JP5266637B2 - ロービング、ロービングパッケージ、繊維強化樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

ロービング、ロービングパッケージ、繊維強化樹脂成形体の製造方法 Download PDF

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本発明は、複数本のストランドが巻き取られたケーキから解舒された前記ストランドを複数本束ねて合糸したロービング、ロービングパッケージ、繊維強化樹脂成形体の製造方法に関する。
一般に、ガラス繊維ロービングは、ブッシングを通して紡糸して、ガラス繊維フィラメントを複数本束ねてストランドとし、ケーキに巻取り、このストランドを合糸することで形成している。そして、このロービングは、巻き取られてロービングパッケージとなり、例えば、SMC(シートモールディングコンパウンド)成形や、スプレーアップ成形用の強化繊維基材として利用されている。
近年、ロービングは、このストランドを2〜4本の分割ストランドとして1つのケーキに巻き取り、単数又は複数個のケーキから解舒した各分割ストランドを複数本束ねて分割ストランド束とし、更に、この分割ストランド束を複数本束ねて合糸することで形成するようになった。このようにして分割ストランドからロービングを作製することにより、ブッシングが大型化しても、ケーキの個数を減らすことができ、紡糸工程や合糸工程での作業性を向上させることができるようになった。なお、このように1つのケーキに複数本巻き付けられるストランドを、以下「分割ストランド」という。
ところが、分割ストランドとしてケーキに巻き取ると、分割ストランド同士が所々接着して、分割ストランドをケーキから解舒した際ループを生じる。このため、分割ストランドを合糸したロービングを用いて繊維強化樹脂成形体を製造する際に、このロービングを巻き取ったロービングパッケージを一方端面が底面となるように縦置きにすると、ロービングパッケージの底面にループが挟まって押し潰されるため、ロービングパッケージからロービングが引き出されないという問題があった。
このため、従来のロービングは、ロービングを作製する際、分割ストランドが巻き取られた複数のケーキを直列に配置し、ケーキの内側から分割ストランドを解舒して前段のケーキの中を貫通させ、この分割ストランドを前段のケーキから解舒された分割ストランドで撚ることで、ロービングの束の中にループを押さえ込み、ロービングからループがはみ出さないようにしていた。(例えば特許文献1)。
特許第3743098号公報
しかし、上記のロービングでは、ロービングがロービングパッケージの底面に引っ掛かるという問題は解決するものの、分割ストランド間の接着箇所は依然存在するため、ロービングパッケージからロービングを引き抜く際やロービングパッケージから引き抜いたロービングを切断等する際に、分割ストランド間の接着により生ずるループが引っ掛かり、ロービングの解舒不良が発生するというおそれがあった。また、切断されたロービングのうち接着箇所を含む分割ストランドは、接着した分割ストランドの本数分の太さになる。このため、切断により分散された分割ストランドに樹脂を含浸させて繊維強化樹脂成形体を作製した際、切断された分割ストランドの太さが不均一となって分割ストランドが十分に分散されないため、繊維強化樹脂成形体の表面平滑性が十分でないという問題があった。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、解舒不良を低減すると共に繊維強化樹脂成形体の表面平滑性を向上させることができるロービングを提供することを目的とする。
本発明に係るロービングは、2〜4本のストランドが巻き付けられたケーキから複数本を束ねて解舒したストランドを複数本束ねて合糸したロービングであって、ストランドは、それぞれ10〜150texであり、ロービングは、2〜20本のストランドが撚られてストランド束に形成されると共に、ストランド束が2〜100本合糸してなり、ロービングは、分割率が99%以上で、ストランド間の接着箇所がロービングの長さ100m当たり1箇所以下であり、かつ、ロービングは、ロービングの撚りを解いて水平に張設した際に、張設されるストランドから最下方に垂れるストランドまでの垂巾が、ロービングの長さ10m当たり20cm以下であることを特徴とする。
このロービングによれば、ストランド間の接着により生ずるループが非常に少なくなくなるため、このループによるロービングの引っ掛かりを低減することができる。例えば、ロービングが巻き取られたロービングパッケージからロービングを引き抜く際や、ロービングパッケージから引き抜いたロービングを切断等する際に、ロービングの解舒(引き抜き)不良を低減することができる。更に、繊維強化樹脂成形体を作製するためにロービングを切断しても、この切断されたロービングには殆どストランドの接着箇所が存在しないため、切断により分散されたストランドを樹脂で含浸させて繊維強化樹脂成形体を作製する際に、切断されたストランドがほぼ均一の太さとなって十分に分散され、繊維強化樹脂成形体の表面平滑性を向上させることができる。
ここでいう垂巾とは、ロービングの撚りを解いて各ストランドをばらけさせると共にストランド間に接着箇所があればこの接着箇所を分離させて、ロービングの両端を水平方向に張設し、最も下方に垂れたストランドまでの垂れ下がり巾をいう。このロービングによれば、ストランド間の接着により生ずる各ストランドにおける長さの相異幅を小さくすることができるため、ループの発生を低減することができ、このループによるロービングの解舒不良を低減することができる。
また、このロービングによれば、ループが生じたとしても、束ねられるロービングの中にループを押さえ込むことができるので、ロービングの解舒不良を低減することができ、作業性を一層向上させることができる。なお、ストランド束のストランドが20本を超過すると、上述した垂巾が20cmを超えることがある。また、100本を超過するストランド束を、単に合糸してロービングにすると、後述する成形工程での作業性が低下してしまうことがある。
また、このロービングによれば、細いストランドによりロービングを構成するため、繊維強化樹脂を成形する際に、樹脂の含浸性を向上させることができ、表面平滑性に優れた成形体を得ることができる。
さらに、ロービングは、1000〜8000のtexであることが好ましい。このtex番手のロービングであれば、成形体の作製時の作業性を向上させることができる。
本発明に係るロービングパッケージは、上記何れかのロービングが10〜300kgに巻き取られたものであることを特徴とする。このロービングパッケージによれば、用途に応じて最適な形態でロービングパッケージを構成することができる。
また、本発明に係る繊維強化樹脂成形体の製造方法は、上記ロービングパッケージからロービングを引き出す引出工程と、引き出したロービングを5〜50mmに切断する切断工程と、切断したロービングに樹脂を含浸させて繊維強化樹脂成形体に成形する成形工程と、を有することを特徴とする。
この繊維強化樹脂成形体の製造方法によれば、接着箇所及びこの接着箇所により生ずるループが少ないロービングにより繊維強化樹脂成形体を製造することができるため、ループによる引っ掛かりを低減することができると共に、切断工程において切断されたロービングは、ほぼ均一の太さのストランドとなって十分に拡散されるため、成形工程において成形される繊維強化樹脂成形体の表面平滑性を向上させることができる。
また、本発明に係るロービングパッケージの製造方法は、複数本のガラス繊維フィラメントにより構成される2〜4本の分割ストランドをそれぞれ別々のトラバース装置を通して、別の経路で綾振りしながら互いに接着しないように巻取り芯に巻き取ってケーキを形成し、巻取り芯を取り除いたケーキを直列に2〜10列、並列に2〜100列配置し、直列に配置されたケーキの内側からそれぞれの分割ストランドを束にして解舒し、後段のケーキから解舒した分割ストランドの束を前段のケーキの内周側に挿入し、後段のケーキから解舒された分割ストランドの束を前段のケーキから解舒された分割ストランド束により撚られるように束ねて分割ストランド束とし、各列の最終段のケーキから引き出された各分割ストランド束を一つに束ねて合糸してロービングとし、当該ロービングを巻き取ることを特徴とする。
本発明に係るロービング、ロービングパッケージ、繊維強化樹脂成形体の製造方法によれば、解舒不良を低減すると共に繊維強化樹脂成形体の表面平滑性を向上させることができる。
以下、本発明に係るロービング、ロービングパッケージ、及び繊維強化樹脂成形体の製造方法の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るロービングパッケージを製造する装置を示す概略断面図、図2は、ケーキに複数本のストランドを分割ストランドとして巻き取らせる方法を示す図、図3は、分割ストランドを巻き取ったケーキの形状例を示すケーキの断面図、図4は、図1におけるケーキの配列例を示す図、図5は、図2のケーキからストランド(分割ストランド)を解舒した際の図4における各分割ストランド束の構成を示す図、図6は、図5における各分割ストランド束を示す図である。
本実施形態に係るロービング1は、繊維強化樹脂成形体の強化繊維基材となるものである。図1に示すように、ロービング1は、分割ストランド3が2〜20本束ねられて分割ストランド束70となり、更にこの分割ストランド束70が2〜100本束ねられて合糸されたもので、1000〜8000tex番手のものである。
そして、ロービングパッケージ6は、このロービング1が張力付与装置5によって張力が与えられて10〜300kgに巻き取られたものである。
分割ストランド3は、複数本のガラス繊維フィラメント(不図示)により構成されており、それぞれ10〜150texに形成されており、図2に示すように、2本の分割ストランド3は互いに接触しないように別の経路で綾振りされてケーキ4に巻き取られている。具体的には、例えば、分割ストランド3を、ケーキ4の巻取り軸に対して平行に往復運動する別々のトラバース装置(不図示)にそれぞれ通し、綾振りしながら巻取り芯41に巻取ってケーキ4を形成する。この際、それぞれの綾振りの周期は同一であることが望ましい。ケーキ4の巻き形状は如何なる形状であってもよく、図3(a)に示すような巻取り端面がテーパ状のダブルテーパ形状や、図3(b)に示すような巻取り端面に段差がある側面が平面状のスクエアエンドチーズ形状としてもよい。
ダブルテーパ形状に巻き取れば、分割ストランド3の断面を均一にでき、スクエアエンドチーズ形状に巻き取れば、巻き量を大きくすることができる。なお、図2では2本のストランドが分割ストランド3としてケーキに巻き取られているが、2〜4本のストランドを分割ストランドとして巻き取るのが好ましい。
そして、このケーキ4に巻き取られる分割ストランド3同士の接着箇所が100mあたり1箇所以下となっている。
このように分割ストランド3が巻き取られたケーキ4は、図4に示すように、巻取り芯41が取り除かれた状態で、直列に2〜20個配置されると共に並列に2〜100個配置されている。図4では、説明し易くするために、直列に4列、並列に3列配置されるように示しているが、直列に2〜10列、並列に2〜50列に配置されるのが好ましい。
図4及び図5に示すように、直列に配置されるケーキ4(4a〜4d)からは、巻取り芯41が取り除かれたケーキの内周側からそれぞれ2〜4本の分割ストランド3が束になって分割ストランド束となり解舒される。そして、後段のケーキ4から解舒された分割ストランド束は、前段のケーキ4の内周側に挿入されて、この前段のケーキ4から解舒された分割ストランド束と共に束ねられる。
具体的には、1段目のケーキ4aから解舒された分割ストランド3a、3bは、分割ストランド束71となり、2段目のケーキ4bの内周側に挿入され、ケーキ4bから解舒された分割ストランド3c、3dと共に束ねられて分割ストランド束72となる。このとき、分割ストランド3bは、図6(a)に示すように、分割ストランド3aの周りを周回するように解舒されるため、分割ストランド束71は、分割ストランド3aに対して分割ストランド3bがケーキ4aの円周長毎に撚られている。さらに、図6(b)に示すように、分割ストランド束72は、分割ストランド束71に対して分割ストランド3c、3dがケーキ4bの円周長毎に撚られている。
以下同様に、分割ストランド束72は、ケーキ4cの内周側に挿入されて、ケーキ4cから解舒された分割ストランド束により撚られるように束ねられて、分割ストランド束73となる。分割ストランド束73は、ケーキ4dの内周側に挿入されて、ケーキ4dから解舒された分割ストランド束により撚られるように束ねられて、分割ストランド束70となる。なお、ケーキ4の取り扱い性を考慮して、ケーキ4の平均円周長を約0.5〜1.5mとしている。このため、分割ストランド束70は、分割ストランドによりそれぞれ約0.5〜1.5mに1回の割合で撚られている。
このように、各列の最終段のケーキ4dから引き出される各分割ストランド束70は、一つに束ねられて合糸され、1本の1000〜8000texのロービング1となる。そして、このロービング1を10〜300kgになるまで巻き取ることで、ロービングパッケージ6が形成される。
なお、ロービングパッケージ6に巻き取られるロービング1は、各分割ストランド3間の接着箇所が100mあたり1箇所以下となっている。
ロービングパッケージ6を用いたSMC成形により繊維強化樹脂成形体を製造する場合は、ロービングパッケージ6からロービング1を解舒し(引出工程)、ロービング1を5〜50mm程度の長さに切断する(切断工程)。そして、樹脂、硬化剤、増粘剤、内部離型剤、充填材などを混合した樹脂ペーストをロービング1の切断により分散された分割ストランド3に含浸させて両面をシート状のフィルムで被覆し、所定の温度条件で加熱し増粘させて、所望の形状に成形する(成形工程)。
また、ロービングパッケージ6を用いたスプレーアップ成形により繊維強化樹脂成形体を製造する場合は、スプレーアップ機(不図示)により、ロービングパッケージ6からロービング1を解舒し(引出工程)、ロービング1を5〜50mm程度の長さに切断しながら(切断工程)、この切断により分散された分割ストランド3と樹脂とを同時に成形型に吹き付けることでロービング1に樹脂を含浸させて、この成形型の形状に成形する(成形工程)。
以上説明したように、本発明に係るロービング1によれば、分割ストランド3間の接着により生ずるループが無いに等しいほど少なくなくなるため、ロービングパッケージ6からロービング1を解舒する際や、ロービングパッケージ6から解舒されたロービング1を切断等する際に、ロービング1及び分割ストランド3の解舒不良を低減することができる。更に、繊維強化樹脂成形体を作製するためにロービング1を切断しても、この切断されたロービング1には殆ど分割ストランド3同士の接着箇所が存在しないため、切断により分散された分割ストランド3を樹脂で含浸させて繊維強化樹脂成形体を作製する際に、切断されたロービング1がほぼ均一の太さの分割ストランド3となって十分に分散され、繊維強化樹脂成形体の表面平滑性を向上させることができる。
また、図7に示すように、このロービング1によれば、ロービング1の撚りを解いて水平に張設した際に、張設されるストランド31から最下方に垂れるストランド32までの垂巾αが、前記ロービングの長さ10m当たり20cm以下となる。そのため、分割ストランド3間の接着により生ずる各分割ストランド3における長さの相異幅を小さくすることができ、ループの発生を低減することができると共に、このループによるロービング1の解舒不良を低減することができる。
また、このロービング1によれば、分割ストランド束70が撚数0.5〜1.5回/mで撚られているため、もしループが生じたとしても、束ねられるロービング1の中にループを押さえ込むことができるので、ロービング1の解舒不良を低減することができる。
また、このロービング1によれば、番手が10〜150texの細い分割ストランド3により構成されているため、繊維強化樹脂成形体を作製する際に、樹脂の含浸性を向上させることができ、表面平滑性に優れた成形体を得ることができる。
本発明に係るロービングパッケージによれば、用途に応じて最適な形態(長さや重量など)でロービングパッケージを構成することができる。
本発明に係る繊維強化樹脂成形体の製造方法によれば、接着箇所及びこの接着箇所により生ずるループが少ないロービング1により繊維強化樹脂成形体を製造することができるため、引出工程や切断工程においてループの引っ掛かりを低減することができると共に、切断工程において切断されたロービング1は、ほぼ均一の太さの分割ストランド3となって十分に拡散されるため、成形工程において成形される繊維強化樹脂成形体の表面平滑性を向上させることができる。更に、ロービング1の切断により分散された分割ストランド3の太さが均一になるため、繊維強化樹脂成形体に成形される分割ストランド3が十分に拡散され、繊維強化樹脂成形体における強度のバラツキを抑えることができる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、ケーキ4の数や配置、ストランド2の番手、ロービングパッケージ6の重量などを具体的に示して説明したが、解舒不良を低減するとの目的から逸脱しない範囲で、用途等に応じて適宜変更してもよい。
また、上記実施例においては、複数の分割ストランド束70を単に束ねて合糸するように説明したが、例えば、複数の分割ストランド束70を撚りながら束ねて合糸してもよい。
2本の60texの分割ストランド3をそれぞれ別のトラバース装置によって綾振りさせながら夫々のトラバースの綾振り周期を同一にして巻き取ってケーキ4を作製した。このケーキ4を図1に示すように直列に4個、並列に10個並べ、各ケーキ4から解舒された分割ストランド3を合糸して、本実施形態に係る4800texのロービング1のロービングパッケージ6を作製した。また、比較例として、2本の分割ストランド3を1つのトラバース装置によって綾振りさせながら巻き取ってケーキを作製し、その他は本実施形態に係るロービング1の作製と同様にして、比較例であるロービング10のロービングパッケージを作製した。
これらのロービングパッケージから分割ストランドを解舒し、分割ストランド間の接着箇所を測定したところ、ロービング1は全く接着箇所がなく、接着箇所は100mあたり1箇所以下のロービング1を得ることができた。ロービング10は、1mあたり15〜20個の接着箇所が確認できた。さらに、図7に示すように、これらのロービングにおける10mあたりの垂巾を計測した。具体的には、まず、これらのロービングを10m取り出し、ロービングの撚りを全て解いて各分割ストランドをばらけさせた。なお、この場合、分割ストランド間に接着箇所があればこの接着箇所を分離させて計測した。そして、ばらけさせた各ストランドの両端位置を揃えて水平方向に張設し、水平方向に張設される分割ストランド31から、最も下方に垂れる分割ストランド32までの垂巾αを計測した。
その結果、ロービング10では、垂巾が10mあたり40〜100cm程度になったのに対し、ロービング1では、垂巾αが10mあたり15cmとなり、20cm以下に抑えられた。
この結果からも分かるように、ロービング1の接着箇所が極めて少ないため、分割ストランド3間の接着により生ずる各分割ストランド3における長さの相異幅を小さくすることができ、ループの発生を低減することができると共に、このループによるロービング1の解舒不良を低減することができることが明らかとなった。
また、ロービング1とロービング10とを用いて繊維強化樹脂成形体を製造する場合において、切断工程により各ロービングを2.5cmの長さに切断して分散させた状態について観測した。
その結果、比較例のロービング10では、図9に示すように、2本の分割ストランドが接着された接着分割ストランド8bがあり、1本の分割ストランドで構成される分割ストランド8aの割合である分割率は85%程度となった。これに対し、本実施形態に係るロービング1では、図8に示すように、2本の分割ストランドが接着された接着分割ストランドは殆ど見られず、分割率は99%以上となり、分割ストランドがほぼ完全に分散させることができた。
なお、ここでいう分割率とは、ロービングを2.5cmの長さとなるように5箇所で切断し、それぞれ切り出されたロービングから分散させた分割ストランドの本数を実測し、下式により算出した値をいう。
分割率=S/(R×N)×100 (%)
S:ストランドの実測本数の平均値
R:ケーキ1個当たりの分割ストランドの本数
N:合糸するためのケーキの個数
この結果からも分かるように、ロービング1では分割ストランド3間の接着点が殆ど無くなるため、ロービング1の解舒不良を低減すると共に、樹脂含浸性及び繊維強化樹脂成形体の表面平滑性を向上させることが明らかとなった。
本発明の実施形態に係るロービングパッケージを製造する装置を示す概略断面図である。 ケーキに複数本のストランドを分割ストランドとして巻き取らせる方法を示す図である。 分割ストランドを巻き取ったケーキの形状例を示すケーキの断面図である。 図1におけるケーキの配列例を示す図である。 図2のケーキから分割ストランドを解舒した際の図4における各分割ストランドの構成を示す図である。 図5における各分割ストランド束を示す図である。 ロービングを各分割ストランドにばらけさせて水平方向に張設した状態を示した図である。 ロービングが切断されて分割ストランドが分散した状態を示す図である。 比較例のロービングが切断されて分割ストランドが分散した状態を示す図である。
符号の説明
1…ロービング、3…分割ストランド、4…ケーキ、6…ロービングパッケージ、70…分割ストランド束。

Claims (5)

  1. 2〜4本のストランドが巻き付けられたケーキから複数本を束ねて解舒した前記ストランドを複数本束ねて合糸したロービングであって、
    前記ストランドは、それぞれ10〜150texであり、
    前記ロービングは、2〜20本の前記ストランドが撚られてストランド束に形成されると共に、前記ストランド束が2〜100本合糸してなり、
    前記ロービングは、分割率が99%以上で、前記ストランド間の接着箇所が前記ロービングの長さ100m当たり1箇所以下であり、
    かつ、前記ロービングは、前記ロービングの撚りを解いて水平に張設した際に、張設される前記ストランドから最下方に垂れる前記ストランドまでの垂巾が、前記ロービングの長さ10m当たり20cm以下であることを特徴とするロービング。
  2. 前記ロービングは、1000〜8000texであることを特徴とする請求項に記載のロービング。
  3. 請求項1又は2に記載のロービングが10〜300kgに巻き取られたものであることを特徴とするロービングパッケージ。
  4. 請求項に記載のロービングパッケージから前記ロービングを引き出す引出工程と、
    前記引き出したロービングを5〜50mmに切断する切断工程と、
    前記切断したロービングに樹脂を含浸させて繊維強化樹脂成形体に成形する成形工程と、を有することを特徴とする繊維強化樹脂成形体の製造方法。
  5. 複数本のガラス繊維フィラメントにより構成される2〜4本の分割ストランドをそれぞれ別々のトラバース装置を通して、別の経路で綾振りしながら互いに接着しないように巻取り芯に巻き取ってケーキを形成し、
    前記巻取り芯を取り除いた前記ケーキを直列に2〜10列、並列に2〜100列配置し、
    直列に配置された前記ケーキの内側からそれぞれの分割ストランドを束にして解舒し、後段のケーキから解舒した分割ストランドの束を前段のケーキの内周側に挿入し、後段のケーキから解舒された分割ストランドの束を前段のケーキから解舒された分割ストランド束により撚られるように束ねて分割ストランド束とし、各列の最終段のケーキから引き出された各分割ストランド束を一つに束ねて合糸してロービングとし、当該ロービングを巻き取ることを特徴とするロービングパッケージの製造方法。
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