設けられている請求項1から9のいずれか一項に記載の車両後方視認装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7428100B2 (ja) 2020-08-03 2024-02-06 株式会社豊田自動織機 産業車両における光学機器ユニット装置

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