JP3744282B2 - 照明システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御装置から信号線を介して伝送される制御信号によって複数台の照明器具が各々光源の光量を変化させる照明システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、制御装置から信号線を介して伝送される制御信号によって複数台の照明器具が各々光源の光量を変化させる照明システムとして、図14に示すように制御装置CT′に対して複数台の照明器具A1′〜A3′が2線式の信号線Lsで送り配線されたものや、あるいは図15に示すように制御装置CT′に対して複数台の照明器具A1′〜A6′が2線式の信号線Lsでバス接続されるとともに信号線Lsの途中に複数台の中継器B1′,B2′が送り配線されたものが提案されている。このような従来の照明システムで信号線Lsの総配線長が長く、且つ照明器具A1′…の台数が多い大規模なシステムを構成する場合、図15に示したバス接続のものであれば、照明器具A1′〜A6′や信号線Lsのインピーダンスの影響をうけて制御信号が歪んだり、信号電圧が低下して制御信号の受信が不可能になる虞があった。これに対して複数台の照明器具A1′〜A3′を制御装置CT′に送り配線したものにおいては、各照明器具A1′,A2′が制御装置CT′からの制御信号を受信してから次段の照明器具A2′,A3′に対して送信するため、上記バス接続の場合のような不具合は生じない。しかしながら、各照明器具A1′,A2′では制御信号を一旦受信してから次段の他の照明器具A2′,A3′に制御信号を送信するため、各照明器具A1′〜A3′における制御信号の受信から送信に要する時間分だけ各照明器具A1′〜A3′での制御信号の受信タイミングがずれることになり、例えば、系統内の全ての照明器具A1′〜A3′の光源D1′〜D3′の光量を一斉に変化させる場合、各照明器具A1′〜A3′における光源D1′〜D3′の光量変化のタイミングにずれが生じてしまう。
【0003】
例えば、図14に示すシステム構成において、制御装置CT′はマイコンを具備して図16に示すようなフォーマットの制御信号を信号線Lsに送信している。この制御信号のコマンド部には点灯や消灯などの命令が含まれ、データ部には光源D1′…の光量を指示する調光比などのデータが含まれる。つまり、各照明器具A1′〜A3′においては、受信した制御信号に従って光源D1′〜D3′を点灯又は消灯したり、あるいは光源D1′〜D3′の光量を調光比のデータに応じて可変することが可能となる。
【0004】
ここで、全ての光源D1′〜D3′が消灯状態にあり、制御装置CT′から送信された制御信号によって系統内の光源D1′〜D3′を一斉に全点灯(調光比が100%の定格点灯)させる場合について考える。図17に示すように制御装置CT′と信号線Lsで直接接続された照明器具A1′では、制御信号を受信すると制御信号の解析やデータチェック等の処理を行った後に次段の照明器具A2′に対して制御信号を送信するとともに、制御信号の受信完了後に直ちに光源D1′を全点灯させる。つまり、照明器具A1′が制御信号を受信してから次段の照明器具A2′に送信するまでには、上記処理等に要する時間(以下、「遅延時間」という)TDの遅れが生じることになる。同様に照明器具A2′では前段の照明器具A1′から制御信号を受信すると、遅延時間TD経過後に次段の照明器具A3′に対して制御信号を送信するとともに、制御信号の受信完了後に直ちに光源D2′を全点灯させる。なお、照明器具A3′についても同様である。
【0005】
従って、各照明器具A1′〜A3′の光源D1′〜D3′が全点灯するタイミングは、図17に示すように前段の照明器具A1′,A2′が制御信号を受信してから次段の照明器具A2′,A3′に送信するまでの遅延時間TD分ずつずれて、最大で(2×TD)時間のずれが生じてしまう。例えば、図16に示した制御信号が8ビットのデータであれば、最低でも1バイトデータの時間と上記処理時間の和が遅延時間TDとなる。
【0006】
また、図15に示すシステム構成においては、制御装置CT′に対して複数台(2台のみを図示)の中継器B1′,B2′が信号線Lsによって送り配線されるとともに、制御装置CT′と中継器B1′並びに各中継器B1′,B2′間の信号線Lsに複数台の照明器具A1′…がバス接続されており、中継器B1′…を介さずに信号線Lsにバス接続されている2台の照明器具A1′,A2′が制御装置CT′から送信される制御信号を同時に受信し、受信した制御信号に従って光源D1′,D2′を点灯又は消灯したり、あるいは光源D1′,D2′の光量を調光比のデータに応じて可変する。また中継器B1′,B2′はマイコンを具備し、制御信号を受信すると制御信号の解析やデータチェック等の処理を行った後に送り配線された次段の中継器B2′に対して制御信号を送信する。
【0007】
ここで、全ての光源D1′〜D6′が消灯状態にあり、制御装置CT′から送信された制御信号によって系統内の光源D1′〜D6′を一斉に全点灯させる場合について考える。図18に示すように制御装置CT′と中継器B1′との間で信号線Lsにバス接続された照明器具A1′,A2′では同時に制御信号を受信し、制御信号の受信完了後に直ちに光源D1′,D2′を全点灯させる。また、中継器B1′では制御信号を受信すると制御信号の解析やデータチェック等の処理を行った後に次段の中継器B2′に対して制御信号を送信する。そうすると、2台の中継器B1′,B2′の間で信号線Lsにバス接続されている2台の照明器具A3′,A4′で同時に制御信号を受信し、制御信号の受信完了後に直ちに光源D3′,D4′を全点灯させる。また、中継器B2′では制御信号を受信すると制御信号の解析やデータチェック等の処理を行った後に信号線Lsに対して制御信号を送信する。そして、中継器B2′から送り配線される信号線Lsに接続された2台の照明器具A5′,A6′で同時に制御信号を受信し、制御信号の受信完了後に直ちに光源D5′,D6′を全点灯させる。
【0008】
従って、各照明器具A1′〜A6′の光源D1′〜D6′が全点灯するタイミングは、図18に示すように2台の中継器B1′,B2′がそれぞれ制御信号を受信してから送信するまでの遅延時間TD分ずつずれて、最大で(2×TD)時間のずれが生じてしまう。つまり、先に説明したシステム構成において、照明器具A1′…が中継器B1′…に置き換わったものとして考えることができる。なお、消灯から全点灯とする場合だけに限らず、全点灯から消灯、あるいは消灯又は全点灯から所定の調光比に光源D1′…の光量を一斉に変化させる場合について上述のようなタイムラグが生じることとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように従来の照明システムにおいて複数の光源の光量を一斉に変化させる場合の時間のずれは、システム構成が小規模であって照明器具や中継器の台数が少なければ、目に見えて現れるほどのものではないが、システム構成が大規模になって照明器具や中継器の台数が増加し、制御信号の送信回数が増えると、目に見えて明らかなものとなる。すなわち、上述の例でいえば、配線経路上で制御装置CT′に近い照明器具A1′…から順番に光源D1′…の光量が変化していくことになり、制御装置CT′から遠い照明器具A3′,A6′との間で光源D1′…の光量変化のタイミングのずれが非常に大きくなってしまう。このような現象は照明システムの持つ演出性を損ねることになり、使用者が望むものでない。
【0010】
一方、上述のような現象は、制御信号と別に同期信号を送信し、その同期信号に同期したタイミングで光源の光量を変化させることで解消することが可能である。しかしながら、同期信号を送信するために別の信号線が必要となり、施工上好ましくない。また信号線を用いずに照明器具や中継器に同期信号を与える構成も考えられるが、これは照明器具や中継器の構造が複雑になってコストの上昇につながるという欠点がある。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能な照明システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、信号線によって互いに送り配線された複数台の照明器具と、信号線で接続された各照明器具に対して制御信号を送信する制御装置とを備えた照明システムにおいて、照明器具は、光源と、光源に電力を供給して点灯する点灯回路部と、信号線を介して制御信号を送受信する送受信部と、制御信号に基づいて点灯回路部から光源へ供給される電力を可変させて光源を点灯・消灯並びに調光する器具制御部と、他の照明器具との間で制御信号の送受信に伴って生じる光源の光量変化のタイミングのずれを補正する補正手段とを具備することを特徴とし、各照明器具が具備する光源の光量を一斉に変化させる場合に補正手段によって光源の光量変化のタイミングのずれが補正され、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を次段の照明器具よりも遅らせて成ることを特徴とし、制御信号を受信する順番が早い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が遅れることになるから、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具よりも早めて成ることを特徴とし、制御信号を受信する順番が遅い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が早まることになるから、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を次段の照明器具よりも遅らせるとともに送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具よりも早めて成ることを特徴とし、制御信号を受信する順番が早い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が遅れるとともに、制御信号を受信する順番が遅い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が早まることになるから、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0016】
請求項5の発明は、上記目的を達成するために、信号線に対してバス接続された複数台の照明器具と、信号線に接続された各照明器具に対して制御信号を送信する制御装置と、信号線に送り配線されて制御信号を中継する1乃至複数台の中継器とを備え、照明器具は、光源と、光源に電力を供給して点灯する点灯回路部と、信号線を介して制御信号を受信する受信部と、制御信号に基づいて点灯回路部から光源へ供給される電力を可変させて光源を点灯・消灯並びに調光する器具制御部とを具備する照明システムにおいて、個々の照明器具の間で制御信号の送受信に伴って生じる光源の光量変化のタイミングのずれを補正する補正手段を備えたことを特徴とし、各照明器具が具備する光源の光量を一斉に変化させる場合に補正手段によって光源の光量変化のタイミングのずれが補正され、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0017】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて中継器の送受信部で制御信号を受信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を次段の中継器よりも遅らせて成ることを特徴とし、制御信号を受信する順番が早い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が遅れることになるから、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0018】
請求項7の発明は、請求項5の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて中継器の送受信部で制御信号を送信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を前段の中継器よりも早めて成ることを特徴とし、制御信号を受信する順番が遅い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が早まることになるから、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0019】
請求項8の発明は、請求項5の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて中継器の送受信部で制御信号を受信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を次段の中継器よりも遅らせるとともに中継器の送受信部で制御信号を送信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を前段の中継器よりも早めて成ることを特徴とし、制御信号を受信する順番が早い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が遅れるとともに、制御信号を受信する順番が遅い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が早まることになるから、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1に示すように本発明の実施形態1の照明システムは、2線式の信号線Lsによって互いに送り配線された複数台の照明器具A1,A2,A3と、信号線Lsで接続された各照明器具A1〜A3に対して制御信号を送信する制御装置CTとを備えている。なお、制御装置CTは操作スイッチやリモコン装置等の入力手段(図示せず)を使って使用者から与えられる指示に従って、図3に示すようなフォーマットの制御信号を信号線Lsに送信するものであり、従来周知の技術を用いて構成可能であるから詳しい構成についての図示並びに説明は省略する。ここで、制御信号はコマンド部と2種類のデータ部とで構成され、コマンド部には点灯や消灯あるいは調光などの命令が含まれ、第1のデータ部には光源D1…の光量を指示する調光比などのデータが含まれるとともに、第2のデータ部には信号線Lsに接続されてシステムを構成する照明器具A1〜A3の台数(本実施形態では3台)に関するデータが含まれる。
【0021】
一方、照明器具A1…は、図2に示すように白熱灯や蛍光灯のような光源D1…と、光源D1…に電力を供給して点灯する点灯回路部1と、信号線Lsを介して制御信号を送受信する送受信部2と、マイコンを主構成要素とし、制御信号に基づいて点灯回路部1から光源D1…へ供給される電力を可変させて光源D1…を点灯・消灯並びに調光する器具制御部3とを具備している。器具制御部3では、送受信部2で受信した制御信号の解析やデータチェック等を行った後、送受信部2から信号線Lsを介して次段の照明器具A2…に送信する。ここで、照明器具A1…において制御信号を受信してから送信するまでに要する時間を遅延時間TDと定義する。
【0022】
次に、全ての照明器具A1〜A3の光源D1〜D3が消灯している状態から、制御装置CTより送信される制御信号によって一斉に全ての光源D1〜D3を点灯させる場合の動作を、図4のタイムチャートを参照して説明する。
【0023】
全ての光源D1〜D3を点灯させる命令をコマンド部に含むとともに、調光比を100%(全点灯)とするデータを第1のデータ部に含み、且つシステム内に含まれる照明器具A1〜A3の総台数(=3)のデータを第2のデータ部に含む制御信号が、制御装置CTから信号線Lsに送出されると、まず信号線Lsで制御装置CTに直接接続されている照明器具A1が上記制御信号を受信する。この照明器具A1の器具制御部3では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ減算した値(=2)に更新して送受信部2から信号線Lsに送出させる。このとき、照明器具A1が制御信号を受信してから信号線Lsに制御信号を送出するまでに要する時間が上記遅延時間TDである。また、照明器具A1の器具制御部3は、制御信号の受信が完了しても直ぐには光源D1の光量を変化させず、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=3)から計算で求められる補正時間TX1(=(第2のデータ部の値−1)×TD=2TD)だけ遅らせてから、点灯回路部1を制御して光源D1を全点灯させる。
【0024】
一方、照明器具A1から送信された制御信号は、信号線Lsを介して照明器具A1に送り配線された照明器具A2で受信される。この照明器具A2の器具制御部3では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ減算した値(=1)に更新して送受信部2から信号線Lsに送出させるとともに、制御信号の受信が完了した後、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=2)より計算で求められる補正時間TX2(=(第2のデータ部の値−1)×TD=TD)だけ遅らせてから、点灯回路部1を制御して光源D2を全点灯させる。
【0025】
さらに、照明器具A2から送信された制御信号は、信号線Lsを介して照明器具A2に送り配線された照明器具A3で受信される。この照明器具A3の器具制御部3では、制御信号の受信が完了した後、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=1)より補正時間TX3(=(第2のデータ部の値−1)×TD=0)を計算し、補正時間TX3の値がゼロであることから直ちに点灯回路部1を制御して光源D3を全点灯させる。
【0026】
而して、各照明器具A1〜A3においては、制御信号を受信する順番が早いほど、制御信号の受信を完了してから実際に光源D1〜D3の光量を変化させる(全点灯させる)までの補正時間TX1〜TX3が長くなり、その結果、光源D1〜D3の光量が変化するタイミングが略一致し、全ての光源D1〜D3がばらつくことなく一斉に(略同時に)全点灯する。つまり、本実施形態においては各照明器具A1〜A3の器具制御部3が補正手段を構成している。
【0027】
上述のように本実施形態では、補正手段たる各照明器具A1〜A3の器具制御部3が、制御信号に基づいて送受信部2で制御信号を受信してから光源D1〜D3の光量を変化させるまでの時間を次段の照明器具A1…よりも遅らせているので、制御信号を受信する順番が早い照明器具A1…ほど制御信号を受信してから光源D1…の光量を変化させるまでの時間が遅れることになり、最後に制御信号を受信した照明器具A3が光源D3の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具A1,A2で光源D1,D2の光量を変化させることができ、同期信号を用いることなく、且つ従来のシステム構成を変更することなしに多数の光源D1…の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0028】
なお、補正時間TX1…を計算するためのデータとして、システムに含まれる照明器具A1…の総台数を第2のデータ部に含むようにしているが、例えば照明器具A1〜A3間で制御信号が送信される回数を第2のデータ部に含むようにすれば、各照明器具A1〜A3における補正時間TX1〜TX3(=第2のデータ部の値×TD)で求めることができる。
【0029】
(実施形態2)
本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるから図示並びに説明は省略する。本実施形態は、補正手段たる各照明器具A1〜A3の器具制御部3が、制御信号に基づいて送受信部2で制御信号を受信してから光源D1〜D3の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具A1,A2よりも早めるようにした点に特徴がある。
【0030】
次に、全ての照明器具A1〜A3の光源D1〜D3が消灯している状態から、制御装置CTより送信される制御信号によって一斉に全ての光源D1〜D3を点灯させる場合の動作を、図5のタイムチャートを参照して説明する。
【0031】
ここで、各照明器具A1〜A3の器具制御部3では、制御信号を受信してから点灯回路部2を制御して光源D1〜D3の光量を変化させるまでに所定の待機時間を待ってから行っており、この待機時間のデフォルト値をTWとする。また、上記のように全ての光源D1〜D3を一斉に全点灯する場合に制御装置CTから送信される制御信号は、全ての光源D1〜D3を点灯させる命令をコマンド部に含むとともに、調光比を100%(全点灯)とするデータを第1のデータ部に含み、且つ初期値を0とする補正データを第2のデータ部に含むものである。
【0032】
このような制御信号が制御装置CTから信号線Lsに送出されると、まず信号線Lsで制御装置CTに直接接続されている照明器具A1が上記制御信号を受信する。この照明器具A1の器具制御部3では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ加算した値(=1)に更新して送受信部2から信号線Lsに送出させる。このとき、照明器具A1が制御信号を受信してから信号線Lsに制御信号を送出するまでに要する時間が上記遅延時間TDである。また、照明器具A1の器具制御部3は、制御信号の受信が完了しても直ぐには光源D1の光量を変化させず、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=0)から計算で求められる待機時間TY1(=TW−第2のデータ部の値×TD=TW)だけ待機してから、点灯回路部1を制御して光源D1を全点灯させる。
【0033】
一方、照明器具A1から送信された制御信号は、信号線Lsを介して照明器具A1に送り配線された照明器具A2で受信される。この照明器具A2の器具制御部3では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ加算した値(=2)に更新して送受信部2から信号線Lsに送出させるとともに、制御信号の受信が完了した後、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=1)より計算で求められる待機時間TY2(=TW−第2のデータ部の値×TD=TW−TD)だけ待機してから、点灯回路部1を制御して光源D2を全点灯させる。すなわち、2台目の照明器具A2の待機時間TY2が1台目の照明器具A1の待機時間TY1よりも短くなる。
【0034】
さらに、照明器具A2から送信された制御信号は、信号線Lsを介して照明器具A2に送り配線された照明器具A3で受信される。この照明器具A3の器具制御部3では、制御信号の受信が完了した後、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=2)より計算で求められる待機時間TY3(=TW−第2のデータ部の値×TD=TW−2TD)だけ待機してから、点灯回路部1を制御して光源D3を全点灯させる。すなわち、3台目の照明器具A3の待機時間TY3が2台目の照明器具A2の待機時間TY2よりも短くなる。
【0035】
而して、各照明器具A1〜A3においては、制御信号を受信する順番が遅いほど、制御信号の受信を完了してから実際に光源D1〜D3の光量を変化させる(全点灯させる)までの待機時間TY1〜TY3が短くなり、その結果、光源D1〜D3の光量が変化するタイミングが略一致し、全ての光源D1〜D3がばらつくことなく一斉に(略同時に)全点灯する。但し、本実施形態の場合ではTW>2TDの関係が成立するように待機時間のデフォルト値TWが設定してある。
【0036】
上述のように本実施形態では、補正手段たる各照明器具A1〜A3の器具制御部3が、制御信号に基づいて送受信部2で制御信号を受信してから光源D1〜D3の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具A1…よりも早めているので、制御信号を受信する順番が遅い照明器具A2,A3ほど制御信号を受信してから光源D1…の光量を変化させるまでの時間が早まることになり、最後に制御信号を受信した照明器具A3が光源D3の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具A1,A2で光源D1,D2の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源D1…の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0037】
(実施形態3)
本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるから図示並びに説明は省略する。本実施形態は、実施形態1と実施形態2を組み合わせ、補正手段たる各照明器具A1〜A3の器具制御部3が、制御信号に基づいて送受信部2で制御信号を受信してから光源D1〜D3の光量を変化させるまでの時間を次段の照明器具A2,A3よりも遅らせるとともに、制御信号に基づいて送受信部2で制御信号を受信してから光源D1〜D3の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具A1,A2よりも早めるようにした点に特徴がある。
【0038】
次に、全ての照明器具A1〜A3の光源D1〜D3が消灯している状態から、制御装置CTより送信される制御信号によって一斉に全ての光源D1〜D3を点灯させる場合の動作を、図6のタイムチャートを参照して説明する。
【0039】
ここで、各照明器具A1〜A3の器具制御部3では、実施形態2と同様に制御信号を受信してから点灯回路部2を制御して光源D1〜D3の光量を変化させるまでに所定の待機時間を待ってから行っており、この待機時間のデフォルト値をTWとする。また、上記のように全ての光源D1〜D3を一斉に全点灯する場合に制御装置CTから送信される制御信号は、全ての光源D1〜D3を点灯させる命令をコマンド部に含むとともに、調光比を100%(全点灯)とするデータを第1のデータ部に含み、且つシステム内における制御信号の送り回数(照明器具の台数−1)よりも少ない値を初期値(本実施形態では“1”)とする補正データを第2のデータ部に含むものである。
【0040】
このような制御信号が制御装置CTから信号線Lsに送出されると、まず信号線Lsで制御装置CTに直接接続されている照明器具A1が上記制御信号を受信する。この照明器具A1の器具制御部3では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ減算した値(=0)に更新して送受信部2から信号線Lsに送出させる。このとき、照明器具A1が制御信号を受信してから信号線Lsに制御信号を送出するまでに要する時間が上記遅延時間TDである。また、照明器具A1の器具制御部3は、制御信号の受信が完了しても直ぐには光源D1の光量を変化させず、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=1)から計算で求められる待機時間TZ1(=TW+第2のデータ部の値×TD=TW+TD)だけ待機してから、点灯回路部1を制御して光源D1を全点灯させる。つまり、照明器具A1においては、制御信号を受信して光源D1の光量を変化させるまでにデフォルト値TWよりも長い待機時間TZ1を待機することになる。
【0041】
一方、照明器具A1から送信された制御信号は、信号線Lsを介して照明器具A1に送り配線された照明器具A2で受信される。この照明器具A2の器具制御部3では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ減算した値(=−1)に更新して送受信部2から信号線Lsに送出させるとともに、制御信号の受信が完了した後、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=0)より計算で求められる待機時間TZ2(=TW+第2のデータ部の値×TD=TW)だけ待機してから、点灯回路部1を制御して光源D2を全点灯させる。すなわち、2台目の照明器具A2の待機時間TZ2がデフォルト値TWとなり、1台目の照明器具A1の待機時間TZ1よりも短くなる。
【0042】
さらに、照明器具A2から送信された制御信号は、信号線Lsを介して照明器具A2に送り配線された照明器具A3で受信される。この照明器具A3の器具制御部3では、制御信号の受信が完了した後、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=−1)より計算で求められる待機時間TZ3(=TW+第2のデータ部の値×TD=TW−TD)だけ待機してから、点灯回路部1を制御して光源D3を全点灯させる。すなわち、3台目の照明器具A3の待機時間TZ3がデフォルト値TWよりも短くなり、且つ2台目の照明器具A2の待機時間TZ2よりも短くなる。
【0043】
而して、各照明器具A1〜A3においては、制御信号を受信する順番が遅いほど制御信号の受信を完了してから実際に光源D1〜D3の光量を変化させるまでの待機時間TZ1〜TZ3が短くなるため、制御信号を受信する順番が早いほど制御信号の受信を完了してから実際に光源D1〜D3の光量を変化させるまでの時間が長くなる。その結果、光源D1〜D3の光量が変化するタイミングが略一致し、全ての光源D1〜D3がばらつくことなく一斉に(略同時に)全点灯する。但し、本実施形態の場合ではTW>TDの関係が成立するように待機時間のデフォルト値TWが設定してある。
【0044】
上述のように本実施形態では、補正手段たる各照明器具A1〜A3の器具制御部3が、制御信号に基づいて送受信部2で制御信号を受信してから光源D1〜D3の光量を変化させるまでの待機時間TZを制御信号の送り回数に応じて増減しているので、制御信号を受信する順番が遅い照明器具A2,A3ほど制御信号を受信してから光源D1…の光量を変化させるまでの待機時間TZ2,TZ3が早まることになり、最後に制御信号を受信した照明器具A3が光源D3の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具A1,A2で光源D1,D2の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源D1…の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0045】
(実施形態4)
図7に示すように本発明の実施形態4の照明システムは、実施形態1〜3で説明した制御装置CTに2線式の信号線Lsによってバス接続された複数台の照明器具A1〜A6と、信号線Lsの途中に設けられて互いに送り配線された中継器B1,B2とを備えている。照明器具A1…は、図8に示すように実施形態1〜3とほぼ同様の構成を有し、光源D1…と、光源D1…に電力を供給して点灯する点灯回路部1と、信号線Lsを介して制御信号を受信する受信部4と、マイコンを主構成要素とし、制御信号に基づいて点灯回路部1から光源D1…へ供給される電力を可変させて光源D1…を点灯・消灯並びに調光する器具制御部3とを具備している。
【0046】
一方、中継器B1…は、図9に示すように信号線Lsを介して制御信号を送受信する送受信部10と、マイコンを主構成要素とし、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行った後に送受信部10から信号線Lsに制御信号を送出させる中継器制御部11とを具備している。ここで、中継器B1,B2において制御信号を受信してから送信するまでに要する時間を遅延時間TDと定義する。
【0047】
次に、全ての照明器具A1〜A6の光源D1〜D6が消灯している状態から、制御装置CTより送信される制御信号によって一斉に全ての光源D1〜D6を点灯させる場合の動作を、図10のタイムチャートを参照して説明する。
【0048】
全ての光源D1〜D6を点灯させる命令をコマンド部に含むとともに、調光比を100%(全点灯)とするデータを第1のデータ部に含み、且つシステム内における制御信号の送信回数(システム中に含まれる中継器B1,B2の総台数)のデータ(=2)を第2のデータ部に含む制御信号が、制御装置CTから信号線Lsに送出されると、まず制御装置CTと1台目の中継器B1との間で信号線Lsにバス接続されている2台の照明器具A1,A2が上記制御信号を略同時に受信する。これらの照明器具A1,A2の器具制御部3では、制御信号の受信が完了しても直ぐには光源D1,D2の光量を変化させず、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=2)から計算で求められる補正時間TS1(=第2のデータ部の値×TD=2TD)だけ遅らせてから、点灯回路部1を制御して光源D1,D2を全点灯させる。
【0049】
一方、1台目の中継器B1が制御信号を受信すると、この中継器B1の中継器制御部11では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ減算した値(=1)に更新して送受信部10から信号線Lsに送出させる。このとき、中継器B1が制御信号を受信してから信号線Lsに制御信号を送出するまでに要する時間が上記遅延時間TDである。
【0050】
そして、中継器B1から送信された制御信号は、2台目の中継器B2との間で信号線Lsにバス接続された2台の照明器具A3,A4で受信される。これらの照明器具A3,A4の器具制御部3では、制御信号の受信が完了しても直ぐには光源D3,D4の光量を変化させず、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=1)から計算で求められる補正時間TS2(=第2のデータ部の値×TD=TD)だけ遅らせてから、点灯回路部1を制御して光源D3,D4を全点灯させる。
【0051】
さらに2台目の中継器B2が制御信号を受信すると、この中継器B2の中継器制御部11では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ減算した値(=0)に更新して送受信部10から信号線Lsに送出させる。
【0052】
そして、中継器B2から送信された制御信号は、2台目の中継器B2に送り配線された信号線Lsにバス接続された2台の照明器具A5,A6で受信される。これらの照明器具A5,A6の器具制御部3では、制御信号の受信が完了した後、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=0)より補正時間TS3(=第2のデータ部の値×TD=0)を計算し、補正時間TS3の値がゼロであることから直ちに点灯回路部1を制御して光源D5,D6を全点灯させる。
【0053】
而して、各照明器具A1〜A6においては、制御信号を受信する順番が早いほど、制御信号の受信を完了してから実際に光源D1〜D6の光量を変化させる(全点灯させる)までの補正時間TS1〜TS3が長くなり、その結果、光源D1〜D6の光量が変化するタイミングが略一致し、全ての光源D1〜D6がばらつくことなく一斉に(略同時に)全点灯させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源D1…の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。つまり、本実施形態においては各照明器具A1〜A6の器具制御部3並びに中継器B1,B2の中継器制御部11が補正手段を構成している。
【0054】
なお、制御信号の第2のデータ部に含むデータの値及び各中継器B1,B2の中継器制御部11における制御信号に対する処理を、それぞれ実施形態2や実施形態3の照明器具A1…における器具制御部3の処理と一致させることにより、実施形態2と同様に各照明器具A1〜A6において送受信部2で制御信号を受信してから光源D1〜D6の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具A1…よりも早めたり、あるいは実施形態3と同様に各照明器具A1〜A6において送受信部2で制御信号を受信してから光源D1〜D6の光量を変化させるまでの待機時間を制御信号の送り回数に応じて増減するようにしても同様の効果を奏することが可能である。
【0055】
(実施形態5)
図11に示すように本発明の実施形態5の照明システムは、実施形態1〜3で説明した制御装置CTに2線式の信号線Lsによって送り配線された複数台の中継器B1〜B3と、各中継器B1〜B3に対して信号線Lxによりバス接続された複数台の照明器具A1〜A6とを備えている。すなわち、本実施形態においては、全ての照明器具A1〜A6が中継器B1〜B3から制御信号を受信している点が実施形態4と異なっている。
【0056】
照明器具A1…は実施形態4と同様の構成を有し、光源D1…と、光源D1…に電力を供給して点灯する点灯回路部1と、信号線Lxを介して制御信号を受信する受信部4と、マイコンを主構成要素とし、制御信号に基づいて点灯回路部1から光源D1…へ供給される電力を可変させて光源D1…を点灯・消灯並びに調光する器具制御部3とを具備している。
【0057】
一方、中継器B1…は、図12に示すように送り配線された信号線Lsを介して制御装置CT又は他の中継器B2,B3と制御信号を送受信するとともに信号線Lxを介して照明器具A1…に制御信号を送信する送受信部12と、マイコンを主構成要素とし、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行った後に送受信部12から信号線Ls,Lxに制御信号を送出させる中継器制御部13とを具備している。ここで、中継器B1〜B3において信号線Lsを介して制御信号を受信してから送信するまでに要する時間を遅延時間TDと定義する。
【0058】
次に、全ての照明器具A1〜A6の光源D1〜D6が消灯している状態から、制御装置CTより送信される制御信号によって一斉に全ての光源D1〜D6を点灯させる場合の動作を、図13のタイムチャートを参照して説明する。
【0059】
全ての光源D1〜D6を点灯させる命令をコマンド部に含むとともに、調光比を100%(全点灯)とするデータを第1のデータ部に含み、且つシステム中に含まれる中継器B1〜B3の総台数のデータ(=3)を第2のデータ部に含む制御信号が、制御装置CTから信号線Lsに送出されると、まず信号線Lsによって制御装置CTと直接接続されている1台目の中継器B1に受信される。この中継器B1の中継器制御部13では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ減算した値(=2)に更新して送受信部12から信号線Lsに送出させる。このとき、中継器B1が制御信号を受信してから信号線Lsに制御信号を送出するまでに要する時間が上記遅延時間TDである。さらに中継器制御部13は、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=3)から計算で求められる補正時間TR1(=第2のデータ部の値×TD=3TD)だけ遅らせてから、送受信部12により上記制御信号を信号線Lxに送出させる。
【0060】
一方、信号線Lxにバス接続された2台の照明器具A1,A2が中継器B1からの上記制御信号を略同時に受信する。これらの照明器具A1,A2の器具制御部3では、制御信号の受信が完了すれば、直ちに点灯回路部1を制御して光源D1,D2を全点灯させる。
【0061】
そして、2台目の中継器B2が信号線Lsを介して制御信号を受信すると、この中継器B2の中継器制御部13では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ減算した値(=1)に更新して送受信部10から信号線Lsに送出させる。さらに中継器制御部13は、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=2)から計算で求められる補正時間TR2(=第2のデータ部の値×TD=2TD)だけ遅らせてから、送受信部12により上記制御信号を信号線Lxに送出させる。
【0062】
一方、信号線Lxにバス接続された2台の照明器具A3,A4が中継器B2からの上記制御信号を略同時に受信する。これらの照明器具A3,A4の器具制御部3では、制御信号の受信が完了すれば、直ちに点灯回路部1を制御して光源D1,D2を全点灯させる。
【0063】
そして、3台目の中継器B3が信号線Lsを介して制御信号を受信すると、この中継器B3の中継器制御部13では、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=1)から計算で求められる補正時間TR3(=第2のデータ部の値×TD=TD)だけ遅らせてから、送受信部12により上記制御信号を信号線Lxに送出させる。
【0064】
一方、信号線Lxにバス接続された2台の照明器具A5,A6が中継器B3からの上記制御信号を略同時に受信する。これらの照明器具A5,A6の器具制御部3では、制御信号の受信が完了すれば、直ちに点灯回路部1を制御して光源D1,D2を全点灯させる。
【0065】
而して、各中継器B1〜B3においては、信号線Lsを介して制御信号を受信する順番が早いほど信号線Lxを介して各照明器具A1…に制御信号を送信するタイミングを遅らせているので、各照明器具A1〜A6において光源D1〜D6の光量が変化するタイミングが略一致し、全ての光源D1〜D6がばらつくことなく一斉に(略同時に)全点灯させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源D1…の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。つまり、本実施形態においては各中継器B1〜B3の中継器制御部13が補正手段を構成している。
【0066】
ここで、本実施形態では、実施形態4とは異なって各照明器具A1〜A6に制御信号を送信する機能が不要であり、また制御信号を受信してから光源D1〜D6の光量を変化させるまでにタイムラグを設ける必要がないことから、回路構成や器具制御部3の内部処理が極めて簡素化できるという利点がある。なお、制御信号の第2のデータ部に含むデータの値及び各中継器B1〜B3の中継器制御部13における制御信号に対する処理を、それぞれ実施形態2や実施形態3の照明器具A1…における器具制御部3の処理と一致させることによっても、同様の効果を奏することが可能である。
【0067】
また、信号線Lxを介して中継器B1…から照明器具A1…に送信される制御信号が、信号線Lsを介して中継器B1…間で送受信される制御信号と同じものである必要はなく、例えば中継器B1…から照明器具A1…に送信される制御信号には、図16に示すようにコマンド部とデータ部(調光比のデータを含む)で構成されるものを用いても良い。
【0068】
なお、上記実施形態1〜5においては、全ての光源D1…を消灯状態から全点灯させる場合の動作を例示したが、全点灯状態から一斉に消灯したり、あるいは消灯状態から所定の調光比(例えば、50%)に一斉に調光点灯させるというように、光源D1…の光量を一斉に変化させる場合について同様の効果を奏することができる。また、制御信号についても実施形態のフォーマットや構成に限定されず、上述の各実施形態の動作が可能で有ればどのようなものであっても良い。さらに、制御信号の受信から送信までに要する遅延時間TDの値、並びに制御信号の受信完了から光源D1…の光量変化までに要する時間として許容される最大値TWについては、予め照明器具A1…に設定することも可能であるし、あるいは制御装置CTから送られる制御信号によって設定しても良いし、さらには照明器具A1…においてそれらの値を計測するようにしても良い。
【0069】
また、上記実施形態1〜5においては各照明器具A1…が具備する光源D1…の数を1つとしているが、これに限定されるものではなく複数であっても良い。さらにシステムを構成する照明器具A1…や中継器B1…の台数も実施形態に限定する趣旨ではなく、何台であっても良い。
【0070】
【発明の効果】
請求項1の発明は、信号線によって互いに送り配線された複数台の照明器具と、信号線で接続された各照明器具に対して制御信号を送信する制御装置とを備えた照明システムにおいて、照明器具は、光源と、光源に電力を供給して点灯する点灯回路部と、信号線を介して制御信号を送受信する送受信部と、制御信号に基づいて点灯回路部から光源へ供給される電力を可変させて光源を点灯・消灯並びに調光する器具制御部と、他の照明器具との間で制御信号の送受信に伴って生じる光源の光量変化のタイミングのずれを補正する補正手段とを具備するので、各照明器具が具備する光源の光量を一斉に変化させる場合に補正手段によって光源の光量変化のタイミングのずれが補正され、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となるという効果がある。
【0071】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を次段の照明器具よりも遅らせて成るので、制御信号を受信する順番が早い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が遅れることになり、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となるという効果がある。
【0072】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具よりも早めて成るので、制御信号を受信する順番が遅い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が早まることになり、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となるという効果がある。
【0073】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を次段の照明器具よりも遅らせるとともに送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具よりも早めて成るので、制御信号を受信する順番が早い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が遅れるとともに、制御信号を受信する順番が遅い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が早まることになり、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となるという効果がある。
【0074】
請求項5の発明は、信号線に対してバス接続された複数台の照明器具と、信号線に接続された各照明器具に対して制御信号を送信する制御装置と、信号線に送り配線されて制御信号を中継する1乃至複数台の中継器とを備え、照明器具は、光源と、光源に電力を供給して点灯する点灯回路部と、信号線を介して制御信号を受信する受信部と、制御信号に基づいて点灯回路部から光源へ供給される電力を可変させて光源を点灯・消灯並びに調光する器具制御部とを具備する照明システムにおいて、個々の照明器具の間で制御信号の送受信に伴って生じる光源の光量変化のタイミングのずれを補正する補正手段を備えたので、各照明器具が具備する光源の光量を一斉に変化させる場合に補正手段によって光源の光量変化のタイミングのずれが補正され、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となるという効果がある。
【0075】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて中継器の送受信部で制御信号を受信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を次段の中継器よりも遅らせて成るので、制御信号を受信する順番が早い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が遅れることになり、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となるという効果がある。
【0076】
請求項7の発明は、請求項5の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて中継器の送受信部で制御信号を送信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を前段の中継器よりも早めて成るので、制御信号を受信する順番が遅い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が早まることになり、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となるという効果がある。
【0077】
請求項8の発明は、請求項5の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて中継器の送受信部で制御信号を受信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を次段の中継器よりも遅らせるとともに中継器の送受信部で制御信号を送信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を前段の中継器よりも早めて成るので、制御信号を受信する順番が早い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が遅れるとともに、制御信号を受信する順番が遅い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が早まることになり、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のシステム構成図である。
【図2】同上における照明器具のブロック図である。
【図3】同上における制御信号の説明図である。
【図4】同上の動作説明用のタイムチャートである。
【図5】実施形態2の動作説明用のタイムチャートである。
【図6】実施形態3の動作説明用のタイムチャートである。
【図7】実施形態4のシステム構成図である。
【図8】同上における照明器具のブロック図である。
【図9】同上における中継器のブロック図である。
【図10】同上の動作説明用のタイムチャートである。
【図11】実施形態5のシステム構成図である。
【図12】同上における中継器のブロック図である。
【図13】同上の動作説明用のタイムチャートである。
【図14】従来例のシステム構成図である。
【図15】他の従来例のシステム構成図である。
【図16】同上における制御信号の説明図である。
【図17】従来例の動作説明用のタイムチャートである。
【図18】他の従来例の動作説明用のタイムチャートである。
【符号の説明】
A1〜A3 照明器具
D1〜D3 光源
CT 制御装置
1 点灯回路部
2 送受信部
3 器具制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御装置から信号線を介して伝送される制御信号によって複数台の照明器具が各々光源の光量を変化させる照明システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、制御装置から信号線を介して伝送される制御信号によって複数台の照明器具が各々光源の光量を変化させる照明システムとして、図14に示すように制御装置CT′に対して複数台の照明器具A1′〜A3′が2線式の信号線Lsで送り配線されたものや、あるいは図15に示すように制御装置CT′に対して複数台の照明器具A1′〜A6′が2線式の信号線Lsでバス接続されるとともに信号線Lsの途中に複数台の中継器B1′,B2′が送り配線されたものが提案されている。このような従来の照明システムで信号線Lsの総配線長が長く、且つ照明器具A1′…の台数が多い大規模なシステムを構成する場合、図15に示したバス接続のものであれば、照明器具A1′〜A6′や信号線Lsのインピーダンスの影響をうけて制御信号が歪んだり、信号電圧が低下して制御信号の受信が不可能になる虞があった。これに対して複数台の照明器具A1′〜A3′を制御装置CT′に送り配線したものにおいては、各照明器具A1′,A2′が制御装置CT′からの制御信号を受信してから次段の照明器具A2′,A3′に対して送信するため、上記バス接続の場合のような不具合は生じない。しかしながら、各照明器具A1′,A2′では制御信号を一旦受信してから次段の他の照明器具A2′,A3′に制御信号を送信するため、各照明器具A1′〜A3′における制御信号の受信から送信に要する時間分だけ各照明器具A1′〜A3′での制御信号の受信タイミングがずれることになり、例えば、系統内の全ての照明器具A1′〜A3′の光源D1′〜D3′の光量を一斉に変化させる場合、各照明器具A1′〜A3′における光源D1′〜D3′の光量変化のタイミングにずれが生じてしまう。
【0003】
例えば、図14に示すシステム構成において、制御装置CT′はマイコンを具備して図16に示すようなフォーマットの制御信号を信号線Lsに送信している。この制御信号のコマンド部には点灯や消灯などの命令が含まれ、データ部には光源D1′…の光量を指示する調光比などのデータが含まれる。つまり、各照明器具A1′〜A3′においては、受信した制御信号に従って光源D1′〜D3′を点灯又は消灯したり、あるいは光源D1′〜D3′の光量を調光比のデータに応じて可変することが可能となる。
【0004】
ここで、全ての光源D1′〜D3′が消灯状態にあり、制御装置CT′から送信された制御信号によって系統内の光源D1′〜D3′を一斉に全点灯(調光比が100%の定格点灯)させる場合について考える。図17に示すように制御装置CT′と信号線Lsで直接接続された照明器具A1′では、制御信号を受信すると制御信号の解析やデータチェック等の処理を行った後に次段の照明器具A2′に対して制御信号を送信するとともに、制御信号の受信完了後に直ちに光源D1′を全点灯させる。つまり、照明器具A1′が制御信号を受信してから次段の照明器具A2′に送信するまでには、上記処理等に要する時間(以下、「遅延時間」という)TDの遅れが生じることになる。同様に照明器具A2′では前段の照明器具A1′から制御信号を受信すると、遅延時間TD経過後に次段の照明器具A3′に対して制御信号を送信するとともに、制御信号の受信完了後に直ちに光源D2′を全点灯させる。なお、照明器具A3′についても同様である。
【0005】
従って、各照明器具A1′〜A3′の光源D1′〜D3′が全点灯するタイミングは、図17に示すように前段の照明器具A1′,A2′が制御信号を受信してから次段の照明器具A2′,A3′に送信するまでの遅延時間TD分ずつずれて、最大で(2×TD)時間のずれが生じてしまう。例えば、図16に示した制御信号が8ビットのデータであれば、最低でも1バイトデータの時間と上記処理時間の和が遅延時間TDとなる。
【0006】
また、図15に示すシステム構成においては、制御装置CT′に対して複数台(2台のみを図示)の中継器B1′,B2′が信号線Lsによって送り配線されるとともに、制御装置CT′と中継器B1′並びに各中継器B1′,B2′間の信号線Lsに複数台の照明器具A1′…がバス接続されており、中継器B1′…を介さずに信号線Lsにバス接続されている2台の照明器具A1′,A2′が制御装置CT′から送信される制御信号を同時に受信し、受信した制御信号に従って光源D1′,D2′を点灯又は消灯したり、あるいは光源D1′,D2′の光量を調光比のデータに応じて可変する。また中継器B1′,B2′はマイコンを具備し、制御信号を受信すると制御信号の解析やデータチェック等の処理を行った後に送り配線された次段の中継器B2′に対して制御信号を送信する。
【0007】
ここで、全ての光源D1′〜D6′が消灯状態にあり、制御装置CT′から送信された制御信号によって系統内の光源D1′〜D6′を一斉に全点灯させる場合について考える。図18に示すように制御装置CT′と中継器B1′との間で信号線Lsにバス接続された照明器具A1′,A2′では同時に制御信号を受信し、制御信号の受信完了後に直ちに光源D1′,D2′を全点灯させる。また、中継器B1′では制御信号を受信すると制御信号の解析やデータチェック等の処理を行った後に次段の中継器B2′に対して制御信号を送信する。そうすると、2台の中継器B1′,B2′の間で信号線Lsにバス接続されている2台の照明器具A3′,A4′で同時に制御信号を受信し、制御信号の受信完了後に直ちに光源D3′,D4′を全点灯させる。また、中継器B2′では制御信号を受信すると制御信号の解析やデータチェック等の処理を行った後に信号線Lsに対して制御信号を送信する。そして、中継器B2′から送り配線される信号線Lsに接続された2台の照明器具A5′,A6′で同時に制御信号を受信し、制御信号の受信完了後に直ちに光源D5′,D6′を全点灯させる。
【0008】
従って、各照明器具A1′〜A6′の光源D1′〜D6′が全点灯するタイミングは、図18に示すように2台の中継器B1′,B2′がそれぞれ制御信号を受信してから送信するまでの遅延時間TD分ずつずれて、最大で(2×TD)時間のずれが生じてしまう。つまり、先に説明したシステム構成において、照明器具A1′…が中継器B1′…に置き換わったものとして考えることができる。なお、消灯から全点灯とする場合だけに限らず、全点灯から消灯、あるいは消灯又は全点灯から所定の調光比に光源D1′…の光量を一斉に変化させる場合について上述のようなタイムラグが生じることとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように従来の照明システムにおいて複数の光源の光量を一斉に変化させる場合の時間のずれは、システム構成が小規模であって照明器具や中継器の台数が少なければ、目に見えて現れるほどのものではないが、システム構成が大規模になって照明器具や中継器の台数が増加し、制御信号の送信回数が増えると、目に見えて明らかなものとなる。すなわち、上述の例でいえば、配線経路上で制御装置CT′に近い照明器具A1′…から順番に光源D1′…の光量が変化していくことになり、制御装置CT′から遠い照明器具A3′,A6′との間で光源D1′…の光量変化のタイミングのずれが非常に大きくなってしまう。このような現象は照明システムの持つ演出性を損ねることになり、使用者が望むものでない。
【0010】
一方、上述のような現象は、制御信号と別に同期信号を送信し、その同期信号に同期したタイミングで光源の光量を変化させることで解消することが可能である。しかしながら、同期信号を送信するために別の信号線が必要となり、施工上好ましくない。また信号線を用いずに照明器具や中継器に同期信号を与える構成も考えられるが、これは照明器具や中継器の構造が複雑になってコストの上昇につながるという欠点がある。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能な照明システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、信号線によって互いに送り配線された複数台の照明器具と、信号線で接続された各照明器具に対して制御信号を送信する制御装置とを備えた照明システムにおいて、照明器具は、光源と、光源に電力を供給して点灯する点灯回路部と、信号線を介して制御信号を送受信する送受信部と、制御信号に基づいて点灯回路部から光源へ供給される電力を可変させて光源を点灯・消灯並びに調光する器具制御部と、他の照明器具との間で制御信号の送受信に伴って生じる光源の光量変化のタイミングのずれを補正する補正手段とを具備することを特徴とし、各照明器具が具備する光源の光量を一斉に変化させる場合に補正手段によって光源の光量変化のタイミングのずれが補正され、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を次段の照明器具よりも遅らせて成ることを特徴とし、制御信号を受信する順番が早い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が遅れることになるから、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具よりも早めて成ることを特徴とし、制御信号を受信する順番が遅い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が早まることになるから、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を次段の照明器具よりも遅らせるとともに送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具よりも早めて成ることを特徴とし、制御信号を受信する順番が早い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が遅れるとともに、制御信号を受信する順番が遅い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が早まることになるから、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0016】
請求項5の発明は、上記目的を達成するために、信号線に対してバス接続された複数台の照明器具と、信号線に接続された各照明器具に対して制御信号を送信する制御装置と、信号線に送り配線されて制御信号を中継する1乃至複数台の中継器とを備え、照明器具は、光源と、光源に電力を供給して点灯する点灯回路部と、信号線を介して制御信号を受信する受信部と、制御信号に基づいて点灯回路部から光源へ供給される電力を可変させて光源を点灯・消灯並びに調光する器具制御部とを具備する照明システムにおいて、個々の照明器具の間で制御信号の送受信に伴って生じる光源の光量変化のタイミングのずれを補正する補正手段を備えたことを特徴とし、各照明器具が具備する光源の光量を一斉に変化させる場合に補正手段によって光源の光量変化のタイミングのずれが補正され、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0017】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて中継器の送受信部で制御信号を受信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を次段の中継器よりも遅らせて成ることを特徴とし、制御信号を受信する順番が早い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が遅れることになるから、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0018】
請求項7の発明は、請求項5の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて中継器の送受信部で制御信号を送信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を前段の中継器よりも早めて成ることを特徴とし、制御信号を受信する順番が遅い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が早まることになるから、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0019】
請求項8の発明は、請求項5の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて中継器の送受信部で制御信号を受信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を次段の中継器よりも遅らせるとともに中継器の送受信部で制御信号を送信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を前段の中継器よりも早めて成ることを特徴とし、制御信号を受信する順番が早い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が遅れるとともに、制御信号を受信する順番が遅い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が早まることになるから、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1に示すように本発明の実施形態1の照明システムは、2線式の信号線Lsによって互いに送り配線された複数台の照明器具A1,A2,A3と、信号線Lsで接続された各照明器具A1〜A3に対して制御信号を送信する制御装置CTとを備えている。なお、制御装置CTは操作スイッチやリモコン装置等の入力手段(図示せず)を使って使用者から与えられる指示に従って、図3に示すようなフォーマットの制御信号を信号線Lsに送信するものであり、従来周知の技術を用いて構成可能であるから詳しい構成についての図示並びに説明は省略する。ここで、制御信号はコマンド部と2種類のデータ部とで構成され、コマンド部には点灯や消灯あるいは調光などの命令が含まれ、第1のデータ部には光源D1…の光量を指示する調光比などのデータが含まれるとともに、第2のデータ部には信号線Lsに接続されてシステムを構成する照明器具A1〜A3の台数(本実施形態では3台)に関するデータが含まれる。
【0021】
一方、照明器具A1…は、図2に示すように白熱灯や蛍光灯のような光源D1…と、光源D1…に電力を供給して点灯する点灯回路部1と、信号線Lsを介して制御信号を送受信する送受信部2と、マイコンを主構成要素とし、制御信号に基づいて点灯回路部1から光源D1…へ供給される電力を可変させて光源D1…を点灯・消灯並びに調光する器具制御部3とを具備している。器具制御部3では、送受信部2で受信した制御信号の解析やデータチェック等を行った後、送受信部2から信号線Lsを介して次段の照明器具A2…に送信する。ここで、照明器具A1…において制御信号を受信してから送信するまでに要する時間を遅延時間TDと定義する。
【0022】
次に、全ての照明器具A1〜A3の光源D1〜D3が消灯している状態から、制御装置CTより送信される制御信号によって一斉に全ての光源D1〜D3を点灯させる場合の動作を、図4のタイムチャートを参照して説明する。
【0023】
全ての光源D1〜D3を点灯させる命令をコマンド部に含むとともに、調光比を100%(全点灯)とするデータを第1のデータ部に含み、且つシステム内に含まれる照明器具A1〜A3の総台数(=3)のデータを第2のデータ部に含む制御信号が、制御装置CTから信号線Lsに送出されると、まず信号線Lsで制御装置CTに直接接続されている照明器具A1が上記制御信号を受信する。この照明器具A1の器具制御部3では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ減算した値(=2)に更新して送受信部2から信号線Lsに送出させる。このとき、照明器具A1が制御信号を受信してから信号線Lsに制御信号を送出するまでに要する時間が上記遅延時間TDである。また、照明器具A1の器具制御部3は、制御信号の受信が完了しても直ぐには光源D1の光量を変化させず、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=3)から計算で求められる補正時間TX1(=(第2のデータ部の値−1)×TD=2TD)だけ遅らせてから、点灯回路部1を制御して光源D1を全点灯させる。
【0024】
一方、照明器具A1から送信された制御信号は、信号線Lsを介して照明器具A1に送り配線された照明器具A2で受信される。この照明器具A2の器具制御部3では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ減算した値(=1)に更新して送受信部2から信号線Lsに送出させるとともに、制御信号の受信が完了した後、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=2)より計算で求められる補正時間TX2(=(第2のデータ部の値−1)×TD=TD)だけ遅らせてから、点灯回路部1を制御して光源D2を全点灯させる。
【0025】
さらに、照明器具A2から送信された制御信号は、信号線Lsを介して照明器具A2に送り配線された照明器具A3で受信される。この照明器具A3の器具制御部3では、制御信号の受信が完了した後、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=1)より補正時間TX3(=(第2のデータ部の値−1)×TD=0)を計算し、補正時間TX3の値がゼロであることから直ちに点灯回路部1を制御して光源D3を全点灯させる。
【0026】
而して、各照明器具A1〜A3においては、制御信号を受信する順番が早いほど、制御信号の受信を完了してから実際に光源D1〜D3の光量を変化させる(全点灯させる)までの補正時間TX1〜TX3が長くなり、その結果、光源D1〜D3の光量が変化するタイミングが略一致し、全ての光源D1〜D3がばらつくことなく一斉に(略同時に)全点灯する。つまり、本実施形態においては各照明器具A1〜A3の器具制御部3が補正手段を構成している。
【0027】
上述のように本実施形態では、補正手段たる各照明器具A1〜A3の器具制御部3が、制御信号に基づいて送受信部2で制御信号を受信してから光源D1〜D3の光量を変化させるまでの時間を次段の照明器具A1…よりも遅らせているので、制御信号を受信する順番が早い照明器具A1…ほど制御信号を受信してから光源D1…の光量を変化させるまでの時間が遅れることになり、最後に制御信号を受信した照明器具A3が光源D3の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具A1,A2で光源D1,D2の光量を変化させることができ、同期信号を用いることなく、且つ従来のシステム構成を変更することなしに多数の光源D1…の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0028】
なお、補正時間TX1…を計算するためのデータとして、システムに含まれる照明器具A1…の総台数を第2のデータ部に含むようにしているが、例えば照明器具A1〜A3間で制御信号が送信される回数を第2のデータ部に含むようにすれば、各照明器具A1〜A3における補正時間TX1〜TX3(=第2のデータ部の値×TD)で求めることができる。
【0029】
(実施形態2)
本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるから図示並びに説明は省略する。本実施形態は、補正手段たる各照明器具A1〜A3の器具制御部3が、制御信号に基づいて送受信部2で制御信号を受信してから光源D1〜D3の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具A1,A2よりも早めるようにした点に特徴がある。
【0030】
次に、全ての照明器具A1〜A3の光源D1〜D3が消灯している状態から、制御装置CTより送信される制御信号によって一斉に全ての光源D1〜D3を点灯させる場合の動作を、図5のタイムチャートを参照して説明する。
【0031】
ここで、各照明器具A1〜A3の器具制御部3では、制御信号を受信してから点灯回路部2を制御して光源D1〜D3の光量を変化させるまでに所定の待機時間を待ってから行っており、この待機時間のデフォルト値をTWとする。また、上記のように全ての光源D1〜D3を一斉に全点灯する場合に制御装置CTから送信される制御信号は、全ての光源D1〜D3を点灯させる命令をコマンド部に含むとともに、調光比を100%(全点灯)とするデータを第1のデータ部に含み、且つ初期値を0とする補正データを第2のデータ部に含むものである。
【0032】
このような制御信号が制御装置CTから信号線Lsに送出されると、まず信号線Lsで制御装置CTに直接接続されている照明器具A1が上記制御信号を受信する。この照明器具A1の器具制御部3では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ加算した値(=1)に更新して送受信部2から信号線Lsに送出させる。このとき、照明器具A1が制御信号を受信してから信号線Lsに制御信号を送出するまでに要する時間が上記遅延時間TDである。また、照明器具A1の器具制御部3は、制御信号の受信が完了しても直ぐには光源D1の光量を変化させず、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=0)から計算で求められる待機時間TY1(=TW−第2のデータ部の値×TD=TW)だけ待機してから、点灯回路部1を制御して光源D1を全点灯させる。
【0033】
一方、照明器具A1から送信された制御信号は、信号線Lsを介して照明器具A1に送り配線された照明器具A2で受信される。この照明器具A2の器具制御部3では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ加算した値(=2)に更新して送受信部2から信号線Lsに送出させるとともに、制御信号の受信が完了した後、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=1)より計算で求められる待機時間TY2(=TW−第2のデータ部の値×TD=TW−TD)だけ待機してから、点灯回路部1を制御して光源D2を全点灯させる。すなわち、2台目の照明器具A2の待機時間TY2が1台目の照明器具A1の待機時間TY1よりも短くなる。
【0034】
さらに、照明器具A2から送信された制御信号は、信号線Lsを介して照明器具A2に送り配線された照明器具A3で受信される。この照明器具A3の器具制御部3では、制御信号の受信が完了した後、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=2)より計算で求められる待機時間TY3(=TW−第2のデータ部の値×TD=TW−2TD)だけ待機してから、点灯回路部1を制御して光源D3を全点灯させる。すなわち、3台目の照明器具A3の待機時間TY3が2台目の照明器具A2の待機時間TY2よりも短くなる。
【0035】
而して、各照明器具A1〜A3においては、制御信号を受信する順番が遅いほど、制御信号の受信を完了してから実際に光源D1〜D3の光量を変化させる(全点灯させる)までの待機時間TY1〜TY3が短くなり、その結果、光源D1〜D3の光量が変化するタイミングが略一致し、全ての光源D1〜D3がばらつくことなく一斉に(略同時に)全点灯する。但し、本実施形態の場合ではTW>2TDの関係が成立するように待機時間のデフォルト値TWが設定してある。
【0036】
上述のように本実施形態では、補正手段たる各照明器具A1〜A3の器具制御部3が、制御信号に基づいて送受信部2で制御信号を受信してから光源D1〜D3の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具A1…よりも早めているので、制御信号を受信する順番が遅い照明器具A2,A3ほど制御信号を受信してから光源D1…の光量を変化させるまでの時間が早まることになり、最後に制御信号を受信した照明器具A3が光源D3の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具A1,A2で光源D1,D2の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源D1…の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0037】
(実施形態3)
本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるから図示並びに説明は省略する。本実施形態は、実施形態1と実施形態2を組み合わせ、補正手段たる各照明器具A1〜A3の器具制御部3が、制御信号に基づいて送受信部2で制御信号を受信してから光源D1〜D3の光量を変化させるまでの時間を次段の照明器具A2,A3よりも遅らせるとともに、制御信号に基づいて送受信部2で制御信号を受信してから光源D1〜D3の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具A1,A2よりも早めるようにした点に特徴がある。
【0038】
次に、全ての照明器具A1〜A3の光源D1〜D3が消灯している状態から、制御装置CTより送信される制御信号によって一斉に全ての光源D1〜D3を点灯させる場合の動作を、図6のタイムチャートを参照して説明する。
【0039】
ここで、各照明器具A1〜A3の器具制御部3では、実施形態2と同様に制御信号を受信してから点灯回路部2を制御して光源D1〜D3の光量を変化させるまでに所定の待機時間を待ってから行っており、この待機時間のデフォルト値をTWとする。また、上記のように全ての光源D1〜D3を一斉に全点灯する場合に制御装置CTから送信される制御信号は、全ての光源D1〜D3を点灯させる命令をコマンド部に含むとともに、調光比を100%(全点灯)とするデータを第1のデータ部に含み、且つシステム内における制御信号の送り回数(照明器具の台数−1)よりも少ない値を初期値(本実施形態では“1”)とする補正データを第2のデータ部に含むものである。
【0040】
このような制御信号が制御装置CTから信号線Lsに送出されると、まず信号線Lsで制御装置CTに直接接続されている照明器具A1が上記制御信号を受信する。この照明器具A1の器具制御部3では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ減算した値(=0)に更新して送受信部2から信号線Lsに送出させる。このとき、照明器具A1が制御信号を受信してから信号線Lsに制御信号を送出するまでに要する時間が上記遅延時間TDである。また、照明器具A1の器具制御部3は、制御信号の受信が完了しても直ぐには光源D1の光量を変化させず、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=1)から計算で求められる待機時間TZ1(=TW+第2のデータ部の値×TD=TW+TD)だけ待機してから、点灯回路部1を制御して光源D1を全点灯させる。つまり、照明器具A1においては、制御信号を受信して光源D1の光量を変化させるまでにデフォルト値TWよりも長い待機時間TZ1を待機することになる。
【0041】
一方、照明器具A1から送信された制御信号は、信号線Lsを介して照明器具A1に送り配線された照明器具A2で受信される。この照明器具A2の器具制御部3では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ減算した値(=−1)に更新して送受信部2から信号線Lsに送出させるとともに、制御信号の受信が完了した後、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=0)より計算で求められる待機時間TZ2(=TW+第2のデータ部の値×TD=TW)だけ待機してから、点灯回路部1を制御して光源D2を全点灯させる。すなわち、2台目の照明器具A2の待機時間TZ2がデフォルト値TWとなり、1台目の照明器具A1の待機時間TZ1よりも短くなる。
【0042】
さらに、照明器具A2から送信された制御信号は、信号線Lsを介して照明器具A2に送り配線された照明器具A3で受信される。この照明器具A3の器具制御部3では、制御信号の受信が完了した後、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=−1)より計算で求められる待機時間TZ3(=TW+第2のデータ部の値×TD=TW−TD)だけ待機してから、点灯回路部1を制御して光源D3を全点灯させる。すなわち、3台目の照明器具A3の待機時間TZ3がデフォルト値TWよりも短くなり、且つ2台目の照明器具A2の待機時間TZ2よりも短くなる。
【0043】
而して、各照明器具A1〜A3においては、制御信号を受信する順番が遅いほど制御信号の受信を完了してから実際に光源D1〜D3の光量を変化させるまでの待機時間TZ1〜TZ3が短くなるため、制御信号を受信する順番が早いほど制御信号の受信を完了してから実際に光源D1〜D3の光量を変化させるまでの時間が長くなる。その結果、光源D1〜D3の光量が変化するタイミングが略一致し、全ての光源D1〜D3がばらつくことなく一斉に(略同時に)全点灯する。但し、本実施形態の場合ではTW>TDの関係が成立するように待機時間のデフォルト値TWが設定してある。
【0044】
上述のように本実施形態では、補正手段たる各照明器具A1〜A3の器具制御部3が、制御信号に基づいて送受信部2で制御信号を受信してから光源D1〜D3の光量を変化させるまでの待機時間TZを制御信号の送り回数に応じて増減しているので、制御信号を受信する順番が遅い照明器具A2,A3ほど制御信号を受信してから光源D1…の光量を変化させるまでの待機時間TZ2,TZ3が早まることになり、最後に制御信号を受信した照明器具A3が光源D3の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具A1,A2で光源D1,D2の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源D1…の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。
【0045】
(実施形態4)
図7に示すように本発明の実施形態4の照明システムは、実施形態1〜3で説明した制御装置CTに2線式の信号線Lsによってバス接続された複数台の照明器具A1〜A6と、信号線Lsの途中に設けられて互いに送り配線された中継器B1,B2とを備えている。照明器具A1…は、図8に示すように実施形態1〜3とほぼ同様の構成を有し、光源D1…と、光源D1…に電力を供給して点灯する点灯回路部1と、信号線Lsを介して制御信号を受信する受信部4と、マイコンを主構成要素とし、制御信号に基づいて点灯回路部1から光源D1…へ供給される電力を可変させて光源D1…を点灯・消灯並びに調光する器具制御部3とを具備している。
【0046】
一方、中継器B1…は、図9に示すように信号線Lsを介して制御信号を送受信する送受信部10と、マイコンを主構成要素とし、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行った後に送受信部10から信号線Lsに制御信号を送出させる中継器制御部11とを具備している。ここで、中継器B1,B2において制御信号を受信してから送信するまでに要する時間を遅延時間TDと定義する。
【0047】
次に、全ての照明器具A1〜A6の光源D1〜D6が消灯している状態から、制御装置CTより送信される制御信号によって一斉に全ての光源D1〜D6を点灯させる場合の動作を、図10のタイムチャートを参照して説明する。
【0048】
全ての光源D1〜D6を点灯させる命令をコマンド部に含むとともに、調光比を100%(全点灯)とするデータを第1のデータ部に含み、且つシステム内における制御信号の送信回数(システム中に含まれる中継器B1,B2の総台数)のデータ(=2)を第2のデータ部に含む制御信号が、制御装置CTから信号線Lsに送出されると、まず制御装置CTと1台目の中継器B1との間で信号線Lsにバス接続されている2台の照明器具A1,A2が上記制御信号を略同時に受信する。これらの照明器具A1,A2の器具制御部3では、制御信号の受信が完了しても直ぐには光源D1,D2の光量を変化させず、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=2)から計算で求められる補正時間TS1(=第2のデータ部の値×TD=2TD)だけ遅らせてから、点灯回路部1を制御して光源D1,D2を全点灯させる。
【0049】
一方、1台目の中継器B1が制御信号を受信すると、この中継器B1の中継器制御部11では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ減算した値(=1)に更新して送受信部10から信号線Lsに送出させる。このとき、中継器B1が制御信号を受信してから信号線Lsに制御信号を送出するまでに要する時間が上記遅延時間TDである。
【0050】
そして、中継器B1から送信された制御信号は、2台目の中継器B2との間で信号線Lsにバス接続された2台の照明器具A3,A4で受信される。これらの照明器具A3,A4の器具制御部3では、制御信号の受信が完了しても直ぐには光源D3,D4の光量を変化させず、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=1)から計算で求められる補正時間TS2(=第2のデータ部の値×TD=TD)だけ遅らせてから、点灯回路部1を制御して光源D3,D4を全点灯させる。
【0051】
さらに2台目の中継器B2が制御信号を受信すると、この中継器B2の中継器制御部11では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ減算した値(=0)に更新して送受信部10から信号線Lsに送出させる。
【0052】
そして、中継器B2から送信された制御信号は、2台目の中継器B2に送り配線された信号線Lsにバス接続された2台の照明器具A5,A6で受信される。これらの照明器具A5,A6の器具制御部3では、制御信号の受信が完了した後、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=0)より補正時間TS3(=第2のデータ部の値×TD=0)を計算し、補正時間TS3の値がゼロであることから直ちに点灯回路部1を制御して光源D5,D6を全点灯させる。
【0053】
而して、各照明器具A1〜A6においては、制御信号を受信する順番が早いほど、制御信号の受信を完了してから実際に光源D1〜D6の光量を変化させる(全点灯させる)までの補正時間TS1〜TS3が長くなり、その結果、光源D1〜D6の光量が変化するタイミングが略一致し、全ての光源D1〜D6がばらつくことなく一斉に(略同時に)全点灯させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源D1…の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。つまり、本実施形態においては各照明器具A1〜A6の器具制御部3並びに中継器B1,B2の中継器制御部11が補正手段を構成している。
【0054】
なお、制御信号の第2のデータ部に含むデータの値及び各中継器B1,B2の中継器制御部11における制御信号に対する処理を、それぞれ実施形態2や実施形態3の照明器具A1…における器具制御部3の処理と一致させることにより、実施形態2と同様に各照明器具A1〜A6において送受信部2で制御信号を受信してから光源D1〜D6の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具A1…よりも早めたり、あるいは実施形態3と同様に各照明器具A1〜A6において送受信部2で制御信号を受信してから光源D1〜D6の光量を変化させるまでの待機時間を制御信号の送り回数に応じて増減するようにしても同様の効果を奏することが可能である。
【0055】
(実施形態5)
図11に示すように本発明の実施形態5の照明システムは、実施形態1〜3で説明した制御装置CTに2線式の信号線Lsによって送り配線された複数台の中継器B1〜B3と、各中継器B1〜B3に対して信号線Lxによりバス接続された複数台の照明器具A1〜A6とを備えている。すなわち、本実施形態においては、全ての照明器具A1〜A6が中継器B1〜B3から制御信号を受信している点が実施形態4と異なっている。
【0056】
照明器具A1…は実施形態4と同様の構成を有し、光源D1…と、光源D1…に電力を供給して点灯する点灯回路部1と、信号線Lxを介して制御信号を受信する受信部4と、マイコンを主構成要素とし、制御信号に基づいて点灯回路部1から光源D1…へ供給される電力を可変させて光源D1…を点灯・消灯並びに調光する器具制御部3とを具備している。
【0057】
一方、中継器B1…は、図12に示すように送り配線された信号線Lsを介して制御装置CT又は他の中継器B2,B3と制御信号を送受信するとともに信号線Lxを介して照明器具A1…に制御信号を送信する送受信部12と、マイコンを主構成要素とし、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行った後に送受信部12から信号線Ls,Lxに制御信号を送出させる中継器制御部13とを具備している。ここで、中継器B1〜B3において信号線Lsを介して制御信号を受信してから送信するまでに要する時間を遅延時間TDと定義する。
【0058】
次に、全ての照明器具A1〜A6の光源D1〜D6が消灯している状態から、制御装置CTより送信される制御信号によって一斉に全ての光源D1〜D6を点灯させる場合の動作を、図13のタイムチャートを参照して説明する。
【0059】
全ての光源D1〜D6を点灯させる命令をコマンド部に含むとともに、調光比を100%(全点灯)とするデータを第1のデータ部に含み、且つシステム中に含まれる中継器B1〜B3の総台数のデータ(=3)を第2のデータ部に含む制御信号が、制御装置CTから信号線Lsに送出されると、まず信号線Lsによって制御装置CTと直接接続されている1台目の中継器B1に受信される。この中継器B1の中継器制御部13では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ減算した値(=2)に更新して送受信部12から信号線Lsに送出させる。このとき、中継器B1が制御信号を受信してから信号線Lsに制御信号を送出するまでに要する時間が上記遅延時間TDである。さらに中継器制御部13は、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=3)から計算で求められる補正時間TR1(=第2のデータ部の値×TD=3TD)だけ遅らせてから、送受信部12により上記制御信号を信号線Lxに送出させる。
【0060】
一方、信号線Lxにバス接続された2台の照明器具A1,A2が中継器B1からの上記制御信号を略同時に受信する。これらの照明器具A1,A2の器具制御部3では、制御信号の受信が完了すれば、直ちに点灯回路部1を制御して光源D1,D2を全点灯させる。
【0061】
そして、2台目の中継器B2が信号線Lsを介して制御信号を受信すると、この中継器B2の中継器制御部13では、受信した制御信号の解析やデータチェック等を行い、第2のデータ部に含まれるデータ値を1だけ減算した値(=1)に更新して送受信部10から信号線Lsに送出させる。さらに中継器制御部13は、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=2)から計算で求められる補正時間TR2(=第2のデータ部の値×TD=2TD)だけ遅らせてから、送受信部12により上記制御信号を信号線Lxに送出させる。
【0062】
一方、信号線Lxにバス接続された2台の照明器具A3,A4が中継器B2からの上記制御信号を略同時に受信する。これらの照明器具A3,A4の器具制御部3では、制御信号の受信が完了すれば、直ちに点灯回路部1を制御して光源D1,D2を全点灯させる。
【0063】
そして、3台目の中継器B3が信号線Lsを介して制御信号を受信すると、この中継器B3の中継器制御部13では、受信した制御信号の第2のデータ部の値(=1)から計算で求められる補正時間TR3(=第2のデータ部の値×TD=TD)だけ遅らせてから、送受信部12により上記制御信号を信号線Lxに送出させる。
【0064】
一方、信号線Lxにバス接続された2台の照明器具A5,A6が中継器B3からの上記制御信号を略同時に受信する。これらの照明器具A5,A6の器具制御部3では、制御信号の受信が完了すれば、直ちに点灯回路部1を制御して光源D1,D2を全点灯させる。
【0065】
而して、各中継器B1〜B3においては、信号線Lsを介して制御信号を受信する順番が早いほど信号線Lxを介して各照明器具A1…に制御信号を送信するタイミングを遅らせているので、各照明器具A1〜A6において光源D1〜D6の光量が変化するタイミングが略一致し、全ての光源D1〜D6がばらつくことなく一斉に(略同時に)全点灯させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源D1…の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となる。つまり、本実施形態においては各中継器B1〜B3の中継器制御部13が補正手段を構成している。
【0066】
ここで、本実施形態では、実施形態4とは異なって各照明器具A1〜A6に制御信号を送信する機能が不要であり、また制御信号を受信してから光源D1〜D6の光量を変化させるまでにタイムラグを設ける必要がないことから、回路構成や器具制御部3の内部処理が極めて簡素化できるという利点がある。なお、制御信号の第2のデータ部に含むデータの値及び各中継器B1〜B3の中継器制御部13における制御信号に対する処理を、それぞれ実施形態2や実施形態3の照明器具A1…における器具制御部3の処理と一致させることによっても、同様の効果を奏することが可能である。
【0067】
また、信号線Lxを介して中継器B1…から照明器具A1…に送信される制御信号が、信号線Lsを介して中継器B1…間で送受信される制御信号と同じものである必要はなく、例えば中継器B1…から照明器具A1…に送信される制御信号には、図16に示すようにコマンド部とデータ部(調光比のデータを含む)で構成されるものを用いても良い。
【0068】
なお、上記実施形態1〜5においては、全ての光源D1…を消灯状態から全点灯させる場合の動作を例示したが、全点灯状態から一斉に消灯したり、あるいは消灯状態から所定の調光比(例えば、50%)に一斉に調光点灯させるというように、光源D1…の光量を一斉に変化させる場合について同様の効果を奏することができる。また、制御信号についても実施形態のフォーマットや構成に限定されず、上述の各実施形態の動作が可能で有ればどのようなものであっても良い。さらに、制御信号の受信から送信までに要する遅延時間TDの値、並びに制御信号の受信完了から光源D1…の光量変化までに要する時間として許容される最大値TWについては、予め照明器具A1…に設定することも可能であるし、あるいは制御装置CTから送られる制御信号によって設定しても良いし、さらには照明器具A1…においてそれらの値を計測するようにしても良い。
【0069】
また、上記実施形態1〜5においては各照明器具A1…が具備する光源D1…の数を1つとしているが、これに限定されるものではなく複数であっても良い。さらにシステムを構成する照明器具A1…や中継器B1…の台数も実施形態に限定する趣旨ではなく、何台であっても良い。
【0070】
【発明の効果】
請求項1の発明は、信号線によって互いに送り配線された複数台の照明器具と、信号線で接続された各照明器具に対して制御信号を送信する制御装置とを備えた照明システムにおいて、照明器具は、光源と、光源に電力を供給して点灯する点灯回路部と、信号線を介して制御信号を送受信する送受信部と、制御信号に基づいて点灯回路部から光源へ供給される電力を可変させて光源を点灯・消灯並びに調光する器具制御部と、他の照明器具との間で制御信号の送受信に伴って生じる光源の光量変化のタイミングのずれを補正する補正手段とを具備するので、各照明器具が具備する光源の光量を一斉に変化させる場合に補正手段によって光源の光量変化のタイミングのずれが補正され、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となるという効果がある。
【0071】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を次段の照明器具よりも遅らせて成るので、制御信号を受信する順番が早い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が遅れることになり、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となるという効果がある。
【0072】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具よりも早めて成るので、制御信号を受信する順番が遅い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が早まることになり、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となるという効果がある。
【0073】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を次段の照明器具よりも遅らせるとともに送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具よりも早めて成るので、制御信号を受信する順番が早い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が遅れるとともに、制御信号を受信する順番が遅い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が早まることになり、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となるという効果がある。
【0074】
請求項5の発明は、信号線に対してバス接続された複数台の照明器具と、信号線に接続された各照明器具に対して制御信号を送信する制御装置と、信号線に送り配線されて制御信号を中継する1乃至複数台の中継器とを備え、照明器具は、光源と、光源に電力を供給して点灯する点灯回路部と、信号線を介して制御信号を受信する受信部と、制御信号に基づいて点灯回路部から光源へ供給される電力を可変させて光源を点灯・消灯並びに調光する器具制御部とを具備する照明システムにおいて、個々の照明器具の間で制御信号の送受信に伴って生じる光源の光量変化のタイミングのずれを補正する補正手段を備えたので、各照明器具が具備する光源の光量を一斉に変化させる場合に補正手段によって光源の光量変化のタイミングのずれが補正され、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となるという効果がある。
【0075】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて中継器の送受信部で制御信号を受信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を次段の中継器よりも遅らせて成るので、制御信号を受信する順番が早い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が遅れることになり、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となるという効果がある。
【0076】
請求項7の発明は、請求項5の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて中継器の送受信部で制御信号を送信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を前段の中継器よりも早めて成るので、制御信号を受信する順番が遅い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が早まることになり、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となるという効果がある。
【0077】
請求項8の発明は、請求項5の発明において、補正手段が、制御信号に基づいて中継器の送受信部で制御信号を受信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を次段の中継器よりも遅らせるとともに中継器の送受信部で制御信号を送信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を前段の中継器よりも早めて成るので、制御信号を受信する順番が早い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が遅れるとともに、制御信号を受信する順番が遅い照明器具ほど制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間が早まることになり、最後に制御信号を受信した照明器具が光源の光量を変化させるタイミングに合わせて他の全ての照明器具で光源の光量を変化させることができ、従来のシステム構成を変更することなく、多数の光源の光量を略同時に変化させて使用者の望む照明制御が実現可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のシステム構成図である。
【図2】同上における照明器具のブロック図である。
【図3】同上における制御信号の説明図である。
【図4】同上の動作説明用のタイムチャートである。
【図5】実施形態2の動作説明用のタイムチャートである。
【図6】実施形態3の動作説明用のタイムチャートである。
【図7】実施形態4のシステム構成図である。
【図8】同上における照明器具のブロック図である。
【図9】同上における中継器のブロック図である。
【図10】同上の動作説明用のタイムチャートである。
【図11】実施形態5のシステム構成図である。
【図12】同上における中継器のブロック図である。
【図13】同上の動作説明用のタイムチャートである。
【図14】従来例のシステム構成図である。
【図15】他の従来例のシステム構成図である。
【図16】同上における制御信号の説明図である。
【図17】従来例の動作説明用のタイムチャートである。
【図18】他の従来例の動作説明用のタイムチャートである。
【符号の説明】
A1〜A3 照明器具
D1〜D3 光源
CT 制御装置
1 点灯回路部
2 送受信部
3 器具制御部
Claims (8)
- 信号線によって互いに送り配線された複数台の照明器具と、信号線で接続された各照明器具に対して制御信号を送信する制御装置とを備えた照明システムにおいて、照明器具は、光源と、光源に電力を供給して点灯する点灯回路部と、信号線を介して制御信号を送受信する送受信部と、制御信号に基づいて点灯回路部から光源へ供給される電力を可変させて光源を点灯・消灯並びに調光する器具制御部と、他の照明器具との間で制御信号の送受信に伴って生じる光源の光量変化のタイミングのずれを補正する補正手段とを具備することを特徴とする照明システム。
- 補正手段は、制御信号に基づいて送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を次段の照明器具よりも遅らせて成ることを特徴とする請求項1記載の照明システム。
- 補正手段は、制御信号に基づいて送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具よりも早めて成ることを特徴とする請求項1記載の照明システム。
- 補正手段は、制御信号に基づいて送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を次段の照明器具よりも遅らせるとともに送受信部で制御信号を受信してから光源の光量を変化させるまでの時間を前段の照明器具よりも早めて成ることを特徴とする請求項1記載の照明システム。
- 信号線に対してバス接続された複数台の照明器具と、信号線に接続された各照明器具に対して制御信号を送信する制御装置と、信号線に送り配線されて制御信号を中継する1乃至複数台の中継器とを備え、照明器具は、光源と、光源に電力を供給して点灯する点灯回路部と、信号線を介して制御信号を受信する受信部と、制御信号に基づいて点灯回路部から光源へ供給される電力を可変させて光源を点灯・消灯並びに調光する器具制御部とを具備する照明システムにおいて、個々の照明器具の間で制御信号の送受信に伴って生じる光源の光量変化のタイミングのずれを補正する補正手段を備えたことを特徴とする照明システム。
- 補正手段は、制御信号に基づいて中継器の送受信部で制御信号を受信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を次段の中継器よりも遅らせて成ることを特徴とする請求項5記載の照明システム。
- 補正手段は、制御信号に基づいて中継器の送受信部で制御信号を受信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を前段の中継器よりも早めて成ることを特徴とする請求項5記載の照明システム。
- 補正手段は、制御信号に基づいて中継器の送受信部で制御信号を受信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を次段の中継器よりも遅らせるとともに中継器の送受信部で制御信号を送信してから照明器具に制御信号を送信するまでの時間を前段の中継器よりも早めて成ることを特徴とする請求項5記載の照明システム。
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