JP3742916B2 - 空冷吸収式冷凍装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、空冷吸収式冷凍装置に関し、さらに詳しくは空冷吸収式冷凍装置における2次冷媒の過熱を防止する機構に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
一般に、空冷吸収式冷凍装置は、1次冷媒が循環し、再生器、気液分離器、1次冷媒(例えば、1次冷媒蒸気)から暖房熱源を得る温熱熱交換器、空冷凝縮器、1次冷媒(例えば、凝縮1次冷媒液)から冷房熱源を得る蒸発器および空冷吸収器を接続してなる1次冷媒回路と、2次冷媒が循環し、前記温熱熱交換器、利用側熱交換器および前記蒸発器を接続してなる2次冷媒回路とを備えて構成されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような構成の空冷吸収式冷凍装置の場合、暖房運転時における暖房熱源として気液分離器から供給される高温の1次冷媒蒸気の保有する熱を温熱熱交換器により2次冷媒へ伝達するようにしているため、冷房運転時においても、温熱熱交換器を流れる2次冷媒は、高温の1次冷媒蒸気にさらされることとなる。この場合、2次冷媒として水を用いている空冷吸収式冷凍装置においては、2次冷媒回路を循環する水が高圧となるおそれがある点を除いてあまり問題はない。なお、循環水の高圧化を防止するために、冷水が得られる蒸発器と温熱熱交換器とを直列に接続したものがある。
【0005】
ところが、2次冷媒としてフロン系冷媒(例えば、R407c等の混合冷媒)を用いた場合、空冷吸収式冷凍装置を上記構成のままとすると、冷房運転時において温熱熱交換器に高温の1次冷媒蒸気(150℃以上)が供給されることとなるため、2次冷媒であるフロン系冷媒が高温にさらされることとなる。すると、フロン系冷媒が分解してしまうという不具合が生じる。
【0006】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、冷房運転時における2次冷媒の異常過熱を防止することにより、2次冷媒にフロン系冷媒を用いたとしても冷媒分解が生じないようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の第1の基本構成では、上記課題を解決するための手段として、1次冷媒が循環し、高温再生器1、気液分離器4、暖房熱源を得るための温熱熱交換器5、低温再生器6、空冷凝縮器9、冷房熱源を得るための蒸発器12および空冷吸収器15を順次接続してなる1次冷媒回路Xと、2次冷媒yが循環し、前記温熱熱交換器5、利用側熱交換器17および前記蒸発器12を順次接続してなる2次冷媒回路Yとを備えた空冷吸収式冷凍装置において、前記2次冷媒yとしてフロン系冷媒を採用するとともに、前記低温再生器6における1次冷媒出口と前記気液分離器4との間に、前記温熱熱交換器5を介設し且つ該温熱熱交換器5とを連通する凝縮液還流回路21に、冷房運転時に閉弁し、暖房運転時に開弁する開閉弁25を介設している。
【0008】
上記のように構成したことにより、冷房運転時においては、低温再生器6を通過して飽和した蒸気(100℃程度)が温熱熱交換器5に流入するため、温熱熱交換器5の温度が100℃程度に抑えられることとなる。従って、温熱熱交換器5における2次冷媒yの異常過熱が防止され、2次冷媒yとして用いられているフロン系冷媒の分解が防止されることとなり、装置の信頼性を確保することができる。また、暖房運転時においては、気液分離器4から低温再生器6を経て温熱熱交換器5へ1次冷媒蒸気a(130℃程度)が供給されることとなり、該1次冷媒蒸気aの保有する熱が暖房熱源として2次冷媒yへ伝達されることとなる。従って、暖房運転時における成績係数(COP)の低下を防止することができる。
【0009】
本願発明の第1の基本構成において、前記凝縮液還流回路21に、前記開閉弁25に代えて液シール部30を設けた場合、開閉弁25を省略できることとなり、コストダウンに寄与する。
【0010】
本願発明の第2の基本構成では、上記課題を解決するための手段として、1次冷媒が循環し、高温再生器1、気液分離器4、暖房熱源を得るための温熱熱交換器5、低温再生器6、空冷凝縮器9、冷房熱源を得るための蒸発器12および空冷吸収器15を順次接続してなる1次冷媒回路Xと、2次冷媒yが循環し、前記温熱熱交換器5、利用側熱交換器17および前記蒸発器12を順次接続してなる2次冷媒回路Yとを備えた空冷吸収式冷凍装置において、前記2次冷媒yとしてフロン系冷媒を採用するとともに、前記低温再生器6における吸収液通路6aに、前記2次冷媒yが供給される温熱熱交換器5の熱交換部を配設している。
【0011】
上記のように構成したことにより、冷房運転時においては、低温再生器6における吸収液温度は飽和蒸気(100℃程度)と同等となっているため、温熱熱交換器5の温度が100℃程度に抑えられることとなる。従って、温熱熱交換器5における2次冷媒yの異常過熱が防止され、2次冷媒yとして用いられているフロン系冷媒の分解が防止されることとなり、装置の信頼性を確保することができる。また、暖房運転時においては、気液分離器4から低温再生器6に供給される吸収液(130℃程度)の保有する熱が暖房熱源として2次冷媒yへ伝達されることとなる。従って、暖房運転時における成績係数(COP)の低下を防止することができる。
【0012】
本願発明の第2の基本構成において、前記気液分離器4から前記低温再生器6へ供給される中間濃溶液と前記空冷吸収器15から前記気液分離器4へ還流される吸収希溶液とを熱交換させる高温溶液熱交換器7と、前記中間濃溶液が流通する配管に、前記高温溶液熱交換器7をバイパスし且つ暖房運転時にのみ開通するバイパス回路32とを設けた場合、暖房運転時において低温再生器6へは高温溶液熱交換器7をバイパスした(即ち、高温溶液熱交換器7において吸収希溶液cに熱回収されない)中間濃溶液bが供給されることとなり、冷房運転時において高温再生器1へ還流される吸収希溶液cへの熱回収を有効に行いつつ、暖房運転時における成績係数(COP)の低下を防止することができる。
【0013】
本願発明の第3の基本構成では、上記課題を解決するための手段として、1次冷媒が循環し、高温再生器1、気液分離器4、暖房熱源を得るための温熱熱交換器5、低温再生器6、空冷凝縮器9、冷房熱源を得るための蒸発器12および空冷吸収器15を順次接続してなる1次冷媒回路Xと、2次冷媒yが循環し、前記温熱熱交換器5、利用側熱交換器17および前記蒸発器12を順次接続してなる2次冷媒回路Yとを備えた空冷吸収式冷凍装置において、前記2次冷媒yとしてフロン系冷媒を採用するとともに、前記気液分離器4から前記低温再生器6へ供給される中間濃溶液bと前記空冷吸収器15から前記気液分離器4へ還流される吸収希溶液cとを熱交換させる高温溶液熱交換器7を付設し且つ該高温溶液熱交換器7の下流側に前記温熱熱交換器5を配設する一方、前記温熱熱交換器5における1次冷媒通路の出口を、前記気液分離器4からの1次冷媒蒸気aが供給されるとともに前記温熱熱交換器5より高位であって前記気液分離器4と同一高さもしくはそれより低位に配置された暖房用吸収器53を介して前記高温再生器1に接続している。
【0014】
上記のように構成したことにより、冷房運転時においては、高温溶液熱交換器7の下流側の吸収液温度は高温溶液熱交換器7における熱回収により130℃程度となっているため、温熱熱交換器5の温度が130℃程度に抑えられることとなる。従って、温熱熱交換器5における2次冷媒yの異常過熱が防止され、2次冷媒yとして用いられているフロン系冷媒の分解が防止されることとなり、装置の信頼性を確保することができる。また、暖房運転時においては、気液分離器4から高温溶液熱交換器7を通過した中間濃溶液b(130℃程度)の保有する熱が暖房熱源として2次冷媒yへ伝達されることとなる。従って、暖房運転時における成績係数(COP)の低下を防止することができる。しかも、暖房運転時において温熱熱交換器5の1次冷媒通路に供給された吸収濃溶液bが暖房吸収器53に入り、そこで1次冷媒蒸気aを吸収して吸収希溶液cとなって高温再生器1へ還流されるようにしているので、暖房運転時における1次冷媒の搬送をスムーズに行うことができる。
【0015】
本願発明の第3の基本構成において、前記温熱熱交換器5と前記高温溶液熱交換器7とを一体化した場合、コストダウンを図ることができる。
【発明の実施の形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの好適な実施の形態および参考例について詳述する。
【0017】
以下の各実施の形態および参考例においては、吸収液として例えば臭化リチウム水溶液(LiBr水溶液)が採用され、1次冷媒回路Xを循環する1次冷媒として水および水蒸気が採用され、2次冷媒回路Yを循環する2次冷媒yとしてフロン系冷媒(例えば、R407c等の混合冷媒)が採用されている。
【0018】
第1の実施の形態(請求項1に対応)
図1には、本願発明の第1の実施の形態にかかる空冷吸収式冷凍装置の全体的な冷凍システムの構成が示されている。
【0019】
図1において、符号1は高温再生器であり、ガスバーナ等の加熱源2を備えている。該高温再生器1の上方には、沸騰気液通路3を介して連通された気液分離器4が設けられている。前記高温再生器1においては、吸収希溶液c(即ち、臭化リチウム希溶液)を加熱沸騰させて、沸騰気液通路3を介して上方に位置する気液分離器4に供給し、ここで1次冷媒蒸気である水蒸気aと吸収濃溶液b(即ち、臭化リチウム濃溶液)とに分離再生するようになっている。
【0020】
前記臭化リチウム希溶液cは、後に詳述する空冷吸収器15において吸収濃溶液である臭化リチウム濃溶液bに1次冷媒凝縮液である水dを吸収して得られ、低温溶液熱交換器14および高温溶液熱交換器7を経て予熱されて気液分離器4に供給され、その後高温再生器1へ還流されることとなっている。
【0021】
前記気液分離器4において分離された水蒸気aは低温再生器6に送られる。一方、前記気液分離器4において分離された臭化リチウムの中間濃溶液bは、前記高温溶液熱交換器7において前記した臭化リチウム希溶液cと熱交換した後に前記低温再生器6の吸収液通路6aへ供給される。なお、低温再生器6に供給される中間濃溶液bの温度は130℃程度とされる。符号8は排ガスを排出するための排ガス通路である。
【0022】
前記低温再生器6においては、気液分離器4から供給された水蒸気aと中間濃溶液bとを熱交換させることにより、水蒸気aを凝縮させるとともに中間濃溶液b中に含まれる残余水分を蒸発させてさらに高濃度の臭化リチウム溶液をとりだす。
【0023】
前記低温再生器6において中間濃溶液bから蒸発された水蒸気aは、空冷凝縮器9に送られて凝縮液化されて1次冷媒凝縮液(即ち、凝縮水d)となり冷媒タンク10に溜められる。また、前記低温再生器6において凝縮液化された凝縮水dも空冷凝縮器9の下端において合流した後冷媒タンク10に溜められる。なお、低温再生器6を出た水蒸気aは飽和蒸気(100℃程度)となっている。
【0024】
前記冷媒タンク10に溜められた凝縮水dは、冷媒ポンプ11により蒸発器12の散布装置13へ供給される。また、前記低温再生器6から取り出された臭化リチウム濃溶液bは、低温溶液熱交換器14において前記した臭化リチウム希溶液cと熱交換した後に空冷吸収器15の吸収液分配容器16に供給される。
【0025】
前記蒸発器12は、利用側熱交換器17を含む2次冷媒回路Yを循環する2次冷媒y(例えば、R407C等)と冷媒タンク10から送られる凝縮水dとを熱交換させるものであり、冷房運転時の冷熱源を得る作用をなす。なお、蒸発器12において蒸発しきれなかった凝縮水dは、凝縮水還流回路29を介して冷媒ポンプ11の上流側に還流される。
【0026】
そして、前記空冷吸収器15から取り出された臭化リチウム希溶液cは、溶液ポンプ18により前述したように低温溶液熱交換器14および高温溶液熱交換器7を経て気液分離器4に戻される。
【0027】
しかして、本実施の形態においては、低温再生器6における1次冷媒出口(換言すれば、蒸気出口6b)と前記気液分離器4との間には、暖房熱源を得るための温熱熱交換器5が介設されており、該温熱熱交換器5と該気液分離器4とを連通する凝縮液還流回路21に、冷房運転時に閉弁し、暖房運転時に開弁する開閉弁25が介設されている。この温熱熱交換器5は、後に詳述する利用側熱交換器17を含む2次冷媒回路Yを循環する2次冷媒y(例えば、R407c)と低温再生器6を通過した飽和水蒸気(100℃程度)とが熱交換して暖房運転時の温熱源を得る作用をなす。そして、温熱熱交換器5において凝縮した1次冷媒凝縮液d(即ち、凝縮水)は凝縮液還流回路21を介して前記気液分離器4へ還流される。なお、低温再生器6の蒸気出口6bから温熱熱交換器5に至る配管に、冷房運転時に閉弁され、暖房運転時に開弁される開閉弁を介設してもよい。この温熱熱交換器5としては、シェルアンドコイル式熱交換器、シェルアンドチューブ式熱交換器、二重管式熱交換器、プレート式熱交換器等が採用される。
【0028】
図面中、符号26,27は冷暖切換弁であり、それぞれ冷房運転時には開弁され、暖房運転時には閉弁されることとなっている。
【0029】
上記のように構成された空冷吸収式冷凍装置は、次のように作用する。
(I) 冷房運転時
開閉弁25を閉弁し、冷暖切換弁26,27を開弁した状態において、加熱源であるガスバーナ2に点火して高温再生器1を作動させると、沸騰気液が気液分離器4へ供給され、ここで水蒸気aと臭化リチウムの中間濃溶液bとに分離され、水蒸気aは低温再生器6へ、中間濃溶液bは高温溶液熱交換器7において臭化リチウム希溶液cを加熱した後低温再生器6へ供給される。
【0030】
低温再生器6においては、中間濃溶液bが水蒸気aとの熱交換により加熱されて水蒸気aを蒸発させ、自身さらに濃縮される。ここで、中間濃溶液bとの熱交換により凝縮した凝縮水dは空冷凝縮器9の下部を経て冷媒タンク10に溜め込まれる。一方、低温再生器6において中間濃溶液bから蒸発した水蒸気aは空冷凝縮器9において凝縮されて凝縮水dとなり、冷媒タンク10に溜め込まれる。
【0031】
冷媒タンク10に溜められた凝縮水dは、冷媒ポンプ11により散布装置13へ供給された後、蒸発器12に散布され、ここで、2次冷媒yと熱交換して自身蒸発するとともに、2次冷媒yを冷却する。かくして冷却された2次冷媒yは利用側熱交換器17において冷房用の冷熱源として利用される。
【0032】
一方、前記低温再生器6から取り出された臭化リチウム濃溶液bは、低温溶液熱交換器14において前記した臭化リチウム希溶液cと熱交換した後に吸収液分配容器16を経て空冷吸収器15に供給され、前記蒸発器12で得られた水蒸気aを吸収し、臭化リチウム希溶液cとなる。
【0033】
そして、前記空冷吸収器15から取り出された臭化リチウム希溶液cは、溶液ポンプ18により前述したように低温溶液熱交換器14および高温溶液熱交換器7を経る過程において余熱されて気液分離器4に戻される。
【0034】
上記したように、冷房運転時においては、低温再生器6を通過して飽和した水蒸気a(100℃程度)が温熱熱交換器5に流入するため、温熱熱交換器5の温度が100℃程度に抑えられることとなる。従って、温熱熱交換器5における2次冷媒yの異常過熱が防止され、2次冷媒yとして用いられているフロン系冷媒の分解が防止されることとなり、装置の信頼性を確保することができる。
(II) 暖房運転時
開閉弁25を開弁し、冷暖切換弁26,27を閉弁した状態において、加熱源であるガスバーナ2に点火して高温再生器1を作動させると、沸騰気液が気液分離器4へ供給され、ここで水蒸気aと臭化リチウムの中間濃溶液bとに分離され、水蒸気aは低温再生器6を経て温熱熱交換器5へ供給される。
【0035】
そして、温熱熱交換器5においては、2次冷媒yとの熱交換により飽和水蒸気aが凝縮され、得られた凝縮水は凝縮液循環回路21を介して気液分離器4へ還流され、その後高温再生器1へ戻される。つまり、飽和水蒸気aの保有する熱は、2次冷媒yに暖房用の温熱源として与えられるのである。
【0036】
上記したように、暖房運転時においては、温熱熱交換器5へ低温再生器6から出た飽和水蒸気aが供給され、該飽和水蒸気aの保有する熱が暖房熱源として2次冷媒yへ伝達されることとなる。従って、暖房運転時における成績係数(COP)の低下を防止することができる。
【0037】
第2の実施の形態(請求項2に対応)
図2には、本願発明の第2の実施の形態にかかる空冷吸収式冷凍装置の全体的な冷凍システムの構成が示されている。
【0038】
この場合、温熱熱交換器5と気液分離器4とを連絡する凝縮液還流回路21には、開閉弁25に代えてU字管からなる液シール部30が介設されている。該液シール部30は、冷房運転時において温熱熱交換器5において凝縮された凝縮水を封入し、低温再生器6から温熱熱交換器5を経て気液分離器4へ飽和水蒸気が短絡してしまうのを防止するものであり、開閉弁と同等の作用をなす。このようにすると、開閉弁が不要となるので、コストダウンに寄与することとなる。その他の構成および作用効果は第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0039】
第3の実施の形態(請求項3、4に対応)
図3には、本願発明の第3の実施の形態にかかる空冷吸収式冷凍装置の全体的な冷凍システムの構成が示されている。
【0040】
この場合、温熱熱交換器5の熱交換部は、低温再生器6における吸収液通路6aに配設されている。また、冷暖切換弁26は省略され、中間濃溶液bが流通する配管31には、高温溶液熱交換器7をバイパスし且つ暖房運転時にのみ開通するバイパス回路32が設けられている。該バイパス回路32には、冷房運転時に閉弁し、暖房運転時に開弁する開閉弁33が介設されている。さらに、低温再生器6から低温溶液熱交換器14に至る配管34から分岐して高温再生器1に至る分岐回路35が付設されており、該分岐回路35には、冷房運転時に閉弁し、暖房運転時に開弁する開閉弁36が介設されている。符号37は低温溶液熱交換器14から吸収液分配容器16に至る配管に介設された冷暖切換用の開閉弁である。
【0041】
上記のように構成したことにより、冷房運転時においては、開閉弁33,36を閉弁し、冷暖切換弁27および開閉弁37を開弁した状態で高温再生器1を駆動させる。すると、低温再生器6の吸収液通路6aには、気液分離器4により分離された中間濃溶液bが高温溶液熱交換器7を経て供給されることとなり、吸収液通路6aの温度は飽和蒸気(100℃程度)と同等となる。従って、温熱熱交換器5の温度が100℃程度に抑えられることとなり、温熱熱交換器5における2次冷媒yの異常過熱が防止される結果、2次冷媒yとして用いられているフロン系冷媒の分解が防止され、装置の信頼性を確保することができる。
【0042】
一方、暖房運転時においては、冷暖切換弁27および開閉弁37を閉弁し、開閉弁33,36を開弁した状態で高温再生器1を駆動させる。すると、低温再生器6の吸収液通路6aには、気液分離器4により分離された中間濃溶液bが直接供給されることとなり、吸収液通路6aの温度は130℃程度となる。従って、暖房運転時においては、気液分離器4から低温再生器6に供給される吸収液(130℃程度)の保有する熱が暖房熱源として2次冷媒yへ伝達されることとなり、暖房運転時における成績係数(COP)の低下を防止することができる。なお、低温再生器6における2次冷媒yとの熱交換により冷却された中間濃溶液bは、配管34および分岐回路35を介して高温再生器1へ還流される。
【0043】
その他の構成および作用効果は第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0044】
第1の参考例
図4には、第1の参考例にかかる空冷吸収式冷凍装置の全体的な冷凍システムの構成が示されている。
【0045】
この場合、温熱熱交換器5は、高温溶液熱交換器7の下流側に配設されている。また、この温熱熱交換器5から低温再生器6に至る配管38における冷暖切換弁26の上流側から分岐して高温再生器1へ至る分岐回路39が付設されており、該分岐回路39には、冷房運転時に閉弁し、暖房運転時に開弁する開閉弁40が介設されている。
【0046】
上記のように構成したことにより、冷房運転時においては、開閉弁40を閉弁し、冷暖切換弁26,27を開弁した状態で高温再生器1を駆動させる。すると、温熱熱交換器5には、気液分離器4により分離された中間濃溶液bが高温溶液熱交換器7を経て供給されることとなり、温熱熱交換器5の温度が高温溶液熱交換器7における熱回収により130℃程度に抑えられることとなる。従って、温熱熱交換器5における2次冷媒yの異常過熱が防止されることとなり、2次冷媒yとして用いられているフロン系冷媒の分解が防止され、装置の信頼性を確保することができる。
【0047】
一方、暖房運転時においては、冷暖切換弁26,27を閉弁し、開閉弁40を開弁した状態で高温再生器1を駆動させる。すると、温熱熱交換器5には、気液分離器4により分離された中間濃溶液bが高温溶液熱交換器7を経て供給されるが、この時高温溶液熱交換器7には吸収希溶液cが供給されていないため、温熱熱交換器5の温度は130℃程度となる。従って、暖房運転時においては、気液分離器4から供給される吸収液(130℃程度)の保有する熱が暖房熱源として2次冷媒yへ伝達されることとなり、暖房運転時における成績係数(COP)の低下を防止することができる。なお、温熱熱交換器5における2次冷媒yとの熱交換により冷却された中間濃溶液bは、分岐回路39を介して高温再生器1へ還流される。
【0048】
その他の構成および作用効果は第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0049】
第2の参考例
図5には、第2の参考例にかかる空冷吸収式冷凍装置の全体的な冷凍システムの構成が示されている。
【0050】
この場合、温熱熱交換器5と高温溶液熱交換器7とは一体化されて熱交換器ユニットAとされている。該熱交換器ユニットAは、図6に示すように、複数の伝熱プレート41,41・・を積層し、これらの伝熱プレート41,41・・間に通路42A,42B・・を形成したプレート式熱交換器として構成されており、通路42A,42Cに中間濃溶液bを流通させ、通路42Bに吸収希溶液cを流通させ、通路42Dに2次冷媒yを流通させるようにしている。このようにすれば、大幅なコストダウンを図ることができる。その他の構成および作用効果は第4の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0051】
第3の参考例
図7には、第3の参考例にかかる空冷吸収式冷凍装置の全体的な冷凍システムの構成が示されている。
【0052】
この場合、第2の参考例にかかる空冷吸収式冷凍装置における低温再生器6の吸収液通路6aに第2の温熱熱交換器43を配設している。また、冷暖切換弁26,27は、低温再生器6における吸収液通路6aの上部から空冷凝縮器9へ至る配管44および冷媒ポンプ11から吸収液分配容器16における散布装置13へ至る配管45から分岐して吸収液分配容器16の底部に至る配管46にそれぞれ介設されている。
【0053】
上記のように構成したことにより、冷房運転時においては、冷暖切換弁26を開弁し、冷暖切換弁27を閉弁した状態で、高温再生器1を駆動させと、温熱熱交換器5には、気液分離器4により分離された中間濃溶液bが高温溶液熱交換器7を経て供給されることとなり、温熱熱交換器5の温度が130℃程度に抑えられることとなる。従って、温熱熱交換器5における2次冷媒yの異常過熱が防止されることとなり、2次冷媒yとして用いられているフロン系冷媒の分解が防止され、装置の信頼性を確保することができる。また、低温再生器6の吸収液通路6aには、気液分離器4により分離された中間濃溶液bが高温溶液熱交換器7を経て供給されることとなり、吸収液通路6aの温度は飽和蒸気(100℃程度)と同等となる。従って、第2の温熱熱交換器43の温度が100℃程度に抑えられることとなり、第2の温熱熱交換器43においても、2次冷媒yの異常過熱が防止される結果、2次冷媒yとして用いられているフロン系冷媒の分解が防止され、装置の信頼性を確保することができる。
【0054】
一方、暖房運転時においては、冷暖切換弁26を閉弁し、冷暖切換弁27を開弁した状態で高温再生器1を駆動させと、温熱熱交換器5には、気液分離器4により分離された中間濃溶液bが高温溶液熱交換器7を経て供給され、温熱熱交換器5の温度は130℃程度となる。従って、暖房運転時において、温熱熱交換器5では気液分離器4から高温溶液熱交換器7を経て供給される吸収液(130℃程度)の保有する熱が暖房熱源として2次冷媒yへ伝達されるとともに、低温再生器6においては、気液分離器4から供給された水蒸気aおよび温熱熱交換器5を経て供給された中間濃溶液bの保有する熱が暖房熱源として2次冷媒yに伝達される。従って、暖房運転時における成績係数(COP)の低下を防止することができる。なお、低温再生器6から出た凝縮水dは冷媒タンク10、冷媒ポンプ11を経て配管46から吸収液分配容器16の底部に送られる一方、中間濃溶液bは、そのまま冷媒分配容器16の底部へ送られる。そして、冷媒分配容器16において合流された凝縮水dと中間濃溶液bとは、空冷吸収器15、溶液ポンプ18、低温溶液熱交換器14および高温溶液熱交換器7を経て気液分離器4へ還流される。
【0055】
その他の構成および作用効果は第2の参考例におけると同様なので説明を省略する。
【0056】
第4の実施の形態(請求項5、6に対応)
図8には、本願発明の第4の実施の形態にかかる空冷吸収式冷凍装置の全体的な冷凍システムの構成が示されている。
【0057】
この場合、温熱熱交換器5と高温溶液熱交換器7とは一体化されて熱交換器ユニットAとされている。該熱交換器ユニットAは、図9に示すように、複数の伝熱プレート41,41・・を積層し、これらの伝熱プレート41,41・・間に通路42A,42B・・を形成したプレート式熱交換器として構成されており、通路42A,42Cに吸収吸収液cを流通させ、通路42Bに中間濃溶液bを流通させ、通路42Dに2次冷媒yを流通させるようにしている。また、高温溶液熱交換器7から低温再生器6に至る配管38から分岐して低温溶液熱交換器14と高温溶液熱交換器7との間の吸収希溶液配管48に至る分岐回路49が付設されており、該分岐回路49には、冷房運転時に閉弁し、暖房運転時に開弁する開閉弁50が介設されている。さらに、高温溶液熱交換器7から気液分離器4に至る吸収希溶液配管51(換言すれば、温熱熱交換器5における1次冷媒通路)から分岐して高温再生器1に至る分岐回路52が付設されており、該分岐回路52には、前記温熱熱交換器5より高位であって前記気液分離器4と同一高さもしくはそれより低位に配置され且つ前記気液分離器4からの水蒸気aが供給される暖房用吸収器53が設けられている。符号54は冷房運転時に開弁され、暖房運転時に閉弁する冷暖切換弁である。その他の構成は第2の参考例におけると同様なので説明を省略する。
【0058】
上記のように構成したことにより、冷房運転時においては、冷暖切換弁26,27,54を開弁し、開閉弁50を閉弁した状態で高温再生器1を駆動させると、温熱熱交換器5には、気液分離器4により分離された中間濃溶液bが高温溶液熱交換器7を経て供給されることとなり、温熱熱交換器5の温度が130℃程度に抑えられることとなる。従って、温熱熱交換器5における2次冷媒yの異常過熱が防止されることとなり、2次冷媒yとして用いられているフロン系冷媒の分解が防止され、装置の信頼性を確保することができる。
【0059】
一方、暖房運転時においては、冷暖切換弁26,27,54を閉弁し、開閉弁50を開弁した状態で高温再生器1を駆動させと、温熱熱交換器5には、気液分離器4により分離された中間濃溶液bが高温溶液熱交換器7を経て供給されるが、この時高温溶液熱交換器7には吸収希溶液cが供給されていないため、温熱熱交換器5の温度は130℃程度となる。従って、暖房運転時においては、気液分離器4から供給される吸収液(130℃程度)の保有する熱が暖房熱源として2次冷媒yへ伝達されることとなり、暖房運転時における成績係数(COP)の低下を防止することができる。なお、温熱熱交換器5における2次冷媒yとの熱交換により冷却された中間濃溶液bは、分岐回路49、吸収希溶液配管48、高温溶液熱交換器7、吸収希溶液配管51および分岐回路52を介して暖房吸収器53に供給され、ここで、気液分離器4から供給された水蒸気aを吸収して吸収希溶液cとなって高温再生器1へ還流される。このようにすると、暖房運転時における1次冷媒の搬送をスムーズに行うことができる。その他の作用効果は第2の参考例におけると同様なので説明を省略する。
【発明の効果】
【0060】
本願発明の第1の基本構成によれば、冷房運転時において、暖房熱源を得るための温熱熱交換器5を低温再生器6の1次冷媒出口側と気液分離器4との間に接続するようにしているので、温熱熱交換器5の温度が飽和蒸気の温度(100℃程度)に抑えられることとなり、温熱熱交換器5における2次冷媒yの異常過熱が防止され、2次冷媒yとして用いられているフロン系冷媒の分解が防止される結果、装置の信頼性を確保することができるという優れた効果がある。また、暖房運転時においては、気液分離器4から低温再生器6を経て温熱熱交換器5へ1次冷媒蒸気a(130℃程度)が供給されることとなっているので、該1次冷媒蒸気aの保有する熱が暖房熱源として2次冷媒yへ伝達されることとなり、暖房運転時における成績係数(COP)の低下を防止することができるという効果もある。
【0061】
本願発明の第1の基本構成において、前記凝縮液還流回路21に、前記開閉弁25に代えて液シール部30を設けた場合、開閉弁25を省略できることとなり、コストダウンに寄与する。
【0062】
本願発明の第2の基本構成によれば、温熱熱交換器5の熱交換部を、低温再生器6における吸収液通路6aに配設して、冷房運転時において、温熱熱交換器5の温度が100℃程度に抑えられるようにしたので、温熱熱交換器5における2次冷媒yの異常過熱が防止され、2次冷媒yとして用いられているフロン系冷媒の分解が防止されることとなり、装置の信頼性を確保することができるという優れた効果がある。また、暖房運転時においては、気液分離器4から低温再生器6に供給される吸収液(130℃程度)の保有する熱が暖房熱源として2次冷媒yへ伝達されるようにしたので、暖房運転時における成績係数(COP)の低下を防止することができるという効果もある。
【0063】
本願発明の第2の基本構成において、前記気液分離器4から前記低温再生器6へ供給される中間濃溶液bと前記空冷吸収器15から前記気液分離器4へ還流される吸収希溶液cとを熱交換させる高温溶液熱交換器7と、前記中間濃溶液bが流通する配管31に、前記高温溶液熱交換器7をバイパスし且つ暖房運転時にのみ開通するバイパス回路32とを設けた場合、暖房運転時において低温再生器6へは高温溶液熱交換器7をバイパスした(即ち、高温溶液熱交換器7において吸収希溶液cに熱回収されない)中間濃溶液bが供給されることとなり、冷房運転時における高温再生器1へ還流される吸収希溶液cへの熱回収を有効に行いつつ、暖房運転時における成績係数(COP)の低下を防止することができる。
【0064】
本願発明の第3の基本構成によれば、気液分離器4から低温再生器6へ供給される中間濃溶液bと空冷吸収器15から前記気液分離器4へ還流される吸収希溶液cとを熱交換させる高温溶液熱交換器7の下流側に温熱熱交換器5を配設して、冷房運転時において、温熱熱交換器5の温度が高温溶液熱交換器7の下流側の吸収液温度130℃程度と同等に抑えられるようにしたので、温熱熱交換器5における2次冷媒yの異常過熱が防止され、2次冷媒yとして用いられているフロン系冷媒の分解が防止されることとなり、装置の信頼性を確保することができるという優れた効果がある。また、暖房運転時においては、気液分離器4から高温溶液熱交換器7を通過した中間濃溶液b(130℃程度)の保有する熱が暖房熱源として2次冷媒yへ伝達されるようにしたので、暖房運転時における成績係数(COP)の低下を防止することができるという効果もある。しかも、暖房運転時において温熱熱交換器5の1次冷媒通路に供給された吸収濃溶液bが暖房吸収器53に入り、そこで1次冷媒蒸気aを吸収して吸収希溶液cとなって高温再生器1へ還流されるようにしているので、暖房運転時における1次冷媒の搬送をスムーズに行うことができるという効果もある。
【0065】
本願発明の第3の基本構成において、前記温熱熱交換器5と前記高温溶液熱交換器7とを一体化した場合、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の第1の実施の形態にかかる空冷吸収式冷凍装置の冷凍サイクルを示す回路図である。
【図2】 本願発明の第2の実施の形態にかかる空冷吸収式冷凍装置の冷凍サイクルを示す回路図である。
【図3】 本願発明の第3の実施の形態にかかる空冷吸収式冷凍装置の冷凍サイクルを示す回路図である。
【図4】 本願発明の第1の参考例にかかる空冷吸収式冷凍装置の冷凍サイクルを示す回路図である。
【図5】 本願発明の第2の参考例にかかる空冷吸収式冷凍装置の冷凍サイクルを示す回路図である。
【図6】 本願発明の第2の参考例にかかる空冷吸収式冷凍装置における熱交換器ユニットの内部を透視した斜視図である。
【図7】 本願発明の第3の参考例にかかる空冷吸収式冷凍装置の冷凍サイクルを示す回路図である。
【図8】 本願発明の第4の実施の形態にかかる空冷吸収式冷凍装置の冷凍サイクルを示す回路図である。
【図9】 本願発明の第4の実施の形態にかかる空冷吸収式冷凍装置における熱交換器ユニットの内部を透視した斜視図である。
【符号の説明】
1は高温再生器、4は気液分離器、5は温熱熱交換器、6は低温再生器、6aは吸収液通路、9は空冷凝縮器、11は冷媒ポンプ、12は蒸発器、15は空冷吸収器、17は利用側熱交換器、18は溶液ポンプ、21は凝縮液還流回路、25は開閉弁、30は液シール部、32はバイパス回路、33は開閉弁、43は第2の温熱熱交換器、53は暖房用吸収器、aは1次冷媒蒸気(水蒸気)、bは吸収濃溶液(臭化リチウム濃溶液)、cは吸収希溶液(臭化リチウム希溶液)、dは1次冷媒凝縮液(凝縮水)、Xは1次冷媒回路、Yは2次冷媒回路、yは2次冷媒。
Claims (6)
- 1次冷媒が循環し、高温再生器(1)、気液分離器(4)、暖房熱源を得るための温熱熱交換器(5)、低温再生器(6)、空冷凝縮器(9)、冷房熱源を得るための蒸発器(12)および空冷吸収器(15)を順次接続してなる1次冷媒回路(X)と、2次冷媒(y)が循環し、前記温熱熱交換器(5)、利用側熱交換器(17)および前記蒸発器(12)を順次接続してなる2次冷媒回路(Y)とを備えた空冷吸収式冷凍装置であって、前記2次冷媒(y)としてフロン系冷媒を採用するとともに、前記低温再生器(6)における1次冷媒出口と前記気液分離器(4)との間には、前記温熱熱交換器(5)を介設し且つ該温熱熱交換器(5)と気液分離器(4)とを連通する凝縮液還流回路(21)には、冷房運転時に閉弁し、暖房運転時に開弁する開閉弁(25)を介設したことを特徴とする空冷吸収式冷凍装置。
- 前記凝縮液還流回路(21)には、前記開閉弁(25)に代えて液シール部(30)を設けたことを特徴とする前記請求項1記載の空冷吸収式冷凍装置。
- 1次冷媒が循環し、高温再生器(1)、気液分離器(4)、暖房熱源を得るための温熱熱交換器(5)、低温再生器(6)、空冷凝縮器(9)、冷房熱源を得るための蒸発器(12)および空冷吸収器(15)を順次接続してなる1次冷媒回路(X)と、2次冷媒(y)が循環し、前記温熱熱交換器(5)、利用側熱交換器(17)および前記蒸発器(12)を順次接続してなる2次冷媒回路(Y)とを備えた空冷吸収式冷凍装置であって、前記2次冷媒(y)としてフロン系冷媒を採用するとともに、前記低温再生器(6)における吸収液通路(6a)には、前記2次冷媒(y)が供給される温熱熱交換器(5)の熱交換部を配設したことを特徴とする空冷吸収式冷凍装置。
- 前記気液分離器(4)から前記低温再生器(6)へ供給される中間濃溶液(b)と前記空冷吸収器(15)から前記気液分離器(4)へ還流される吸収希溶液(c)とを熱交換させる高温溶液熱交換器(7)と、前記中間濃溶液(b)が流通する配管(31)には、前記高温溶液熱交換器(7)をバイパスし且つ暖房運転時にのみ開通するバイパス回路(32)とを設けたことを特徴とする前記請求項3記載の空冷吸収式冷凍装置。
- 1次冷媒が循環し、高温再生器(1)、気液分離器(4)、暖房熱源を得るための温熱熱交換器(5)、低温再生器(6)、空冷凝縮器(9)、冷房熱源を得るための蒸発器(12)および空冷吸収器(15)を順次接続してなる1次冷媒回路(X)と、2次冷媒(y)が循環し、前記温熱熱交換器(5)、利用側熱交換器(17)および前記蒸発器(12)を順次接続してなる2次冷媒回路(Y)とを備えた空冷吸収式冷凍装置であって、前記2次冷媒(y)としてフロン系冷媒を採用するとともに、前記気液分離器(4)から前記低温再生器(6)へ供給される中間濃溶液(b)と前記空冷吸収器(15)から前記気液分離器(4)へ還流される吸収希溶液(c)とを熱交換させる高温溶液熱交換器(7)を付設し且つ該高温溶液熱交換器(7)の下流側に前記温熱熱交換器(5)を配設する一方、前記温熱熱交換器(5)における1次冷媒通路の出口を、前記気液分離器(4)からの1次冷媒蒸気(a)が供給されるとともに前記温熱熱交換器(5)より高位であって前記気液分離器(4)と同一高さもしくはそれより低位に配置された暖房用吸収器(53)を介して前記高温再生器(1)に接続したことを特徴とする空冷吸収式冷凍装置。
- 前記温熱熱交換器(5)と前記高温溶液熱交換器(7)とを一体化したことを特徴とする前記請求項5記載の空冷吸収式冷凍装置。
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