JP2015069859A - 有機el製造装置及び有機el製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸着チェンバー内において蒸発源の坩堝内の蒸着材料の湯面高さを継続的に測定可能なセンサを備えた有機EL製造装置及び有機EL製造方法を提供する。【解決手段】有機EL製造装置において、蒸着材料2を貯留する坩堝3と、坩堝3を加熱する加熱装置4と、坩堝3と加熱装置4を設置する真空チェンバーと、坩堝3内に貯留された蒸着材料2の質量を測る質量計35とを有し、貯留された蒸着材料2が所定の質量以下になった場合に蒸着を停止する、これに連なる必要な処理を行うか否かを制御部が判断する、若しくは、オペレータに対して計測表示を行う。【選択図】図3
Description
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと称する)製造装置及び有機EL製造方法に関する。
有機EL表示装置や有機EL照明装置に用いられる有機EL素子は、有機材料から成る有機層を上下から陽極と陰極の一対の電極で挟み込んだ構造であり、電極に電圧を印加することにより、陽極側から正孔が、陰極側から電子が、それぞれ有機層に注入され、それらが再結合することにより発光する仕組みになっている。
この有機層は、被処理基板に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を含む多層膜が積層された構造になっている。この有機層を形成する材料として高分子材料と低分子材料を用いたものがある。このうち、低分子材料を用いる場合には、真空蒸着装置を用いて有機薄膜を形成する。
この有機層は、被処理基板に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を含む多層膜が積層された構造になっている。この有機層を形成する材料として高分子材料と低分子材料を用いたものがある。このうち、低分子材料を用いる場合には、真空蒸着装置を用いて有機薄膜を形成する。
真空蒸着装置は、真空蒸着チェンバー内に設置された蒸発源の坩堝に貯留された蒸着材料をヒータ等で加熱し、蒸着材料分子が坩堝から蒸発し、被処理基板に蒸着する。
有機EL素子の特性は、有機層の膜厚の影響を大きく受ける。一方、有機薄膜を形成する基板は、年々大形化してきている。従って、真空蒸着装置を用いる場合には、大型の基板上に形成される有機薄膜や電極用金属薄膜の膜厚を高精度に制御し、長時間連続稼動する必要がある。電極用金属薄膜としては、大型化に伴い、低抵抗化が必要となる。特に、表示装置用には、有機層の上部の電極材料(蒸着材料)として、アルミニウム、銀、マグネシウム等の無機材料が多く使用される。
有機EL素子の特性は、有機層の膜厚の影響を大きく受ける。一方、有機薄膜を形成する基板は、年々大形化してきている。従って、真空蒸着装置を用いる場合には、大型の基板上に形成される有機薄膜や電極用金属薄膜の膜厚を高精度に制御し、長時間連続稼動する必要がある。電極用金属薄膜としては、大型化に伴い、低抵抗化が必要となる。特に、表示装置用には、有機層の上部の電極材料(蒸着材料)として、アルミニウム、銀、マグネシウム等の無機材料が多く使用される。
有機EL製造装置の中で、真空蒸着装置は、真空蒸着チェンバー内で、蒸発源の坩堝を高温に加熱して蒸発した蒸着材料を被処理基板に蒸着する。
真空蒸着で使用する蒸発源(セル、またはソースともいう)を長時間連続稼働するためには、蒸着材料の搭載量が大きい蒸発源を使用することが考えられる。しかし、坩堝が消耗品であり高価であることや、蒸着材料の残量の違いにより蒸発特性の変化が大きいという問題があった。
また、真空蒸着で使用する蒸発源(セル、またはソースともいう)を長時間連続運転(連続蒸着)するためには、予め蒸着材料を搭載した蒸発源を複数用意し、切替えて使用することが考えられる。しかし、蒸発源数を多くすることは、付帯する機器を含め、蒸発源数の倍数分の費用が必要であるという問題があった。
また、真空蒸着で使用する蒸発源(セル、またはソースともいう)を長時間連続稼働するためには、蒸発源を1台とし、蒸着材料を供給していく方法もある。この方法は、蒸発源数、蒸発源、及び真空チェンバーのサイズが最小でありメリットが大きい。しかし、材料供給機構が必要であり、適切なタイミングで蒸着材料を供給できる材料供給システムがまだ提供されていない。
真空蒸着で使用する蒸発源(セル、またはソースともいう)を長時間連続稼働するためには、蒸着材料の搭載量が大きい蒸発源を使用することが考えられる。しかし、坩堝が消耗品であり高価であることや、蒸着材料の残量の違いにより蒸発特性の変化が大きいという問題があった。
また、真空蒸着で使用する蒸発源(セル、またはソースともいう)を長時間連続運転(連続蒸着)するためには、予め蒸着材料を搭載した蒸発源を複数用意し、切替えて使用することが考えられる。しかし、蒸発源数を多くすることは、付帯する機器を含め、蒸発源数の倍数分の費用が必要であるという問題があった。
また、真空蒸着で使用する蒸発源(セル、またはソースともいう)を長時間連続稼働するためには、蒸発源を1台とし、蒸着材料を供給していく方法もある。この方法は、蒸発源数、蒸発源、及び真空チェンバーのサイズが最小でありメリットが大きい。しかし、材料供給機構が必要であり、適切なタイミングで蒸着材料を供給できる材料供給システムがまだ提供されていない。
上記のいずれの方法においても、蒸着中に蒸発源中の蒸着材料の残量を計測し、材料供給タイミングを決定すれば、蒸発源中の蒸着材料の量を一定の範囲に保つことができ、蒸着膜の生成を安定化することができる。しかし、蒸発源の残材料量の計測は次の様な理由で難しく、これまで実現されていなかった。
(1)光学的計測の問題
蒸着材料の湯面高さを計測するためには、蒸着される位置にセンサを置くことが必要だが、センサに蒸着材料が堆積し、センシングを妨げるため、連統的に計測することが難しい。また、溶融しない昇華タイプの材料では湯面を形成しないため正確に計測できない。
(2)蒸発源または坩堝質量を計測することで間接的に計測する方法の問題
真空中に設置し使用できるロードセルが市場に存在しない。即ち、蒸着装置は特殊な装置であり、大量に出回るものではないため、他の一般機械用に比べ真空用のロードセルを開発するには装置のコスト負担が相対的に高くなる。また、ばねと変位センサを用いる方法も考えられるが、蒸発源高さが変化するため、水晶モニタとの関係がずれる等の理由から望ましくない。(ロードセルでは変位は微小)
(3)電極を差し込んで湯面を計測する方法の問題
電極を2本差込み、導通で湯面高さを測る方法は、蒸着材料が“つらら”状に連なるため、正確に計測することが難しい。また、電極材質が高温の蒸着材料中に溶け出す恐れや、蒸着材料が電極に冷やされ蒸着レー卜が変化する間題、光学式と同じく液相でなければ計測できない点、及び、そもそも導通する材料しか適応しない等の理由から、実現されていない。
(1)光学的計測の問題
蒸着材料の湯面高さを計測するためには、蒸着される位置にセンサを置くことが必要だが、センサに蒸着材料が堆積し、センシングを妨げるため、連統的に計測することが難しい。また、溶融しない昇華タイプの材料では湯面を形成しないため正確に計測できない。
(2)蒸発源または坩堝質量を計測することで間接的に計測する方法の問題
真空中に設置し使用できるロードセルが市場に存在しない。即ち、蒸着装置は特殊な装置であり、大量に出回るものではないため、他の一般機械用に比べ真空用のロードセルを開発するには装置のコスト負担が相対的に高くなる。また、ばねと変位センサを用いる方法も考えられるが、蒸発源高さが変化するため、水晶モニタとの関係がずれる等の理由から望ましくない。(ロードセルでは変位は微小)
(3)電極を差し込んで湯面を計測する方法の問題
電極を2本差込み、導通で湯面高さを測る方法は、蒸着材料が“つらら”状に連なるため、正確に計測することが難しい。また、電極材質が高温の蒸着材料中に溶け出す恐れや、蒸着材料が電極に冷やされ蒸着レー卜が変化する間題、光学式と同じく液相でなければ計測できない点、及び、そもそも導通する材料しか適応しない等の理由から、実現されていない。
上記の計測上の問題から、これまでタイマーで供給タイミングを決める方法が採られていた。そのため次のような問題があった。
(A)連続運転をすればするほど誤差が拡大する。このため、連続運転中に数回供給を補正する必要があった。
(B)信頼性に欠けるため、オペレータが時々蒸発源の残材料量を確認する必要があった。
(C)蒸着レー卜を変更すると必要供給量も変化する。このため、蒸着レート条件変更のたびに供給タイミングの割り出しを行う必要があった。また、そのような場合、運転中に何度も坩堝中の蒸着材料の状態を確認する必要があった。
(A)連続運転をすればするほど誤差が拡大する。このため、連続運転中に数回供給を補正する必要があった。
(B)信頼性に欠けるため、オペレータが時々蒸発源の残材料量を確認する必要があった。
(C)蒸着レー卜を変更すると必要供給量も変化する。このため、蒸着レート条件変更のたびに供給タイミングの割り出しを行う必要があった。また、そのような場合、運転中に何度も坩堝中の蒸着材料の状態を確認する必要があった。
真空蒸着装置で被処理基板に蒸着膜を成膜する上で重要な性能の一つに膜厚分布がある。一般的に均一な膜厚を得ることが必要だが、その程度に対する要求はその膜の目的やデバイスの仕様に応じて変化する。また、重要な成膜条件の一つとして、成膜速度、所謂蒸着レートがある。蒸着レートの変化は膜厚分布にも影響する。その膜厚分布、蒸着レートに坩堝内の蒸着材料の量が関係している。液相から蒸発する材料、所謂溶融材の場合は坩堝内の蒸着材料の湯面高さが膜厚分布に大きく関与する。また、個相から蒸発する材料、所謂昇華材の場合は坩堝内の蒸着材料の総表面積が蒸着レートに直接影響する。膜厚分布に関与する溶融材の坩堝内湯面高さについて、図1によって具体的に説明する。
図1は、坩堝3内にある蒸着材料2が加熱され蒸発するときの蒸着材料の分子線強度分布の一例を示す図である。
図1の被処理基板6、被処理基板6を保持する被処理基板保持装置7、被処理基板保持装置7が保持した被処理基板6を回転する回転軸8、水晶膜厚計9、及び、蒸発源の坩堝3は、真空チェンバー1内に設けられている。
図1は、坩堝3内にある蒸着材料2が加熱され蒸発するときの蒸着材料の分子線強度分布の一例を示す図である。
図1の被処理基板6、被処理基板6を保持する被処理基板保持装置7、被処理基板保持装置7が保持した被処理基板6を回転する回転軸8、水晶膜厚計9、及び、蒸発源の坩堝3は、真空チェンバー1内に設けられている。
図1によって、坩堝3内には蒸着材料2が貯留され、その蒸着材料2の湯面22、23、または26の高さによって、蒸着材料2の蒸気の放出状態(蒸発分子強度分布:坩堝内の蒸着材料が蒸発し、坩堝から飛び出した分子の分子線強度(蒸気圧)の角度依存性)が湯面高さにより変化することを示す。曲線24は湯面22の時の蒸着材料の蒸気圧が所定の強度である部分を結んだ等圧線、曲線27は湯面26の時の蒸着材料の蒸気圧が所定の強度である部分を結んだ等圧線、曲線25は湯面23の時の蒸着材料の蒸気圧が所定の強度である部分を結んだ等圧線である。
坩堝3内の蒸着材料2は、加熱によって蒸発していき、徐々に湯面が下方向に下っていく、即ち、図1において、湯面22、湯面26、湯面23と湯面が下がる。
この場合、坩堝3の一番上部の開口部(ノズル面)10から湯面までの距離が近いほど、蒸気の等圧線が円に近づき(所謂余弦則に近づき)、坩堝3の一番上部のノズル面10から湯面までの距離が遠いほど、蒸気の等圧線が縦長の楕円に(角度依存性に指向性が表れ、中心付近の強度が強く)なることが分かる。
坩堝3内の蒸着材料2は、加熱によって蒸発していき、徐々に湯面が下方向に下っていく、即ち、図1において、湯面22、湯面26、湯面23と湯面が下がる。
この場合、坩堝3の一番上部の開口部(ノズル面)10から湯面までの距離が近いほど、蒸気の等圧線が円に近づき(所謂余弦則に近づき)、坩堝3の一番上部のノズル面10から湯面までの距離が遠いほど、蒸気の等圧線が縦長の楕円に(角度依存性に指向性が表れ、中心付近の強度が強く)なることが分かる。
このように、坩堝3内の蒸着材料2を加熱装置で加熱して被処理基板6に蒸着するときに、その分子線強度分布の角度依存性は、坩堝3のノズル面10から蒸着材料の湯面までの距離(蒸着材料の坩堝3内の高さ)と坩堝の開口直径に依存する。この依存性は、坩堝の上部がくびれた形状のクヌーセンセルにおいても、その口径が広い場合には、分子線強度は口径と首の長さだけに依存せずに、厳密には蒸着材料の湯面高さも濃度分布の角度依存性に影響を与える。
具体的には、例えば、蒸着材料2の湯面高さ22の場合には、蒸発分子強度分布は、等圧線24で表される分布となり、蒸着材料の湯面高さ23の場合には、蒸発分子強度分布は等圧線25で表される分布となる。また、湯面高さ22と23の間の湯面高さ26の場合には、蒸発分子強度分布は、等圧線27で表される分布となる。
即ち、湯面高さが変化すると、蒸着材料の蒸発分子強度分布が変化するため、長時間に渡り蒸着を連続的に行う場合、膜厚分布を均一にするためには、上記の傾向を踏まえた上で、坩堝の開口部に対する蒸着材料の湯面高さを管理する必要がある。
具体的には、例えば、蒸着材料2の湯面高さ22の場合には、蒸発分子強度分布は、等圧線24で表される分布となり、蒸着材料の湯面高さ23の場合には、蒸発分子強度分布は等圧線25で表される分布となる。また、湯面高さ22と23の間の湯面高さ26の場合には、蒸発分子強度分布は、等圧線27で表される分布となる。
即ち、湯面高さが変化すると、蒸着材料の蒸発分子強度分布が変化するため、長時間に渡り蒸着を連続的に行う場合、膜厚分布を均一にするためには、上記の傾向を踏まえた上で、坩堝の開口部に対する蒸着材料の湯面高さを管理する必要がある。
そのためには、坩堝内の蒸着材料の湯面高さを測定する必要があり、特許文献1のように、液体の湯面の上部に送波器と受波器を設けて光学的な方法で測定する方法や、特許文献2のように、抵抗体を液体の湯面に設置することで電気的に測定する方法などがある。
しかし、蒸着チェンバー内において蒸着材料の湯面高さを光学的に計測するためには、蒸着される位置にレーザー変位計等の光学的なセンサを設けることが必要であり、基板大きさ、厳密には有効蒸着範囲の大きさとセンサの設置場所によっては蒸着材料の分子が基板に到達することを阻害する。また、センサ自体の投光面や受光面にも蒸着材料が付着するため、連続的に計測することが困難である。また、溶解しない昇華タイプの蒸着材料の場合には湯面を形成しないため正確に計測することができない。
そして、抵抗体を坩堝内の蒸着材料の湯面付近に差し込み電気的に測定する方法では、蒸着材料がつらら状に抵抗体に連なってしまい、正確に測定することが困難である。また、坩堝は高温で加熱されることから、電極物質が蒸着材料中に溶け出してしまう恐れや、蒸着材料が電極によって冷却されて蒸着レートが変化する問題もあった。
本発明の目的は、上記のような問題に鑑み、蒸着チェンバー内において蒸発源の坩堝内の蒸着材料の湯面高さを継続的に管理可能なセンサを備えた有機EL製造装置及び有機EL製造方法を提供することにある。
そして、抵抗体を坩堝内の蒸着材料の湯面付近に差し込み電気的に測定する方法では、蒸着材料がつらら状に抵抗体に連なってしまい、正確に測定することが困難である。また、坩堝は高温で加熱されることから、電極物質が蒸着材料中に溶け出してしまう恐れや、蒸着材料が電極によって冷却されて蒸着レートが変化する問題もあった。
本発明の目的は、上記のような問題に鑑み、蒸着チェンバー内において蒸発源の坩堝内の蒸着材料の湯面高さを継続的に管理可能なセンサを備えた有機EL製造装置及び有機EL製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の有機EL製造装置及び有機EL製造方法は、有機EL製造装置の蒸着チェンバーにおいて、蒸着材料を貯留する坩堝と、坩堝を加熱する加熱装置と、前記坩堝と加熱装置を設置する真空チェンバーと、前記坩堝内に貯留された蒸着材料の質量を測る質量計とを有し、間接的に湯面高さを計測することで、前記貯留された蒸着材料が所定の質量以下になった場合にこれに連なる必要な処理を行うか否かを前記制御部が判断する若しくは、オペレータに対して計測表示を行うことを第1の特徴とする。
また上記の目的を達成するために、本発明の有機EL製造装置は、蒸着チェンバーと、前記蒸着チェンバー内に設置され蒸着材料を坩堝から蒸発させ被処理基板に付着させる蒸発源と、前記坩堝から蒸発した蒸着材料の蒸着レートを監視する膜厚計と、前記膜厚計から出力された蒸着レートから前記蒸発源を制御する膜厚制御部と、前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量を荷重として前記蒸着チェンバーの外部に伝達するニードルと、前記ニードルから伝達された荷重を検出して前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量を測定する質量計と、装置全体を制御する制御部とを備え、前記被処理基板に前記蒸着材料を蒸着させる処理を行う有機EL製造装置であって、前記制御部は、前記質量計が測定した前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量が所定の閾値以下になった場合に、これに連なる必要な処理を行うか否かを前記制御部が判断する若しくは、オペレータに対して計測表示を行うことを第2の特徴とする。
上記第2の特徴とする有機EL製造装置において、前記質量計はロードセルであり、前記ニードルは鉛直方向に前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量を荷重として前記質量計に伝達することを本発明の第3の特徴とする。
また、上記本発明の第2の特徴または第3の特徴の有機EL製造装置において、更に、前記蒸発源の前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料以外の重量を定められた割合でキャンセルする蒸発源荷重キャンセラーを備え、前記ニードルは前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量が定められた割合で占める荷重として前記蒸着チェンバーの外部に伝達することを本発明の第4の特徴とする。
また、上記本発明の第2の特徴乃至第4の特徴のいずれかに記載の有機EL製造装置において、装置が要求する必要なタイミングで前記制御部は、前記質量計が測定した前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量及び、質量から算出される湯面高さの情報から、これに連なる必要な処理を行うか否かを前記制御部が判断する若しくは、オペレータに対して計測表示を行うことを本発明の第5の特徴とする。
また、上記本発明の第2の特徴乃至第5の特徴のいずれかに記載の有機EL製造装置において、前記ニードルは、前記蒸着材料の軽重により、前記蒸着チェンバーの外壁中を往復する部分に溝部を設けて、当該溝部にOリングを装着して前記真空チェンバーを大気から密封することを本発明の第6の特徴とする。
また、上記本発明の第2の特徴乃至第5の特徴のいずれかに記載の有機EL製造装置において、前記ニードルは、前記蒸着材料の軽重により、前記蒸着チェンバーの外壁中を往復する部分にベローズを設けて前記真空チェンバーを大気から密封することを本発明の第7の特徴とする。
上記の目的を達成するために、本発明の有機EL製造方法は、蒸着チェンバー内に設置された蒸発源が蒸着材料を坩堝から蒸発させ被処理基板に付着させ、前記坩堝から放出された蒸発材料の蒸着レートを膜厚計が監視し、前記膜厚計から出力された蒸着レートから膜厚制御部が前記蒸発源を制御し、前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量を荷重としてニードルが前記蒸着チェンバーの外部に伝達し、前記ニードルから伝達された荷重を検出して前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量を質量計が測定し、制御部が装置全体を制御し、前記制御部は、前記質量計が測定した前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量が所定の閾値以下になった場合に、これに連なる必要な処理を行うか否かを前記制御部が判断する若しくは、オペレータに対して計測表示を行うことを本発明の第8の特徴とする。
上記本発明の第8の特徴の有機EL製造方法において、装置が要求する任意のタイミングで前記質量計が測定した前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量及び、質量から算出される湯面高さの情報から、これに連なる必要な処理を行うか否かを前記制御部が判断する若しくは、オペレータに対して計測表示を行うことを本発明の第9の特徴とする
本発明によれば、蒸着チェンバー内において蒸発源の坩堝内の蒸着材料の湯面高さを継続的に管理することができるセンサを備えた有機EL製造装置及び有機EL製造方法を実現できる。
以下に本発明の一実施形態について、図面等を用いて説明する。
なお、以下の説明は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。そして、本発明の技術的思想に基づき、さまざまな実施下位概念を含む。
本書では、既に説明した図1を含め、以降の各図の説明において、共通な機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、説明を省略する。
なお、以下の説明は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。そして、本発明の技術的思想に基づき、さまざまな実施下位概念を含む。
本書では、既に説明した図1を含め、以降の各図の説明において、共通な機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、説明を省略する。
図2乃至図4によって、本発明の有機EL製造装置の第1の実施例を説明する。図2は、本発明における真空蒸着装置の一実施例の構成の概略を示す模式図である。
図2の真空蒸着装置では、所定の真空度に保たれた蒸着チェンバー1内に、被処理基板6、蒸発源30、及び水晶膜厚計9が設けられ、蒸着チェンバー1外には、膜厚を制御するための膜厚制御部18、蒸発源30の温度を制御するための蒸発源電源19、及び、膜厚制御部18と蒸発源電源19を連動させて制御し、蒸着データを記録するための制御用パソコン17が設けられる。パソコン17は、真空蒸着装置の各構成要素と相互に通信し、各構成要素を制御する制御部である。
蒸発源30は、坩堝3と坩堝3を加熱するためのヒータ、坩堝温度を制御するための熱電対等の温度センサ、熱を外部に漏らさないようにするための熱シールドから構成される。また、更に熱を外部に漏らさないようにするために冷却装置を含む構成もある。
図2の真空蒸着装置では、所定の真空度に保たれた蒸着チェンバー1内に、被処理基板6、蒸発源30、及び水晶膜厚計9が設けられ、蒸着チェンバー1外には、膜厚を制御するための膜厚制御部18、蒸発源30の温度を制御するための蒸発源電源19、及び、膜厚制御部18と蒸発源電源19を連動させて制御し、蒸着データを記録するための制御用パソコン17が設けられる。パソコン17は、真空蒸着装置の各構成要素と相互に通信し、各構成要素を制御する制御部である。
蒸発源30は、坩堝3と坩堝3を加熱するためのヒータ、坩堝温度を制御するための熱電対等の温度センサ、熱を外部に漏らさないようにするための熱シールドから構成される。また、更に熱を外部に漏らさないようにするために冷却装置を含む構成もある。
図2において、蒸発源30内のヒータは蒸発源電源19から所定の電力を供給されることによって発熱し、坩堝3を加熱する。
坩堝3が加熱されることによって、坩堝3の内部に貯留された蒸着材料が加熱され蒸発または昇華し、蒸気20として、坩堝3の蒸着ノズル(開口部)から蒸発され、被処理基板6に付着し蒸着が為される。即ち、坩堝3に貯留された蒸着材料が減少し、湯面が下がる。
水晶膜厚計9は、坩堝3から蒸発された蒸着材料2の蒸着レートを監視し、蒸発源温度を制御する。即ち、水晶膜厚計9は、自身に付着した蒸着材料の膜厚のデータを測定して膜厚制御部18に出力する。膜厚制御部18は、水晶膜厚計9から出力された膜厚のデータから蒸発源電源19を制御して、ヒータに供給される電力量を制御することによって、被処理基板6の蒸着レートを所定の値に保持するように動作する。
制御用パソコン17は、膜厚制御部18と蒸発源電源19を連動させて制御し、蒸着データを記録する。
なお、真空蒸着装置には、外部から電源が供給されている(図示しない)。
また、図2には図示していないが、図1のように、被処理基板6は被処理基板保持装置7によって保持され、被処理基板保持装置7は回転軸8を中心に回転し、坩堝3から蒸発した蒸着材料2が被処理基板6に蒸着する。
坩堝3が加熱されることによって、坩堝3の内部に貯留された蒸着材料が加熱され蒸発または昇華し、蒸気20として、坩堝3の蒸着ノズル(開口部)から蒸発され、被処理基板6に付着し蒸着が為される。即ち、坩堝3に貯留された蒸着材料が減少し、湯面が下がる。
水晶膜厚計9は、坩堝3から蒸発された蒸着材料2の蒸着レートを監視し、蒸発源温度を制御する。即ち、水晶膜厚計9は、自身に付着した蒸着材料の膜厚のデータを測定して膜厚制御部18に出力する。膜厚制御部18は、水晶膜厚計9から出力された膜厚のデータから蒸発源電源19を制御して、ヒータに供給される電力量を制御することによって、被処理基板6の蒸着レートを所定の値に保持するように動作する。
制御用パソコン17は、膜厚制御部18と蒸発源電源19を連動させて制御し、蒸着データを記録する。
なお、真空蒸着装置には、外部から電源が供給されている(図示しない)。
また、図2には図示していないが、図1のように、被処理基板6は被処理基板保持装置7によって保持され、被処理基板保持装置7は回転軸8を中心に回転し、坩堝3から蒸発した蒸着材料2が被処理基板6に蒸着する。
図2で説明したように、真空蒸着処理が行われるにつれて、坩堝3の内部に貯留された蒸着材料2が蒸着ノズル(開口部)から放出され、坩堝3に貯留された蒸着材料が減少し、湯面が下がる。
それに伴い、図1で説明したように、蒸着材料の蒸発強度分布が変化する。坩堝3に貯留された蒸着材料が減少し、湯面が所定の湯面高さ以下になると、被処理基板6に形成される蒸着膜は、必要とする膜厚分布を確保できなくなる。
従って、必要とする膜厚分布を得られなくなる湯面高さよりも、ある程度余裕をもった高さに湯面高さ下限の閾値を設定し、この閾値を下回った場合に、次の(i)乃至(iv)のいずれかの処理を行う。
または、装置の基板交換等の任意のタイミングで、計測された坩堝内の材料質量及び質量から算出された湯面高さの情報から、次の(iv)の処理を行う。
(処理i)蒸着チェンバー内に予め設けておいた材料供給機構で蒸発源30内の坩堝に蒸着材料を定量自動供給する。
(処理ii)ここまで使用していた坩堝を蒸着チェンバー内に予め用意しておいた蒸着材料を充填した坩堝に自動交換する。
(処理iii)蒸着チェンバー内に予め設けておいた蒸着材料を充填した坩堝を搭載した蒸発源に自動交換する。
(処理iv)蒸着チェンバー内に予め設けておいた材料供給機構で蒸発源30内の坩堝に蒸着材料を適宜計測値に基づいた量で自動供給する。
それに伴い、図1で説明したように、蒸着材料の蒸発強度分布が変化する。坩堝3に貯留された蒸着材料が減少し、湯面が所定の湯面高さ以下になると、被処理基板6に形成される蒸着膜は、必要とする膜厚分布を確保できなくなる。
従って、必要とする膜厚分布を得られなくなる湯面高さよりも、ある程度余裕をもった高さに湯面高さ下限の閾値を設定し、この閾値を下回った場合に、次の(i)乃至(iv)のいずれかの処理を行う。
または、装置の基板交換等の任意のタイミングで、計測された坩堝内の材料質量及び質量から算出された湯面高さの情報から、次の(iv)の処理を行う。
(処理i)蒸着チェンバー内に予め設けておいた材料供給機構で蒸発源30内の坩堝に蒸着材料を定量自動供給する。
(処理ii)ここまで使用していた坩堝を蒸着チェンバー内に予め用意しておいた蒸着材料を充填した坩堝に自動交換する。
(処理iii)蒸着チェンバー内に予め設けておいた蒸着材料を充填した坩堝を搭載した蒸発源に自動交換する。
(処理iv)蒸着チェンバー内に予め設けておいた材料供給機構で蒸発源30内の坩堝に蒸着材料を適宜計測値に基づいた量で自動供給する。
上記(i)乃至(iv)の処理の実行を開始するためには、湯面の高さを管理する必要がある。そこで、本発明の有機EL製造装置では、湯面の高さを図3に示すように、質量を計測することで間接的に測定する。図3は、本発明の有機EL製造装置における蒸発源の坩堝内に貯留されている蒸着材料の湯面を管理する測定機構の構成の一実施例を説明するための模式図である。図3では、蒸発源と蒸着材料の質量を測定する構成部分以外を省略している。
図3における蒸発源30は、蒸着チェンバー1の内部(真空中)に設けられ、蒸着材料2が蒸発源30の坩堝3の中に入っている。この蒸着材料2は加熱装置4により加熱される。この蒸発材料2、坩堝3、加熱装置4等を含めた蒸発源30を鉛直方向に蒸発源基底軸31により支え、さらに蒸発源荷重キャンセラー32により支える。
蒸発源荷重キャンセラー32は、坩堝3、加熱装置4などの蒸発材料2以外の蒸発源30の荷重を所定の割合でキャンセルするように設定する。これにより、坩堝3、加熱装置4等の重量があり真空内部に設置しなければならない蒸発源に関する重みを減らし、蒸着材料2に起因する荷重の変化を主に伝達するようにすることで、蒸着材料の荷重の変化を敏感に測定可能にする。
蒸発源荷重キャンセラー32は、坩堝3、加熱装置4などの蒸発材料2以外の蒸発源30の荷重を所定の割合でキャンセルするように設定する。これにより、坩堝3、加熱装置4等の重量があり真空内部に設置しなければならない蒸発源に関する重みを減らし、蒸着材料2に起因する荷重の変化を主に伝達するようにすることで、蒸着材料の荷重の変化を敏感に測定可能にする。
蒸発源基底軸31は、ニードル33と接続され、ニードル33は、蒸着チェンバー1の内部の真空室から、外部の大気圧下に蒸着チェンバー1を鉛直方向に貫通する。
ニードル33は蒸着チェンバー1を貫通する。かつニードル33は、蒸着材料2の軽重により、蒸着チェンバー1の外壁中を往復する部分に溝部を設けて、溝部にOリング34を装着して真空チェンバー1を大気から密封する。Oリング34は別の方式のシール機構でも良い。これによって、真空チェンバー1内に外部からの大気の流入を防止する。ニードル33は、大気圧下に設置された質量計35に接続され、坩堝3内に貯留された蒸着材料2の質量を荷重として質量計35に伝達する。質量計35は、ニードル33の荷重を検出することによって蒸着材料2の質量を測定する。質量計35は、例えば、ロードセルである。
ニードル33は蒸着チェンバー1を貫通する。かつニードル33は、蒸着材料2の軽重により、蒸着チェンバー1の外壁中を往復する部分に溝部を設けて、溝部にOリング34を装着して真空チェンバー1を大気から密封する。Oリング34は別の方式のシール機構でも良い。これによって、真空チェンバー1内に外部からの大気の流入を防止する。ニードル33は、大気圧下に設置された質量計35に接続され、坩堝3内に貯留された蒸着材料2の質量を荷重として質量計35に伝達する。質量計35は、ニードル33の荷重を検出することによって蒸着材料2の質量を測定する。質量計35は、例えば、ロードセルである。
ニードル33は、蒸発源荷重キャンセラー32で荷重がキャンセルされない荷重を支えられる程度の材質・直径である必要がある。また、ニードル33の直径を小さくし、Oリング34との接触面積を減らす。この結果、ニードル33とOリング34との摩擦が少なくなると共に、大気圧を受圧する断面積が小さくなり坩堝材料2の重みを正確に質量計35に伝達することができる。
ニードル33は、好ましくは、坩堝3、加熱装置4、冷却装置36等を支えるが、蒸発源荷重キャンセラー32が蒸着材料2の重量以外の荷重をキャンセルし、ニードル33が蒸着材料2の重量のみを支える限り、直径の小さいニードルが良い。例えば、ニードル33の材質にもよるが、チタン等を用い、10[mm]〜5[mm]程度の直径としても良い。更に好ましくは、直径3[mm]以下のニードルとしても良い。
ニードル33は、好ましくは、坩堝3、加熱装置4、冷却装置36等を支えるが、蒸発源荷重キャンセラー32が蒸着材料2の重量以外の荷重をキャンセルし、ニードル33が蒸着材料2の重量のみを支える限り、直径の小さいニードルが良い。例えば、ニードル33の材質にもよるが、チタン等を用い、10[mm]〜5[mm]程度の直径としても良い。更に好ましくは、直径3[mm]以下のニードルとしても良い。
また、蒸発源荷重キャンセラー32が、坩堝3、加熱装置4、冷却装置36に加えて分子線強度と膜厚分布の関係に対応する程度の湯面高さ分の蒸着材料の一定量の蒸着材料2も含めて荷重をキャンセルできるよう設定し、真に増減する蒸着材料部分の荷重を質量計で測定することもできる。これにより、増減する蒸着材料の荷重2に対して敏感に測定することができる。
図4によって、本発明の湯面高さの管理及び蒸着材料交換手順について説明する。図4は、本発明の有機EL製造装置の蒸発源が貯留する蒸着材料の湯面高さを管理し、蒸着材料交換する手順における制御機構の一実施例の構成を示すブロック図である。
図4(a)は、蒸着材料の湯面高さを間接的に測定し、湯面高さが所定の閾値以下になった場合に、上述の(処理ii)または(処理iii)のいずれかの処理を行う場合の制御機構の一実施例の構成を示すブロック図である。また、図4(b)は、蒸着材料の湯面高さを管理し、湯面高さが所定の閾値以下になった場合に、上述の(処理i)または(処理iv)の処理を行う場合の制御機構の一実施例の構成を示すブロック図である。
図4(a)は、蒸着材料の湯面高さを間接的に測定し、湯面高さが所定の閾値以下になった場合に、上述の(処理ii)または(処理iii)のいずれかの処理を行う場合の制御機構の一実施例の構成を示すブロック図である。また、図4(b)は、蒸着材料の湯面高さを管理し、湯面高さが所定の閾値以下になった場合に、上述の(処理i)または(処理iv)の処理を行う場合の制御機構の一実施例の構成を示すブロック図である。
図4(a)において、蒸発源30の重量に関する情報は、ニードル33を介して質量計35が検出しパソコン17に出力される。パソコン17は、入力された重量に関する情報から湯面の高さを算出し、現在の材料残量、湯面の高さとそれらから推算される予想膜厚分布や予測供給時間を表示する他、湯面の高さが所定の閾値以下になった場合に、上述の(処理ii)または(処理iii)のいずれかの処理を行う。また、異常と判断される材料量を検知し、表示装置が警報出力機能を有する場合には、警告音を出力し、装置が異常状態であることを周囲に通報する。
なお、パソコン17が自動的に(処理ii)または(処理iii)を実行する他に、例えば、周囲にいた作業員が、表示を見て、当該装置の蒸発源について、上述の(処理ii)または(処理iii)を手動で操作して実行するようにしても良い。
なお、パソコン17が自動的に(処理ii)または(処理iii)を実行する他に、例えば、周囲にいた作業員が、表示を見て、当該装置の蒸発源について、上述の(処理ii)または(処理iii)を手動で操作して実行するようにしても良い。
図4(b)では、蒸発源30の重量に関する情報は、ニードル33を介して質量計35が検出しパソコン17に出力される。パソコン17は、入力された重量に関する情報から湯面の高さを算出し、湯面の高さが所定の閾値以下になった場合に、(処理i)を実施する。または閾値に依らず任意のタイミングで(処理iv)を実行する。また同時に、表示装置38に現在の材料残量、湯面の高さとそれらから推算される予想膜厚分布や予測供給時間を表示する他、湯面が所定の高さ以下になった場合は、そのことを表示する。また、異常と判断される材料量を検知し、表示装置が警報出力機能を有する場合には、警告音を出力し、装置が異常状態であることを周囲に通報する。
なお、パソコン17が自動的に(処理i)または(処理iv)を実行する他に、例えば、周囲にいた作業員が、表示を見て、当該装置の蒸発源について、上述の(処理i)または(処理iv)を手動で操作して実行するようにしても良い。
なお、パソコン17が自動的に(処理i)または(処理iv)を実行する他に、例えば、周囲にいた作業員が、表示を見て、当該装置の蒸発源について、上述の(処理i)または(処理iv)を手動で操作して実行するようにしても良い。
なお、図4において、パソコン17は、入力された重量に関する情報から湯面の高さを算出し、湯面の高さが所定の閾値以下になるか否かを判定していた。しかし、湯面の高さを算出せず、重量を算出し、重量が所定の重量閾値以下になった場合に、(処理i)〜(処理iv)を実行するようにしても良い。
また、図4の実施例では、パソコンを使用した。このパソコンは、有機EL製造装置の制御用パソコン17が実行するように記載した。しかし、有機EL製造装置の制御用パソコン17ではなく、別のパソコンが実行しても良く、また、通常の電子計算機でも良く、更に、CPUやマイコン等の制御機器であっても良い。
また、図4の実施例では、パソコンを使用した。このパソコンは、有機EL製造装置の制御用パソコン17が実行するように記載した。しかし、有機EL製造装置の制御用パソコン17ではなく、別のパソコンが実行しても良く、また、通常の電子計算機でも良く、更に、CPUやマイコン等の制御機器であっても良い。
なお、坩堝3は、扱う材料、または、製造する有機ELの品質若しくは種類によって、例えば、300[℃]度から400[℃]にも至る高温に達する。また例えば、有機材料は500[℃]、金属などの無機材料の場合には1000[℃]以上に昇温する必要がある材料もある。この高温が質量計及び質量計による測定に悪影響を与える場合もある。
これを防止するため、蒸発源基底軸31、蒸発源荷重キャンセラー32、及びニードル33を熱伝導性の低い材質で構成する若しくは冷却装置36を備えるか、またはその双方を備えることが好ましい。
なお、図3においては冷却装置36を坩堝3の下方に設置した。これは加熱対象である坩堝から遠くに設置することで加熱効率に悪影響を与えないためである。しかし、これに代えてまたはこれに加えて、質量計35に力を伝達する経路のいずれの場所に設置してもよい。質量計35に至るまでにその高温を緩和することができれば冷却装置36の目的は達成し、その位置は加熱装置4から遠い方が効率的な加熱に資するためである。
これを防止するため、蒸発源基底軸31、蒸発源荷重キャンセラー32、及びニードル33を熱伝導性の低い材質で構成する若しくは冷却装置36を備えるか、またはその双方を備えることが好ましい。
なお、図3においては冷却装置36を坩堝3の下方に設置した。これは加熱対象である坩堝から遠くに設置することで加熱効率に悪影響を与えないためである。しかし、これに代えてまたはこれに加えて、質量計35に力を伝達する経路のいずれの場所に設置してもよい。質量計35に至るまでにその高温を緩和することができれば冷却装置36の目的は達成し、その位置は加熱装置4から遠い方が効率的な加熱に資するためである。
質量計35としては、例えばロードセルが挙げられる。ロードセルとしては、液圧、空気圧を利用するもの、弾性を利用するもの、磁歪効果・圧電効果を利用するもの等があり、また歪みゲージ式のほか、静電容量式、ジャイロ式等が挙げられる。質量計35は、その測定により蒸発源の湯面高さが変化すると膜厚分布に影響を与えるため、蒸発源30中の蒸着材料2の表面高さに与える変動が少ない、または変動が無い質量計である必要がある。
質量計35で測定された情報は、パソコン17に伝達され、処理された結果の情報を表示装置38にて表示する。即ち、蒸着材料が蒸発している間、質量計35を測定し、モニタリング機能として現在の材料残量、湯面の高さと、それらから推算される予想膜厚分布や予測供給時間等を表示する。そして予め定められた所定の閾値よりも質量が減少した場合には、蒸着材料が予め定められた材料量よりも減少したこと、あるいは許容される膜圧分布値を外れる程度に蒸発分子強度分布が変化する湯面にまで近づき、材料量を増やすタイミングにあること等を表示装置38で表示する。予め定められた所定の閾値は、被処理基板6に堆積される適切な膜厚を構成できるように計算や実験的に定めた数値又は過去の経験等により定める。
なお、この図3の実施例1では、後述の実施例2の図5と異なり、坩堝3は、坩堝3内の全側壁が上方の被処理基板6に対して略垂直であるか、または、坩堝3内の全側壁(蒸着材料の湯面)が上方の被処理基板6に対して等距離になるように設置した。
上記実施例1では、質量計を真空装置外に設置した。これは特殊な蒸着装置に適用可能で真空内に設置可能な質量計を開発するにはコストが増加するためである。しかし、真空装置内に設置可能な質量計であれば、真空装置内に設置してもよい。
実施例1によれば、蒸着チェンバー内において蒸発源の坩堝内の蒸着材料の湯面高さを継続的に管理することができるセンサを備えた有機EL製造装置及び有機EL製造方法を実現できる。
図5によって、本発明の実施例2について説明する。図5は、本発明の有機EL製造装置における蒸発源とその坩堝内に貯留されている蒸着材料の湯面の一実施例を説明するための模式図である。
上述した実施例1では、実施例2である図5と異なり、坩堝内の全側壁が被処理基板の蒸着面に対して略垂直の坩堝、又はそうでない坩堝であるとしても坩堝の開口部またはノズル部を形成する穴の中心線が被処理基板の蒸着面に対して略垂直になるように坩堝を設置した。
それに対して、図5では、坩堝3が斜めに設けられたものである。図示していないが、坩堝3を加熱するためのヒータ、及び熱を外部に漏らさないようにするための熱シールドも斜めに設けられている。
図5の場合であっても、図2に示した有機EL製造装置内に坩堝3が設置され、図3で一例を示した蒸発材料2、坩堝3、加熱装置4等を含めた蒸発源30について、鉛直方向に支持する蒸発源基底軸31、及び蒸発源荷重キャンセラー32以下、ニードル33、Oリング34、質量計35、冷却装置36、パソコン17、及び表示装置38で構成されることは同様である。
また、図4(a)または図4(b)の本発明の湯面高さの測定及び蒸着材料交換手順も同様である。
図5の蒸発源及び坩堝を斜めに設置する利点は、小さい基板に複数の蒸着材料を複数の蒸発源を用いて一つのチェンバーで蒸着する場合に有効な他、縦に配置した基板に蒸着する場合に、分子線強度分布を考慮すると、水平に寝かせた姿勢が望ましいがそれでは坩堝内の蒸着材料が坩堝から落下排出してしまうため、できるだけ水平方向に分子線強度の中心を移しつつ、蒸着材料を坩堝内に保持することにある。そして、図5のように、斜め設置にした場合においても、図3と同様に、坩堝周囲に加熱装置4、冷却装置36を設置し、その下方に蒸発源基底軸31、蒸発源荷重キャンセラー32を設置して、Oリング34とニードル33を介して質量計を設置し、さらに質量計と電子計算機及び表示装置を電気的に接続することができる。
上述した実施例1では、実施例2である図5と異なり、坩堝内の全側壁が被処理基板の蒸着面に対して略垂直の坩堝、又はそうでない坩堝であるとしても坩堝の開口部またはノズル部を形成する穴の中心線が被処理基板の蒸着面に対して略垂直になるように坩堝を設置した。
それに対して、図5では、坩堝3が斜めに設けられたものである。図示していないが、坩堝3を加熱するためのヒータ、及び熱を外部に漏らさないようにするための熱シールドも斜めに設けられている。
図5の場合であっても、図2に示した有機EL製造装置内に坩堝3が設置され、図3で一例を示した蒸発材料2、坩堝3、加熱装置4等を含めた蒸発源30について、鉛直方向に支持する蒸発源基底軸31、及び蒸発源荷重キャンセラー32以下、ニードル33、Oリング34、質量計35、冷却装置36、パソコン17、及び表示装置38で構成されることは同様である。
また、図4(a)または図4(b)の本発明の湯面高さの測定及び蒸着材料交換手順も同様である。
図5の蒸発源及び坩堝を斜めに設置する利点は、小さい基板に複数の蒸着材料を複数の蒸発源を用いて一つのチェンバーで蒸着する場合に有効な他、縦に配置した基板に蒸着する場合に、分子線強度分布を考慮すると、水平に寝かせた姿勢が望ましいがそれでは坩堝内の蒸着材料が坩堝から落下排出してしまうため、できるだけ水平方向に分子線強度の中心を移しつつ、蒸着材料を坩堝内に保持することにある。そして、図5のように、斜め設置にした場合においても、図3と同様に、坩堝周囲に加熱装置4、冷却装置36を設置し、その下方に蒸発源基底軸31、蒸発源荷重キャンセラー32を設置して、Oリング34とニードル33を介して質量計を設置し、さらに質量計と電子計算機及び表示装置を電気的に接続することができる。
実施例2によれば、斜めに設けられた蒸発源においても、蒸着チェンバー内において蒸発源の坩堝内の蒸着材料の湯面高さを継続的に管理することができるセンサを備えた有機EL製造装置及び有機EL製造方法を実現できる。
次に、図6によって、本発明の実施例3について説明する。図6は、本発明の有機EL製造装置における蒸発源の坩堝内に貯留されている蒸着材料の湯面を測定する測定機構の構成の一実施例を説明するための模式図である。
実施例1の図3と異なる点は、図3が蒸着チェンバー1を貫通するニードル33の蒸着チェンバー1を往復する部分に溝部を設け、当該溝部にOリング34を装着して蒸着チェンバー1を密封した。
実施例3の図6では、蒸着チェンバー1を貫通するニードル33を、ベローズ40で密封したことである。
実施例1の図3と異なる点は、図3が蒸着チェンバー1を貫通するニードル33の蒸着チェンバー1を往復する部分に溝部を設け、当該溝部にOリング34を装着して蒸着チェンバー1を密封した。
実施例3の図6では、蒸着チェンバー1を貫通するニードル33を、ベローズ40で密封したことである。
実施例3によれば、ニードルの上下動がスムースに可動可能なため、蒸発源の坩堝内の蒸着材料の重量が伝わり易く、Oリングを用いた実施例1に比べて、質量の変化をより正確に検出することができる。このため、蒸着チェンバー内において蒸発源の坩堝内の蒸着材料の湯面高さを更に効率よくかつ継続的に測定することができるセンサを備えた有機EL製造装置及び有機EL製造方法を実現できる。
実施例1乃至実施例3によれば、湯面高さを正確に測定できる。このため、高度に安定して、目的とする膜厚分布を得ることが可能となる。また、蒸発源の蒸着材料の残量が的確に把握できるため、効率的に蒸着装置を稼働することができる。
1:蒸着チェンバー、 2:蒸着材料、 3:坩堝、 4:加熱装置、 5:蒸着材料上昇を示す線、 6:被処理基板、 7:被処理基板保持装置、 8:回転軸、 9:水晶膜厚計、 10:ノズル面(開口部)、 17:パソコン、 18:膜厚制御部、 19:蒸発源電源、 20:蒸気、 22、23、26:蒸着材料の湯面高さ、 24、25、27:等圧線、 30:蒸発源、 31:蒸発源基底軸、 32:蒸発源荷重キャンセラー、 33:ニードル、 34:Oリング、 35:質量計、 36:冷却装置、 38:表示装置、 40:ベローズ。
Claims (8)
- 蒸着チェンバーと、前記蒸着チェンバー内に設置され蒸着材料を坩堝から放出させ被処理基板に付着させる蒸発源と、前記坩堝から放出された蒸発材料の蒸着レートを監視する膜厚計と、前記膜厚計から出力された蒸着レートから前記蒸発源を制御する膜厚制御部と、前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量を荷重として前記蒸着チェンバーの外部に伝達するニードルと、前記ニードルから伝達された荷重を検出して前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量を測定する質量計と、装置全体を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記質量計が測定した前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量が所定の閾値以下になった場合に、これに連なる必要な処理を行うか否かを前記制御部が判断する若しくは、オペレータに対して計測表示を行うことを特徴とする有機EL製造装置。 - 請求項1記載の有機EL製造装置において、前記質量計はロードセルであり、前記ニードルは鉛直方向に前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量を荷重として前記質量計に伝達することを特徴とする有機EL製造装置。
- 請求項1または請求項2記載の有機EL製造装置において、更に、前記蒸発源の前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料以外の重量をキャンセルする蒸発源荷重キャンセラーを備え、前記ニードルは前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量を荷重として前記蒸着チェンバーの外部に伝達することを特徴とする有機EL製造装置。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の有機EL製造装置において、更に表示装置を備え、現在の材料残量、湯面の高さとそれらから推算される予想膜厚分布や予測供給時間を表示する他に、前記制御部は、前記質量計が測定した前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量が所定の閾値以下になった場合に、これに連なる必要な処理を行うか否かを前記制御部が判断する若しくは、オペレータに対して計測表示を行うと共に、前記表示装置に前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量が所定の閾値以下になったことを表示させることを特徴とする有機EL製造装置。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の有機EL製造装置において、前記ニードルは、前記蒸着材料の軽重により、前記蒸着チェンバーの外壁中を往復する部分に溝部を設けて、前記溝部にOリングを装着して前記真空チェンバーを大気から密封することを特徴とする有機EL製造装置。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の有機EL製造装置において、前記ニードルは、前記蒸着材料の軽重により、前記蒸着チェンバーの外壁中を往復する部分にベローズを設けて前記真空チェンバーを大気から密封することを特徴とする有機EL製造装置。
- 蒸着チェンバー内に設置された蒸発源が蒸着材料を坩堝から蒸発させ被処理基板に付着させ、前記坩堝から放出された蒸発材料の蒸着レートを膜厚計が監視し、前記膜厚計から出力された蒸着レートから膜厚制御部が前記蒸発源を制御し、前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量を荷重としてニードルが前記蒸着チェンバーの外部に伝達し、前記ニードルから伝達された荷重を検出して前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量を質量計が測定し、制御部が装置全体を制御し、
前記制御部は、前記質量計が測定した前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量が所定の閾値以下になった場合に、これに連なる必要な処理を行うか否かを前記制御部が判断する若しくは、オペレータに対して計測表示を行うことを特徴とする有機EL製造方法。 - 請求項7記載の有機EL製造方法において、前記質量計が測定した前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量が所定の閾値以下になった場合に、これに連なる必要な処理を行うか否かを前記制御部が判断する若しくは、オペレータに対して計測表示を行うと共に、前記表示装置に前記坩堝内に貯留された前記蒸着材料の質量が所定の閾値以下になったことを表示させることを特徴とする有機EL製造方法。
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KR20200123518A (ko) * | 2019-04-22 | 2020-10-30 | 주식회사 야스 | 물질소모량 계측이 가능한 증발원 |
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2013
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