JP3741842B2 - 真空蒸着装置、及び薄膜形成方法 - Google Patents

真空蒸着装置、及び薄膜形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜を形成する技術にかかり、特に、ドーバントを少量含有する有機薄膜や、蒸発の微量制御による薄膜を形成できる真空蒸着装置、及び薄膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機化合物と無機化合物とを比べた場合、有機化合物の方が反応系や特性が多様であり、また、低エネルギーで表面処理できることから、機能性有機薄膜が着目されている。
【0003】
機能性有機薄膜を利用するものには、有機EL素子、圧電センサ、焦電センサ、電気絶縁膜等、種々のものがあるが、これらのうち、有機EL素子はディスプレイパネルとして利用できることから近年非常に注目されている。
【0004】
図4の符号aに示したものは有機EL素子の概略構成図であり、ガラス基板b上に、透明導電膜から成るアノード電極膜c、P型の有機薄膜d、N型の有機薄膜e、カソード電極膜fがこの順で形成されている。この有機EL素子aのアノード電極膜cとカソード電極膜fとの間に電圧を印加すると、有機薄膜d、eの界面が発光し、ガラス基板bを透過したEL光gが外部に放射される。
【0005】
上述した有機薄膜d、eを形成するためには、一般に、金属薄膜を形成する場合と同様に、真空蒸着装置が用いられている。従来技術の真空蒸着装置を図5の符号150に示すと、この真空蒸着装置150は真空槽151を有しており、該真空槽151内の天井側には基板ホルダ152が配置され、底壁側には蒸着源140が配置されている。
蒸着源140内には、有機薄膜の材料である粉体状の有機化合物141が納められており、その周囲はヒータ142が配置されている。
【0006】
有機薄膜を形成する場合、先ず、真空槽151内を真空雰囲気にし、基板153を搬入し、基板ホルダ152表面に保持させる。次いで、真空槽151内を真空排気しながら基板ホルダ152内のヒータ159に通電し、基板153を昇温させる。それとと共に、ヒータ142に通電し、有機化合物141を加熱、昇温させる。
【0007】
有機化合物141が昇温し、有機化合物141の蒸気が安定に放出される温度に達したところで、蒸着源140上に配置されたシャッタ155を開け、有機化合物141の蒸気を真空槽151内に放出させる。
【0008】
蒸着源140の上方には、水晶振動子から成る蒸気量検出手段156が設けられており、シャッタ155が開けられると、蒸気量検出手段156表面に有機化合物141の蒸気が付着し始める。
蒸気量検出手段156の周波数は、有機化合物蒸気の付着量によって変化するので、その周波数変化を検出することにより、蒸気放出量を求めることができる。
【0009】
単位時間当たりの蒸気放出量が安定したところで、基板ホルダ152側に設けられたシャッタ157を開け、基板153表面に有機化合物141の蒸気を付着させると重合反応が開始され、有機薄膜が形成され始める。
【0010】
上述のように、有機薄膜を形成する場合にも、金属薄膜を形成する場合と同様に、蒸着材料を加熱して蒸気を発生させているが、金属薄膜材料である金属の蒸気発生温度は600℃〜2000℃程度と高温であるのに対し、有機薄膜の材料である有機化合物は蒸気圧が高いため、蒸気発生温度は0℃(場合によっては零下)〜400℃と低温である。従って、金属の場合には、微小な温度変動があっても蒸気放出量はほぼ一定であるのに対し、有機化合物の場合は、僅かな温度変化によって蒸気放出量が大きく変動してしまう。
【0011】
そこで従来技術の蒸着装置150でも対策が採られており、蒸着源140内に熱電対を配置し、有機化合物141の温度測定を行ってヒータ142への通電量を制御し、有機化合物141が一定温度を維持するようにしていた。
【0012】
ところで、近年のEL素子では、表示装置のカラー化のために、微量のドーパントを含んだ有機薄膜が求められている。この場合、有機薄膜中に含ませるドーバントも有機化合物であるため、同じ真空槽内に複数の蒸着源を設け、有機薄膜の母材となる有機化合物と、ドーパントとなる有機化合物とを異なる蒸着源内に配置し、各蒸着源をそれぞれ所定温度に加熱して一緒に蒸気を放出させ、母材の有機化合物蒸気とドーバントの有機化合物蒸気とを基板表面に一定割合で付着させ、所望組成の有機薄膜を得るようにしている。
【0013】
上記のような有機薄膜は、含有するドーパントは微量であり、母材となる有機化合物量に比べると0.2%〜2.0%程度であるため、蒸着源間の蒸気放出量の変化が、有機薄膜中のドーバント含有率に大きく影響を与えてしまう。従って、従来より、各蒸着源は精密に温度制御され、安定に蒸気が放出されるようにしていた。
【0014】
しかしながら、精密な温度制御により、母材の有機化合物温度とドーパントの有機化合物温度とを所定温度に維持しても、得られる有機薄膜の特性が安定せず、その原因の究明と対策が望まれている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、微量のドーパントを含有する有機薄膜や、蒸発の微量制御によって形成され薄膜を安定に得られる技術を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、有機EL素子の有機膜を成膜する真空蒸着装置であって、真空槽と、第一加熱手段を有し、母材となる有機材料を蒸発させる第一蒸着源と、第二加熱手段を有し、ドーパントの有機材料を蒸発させる第二蒸着源と、前記第一蒸着源からの前記母材の蒸気の放出量を検出する第一蒸気量検出手段と、前記第二蒸着源からの前記ドーパントの蒸気の放出量を検出する第二蒸気量検出手段と、単位時間当たりの前記母材の蒸気の放出量から前記第一加熱手段の発熱量を制御して前記母材の蒸気放出量を安定させる第一発熱手段と、単位時間当たりの前記ドーパントの蒸気の放出量から前記第二加熱手段の発熱量を制御して前記ドーパントの蒸気の放出量を安定させる第二発熱手段とを有し、前記ドーパントの蒸気の放出量は前記母材の蒸気の放出量の0.2%〜2.0%に設定された真空蒸着装置である。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の真空蒸着装置であって、第一蒸着源の温度を測定する第一温度測定手段を有し、前記発熱制御手段は、前記第一温度測定手段が第一設定温度より高い温度を検知した場合、前記第一加熱手段の加熱を停止させるように構成された真空蒸着装置である。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の真空蒸着装置であって、第二蒸着源の温度を測定する第二温度測定手段を有し、前記発熱制御手段は、前記第二温度測定手段が第二設定温度より高い温度を検知した場合、前記第二加熱手段の加熱を停止させるように構成された真空蒸着装置である。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の真空蒸着装置であって、前記第一蒸着源および前記第二蒸着源と、前記第一蒸気量検出手段および前記第二蒸気量検出手段との間に設置される、第一シャッタ機構と、成膜される基板と、前記第一蒸着源および前記第二蒸着源との間で、前記第一蒸気量検出手段および前記第二蒸気量検出手段よりも前記基板側に設置される第二シャッタ機構とを有する真空蒸着装置である。
【0020】
請求項5記載の発明は、第一、第二加熱手段をそれぞれ有する第一、第二蒸着源内に、それぞれ母材とドーパントを配置し、前記母材の蒸気に対して前記ドーパントの蒸気を、0.2%〜2.0%の割合で放出させて薄膜を形成する有機EL素子の薄膜形成方法であって、前記母材蒸気と前記ドーパント蒸気の単位時間当たりの放出量から、前記第一、第二加熱手段の発熱量を個別に制御し、前記母材と前記ドーパントの蒸気放出量をそれぞれ安定させる有機ELの薄膜形成方法である。
請求項6記載の発明は、蒸着源内に配置された蒸着材料を加熱し、蒸着材料蒸気を真空槽内に放出させ、基板表面に付着させて薄膜を形成する薄膜形成方法であって、前記蒸着材料蒸気の放出量を測定し、前記放出量が一定になるように、前記蒸着材料の加熱状態を制御し、前記蒸着材料の温度を測定し、所定の上限温度以上になると前記蒸着材料の加熱を停止させることを特徴とする薄膜形成方法である。
請求項7記載の発明は、複数の蒸着源から前記真空槽内に蒸着材料蒸気を放出させる請求項6に記載の薄膜形成方法であって、蒸着材料蒸気の放出量の測定と、蒸着材料の加熱状態の制御とを、前記各蒸着源毎に個別に行うことを特徴とする薄膜形成方法である。
【0021】
上述した本発明の構成によれば、真空蒸着装置の真空槽内に、有機化合物等の蒸着材料を配置できる蒸着源が設けられており、その蒸着源内には、発熱し、配置された蒸着材料を加熱する加熱手段が設けられている。この場合、真空槽内に配置された蒸着源内の蒸着材料を加熱し、真空槽内にその蒸気を放出させると、蒸着材料蒸気が基板に付着し、薄膜が形成される。蒸着材料が有機化合物である場合は、基板表面に有機薄膜を形成することができる。
【0022】
本発明の発明者等が、上記のような真空蒸着装置を用い、ドーパントを微小量含有する有機薄膜を形成した場合、その特性が安定しない原因を研究したところ、有機薄膜中に含有されたドーパントが不均一であることを見出した。
【0023】
その原因は、従来技術の真空蒸着装置では、熱電対によって測定した蒸着源るつぼの発熱量を制御しているため、るつぼの測定温度を一定にすると、蒸着材料に投入される電力が減少し、蒸発放出速度が時間の経過とともに小さくなっていくためであることが分かった。
【0024】
そこで本発明の真空蒸着装置では、蒸気量検出手段と発熱量制御手段とを設け、蒸着源から放出される有機化合物等の蒸着材料蒸気の放出量を蒸気量検出手段によって検出しており、発熱量制御手段は、検出された蒸気放出量から蒸気放出速度を求め、加熱手段の発熱量を制御している。この場合、例えば、単位時間当たりの蒸気放出量が大きいときは加熱手段の発熱量を減少させ、小さいときは発熱量を増加させることで、図3に示すように、熱電対による有機化合物の測定温度L1は上昇するのに対し、蒸気放出速度L2を一定値、即ち、成膜速度を一定値にすることができる。
【0025】
特に、真空槽内に母材となる有機化合物が配置された蒸着源や、ドーパントとなる有機化合物が配置された蒸着源のように、異なる有機化合物が配置された複数の蒸着源が設けられており、各蒸着源内から一緒に有機化合物蒸気を放出させる場合には、各蒸着源から放出される有機化合物の蒸気放出量をそれぞれ測定し、加熱手段の発熱量を個別に制御し、各蒸気の放出量が一定になるようにすると、微小量のドーバントを均一に含有する有機薄膜を得ることが可能となる。
【0026】
但し、有機化合物の分解温度と蒸気放出温度は近接しているため、有機化合物が過加熱された場合には容易に分解し、有機薄膜が不良品となってしまう。そこで本発明では、蒸気放出速度とともに、各蒸着源内の有機化合物(実際には容器)の温度を測定し、有機化合物が分解する危険性がある上限温度以上になった場合に発熱を停止させており、有機化合物が分解しないようにしている。
【0027】
発熱を停止した後は温度制御を行い、有機化合物の温度が低下し、正常な温度に戻った後は、再び蒸気放出量を測定し、蒸気放出速度が一定になるように発熱量を制御している。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明を図面を参照しながら説明する。
図1の符号10は、本発明の真空蒸着装置の一例を示している。この真空蒸着装置10は、真空槽11と、その真空槽11外に配置された発熱量制御手段3とを有しており、該発熱量制御手段3内には、温度測定器71、72と、出力装置5と、膜厚測定器61、62とが設けられている。
【0029】
真空槽11内の天井側には、基板ホルダ12が設けられており、底壁側には二個の蒸着源401、402が設けられている。また、側壁には、水晶振動子で構成された膜厚検出手段161、162が設けられている。
【0030】
各蒸着源401、402は、図2に示すように、金属製の筺体45と、カーボングラファイト製の容器46とを有しており、容器46は、筺体45内に配置されている。
【0031】
容器46は、粉体状の有機化合物41を配置できるように構成されており、容器46の周囲には、ヒータから成る加熱手段42が巻回されている。加熱手段42は、電源を有する出力装置5に接続されており、出力装置5からの通電によって発熱し、容器46を加熱できるように構成されている。容器46が加熱された場合には、内部に配置された有機化合物41は、容器46の壁面からの熱伝導によって加熱され、昇温する。
【0032】
有機化合物41として、一方の蒸着源401の容器46内には、母材となる有機化合物411が配置されており、他方の蒸着源402の容器46内には、ドーパントとなる有機化合物412が配置されている。
【0033】
この蒸着源401、402では、各有機化合物411、412の温度測定用に、各蒸着源401、402内の容器46の底面に、熱電対48がそれぞれ取り付けられている。
【0034】
各熱電対48は、二個の温度測定器71、72にそれぞれ接続され、各温度測定器71、72は、出力装置5に接続されており、各温度測定器71、72は熱電対48からの入力によって有機化合物411、412のるつぼの温度をそれぞれ測定し、その結果を出力装置5に出力するように構成されている。
【0035】
このように構成された真空蒸着装置10を用い、ドーバントを微小量含有する有機薄膜を形成する方法を説明する。
先ず、図示しない真空排気系によって真空槽11内を真空排気した後、基板13を搬入し、基板ホルダ12に保持させる。
【0036】
その後、真空排気を行いながら出力装置5を動作させ、蒸着源401、402内の加熱手段42に通電する。このとき、出力装置5には、温度測定器71、72から有機化合物411、412のるつぼの温度が個別に入力されており、出力装置5は、各有機化合物411、412の温度を監視しながら加熱手段42への通電量を制御し、各有機化合物411、412を所定の昇温速度で温度上昇させる。
【0037】
蒸着源401、402の上方には、シャッタ151、152が配置されており、真空中での有機蒸化合物411、412の前処理を行った後、シャッタ151、152を開ける。その後、有機化合物411、412を蒸着に必要な所定の蒸気放出温度まで加熱すると、有機化合物411、412の蒸気が真空槽11内に一緒に放出される。
【0038】
蒸気量検出手段161、162は、シャッタ151、152上方の蒸着源401、402に近い位置に配置されており、真空槽11内に放出された有機化合物411、412の蒸気は、蒸気量検出手段161、162にそれぞれ到達し、表面に付着すると、蒸気量検出手段161、162表面に有機薄膜が形成され始める。
【0039】
蒸気量検出手段161、162は、膜厚測定器61、62にそれぞれ接続されており、蒸気量検出手段161、162の表面に形成される有機薄膜が成長し、発振周波数が変化すると、膜厚測定器61、62は周波数変化から付着した有機化合物の膜厚を求め、出力装置5に出力する。
【0040】
出力装置5は、膜厚測定器61、62からの入力により、有機化合物411、412の単位時間当たりの蒸気放出量を算出し、その蒸気放出量が安定したところで、基板ホルダ12側に設けられたシャッタ17を開ける。
【0041】
シャッタ17が開けられると、有機化合物411、412の蒸気は基板13に到達し、表面に付着する。このとき、基板13は所定温度まで昇温しているので、基板13に付着した有機化合物411、412は、その表面で重合反応を開始し、有機薄膜が形成され始める。
【0042】
その状態を維持すると基板13表面に形成される有機薄膜が成長するが、出力装置5は、有機薄膜が成長する際に、各有機化合物411、412の蒸気放出量を個別に監視しており、有機化合物411、412の単位時間当たりの蒸気放出量が増加した場合は、その有機化合物が配置された蒸着源内の加熱手段42への通電量を少なくし、蒸気放出量が減少した場合には、逆に増加させ、有機化合物蒸気411、412が安定に放出されるようにする。
【0043】
このように、加熱手段42への通電量は、蒸気放出量に基いて制御されているため、各蒸着源401、402内の熱電対48が示す温度は一定値にならず上下するが、各蒸着源401、402からは、一定量の有機化合物411、412蒸気が放出されている。従って、基板13表面には、母材の有機化合物411の蒸気と、ドーパントの有機化合物412の蒸気とが所定割合で到達するため、微小量のドーパントを均一に含有する有機薄膜を形成することができる。
【0044】
以上説明したように、本発明の真空蒸着装置10によれば、発熱量制御手段3は、各蒸着源401、402の蒸気放出量に基いて加熱手段42の発熱量を個別に制御している。従って、従来技術の真空蒸着装置110(図5)のように、有機化合物141の温度に基いて加熱手段142の発熱量を制御した場合に比べ、蒸気放出量の変動に対する発熱量制御の追随性がよく、蒸気放出量を一定にすることができる。
【0045】
また、上述した発熱量制御手段3は、各有機化合物411、412の蒸気放出量を測定する際、熱電対48からの出力により、各蒸着源401、402内の容器46の温度も監視しており、有機化合物411、412が過加熱状態になった場合には容器46も高温になるため、分解を避けるため、温度測定値が予め設定された上限温度に達する前に、その蒸着源内の発熱手段42への通電を停止し、有機化合物411、412が熱分解しないようにしている。
【0046】
以上は、有機化合物411、412の蒸気を発生させ、有機薄膜を形成する場合について説明したが、本発明の真空蒸着装置は他の材質の蒸着材料を用い、金属薄膜等の無機薄膜を形成することもできる。そのような蒸着材料には、例えばLi金属があり、本発明の真空蒸着装置10は、膜厚制御性がよいことから、微量なLi蒸発を発生させ、膜厚が非常に薄いLi金属薄膜を形成するのにも適している。
【0047】
【発明の効果】
蒸気放出速度によって加熱手段の発熱量を制御するので、蒸着源内の熱電対と有機化合物との温度差に影響されず、蒸気放出量を一定にできる。
ドーパントが均一に含まれる有機薄膜を形成することができる。
更に、蒸着源の数を増やし、大面積基板への蒸着を行う場合、個別に蒸着源を制御できるため、大面積基板へ膜厚分布良く薄膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空蒸着装置の一例
【図2】本発明に用いることができる蒸着源の一例
【図3】測定温度と蒸気放出速度の関係を説明するためのグラフ
【図4】有機EL素子を説明するためのグラフ
【図5】従来技術の真空蒸着装置の一例
【符号の説明】
3……発熱量制御手段 10……真空蒸着装置 11……真空槽 161、162……蒸気量検出手段 401、402……蒸着源 41……有機化合物 42……加熱手段

Claims (7)

  1. 有機EL素子の有機膜を成膜する真空蒸着装置であって、
    真空槽と、
    第一加熱手段を有し、母材となる有機材料を蒸発させる第一蒸着源と、
    第二加熱手段を有し、ドーパントの有機材料を蒸発させる第二蒸着源と、
    前記第一蒸着源からの前記母材の蒸気の放出量を検出する第一蒸気量検出手段と、
    前記第二蒸着源からの前記ドーパントの蒸気の放出量を検出する第二蒸気量検出手段と、
    単位時間当たりの前記母材の蒸気の放出量から前記第一加熱手段の発熱量を制御して前記母材の蒸気放出量を安定させる第一発熱手段と、
    単位時間当たりの前記ドーパントの蒸気の放出量から前記第二加熱手段の発熱量を制御して前記ドーパントの蒸気の放出量を安定させる第二発熱手段とを有し、
    前記ドーパントの蒸気の放出量は前記母材の蒸気の放出量の0.2%〜2.0%に設定された真空蒸着装置。
  2. 前記第一蒸着源の温度を測定する第一温度測定手段を有し、前記発熱制御手段は、前記第一温度測定手段が第一設定温度より高い温度を検知した場合、前記第一加熱手段の加熱を停止させるように構成された請求項1に記載の真空蒸着装置。
  3. 前記第二蒸着源の温度を測定する第二温度測定手段を有し、前記発熱制御手段は、前記第二温度測定手段が第二設定温度より高い温度を検知した場合、前記第二加熱手段の加熱を停止させるように構成された請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の真空蒸着装置。
  4. 前記第一蒸着源および前記第二蒸着源と、前記第一蒸気量検出手段および前記第二蒸気量検出手段との間に設置される、第一シャッタ機構と、
    成膜される基板と、前記第一蒸着源および前記第二蒸着源との間で、前記第一蒸気量検出手段および前記第二蒸気量検出手段よりも前記基板側に設置される第二シャッタ機構とを有する、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の真空蒸着装置。
  5. 第一、第二加熱手段をそれぞれ有する第一、第二蒸着源内に、それぞれ母材とドーパントを配置し、前記母材の蒸気に対して前記ドーパントの蒸気を、0.2%〜2.0%の割合で放出させて薄膜を形成する有機EL素子の薄膜形成方法であって、
    前記母材蒸気と前記ドーパント蒸気の単位時間当たりの放出量から、前記第一、第二加熱手段の発熱量を個別に制御し、前記母材と前記ドーパントの蒸気放出量をそれぞれ安定させる有機ELの薄膜形成方法。
  6. 蒸着源内に配置された蒸着材料を加熱し、蒸着材料蒸気を真空槽内に放出させ、基板表面に付着させて薄膜を形成する薄膜形成方法であって、
    前記蒸着材料蒸気の放出量を測定し、前記放出量が一定になるように、前記蒸着材料の加熱状態を制御し、
    前記蒸着材料の温度を測定し、所定の上限温度以上になると前記蒸着材料の加熱を停止させることを特徴とする薄膜形成方法。
  7. 複数の蒸着源から前記真空槽内に蒸着材料蒸気を放出させる請求項6に記載の薄膜形成方法であって、
    蒸着材料蒸気の放出量の測定と、蒸着材料の加熱状態の制御とを、前記各蒸着源毎に個別に行うことを特徴とする薄膜形成方法。
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