JP3743098B2 - ガラス繊維ロービングパッケージ、シュリンク包装体及びそれらの製造方法 - Google Patents

ガラス繊維ロービングパッケージ、シュリンク包装体及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロービングストランド束を引出す時に発生する底部への引掛りのないガラス繊維ロービングパッケージ、シュリンク包装体及びそれらの製造方法に関するものである(以下において「ガラス繊維ロービング」を単に「ロービング」と略称する)。
【0002】
【従来の技術】
ガラス繊維は溶融炉から多数のフィラメントを紡出し、塗布ローラでフィラメントに集束剤を塗布し、複数溝を有する分割シューでフィラメントを複数本に分割して集束して並列した複数本のストランドを形成し、これらの分割ストランドをワイヤートラバースにかけて綾振運動を与えながら巻取コレットにセッ卜した巻取チューブに巻取る。
この様にして巻取チューブ上に巻取られた巻取体を湿潤ケーキと呼び通常平均8〜15%の水分を含有しており、乾燥機中で5〜20時間掛けて乾燥ケーキとした後、次工程で加工される。
この乾燥ケーキをケーキ棚に並べ所定の太さになるべく選定して各ケーキからそれぞれ複数に分割されたストランドを引出し、これを1本にまとめ合わせ1個のロービングパッケージに巻取装置により強制的に巻取っている。ここで、ロービングパッケージは通常1個当り重量20〜300kgを巻取り、中央に貫通状の空間部を持った巻回体とし、これを例えばポリ塩化ビニール等の熱収縮フィルム包装体の中に入れ熱処理してロービングシュリンク包装体(以下において単に「シュリンク包装体」と略称する)とし、該シュリンク包装体の中央に貫通する空間部に内接するロービング端からロービングストランド束を繰出しながら最終用途に使用される。
次に、従来のロービングパッケージの製造方法について説明する。
図5は、従来のロービングパッケージ製造方法の一例についての(a)全体概略側面図、(b)各ストランドの引出し関係を示すケーキ軸方向の概略断面図である。
すなわち、ケーキ棚10に巻取チューブを抜取った乾燥ケーキ11を所定の太さに合わせて個数を選定して装着し、各々の乾燥ケーキ11の巻取チューブを抜取った空間部16に内接するストランド層から分割されたストランド12を引出して、切断検出器13、糸ガイド14を通し、上流側より下流側に所定本数合糸して得られたロービング15は、張力付与装置6を通過する際にパッケージ形成に好適な張力が与えられ、巻取装置8で巻取られ所望の形状、重量のロービングパッケージ17が得られる。
ここで、通常ケーキ内面の空間部16から引出された分割ストランド12は、例えば実開平2−7256号公報、特開平2−265868号公報等の記載より、図5(b)に示す通り切断検出器13及び糸ガイド14通過後ほぼ直角に曲げられ順次合糸されて行く。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図3は、パレット上に載置されたの従来及び本発明のシュリンク包装体の一例の概略断面図である。
前記従来方法により製造されたロービングパッケージ17は、熱収縮フィルム包装体18中に入れ熱処理されてシュリンク包装体24とし、円筒形ロービングパッケージ17の一方の端面21をパレット22等の上に立て載置された状態で使用されるため、ロービングパッケージ17の端面21部分に有るループ20が、ロービングの自重で押漬されロ−ビングパッケージ17中央の空間部よりロービングストランド束23を引出す際に、ロービングパッケージ17の底部に引掛り出て来ないことがしばしばであった。
かかる課題は、ロービングバッケージの巻量増加と共に顕著となったので、例えば特開平6−92367号公報記載においては、発生ループを出来る限りロービングパッケージ中央内側に向く様に、最初はロービングパッケージ中心軸を水平方向に置き自重を掛けない状態で熱収縮フィルム包装体を熱収縮させた後、シュリンク包装体の円筒底部を下にして、ロービングストランド束を引出すことが提案されているが、製造に手間がかかる上に効果は不十分であった。
これらの端面ループは、ケーキ製造時の綾振によって発生する。すなわち、小綾振りを行うワイヤートラバースは回転軸に取付けた2本のワイヤーを備え、各ワイヤーは孤状に曲げられ回転対称形状をなし、回転軸が回転すると複数本の分割ストランドが各ワイヤーに交互に案内され綾振運動を行う。一方大綾振りはワイヤートラバースをストロークする事で実施される。これにより得られたケーキは通常鼓状に、すなわち中央部が凹み両端部が膨らんだ形状をなしている。
かかる形状のケーキに巻取られた複数本に分割されたストランドは、ワイヤートラバースの中央部ではばらけて分離状態とされ、両端部では重なり合って集中状態とされ、また通過経路中の摩擦、張力差等と合わせて各部分の長さに違いが生じ、その結果ケーキから分割ストランドを引出す際に長寸の部分がループや引掛りを不可避的に発生せしめることになる。
そして、個々の分割ストランドに発生したループが合糸一本化された時に、その一部がロービングパッケージの端面部に表れ上記した通り引出して使用する際に問題となる。例えば、シートモールドコンパウンド(SMC)の製造に使用すると、部分的にロービングストランド束が供給されない所が発生し、そのために該ロービングストランド束が供給されない部分が糸抜け状態となり、そのため穴開き現象が発生することがしばしばであった。
又、引抜成形に用いる場合は、樹脂槽で含浸された後に含浸を促進及び樹脂量を制御するダイスにループが引掛かりしばしばトラブルを惹起していた。
これに対して、本発明はロービングパッケージの底部に発生するループを極力減少させ、たとえループが含まれていたとしても全体として大きなループとならず見掛けの引揃え性に優れ、又通常の引張力によってもロービングストランド束がスムーズに引出可能なロービングパッケージ、シュリンク包装体及びそれらの簡易な製造方法を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を得るため、
請求項1の発明にあっては、ガラス繊維乾燥ケーキより引出された分割ストランドを複数合わせたロービングストランド束を円筒状に巻回してなるガラス繊維ロービングパッケージにおいて、前記ロービングストランド束は実質的に中心部の前記分割ストランドが周辺部の前記分割ストランドの解舒撚りにより逐次絡みつけられ全体として締まった状態に保持され前記乾燥ケーキに内在するループが押え込まれていることを特徴とするガラス繊維ロービングパッケージにより解決した。
請求項2の発明にあっては、請求項1に記載のロービングパッケージの最外層がシュリンクされた熱収縮フィルム包装体により被覆されていることを特徴とするガラス繊維ロービングシュリンク包装体により解決した。
【0005】
請求項3の発明にあっては、中央に空間部を有する複数のガラス繊維乾燥ケーキを実質的に同一軸方向に間隔をおいて上流側から下流側へ整列配置し、前記各ケーキより分割ストランドを前記空間部を貫通せしめつつ引出して合わせ上流側の該分割ストランドに下流側の該分割ストランドが解舒撚りにより逐次絡みつけられたロービングストランド束を得、ついで前記ロービングストランド束に張力を付与した後所定形状のロービングパッケージに巻取ることを特徴とするガラス繊維ロービングパッケージの製造方法により解決した。
請求項4の発明にあっては、中央に空間部を有する複数のガラス繊維乾燥ケーキを実質的に複数の軸方向に間隔をおいて各列の上流側から下流側へ整列配置し、前記各ケーキより分割ストランドを空間部を貫通せしめつつ引出して合わせた後各列を合わせ上流側の該分割ストランドに下流側の該分割ストランドが解舒撚りにより逐次絡みつけられたロービングストランド束を得、ついで前記ロービングストランド束に張力を付与した後所定形状のロービングパッケージに巻取ることを特徴とするガラス繊維ロービングパッケージの製造方法により解決した。
請求項5の発明にあっては、最上流の分割ストランドが複数個並列に配置された乾燥ケーキから引き出した後合わされたものであることを特徴とする請求項3又は4に記載のガラス繊維ロービングパッケージの製造方法とすることができる。
請求項6の発明にあっては、各分割ストランドの解舒撚りが左右いずれかの同一方向とされていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のガラス繊維ロービングパッケージの製造方法とすることができる。
請求項7の発明にあっては、各分割ストランドの解舒撚りが左右方向の組合わせとされていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のガラス繊維ロービングパッケージの製造方法とすることができる。
請求項8の発明にあっては、請求項3〜7のいずれかに記載のガラス繊維ロービングパッケージの製造方法により得られたロービングパッケージを熱収縮フィルム包装体に収納した後、熱処理により前記熱収縮フィルム包装体をシュリンクさせ且つ前記ロービングパッケージを熱セットさせることを特徴とするガラス繊維ロービングシュリンク包装体の製造方法により解決した。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。以下の説明において、各ストランドの進行方向からみてに上流、下流(各図では左から右)として説明する。
図1は、本発明のロービングパッケージ製造方法の一例についての(a)一部概略平面図、(b)全体概略側面図、(c)各ストランドの関係を模式的に示すケーキ軸方向の概略断面図である。
図2は、図1のロービングパッケージ製造方法に用いるケーキ配列例を示す概略断面図(a)、(b)、(c)である。
図1において、車付ケーキ棚3に所定の太さに合わせて個数を選定した巻取チューブを抜取った乾燥ケーキ1の全部を実質的に軸方向に合わせて整列装着し、各々の乾燥ケーキ1の巻取チューブを抜取った中央貫通状空間部4に内接するストランド層から分割されたストランド2を軸方向に引出すが、上流側のストランド2を下流側の乾燥ケーキ1の空間部4に逐次貫通せしめることにより所定本数合糸して得られるロービングストランド束5は、前記従来例と同様に通常の張力付与装置6を通過する際にパッケージ形成に好適な張力が与えられ、通常の巻取装置8で巻取られ所望の形状、重量の本発明のロービングパッケージ7が得られる。
ロービングパッケージ7は、前記図3で説明したと同様に熱収縮フィルム包装体18中に入れて熱処理され、熱収縮フィルム包装体18をシュリンクさせ且つロービングパッケージ7を熱セットさせてシュリンク包装体26とされ、円筒形ロービングパッケージ7の一方の端面21をパレット22等の上に立て載置された状態で使用される。
熱収縮フィルム包装体18としては、特に限定はなく収納するロービングパッケージ7を保護するのに必要な強度と熱収縮性を有するフィルム製であればよく、通常例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン又はポリプロピレン等を用い得る。
【0007】
図1(c)について、本発明のロービングパッケージ製造方法の一例における各ストランドの相互関係を模式的に説明する。
乾燥ケーキ1a、1b、1c、1d、・・・が上流側1aから下流側1d・・・まで全部を実質的に一つの軸方向に整列配置され、
先ず最上流の乾燥ケーキ1aから引出された分割ストランド2aは単独で出発し、乾燥ケーキ1bから引出された分割ストランド2bが解舒される際に分割ストランド2aに解舒撚りにより絡み付き、
乾燥ケーキ1cから引出された分割ストランド2cが解舒される際に分割ストランド2a及び2bに解舒撚りにより絡み付き、
乾燥ケーキ1dから引出された分割ストランド2dが解舒される際に分割ストランド2a、2b及び2cに解舒撚りにより絡み付き、
以後ケーキ所要個数だけ逐次絡み合って一本に合糸され最下流に進む。ここで、「実質的に一つの軸方向に整列配置」とは、厳密に同一軸線上にある必要はなく、各分割ストランドを円滑に引出すことができる程度に揃っていればよく、具体的には目視によってなされ、以下の説明においても同様である。
又ここで生ずる解舒撚りは、ケーキ中央の空間部4の略円形周囲長さ毎に1回程度(通常1.3〜0.9回/m程度)の僅小値であり、従って乾燥ケーキ1a、1b、1c、1d、・・・から引出される分割ストランド2a、2b、2c、2d、・・・にたとえ引揃え不良のループが含まれていたとしても、全体として抑制されて大きなループとならず見掛けの引揃え性が向上する。しかも、個々のストランドが絡み合ったとしても、その絡み数は最大で所要ケーキ数程度であり、その撚りも僅かであり絡みから派生する切断後の分散性にもほとんど影響ない。したがって、作業効率面及び品質面よりして例えばSMC用又は引抜成形用等のロ−ビングとして好適なものが得られる。
更に、本発明により得られロービングパッケージは、個々のケーキより引出される分割ストランドは軸方向に整列された全ての乾燥ケーキより引出された後に1本に合糸される為、そこまでは引出される分割ストランドに直角方向に曲げる等の抵抗を与える所が存在せず、図5について前記した従来方法と異なり個々の乾燥ケーキの複数本に分割されたストランドより発生する内在するループをしごく事なく引き出される為.ケーキのモツレ発生が極めて少なくなりロービング製造工程の生産性が大幅向上するという利点も有る。
なお、各分割ストランドの経路方向を大きく変更することなく、経路途中に糸ガイド及び/又は切断検出器を設けることとしてもよい。
【0008】
図2においては、乾燥ケーキの配列例を示している(一部符号を省略)が、(a)は前記図1と同様の所要の乾燥ケーキ「1a、1b、1c、・・・1h、1i、1j」全部を実質的に一つの軸方向に1列に整列し、それぞれの乾燥ケーキ内面を貫通して引出された分割ストランド「2a、2b、2c、・・・2h、2i、2j」を1本に合糸してロービングストランド束5とする場合、
(b)は所要の乾燥ケーキ全部を2分割して実質的に「1a、1b、・・・1e、1f」と「1g、1h・・・1k、1l」の二つの軸方向に2列に整列し、それぞれ同一引出し方向にある乾燥ケーキ内面を貫通して引出された分割ストランド「2a、2b、・・・2e、2f」と「2g、2h・・・2k、2l」を最後に1本に合糸してロービングストランド束5とする場合、
(c)は所要の乾燥ケーキ1全部を複数列(本例では3列)に分割してそれぞれ実質的に「1a、1b、1c」と「1d、1e、1f」と「1g、1h、1i、1j」の複数列の軸方向に整列し、それぞれ同一引出し方向にある乾燥ケーキ内面を貫通して引出された分割ストランド「2a、2b、2c」と「2d、2e、2f」と「2g、2h、2i、2j」を最後に1本に合糸してロービングストランド束5とする場合を示している。
以上の各例においては、すべて最上流の乾燥ケーキを1個として出発しているが、複数個を並列に配置しこれらを合わせて一本とし最上流に置いて出発することとしてもよい。
又、乾燥ケーキの分割ストランドは通常引出し上方よりみて、右回り(時計回り)に巻取られているが、前記図2について説明した乾燥ケーキの配列例で全部右回りとするか、右回りと左回りを交互にするか、右回りを主体にして間欠的に左回りを介在させたり、左回りを主体にして間欠的に右回りを介在させたりすることとしてもよい。
【0009】
図4は、ロービングパッケージを構成する各ストランド及びロービングストランド束の形成を模式的に示す概略図で、(a)は各ストランド例、(b)、(c)、(d)及び(e)は本発明のストランド束の形成例、(f)は従来のストランド束の例である。図1(c)、図2(a)及び図5(b)を参照しながら説明する。
図4(a)は分割ストランド2(以下の2a〜2e)及び12(以下の12a〜12e)を示し、一例として3分割されている。ここで一本の分割ストランドは複数(3本)のストランドが間隔をおいて接着状態におかれ、接着点間の長さが相違しているために内在するループ9を形成していることを示している。
以下(b)〜(e)では分割ストランドは簡略化して一本で図示してある。(b)は最上流の乾燥ケーキ1aから引出された分割ストランド2aと乾燥ケーキ1bから引出された分割ストランド2bとを、(c)は分割ストランド2a、2bと乾燥ケーキ1cから引出された分割ストランド2cとを、(d)は分割ストランド2a、2b、2cと乾燥ケーキ1dから引出された分割ストランド2dとを、(e)は分割ストランド2a、2b、2c、2dと乾燥ケーキ1eから引出された分割ストランド2eとをそれぞれ順を追って示している。そして(e)では分割ストランド2a、2b、2c、2d及び2eによって、本発明のロービングストランド束5が形成されている。ロービングストランド束5は、最上流の分割ストランド2aを実質的に中心部において他の2b、2c、2d及び2eが逐次解舒撚りにより絡みつき全体として締まった状態に保持され、乾燥ケーキに内在するループ9は各分割ストランドの絡み作用によってロービングストランド束5内に押え込まれ、又分割ストランド経路に抵抗部が無いか少ない為、複数本に分割されたストランドの内在するループをしごく事がない。
一方、図4(f)に示すは従来のロービングストランド束15においては、図5(b)について前記した通り乾燥ケーキ11から引出された各分割ストランド12が切断検出器13及び糸ガイド14通過後ほぼ直角に曲げられ順次合糸されて製造されるので、乾燥ケーキ11に内在するループ9はしごかれて下流側に集積されその結果曲率の小さいループ20を形成し外部に大きくはみ出すことになる。又ロービングストランド束15においては、各分割ストランド2a、2b、2c、2d及び2eが殆ど並列に配列され、全体として嵩高状態に保持されているので、乾燥ケーキに内在するループは表面に露出し易い。
【0010】
【実施例】
800ホールのブッシングから単繊維直径13μのガラス繊維フィラメントを引出し、集束剤を塗布後、分割シューで3本のストランドに分割して巻取り湿潤ケ−キを得た。得られた湿潤ケーキを温度130℃で10時間乾燥して内径30cmで重量13Kgの乾燥ケーキ1を得た。得られた800フィラメントからなる乾燥ケーキの番手は270テックスであった。
図1に示す車付ケーキ棚3に巻取チューブを抜取った乾燥ケーキ1を軸方向に1段6個で3段計18個を装着した。最上流の乾燥ケーキ1中央の空間部4に内接するストランド層から分割ストランド2を引出し順次下流側につながる乾燥ケーキ内面を貫通させ、解舒撚り約1回/mにより絡みつけ、ケーキ棚3に取付けた18個の乾燥ケーキ1から引出された18本全ての分割ストランドを合糸して太さ4860テックスのロービングストランド束5を得た。得られたロービングストランド束5を張力付与装置6を通過させ本発明のロービングパッケージ7を形成するに適切な張力を与え巻取装置8で巻取った。
ロービングパッケージ7は内径180mm、外径540mm及び高さ600mmの大きさで重量200kgであった。更に、ロービングパッケージ7を図3に示す通りポリ塩化ビニル製の熱収縮フィルム包装体18に入れ、パレット22にロービングパッケージ7の一方の端面21を底面に立てた状態で載置し、温度110℃で5時間熱処理し、熱収縮フィルム包装体をシュリンクさせ且つ前記ロービングパッケージ7を熱セットさせて本発明のシュリンク包装体26を得た。
本発明により得られたロービングパッケージ7を中央部に貫通する空間部に内接するロービング端から速度75m/minでロービングストランド束25を引出してチヨップドストランドを製造した時、カッターでの糸抜けは無く、SMC製造においてストランドはほぼ均一に分散され分散性は極めて良好で有った。
又、従来法により18個の乾燥ケーキを加工して200kgのロービングパッケージを製造する場合、ループによって3〜4回発生する乾燥ケーキのモッレ上がりによる切断を生ずることは無く、生産性が大幅に向上した。
【0011】
【発明の効果】
本発明によれば、ロービングパッケージの底部に発生するループを減少でき、分割ストランド内にループが含まれていたとしても、該ループが分割ストランドの絡み作用によってロービングストランド束内に押え込まれる為、全体として大きなループとならず見掛けの引揃え性が向上する。又ロービングパッケージの自重によってループが底端部に押さえられる事がないのでスムーズに引出される。このためSMC製造に用いる場合においては、部分的にカッターにロービングストランド束が供給されることがなく、糸抜けによる穴開き現象の発生が無くなり、引抜成形に用いる場合においては、ダイスに引込まれる際にループが引掛かることによるトラブル発生がなくなる。
さらに、合糸時において分割ストランド経路に抵抗部が無いか少ない為、複数本に分割されたストランドの内在するループをしごく事なく引き出され、乾燥ケーキのモツレ発生が極めて少なくなり、ロービング工程の生産性が大幅向上するという利点も有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロービングパッケージ製造方法の一例についての(a)一部概略平面図、(b)全体概略側面図、(c)各ストランドの関係を模式的に示すケーキ軸方向の概略断面図である。
【図2】図1のロービングパッケージ製造方法に用いるケーキ配列例を示す概略断面図(a)、(b)、(c)である。
【図3】パレット上に載置された従来及び本発明のシュリンク包装体の一例の概略断面図である。
【図4】ロービングパッケージを構成する各ストランド及びロービングストランド束の形成を模式的に示す概略図で、(a)は各ストランド例、(b)、(c)、(d)及び(e)は本発明のストランド束の形成例、(f)は従来のストランド束の例である。
【図5】従来のロービングパッケージ製造方法の一例についての(a)全体概略側面図、(b)各ストランドの引出し関係を示すケーキ軸方向の概略断面図である。
【符号の説明】
1、1a〜1l、11 乾燥ケーキ
2、2a〜2l、12 分割ストランド
3、10 ケーキ棚
4、4a〜4d、16、19 空間部
5、15、23、25 ロービングストランド束
6 張力付与装置
7、17 ロービングパッケージ
8 巻取装置
9、20 ループ
13 切断検出器
14 糸ガイド
18 熱収縮フィルム包装体
21 端面
22 パレット
24、26 ロービングシュリンク包装体

Claims (8)

  1. ガラス繊維乾燥ケーキより引出された分割ストランドを複数合わせたロービングストランド束を円筒状に巻回してなるガラス繊維ロービングパッケージにおいて、前記ロービングストランド束は実質的に中心部の前記分割ストランドが周辺部の前記分割ストランドの解舒撚りにより逐次絡みつけられ全体として締まった状態に保持され前記乾燥ケーキに内在するループが押え込まれていることを特徴とするガラス繊維ロービングパッケージ。
  2. 請求項1に記載のロービングパッケージの最外層がシュリンクされた熱収縮フィルム包装体により被覆されていることを特徴とするガラス繊維ロービングシュリンク包装体。
  3. 中央に空間部を有する複数のガラス繊維乾燥ケーキを実質的に同一軸方向に間隔をおいて上流側から下流側へ整列配置し、前記各ケーキより分割ストランドを前記空間部を貫通せしめつつ引出して合わせ上流側の該分割ストランドに下流側の該分割ストランドが解舒撚りにより逐次絡みつけられたロービングストランド束を得、ついで前記ロービングストランド束に張力を付与した後所定形状のロービングパッケージに巻取ることを特徴とするガラス繊維ロービングパッケージの製造方法。
  4. 中央に空間部を有する複数のガラス繊維乾燥ケーキを実質的に複数の軸方向に間隔をおいて各列の上流側から下流側へ整列配置し、前記各ケーキより分割ストランドを空間部を貫通せしめつつ引出して合わせた後各列を合わせ上流側の該分割ストランドに下流側の該分割ストランドが解舒撚りにより逐次絡みつけられたロービングストランド束を得、ついで前記ロービングストランド束に張力を付与した後所定形状のロービングパッケージに巻取ることを特徴とするガラス繊維ロービングパッケージの製造方法。
  5. 最上流の分割ストランドが複数個並列に配置された乾燥ケーキから引き出した後合わされたものであることを特徴とする請求項3又は4に記載のガラス繊維ロービングパッケージの製造方法。
  6. 各分割ストランドの解舒撚りが左右いずれかの同一方向とされていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のガラス繊維ロービングパッケージの製造方法。
  7. 各分割ストランドの解舒撚りが左右方向の組合わせとされていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のガラス繊維ロービングパッケージの製造方法。
  8. 請求項3〜7のいずれかに記載のガラス繊維ロービングパッケージの製造方法により得られたロービングパッケージを熱収縮フィルム包装体に収納した後、熱処理により前記熱収縮フィルム包装体をシュリンクさせ且つ前記ロービングパッケージを熱セットさせることを特徴とするガラス繊維ロービングシュリンク包装体の製造方法。
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