JP3743789B2 - メモリとプロセサとが同一チップ上に形成されたマイクロコンピュータ - Google Patents
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Description
この発明は、プロセサとメモリとが同一チップ上に形成されたマイクロコンピュータに関し、特に、プロセサおよびメモリならびにこれらのプロセサおよびメモリ間のデータ転送を行なうための転送ユニットのレイアウトに関する。
従来の技術
図1は、従来の処理システムの構成の一例を概略的に示す図である。図1において、処理システムは、必要とされる演算処理操作を行なうプロセサ1と、プロセサ1外部に設けられ、このプロセサ1のための主記憶として機能する主メモリ2を含む。プロセサ1は、外部データバス3を介して主メモリ2に接続される。この主メモリ2は、命令および処理データ(以下、両者を含めて情報と称す)を格納する。
プロセサ1は、情報を格納するキャッシュメモリ1aと、このキャッシュメモリ1aに格納される情報を用いて各種制御信号を生成するコントローラ1bと、演算処理に必要なデータを一時的に格納するためのレジスタ群1cと、コントローラ1bからの制御信号に従って要求される演算を行なう演算器1dを含む。キャッシュメモリ1a、コントローラ1b、レジスタ群1cおよび演算器1dは内部データバス1eを介して相互結合される。この内部データバス1eは、インタフェース1fを介して外部データバス3に結合される。インタフェース1fは、このコントローラ1bの制御の下に、主メモリ2とキャッシュメモリ1aおよびコントローラ1bとの間のデータ転送を管理する。
この図1に示す処理システムの構成の場合、コントローラ1bが、キャッシュメモリ1aに格納されていない情報を必要とする場合には、主メモリ2からこのコントローラ1bが必要とする情報が外部データバス3およびインタフェース1fを介して転送される。
主メモリ2は、たとえば大記憶容量のDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)で構成されており、プロセサ1ほど高速で動作することはできない。また主メモリ2とプロセサ1との間のデータ転送速度は、外部データバス3のバス幅(ビット幅)により律速される。外部データバス3のバス幅は、主メモリ2のデータ入出力端子数により決定される。このため、主メモリ2とプロセサ1との間のデータ転送を高速で行なうことができず、プロセサ1は、この主メモリ2とのデータ転送時ウエイト状態とされ、処理システムの性能が低下するという問題が生じる。
この図1に示すような処理システムにおける主メモリ2の低速性に起因する問題を解消するために、プロセサ1と主メモリ2とを同一チップ上に形成し、外部データバス3のバス幅を広くし、データ転送を高速で行なうことが考えられる。
図2は、このようなプロセサと主メモリとが同一チップ上に形成されたマイクロコンピュータの構成の一例を概略的に示す図である。図2において、マイクロコンピュータ10は、図1に示す構成と同様、キャッシュメモリ1a、コントローラ1b、レジスタ群1cおよび演算器1dを含む。このマイクロコンピュータ10は、さらに、主メモリ2を内蔵する。キャッシュメモリ1a、コントローラ1b、レジスタ群1c、演算器1dおよび主メモリ2は、内部データバス11を介して相互接続される。この内部データバス11は、インタフェースユニット12を介して外部データバスに結合されて外部の装置と情報の授受を行なう。
主メモリ2をマイクロコンピュータ10内に内蔵することにより、図1に示す構成と異なり、主メモリ2のデータ入出力端子数の制限を受けることなく、この内部データバス11のバス幅(ビット幅)で情報を転送することができる。したがってこの内部データバス11のバス幅を広くすることにより、大量の情報を同時に転送することができ、高速データ転送を実現することができる。また、内部データバス11の負荷容量は、図1に示すボード上配線である外部データバス3の負荷容量に比べて十分小さく、より高速で主メモリ2とキャッシュメモリ1aおよびコントローラ1bとの間で情報転送を行なうことができる。またこのとき、内部データバス11の負荷容量は小さいため、主メモリ2の出力回路は大きな負荷容量を駆動することが要求されず、処理システムの消費電流が低減される。
しかしながら、この図2に示すマイクロコンピュータの構成の場合、外部の装置と情報の授受を行なう場合、インタフェースユニット12が、内部データバス11を占有する。したがって、たとえば、インタフェースユニット12による主メモリ2へのアクセス時、コントローラ1bはこの内部データバス11を利用することができず、その間演算操作が停止し、マイクロコンピュータの処理性能が低下するという問題が生じる。
また、このようなメモリ内蔵マイクロコンピュータにおいて、どのような内部バス配置とすれば、内部で情報転送を効率的かつ高速で行なうことができるかについて、十分に検討する余地がある。
また、プロセサ、主メモリおよびインタフェースユニットをどのように配置することにより、内部での情報転送を効率的かつ高速で行なうことができ、処理性能を向上させることができるかについても十分に検討の余地がある。
発明の概要
この発明の目的は、処理性能を低下させることなく情報転送を効率的かつ高速に行なうことのできるメモリ内蔵マイクロコンピュータを提供することである。
この発明の他の目的は、外部との情報転送時においても処理性能が低下することのないメモリ内蔵マイクロコンピュータを提供することである。
この発明に係るメモリ内蔵マイクロコンピュータは、複数のデータ入出力パッドと、これら複数のデータ入出力パッドに第1のバスを介して結合され、これらのデータ入出力パッドを介しての情報入出力を行なうためのインタフェースとして機能するバスインタフェース手段と、このバスインタフェース手段と第2のバスを介して結合され、バスインタフェース手段と情報の授受を行なう第1のメモリと、第3のバスを介して第1のメモリに結合され、この第1のメモリの選択されたメモリセルと双方向に情報を転送するための第1の双方向転送手段と、この第1の双方向転送手段と第4のバスを介して結合され、少なくともこの第1の双方向転送手段と双方向に情報を転送するための第2の双方向転送手段とを備える。第1および第2の双方向転送手段は、与えられた情報をラッチし、次いで転送する手段を含む。
この発明に係るメモリ内蔵マイクロコンピュータはさらに、第5のバス上に介して第2の双方向転送手段と結合され、この第2の双方向転送手段と情報の授受を行なうための第2のメモリと、第2の双方向転送手段と第6のバスを介して結合され、第2の双方向転送手段と情報の授受を行ない、この情報に含まれる命令を実行し、該実行結果のデータを第6のバス送出するプロセサ手段とを含む。
外部と情報の授受を行なうためのバスインタフェース手段は、第1のメモリと第2のバスを介して結合され、第1および第2のメモリはラッチおよび転送機能を備える第1および第2の双方向転送手段を介して結合される。第2のメモリは第5のバスを介して第2の双方向転送手段と結合され、またこの第2の双方向転送手段は第6のバスを介してプロセサ手段と結合される。したがって、バスインタフェース手段と第1のメモリとの間または装置外部との間の情報転送時において、プロセサ手段は第2のメモリへアクセスして、処理を行なうことができ、情報転送時における処理性能の低下が防止される。また、第1および第2の双方向転送手段を設けておくことにより、第1のメモリから第1の双方向転送手段への情報転送時依然プロセサ手段は第2の双方向転送手段を介して第2のメモリへアクセスすることができる。したがって、処理性能を低下させることなく内部で情報転送を行なうことができる。
この発明の目的および他の目的と特徴は、以下に添付の図面を参照して行なう好ましい実施例の詳細な説明からより一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来のプロセサの構成およびメモリシステムの構成を概略的に示す図である。
図2は、図1に示す処理システムを1チップの装置とした場合の構成を概略的に示す図である。
図3は、この発明の実施の形態1に従うマイクロコンピュータの内部の構成を概略的に示す図である。
図4は、図3に示すバス配置における情報信号の流れを示す図である。
図5は、この発明の実施の形態1における情報ロード要求時の情報信号の流れを示すタイミングチャート図である。
図6は、情報ストア要求発生時の情報信号の流れを示すタイミングチャート図である。
図7は、図3に示すデータレジスタ(DR)の全体の構成を概略的に示す図である。
図8は、図7に示すデータレジスタの1ビットの部分の構成を示す図である。
図9は、図3に示す命令レジスタの1ビットの部分の構成を示す図である。
図10は、図3に示すバスインタフェースユニット(BIU)の全体の構成を概略的に示すブロック図である。
図11は、図10に示すバスインタフェースユニットの1ビットの部分の構成を示す図である。
図12は、図3に示すDRAMの構成を概略的に示す図である。
図13は、図3に示す双方向転送回路部分の構成を概略的に示す図である。
図14は、図13に示すDRAMリードバッファの1ビットの部分の構成を示す図である。
図15は、図13に示すメモリリードバッファの1ビットの部分の構成を示す図である。
図16は、図3に示すDRAMライトバッファおよびメモリライトバッファの1ビットの部分の構成を示す図である。
図17は、図13に示すメモリリードバッファの変更例の構成を示す図である。
図18は、図13に示すメモリリードバッファのさらに他の変更例の構成を概略的に示す図である。
図19は、図18に示すレベルシフタの1ビットの部分の構成を示す図である。
図20は、この発明の実施の形態2に従うマイクロコンピュータのバス配線の配置を概略的に示す図である。
図21は、この発明の実施の形態2に従うマイクロコンピュータのチップ上のレイアウトを概略的に示す図である。
図22は、この発明の実施の形態3に従うマイクロコンピュータの要部の構成を概略的に示す図である。
図23は、図22に示すSRAMコントロール部の動作を示す波形図である。
図24は、図22に示すドライバ回路の入力初段の構成の一例を示す図である。
図25は、図22に示すSRAMコントロール部の他の動作シーケンスを示す図である。
図26は、この発明の実施の形態3に従うマイクロコンピュータのチップ上のレイアウトを概略的に示す図である。
図27は、この発明の実施の形態4に従うマイクロコンピュータの要部の構成を概略的に示す図である。
図28は、この発明の実施の形態4の変更例の構成を概略的に示す図である。
好ましい実施例の説明
図3は、この発明の実施の形態1に従うメモリ内蔵マイクロコンピュータの要部の構成を概略的に示すブロック図である。図3において、マイクロコンピュータ20は、外部バスに接続され、情報の入出力を行なうDQパッド21と、DQパッド21に第1のバスとしてのDBバス22を介して結合され、マイクロコンピュータ外部と内部との間の情報転送を管理しかつ実行するバスインタフェースユニット(BIU)23と、バスインタフェースユニットBIUにBIUバス24を介して結合され、バスインタフェースユニット23と記憶情報の転送を行なう第1のメモリとしてのダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(以下DRAMと称す)26を含む。DRAM26は、また、第3のバスとしてのGIOバス28に結合される。
DBバス22は、バス幅(ビット幅)がたとえば16ビットであり、一方BIUバス24およびGIOバス28は、それぞれのバス幅(ビット幅)が128ビットである。バスインタフェースユニット23は、その構成は後に詳細に説明するが、128個のラッチを含み、このラッチを選択的にDBバス22に結合することにより、装置外部とは16ビット単位での情報転送および装置内部では128ビット単位での情報転送を実行する。これにより、装置内部での情報転送の高速化を図る。DRAM26は、BIUバス24に結合されるポートとGIOバス28に結合されるボートとを有するデュアルポートメモリであり、メモリの競合が生じない限り、このDRAM26は、BIUバス24およびGIOバス28と同時に情報転送を行なうことができる。
マイクロコンピュータ20は、さらに、GIOバス28を介してDRAM26から読出された情報をラッチしかつDRBバス31へ転送するDRAMリードバッファ(DRB)30と、DRBバス31を介してDRAMリードバッファ(DRB)30から与えられる情報またはSBLバス32を介してスタティック・ランダム・アクセス・メモリ(以下SRAMと称す)34から読出された情報をラッチし該ラッチした情報をITBバス35またはSBLバス32を介してメモリライトバッファ(MWB)38へ転送するメモリリードバッファ(MRB)36を含む。このメモリリードバッファ(MRB)36は、ラッチした情報を増幅する回路を含む。GIOバス128、DRBバス31、およびITBバス35は、それぞれのビット幅がたとえば128ビットである。SBLバス32も、そのバス幅が128ビットであり、SRAM34は、128ビットの情報の入出力を一度に行なう。
メモリライトバッファ(MWB)38は、ITBバス35上に与えられた情報およびSBLバス32を介してメモリリードバッファ(MRB)36から与えられた情報をラッチし、DWBバス40を介してDRAMライトバッファ(DWB)42へ転送する。このメモリライトバッファ(MWB)38は、またITBバス35を介して与えられる情報をSBLバス32を介してSRAM34へ転送する機能を備える。
DRAMライトバッファ(DWB)42は、DWBバス40を介してメモリライトバッファ(MWB)38から与えられた情報をGIOバス28を介してDRAM26へ転送する。DWBバス40は、128ビットのバス幅を有している。DRBバス31およびDWBバス40を別々に設けることにより、DRAM26からSRAM34へのデータ転送とSRAM34からDRAM26へのデータ転送を並列態様で実行することができる。
マイクロコンピュータ20は、さらに、ITBバス35を介してメモリリードバッファ(MRB)36から与えられる情報に含まれる命令を格納する命令レジスタ(IR)44と、ITBバス35と双方向にデータ転送を行なうように結合され、データを格納するデータレジスタ(DR)46を含む。命令レジスタ44およびデータレジスタ46は、それぞれ命令バス48およびデータバス50を介してプロセサ(CPU)52に結合される。
命令レジスタ(IR)は、ITBバス35のバス幅(ビット幅)と同じ数のラッチを備え、この128個のラッチのうち、32個のラッチを同時に選択して、命令バス48を介してプロセサ(CPU)52へラッチ情報(命令)を与える。データレジスタ(DR)も同様、128個のラッチを含み、選択的に32個のラッチをデータバス50に結合し、プロセサ(CPU)とデータの授受を行なう。
プロセサ(CPU)52は、図1に示すような内部構成を備え、命令レジスタ(IR)44から与えられる命令およびデータレジスタ(DR)46から与えられるデータを用いて命令が指定する処理操作を実行し、その処理結果を再びデータレジスタ(DR)46に格納する。
GIOバス28は、たとえば30MHzの速度で情報を転送する。一方、ITBバス35は、たとえば100MHz程度の速度で情報を転送する。
図4は、図3のバス配置における情報転送経路を模式的に示す図である。図4において、矢印は情報の流れを示す。図4において、バスインタフェースユニット(BIU)23は、DQパッド21と、DBバス22を介して双方向的に情報を転送する。DRAM26は、バスインタフェースユニット(BIU)23とBIUバス24を介して双方向的に情報を転送する。DRAM26は、GIOバス28を介して選択されたメモリセルの情報をDRAMリードバッファ(DRB)30へ転送し、またDRAM26は、GIOバス28を介してDRAMライトバッファ(DWB)から与えられる情報をその選択されたメモリセルへ書込む。DRAMリードバッファ30は、DRBバス31を介してそのラッチした情報をメモリリードバッファ(MRB)へ転送する。一方、DRAMライトバッファ(DWB)42は、メモリライトバッファ(MWB)38からDWBバス40を介して与えられる情報をラッチし、次いで、DRAM26へGIOバス28を介してラッチ情報を転送する。
メモリリードバッファ(MRB)36は、DRBバス31を介して与えられる情報およびSRAM34から読出された情報の一方をラッチし、かつ増幅した後、ITBバス35へまたはメモリライトバッファ(MWB)38へ転送する。このメモリリードバッファ(MRB)36からメモリライトバッファ(MWB)38への情報転送を行なうことにより、SRAM34からDRAM26への情報転送が可能となる。
メモリライトバッファ(MWB)38は、データレジスタ(DR)46からITBバス35を介して与えられるデータおよびメモリリードバッファ(MRB)36から与えられる情報の一方をSRAM34またはDRAMライトバッファ(DWB)42へ転送する。
命令レジスタ(IR)44は、ITBバス35に与えられる情報のうちの命令を格納し、命令バス48を介してプロセサ(CPU)52へ命令を与える。データレジスタ(DR)46は、ITBバス35を介して与えられる情報に含まれるデータを格納して、プロセサ(CPU)52へ与えるとともに、このプロセサ(CPU)52からデータバス50を介して与えられるデータを格納し、再びITBバス35を介してメモリライトバッファ(MWB)38へ転送する。
次にデータ転送動作について説明する。
(i) 外部メモリなどの外部装置に対しプロセサ(CPU)52が情報ロード要求を発した場合:
DQパッド21およびDBバス22を介して外部メモリ等から与えられた情報は、バスインタフェースユニット(BIU)23に格納される。バスインタフェースユニット(BIU)23は、BIUバス24を介して外部からロードされた情報をDRAM26へ転送して書込む。DRAM26は、このロード情報をGIOバス28を介してDRAMリードバッファ(DRB)30へ転送する。DRAMリードバッファ(DRB)30は、このDRAM26からGIOバス28を介して与えられた情報をラッチし、次いでDRBバス31を介してメモリリードバッファ(MRB)36へ転送する。メモリリードバッファ(MRB)36は、このDRAMリードバッファ(DRB)30から転送された情報を増幅してITBバス35を介して命令レジスタ(IR)44およびデータレジスタ(DR)46へ転送する。この命令レジスタ(IR)44およびデータレジスタ(DR)46へ転送された情報は、それぞれ命令バス48およびデータバス50を介してプロセサ(CPU)52へ転送される。
ITBバス35は、たとえば100MHz程度の高速のクロック信号に従って情報を転送し、一方、GIOバス28へは、低速メモリであるDRAM26または外部装置とアクセスするバスインタフェースユニット(BIU)23からの情報が転送されるため、GIOバス28上では、低速なたとえば30MHz程度のクロック信号に従って情報が転送される。
したがって、プロセサ(CPU)52が情報ロード要求を発してから、必要とされる情報がプロセサ(CPU)52へ到達するまでには、このITBバス35を駆動するクロック信号のサイクル数でかなりのサイクル数が必要とされる。この場合、GIOバス28とITBバス35とは互いにに分離されているため、このITBバス35上に必要とされる情報が到達するまで、プロセサ(CPU)52は、命令バス48およびデータバス50ならびにITBバス35を利用することができる。
すなわち、図5の情報転送シーケンスに示すように、時刻T0において、プロセサ(CPU)52がロード要求を発生した場合、時刻T1においてバスインタフェースユニット(BIU)23に有効情報が格納される。バスインタフェースユニット(BIU)23に格納された情報はDRAM26を介してGIOバス28へ転送され、時刻T2において、GIOバス28上に有効情報が現われる。このGIOバス28上の有効情報は、DRAMリードバッファ(DRB)、メモリリードバッファ(MRB)を介してITBバス35へ転送され、時刻T3においてITBバス35上に有効情報が転送される。このITBバス35上の有効情報が、命令レジスタ(IR)44およびデータレジスタ(DR)46へそれぞれ転送され、時刻T4において、命令レジスタ(IR)44およびデータレジスタ(DR)46にプロセサ(CPU)が要求した有効情報が格納される。時刻T4以降において、プロセサ(CPU)は、命令レジスタ(IR)44およびデータレジスタ(DR)46の必要なロード要求した情報へアクセスすることができる。
したがって、この図5に示すように、外部メモリなどに対するロード要求が発行された場合、ITBバス35上に有効情報が転送される時刻T3まで、プロセサ(CPU)はこのITBバス35を利用してSRAM34へアクセスすることができ、また命令レジスタ(IR)44およびデータレジスタ(DR)46へCPUバス(命令バス48およびデータバス50両者を含む)を介してアクセスすることができる。さらに、命令レジスタ(IR)44およびデータレジスタ(DR)46へ有効情報が格納される時刻T4までの間、プロセサ(CPU)は、CPUバス(命令バス48およびデータバス50)を利用して、命令レジスタ(IR)44およびデータレジスタ(DR)46へアクセスして処理を行なうことができる。
したがって、GIOバス28、ITBバス35およびCPUバス(命令バス48およびデータバス50)を別々に設けることにより、プロセサ(CPU)は、ロード要求した情報が到達するまでの間、利用可能なバスを利用して処理を実行することができ、外部装置からのデータ転送時においての処理性能の低下が抑制される。
(ii) プロセサがデータを外部メモリ等へ格納するデータストア要求を発行した場合:
データストア要求発行時の動作を、図6に示すタイミングチャート図を併せて参照して説明する。
時刻T0において、プロセサ(CPU)52がストア要求を発生するとともに、ストアすべきデータをデータバス50を介してデータレジスタ(DR)50へ格納し、時刻T1においてデータレジスタ(DR)50に有効データが格納される。このデータレジスタ(DR)50に格納されたデータは、ITBバス35を介してメモリライトバッファ(MWB)38へ転送されてそこに格納される。このメモリライトバッファ(MWB)38に格納されたデータは、DWBバス40を介してDRAMライトバッファ(DWB)42へ転送されてそこにラッチされる。メモリライトバッファ(MWB)38は、ラッチ機能を備えている。したがって、ストアすべきデータがこのメモリライトバッファ(MWB)38に格納された後、プロセサ(CPU)52は、ITBバス35およびCPUバス(命令バス38およびデータバス50)を利用して、SRAM34および命令レジスタ(IR)44およびデータレジスタ(DR)46へアクセスして処理を実行することができる。このITBバス35は、高速バスであり、外部メモリへのデータストア動作時においても、プロセサ(CPU)52は、そのストアすべきデータをデータレジスタ(DR)50を介してメモリライトバッファ(MWB)38に転送して格納した後、高速で必要とされる処理を実行することができ、このマイクロコンピュータの性能低下は抑制される。
このDRAMライトバッファ(DWB)42にラッチされたデータ(時刻T3において有効状態とされる)は、低速のGIOバス28を介してDRAM26に転送されて格納される。GIOバス28は低速バスであり、時刻T4においてそこに有効データが現われ、DRAM26には、時刻T5において有効データが格納される。DRAM26は、2ポートメモリであり、この書込および読出を同一サイクルで行なうことにより、比較的早いタイミングで、DRAM26からバスインタフェースユニット(BIU)23へ有効データを格納することができる。これにより、時刻T6において有効状態とされたバスインタフェースユニット23内の有効データが順次16ビット単位で外部へ転送されて外部メモリに格納される。したがって、このマイクロコンピュータにおいて、外部メモリに対するデータストア動作が行なわれている場合においても、時刻T2以降において、内部のプロセサ(CPU)52は、ITBバス35を介してSRAM34へアクセスすることができ、また、時刻T5以降GIOバス28が利用可能となり、処理性能の低下を抑制することができる。
また、図5および図6に示すタイミングチャート図から明らかなように、外部メモリとDRAM26との間でのデータ転送のみが行なわれる場合、プロセサ(CPU)52は、ITBバス35、命令バス48およびデータバス50を常時利用して必要とされる処理を実行することができる。
以上のように、外部装置との間のデータ入出力を行なうためのバスインタフェースユニット(BIU)をDRAMのみに接続し、プロセサ(CPU)がアクセスするバス(ITBバス35、命令バス48およびデータバス50)をバスインタフェースユニット(BIU)から分離し、またDRAM26が結合するGIOバス28とITBバス35の間には、双方向転送手段としてのバッファ(DRB、DWB、MRB、およびMWB)を設け、これらにラッチ機能を持たせることにより、このマイクロコンピュータの装置外部との情報転送時においても、内部のITBバスを空き状態としてプロセサ(CPU)が利用可能とすることができ、情報の外部転送時における処理停止を生じることがなく、処理性能を向上させることができる。
なお、バスインタフェースユニット(BIU)とDQパッドとの間のDBバス22は、情報入力用のバスおよび情報出力用のバスが別々に設けられる構成であってもよい。
[各部の構成]
(1) データレジスタ(DR)46の構成
図7は、図3および図4に示すデータレジスタ(DR)46の全体の構成を概略的に示す図である。図7において、データレジスタ(DR)46は、ITBバス35のバス線I0〜I127それぞれに対応して設けられ、転送指示信号φTRの活性化に応答して対応のバス線と結合されるラッチアンプLA0〜LA127を含む。このラッチアンプLA0〜LA127は、後にその構成は詳細に説明するが、ITBバス35からプロセサ(CPU)へデータを転送するためのリードバッファと、プロセサ(CPU)から与えられたデータをITBバス35へ転送するためのライトバッファ両者を含む。いずれも、活性化時、与えられたデータを増幅してかつラッチする。
データレジスタ(DR)46は、さらに、ラッチアンプLA0〜LA31それぞれに対応して設けられ、グループ選択信号φaに応答して導通し、ラッチアンプLA0〜LA31をプロセサデータバス50のバス線D0〜D31へ結合する選択ゲートSG0a〜SG31aと、ラッチアンプLA32〜LA63それぞれに対応して設けられ、グループ選択信号φbに応答して導通し、ラッチアンプLA32〜LA63をデータバス線D0〜D31へそれぞれ結合する選択ゲートSG0b〜SG31bと、ラッチアンプLA64〜LA95それぞれに対応して設けられ、グループ選択信号φcに応答して導通し、ラッチアンプLA64〜LA95それぞれをデータバス線D0〜D31へ結合する選択ゲートSG0c〜SG31cと、ラッチアンプLA96〜LA127それぞれに対応して設けられ、グループ選択信号φdに応答して導通し、ラッチアンプLA96〜LA127をデータバス線D0〜D31へそれぞれ結合する選択ゲートSG0d〜SG31dを含む。
ITBバス35とプロセサデータバス50のバス幅を異ならせることにより、ビット幅の異なる情報の授受を行なうことができ、プロセサ(CPU)52の処理性能を劣化させる必要がない。また、プロセサ(CPU)52に対するデータバス50のバス幅が小さいため、このプロセサ(CPU)52近傍におけるバスに要するレイアウト面積を縮小することができる。
この図7に示すデータレジスタ(DR)46の構成においては、ITBバス35のバス線I0〜I127とラッチアンプLA0〜LA127が転送指示信号φTRに従って同時に128ビットのデータの転送を行なう。これらの128ビットのラッチアンプLA0〜LA127のうち32ビットのラッチアンプが、グループ選択信号φa〜φdに従ってプロセサデータバス50(データバス線D0〜D31)に選択的に結合される。
図8は、図7に示すラッチアンプおよび選択ゲートの1ビットの構成の一例を示す図である。図8においては、ITBバス35のバス線Iiとデータバス線Djに対して設けられるラッチアンプおよび選択ゲートの構成が一例として示される。ITBバス線Iiは相補の信号線IiaおよびZIiaを含む。
ラッチアンプは、転送指示信号φTRRに応答して活性化され、ITBバス線Ii上の相補信号を増幅しかつラッチするリード・ラッチアンプLArと、データバス線Dj上の信号を増幅しかつラッチするライト・ラッチアンプLAwを含む。選択ゲートSGは、グループ選択信号φgrに応答して導通し、リード・ラッチアンプLArのラッチデータをデータバス線Djへ転送するリード選択ゲートSGrと、転送指示信号φTRWに応答してライト・ラッチアンプLAwのラッチ情報をITBバス信号線IiaおよびZIiaへ転送するライト選択ゲートSGwを含む。
転送指示信号φTRRおよびφTRWは、リード転送時およびライト転送時それぞれにおいてラッチアンプLA0〜LA127に共通に与えられる。グループ選択信号φgrおよびφgwはリード転送時およびライト転送時、それぞれ選択されたグループのラッチアンプグループに対してのみ与えられる。
リード・ラッチアンプLArは、信号線IiaおよびZIia上の信号電位を差動的に増幅する差動増幅器DArと、リード転送指示信号φTRRに応答して導通する転送ゲートTGrと、転送ゲートTGrにより伝達された差動増幅回路DArのデータを増幅しかつラッチするラッチ回路LCHrを含む。差動増幅回路DArは、転送ゲートTGrと接地電位の間に接続されかつそのゲートが信号線ZIiaに接続されるnチャネルMOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)T1と、接地ノードと転送ゲートTGrの間に接続されかつそのゲートが信号線Iiaに接続されるnチャネルMOSトランジスタT2を含む。ラッチ回路LCHrは、転送ゲートTGrを介してMOSトランジスタT1のドレインノードに接続される入力部を有するインバータ回路IV1と、転送ゲートTGrを介してMOSトランジスタT2のドレインノードに接続される入力部を有するインバータ回路IV2を含む。転送ゲートTGrは、MOSトランジスタT1およびT2それぞれに対応して設けられるnチャネルMOSトランジスタを含む。リード選択ゲートSGrは、グループ選択信号φgrに応答して導通してインバータIV2の出力信号をデータ線Djへ伝達するトランスファゲートを含む。このリード選択ゲートSGrに含まれるトランスファゲートは、1つのnチャネルMOSトランジスタが代表的に示されるが、CMOSトランスミッションゲートで構成されてもよい。また、このリード選択ゲートSGrは、トライステートバッファで構成されてもよい。
ライト・ラッチアンプLAwは、データ線Dj上の信号を反転するインバータ回路IV5と、インバータ回路IV5の出力信号とデータ線Djの信号とを差動的に増幅する差動増幅回路DAwと、グループ選択信号φgwに応答してこの差動増幅回路DAwの出力信号を伝達する転送ゲートTGwと、転送ゲートTGwを介して伝達される差動増幅回路DAwの出力信号をラッチするラッチ回路LCHwを含む。
差動増幅回路DAwは、転送ゲートTGwと接地ノードとの間に接続され、かつそのゲートにインバータ回路IV5の出力信号を受けるnチャネルMOSトランジスタT3と、接地ノードと転送ゲートTGwの間に接続されかつそのゲートがデータ線Djに接続されるnチャネルMOSトランジスタT4を含む。転送ゲートTGwは、MOSトランジスタT3およびT4それぞれに対応して設けられるトランスファゲートトランジスタを含む。
ラッチ回路LCHwは、転送ゲートTGwを介してMOSトランジスタT3のドレインノードに接続される入力部を有するインバータ回路IV3と、転送ゲートTGwを介してMOSトランジスタT4のドレインノードに接続される入力部を有するインバータ回路IV4を含む。
ライト選択ゲートSGwは、ライト転送指示信号φTRWに応答して導通し、インバータ回路IV3およびIV4の出力信号をそれぞれ信号線ZIiaおよびIiaへ転送するトランスファゲートトランジスタ対を含む。次に動作について簡単に説明する。
今、信号線Iia上の信号がHレベル、信号線ZIia上の信号がLレベルであるとする。この状態においては、差動増幅回路DArにおいて、MOSトランジスタT1のコンダクタンスは、MOSトランジスタT2のコンダクタンスよりも小さくなる。リード転送指示信号φTRRが活性状態(Hレベル)となると、転送ゲートTGrが導通状態とされ、差動増幅回路DArのMOSトランジスタT1およびT2がインバータ回路IV1およびIV2にそれぞれ接続される。MOSトランジスタT2のコンダクタンスがMOSトランジスタT1のコンダクタンスよりも大きいため、インバータ回路IV2の入力ノードの電位が低下する。このインバータ回路IV2の入力ノードの電位低下は、インバータ回路IV2およびインバータ回路IV1で増幅されてかつラッチされる。これにより、差動増幅回路DArにより検出された微小電位差が、ラッチ回路LCHrにより増幅されてラッチされる。次いでグループ選択信号φgrが活性状態(Hレベル)となると、リード選択ゲートSCrが導通し、インバータ回路IV2の出力信号(Hレベル)がデータ線Djに伝達され、プロセサへ伝達される。
プロセサからITBバスへのデータ転送時においては、ライトラッチアンプ回路LAwが活性化される。データ線Dj上にHレベルのデータが転送された場合、インバータ回路IV5の出力信号はLレベルである。この状態においては、差動増幅回路DAwにおいて、MOSトランジスタT3のコンダクタンスはMOSトランジスタT4のそれよりも小さくなる。グループ選択信号φgwが活性状態(Hレベル)となると、転送ゲートTGwが導通状態とされ、差動増幅回路DAwがラッチ回路LCHwに接続される。MOSトランジスタT4の大きなコンダクタンスにより、インバータ回路IV4の入力ノードの電位が低下する。この電位低下は、インバータ回路IV4およびIV3により増幅されかつラッチされる(MOSトランジスタT3はほぼオフ状態)。次いで、ライト転送指示信号φTRWが活性状態(Hレベル)となり、選択ゲートSGwが導通する。これにより、インバータ回路IV3の出力するLレベルの信号およびインバータ回路IV4の出力するHレベルの信号がそれぞれ信号線ZIiaおよびIiaへ伝達される。
[命令レジスタ(IR)の構成]
命令レジスタ(IR)は、命令を命令バスを介してプロセサ(CPU)へ転送することが要求されるだけである。この命令レジスタ(IR)も、図7に示したデータレジスタ(DR)46と実質的に同じ構成を備える。
図9は、命令レジスタ(IR)の1ビットの構成を概略的に示す図である。図9においては、ITBバス線Iiに対応して設けられた命令レジスタIRiが示される。図9において、命令レジスタIRiは、並列にITBバス線Iiに結合される2つのラッチアンプILAaおよびILAbを含む。
ラッチアンプILAaは、転送指示信号φTRIaに応答して活性化され、ITBバス線Ii上の相補信号を増幅しかつラッチする。ラッチアンプILAbは、転送指示信号φTRIbに応答して活性化され、このITBバス線Ii上の相補信号を増幅しかつラッチする。図9においては、ラッチアンプILAaの構成のみを示す。ラッチアンプILAbも、ラッチアンプILAaと同様の構成を備える。
ラッチアンプILAaは、バス線Iiの信号線IiaおよびZIia上の信号を差動的に増幅する差動増幅回路IDAと、転送指示信号φTRIaに応答して導通し、差動増幅回路IDAの出力信号を伝達する転送ゲートITGと、転送ゲートITGを介して伝達される信号を増幅しかつラッチするラッチ回路ILCHを含む。
差動増幅回路IDAは、接地ノードと転送ゲートITGの間に結合されかつそのゲートが信号線Iiaに接続されるnチャネルMOSトランジスタT5と、接地ノードと転送ゲートITGの間に結合され、そのゲートが信号線ZIiaに接続されるnチャネルMOSトランジスタT6を含む。
転送ゲートITGは、MOSトランジスタT5およびT6それぞれに対応して設けられ、転送指示信号φTRIaの活性化時導通する2つのMOSトランジスタ(トランスファゲートトランジスタ)を含む。この転送ゲートITGは、CMOSトランスミッションゲートで構成されてもよい。
ラッチ回路ILCHは、転送ゲートITGを介してMOSトランジスタT6のドレインにこの入力部が接続されるインバータ回路IV6と、転送ゲートITGを介してMOSトランジスタT5のドレインにその入力部が接続されるインバータ回路IV7を含む。
命令レジスタIRiは、さらに、ラッチアンプILAaおよびILAbの一方の出力信号を選択信号φISELに応答して選択するマルチプレクサMUXと、グループ選択信号φIgに応答して導通し、マルチプレクサMUXで選択された信号を命令バス線IRBjへ伝達する選択ゲートISGを含む。図10においては、選択ゲートISGは1つのMOSトランジスタで構成されるように示されるが、この選択ゲートISGは、CMOSトランスミッションゲートまたはトライステートバッファで構成されてもよい。
転送指示信号φTRIaは、命令レジスタIRの各ITBバス線に対して設けられるラッチアンプILAaに共通に与えられる。転送指示信号φTRIbは、命令レジスタ(IR)の各レジスタ内のラッチアンプILAbに共通に与えられる。転送指示信号φTRIaおよびφTRIbの一方が活性状態とされる。グループ選択信号φIgは、32ビットの命令レジスタを選択する。
ラッチアンプILAaおよびILAbの活性化時の動作は、データレジスタ(DR)(図8参照)のそれと同じであり、差動増幅回路IDAにより、信号線IiaおよびZIiaの信号が差動増幅され、その差動増幅回路IDAの出力信号が転送ゲートITGの導通時ラッチ回路ILCHへ転送されてそこでさらに増幅されかつラッチされる。したがって、128ビットのITBバス線I0〜I127の信号が、命令レジスタ(IR)の128ビットのラッチアンプILAaまたはILAbに同時にラッチされる。次いで選択信号φISELに従って、ラッチアンプILAaおよびILAbの一方が選択される。さらにグループ選択信号φIgに従って、この128ビットの命令から32ビットの命令が選択され、命令バス線(IRB)48へ転送されてプロセサ52へ与えられる。
命令レジスタ(IR)の各ビットにおいてラッチアンプILAaおよびILAbを設ける。一方のラッチアンプに格納された命令情報をプロセサへ伝達している間に他方のラッチアンプへ次の命令を格納する。これにより、パイプライン態様で連続的に命令をプロセサ(CPU)52へ転送することができ、高速の命令転送を実現することができる。
また、命令レジスタ(IR)およびデータレジスタ(DR)をそれぞれ別々に設けることにより、プロセサ(CPU)52へ、命令およびデータを同時に転送することができ、高速の情報転送動作を実現することができる。
(3) バスインタフェースユニット(BIU)
図10は、図3および図4に示すバスインタフェースユニット(BIU)の全体の構成を概略的に示す図である。図10において、バスインタフェースユニット(BIU)23は、BIUバス24のバス線BU0〜BU127それぞれに対応して設けられ、転送指示信号φTRBに応答して活性化され、対応のバス線BU0〜BU127と結合されるラッチアンプBLA0〜BLA127を含む。
ラッチアンプBLA0〜BLA127の各々は、BIUバス24からDBバス22への情報転送のためのラッチアンプ回路およびDBバス22からBIUバス24への情報転送のためのラッチアンプ回路を含む。ラッチアンプBLA0〜BLA127は、8個単位でグループに分割され、バイト制御信号φBYHおよびφBYLに応答して作動状態とされる。このバイト制御信号φBYHおよびφBYLを用いることにより、16ビット情報および8ビット情報両者に対応することができる。
バスインタフェースユニット(BIU)23は、さらに、128個のラッチアップBLA0〜BLA127から、16個のラッチアンプを選択してDBバス22のバス線DB0〜DB15へそれぞれ接続するための選択開路BSG0〜BSG7を含む。選択回路BSG0は、グループ選択信号φBg0に応答して導通し、ラッチアンプBLA0〜BLA15を、DBバス22のバス線DBB0〜DBB15へそれぞれ接続する。選択回路BSG1は、グループ選択信号φBg1に応答して導通し、ラッチアンプBLA16〜BLA31を、バス線DBB0〜DBB15へそれぞれ接続する。選択回路BSG2は、グループ選択信号φBg2に応答して導通し、ラッチアンプBLA32〜BLA47それぞれを、バス線DBB0〜DBB15へ接続する。選択回路BSG3は、グループ選択信号φBg3に応答して導通し、ラッチアンプBLA48〜BLA63それぞれを、バス線DBB0〜DBB15へ接続する。
選択回路BSG4は、グループ選択信号φBg4に応答して導通し、ラッチアンプBLA64〜BLA79をバス線DBB0〜DBB15へ接続する。選択回路BSG5は、グループ選択信号φBg5に応答して導通し、ラッチアンプBLA80〜BLA95をバス線DBB0〜DBB15へ接続する。選択回路BSG6は、グループ選択信号φBg6に応答して導通し、ラッチアンプBLA96〜BLA111をバス線DBB0〜DBB15へ接続する。選択回路BSG7は、グループ選択信号φBg7に応答して導通し、ラッチアンプBLA112〜BLA127をバス線DBB0〜DBB15へ接続する。
選択回路BSG0〜BSG7を用いることにより、128ビット幅のBIUバス24と16ビット幅のDBバス22の間での情報の転送を効率的に行なうことができる。DQパッドがDBバス22のバス線DB0〜DB15それぞれに接続される。装置外部へは、16ビットのバス線が接続されるだけであり、外部のバス線を駆動するために、128個の入出力バッファを設ける必要がなく、この入出力バッファの数が低減され、消費電流も低減される。
図11は、図10に示すバスインタフェースユニットの1ビットの構成を示す図である。この図11においては、BIUバス24のバス線BUiとDBバス22のバス線DBBjの間に設けられるバスインタフェースユニット回路の構成が示される。バス線BUiは、相補信号線BUiaおよびZBUiaを含む。
図11において、バスインタフェースユニット回路(1ビットのバスインタフェースユニット)は、バイト制御信号φBYおよび転送指示信号φTRBraに応答して作動状態とされ、信号線BUiaおよびZBUia上の信号電位を増幅しかつラッチするラッチアンプ回路BLAraと、バイト制御信号φBYおよび転送指示信号φTRBrbに応答して作動状態とされ、信号線BUiaおよびZBUia上の信号を増幅しかつラッチするラッチアンプ回路BLArbと、選択信号φBSELに応答してラッチアンプ回路BLAraおよびBLArbのラッチ信号の一方を選択するマルチプレクサ(MUX)BMUrと、グループ選択信号φBgrに応答して導通し、マルチプレクサBMUrの出力信号をDBバス線DBBjへ伝達する選択回路BSGrを含む。
バイト制御信号φBYは、バイト制御信号φBYHおよびφBYLの一方である。また、128ビット一括転送指示信号φTRBraおよびφTRBrbの一方が活性状態とされる。ラッチアンプ回路BLAraおよびBLArbの一方からのラッチ信号のバス線DBBjへの出力時に、他方のラッチアンプ回路に信号線BUiaおよびZBUiaの情報信号を格納する。これにより、高速の情報伝達を実現する。
ラッチアンプ回路BLAraおよびBLArbは同じ構成を備え、図11においては、ラッチアンプ回路BLAraの回路構成のみを具体的に示す。ラッチアンプ回路BLAraは、信号線BUiaおよびZBUia上の信号電位を差動増幅する差動増幅回路BDAと、バイト制御信号φBYに応答して導通し、差動増幅回路BDAの出力信号を伝達する転送ゲートBTGbと、転送指示信号φTRBraに応答して導通し、転送ゲートBTGbから伝達された信号をさらに伝達する転送ゲートBTGaと、転送ゲートBTGaから転送された信号電位を増幅しかつラッチするラッチ回路BLCHrを含む。
差動増幅回路BDAは、接地ノードと転送ゲートBTGbの間に設けられ、そのゲートが信号線BUiaに接続されるnチャネルMOSトランジスタT7と、接地ノードと転送ゲートBTGbの間に設けられ、そのゲートが信号線ZBUiaに接続されるnチャネルMOSトランジスタT8を含む。
転送ゲートBTGbは、MOSトランジスタT7およびT8それぞれに対応して設けられ、バイト制御信号φBYに応答して導通する転送ゲートトランジスタ対を含む。転送ゲートBTGaは、転送指示信号φTRBraに応答して導通する転送ゲートトランジスタBTGbの転送ゲートトランジスタ対それぞれに対して設けられる転送ゲートトランジスタ対を含む。転送ゲートBTGaおよびBTGbの転送ゲートトランジスタは、CMOSトランスミッションゲートで構成されてもよい。
ラッチ回路BLCHrは、転送ゲートBTGaおよびBTGbの導通時、その入力部がMOSトランジスタT7のドレインノードに接続されるインバータ回路IV8と、転送ゲートBTGaおよびBTGbの導通時、その入力部がMOSトランジスタのドレインノードに接続されるインバータ回路IV9を含む。
信号線BUiaの信号電位がHレベルのときには、MOSトランジスタT7のコンダクタンスがMOSトランジスタT8のそれよりも大きくなり、MOSトランジスタT7のドレイン電位が、MOSトランジスタT8のそれよりも低下する。転送ゲートトランジスタBTGbおよびBTGaが信号φBYおよびφTRBraに応答して導通すると、これらのMOSトランジスタT7およびT8のドレインがラッチ回路BLCHrに接続される。MOSトランジスタT7のドレインノードの電位がMOSトランジスタT8のドレインノードの電位よりも低いため、インバータ回路IV8の出力信号がHレベルとされ、この出力信号がインバータ回路IV9によりフィードバックされて、このMOSトランジスタT7およびT8のドレインノード電位がラッチ回路BLCHrにより増幅されてラッチされる。
マルチプレクサBMUrが、選択信号φBSELに応答してこのラッチアンプ回路BLAraを選択すると、インバータ回路IV8のHレベルの出力信号が選択ゲートBSGrへ伝達される。グループ選択信号φBgrが活性状態とされると、マルチプレクサBMUrからのHレベルの信号が選択ゲートBSGrを介してバス線DBBjへ伝達される。
ラッチアンプ回路BLAwは、バス線DBBj上の信号をラッチして相補信号を生成して信号線BUiaおよびZBUiaへ伝達する。ラッチアンプ回路BLAwは、マルチプレクサBMUrの出力信号とバス線DBBj上の信号の一方を選択するマルチプレクサBMUwと、グループ選択φBgwに応答して導通し、マルチプレクサBMUwの出力信号を伝達する転送ゲートBTGwと、転送ゲートBTGwから伝達された信号をラッチするラッチ回路BLCHwと、転送指示信号φTRBwに応答して導通し、ラッチ回路BLCHwにラッチされた信号を信号線BUiaおよびZBUiaへ伝達する選択ゲートBSGwを含む。
マルチプレクサBMUwは、マルチプレクサBMUrの出力信号とバス線DBBj上の信号の一方を選択する選択回路BMGaと、マルチプレクサBMUrの出力信号およびデータ線DBBjの信号のそれぞれを反転しかつ一方を選択する選択回路BMGbを含む。一例として、選択回路BMGaは、マルチプレクサBMUrの出力信号を伝達するnチャネルMOSトランジスタT9aと、バス線DBBj上の信号を伝達するpチャネルMOSトランジスタT10aを含む。これらのMOSトランジスタT9aおよびT10aのゲートへは、選択信号φBsrwが与えられる。選択回路BMGbは、マルチプレクサBMUrの出力信号を反転するインバータ回路IV10と、バス線DBBj上の信号を反転するインバータ回路IV11と、インバータ回路IV10の出力信号を伝達するnチャネルMOSトランジスタT9bと、インバータ回路IV11の出力信号を伝達するpチャネルMOSトランジスタT10bを含む。MOSトランジスタT9bおよびT10bのゲートへは、選択信号φBsrwが与えられる。選択回路BMGaおよびBMGbは、MOSトランジスタに代えて、CMOSトランスミッションゲートまたはトライステートバッファを備えていてもよい。選択信号φBsrwに従って、マルチプレクサBMUrからの信号およびバス線DBBj上の信号の一方を選択する機能を備えていればよい。
転送ゲートBTGwは、選択回路BMGaおよびBMGbそれぞれに対して設けられる転送ゲートトランジスタ対を含む。ラッチ回路BLCHwは、入力部が転送ゲートBTGwを介して選択回路BMGaの出力ノードに結合されるインバータ回路IV12と、転送ゲートBTGwを介してその入力部が選択回路BMGbの出力ノードに接続されるインバータ回路IV13を含む。
選択ゲートBSGwは、転送指示信号φTRBwに応答して導通し、インバータ回路IV12およびIV13のそれぞれの出力信号を信号線ZBUiaおよびBUiaへ伝達する転送ゲートトランジスタ対を含む。次に動作について簡単に説明する。
選択信号φBsrwに従って、マルチプレクサBMUwは、マルチプレクサBMUrから出力される信号およびバス線DBBjの一方を選択する。次いで、グループ選択信号φBgwが活性状態とされ、マルチプレクサBMUwの出力信号がラッチ回路BLCHwによりラッチされる。このグループ選択信号φBgwは、16ビットのバスインタフェースユニット回路に対し共通に与えられ、16ビットのDBバス上の各ビットがラッチされる。次いで、転送指示信号φTRBwが活性状態とされ、バスインタフェースユニット(BIU)において128ビットの選択ゲートBSGwが導通状態とされ、対応のラッチ回路BLCHwのラッチ信号が信号線BUiaおよびZBUiaへ伝達される。
たとえば、バス線DBBjの信号が選択されかつこのバス線DBBjの信号がHレベルのときには、マルチプレクサBMUwおよび転送ゲートBTGwを介して、このHレベルの信号がラッチ回路BLCHwにラッチされる。この状態においては、インバータ回路IV12の出力信号がLレベル、インバータ回路IV13の出力信号がHレベルである。したがって選択ゲートBSGwが導通すると、Hレベルの信号が信号線Buiaに伝達され、Lレベルの信号が信号線ZBUiaに伝達される。
マルチプレクサBMUwを設けているのは、一旦DRAMから読出された情報を再びDRAMへ格納する「コピーバック」動作を実現するためである。
DBバスが、信号出力用バスおよび信号入力用バス別々に設けられている場合には、選択ゲートBSGrが、出力用バスに接続され、ラッチアンプ回路BLAwが、信号入力用バスに結合される。
(4) DRAM26の構成
図12は、図3および図4に示すDRAM26の構成を概略的に示す図である。図12において、DRAM26は、BIUバス24に結合されるAポート26aと、GIOバス28に結合されるBポート26bと、Aポート26aおよびBポート26bを介してアクセスされるDRAMアレイ部26cを含む。DRAMアレイ部26cは、行列状に配列されるダイナミック型メモリセル、選択されたメモリセルの情報を増幅しかつラッチするセンスアンプ、各列(ビット線対)をスタンバイサイクル時所定電位にプリチャージするプリチャージ回路等を含む。Aポート26aおよびBポート26bの各々は、DRAMアレイ部の行を選択する行デコーダ、DRAMアレイ部の列を選択する列デコーダ、およびDRAMアレイ部を選択状態へ駆動する制御信号を発生する周辺制御回路を含む。
Aポート26aおよびBポート26bの各々は、互いに独立に活性状態とすることができる(図示しないメモリコントローラからの制御の下に)。このDRAM26の構成は、通常の2ポートメモリの構成と同様であればよい。Aポート26aおよびBポート26bをそれぞれ互いに独立に駆動する構成とすることにより、DRAMアレイ部26cをバッファとして用いてBIUバス24とGIOバス28の間で情報を転送することができる。すなわち、Aポート26aおよびBポート26bが、DRAMアレイ部26cの同じ行および列を選択状態とし、その情報転送方向に従って一方が情報書込モードで動作し、他方が情報読出モードで動作する。DRAMアレイ部26cへの情報の格納動作とBIUバス24とGIOバス28との間の情報転送とを同時に実行することができる。
SRAM34は、通常のSRAMと同じであり、アドレスデコーダ、行デコーダ、列デコーダ、SRAMセルマトリックスを含む。すなわちこのSRAM34は、ディスクリートデバイスとして構成されるSTAM(チップ)と同じ内部構成を備える。
(5) 双方向転送ゲートの構成
図13は、GIOバス28、SBLバス32、およびITBバス35の間のデータ転送を行なうための転送部の構成を概略的に示すブロック図である。図13において、GIOバス28を介して与えられる情報を転送するDRAMリードバッファ(DRB)30は、プリアンプ活性化信号φDPAEの活性化に応答して活性化され、GIOバス28上に伝達された情報信号を増幅しかつラッチするアンプラッチ60と、転送指示信号φDRTEの活性化に応答してアンプラッチ60によりラッチされた情報をメモリリードバッファ(MRB)36へ転送する転送バッファ62を含む。この転送バッファ62は、バッファ処理機能を備えているが、単にCMOSトランスミッションゲートのようなゲートであってもよい。
メモリリードバッファ(MRB)36は、転送動作活性化信号φSSAEの活性化に応答して活性化され、SBLバス32上にSRAMから伝達された情報を転送する転送ゲート64と、DRAMリードバッファ(DRB)30および転送ゲート64から転送された情報を選択的にラッチする選択ラッチ66と、バス転送イネーブル信号φDBITBの活性化に応答して選択ラッチ66にラッチされた情報信号を増幅してITBバス35および/またはメモリライトバッファ(MWB)38へ出力するアンプ68を含む。
選択ラッチ66は、転送バッファ62および転送ゲート64の一方のみが一度に活性状態とされるため(これについては後に説明する)、この活性状態とされた転送バッファ62または転送ゲート64からの情報をラッチする。転送バッファ62および転送ゲート64は、非活性化時、その出力信号は所定電位レベルにリセットされる。
メモリライトバッファ(MWB)38は、ライトデコードイネーブル信号φSWDELの活性化に応答して、ITBバス35上に与えられている情報をSBLバス32へ転送する。このライトデコードイネーブル信号φSWDELは、SRAMのアドレスデコード動作を開始させる。この転送ゲート70とITBバス35の間のバス配線が、またラッチとして利用される。転送ゲート70の非活性化時においては、この転送ゲート70の入力部は、アンプ68またはデータレジスタ(DR)の出力信号により所定の信号状態に保持されているためである。
DRAMライトバッファ(DWB)42は、バッファライトイネーブル信号φBWEの活性化に応答して活性状態とされ、メモリライトバッファ(MWB)38を介して与えられる情報を転送する転送ゲート72と、転送ゲート72から転送された情報をラッチしかつGIOバス28上に伝達するラッチ74を含む。転送ゲート72は、バス配線を介して直接ITBバス35に接続される。
メモリライトバッファ(MWB)38において、ラッチ機能を実現する部分を単にバス配線のみとすることにより、このメモリライトバッファ(MWB)38において、SBLバス32へ情報を転送する転送ゲート70に加えて、さらにDRAMライトバッファ(DWB)42への転送を行なうための転送ゲートを設ける必要がなく、またラッチ回路を設ける必要がなく、このメモリライトバッファ(MWB)38の占有面積および消費電力を低減する。
図13に示すように、各転送バッファにラッチ機能および増幅機能ならびに転送ゲートを設けることにより、データの衝突を伴うことなくまた信号損失を伴うことなく高速で情報の転送を行なうことができる。
この図13において、プリアンプイネーブル信号φDPAEを除く信号φDRTE、φSSAE、φDBITB、φBWEおよびφSWDELは、後に説明するSRAMへのアクセスを制御するSRAMメモリコントローラからプロセサからのコマンドに基づいて生成される。DRAMリードバッファ(DRB)30のアンプラッチ60に対して与えられるDRAMプリアンプイネーブル信号φDPAEは、DRAMおよびバスインタフェースユニット(BIU)の動作を制御するDRAMメモリコントローラから生成される。
SRAMコントローラからこれらの制御信号(信号φDPAEを除く)を生成することにより、正確なタイミングで情報の衝突を伴うことなく情報を転送することができる。
[DRAMリードバッファ(DRB)30の構成]
図14は、図13に示すDRAMリードバッファ(DRB)30の具体的構成の一例を示す図である。図14においては、1ビットのDRAMリードバッファの構成が示される。
図14において、アンプラッチ60は、プリアンプイネーブル信号φDPAEの活性化に応答して活性化され、GIOバス線GIOi上の信号を反転しかつ増幅するインバータバッファ60aと、プリアンプイネーブル信号φDPAEの活性化に応答して活性化され、GIOバス線ZGIOi上の信号を反転しかつ増幅するインバータバッファ60bと、プリアンプイネーブル信号φDPAEの活性化に応答して活性化され、インバータバッファ60aの出力信号をさらに増幅するインバータバッファ60cと、プリアンプイネーブル信号φDPAEの活性化に応答して活性化され、インバータバッファ60bの出力信号をさらに増幅するインバータバッファ60dと、プリアンプイネーブル信号φDPAEの活性化に応答して活性化され、インバータバッファ60aおよび60bの出力信号を差動的に増幅しかつラッチする差動増幅回路60eと、インバータバッファ60aおよび60bの出力信号をラッチするラッチ回路60fと、ラッチ回路60fのラッチ信号をそれぞれ反転して出力するインバータ回路IV20およびIV21を含む。
インバータ回路IV20およびIV21からの相補信号DRBおよびZDRBは転送バッファ62へ与えられる。
GIOバス線GIOiおよびZGIOiは互いに相補な信号線であり、1ビットのバス線を構成する。
インバータバッファ60aは、電源ノードVccとノードN1の間に接続されかつそのゲートがGIOバス線GIOiに接続されるpチャネルMOSトランジスタQ1と、ノードN1と接地ノードとの間に直列に接続されるnチャネルMOSとランジスタQ2およびQ3を含む。MOSトランジスタQ2のゲートへは、プリアンプイネーブル信号φDPAEが与えられる。MOSトランジスタQ3のゲートは、GIOバス線GIOiに接続される。インバータバッファ60bは、電源ノードVccとノードN2の間に接続されかつそのゲートがGIOバス線ZGIOiに接続されるpチャネルMOSトランジスタQ4と、ノードN2と接地ノードとの間に直列に接続されるnチャネルMOSトランジスタQ5およびQ6を含む。MOSトランジスタQ5のゲートへは、プリアンプイネーブル信号φDPAEが与えられる。MOSトランジスタQ6のゲートは、GIOバス線GIOiに接続される。
インバータバッファ60cは、電源ノードVccとノードN3の間に接続されかつそのゲートがノードN1に接続されるpチャネルMOSトランジスタQ7と、ノードN3と接地ノードとの間に接続されるnチャネルMOSトランジスタQ8およびQ9を含む。MOSトランジスタQ8のゲートへは、プリアンプイネーブル信号φDPAEが与えられる。MOSトランジスタQ9のゲートは、ノードN1に接続される。
インバータバッファ60dは、電源ノードVccとノードN4の間に接続されかつそのゲートがノードN2に接続されるpチャネルMOSトランジスタQ10と、ノードN4と接地ノードとの間に直列に接続されるnチャネルMOSトランジスタQ11およびQ12を含む。MOSトランジスタQ11のゲートへは、プリアンプイネーブル信号φDPAEを与えられる。MOSトランジスタQ12のゲートはノードN2に接続される。
ラッチ回路60fは、ノードN4上の信号電位を反転してノードN3へ伝達するインバータ回路IV22と、ノードN3上の信号を反転してノードN4へ伝達するインバータIV23を含む。
差動増幅回路60eは、電源ノードVccとノードN1の間に接続されかつそのゲートにプリアンプイネーブル信号φDPAEを受けるpチャネルMOSトランジスタQ13と、電源ノードVccとノードN1の間に接続されかつそのゲートがノードN2に接続されるpチャネルMOSトランジスタQ14と、電源ノードVccとノードN2の間に接続されかつそのゲートにプリアンプイネーブル信号φDPAEを受けるpチャネルMOSトランジスタQ15と、電源ノードVccとノードN2の間に接続されかつそのゲートがノードN1に接続されるpチャネルMOSトランジスタQ16を含む。MOSトランジスタQ14およびQ16は交差結合されており、ノードN1およびN2のうちのHレベルの電位を電源電位Vcc(ノードと電圧とを同じ符号で示す)に上昇させる。次にこのアンプラッチ60の動作について説明する。
GIOバス線GIOiおよびZGIOiは、スタンバイサイクル時、Hレベルにプリチャージされている。プリアンプイネーブル信号φDPAEがLレベルのとき、MOSトランジスタQ2およびQ5がオフ状態であり、インバータバッファ60aおよび60bは出力ハイインピーダンス状態にある。
差動増幅回路60eにおいては、Lレベルのプリアンプイネーブル信号φDPAEに従って、MOSトランジスタQ13およびQ15がオン状態であり、ノードN1およびN2は、電源電位Vccレベルにプリチャージされている。このノードN1およびN2がHレベルであり、MOSトランジスタQ7およびQ10はともにオフ状態である。さらに、プリアンプイネーブル信号φDPAEがLレベルであり、MOSトランジスタQ8およびQ11がオフ状態である。この状態においては、ラッチ回路60fは前のサイクルにおける情報をラッチしており、インバータ回路IV20およびIV21から前のサイクルにおける信号が持続的に出力される。
プリアンプイネーブル信号φDPAEがHレベルに立上がると、MOSトランジスタQ2およびQ5がオン状態となり、インバータバッファ60aおよび60bが作動状態とされ、GIOバス線GIOiおよびZGIOiの信号が反転しかつ増幅してノードN1およびN2へそれぞれ伝達される。差動増幅回路60eにおいては、MOSトランジスタQ13およびQ14がオフ状態とされ、このノードN1およびN2上に伝達された信号電位がMOSトランジスタQ14およびQ16によりさらに差動的に増幅される。今、GIOバス線GIOi上にHレベルの信号が伝達され、GIOバス線ZGIOiにLレベルの信号が伝達されている場合を考える。この状態においては、ノードN1は、Lレベルであり、一方ノードN2は、Hレベルを維持する。MOSトランジスタQ16がノードN1のLレベルに従ってオン状態となり、ノードN2を電源電位Vccレベルに維持する。一方、MOSトランジスタQ14はオフ状態とされ、ノードN1の電位レベルは低下する。
このノードN1およびN2の電位変化に従って、MOSトランジスタQ7のコンダクタンスが大きくなり、一方MOSトランジスタQ10はオフ状態を維持する。これにより、MOSトランジスタQ7を介して、電源ノードVccからノードN3へ向かって電流が供給される。またMOSトランジスタQ8およびQ11がオン状態となり、ノードN4がMOSトランジスタQ11およびQ12を介して放電される(ノードN2の電位はHレベル)。一方、MOSトランジスタQ9はノードN1の電位がLレベルであり、オフ状態である。これにより、インバータバッファ60cおよび60dの出力信号が高速で変化し、インバータバッファ60cおよび60dの出力信号がラッチ回路60fによりラッチされる。
この状態においては、ノードN3がHレベル、ノードN4がLレベルとなる。このノードN3およびN4上の信号は、インバータ回路IV21およびIV20により反転かつ増幅されて伝達される。
このインバータバッファおよび差動増幅回路を利用することにより、GIOバス線GIOiおよびZGIOiの微小電位変化を高速で増幅する。また、ラッチ回路60fのインバータ回路IV22およびIV23により、高速でノードN3およびN4の電位が変化されてラッチされ、高速での情報転送が可能となる。
転送バッファ62は電源ノードVccとノードN5の間に接続されかつそのゲートにリードトランスファイネーブル信号φDRTEを受けるpチャネルMOSトランジスタQ20と、ノードN5とノードN6の間に接続されかつそのゲートにアンプラッチ60の出力信号ZDRBを受けるpチャネルMOSトランジスタQ21と、ノードN6と接地ノードとの間に接続されかつそのゲートに信号ZDRBを受けるnチャネルMOSトランジスタQ22と、ノードN6と接地ノードとの間に結合され、かつそのゲートに、リードトランスファイネーブル信号φDRTEを受けるnチャネルMOSトランジスタQ23と、ノードN5とノードN7の間に接続されかつそのゲートにアンプラッチ60の出力信号DRBを受けるpチャネルMOSトランジスタQ24と、ノードN7と接地ノードとの間に接続されかつそのゲートに信号DRBを受けるnチャネルMOSトランジスタQ25と、ノードN7と接地ノードとの間に結合され、かつそのゲートにリードトランスファイネーブル信号φDRTEを受けるnチャネルMOSトランジスタQ26を含む。
ノードN6およびN7から、互いに相補な信号DROおよびZDROが出力され、メモリリードバッファ(MRB)36の選択ラッチ66へ与えられる。次に動作について簡単に説明する。
リードトランスファイネーブル信号φZDRTEが非活性状態のHレベルのとき、MOSトランジスタQ20はオフ状態、MOSトランジスタQ23およびQ26がオン状態である。この状態においては、ノードN6およびN7は、MOSトランジスタQ23およびQ26を介して接地電位レベルに固定される。
リードトランスファイネーブル信号φZDRTEがLレベルの活性状態とされると、MOSトランジスタQ23およびQ26がオフ状態となり、またMOSトランジスタQ20がオン状態となり、ノードN5へは電源電位Vccが伝達される。これにより、MOSトランジスタQ21およびQ22がCMOSインバータとして動作し、アンプラッチ60からの出力信号ZDRBを反転して信号DROを生成する。またMOSトランジスタQ24およびQ25がCMOSインバータとして動作し、アンプラッチ60からの出力信号DRBを反転して信号ZDROを生成する。
このアンプラッチ60および転送バッファ62と2段のラッチおよび増幅転送構成とすることにより、増幅されかつラッチされて安定化された情報が次段の回路へ確実に伝達される。またラッチを設けておくことにより、各クロックサイクル(転送サイクル)ごとに順次正確に情報を伝送することができる。
[メモリリードバッファ(MRB)の構成]
図15は、図13に示すメモリリードバッファ(MRB)36の具体的構成の一例を示す図である。図15においては、メモリリードバッファ(MRB)36の1ビットの部分の構成が示される。
図15において、転送ゲート64は、SRAM転送イネーブル信号φSSAEの活性化に応答して導通し、SBLバス線SBLiおよびZSBLi上の信号をノードN8およびN9へそれぞれ伝達するnチャネルMOSトランジスタQ30およびQ31と、SRAM転送イネーブル信号φSSAEの非活性化時導通し、ノードN8およびN9への電源電位Vccを伝達するpチャネルMOSトランジスタQ32およびQ33を含む。バス線SBLiおよびZSBLiは相補信号線であり、1ビットのSBLバス線を構成する。
選択ラッチ66は、この転送ゲート64からノードN8およびN9上に転送された相補信号を差動的に増幅する差動増幅回路66aと、図14に示す転送バッファ62から伝達される相補信号DROおよびZDROを差動的に増幅する差動増幅回路66bと、差動増幅回路66aおよび66bの一方からの出力信号を増幅してラッチするラッチ回路66cを含む。
差動増幅回路66aは、電源ノードVccとノードN10の間に接続されかつそのゲートがノードN8に接続されるpチャネルMOSトランジスタQ34と、電源ノードVccとノードN11の間に接続されかつそのゲートがノードN9に接続されるpチャネルMOSトランジスタQ35を含む。差動増幅回路66bは、ノードN11と接地ノードとの間に接続されかつそのゲートに転送バッファ62からの出力信号DROを受けるnチャネルMOSトランジスタQ36と、ノードN10と接地ノードとの間に接続されかつそのゲートに転送バッファ62からの出力信号ZDROを受けるnチャネルMOSトランジスタQ37を含む。
ラッチ回路66cは、ノードN11上の信号を反転してノードN10へ伝達するインバータ回路IV25と、ノードN10上の信号を反転してノードN11へ伝達するインバータ回路IV26を含む。次に、この選択ラッチ66の動作について説明する。
転送ゲート64からの信号をラッチする場合の動作についてまず説明する。この転送動作においては、図14に示す転送バッファ62は非活性状態であり、その出力信号DROおよびZDROはともにLレベルである。したがって差動増幅回路66bにおけるMOSトランジスタQ36およびQ37はともにオフ状態にある。SRAM転送イネーブル信号φSSAEが非活性状態のLレベルのときには、ノードN8およびN9はMOSトランジスタQ32およびQ33により、電源電位Vccレベルにプリチャージされており、差動増幅回路66aにおけるMOSトランジスタQ34およびQ35はともにオフ状態にある。この状態において、ラッチ回路66cは、先の状態を保持している。
SRAM転送イネーブル信号φSSAEが活性状態のHレベルとされると、MOSトランジスタQ32およびQ33がオフ状態となり、ノードN8およびN9のプリチャージが完了し、SBLバスのバス信号線SBLiおよびZSBLi上の信号がノードN8およびN9へ伝達される。このノードN8およびN9に現われた信号は相補な信号である。ノードN8上にHレベルの信号が伝達された場合には、MOSトランジスタQ34はオフ状態にあり、一方、MOSトランジスタQ35は、そのコンダクタンスが低下し、オン状態へ移行する。これにより、ノードN11は電源ノードVccから電流を供給され、ノードN11の電位が上昇する。
MOSトランジスタQ34およびQ35の電流駆動力がインバータ回路IV25およびIV26の電流駆動力よりも十分大きければ、このノードN11の電位上昇に従って、インバータ回路IV25の出力信号がLレベルへ低下し、ノードN11が電源電位VccレベルのHレベル、ノードN10が接地電位レベルのLレベルへと高速で駆動されかつラッチされる。これによりノードN11からはHレベルの信号ZMRBが出力され、ノードN10からは、Lレベルの信号が出力される。
転送バッファ62からの出力信号DROおよびZDROを転送する場合は、以下の動作が行なわれる。この状態においては、SRAM転送イネーブル信号φSSAEは非活性状態のLレベルであり、ノードN8およびN9は、ともにHレベルであり、差動増幅回路66aのMOSトランジスタQ34およびQ35はともにオフ状態にある。出力信号DROおよびZDROは非活性状態時においては、Lレベルであり、MOSトランジスタQ36およびQ37はオフ状態にある。この状態においてラッチ回路66cは先の状態を保持している。
転送バッファ62(図14参照)から信号DROおよびZDROが出力されると、MOSトランジスタQ36およびQ37の電位レベルが変化する。今、信号DROがHレベルのときには、MOSトランジスタQ36のコンダクタンスがMOSトランジスタQ37のコンダクタンスよりも大きくなる。MOSトランジスタQ36およびQ37の電流駆動力がインバータ回路IV25およびIV26の電流駆動力よりも十分大きければ、ノードN11は、MOSトランジスタQ36を介して接地電位レベルへと放電される。
このノードN11の電位低下により、インバータ回路IV25およびIV26によりノードN11およびN10の電位が高速でそれぞれLレベルおよびHレベルにラッチされる。MOSトランジスタQ34、Q35、Q36、およびQ37の電流駆動力は、インバータ回路IV25およびIV26の電流駆動力よりも大きくすることにより確実に転送ゲート64および転送バッファ62(図14参照)から転送された信号を増幅しかつラッチすることができる。また、ラッチ回路66cのラッチノードN10およびN11と電源ノードVccの間および接地ノードの間にそれぞれ差動増幅回路66aおよび66bを設け、それぞれを転送ゲート64および転送バッファ62の出力信号に従って駆動することにより、マルチプレクサなどの回路を必要とすることなく確実にこれらの転送ゲート64および転送バッファ62の出力信号を選択的に増幅してラッチすることができる。。
アンプ68は、選択ラッチ66の出力信号AMRDを反転するインバータ回路IV27の出力信号に従って、ITBバス線Iiを駆動する。このアンプ68は、バス線転送イネーブル信号φDBITBおよびφZDBITBの活性化時導通し、インバータ回路IV27の出力信号をノードN12およびN13へそれぞれ伝達するCMOSトランスミッションゲートTF1およびTF2と、電源ノードVccとノードN12の間に接続されかつそのゲートにバス転送イネーブル信号φDBITBを受けるpチャネルMOSトランジスタQ38と、ノードB13と接地ノードとの間に接続されかつそのゲートにバス転送イネーブル信号φZDBITBを受けるnチャネルMOSトランジスタQ39と、電源ノードVccと出力ノードN14の間に接続されかつそのゲートがノードN12に接続されるpチャネルMOSトランジスタQ40と、出力ノードN14と接地ノードとの間に接続されかつそのゲートがノードN13に接続されるnチャネルMOSトランジスタQ41を含む。次にこのアンプ68の動作について簡単に説明する。
バス転送イネーブル信号φDBITBおよびφZDBITBの非活性化時、CMOSトランスミッションゲートTF1およびTF2はともに非導通状態にある。この状態においては、MOSトランジスタQ38が、非活性状態(Lレベル)のバス転送イネーブル信号φDBITBに応答して、ノードN12を電源電位Vccレベルに充電し、MOSトランジスタQ48をオフ状態に維持する。一方、MOSトランジスタQ39は、非活性状態(Hレベル)のバス転送イネーブル信号φZDBITBに応答して、ノードN13を接地電位レベルに保持し、MOSトランジスタQ41をオフ状態に維持する。
バス転送イネーブル信号φDBITBおよびφZDBITBが活性状態とされると、MOSトランジスタQ38およびQ39がオフ状態とされる。このとき、CMOSトランスミッションゲートTF1およびTF2が導通状態とされ、インバータ回路IV27からの出力信号がノードN12およびN13へ伝達される。ノードN12およびN13は、インバータ回路IV27の出力信号により、同じ電位レベルとされ、MOSトランジスタQ40およびQ41の一方が導通状態となり、一方が非導通状態となる。これにより、それまでハイインピーダンス状態にあったITBバス線Iiへ、インバータ回路IV27の出力信号を反転した信号が伝達される。アンプ68を出力ハイインピーダンス状態とする構成により、後に説明するメモリライトバッファ(MWB)からDRAMライトバッファ(DWB)への情報転送に何ら悪影響を及ぼすことがない。
[DRAMライトバッファ(DWB)42およびメモリライトバッファ(MWB)38の構成]
図16は、図13に示すDRAMライトバッファ(DWB)42およびメモリライトバッファ(MWB)38の具体的構成の一例を示す図である。図16においては、1ビットのDRAMライトバッファ(DWB)42およびメモリライトバッファ(MWB)38の構成が示される。
図16において、DRAMライトバッファ(DWB)42の転送ゲート72は、バッファライトイネーブル信号φBWEおよびφZBWEの活性化時導通し、ITBバス線Ii上の信号を伝達するCMOSトランスミッションゲートで構成される。また、ラッチ回路74は、インバータ回路IV30aおよびIV30bを含む。インバータ回路IV31の出力回路がGIOバス線(GIOi)へ伝達される。このDRAMライトバッファ(DWB)の構成は、単にゲートとラッチ回路を含むだけであり、CMOSトランスミッションゲートで構成される転送ゲート72の非導通時、DRAMライトバッファ(DWB)42が、ラッチ状態とされる。このラッチ回路74は、インバータ回路IV30aおよびIV30bを含み、増幅機能を備えている。転送ゲート72が導通すると、ITBバス線Ii上の信号電位がラッチ回路74により増幅されてGIOバス線へ伝達されるとともにラッチされる。このラッチ回路74を設けることにより、各転送サイクルごとに正確にITBバスからGIOバスへ情報を伝達することができる。
メモリライトバッファ(MWB)38は、ITBバス線Ii上の信号電位を受ける2段の縦続接続されるインバータ回路IV31およびIV32と、インバータ回路IV31およびIV32と並列に設けられてITBバス線Ii上の信号を受けるインバータ回路IV33と、ライトデコードイネーブル信号φSWDELの活性化時導通し、インバータ回路IV32およびIV33の出力信号をそれぞれSBLバス線ZSBLiおよびSBLiへ伝達する転送ゲート70を含む。
転送ゲート70は、ライトデコードイネーブル信号φSWDELの活性化時導通するトランスファゲートトランジスタ対を備える。メモリリードバッファ(MRB)のアンプ68の非活性化時、このアンプ68は、出力ハイインピーダンス状態とされる。したがってインバータ回路IV31、IV32、およびIV33は、それぞれ互いに相補な信号を生成し、転送ゲート70の非導通時、このITBバス線Ii上に伝達された信号を保持している。したがって、このメモリライトバッファ(MWB)38は、配線部分をラッチとして利用して回路占有面積を低減する。
この配線部分をラッチとして利用する構成により、メモリリードバッファ(MRB)36からITBバスおよびメモリライトバッファ(MWB)への同時情報転送を容易に実現することができる。
[メモリリードバッファ(MRB)の変更例1]
図17はメモリリードバッファ(MRB)36の変更例の構成を示す図である。図17において、メモリリードバッファ(MRB)36は、SRAM転送イネーブル信号φSSAEの活性化に応答して活性化されて、SBLバス32上の情報を増幅して転送するアンプゲート64aと、アンプゲート64aの出力信号とDRAMリードバッファ(DRB)の出力信号DROの一方を選択的に増幅しかつラッチする選択ラッチ66と、選択ラッチ66の出力信号を増幅するアンプ68aと、バス転送イネーブル信号φDBITBの活性化に応答して活性化され、アンプ68aの出力信号をITBバス35へ転送する転送ゲート68bを含む。
選択ラッチ66の構成は、図15に示す構成と同じである。アンプゲート64aは、転送ゲートの機能と増幅器としての機能両者備える。このアンプゲート64aの構成としては、たとえば図14に示すDRAMリードバッファに含まれるアンプラッチ60と同様の構成を利用することができる。アンプ68aおよび68bは別々に設けられるのではなく、先の図15に示すように、一体となってラッチしかつ増幅する構成が用いられてもよい。
この図17に示す構成においては、SBLバス32上の情報がアンプゲート64aにより増幅される。したがって、確実にSBLバス上の情報を増幅して選択ラッチ66へ伝達することができ、正確な情報の伝達を実現することができる。
先の図15に示す構成は、このアンプゲート64aのアンプ部分が、メモリリードバッファ(MRB)のアンプと共用された構成と等価であり、占有面積を低減することができる。
[メモリリードバッファ(MRB)の変更例2]
図18は、メモリリードバッファ(MRB)の変更例2の構成を示す図である。図18に示すメモリリードバッファ(MRB)36においては、転送ゲート64が、SRAM転送イネーブル信号φSSAEの活性化に応答してSBLバス上の情報を伝達するゲート64bと、SRAM転送イネーブル信号φZSSAEの活性化に応答して、このゲート64bからの信号電位レベルを保持して選択ゲート66へ伝達するレベルシフタ64cを含む。
このレベルシフタ64cは、SBLバス上の信号レベルを保持する能力を備えており、SBLバス上の信号電位を選択ゲート66へ伝達する。このSBLバス上の信号電位はアンプ68aにより最終的に増幅されて、転送ゲート68bを介してITBバスへ伝達される。レベルシフタ64cは、大きな電流駆動力は要求されないため、消費電力を低減することができる。また、トランジスタサイズも小さくすることができ、回路占有面積を低減することができる。
図19は、図18に示すレベルシフタ64cの具体的構成の一例を示す図である。図19においては、1ビットのレベルシフタ部分が示される。
図19において、レベルシフタ64cは、電源ノードVccとノードN17の間に接続され、かつそのゲートにSRAM転送イネーブル信号φZSSAEを受けるpチャネルMOSトランジスタQ50と、ノードN17とノードN15の間に接続されかつそのゲートがSBLバス線SBLiに接続されるnチャネルMOSトランジスタQ51と、ノードN17とノードN16の間に接続されかつゲートがSBLバス線ZSBLiに接続されるnチャネルMOSトランジスタQ52と、ノードN15とノードN16の間に接続されかつゲートにイコライズ指示信号φEQを受けるnチャネルMOSトランジスタQ53と、ノードN15とノードN16の間に接続されかつゲートにSRAM転送イネーブル信号φZSSAEを受けるnチャネルMOSトランジスタQ54を含む。
SBLバス線SBLiおよびZSBLiは互いに相補な信号線であり、1ビットのSBLバス線を構成する。イコライズ指示信号φEQは、このメモリリードバッファ(MRB)64の非活性化時活性状態(Hレベル)とされる。
レベルシフタ64cは、さらに、ノードN15と接地ノードとの間に接続されかつそのゲートがノードN16に接続されるnチャネルMOSトランジスタQ55と、ノードN15と接地ノードとの間に接続されかつそのゲートにSRAM転送イネーブル信号φZSSAEを受けるnチャネルMOSトランジスタQ56と、ノードN16と接地ノードとの間に接続されかつそのゲートにノードN15に接続されるnチャネルMOSトランジスタQ57と、ノードN16と接地ノードとの間に接続されかつそのゲートにSRAM転送イネーブル信号φZSSAEを受けるnチャネルMOSトランジスタQ58を含む。ノードN15およびN16が、選択ゲート66に接続される。次に、この図19に示すレベルシフタ64cの動作について簡単に説明する。
メモリリードバッファ(MRB)36が非活性状態のとき、イコライズ指示信号φEQが活性状態のHレベルにあり、またSRAM転送イネーブル信号φZSSAEが非活性状態のHレベルにある。この状態において、MOSトランジスタQ50がオフ状態、MOSトランジスタQ53およびQ54がオン状態とされる。これにより、ノードN15およびN16の電位は、等しくされる。また、MOSトランジスタQ56およびQ58が、オン状態となり、ノードN15およびN16はともに接地電位レベルへ放電され、信号LSOiおよびZLSOiはLレベルである。この信号LSOiおよびZLSOiがともにLレベルであるため、選択ゲート66における転送ゲート64の出力信号LSOを選択する動作が禁止される(インバータを介してこの出力信号LSOi,ZLSOiが選択ゲートへ与えられる)。
メモリリードバッファ(MRB)36が活性状態とされるとイコライズ指示信号φEQが非活性状態(Lレベル)とされ、MOSトランジスタQ53がオフ状態とされる。この状態においても、まだMOSトランジスタQ54はオン状態であり、ノードN15およびN16の電位レベルは互いに等しくされる。SBLバス線SBLiおよびZSBLi上に相補な信号が伝達され、MOSトランジスタQ51およびQ52のコンダクタンスが変化する。
この状態において、次いで、SRAM転送イネーブル信号φZSSAEが活性状態(Lレベル)とされる。これにより、MOSトランジスタQ50がオン状態とされ、ノードN17が電源電位Vccレベルに充電される。またMOSトランジスタQ54がオフ状態となり、ノードN15およびN16のイコライズ動作が停止される。これにより、ノードN15およびN16には、MOSトランジスタQ51およびQ52のソースフォロアモード動作により、SBLバス線SBLiおよびZSBLiの信号電位に応じた信号電位が伝達される。MOSトランジスタQ56およびQ58がオフ状態にある。
ノードN15およびN16の電位変化に従って、MOSトランジスタQ55およびQ57のコンダクタンスが変化し、ノードN15およびN16の低電位のノードの電位レベルがさらに低下される。MOSトランジスタQ55およびQ57の電流駆動力はそれほど大きくされていないため、ノードN15およびN16の低電位のノードの接地電位レベルへの放電は停止され、中間電位レベルに保持される。これにより、SBLバス線SBLiおよびZSBLiの信号電位差に応じた信号電位差を有する信号SLOiおよびZSLOiが生成される。
レベルシフタ64cを利用することにより、必要最小限の信号振幅を有する信号を選択ゲート66へ伝達することができ、このレベルシフタの占有面積を低減することができる。選択ゲート66は、このレベルシフタ64cから与えられた信号を選択してラッチし、アンプ68aへ与え、アンプ68aが、SBLバス線上の信号をHレベルおよびLレベルへと最終的に増幅して、転送ゲート68bを介してITBバスへ伝達する。大きな電流駆動力を有するアンプSBLバス線用およびITBバス駆動用両者に設ける必要がなく、回路占有面積が低減される。
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、バスインタフェースユニット、DRAM、SRAM、およびプロセサ(CPU)をそれぞれ別々のバスで接続するように構成したため、バスインタフェースユニットを介して装置外部との情報転送時においても内部で情報を転送することができ、効率的に情報を転送することができる。また、内部のバス間情報転送を双方向転送回路を利用することにより、一方から他方への情報転送時、他方から一方へ情報を転送することができ、効率的な情報転送を実現することができる。
[実施の形態2]
図20は、この発明の実施の形態2に従うマイクロコンピュータの内部構成要素の平面レイアウトを示す図である。図20において、プロセサ(CPU)52の近傍に、命令レジスタ(IR)44およびデータレジスタ(DR)46が配置される。命令レジスタ(IR)44はIRバス配線148を介してプロセサ(CPU)52に接続され、データレジスタ(DR)46は、DRバス配線150を介してプロセサ(CPU)52に接続される。これらのレジスタ44および46をプロセサ(CPU)52の近傍に配置することにより、IRバス配線148およびDRバス配線150をほぼ直線的に配置することができ、これらのバス148および150の距離を短くすることができ、寄生容量および寄生抵抗をともに小さくすることができ、高速での命令およびデータ転送を実現することができる。
命令レジスタ(IR)44およびデータレジスタ(DR)46に近接して、第2の双方向転送回路85が配置される。この第2の双方向転送回路85は、メモリリードバッファ(MRB)およびメモリライトバッファ(MWB)を含む。第2の双方向転送回路85は、ITBバス配線135を介して命令レジスタ(IR)44およびデータレジスタ(DR)46に接続される。このITBバス配線135は、この第2の双方向転送回路85とレジスタ44および46との間の領域およびその周辺領域を利用して配設することができる。第2の双方向転送回路85は、レジスタ44および46に隣接して配置されている。したがって、このITBバス配線も最短距離で配置することができる。これにより、ITBバス配線135の寄生容量および寄生抵抗を最小限にすることができ、高速での命令およびデータ(情報)を転送することができる。これらのITBバス配線135、IRバス配線148、およびDRバス配線150を最短距離で配置することができることにより、たとえば100MHz程度のクロック周波数に対応する情報転送が可能なバスを実現することができる。
第2の双方向転送回路85に関して命令レジスタ(IR)44およびデータレジスタ(DR)46と反対側にSRAM34が配置される。SRAM34と第2の双方向転送回路85の間の領域にSBLバス配線132が配置される。第1の双方向転送回路80は、SRAM34に関して第2の双方向転送回路85と対向するように配置される。第1の双方向転送回路80は、DRAMリードバッファ(DRB)およびDRAMライトバッファ(DWB)を含む。第2の双方向転送回路85に含まれるメモリリードバッファ(MRB)は、第1の双方向転送回路80に含まれるDRAMリードバッファ(DRB)とDRBバス131を介して接続される。第2の双方向転送回路85に含まれるメモリライトバッファ(MWB)は、第1の双方向転送回路80に含まれるDRAMライトバッファ(DWB)とDWBバス配線140を介して接続される。これらのDRBバス配線131およびDWBバス配線140は、SRAM34と平面図的に見て重なり合うように配置される。すなわち、DRBバス配線131およびDWBバス配線140は、SRAM34上をわたって延在するように配置される。DRAMバス配線131およびDWBバス配線140は、SBLバス配線132よりも上層の配線層で形成される。したがって、これらのDRBバス配線131およびDWBバス配線140をSRMA34上にわたって延在するように配置しても、それらのバス配線131および140がSBLバス配線132の配線に悪影響を及ぼすことはない。
この第2の双方向転送回路85に隣接してSRMA34を配置することにより、SRAM34と第2の双方向転送回路85の間のSBLバス配線132を最短距離とすることができ、高速バスを実現することができる。また、DRBバス配線131およびDWBバス配線140をSRAM34上にわたって延在して配置させることにより、これらのDRBバス配線131およびDWB配線140を特別の配線領域を必要とすることなく直線的に最短距離で配設することができ、これらのバスの寄生容量および寄生抵抗を最小とすることができ、配線による信号伝搬遅延およびバスの充放電電流をともに最小にすることができ(寄生容量の充放電が小さくなる)、高速かつ低消費電力のバスを実現することができる。
第1の双方向転送回路80に関してSRAM34と反対側にDRAM26が配置される。このDRAMと第1の双方向転送回路80とは、GIOバス配線128を介して接続される。このGIOバス配線128は、DRAM26および第1の双方向転送回路80の周辺領域に配置される。このGIOバスは高速動作が要求されないため、この周辺領域に少し長いGIOバス配線128を配設しても、特に問題は生じない。
このDRAM26に関して第1の双方向転送回路80と対向するように、バスインタフェースユニット(BIU)23が配置される。バスインタフェースユニット(BIU)23とDRAM26とは、BIUバス配線124を介して接続される。このBIUバスも、低速のクロックに従って情報転送を行なうため、高速動作は要求されない。したがってこのBIUバス配線124の距離が少し長くなっても何ら問題は生じない。
この図20に示すように、マイクロコンピュータの構成要素をほぼ直線上に整列して配置することにより、各構成要素間のバス配線長を最小とすることができ、バスの寄生容量および寄生抵抗を最小とすることができ、配線による信号伝搬遅延およびバスの充放電電流を最小に抑制することができ、高速かつ低消費電力で情報を転送するバス配置を実現することができる。
なお、SBLバス配線132は、SRAM34と、第2の双方向転送回路85が隣接して配置されているため、特別の配線領域を必要とすることなく配置される(DRBバス131およびDWBバス140は、そのSBLバス配線よりも上層の配線層である)。
図21は、この発明の実施の形態2に従うマイクロコンピュータのチップレイアウトの一例を示す図である。図21において、メモリ内蔵マイクロコンピュータは、半導体チップ200上に形成される。この半導体チップ200は、4つの領域#A、#B、#Cおよび#Dに分割される。
領域#Aにおいては、バスインタフェースユニット(BIU)23a、DRAM26a、第1の双方向転送回路(DRB/DWB)80a、SRAM34a、第2の双方向転送回路(MRB/MWB)85a、命令レジスタ(IR)44aおよびデータレジスタ(DR)46aが配置される。DRAM26aは、2Mビット(512行×256列×16ブロック)の記憶容量を有し、SRAM34aは、8Kビット(256行×32列)の記憶容量を備える。
バスインタフェースユニット(BIU)23aとDRAM26aとは、BIUバス配線124aにより相互接続され、DRAM26aと第1の双方向転送回路80aとは、GIOバス配線128aにより相互接続され、第1の双方向転送回路80aおよび第2の双方向転送回路85aとは、バス配線139aにより相互接続される。このバス配線139aは、DRAMリードバッファ(DRB)とメモリリードバッファ(MRB)とを接続するバス配線およびDRAMライトバッファ(DWB)およびメモリライトバッファ(MWB)を相互接続するバス配線両者を含む。
さらに、SRAM34aと第2の双方向転送回路85aとは、バス配線132aにより相互接続され、第2の双方向転送回路85aとデータレジスタ(DR)46aおよび命令レジスタ(IR)44aとは、ITBバス配線135aにより相互接続される。この領域#Aにおける配線および構成要素のレイアウトは、バスのビット幅が1/4になることを除いて図20に示すレイアウトと同じである。
バスインタフェースユニット(BIU)23aと半導体チップ200の短辺側端部との間に、4ビットのDQパッドDQaが配置される。DQパッドDQaとバスインタフェースユニット(BIU)23aとは、DBバス22aにより接続される。
図21に示すチップレイアウトにおいては、図20に示すマイクロコンピュータの構成要素のうち、プロセサ(CPU)52を除いて個々の構成要素が4分割され、4つの領域#A〜#Dに分散して配置される。したがって、領域#B〜#Dそれぞれにおいては、領域#Aと同じ構成要素が同じレイアウトで(チップ長辺中央に関して鏡映対称的に)配置される。これらの領域#B〜#Dの構成要素に対しては、領域#Aに示す構成要素およびバス配線と同じ参照数字を付し、その末尾の数字で領域を示す。
この図21に示すように、領域#Aおよび#Cの構成要素と領域#Bおよび#Dの構成要素を半導体チップ200の長辺方向についての中央部に関して鏡映対称配置とすることにより、1つの領域における構成要素のレイアウト最適化を行なえばその最適化されたレイアウトを鏡映対称することにより、残りの領域も最適レイアウトで構成要素を配置することができる。
半導体チップ200の長辺についての中央部に、プロセサ(CPU)52およびメモリコントローラ210が配置される。このメモリコントローラ210は、プロセサ(CPU)からのコマンドをデコードし、先の実施の形態1において示した各種制御信号を発生する。すなわちこのメモリコントローラ210は、SRAMに対するコントローラ、およびDRAMおよびバスインタフェースユニット(BIU)に対するコントローラを含む。
領域#A〜#Dの命令レジスタ(IR)44a、44b、44cおよび44dは、バス配線48a、48b、48cおよび48dそれぞれを介してプロセサ(CPU)52に接続され、データレジスタ(DR)46a、46b、46cおよび46dは、バス配線150a、150b、150cおよび150dそれぞれを介してプロセサ(CPU)52に接続される。
プロセサ(CPU)52を半導体チップ200の長辺についての中央部に配置することにより、領域#A〜#Dそれぞれの命令レジスタおよびデータレジスタのプロセサ(CPU)との間のバス配線150a〜150dおよび148a〜148dの配線長さをほぼ同じとすることができ、これらのバス配線における信号伝搬遅延の領域依存性をなくすことができる。
また、領域#A〜#Dのバスインタフェースユニット(BIU)23a〜23dと半導体チップ200の短辺端部の間にDQパッドDQa〜DQdを配置することにより、バスインタフェースユニット(BIU)23a〜23dそれぞれの近傍にDQパッドDQa〜DQdを配置することができ、DBバス22a〜22dの配線領域を低減することができ、チップ面積の増大を抑制することができる。
また、DQパッドDQa〜DQdを、半導体チップ200の短辺端部に配置することにより、半導体チップ200の長辺についての中央領域近傍に、プロセサ(CPU)52に隣接してプロセサ(CPU)52に対する制御信号入出力パッドを配置することができる。このプロセサ(CPU)52に対する制御信号入出力パッド配置領域を、図21においては、破線ブロック215で示す。これにより、プロセサ(CPU)52に対し、最小の遅延時間で信号の入出力を行なうことができ、プロセサ(CPU)52を外部からの制御信号に従って早いタイミングで動作させることができ、またプロセサ(CPU)52からの信号を早いタイミングで装置外部へ出力することができ、高速動作するマイクロコンピュータを実現することができる。
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、マイクロコンピュータの構成要素を、整列して配置し、プロセサ(CPU)と情報の授受を行なう構成要素はプロセサ(CPU)近傍に配置しているため、各構成要素間のバス配線を最短距離でほぼ直線状に配置することができ、高速で情報を転送することが可能となる。これにより、高速動作するマイクロコンピュータを実現することができる。
[実施の形態3]
図22は、この発明の実施の形態3に従うマイクロコンピュータの要部の構成を示す図である。図22においては、SRAMに関連する部分の構成のみが示される。複数のSRAMアレイ部26x、26y、…、26zが配置される。これらのSRAMアレイ部26x〜26zの各々は、ロウデコーダ、列デコーダ、ワード線、ビット線、ビット線イコライズ回路、および情報信号入出力回路を含む。
これらのSRAMアレイ部26x、26y、…、26z各々に対応して、クロック発生回路250からのクロック信号CLKに同期して動作するドライバ回路210x、210y、…、210zが設けられる。これらのドライバ回路210x〜210zの各々は、共通にSRAM制御用ロジック生成部210aからの制御信号を受ける。このSRAM制御用ロジック生成部210aは、プロセサ(CPU)52から与えられるコマンドをクロック信号CLKと非同期でデコードし、このコマンドにより指定された動作を活性化するための制御信号を活性状態とする。図22においては、このSRAM制御用ロジック生成部210aの内部構成が一例として示されるが、この内部に含まれる論理ゲートの接続態様は何ら特定的なものではない。単にプロセサ(CPU)52からのコマンドをデコードする機能を備えていればよい。
また、図22においては、プロセサ(CPU)52からのコマンドとして、SRAMリードコマンドCMD−SR、およびRAMライトコマンドCMD−SWが一例として示される。また、SRAM制御用ロジック生成部210aからの制御信号としては、SRAMワード線選択イネーブル信号SWLE−T、SRAMセンスアンプイネーブル信号(SRAMデータ転送イネーブル信号)SSAE−T、SRAMビット線イコライズ指示信号SBLEQ−TおよびSRAMからの情報の読出および転送を指示するバッファリードトランスファイネーブル信号BRTE−T、およびSRAMへの情報の転送および書込を指示するバッファライトトランスファイネーブル信号BWTE−Tが一例として示される。
プロセサ(CPU)52は、クロック発生回路250からのクロック信号CLKに同期して動作して、命令を処理し、必要とされるコマンドを生成する。SRAM制御用ロジック生成部210aからの制御信号はSRAMアレイ部26x〜26zそれぞれに対応して設けられるドライブ回路210x〜210zへ共通に与えられる。SRAM制御用ロジック生成部210aからこれらのドライバ回路210x〜210zへの配線の長さが異なる場合、制御信号の確定タイミングがドライバ回路210x〜210zそれぞれにおいて異なる。
ドライバ回路210x〜210zは、クロック発生回路250から与えられるクロック信号CLKのエッジ(立上がりまたは立下がり)に同期して、このSRAM制御用ロジック生成部210aから与えられた信号を取込み内部制御信号を発生し、対応のSRAMアレイ部26x〜26zを駆動する。したがって、このSRAM制御用ロジック生成部210aとドライバ回路210x〜210z各々との配線長さが異なる場合においても、ドライバ回路210x〜210z各々の動作タイミングがクロック信号CLKにより決定され、SRAMアレイ部26x〜26zは同一タイミングで並列に動作することができる。これらのドライバ回路210x〜210zは、SRAMアレイ部26x〜26zそれぞれに対応して設けられる双方向転送ゲートの転送動作を制御する制御信号をも発生する。これにより、配線遅延を最小とするために太い配線を用いる必要がなく、配線による面積増加を抑制することができる。また、配線遅延を最小にするように配線レイアウトまたは配線構造によりタイミング調整を行なう必要がなく、配線レイアウトが容易となる。
図23は、図22に示す配置における動作を示す信号波形図である。この図23においては、プロセサ(CPU)52が、クロック信号CLKの立上がりに同期してコマンドを発行し、一方、ドライバ回路210x〜210zはこのクロック信号CLKの立下がりに同期してSRAM制御用ロジック生成部210aからの制御信号を取込み内部制御信号を発生する場合の動作が示される。
図23において、プロセサ(CPU)52は、命令を実行し、必要とされるコマンドを生成し、クロック信号CLKの立上がりに同期してこの生成したコマンドを発行してSRAM制御用ロジック生成部210aへ与える。こロジック生成部210aは、プロセサ(CPU)52から与えられたコマンドをクロック信号CLKと非同期で(独立に)デコードし、コマンド実行に必要とされる制御信号を活性状態とする。したがってこのSRAM制御用ロジック生成部210aからは、クロック信号CLKの立上がり、コマンドが確定状態とされると、即座に対応の制御信号が確定状態とされる(図23においては、制御信号をHレベルに立上がる状態を一例として示す)。
このSRAM制御用ロジック生成部210aからの制御信号は、ドライバ回路210x〜210zそれぞれへ共通に与えられる。ドライバ回路210x〜210zは、クロック信号CLKの立下がりに同期してこの制御信号を取込み内部制御信号を発生しSRAMアレイ部26x〜26zを駆動する。したがって、配線遅延の影響を受けることなくドライバ回路210x〜210zはすべて同じタイミングで内部制御信号を発生して対応のSRAMアレイ部26x〜26zをドライブすることができ、情報転送タイミングに対し、この配線遅延を考慮してマージンを設ける必要がなく、高速情報転送を行なうことができる。
ドライバ回路210x〜210zは、SRAMアレイ部26x〜26zをドライブする制御信号を発生するいわゆるSRAM周辺制御回路部分を併せて含んでもよい。クロック発生回路250からのクロック信号CLKはドライバ回路210x〜210zへ共通に与えられる。このとき、このクロック信号CLKを伝搬する信号線は、その配線抵抗を下げるため、後に説明するようなレイアウト上の工夫がなされており、ドライバ回路210x〜210zに対しては、クロック信号CLKの遅延はなく、同じタイミングでドライバ回路210x〜210zにおいてクロック信号CLKが変化する。
図24は、図22に示すドライバ回路210x〜210zの入力段の構成の一例を示す図である。図24においては、ドライバ回路入力段は、クロック信号CLKの立下がりに応答して導通し、ロジック生成部から与えられる制御信号φSeを通過させるCMOSトランスミッションゲートTMと、CMOSトランスミッションゲートTMの出力信号を伝達する2段のインバータ回路V1およびV2と、インバータ回路V1の出力信号を反転してインバータ回路V1の入力部へ伝達するインバータ回路V3を含む。インバータ回路V1およびV3は、ラッチ回路を構成する。インバータ回路V2から、内部制御信号φSiが出力される。
この図24に示す構成においては、クロック信号CLKがHレベルのときには、CMOSトランスミッションゲートTMはオフ状態であり、内部制御信号φSiは先の状態を維持している。クロック信号CLKがLレベルに立下がると、CMOSトランスミッションゲートTMが導通し、内部制御信号φSiがロジック生成部210aから与えられる制御信号φSeに従って変化する。これにより、クロック信号CLKの立下がりに同期して内部制御信号を生成するドライバ回路が実現される。
なおこの図24に示すドライバ回路入力段としては、クロック信号CLKの立下がりに同期してスルー状態となり、クロック信号CLKの立上がりに応答してラッチ状態となるNAND回路を利用するフリップフロップが用いられてもよい。また、CMOSトランスミッションゲートTMは、インバータ回路V2の出力部に設けられてもよい。
図25は、この発明の実施の形態3の制御信号発生シーケンスの変更例を示す図である。図25においては、プロセサ(CPU)は、クロック信号CLKの立上がり時に確定状態とされるコマンドを発行する。したがって、プロセサ(CPU)からは、クロック信号CLKの立上がりに対しセットアップ時間tsu前にコマンドが発行される。この構成は、たとえば通常のクロック同期型メモリにおいてクロック信号の立上がり時にコマンドが確定状態とされる構成と同じである。このコマンドの発行に従って、SRAM制御用ロジック生成部からの制御信号がクロック信号CLKと非同期で確定状態とされる。この制御信号はクロック信号CLKの立上がりよりも早いタイミングで確定状態とされる。ドライバ回路は、クロック信号CLKの立上がりに同期してこの制御信号を取込み内部制御信号を生成する。
この図25に示すシーケンスのように、プロセサ(CPU)が、クロック信号CLKの立上がり時に確定状態とされるコマンドを発行する構成とすることにより、ドライバ回路210x〜210z(図22参照)は、クロック信号CLKの立下がりを待つことなく早いタイミングで内部制御信号を生成することができ、より高速動作を実現することができる。
図26は、この発明の実施の形態3に従うマイクロコンピュータのチップ上のレイアウトの構成を概略的に示す図である。図26においては、DRAM、バスインタフェースユニット(BIU)および第1の双方向転送回路部分は示していない。
図26において、マイクロコンピュータは、半導体チップ200の中央部に配置されるクロック発生回路250を含む。このクロック発生回路250を中心に対称的にSRAMアレイ部26a、26b、26cおよび26dが分散して配置される(図21のレイアウト参照)。SRAMアレイ部26a〜26dそれぞれに対応してドライバ回路210a〜210dが配置される。ドライバ回路210a〜210dは、それぞれ半導体チップ200の中央部に近い位置に配置される。クロック発生回路250からの信号配線長をできるだけ短くする。半導体チップ200の中央部にクロック発生回路250に隣接してプロセサ(CPU)52が配置され、このプロセサ(CPU)52近傍領域に、メモリコントローラに含まれるSRAM制御用ロジック生成部210aが配置される。
プロセサ(CPU)52とSRAM制御用ロジック生成部210aとの間にはバス配線345が配設される。このバス配線345上に、プロセサ(CPU)52からのコマンドが伝達される。SRAM制御用ロジック生成部210aからの制御信号はバス配線350を介して伝達される。このバス配線350は、クロック発生回路250を内に含むコの字形に配置され、かつドライバ回路210aへ制御信号を与えるためのバス配線350a、ドライバ回路210bへ制御信号を与えるためのバス配線350b、ドライバ回路210cへ制御信号を与えるためのバス配線350c、およびドライバ回路210dへ制御信号を与えるためのバス配線350dの枝部分を有する。
クロック発生回路250からのクロック信号は、クロック信号260aを介してドライバ回路210aおよび210bへ与えられ、またクロック信号線260bを介してドライバ回路210cおよび210dへ与えられる。クロック発生回路250からのクロック信号の信号伝搬遅延を最小とするために、このクロック信号線260aおよび260bの配線幅はできるだけ大きくされるか、またはこれに代えて、複数のクロック信号線を並列に配置して、等価的にその配線幅を広くする。この工夫により、クロック信号線260aおよび260bの配線抵抗はできるだけ小さくされる。
ドライバ回路210a〜210dに対する制御信号は、このクロック信号の変化時点までに確定状態とされればよい。したがって、このSRAM制御用ロジック生成部210aからの制御信号を伝達する制御信号バス配線には、ドライバ回路210a〜210dそれぞれへ同時に確定状態となるように制御信号を伝達するという要求は課せられない。したがって、この制御信号バス配線350(350a〜350d)は、配線幅を広くするまたは配線抵抗を下げるなどを行なう必要がなく、配線幅を必要最小限の線幅とすることができ、この配線レイアウト面積増加を抑制することができる。
また、このSRAM制御用ロジック生成部210aからの制御信号の確定タイミングが、クロック信号CLKの変化タイミングに間に合わない場合が生じるときには、図25に示すように、制御信号を発生するタイミングを早くするだけでよい。これは、プロセサ(CPU)52のコマンド出力タイミングを調整するか、または、SRAM制御用ロジック生成部210aにおけるゲート遅延をできるだけ小さくする工夫を行なうことにより実現される。このような場合においても、制御信号バス配線350の線幅を等価的に広くする必要がなく、この制御信号バス配線の占有面積の増加を抑制することができる。したがって、配線によるタイミング調整としては、クロック信号のみに対するタイミング調整を考慮すればよく、残りの制御信号に対するタイミング調整を配線のレイアウトで行なう必要はない。これにより、配線のレイアウト面積増加を生じさせることなく、プロセサ(CPU)とSRAMとの間の高速情報転送を実現することができる。
なお、第2の転送回路(MRB/MWB)は、破線ブロックで示すようにドライバ回路210a〜210dに隣接して、SRAMアレイ部26a〜26dと対向するように配置される。これらのドライバ回路210a〜210dは、SRAMに対する制御信号を発生しており、したがって、これらの第2の双方向転送回路の転送タイミングを決定する制御信号をも発生する。第2の双方向転送回路(MRB/MWB)についても、SRAMアレイ部26a〜26dが分散配置される場合においても、これらのSRAMアレイ部に対応して配置される第2の双方向転送回路(MRB/MWB)を同一タイミングで動作させることができ、転送タイミングのマージンを考慮する必要がなく、高速情報転送を実現することができる。
以上のように、この発明の実施の形態3に従えば、SRAMアレイ部を駆動する制御信号を発生するドライバ回路をクロック信号に同期して動作させかつSRAMアレイ部それぞれに近接して配置したため、SRAMアレイ部および第2の双方向転送回路それぞれを同一タイミングで動作させることができ、高速動作が実現される。
[実施の形態4]
図27は、この発明の実施の形態4に従うマイクロコンピュータの要部の構成を示す図である。図27において、SRAM26両側に対向して配置されるDRAMリードバッファ(DRB)30とメモリリードバッファ(MRB)36とは、このSRAM26上層に配設されるDRBバス31を介して相互接続される。このメモリリードバッファ(MRB)36は、また、SRAM26に接続されるSBLバス32上の情報を受ける。
メモリリードバッファ(MRB)36は、選択制御信号φCSELに従って、SBLバス32およびDRBバス31の一方を選択するセレクタ360と、セレクタ360により選択されたバス上の信号を増幅するアンプ362と、アンプ362により増幅された信号をラッチするラッチ364と、転送指示信号φDBITBに応答して活性化され、ラッチ364によりラッチされた信号をITBバス35上へ転送する転送ゲート366を含む。
このITBバス35は、データレジスタ(DR)46および命令レジスタ(IR)44に接続される。データレジスタ(DR)46および命令レジスタ(IR)44は、それぞれバス50および48を介してプロセサ(CPU)52に接続される。
この図27に示す構成においては、SBLバス32およびDRBバス31上に対して設けられる転送ゲートまたは転送バッファ(図13参照)は示していない。この図27に示す構成は、実施の形態1および2の組合せと等価である。セレクタ360によりSBLバス32およびDRBバス31の一方を選択することにより、SBLバス32上の情報を増幅するアンプと、メモリリードバッファ(MRB)36の出力信号を増幅するアンプと共用することができ、回路占有面積を低減することができる。
この図27に示すメモリリードバッファ(MRB)36の具体的構成は、図15に示す構成と等価である。セレクタ360およびアンプ362は、選択ラッチ66に対応し、ラッチ364および転送ゲート366がアンプ68に対応する。また、これに代えて、選択ラッチ66において、セレクタにより、SBLバスおよびDRBバス一方が選択されて、増幅回路66a(または66b)へ与えられて、その増幅結果がラッチ回路66cによりラッチされる構成が用いられてもよい(図15参照)。
[変更例]
図28は、この発明の実施の形態4の変更例1の構成を示す図である。図28においては、SBLバス32に、SRAM転送活性化(イネーブル)信号φSSAEに応答して活性化され、SBLバス32上の信号電位を保持してセレクタ360へ与えるレベルシフタ64cが設けられる。このレベルシフタ64cは、図19に示すレベルシフタと同じ構成を備える(このレベルシフタ64cは、図19に示す構成を128個備える)。他の構成は図27に示す構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図28に示す構成においては、SBLバス32にレベルシフタ64cが設けられているため、SBLバス32の信号の転送時、信号損失を伴うことなくセレクタ360を介してアンプ362へ信号を伝達することができ、高速増幅を実現することができる。
なお、図28に示す構成においても、図面を簡略化するため、DRBバス31における転送バッファは示していない。また、SBLバス32とレベルシフタ64cの間の転送ゲート(64b;図18参照)も示していない。
セレクタ360は、スイッチ回路であってもよく、また非活性化時出力ハイインピーダンス状態とされるトライステートバッファが用いられてもよい。また図15に示すようにセレクタ360とアンプ362とが1つの回路で実現されてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態4に従えば、DRBバス上をわたって伝達される情報信号とSBLバス32を介して伝達される情報信号を増幅するアンプを同じアンプとしたため、回路占有面積を低減することができる。
以上、本発明について詳細に説明してきたが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。たとえば、外部データバスが16ビット、BIUバスが32ビット、および内部バス(GIOバス、ITBバス、SBLバス)が128ビット、およびCPUバス(IRバス、DRバス)が32ビット(合計64ビット)として説明しているが、このビット数は任意であり、本発明のマイクロコンピュータが用いられる用途に応じてこれらのバスの幅(ビット幅)は適宜、適当な値に定められる。
したがって、本発明の範囲は、添付の請求の範囲の記載によって定められる。
Claims (19)
- チップ上に生成されるマイクロコンピュータであって、
データ入出力パッド、
前記データ入出力パッドに第1のバスを介して結合され、前記データ入出力パッドを介しての情報信号の入出力を行うためのインタフェースとして機能するバスインターフェース手段、
前記バスインタフェース手段と第2のバスを介して結合され、前記バスインタフェース手段と情報信号の授受を行う第1のメモリ、
第3のバスを介して前記第1のメモリに結合され、前記第1のメモリと双方向にデータを転送するための、ラッチ手段を含む第1の双方向転送手段、
前記第1の双方向転送手段と第4のバスを介して結合され、少なくとも前記第1の双方向転送手段と双方向にデータを転送するための、ラッチ手段を含む第2の双方向転送手段、
第5のバスを介して前記第2の双方向転送手段と結合され、前記第2の双方向転送手段と情報信号の授受を行うための第2のメモリ、および
前記第2の双方向転送手段と第6のバスを介して結合され、前記第2の双方向転送手段と情報信号の授受を行ない、該情報に含まれる命令を実行しかつ該実行結果のデータを前記第6のバスへ送出するプロセサ手段を備える、マイクロコンピュータ。 - 前記第1の双方向転送手段は、
前記第3のバス上に与えられた情報信号をラッチして前記第2の双方向転送手段へ転送する第1のリードバッファ手段と、
前記第2の双方向転送手段から転送された情報信号をラッチして前記第3のバス上に送出する第1のライトバッファ手段とを含み、
前記第2の双方向転送手段は、
前記第1のリードバッファ手段および前記第2のメモリから与えられる情報信号を選択的にラッチして前記第6のバスへ転送する第2のリードバッファ手段と、
前記第6のバスを介して与えられる情報信号をラッチし、該ラッチした情報信号を前記第1のライトバッファ手段および前記第4のバスへ選択的に転送する第2のライトバッファ手段とを含み、
前記第1のリードバッファ手段と前記第2のリードバッファ手段の間のバスと前記第2のライトバッファ手段と前記第1のライトバッファ手段との間のバスは別々に設けられる、請求項1記載のマイクロコンピュータ。 - 前記第2のリードバッファ手段は、ラッチした情報を増幅して転送する手段を含む、請求項2記載のマイクロコンピュータ。
- 前記第2の双方向転送手段は、前記第2のメモリと前記プロセサ手段との間に配置される、請求項1記載のマイクロコンピュータ。
- 前記第1のメモリは、前記バスインタフェース手段と前記第1の双方向転送手段との間に配置され、かつ
前記第1の双方向転送手段は、前記第1のメモリと前記第2のメモリとの間に配置される、請求項1記載のマイクロコンピュータ。 - 前記第1の双方向転送手段と前記第2の双方向転送手段との間の前記第4のバスは、前記第2のメモリの上を横断して通過するように配置される、請求項4記載のマイクロコンピュータ。
- 前記バスインタフェース手段は、前記チップの周辺部に分散して、前記プロセサ手段、前記第1のメモリ手段、前記第2のメモリ手段、前記第1の双方向転送手段および前記第2の双方向転送手段を間に挟むように配置される複数のサブインタフェース手段を含む、請求項1記載のマイクロコンピュータ。
- 前記第1ないし第6のバスは互いに別々に設けられる、請求項1記載のマイクロコンピュータ。
- 前記第1のバスのバス幅は前記第2のバスのそれよりも小さい、請求項1記載のマイクロコンピュータ。
- 前記バスインタフェース手段は、前記第2のバスを介して与えられる情報信号をラッチし、該ラッチした情報信号を選択的に前記第1のバスへ出力する第1の選択的転送手段と、
前記第2のバスのバス幅に等しい数のラッチ手段を含み、前記第1のバスを介して与えられる情報信号を前記ラッチ手段に選択的にラッチし、該ラッチした情報信号を前記第2のバスへ出力する第2の選択的転送手段を含む、請求項1記載のマイクロコンピュータ。 - 前記第2のメモリ手段は、前記チップ上に対称的に分散して配置される複数のメモリユニットを含み、
前記マイクロコンピュータはさらに、
前記複数のメモリユニット各々に近接して配置され、対応のメモリユニットの動作を制御する制御信号を発生する複数のドライブ手段を含む、請求項1記載のマイクロコンピュータ。 - 前記第2のメモリ手段は、前記チップ上に対称的に分散配置される複数のメモリユニットを含み、
前記マイクロコンピュータは、さらに、
前記複数のメモリユニットの中心部に配置され、クロック信号を発生するクロック信号発生手段と、
前記プロセサ手段からのコマンドをデコードし、該デコード結果に従って少なくとも前記第2のメモリ手段の動作を制御するための制御信号を発生する制御信号発生手段と、
前記複数のメモリユニット各々に近接して配置され、前記クロック信号に同期して前記制御信号を取込み、該取込んだ制御信号に従って対応のメモリユニットを駆動する複数のドライブ手段を備える、請求項1記載のマイクロコンピュータ。 - 前記第2の双方向転送手段は、前記複数のメモリユニットそれぞれに対応して配置される複数の双方向転送バッファ手段を備え、前記複数のドライブ手段の各々は、対応のメモリユニットと対応の双方向転送バッファ手段との間に配置される、請求項12記載のマイクロコンピュータ。
- 前記第2の双方向転送手段は、前記第1の双方向転送手段から転送された情報信号と前記第2のメモリから読出される情報信号とを受けて一方を選択的に伝達させる選択手段と、
前記選択手段からの情報信号を増幅して前記第6のバスへ送出するための増幅手段を含む、請求項1記載のマイクロコンピュータ。 - クロック信号を発生するクロック発生手段と、
前記クロック信号と独立に動作し、前記プロセサ手段からのコマンドをデコードし、該デコード結果に従って前記第2のメモリを動作させるための制御信号を生成する制御信号発生手段と、
前記第2の双方向転送手段と前記第2のメモリとの間に前記第2のメモリに近接して配置され、前記クロック信号に同期してかつ前記制御信号に従って前記第2のメモリを駆動するドライバ手段とをさらに備える、請求項1記載のマイクロコンピュータ。 - 前記プロセサ手段は、
与えられた命令を実行し、該実行結果を示すデータを生成するプロセサと、
前記プロセサと前記第6のバスとの間に結合され、前記第6のバス上の情報信号に含まれる命令をラッチして前記プロセサへ転送するための命令レジスタと、
与えられたデータ信号をラッチしかつ転送する手段を含み、前記プロセサと前記第6のバスとの間に結合されるデータレジスタを含む、請求項1記載のマイクロコンピュータ。 - 前記命令レジスタは、
前記第6のバスのバス幅と同じ数のラッチと、
前記ラッチのラッチする情報信号を選択的に前記プロセサへ転送する選択手段を含み、
前記データレジスタは、
前記第6のバスのバス幅と同じ数のデータラッチと、前記データラッチを選択的に前記プロセサへ結合するデータ選択手段を含む、請求項16記載のマイクロコンピュータ。 - 前記データレジスタおよび前記命令レジスタ各々と前記プロセサとの間のバスのバス幅は前記第6のバスのバス幅よりも小さい、請求項16記載のマイクロコンピュータ。
- 前記バスインタフェース手段、前記第1のメモリ、前記第1の双方向転送手段、前記第2のメモリ、前記第2の双方向転送手段、前記命令レジスタおよび前記データレジスタの各々は、前記プロセサに関して鏡映対称に的に配置される複数のサブユニットを含む、請求項16記載のマイクロコンピュータ。
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