JP3741879B2 - 車両のドア構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のドア構造に係わり、観音開きタイプあるいはスライドタイプのドア構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
観音開きタイプ等の車両のドアにおいて、ドアのヒンジ側とは反対側の上部にアッパロックを下部にロアロックを備えたものは、例えば、特開昭57−44075号で公知である。このようなドアにおいて、図8乃至図10で示すように、ドア下部のインナパネル7に接合されているピラーリインフォースメント30にL字形のロアロックリインフォースメント40の背面を接合し、このロアロックリインフォースメント40の水平面にロアロック6を設置していた。尚、符号2はアウタパネルを示す。
【0003】
また、図6で示すように、ドアアウタパネル2に対する図略のドアインナパネルにはアウタハンドル8及びインサイドハンドル9とアッパロック5及びロアロック6とを連繋するコントロールリンク及びキャンセルレバー10が連結されている中継部材12を支持するためのロックコントロールリンクブラケット11に相当する110が図11で示すように、一端のみがインナパネル7に接合されているピラーリインフォースメント30に固着した構造であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来構造では、ドア閉まり方向荷重によってロアロックリインフォースメント40が剥離する傾向であることと、ドア下部におけるロアロック6周辺の強度が不足しており、ロールオーバでロアロックリインフォースメント40の変形によるロアロック6への悪影響を及ぼす恐れがある。
【0005】
また、ロックコントロールリンクブラケット110の部位においても剛性が低いため、ドアの閉まり具合に悪影響を及ぼしていた。さらに、ピラーリインフォースメント30は、その上部がアウタハンドル8の下部で開放されているため、アウタハンドル8から侵入する水が直接ロアロック6に滴下し、ロアロック6の錆び付きや低温時における凍結の恐れがあった。
【0006】
本発明の目的は、ドア下部におけるロアロック周辺及びロックコントロールリンクブラケットの部位の強度剛性を向上するとともに、ロアロックの錆び付きや凍結を防止した観音開きタイプの車両のドア構造を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は、ドアのヒンジ側とは反対側の上部にアッパロックを下部にロアロックを備えた車両のドアにおいて、前記ドアのヒンジ側とは反対側にハット形断面よりなる3面壁のピラーリンフォースメントを設け、このピラーリンフォースメントの下端部の前記3面壁の内側に対接する3面と前記ロアロックを設置する水平面とを有する縦断面がL字形のロアロックリインフォースメントを3面壁で接合したことを特徴とするものである。
【0008】
また、前記ピラーリンフォースメント又はピラーリンフォースメントとロアロックリインフォースメントをドアインナパネルに固着したことを特徴とするものである。
【0009】
さらに、前記ピラーリンフォースメントの上部を少なくともアウタハンドルの下方でドアインナパネルに接合したことを特徴とするものである。
【0010】
また、ロックコントロールリンクブラケットの一側端を前記ピラーリンフォースメントの一側端面に固着し、ロックコントロールリンクブラケットの他側端を前記ピラーリンフォースメントの他側端とともにドアインナパネルに固着したことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は観音開きタイプのドアであり、2はドアアウタパネルを示す。3はピラーリンフォースメントであり、図では省略しているドアインナパネルのドア1のヒンジ側とは反対側に接合されている。5はアッパロック、6はロアロックであり、8は前記アッパロック及びロアロック6を開閉操作するアウタハンドルを示す。
【0012】
本発明は、図2及び図3で示すように、前記ピラーリンフォースメント3は両側壁3a,3bと奥壁3cとからなるハット形断面の3面壁とし、このピラーリンフォースメント3の下端部に前記両側壁3a,3bと奥壁3cの内側に対接する両両側面4a,4b及び奥面4cの3面と、ロアロック6を設置する水平面4dとを有する縦断面がL字形のロアロックリインフォースメント4を3面壁で接合した構造である。
【0013】
前記ハット形断面のピラーリンフォースメント3は図3で示すように、ハット形の鍔に相当するフランジによってドアインナパネル7に固着される。尚、図示省略しているが前記ピラーリンフォースメント3に3面接合されているロアロックリインフォースメント4もピラーリンフォースメント3とともにドアインナパネル7に固着しても良い。
【0014】
また、前記ピラーリンフォースメント3の上部3dを図4で示すように、少なくともアウタハンドル8の下方でドアインナパネル7に接合し、前記上部3dによってアウタハンドル8から侵入する水が直接ロアロック6に滴下しないようにしている。
【0015】
さらに、図6で示すように、ドアアウタパネル2に対する図略のドアインナパネル7にはアウタハンドル8及びインサイドハンドル9とアッパロック5及びロアロック6とを連繋するコントロールリンク及びキャンセルレバー10が連結されている中継部材12を支持するためのロックコントロールリンクブラケット11を、その一側端を結合部材13を介してピラーリンフォースメント3の一側端面に固着し、その他側端を前記ピラーリンフォースメント3の他側端とともにドアインナパネル7に固着したものである。
【0016】
本発明は上記の通りの構造であるから、先ず、ドア下部におけるロアロック6周辺の構造を両側壁3a,3bと奥壁3cとからなるハット形断面の3面壁としたピラーリンフォースメント3に側面4a,4b及び奥面4cの3面と、ロアロック6を設置する水平面4dとを有する縦断面がL字形のロアロックリインフォースメント4を3面壁で接合した構造により、閉じ断面としているためロアロック6周辺の強度を向上し、これに伴ってドア閉まり性を向上する。また、ドア閉まり方向荷重に対して剪断面方向に作用し、ロアロックリインフォースメント4の剥離が防止される。
【0017】
また、ピラーリンフォースメント3の上部3d、少なくともアウタハンドル8の下方でドアインナパネル7に接合し、前記上部3dによってアウタハンドル8から侵入する水が直接ロアロック6に滴下しないようにした構造により、ロアロック6の錆び付きや低温時における凍結を防止する。
【0018】
さらに、ロックコントロールリンクブラケット11を、その一側端を結合部材13を介してピラーリンフォースメント3の一側端面に固着し、その他側端を前記ピラーリンフォースメント3の他側端とともにドアインナパネル7に固着した構造により、ロックコントロールリンクブラケット11の部位においても剛性が向上し、ドアの閉まり性を向上するとともに、ロックコントロールリンクブラケット11の組付け性の確保の両立が図られる。
【0019】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によると、センタピラーのない観音開きタイプの車両のドアにおける従来構造の問題点を全て解消した実益を有する車両のドアを提供することができる利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドア構造図。
【図2】図1のA矢視部の詳細斜視図。
【図3】図2のB−B線断面図。
【図4】図1のC−C線断面図。
【図5】図4のD−D線断面図。
【図6】アッパロック及びロアロックの開閉操作系の配置を示す図。
【図7】図6のE−E線断面図。
【図8】従来のロアロックリインフォースメント周辺の斜視図。
【図9】図8のF−F線断面図。
【図10】図8のG−G線断面図。
【図11】図6のE−E線における従来構造の断面図。
【符号の説明】
1 ドア
2 ドアアウタパネル
3 ピラーリンフォースメント
3a 側壁
3b 側壁
3c 奥壁
3d 上部
4 ロアロックリインフォースメント
4a 側面
4b 側面
4c 奥面
4d 水平面
5 アッパロック
6 ロアロック
7 ドアインナパネル
8 アウタハンドル
9 インサイドハンドル
10 キャンセルレバー
11 ロックコントロールリンクブラケット
12 中継部材
13 結合部材
Claims (4)
- ドアのヒンジ側とは反対側の上部にアッパロックを下部にロアロックを備えた車両のドアにおいて、
前記ドアのヒンジ側とは反対側にハット形断面よりなる3面壁のピラーリンフォースメントを設け、
このピラーリンフォースメントの下端部の前記3面壁の内側に対接する3面と前記ロアロックを設置する水平面とを有する縦断面がL字形のロアロックリインフォースメントを3面壁で接合したことを特徴とする車両のドア構造。 - 前記ピラーリンフォースメント又はピラーリンフォースメントとロアロックリインフォースメントをドアインナパネルに固着したことを特徴とする請求項1に記載の車両のドア構造。
- 前記ピラーリンフォースメントの上部を少なくともアウタハンドルの下方でドアインナパネルに接合したことを特徴とする請求項1に記載の車両のドア構造。
- ロックコントロールリンクブラケットの一側端を前記ピラーリンフォースメントの一側端面に固着し、ロックコントロールリンクブラケットの他側端を前記ピラーリンフォースメントの他側端とともにドアインナパネルに固着したことを特徴とする請求項1及び請求項2あるいは請求項3に記載の車両のドア構造。
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