JP3745118B2 - 通過物体の一時置き場装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通過搬送される物体を一時的に置いておくための置き場装置に係り、例えば、工場に納入された部品、材料等の物体を工場内のそれぞれの所定箇所に分配搬送するために、物体を一時停留させるために利用できるものである。
【0002】
【背景技術】
製品を生産する工場では、それぞれの納入業者が各々の部品、材料等の物体を納入し、これらの物体は工場内のそれぞれの所定箇所に分配搬送されて製品の生産のために使用される。
【0003】
従来、納入業者から納入された物体は、フォークリフト等の第1運搬車両により物体分配場所に運ばれ、この物体分配場所には複数の物体停留スペースが区画形成されており、物体分配場所に運ばれた物体はその物体の種類に応じて物体停留スペースごとに仕分け配置され、この後、第2運搬車両がその物体停留スペースまで走行し、この第2運搬車両に物体が載せられて工場内の所定箇所に運ばれるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の工場内の物流システムでは、物体停留スペースは、第1運搬車両の走行路と第2運搬車両の走行路とに面して設けられており、第1運搬車両から物体停留スペースに物体を運び入れるときや、物体停留スペースから第2運搬車両に物体を積載するときに、作業者が物体停留スペースに入ってこれらの作業を行うことがある。これによると、例えば、作業者が第1運搬車両から物体停留スペースに物体を運び入れる作業を行っているときに第2運搬車両がこの物体停留スペースに達すると、第2運搬車両は作業者に近づくことになり、このため、作業者の安全を確保する防災上の工夫を物体停留スペースに施すことが求められることになる。
【0005】
本発明の目的は、通過搬送される物体が一時的に置かれるスペースについて、防災の機能を付加させることができるようになる通過物体の一時置き場装置を提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る通過物体の一時置き場装置は、物体が一時的に置かれる物体置きスペースと、このスペースへの物体の搬入を行うための第1開口部と、前記スペースからの物体の搬出を行うための第2開口部とを有し、第1開口部と第2開口部に、物体の搬入、搬出時に開く開閉手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0007】
この通過物体の一時置き場装置によると、第1開口部を通して物体置きスペースに物体を搬入する作業が行われるときには、第1開口部の開閉手段は開いて第2開口部の開閉手段は閉じ、また、第2開口部を通して物体置きスペースから物体を搬出する作業が行われるときには、第1開口部の開閉手段は閉じて第2開口部の開閉手段は開く。
【0008】
このため、たとえ物体置きスペースに作業者等の人間が入ることになっていても、この人間は開閉手段が開いた一方の開口部から物体置きスペースに入ることが可能になるとともに、他方の開口部の開閉手段は閉じるため、この開口部またはこの開口部の近くに危険物が来ることがあっても、人間はこの危険物から遮断された状態で所定作業を行え、このため、人間は保護され、本発明に係る通過物体の一時置き場装置は防災機能を備えたものとなる。
【0009】
なお、本発明は、第1開口部を通して物体置きスペースに搬入された物体が第2開口部を通して物体置きスペースから搬出される場合だけではなく、第2開口部を通して物体置きスペースに搬入された物体が第1開口部を通して物体置きスペースから物体が搬出される場合、言い換えると、第1開口部と第2開口部のそれぞれが物体の搬入口と搬出口の両方になっている場合にも、適用できる。
【0010】
また、第1開口部の開閉手段と第2開口部の開閉手段はモータ等の駆動源を使用した自動式ものでもよく、駆動源を使用しない手動式のものでもよい。
【0011】
本発明に係る通過物体の一時置き場装置の用途の一例は、この装置を、物体置きスペースに搬入される物体を運搬するための第1運搬車両の走行路と、物体置きスペースから搬出された物体を運搬するための第2運搬車両の走行路との接続部分に配置し、物体置きスペースに一時的に置かれる物体を第1運搬車両から第2運搬車両に引き継がれて運ばれる物体とすることである。
【0012】
ここでいう第1運搬車両と第2運搬車両は、例えば、フォークリフト等のように工場内を走行し、工場に納入された部品、材料等の物体を所定箇所に搬送するための車両でもよく、トラック等のように一般の公道を走行し、荷送り主から荷受け取り主に荷物を送るための車両でもよい。
【0013】
また、本発明に係る通過物体の一時置き場装置は、立体駐車場にも適用でき、これを具体的に説明すると、立体駐車場の入り口にこの一時置き場装置を配置し、物体を自動車とするとともに、自動車運転者が運転して自動車を乗り入れる場所を装置内の物体置きスペースと、装置の立体駐車場とは反対側の開口部(第1開口部)に設けられている開閉手段が開いたときにこのスペースに自動車に乗り入れ、そして運転者が装置から出た後、それまで閉じていた装置の立体駐車場側の開口部(第2開口部)の開閉手段が開き、この開口部から物体置きスペースに残されている自動車を立体駐車場に装備されている自動車引き取り装置が立体駐車場内に引き込むことである。
【0014】
これと同様な用途として、本発明に係る装置を立体駐輪場の入り口に配置することもできる。
【0015】
本発明に係る装置の第1開口部、第2開口部に設ける開閉手段は、任意な形式のものを採用することができ、例えば、開口部の互いに対向する二辺のうちの一方から他方に向かってスライド体が移動することにより開口部を閉じるスライド式のものでもよく、回動体が回動することにより開口部を開閉する回動式のものでもよい。前者については、スライド体のスライド方向は上下方向でもよく、左右方向でもよく、水平方向でもよい。後者については、1個の大型回動体だけで開口部を開閉するものでもよく、観音式扉のように複数の回動体によって開口部を開閉するものでもよく、また、回動中心軸の軸方向は鉛直方向でもよく、水平方向でもよい。
【0016】
また、第1開口部の開閉手段と第2開口部の開閉手段は同じ形式のものでもよく、異なる形式のものでもよい。
【0017】
第1開口部の開閉手段と第2開口部の開閉手段を別個のものとすることもでき、また、これらの開閉手段を、共に開口部の互いに対向する二辺のうちの一方から他方に向かってスライド体が移動することにより開口部を閉じるスライド式開閉手段とした場合には、これらのスライド式開閉手段を連結一体化された1個のものとし、第1開口部と第2開口部のうちの一方が開かれたときに他方が閉じられるようにすることもできる。
【0018】
後者のようにした場合には、開口部が2個あっても開閉手段を1個とすることができるため、それだけ構造の簡単化、部品点数の削減を達成することができることになる。
【0019】
開閉手段をスライド式とした場合には、スライド体を、スライド体の移動方向に複数並設されたバー状部材と、これらのバー状部材同士を連結し、かつ可撓性を有する連結部材とを含んで構成されたものとしてもよく、引き戸のように1枚または複数枚のプレート状の部材で形成されたものとしてもよい。
【0020】
スライド体を前者とした場合には、スライド体の移動で開口部が閉じられるときにこのスライド体の先端が障害物に当接すると、可撓性を有する連結部材の可撓作用によってスライド体に撓み変形部が生ずることになり、これにより、スライド体から大きな衝撃荷重が障害物に作用するのを防止でき、スライド体および障害物の破損事故等の発生を防止できる。
【0021】
このスライド体の移動を案内するため、装置の開口部にはスライド体の前記バー状部材の長手方向両側においてガイドレールを設け、これらのガイドレールにバー状部材の両端部を摺動自在に係合させることが好ましい。
【0022】
ここで、全部のバー状部材の両端部をガイドレールに摺動自在に係合させてもよいが、両端部または一方の端部をガイドレールに摺動自在に係合させないバー状部材を設けてもよい。
【0023】
このように、両端部または一方の端部をガイドレールに摺動自在に係合させないバー状部材を設けると、スライド体の先端が障害物に当接したときに生ずるスライド体の撓み変形部は、可撓性連結部材で連結されているバー状部材同士の間だけではなく、ガイドレールに係合していないバー状部材の箇所でも発生させることができるようになり、この撓み変形部の撓み量を大きくできることから、スライド体と障害物に作用する衝撃荷重を一層低減できる。
【0024】
このような作用効果を得るための構造の一例は、スライド式開閉手段をバー状部材の長手方向両側に配置されたガイドレールに案内されて移動自在とするとともに、バー状部材に長さの長いものと短いものを設け、長いバー状部材の両端部をガイドレールに摺動自在に係合し、短いバー状部材の両端部がガイドレールまで達しないようにすることである。
【0025】
また、他の例は、スライド式開閉手段をバー状部材の長手方向両側に配置されたガイドレールに案内されて移動自在とし、全部のバー状部材の長さを同じとするとともに、これらのバー状部材の一部を前記ガイドレールのうちの一方側に片寄って配置し、残りのバー状部材を他方側に片寄って配置し、それぞれのバー状部材を、片寄った側の端部がその片寄った側のガイドレールだけに摺動自在に係合するようにさせることである。
【0026】
前者の例において、長さの長いバー状部材と長さの短いバー状部材は、1本ごとに交互に配置してもよく、複数本ごとに交互に配置してもよく、あるいは、一本の長いバー状部材の次ぎに複数本の短いバー状部材を配置してもよく、一本の短いバー状部材の次ぎに複数本の長いバー状部材を配置してもよく、その配置順序および配置位置は任意である。後者の例についても、これと同様である。
【0027】
スライド式開閉手段を、スライド体の移動方向に複数並設されたバー状部材と、これらのバー状部材同士を連結し、かつ可撓性を有する連結部材とを含んで構成されるものとした場合には、バー状部材は、スラットでもよく、細長のパネルでもよく、桟でもよい。そしてこのバー状部材は、パイプ等のように中空の部材でもよく、中実の部材でもよい。また、可撓性の連結部材は、チェーンでもよく、ワイヤーやロープ等の紐状の部材でもよく、また、装置の開口部の全部またはほぼ全部または一部を覆う面積となっている布状の部材でもよい。
【0028】
また、本発明に係る装置において、前述した第1開口部と第2開口部は、装置の互いに反対側の側面に設けてもよく、装置の互いに隣り合う側面に設けてもよく、また、装置は四角形の箱形でもよく、それ以外の形状でもよい。
【0029】
さらに、本発明は、第1開口部と第2開口部の2個の開口部だけではなく、第3開口部や第4開口部等の3個以上の開口部を備えた装置にも適用でき、第3開口部等の第1開口部や第2開口部以外の開口部にも、前述した第1開口部、第2開口部と同様に任意な形式、構造の開閉手段を設けることができ、第3開口部と第4開口部の開閉手段を、連結一体化されていて一方の開口部を閉じたときには他方を開くものとしてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る通過物体の一時置き装置1が使用されている工場内の物体分配場所を示す概略平面図であり、図2は、その装置1の全体斜視図である。
【0031】
図1に示すように、工場内の物体分配場所には、複数の装置1が横方向に並設されて形成された装置列2が間隔をあけて二列配置され、これらの装置列2の外側には、第1運搬車両3が走行する走行路4が設けられているとともに、装置列2同士の間には、第2運搬車両5が走行する走行路6が設けられており、装置列2を形成しているそれぞれの装置1は、これらの走行路4と6の接続部分に配置されている。第1運搬車両3は、製品の生産のために工場に納入業者から納入された部品や材料等の物体を所定の装置1内の後述する物体置きスペースに運ぶためのものであり、第2運搬車両5は、それぞれの装置1の物体置きスペースに分配されて置かれた物体を工場内に所定箇所に運ぶためのものである。
【0032】
したがって、装置1の物体置きスペースは、第1運搬車両3から第2運搬車両5に引き継がれて通過搬送される物体を分配搬送するために一時的に置いておくためのスペースになっている。図1において、Aはその物体の搬送経路を示す。
【0033】
図2に示す通り、装置1の骨組みは、四隅の4本の柱7〜10と、これらの柱7〜10を結合する梁11〜18で形成され、このため、装置1は四角形の箱形となっている。装置1の内部空間は前述した物体置きスペースSであり、図面ではこのスペースSに何も設けられていないが、このスペースSに物体を整理した状態で置くことができるように棚や仕分け壁等を設けてもよい。このため、物体置きスペースSは、物体を棚や壁等で整理したり仕分けたりして収納するスペースであってもよい。
【0034】
装置1における互いに反対側の側面は第1開口部19と第2開口部20となっており、図1に示すように、第1開口部19は第1運搬車両3の走行路4に面しているとともに、第2開口部20は第2運搬車両5の走行路6に面しており、第1運搬車両3で運ばれてきた物体が第1開口部19を通して物体置きスペースSに搬入され、この物体は第2開口部20を通して第2運搬車両5に積載されて搬出されるようになっている。
【0035】
図2に示す通り、装置1の天井部分にはモータ21が設置され、また、第1開口部19の上部と第2開口部20の上部には、軸受22で回転自在に支持された回転軸23,24が水平に架設されている。モータ21の駆動軸に固設されたスプロケット25にはチェーン26が掛け回され、このチェーン26は回転軸23に固設されているスプロケット27にも掛け回され、このため、モータ21の駆動により回転軸23は回転する。回転軸23と24にはスプロケット28,29が固設されており、これらのスプロケット28,29にはチェーン30が掛け回されている。したがって、モータ21が駆動されると、モータ21の正逆回転に応じた同じ方向に回転軸23と24は同時に回転する。
【0036】
回転軸23と24のそれぞれの両端部にはスプロケット31〜34が取り付けられており、これらのスプロケット31〜34により、第1開口部19と第2開口部20を開閉するためのスライド式開閉手段35が駆動されるようになっている。
【0037】
このスライド式開閉手段35を説明すると、スライド式開閉手段35は、第1開口部19、第2開口部20の上辺から下辺に向かってスライド移動することによりこれらの開口部19,20を閉じるスライド体36によって構成され、このスライド体36は、スライド体36の移動方向に間隔をあけて多数並設されたバー状部材であるスラット37と、これらのバー状部材37を連結する可撓性の連結部材になっているチェーン38とで構成され、チェーン38はスラット37の長さ方向両端部近くに2本設けられている。
【0038】
チェーン38は、回転軸23のスプロケット32部分を代表例として拡大して示している図3の通り、回転軸23,24に固設されているスプロケット31〜34に噛合しており、このため、スライド体36はモータ21からの駆動力により第1開口部19、第2開口部20に対して上下方向に移動するようになっている。
【0039】
また、図2に示されているように、スライド体36は、第1開口部19と第2開口部20のうちの一方から装置1の天井部分を通って他方まで達する長さを有しており、このため、スライド移動したスライド体36によって第1開口部19と第2開口部20のうちの一方が閉じられたときには、自ずと他方が開かれるようなっている。また、装置1には、前記梁14,16と隣接してこれらの梁14,16と平行する方向に延びるスラット受け部材39が配置され、これらのスラット受け部材39の上面に載せられながらスライド体36のスラット37が装置1の天井部分を移動するようになっている。
【0040】
さらに、それぞれのスラット受け部材39の両端部には、スプロケット31〜34まで延びていて、スラット37を載せてスプロケット31〜34側にスラット37を所定通り送るためのスラット受け補助部材40が配置されており、このため、スプロケット31〜34にスライド体36のチェーン38が確実に噛合し、スプロケット31〜34の回転によるスライド体36の移動が確実に行われるようになっている。
【0041】
スライド体36のスラット37には、長さの長いスラット37Aと長さの短いスラット37Bとがあり、長いスラット37Aと短いスラット37Bが1本ごとに交互にスライド体36の移動方向に配置されることにより、スライド体36が形成されている。
【0042】
装置1の第1開口部19、第2開口部20の左右両側の側縁を形成している前記柱7と8、9と10の互いに対向する内側の側面には、長いスラット37Aの両端部41、42が摺動自在に挿入係合する隙間43を有する上下に長いガイドレール44が取り付けられ、短いスラット37Bの両端部45,46はガイドレール44まで達せず、第1開口部19、第2開口部20に対するスライド体36の上下移動は、長いスラット37Aの両端部41,42がガイドレール44で案内されながら行われる。
【0043】
図4は、スライド体36のスラット37の具体的形状を示す。それぞれのスラット37は、ウェブ47と、このウェブ47の上下端部から直角に延びる一対のフランジ48,49とからなる溝型鋼で形成され、このため、スラット37は大きな強度を有する。また、全部のスラット37について、スラット37の長さ方向両端部近くにおいてフランジ48,49は切除されており、このため、全部のスラット37のウェブ47の背面に前記チェーン38を構成するリンク50を接合してチェーン38でそれぞれのスラット37を連結できるようになっているとともに、長いスラット37Aについては、その両端部41,42をガイドレール44の隙間43に挿入できるようになっている。
【0044】
チェーン38は、スラット37に接合された上記リンク50と、スラット37同士の間に位置するリンク51、52とがピン53で直列に連結されることにより形成されており、スラット37同士の間にリンク51と52の連結部による屈曲部があるとともに、それぞれのスラット37の箇所にも、リンク50と51の連結部およびリンク50と52の連結部による屈曲部がある。
【0045】
以上説明した本実施形態に係る装置1のスライド式開閉手段35の駆動、すなわち、スライド体36をスライド移動させるモータ21の駆動は、手で操作されるスイッチで行われるようにしてもよく、また、センサ等を使用した自動制御式としてもよい。
【0046】
次ぎに、本実施形態に係る装置1の作用について説明する。以下の説明では、スライド式開閉手段35は、手で操作されるスイッチでモータ21が駆動させることにより作動するものとする。
【0047】
工場に納入業者から部品、材料等の物体が送られてくると、この物体は走行路4を走行する第1運搬車両3に積まれ、そして、この物体を一時置いておく物体置きスペースSを有している所定の装置1まで第1運搬車両3は走行し、その装置1の前方で停止する。次いで運転者等の作業者がその装置1に設けられているスイッチを操作し、これによってモータ21が駆動され、これまで図5に示すように第1開口部19を閉じて第2開口部20を開けていたスライド体36が移動することにより、図6に示す通り、第1開口部19が開くとともに、第2開口部20は閉じる。この後、作業者は第1運搬車両3から物体を第1開口部19を通して装置1の物体置きスペースSに搬入する作業を行う。
【0048】
このように装置1の物体置きスペースSに物体が搬入された後、この物体を工場内の所定箇所に運ぶための第2運搬車両5が走行路6を走行し、この物体が物体置きスペースSに置かれている装置1の前方で第2運搬車両5停止する。そして、運転者等の作業者が装置1のスイッチを操作することにより、スライド体36はモータ21の逆駆動によって図6の状態から図5の状態へと移行し、第2開口部20が開くとともに、第1開口部19は閉じる。
【0049】
この後、作業者は装置1の物体置きスペースSに置かれている物体を第2開口部20から第2運搬車両5に搬出して積載する作業を行い、次いで第2運搬車両5は走行路6を走行し、物体は工場内の所定箇所の搬送される。
【0050】
以上説明した本実施形態によると、装置1に、物体置きスペースSに物体を搬入、搬出するための第1開口部19と第2開口部20を設けても、第1開口部19から物体を物体置きスペースSに搬入する作業が行われているときには、第2開口部20は開閉手段35のスライド体36で閉じられており、また、第2開口部20から物体を物体置きスペースSより搬出する作業が行われているときには、第1開口部19はスライド体36で閉じられているため、作業者が物体置きスペースSに入って搬入または搬出の作業を行っていても、この作業者が通った開口部とは反対側の開口部やこの開口部の近くに第1運搬車両3や第2運搬車両5を含む危険物が達しても、作業者はこの危険物から保護された状態で所定作業を行えることになり、防災上有効である。
【0051】
また、スライド体36は第1開口部19から第2開口部20まで達する長さを有し、第1開口部19と第2開口部20のうちのいずれか一方が開かれたときには他方が閉じられるため、第1開口部19を開閉するための開閉手段と、第2開口部20を開閉する開閉手段とは連結一体化された1個のものとなっている。このため、第1開口部19と第2開口部20ごとに開閉手段を設ける必要がなく、この結果、それだけ装置1の構造の簡単化、部品点数の削減を達成できる。
【0052】
また、図7は、スライド体36の上方からの移動により第1開口部19(以下、第2開口部20についても同じ)が閉じられている通常時を示しているが、図8に示すように、第1開口部19の下端に物体置きスペースSに収納されるべき物体を含む障害物55が存在しているときにスライド体36が上方から移動してきたときには、スライド体36のそれぞれのスラット37は可撓性を有するチェーン38で連結されているため、先端のスラット37が障害物55に当接すると、チェーン38の撓みによりスライド体36に装置1の内外方向への撓み変形部が生ずることになる。このため、この当接時における衝撃荷重は緩和され、スライド体39および障害物55に大きな衝撃荷重が作用するのを防止でき、これらの安全性を確保できる。
【0053】
特に本実施形態では、スライド体36のスラット37には長さの長いスラット37Aと短いスラット37Bとがあり、短いスラット37Bの両端部はガイドレール44に係合していないため、スライド体36に生ずる装置1の内外方向への撓み変形部は、図3と図4で示されているチェーン38のリンク51と52の連結部における屈曲だけではなく、短いスラット37Bに接合されているリンク50と51の連結部における屈曲と、リンク50と52の連結部における屈曲とによっても発生することになる。このため、この撓み変形部の撓み量を大きくすることができ、この撓みによる上記衝撃荷重の緩和を一層有効に行える。
【0054】
図9は、変形の実施形態を示す。この実施形態におけるスライド体36も、スライド体36の移動方向に多数並設されたスラット137と、これらのスラット137を連結するチェーン38とで構成されているが、全部のスラット137の長さは同じである。また、スラット137には、第1開口部19の左側縁を形成する柱7側に片寄って配置されたスラット137Aと、第1開口部19の右側縁を形成する前記柱8側に片寄って配置されたスラット137Bとがあり、スラット137Aの両端部のうち、柱7側の端部だけがこの柱7に取り付けられたガイドレール44に係合し、スラット137Bの両端部のうち、柱8側の端部だけがこの柱8に取り付けられたガイドレール44に係合し、これらのスラット137Aと137Bが交互に並設されることにより、スライド体36が形成されている。
【0055】
この実施形態によっても、図8と同様に第1開口部19や第2開口部20の下端に障害物が存在していたときには、スライド体36に大きな撓み変形部が発生することにより有効に衝撃荷重を緩和できるという作用効果を得られることになるとともに、全部のスラット137の長さを同じにできるため、スラットの生産を容易化することができる。
【0056】
なお、前述した説明は、第1開口部19、第2開口部20をスライド体36で開閉するための前記モータ21の駆動は手で操作されるスイッチで行われる場合であったが、このモータ21の駆動制御を自動制御式とすることもできる。この自動制御式の一例は次ぎの通りである。
【0057】
自動制御式とする場合には、装置1の第1開口部19の前方に図1で示した第1運搬車両3が到着して停止したことを検出する第1センサと、第2開口部20の前方に第2運搬車両5が到着して停止したことを検出する第2センサと、これらのセンサとモータ21を接続する制御手段とを装置1に取り付け、この制御手段により、第1センサが第1運搬車両3を検出したときには、スライド体36が第1開口部19を開けて第2開口部20を閉じるようにモータ21を駆動制御させ、第2センサが第2運搬車両5を検出したときには、スライド体36が第2開口部20を開けて第1開口部19を閉じるようにモータ21を駆動制御させ、第1センサが第1運搬車両3を検出しているときに第2センサが第2運搬車両5を検出することが生じたときには、第1センサが第1運搬車両3を検出しなくなるまで、言い換えると、第1開口部19の前方から第1運搬車両3が走行して去るまで、スライド体36が第1開口部19を開いて第2開口部20を閉じているようにモータ21を駆動制御させ、第1開口部19の前方から第1運搬車両3が走行して去った後は、スライド体36が第2開口部20を開けて第1開口部19を閉じるようにモータ21を駆動制御させるようにし、第2センサが第2運搬車両5を検出しているときに第1センサが第1運搬車両3を検出することが生じたときも、同様とする。
【0058】
なお、図1に示すように、複数の装置1の並設で形成された装置列2が二列あり、その間に形成されている走行路6を第2運搬車両5が走行するようになっている場合には、二列の装置列2のうちのいずれかに属する装置1の第2開口部20をスライド体36の移動で開かすようにするかは、走行路6を走行して二列の装置列2の間に侵入してくる第2運搬車両5が、これらの装置列2のいずれかに属する装置1の前記物体置きスペースSから物体を搬出するための車両であるかを判別できる機能を前記第2センサに付加することにより行え、このための一例は、それぞれの装置列2別に使用される2種類の第2運搬車両5を用意し、第2センサを、車両形状が異なるこれら2種類の第2運搬車両の形状識別機能を備えたものとすることである。
【0059】
また、装置1は、以上のように左右方向に複数個並設されて装置列2を形成するために使用されてもよいが、装置1はそれ自身1個だけ使用されてもよい。複数個の装置1が左右方向に並設される場合には、図2で示された装置1の4本の柱7〜10は、左右に隣り合う装置の柱を兼用するものとしてもよい。
【0060】
また、装置1は上下方向に複数個積み重ねられて使用されてもよく、積み重ねられずに使用されてもよい。
【0061】
【発明の効果】
本発明によると、装置に、内部の物体置きスペースに物体を搬入、搬出する第1開口部と第2開口部を設けるとともに、これらの開口部を開閉する開閉手段を設けたため、防災上有効となるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る装置を複数使用して工場内に設けられた物体分配場所を示す平面図である。
【図2】図1の装置の具体的形状、構造を示す斜視図である。
【図3】図2で示された開閉手段駆動用の複数のスプロケットのうちの1個の部分を拡大して示した側断面図である。
【図4】スライド式開閉手段であるスライド体の一部拡大斜視図である。
【図5】スライド体で第1開口部が閉じられて第2開口部が開いているときを示す装置の側断面図である。
【図6】スライド体で第2開口部が閉じられて第1開口部が開いているときを示す装置の側断面図である。
【図7】スライド体で第1開口部が閉じられているときを示す装置の正面図である。
【図8】第1開口部を閉じたスライド体に障害物が当接したときを示す装置の正面図である。
【図9】スライド体の変形実施形態を示す図7と同様の図である。
【符号の説明】
1 通過物体の一時置き場装置
3 第1運搬車両
4,6 走行路
5 第2運搬車両
19 第1開口部
20 第2開口部
35 スライド式開閉手段
36 スライド体
37,137 バー状部材であるスラット
38 可撓性連結部材であるチェーン
44 ガイドレール
S 物体置きスペース
Claims (5)
- 物体が一時的に置かれる物体置きスペースと、このスペースへの前記物体の搬入を行うための第1開口部と、前記スペースからの前記物体の搬出を行うための第2開口部と、前記第1開口部と前記第2開口部を前記物体の搬入、搬出時に開く開閉手段と、を有し、
この開閉手段は、スライド体が移動することにより前記第1開口部と前記第2開口部を上下に開閉するスライド式のものであって第1開口部と第2開口部のうちの一方を開くときには他方を閉じるものであり、
前記スライド体は、このスライド体の移動方向に間隔をあけて複数並設されたバー状部材と、これらのバー状部材同士を連結し、かつ可撓性を有する連結部材とを含んで構成されているとともに、このスライド体の前記第1開口部及び前記第2開口部での上下移動は、これらの開口部の左右両側に設けられたガイドレールで案内され、
前記複数のバー状部材には、端部がこれらのガイドレールに係合していないものがあり、
上方から移動してきた前記スライド体が障害物に当接することによってこのスライド体に撓み変形部が生ずることを特徴とする通過物体の一時置き場装置。 - 請求項1に記載の通過物体の一時置き場装置において、前記複数のバー状部材には、長さの長いものと短いものとがあり、長いバー状部材の両端部は前記ガイドレールに摺動自在に係合し、短いバー状部材の両端部は前記ガイドレールまで達していないことを特徴とする通過物体の一時置き場装置。
- 請求項1に記載の通過物体の一時置き場装置において、全部の前記バー状部材の長さは同じであるとともに、これらのバー状部材の一部は前記ガイドレールのうちの一方側に片寄って配置され、残りのバー状部材は他方側に片寄って配置され、それぞれのバー状部材は片寄った側の端部がその片寄った側のガイドレールだけに摺動自在に係合していることを特徴とする通過物体の一時置き場装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の通過物体の一時置き場装置において、前記可撓性を有する連結部材はチェーンであり、このチェーンは、前記バー状部材に接合されたリンクと、前記バー状部材同士の間に位置する2個のリンクとがピンで直列に連結されることにより形成されていることを特徴とする通過物体の一時置き場装置。
- 請求項4に記載の通過物体の一時置き場装置において、前記第1開口部と前記第2開口部との間に前記スライド体が移動する天井部分が設けられ、この天井部分には、前記複数のバー状部材を載せながらこれらのバー状部材を移動させるバー状部材受け部材が配置されているとともに、前記第1開口部及び前記第2開口部の上部には前記チェーンが掛け回されたスプロケットが配置され、前記バー状受け部材の両端部には、前記バー状部材を載せてこのバー状部材を前記スプロケット側に送るためのバー状部材受け補助部材が配置されていることを特徴とする通過物体の一時置き場装置。
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