JP2022010805A - ロービング及びその製造方法、並びにロービングパッケージ - Google Patents

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Abstract

【課題】ロービングパッケージからの解舒不良を低減することができ、ロービングパッケージから引き出し易い、ロービングを提供する。【解決手段】2~12本のストランドにより構成されるストランド束を複数本束ねて合糸されてなるロービング1であって、ロービング1は、分割率が99%未満であり、10mの長さに切断したロービング1の撚りを解いて両端を持って水平に引っ張ったときに、水平方向に延びるストランドに対して最も下方に垂れるストランドまでの垂れ幅が、10cm以下である、ロービング1。【選択図】図1

Description

本発明は、複数本のストランドが巻き取られたケーキから解舒されたストランドを複数本束ねて合糸されてなるロービング、該ロービングの製造方法、並びに該ロービングを用いたロービングパッケージに関する。
従来、ガラス繊維ロービングなどのロービングは、SMC(Sheet Molding Compound)成形や、スプレーアップ成形用の強化繊維基材等として利用されている。このようなロービングは、ケーキに巻き取られたストランドを合糸することにより形成されている。特に、近年では、ストランドを複数本の分割ストランドとして1つのケーキに巻き取り、このケーキを用いてロービングが製造されている。この方法によれば、紡糸工程や合糸工程での作業性を向上させることができる。しかしながら、このようなケーキを用いると、ロービングにループが発生することがあり、その結果ロービングパッケージからロービングが引き出し難いという問題がある。そのため、このループによるロービングの解舒不良を低減する試みがなされている。
例えば、下記の特許文献1には、ガラス繊維乾燥ケーキより引き出された分割ストランドを複数合わせたロービングストランド束において、中心部の分割ストランドが周辺部のストランドの解舒撚りにより逐次絡みつけられ、全体として締まった状態に保持される構造が開示されている。特許文献1では、この構造により、乾燥ケーキ内に内在するループを押さえ込めることが記載されている。
また、下記の特許文献2では、ロービングの分割率を99%以上とし、分割ストランド間の接着箇所をロービングの長さ100m当たり1箇所以下とする方法が開示されている。
特許第3743098号公報 特許第5266637号公報
しかしながら、ロービングパッケージは、ロービングのループを多数含む場合がある。そのため、特許文献1や特許文献2の方法によっても、ロービングの解舒不良を十分に低減することができないという問題がある。
本発明の目的は、ロービングパッケージからの解舒不良を低減することができ、ロービングパッケージから引き出し易い、ロービング、該ロービングの製造方法、並びに該ロービングを用いたロービングパッケージを提供することにある。
本発明に係るロービングは、2~12本のストランドにより構成されるストランド束を複数本束ねて合糸されてなるロービングであって、前記ロービングは、分割率が99%未満であり、10mの長さに切断した前記ロービングの撚りを解いて両端を持って水平に引っ張ったときに、水平方向に延びる前記ストランドに対して最も下方に垂れる前記ストランドまでの垂れ幅が、10cm以下であることを特徴としている。
本発明においては、前記ストランド束が、2本のストランドにより構成されていることが好ましい。
本発明においては、前記ロービングは、分割率が50%以上であることが好ましい。
本発明においては、前記ストランド同士の接着箇所が、前記ロービングの長さ100mあたり、1箇所以上、5000箇所以下であることが好ましい。
本発明に係るロービングパッケージは、本発明に従って構成されるロービングが巻き取られてなる。
本発明に係るロービングの製造方法は、複数本のフィラメントにより構成されるストランドを2~12本用意する工程と、2~12本の前記ストランドをトラバース装置に通して綾振りを行いながら、前記ストランド同士の少なくとも一部が接着するように前記ストランドをコレットに巻き取り、巻回体を得る工程と、前記巻回体から引き出された前記ストランド同士を撚ることにより、ストランド束を得る工程と、前記ストランド束を複数本束ねて合糸することにより、ロービングを得る工程と、を備え、前記巻回体を得る工程において、前記ロービングの分割率が99%未満となるように、前記ストランドを前記コレットに巻き取ることを特徴としている。
本発明においては、使用される前記トラバース装置の数は、用意される前記ストランドの数よりも少ないことが好ましい。
本発明によれば、ロービングパッケージからの解舒不良を低減することができ、ロービングパッケージから引き出し易い、ロービング、該ロービングの製造方法、並びに該ロービングを用いたロービングパッケージを提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るロービング及びロービングパッケージを示す模式的斜視図である。 図2は、垂れ幅の試験方法を説明するための図である。 図3は、接着箇所を説明するための図である。 図4は、ループを説明するための図である。 図5は、本発明に係るロービングの製造方法において、ケーキを作製する製造装置の一例を説明するための模式図である。 図6は、本発明に係るロービングの製造方法において、ケーキを作製する製造装置の他の例を説明するための模式図である。 図7は、本発明に係るロービングの製造方法を説明するための模式的断面図である。 図8は、本発明に係るロービングの製造方法を説明するための模式的断面図である。 図9は、本発明に係るロービングの製造方法を説明するための模式的断面図である。
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
[ロービング及びロービングパッケージ]
図1は、本発明の一実施形態に係るロービング及びロービングパッケージを示す模式的斜視図である。図1に示すロービングパッケージ10は、ロービング1が、回転軸Oを中心として巻き取られてなるものである。より具体的には、ロービングパッケージ10は、ロービング1が径方向に層状になるように重ねて巻き取られ、かつ綾掛けされているものである。
ロービングパッケージ10は、略円筒形状の構造を有する。従って、ロービングパッケージ10の内周側は空洞となっている。もっとも、ロービングパッケージ10の中央に、ボビン等の芯が配置されていてもよい。
ロービング1は、2~12本のストランドにより構成されるストランド束を複数本束ねて合糸したものである。例えば、ストランド束は、2~12本のストランドが巻き取られた1つのケーキ(巻回体)から引き出して束ねることによって得ることができる。ストランド束を構成するストランドの本数が12本以下であるため、複数本のストランド束を容易に束ねてロービング1を製造することができる。また、全てのストランド束を構成するストランドの本数は2~12本である必要は無く、例えばストランド束は、13本以上のストランドにより構成されていてもよい。また、ロービング1は、2~12本のストランドにより構成されるストランド束と、1本のストランドを組み合わせて合糸したものであってもよい。
ロービング1の番手は、例えば、1000tex以上、8000tex以下とすることができる。ロービング1に含まれるストランドの本数は、例えば、10本以上、200本以下とすることができる。ストランドの番手は、例えば、10tex以上、150tex以下とすることができる。また、このようなストランドにより構成されるストランド束の本数は、例えば、5本以上、100本以下とすることができる。
本実施形態において、ロービング1は、分割率が99%未満である。なお、分割率とは、ロービング1の任意の100箇所を2.5cmの長さに切り出したときに、他のストランドと接着せずに1本のストランドで構成されるストランドの割合のことをいう。従って、ストランド束を構成するストランド間における接着箇所数の指標として用いることができ、分割率が小さいほどストランド間の接着箇所数が多くなることを示している。
ロービング1では、分割率が、好ましくは96%以下、より好ましくは92%以下である。また、分割率の下限値は、特に限定されないが、製造上の観点から、例えば、50%とすることができる。また、ストランド間の接着箇所が多すぎると、ループ以外の品質上の問題が生じる場合があることから、この点からも、分割率は上記の下限値以上であることが好ましい。また、本実施形態では、図2に示す試験を行ったときに、水平方向に延びるストランド2a対して最も下方に垂れるストランド2bまでの垂れ幅Lが、10cm以下である。なお、図2に示す試験は、以下のようにして行うことができる。
まず、10mの長さに切断したロービング1の両端を押さえながら撚りを解いて、ストランド2に分離する。この際、ストランド2間の接着箇所は剥離させないように、ストランド2を分離する。なお、図3(a)に示すように、ストランド2間の接着箇所以外においては、ストランド2同士が撚られた状態であるが、図3(b)に示すように、ストランド2間の接着箇所は、ストランド2同士が撚られておらず、ストランド2同士が接着しながら同じ方向に沿ってストランド2が延伸している。次に、各ストランド2の両端位置を揃えて水平方向xに引っ張る。この際、各ストランド2の両端側は、接着剤などを用いて支持部材3a,3bに固定する。次に、水平方向xに延びるストランド2aから、最も下方に垂れるストランド2bまでの垂れ幅Lを測定する。なお、垂れ幅Lは、水平方向xに直交する鉛直方向zにおいて、水平方向xに延びるストランド2aと、最も下方に垂れるストランド2bにおける最も下側の部分との距離である。
このように、垂れ幅Lは、水平方向xに延びるストランド2aと、最も下方に垂れるストランド2bとの鉛直方向zにおける距離を示すため、ストランド2間の糸長差の指標として用いることができ、垂れ幅Lが小さいほどストランド2間の糸長差が小さくなることを示している。
ロービング1では、垂れ幅Lが、好ましくは7cm以下、より好ましくは5cm以下である。また、垂れ幅Lの下限値は、特に限定されないが、例えば、0.1cmとすることができる。
このように、本実施形態のロービング1では、分割率が99%未満であり、垂れ幅Lが10cm以下であるため、ロービングパッケージ10からのロービング1の解舒不良を低減することができ、ロービングパッケージ10からロービング1を引き出し易い。この詳細を、以下において、図4を用いながら説明する。
従来、1つのケーキ(巻回体)から複数本のストランドを解舒させて、ロービングを製造する場合、複数本のストランド間には糸長差が存在することから、この糸長差によるループを生じ易く、ロービングパッケージからロービングを引き出し難い場合がある。さらに、本発明者らは、分割率が高すぎると、図4(a)に示すように、一旦ストランド間が接着すると、接着箇所間の糸長差が大きくなってしまい、ループが大きくなることを見出した。また、図4(b)に示すように、接着箇所が多くても、垂れ幅Lが大きすぎると、弛みによって、ループが大きくなることを見出した。
これに対して、本実施形態のロービング1では、分割率が99%未満であり、図4(c)のようにストランド間の接着箇所を適度に有している。また、ロービング1では、垂れ幅Lが10cm以下であり、ストランド同士の接着箇所間の糸長差そのものも小さくされている。そのため、それぞれのストランドに糸長差が存在しても、接着箇所間における糸長差が短いため、ループを小さくすることができる。よって、ループが小さいため、ロービングパッケージ10からのロービング1の解舒不良を低減することができ、ロービングパッケージ10からロービング1を引き出し易くすることができる。
ロービング1では、ストランド同士の接着箇所が、ロービング1の長さ100mに対し、好ましくは1箇所以上、より好ましくは10箇所以上、さらに好ましくは30箇所以上、好ましくは5000箇所以下、より好ましくは4000箇所以下、さらに好ましくは1000箇所以下である。ストランド同士の接着箇所が上記の範囲内にある場合、ループをより一層生じ難くすることができ、ロービングパッケージ10からロービング1をより一層引き出し易くすることができる。なお、ロービングパッケージ10の高さは、例えば、100mm~1000mmの範囲とすることができる。ロービングパッケージ10の内径は、例えば、30mm~350mmの範囲とすることができる。ロービングパッケージ10の外径は、例えば、150mm~800mmの範囲とすることができる。また、ロービングパッケージ10の重量は、例えば、10kg~300kgとすることができる。
以下において、本発明に係るロービング及びロービングパッケージの製造方法の一例を示す。
[製造方法]
(ケーキの作製)
図5は、本発明に係るロービングの製造方法において、ケーキを作製する製造装置21の一例を説明するための模式図である。
まず、複数本のガラスフィラメント22を形成する。より具体的には、ガラス溶融炉内に投入されたガラス原料を溶融して溶融ガラスとする。この溶融ガラスを均質な状態とした後に、ブッシングに付設された耐熱性を有するノズルから溶融ガラスを引き出す。その後、引き出された溶融ガラスを冷却して複数本のガラスフィラメント(モノフィラメント)22を形成する。なお、ブッシングとしては、例えば、白金製のブッシングを用いることができる。
ガラスフィラメント22の組成は、特に限定されず、例えば、Eガラス、Sガラス、Dガラス、ARガラス等が用いられる。これらのなかで、Eガラスは、安価であり、かつ樹脂と複合化した際に複合材の機械的強度をより一層高めることができる。また、Sガラスは、複合材の機械的強度をさらに一層高めることができる。
ガラスフィラメント22の本数は、特に限定されないが、200本以上であることが好ましい。一方で、ガラスフィラメント22の本数は、10000本以下であることが好ましく、8000本以下であることがより好ましく、6000本以下であることがさらに好ましい。ガラスフィラメント22の本数が、上記の範囲内である場合、樹脂と複合化した際に複合材の機械的強度をより一層高めることができる。
ガラスフィラメント22の繊維径は、6μm以上であることが好ましい。一方で、ガラスフィラメント22の繊維径は、24μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、17μm以下であることがさらに好ましい。ガラスフィラメント22の繊維径が、上記の範囲内にある場合、樹脂と複合化した際の複合材の機械的強度をより一層高めることができる。なお、ガラスフィラメント22の繊維径は、例えば、溶融ガラスの粘度や、巻き取りの際の巻き取り速度等を変更することにより調整することができる。
次に、得られた複数本のガラスフィラメント22の表面に、集束剤塗布機構23によって集束剤を塗布する。集束剤が均等に塗布された状態で、複数本のガラスフィラメント22を、数百から数千本引き揃え、集束する。複数本のガラスフィラメント22は、例えば、集束シュー24により引き揃え、集束することができる。これにより、ストランド25を形成する。
集束剤は、例えば、ポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂、ポリ酢酸ビニル及びポリフェニレンスルフィド樹脂の群から選択された1種以上の熱可塑性樹脂、又は、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、エポキシ樹脂及びポリウレタン樹脂の群から選択された1種以上の熱硬化性樹脂を含有していてもよい。集束剤には、潤滑剤、ノニオン系の界面活性剤及び帯電防止剤等の各成分を添加することも可能であり、これらの成分の配合比については、必要に応じて適宜設定すればよい。
次に、トラバース装置26によりストランド25を軸方向に往復させることにより綾掛けを行いながら、例えばコレット27に巻き取る。トラバース装置26としては、ワイヤートラバース等が挙げられる。
具体的には、本実施形態では、2本のストランド25a,25bをそれぞれ別々のトラバース装置26a,26bに通して、これらトラバース装置26a,26bを軸方向に往復移動させることによって、ストランド25a,25bをそれぞれ軸方向に往復させることにより綾掛けを行いながら、コレット27に巻き取る。また、コレット27に巻き取る際には、綾掛けの速度を調整することにより、ストランド25a,25b同士の少なくとも一部が接触するように、ストランド25a,25bをコレット27に巻き取る。これにより、得られるロービングの分割率を99%未満に調整することができ、垂れ幅Lを10cm以下に調整することができる。例えば、トラバース装置26a,26bの往復移動速度を若干異ならせたり、トラバース装置26a,26bの往復移動中において、一方または両方のトラバース装置26a,26bの往復移動速度を規則的、または不規則に変更させたり、トラバース装置26a,26bの形状等を変えることにより上記の通り調整することができる。例えば、トラバース装置26a,26bの往復移動速度を変更させることにより、ストランド25a,25bに往復移動方向への慣性力がはたらき、ストランド25a,25b同士が接触しやすくなる。また、トラバース装置26がワイヤートラバースである場合、ワイヤーの材質や形状を変えることにより、ストランド25a,25bが往復移動方向に滑って移動し、ストランド25a,25b同士が接触する。そして、接触した部分が、後述の被膜形成工程を経ることにより、図3(b)に示すような接触箇所が接着される。
なお、本発明においては、2本のストランド25a,25bを同じトラバース装置に通してもよい。それによって、ストランド25a,25b同士の少なくとも一部が接触するように、ストランド25a,25bをコレット27に巻き取り、ロービングの分割率を99%未満に調整し、垂れ幅Lを10cm以下に調整してもよい。例えば、トラバース装置26a,26bの形状や材質を変えることにより、ストランド25a,25bの往復移動方向に加わる慣性力が調整でき、ストランド25a,25b同士が適度に接触するとともに、ストランド25a,25bの長さの変動が少ないようにすることができる。
また、図6に示すように、4本のストランド25a~25dを用いる場合には、2本のストランド25a,25bを1つのトラバース装置26aに通し、2本のストランド25c,25dを1つのトラバース装置26bに通してもよい。この場合、トラバース装置26aは、コレット27の左半分の範囲内で往復移動し、トラバース装置26bはコレット27の右半分の範囲内で往復移動するようにしてもよい。さらに、綾掛けの速度やトラバース装置26a、26bの形状を調整することにより、ストランド25a,25bとストランド25c,25dの少なくとも一部が接触するように、ストランド25a~25dをコレット27に巻き取ってもよい。なお、3本のストランド25を用いる場合も、同様の方法を適用できるものとする。
図6に示すように、トラバース装置26a,26bの数を、ストランド25の本数よりも少なくすることにより、設備の準備やメンテナンスのコストを下げることができる。
次に、集束剤を加熱乾燥させ、水分を蒸発させる。これにより、ガラスフィラメント22の表面に被膜を形成する。加熱乾燥の方法としては、例えば、熱風乾燥又は誘電乾燥を用いることができる。加熱乾燥は、例えば、100℃~150℃の温度範囲において、1時間~24時間行う。これにより、ストランド25が巻き取られてなるケーキ28を得ることができる。
なお、ロービングの製造において、上記のケーキ28以外にも、1本のストランドが巻き取られたケーキや、13本以上のストランドが巻き取られたケーキを併用してもよい。
(ロービング及びロービングパッケージの作製)
図7~図9は、本発明に係るロービングの製造方法を説明するための模式的断面図である。
まず、上述の方法で作製した複数のケーキを用意する。複数のケーキを直列に、例えば2個~20個配置し、ケーキの列とする。図7においては、一例として、4個のケーキの列を示す。ここで、図7における右側を前段とし、左側を後段とする。後段から前段にかけて、ケーキ31A、ケーキ31B、ケーキ31C、及びケーキ31Dをこの順序において配置する。さらに、図8に示すように、ケーキの列を並列に、例えば、2列~100列配置する。なお、本発明においては、ケーキを1個ずつ並列に複数個配置してもよい。また、複数のケーキの内周側には、ボビンが配置されていない。
次に、図7に示すように、ケーキ31A、ケーキ31B、ケーキ31C、及びケーキ31Dにおけるそれぞれの内周側から、ストランドを解舒する。
具体的には、まず、ケーキ31Aにおける2本のストランド32a,32bを束ねてストランド束32として解舒する。なお、図9(a)に示すように、ストランド32bは、ストランド32aの周りを周回するように解舒する。それによって、ストランド32aに対してストランド32bをケーキ31Aの円周長毎に撚ることができる。
次に、ストランド束32を、前段のケーキ31Bの内周側に通す。そして、ケーキ31Bの2本のストランド33a,33bを束ねてストランド束33として解舒し、ストランド束32とともに束ねて束34とする。なお、図9(b)に示すように、ストランド束32に対してストランド33a,33bをケーキ31Bの円周長毎に撚るものとする。
以下同様に、束34を、前段のケーキ31Cの内周側に通し、ケーキ31Cから解舒されたストランド束35により撚られるように束ねて、束36とする。さらに、束36を、ケーキ31Dの内周側に通し、ケーキ31Dから解舒されたストランド束37により撚られるように束ねて、束38とする。
次に、図8に示すように、各列の最終段のケーキ31Dから引き出される各束38を、一つに束ねて合糸することにより、1本のロービング1を得る。このロービング1の番手は、例えば、1000tex以上、8000tex以下とすることができる。
次に、ロービング1を例えばボビンに巻き取ることにより、図1に示すロービングパッケージ10を得ることができる。このとき、ロービング1を10kg~300kgになるまで巻き取ることが望ましい。また、巻き取り後、ロービングパッケージ10からボビンを取り除いて用いてもよい。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例1)
まず、ブッシングから引き出された複数本のガラスフィラメントを、集束剤を塗布して束ねることにより2本のガラスストランドを得た。このようにして作製した2本のガラスストランドを、ワイヤートラバース装置を用いて、軸方向に往復させることにより綾振りを行いながら、ストランド同士の少なくとも一部が接触するようにコレットに巻き取り、集束剤を乾燥させることによりケーキ(巻回体)を作製した。なお、実施例1で用いたワイヤートラバース装置は、コレットの軸と略平行である軸を有し、軸を中心に回転する回転軸と、当該回転軸から伸びる第一ワイヤーと、回転軸の、第一ワイヤーが伸びる位置から回転軸方向において離れた位置から伸び、かつ回転軸の軸側から見た平面図において、第一ワイヤーと異なる位置より伸びるとともに、第一ワイヤーよりも短い第二ワイヤーと、第一ワイヤーと第二ワイヤーの端部どうしを結ぶ直線状の第三ワイヤーとを備えた複数のワイヤーとを有している。
次に、作製したケーキを30個並べ、各ケーキの内周側からそれぞれ2本のストランドを解舒して撚ることにより得られたストランド束を束ねてロービングを作製した。
(比較例1)
第三ワイヤーが曲線状であるトラバース装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてロービングを作製した。
[評価]
(分割率の測定)
ロービングを2.5cmの長さとなるように100箇所で切断し、それぞれ切り出されたロービングから分散させたストランドの本数を実測し、下記式により分割率を算出した。
分割率=X/(Y×Z)×100(%)
X:ストランドの実測本数の平均値
Y:ケーキ1個当たりのストランドの本数
Z:合糸するためのケーキの個数
なお、分割率は、ロービングの先端から4100m、8200m、12300m、16400m、20500m、24600m、28700mの地点から、2.5cmの長さとなるように100個採取して測定し(4100m、8200mは15個、12300m、16400m、20500m、24600m、28700mは14個)、その平均値を求めた。
(垂れ幅の測定)
10mの長さのロービングの撚りを解いて、ストランドに分離した。この際、図3(b)に示すようなストランド間の接着箇所は剥離させないように、ストランドを分離した。次に、各ストランドの両端位置を揃えて水平方向に引っ張った。次に、水平方向に延びるストランドから、最も下方に垂れるストランドまでの垂れ幅Lを測定した。
なお、垂れ幅は、ロービングの先端から4100m、8200m、12300m、16400m、20500m、24600m、28700mの各地点から、10mのロービングを採取して測定し、その平均値を求めた。
結果を下記の表1に示す。
Figure 2022010805000002
表1に示すように、垂れ幅が小さい実施例1のロービングパッケージからロービングを引き出した結果、引っ掛かりが全くなかった。一方、垂れ幅が10cmより大きい比較例1のロービングパッケージからロービングを引き出した結果、引っ掛かりが発生した。
1…ロービング
2,2a,2b…ストランド
10…ロービングパッケージ
24…集束シュー
25,25a~25d…ストランド
26,26a~26b…トラバース装置
27…コレット
28,31A,31B,31C,31D…ケーキ
32,33,35,37…ストランド束
32a,32b,33a,33b…ストランド
34,36,38…束

Claims (7)

  1. 2~12本のストランドにより構成されるストランド束を複数本束ねて合糸されてなるロービングであって、
    前記ロービングは、分割率が99%未満であり、
    10mの長さに切断した前記ロービングの撚りを解いて両端を持って水平に引っ張ったときに、水平方向に延びる前記ストランドに対して最も下方に垂れる前記ストランドまでの垂れ幅が、10cm以下である、ロービング。
  2. 前記ストランド束が、2本のストランドにより構成されている、請求項1に記載のロービング。
  3. 前記ロービングは、分割率が50%以上である、請求項1又は2に記載のロービング。
  4. 前記ストランド同士の接着箇所が、前記ロービングの長さ100mあたり、1箇所以上、5000箇所以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のロービング。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のロービングが巻き取られてなる、ロービングパッケージ。
  6. 複数本のフィラメントにより構成されるストランドを2~12本用意する工程と、
    2~12本の前記ストランドをトラバース装置に通して綾振りを行いながら、前記ストランド同士の少なくとも一部が接着するように前記ストランドをコレットに巻き取り、巻回体を得る工程と、
    前記巻回体から引き出された前記ストランド同士を撚ることにより、ストランド束を得る工程と、
    前記ストランド束を複数本束ねて合糸することにより、ロービングを得る工程と、
    を備え、
    前記巻回体を得る工程において、前記ロービングの分割率が99%未満となるように、前記ストランドを前記コレットに巻き取る、ロービングの製造方法。
  7. 使用される前記トラバース装置の数は、用意される前記ストランドの数よりも少ない、請求項6に記載のロービングの製造方法。
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