JP3741598B2 - 微生物の抗菌感受性試験のための装置および方法 - Google Patents

微生物の抗菌感受性試験のための装置および方法 Download PDF

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Description

【0001】
発明の背景
技術分野
この発明は、広くは、抗菌生成物による成長阻害に対する微生物の感受性を試験するための装置および方法に関する。この発明は、微生物の定性的感受性および定量的感受性試験の両方に関する。
【0002】
一般的な従来技術
微生物の出所および試験のための培養
試験しようとする微生物標本は、多くの出所から研究所に供給されるであろう。標本は、博士により彼等の部屋から採集されて中央試験研究所に送られるかもしれないし、研究所が提携している病院の患者から採集されるかもしれない。標本は、身体の多くの部分、例えば、大脳髄液、膿瘍、感染した傷、生殖器感染症等から得ることができる。採集した標本は、通常の研究所の実務に従って一次寒天プレート上で培養する。一次培養プレート上の細菌コロニーから、予め設定した濃度の細菌懸濁液を調製する確立された手順に従って接種物を調製する。この接種物のさらなる処理は、感受性試験に用いようとする装置および方法に依存する。
【0003】
感受性試験装置および方法
感受性試験の目的は、既に始まっている抗生物薬剤(antibiotic drug)治療の予想される成功についての情報を関係する医師に提供することにある。一般に医師は、投与しようとする、通常抗生物薬剤と呼ばれる抗菌生成物を、試験結果が分かる前に処方するであろう。しかしながら、医師にとって、抗菌生成物および与えられた濃度が、感染を引き起こす微生物をうまく殺すかどうかを学ぶことはしばしば重要である。試験結果が入った後、試験結果がそうする理由を示しているならば、医師は薬物治療を変えることができる。
【0004】
定性的対定量的感受性試験
定性的感受性試験という用語は、一般に、生物が特定の抗菌生成物に対して感受性であるかあるいは耐性であるかを示す試験結果を生み出す試験装置および方法を意味する。抗菌生成物のただ1種もしくは2種の濃度を含む方法への依存性が用いられる。定性的感受性試験においては、感受性もしくは耐性の程度は報告されない。
【0005】
定量的感受性試験という用語は、微生物の増殖を阻害するに十分であろう抗菌生成物の濃度についてのデータを提供する試験結果を生み出す試験装置および方法を意味する。典型的には、治療範囲の抗菌生成物濃度をカバーする、抗菌生成物の6種以上の異なる希釈が用いられる。最小阻止濃度(MIC)という用語は、しばしば定量的感受性試験により与えられる結果を示す意味で用いられ、微生物の増殖の阻害を生み出すであろう抗菌生成物の最小濃度と定義される。
【0006】
抗菌生成物という用語は、ここでは、予め設定された濃度の抗菌剤(すなわち、個別の抗生物質)のセットを含む生成物を示し、したがって、単一の抗生物薬剤もしくは2種以上の抗生物剤(antibiotic agent)を含む広スペクトル処方に対する一般的な名称である。
【0007】
定性的感受性試験装置および方法
キルビー/バウアー(Kirby/Bauer)プレート
(第1A図)上でのディスク拡散
ディスク拡散は定性的感受性試験の方法であり、微生物の増殖培地で被覆された、典型的にはキルビー/バウアープレートと呼ばれるプレート10、接種ブロス、および抗菌生成物が貯蔵されている複数のぺーパーディスク11を使用する。プレートは直径150mm、ディスクは直径6mmである。微生物を含む接種ブロスをプレート上に塗布し、微生物の均一なローン(lawn)を形成する。次いで、ぺーパーディスクをプレート上の離れた地点に落とし、その後プレートをインキュベーターに入れて微生物を増殖させる。第1A図はインキュベーション後のプレートの外観の一例を示す。ディスクを取り巻く阻止域は、ゼロないし25もしくは30mmの間で変化する。
【0008】
インキュベーションの間に、ディスク中の抗菌生成物は微生物ローンに拡散し、抗菌生成物の異なる濃度の連続した分布を形成する。微生物が抗菌生成物に対して高度に耐性でなければ、典型的には、抗菌生成物の濃度が最大である拡散域の中心領域において微生物の増殖は阻止される。ディスクの中心から一定の範囲で、微生物の増殖が見られる。特定のディスク周囲の阻止域のサイズが、そこに存在する特定の抗菌生成物に対する微生物の感受性を示す。
【0009】
第1A図および第1表(この明細書の末尾にある)は、使用されるいくつかの抗菌生成物の典型的な例およびディスク拡散試験の読取り結果を示す。
【0010】
ディスク拡散試験の主な利点は、試験のための抗菌生成物の選択における柔軟性および試験の設定の容易さである。プレート上の適当に離れた地点に、異なる抗菌生成物を含有する複数のディスクを同時に分配するためのディスク貯蔵および分配システムが開発されている。この分配システムは、異なるディスク貯蔵モジュールを積載することができる。これは、使用者に、各標本の試験状況で使用するための抗菌生成物の選択における完全な柔軟性を与える。
【0011】
主たる不都合な点は、試験結果の「感受性」および「耐性」の解釈が、血液以外の感染部位で達し得る抗生物質レベルとあまりよい相関を示さない、達し得る抗生物質の血清レベルに基づいていることである。これは、全ての定性的感受性試験法の真実である。他の不都合な点は、域のサイズを測定するために定規を用い、解釈のためにチャートを参照する、試験の読取りおよび解釈の困難で時間のかかる工程である。他の点は、「感受性」および「耐性」の解釈における差異がしばしばわずか数ミリメーターであり、そのため大きな接種物から得られた試験法における変化もしくは他の変化によって誤りが生じることがある。また、ディスク拡散方法では、1枚のプレート上で試験し得る抗菌生成物の数が限定される。
【0012】
ブレークポイント試験プレート(第1B図)
定性的感受性試験の他の試みには、ブレークポイント(breakpoint)試験パネルシステムもしくはキルビー−バウアー試験パネルシステムと呼ばれるマルチウェル試験パネルの使用が含まれる。第1B図に示すように、ブレークポイント試験プレートはマルチウェル試験パネル20を典型的に用いる。このパネルは、陰性増殖対照ウェル21、陽性増殖対照ウェル22、複数の抗菌生成物の異なる2種の希釈物が用いられる第1パネル区画23および数種の抗菌生成物の各々のただ1種の希釈物が存在する第2パネル区画24を有する。パネルの試験ウェルは関係付けられた抗菌組成物の略語でラベルされており、ウェル内の濃度はmg/mlで与えられている。この明細書の末尾の第II表は、この従来のブレークポイントパネルの例において用いられる抗菌生成物およびブレークポイント濃度を示す。
【0013】
陰性増殖対照ウェル21は増殖培地を有するのみであり、微生物は接種されていない。これは、主として、パネルの汚染を監視するために用いられる。インキュベーションの後、陽性増殖対照ウェル内に微生物の増殖が検出される場合には、このパネルを廃棄して試験を繰り返さなければならない。陽性増殖対照ウェル22は抗菌生成物を含有しない増殖培地を有しており、微生物が接種されている。陽性増殖対照ウェルは、抗菌生成物の非存在下で、パネル内の増殖培地が微生物を増殖させることが可能であることを示すことを目的とする。陽性増殖対照ウェル内で微生物の増殖がない場合には、その試験を無効とし、他の試験プレート上で試験を繰り返さなければならない。
【0014】
抗菌生成物と関係付けられた各試験ウェルは、増殖培地および既知濃度の対応する抗菌生成物を有する。これらの試験化学物質はウェル内に入れられ、凍結もしくは乾燥される。凍結パネルは、接種の直前に解凍する。乾燥パネルは、無菌再水化溶液を用いる陰性増殖対照ウェルの分離再水化により、微生物の接種時に再水化する。
【0015】
パネル区画23の各抗菌生成物の異なる2種の濃度は、特定の微生物がその抗菌生成物に対して感受性であるか、もしくは耐性であるかについての情報が得られるように選択される。この濃度は、ディスク拡散試験法を用いた試験結果と上述の結果との相関に基づく。
【0016】
各陽性増殖対照ウェルおよび各抗菌生成物に関係付けられたウェルには、予め調製された微生物の濃縮物が接種される。その後、典型的には一晩、パネルをインキュベートし、視覚により読み取る。陰性増殖対照ウェルおよび陽性増殖対照ウェルが、このパネルが読み取りに適格であることを示すならば、抗菌生成物に関係付けられたパネル区域23の試験ウェルの各組もしくはパネル区域24の単一の試験ウェルを検査して、どのウエルが微生物の増殖を示しているかを決定する。
【0017】
パネル区画23の2種の希釈物を参照して、2つのウェルの各々において微生物が増殖している場合には、その抗菌生成物に対する試験結果は「耐性」である。微生物がいずれのウェルにおいても増殖しない場合には、試験結果は「感受性」である。微生物が低濃度ウェルで増殖し、高濃度ウェルで増殖しない場合には、試験結果は「不確定」である。微生物が高濃度ウェルで増殖し、低濃度ウェルで増殖しない場合には、試験が失敗したことを示す。
【0018】
単一希釈パネル区画24において、感受性および耐性は、単一ウェルにおける増殖もしくは非増殖に依存する試験結果として呼ばれる。増殖している場合には、微生物はその抗菌生成物レベルで耐性であり、増殖していない場合には、そのレベルで感受性である。
【0019】
ディスク拡散試験に対する定性的感受性試験パネルおよび下記定量的感受性試験パネルの主な利点は、抗菌生成物当りただ1種もしくは2種の希釈物を必要とするだけであるため、より多数の抗菌生成物を使用することができることである。他の利点は、このパネルは、ディスク拡散試験結果よりも読み取りが比較的容易かつ迅速であることである。
【0020】
ブレークポイント試験パネルの主な不都合は、ディスク拡散試験に対して上で論じたことと同様である。加えて、現在利用し得る定性的感受性試験パネルは、使用者が、製造者がカスタムパネルを製造する気になるに十分な量を購入しない限りは、使用者が選択した抗菌生成物を用いた標本の試験に対する柔軟性がない。一般に、製造者は抗菌生成物を予め選択してパネル上に載置しており、使用者はそのパネルを供給されたままで受け取る。製造者は、使用者が実質的な試験を望んでいる薬物を除くことができる。市販の試験プレートに新規に利用し得る薬物を載せることには、通常遅れが出る。これらの両方の場合において、これらの抗菌生成物に対する微生物の試験が必要な場合には、使用者は他の試験配置を作らなければならない。
【0021】
定量的感受性試験
手動読み取りシステム
今日の臨床研究所において行われている定量的感受性試験のほとんどは、陰性増殖対照ウェルおよび陽性増殖対照ウェルの他に、12ないし23種の異なる抗菌生成物の複数の希釈物を有するマルチウェル試験プレートを用いる。そのようなパネルのほとんどの読み取りは、パネルの視覚的な読み取りにより手動で行われている。視覚的な読み取りには、微生物の増殖の指標としてウェル内の濁りを探すことも含まれる。各抗菌生成物に対する全ての試験ウェルを調査し、濁りが存在しない、最小濃度の抗菌生成物を有するウェルがMICである。
【0022】
第2A図および第2B図は、 ランカスター(Lancaster)らの米国特許4,453,220によりカバーされている、試験パネル読み取りデータ記録システムを示す。この全体的なシステムは、従来の視覚読み取りおよびコンピュータベースのデータロギングシステムの典型である。第2A図に示す抗菌生成物および希釈物は、’220特許が出願された時点におけるMIC試験パネル技術の典型である。現在のMIC試験パネル技術においては、異なる抗菌生成物および希釈物を使用することもできる。
【0023】
第2A図および第2B図は、MIC試験パネル30を微生物同定パネル40と合体させることも可能であることを示している。第2A図に示すキーボード上敷き50は、MICパネル30およびIDパネル40における試験ウェルパターンに一致し、データ入力システム60のキーボード部70の上に取り付けられる。パネル30および40は、試験ウェルを背後から照らして試験ウェル内に濁りが存在するかどうかの決定を容易にする、バックライト読み取り部80内に取り付けられる。MICパネル30を読み取る間、技術者は、微生物が増殖しない最小濃度の関連抗菌生成物を有するウェルに対応する、キーボード部70のキーを押す。これが抗菌生成物のMIC値である。装置60がこの抗菌生成物のMIC値を記録し、後に試験報告書式上にそれを印刷する。この手動読取り機およびデータ入力および印刷システムのさらなる詳細は、上で参照した特許に見出すことができる。
【0024】
定量的感受性試験パネルの主な利点は、試験結果により提供される量的情報である。微生物の増殖を阻止する実際の抗菌生成物濃度が決定され、医師が、引き起こされた感染に対する適切な抗菌生成物および投与量の選択もしくは既に開始されている初期薬物治療の確定に用いることができる。
【0025】
MIC試験パネルの主な不都合は、パネル上の試験に利用し得る抗菌生成物の数および濃度が限定され、製造者により抗菌生成物の選択が固定されていることである。多数の使用者が選択された抗菌生成物を有するカスタムパネルを注文することができるものの、ほとんどの使用者はパネル上の抗菌生成物を制御することができない。
【0026】
さらなる不都合は、特定の試験ウェルにおける増殖の有無の決定においてしばしば遭遇する困難である。濁りの量はしばしば小さくて検出が困難であり、他の場合においては、微生物の増殖パターンが増殖の検出を困難にする。
【0027】
自動読み取りシステム
自動読み取りシステムは、定量的感受性試験パネルにおける微生物の増殖もしくは非増殖の決定に利用することができる。読み取りは、パネルの試験ウェルにおける濁りの検出に基づくか、もしくは特定の蛍光基質を用いて微生物による特定の酵素の産生を検出することによる。
【0028】
自動読み取りシステムには2種類の基本型がある。読み取り前の試験パネルの一晩のインキュベーションを含むものと、4ないし6時間のインキュベーションの後の読み取りを含むものである。後者は、普通、迅速システムと呼ばれている。一晩のインキュベーションを必要とする、試験プレートの自動読取り機システムは、光の透過を用いる工学測定の形態のいくつかを利用する濁り測定的な読み取りを使用する。このため、全て、透明試験パネルおよびパネルの試験ウェル内に透明培地を必要とする。一定の光路は、高品質プラスチックおよび試験ウェル液の容量の制御および光学パラ−メータの首尾一貫性を必要とする。この型の自動読み取りにおいては、自動的に行なう他に、試験パネルを視覚的に読み取ることができる。
【0029】
迅速自動読み取りシステムは、濁り読み取りもしくは蛍光読み取りのいずれかを用いる。これらのシステムに含まれる試験パネルは、自動読み取りもしくは自動システムが故障した疑いがある場合の結果の確認の援助として視覚的に読み取ることはできない。
【0030】
オーバーナイト試験パネルの自動読取り機の唯一の利点は、試験パネルからのデータの読み取りおよび報告における労力の節約である。試験結果は、熟練者の視覚的な読み取りにより生み出されるものより正確ではない。これらのシステムの主な不都合は、システムにかかる費用と、読み取りおよび特定の微生物の難しい増殖パターンの解釈における機械誤差の可能性である。
【0031】
迅速自動読み取りシステムの利点は、データの読み取りおよび報告における労力節減ど試験結果の迅速な報告である。上述のように、これらのシステムの不都合な点は、機械の読み取りの援助として試験パネルを視覚的に読み取ることができないことである。
【0032】
発明の目的
この発明の主な目的は、微生物の抗菌感受性試験のための改良された装置および方法を提供することにある。
【0033】
この発明の他の目的は、試験パネルの読み取りの容易さが改良された、微生物の抗菌感受性試験のための装置および方法を提供することにある。
【0034】
この発明の他の目的は、試験パネルの測色および蛍光読み取りが改良された、微生物の抗菌感受性試験のための装置および方法を提供することにある。
【0035】
この発明の他の目的は、抗菌生成物選択の柔軟性が改良された、微生物の定性的感受性試験のための装置および方法を提供することにある。
【0036】
この発明の他の目的は、抗菌生成物選択の柔軟性が改良された、微生物の定量的感受性試験のための装置および方法を提供することにある。
【0037】
この発明の他の目的は、試験パネルを手動で、もしくは自動的に読み取ることが可能な、微生物の感受性試験のための装置および方法を提供することにある。
【0038】
発明の特徴および利点
この発明の一面は、予め設定された濃度の抗菌生成物による増殖阻止に対する、微生物の感受性を試験するための方法であって、陰性増殖対照ウェルもしくは容器(recepticle)および陽性増殖対照ウェルもしくは容器を用意することを包含し、
各陰性増殖対照容器および陽性増殖対照容器内に、予め設定された濃度の微生物の増殖培地、および予め設定された濃度のレザズリンであって、微生物に対する低毒性および微生物増殖の代謝生成物によるレゾルフィンへの還元に対する実質的な感受性を特徴とする濃度範囲となるように予め設定されたレザズリンを入れる工程と、
陽性増殖対照容器内に、予め設定された濃度の微生物を入れる工程と、
を用いる方法であることを特徴とする。
【0039】
この方法において、試験容器は、
試験容器内に予め選択された濃度の抗菌生成物を入れる工程と、
試験容器内に予め設定された濃度のレザズリンを入れる工程と、
試験容器内に予め設定された濃度の増殖培地を入れる工程と、
試験容器内に予め設定された濃度の微生物を入れる工程と、
により作成される。
【0040】
その後、可視光読み取りプロトコルおよび蛍光励起読み取りプロトコルを含む、予め選択された読み取りプロトコルに関連付けられたインキュベーション時間の間、全ての容器を一緒にインキュベートする。インキュベーション時間の経過後、予め選択した読み取りプロトコルに従って容器を読み取り、レザズリンおよびレゾルフィンの相対濃度に基づいて、試験容器内の微生物の増殖の有無を決定する。
【0041】
可視光読み取りプロトコルには、各々の容器において検出された可視光レフレクタンスの色の予め決められた関数的な組み合わせの少なくとも1つを基にした決定アルゴリズムが含まれる。蛍光励起読み取りプロトコルには、各々の容器において、還元生成物であるレゾルフィンにより発生する蛍光放射信号の値の予め決められた関数的な組み合わせの少なくとも1つを決定アルゴリズムが含まれる。
【0042】
この発明の方法の利点の1つは、同一の試験方法論から2つの異なる読み取りプロトコルを利用し得ることである。可視光読み取りプロトコルおよび蛍光放射読み取りプロトコルの両者とも自動化することが可能であり、後者は迅速試験プロトコルに使用して4ないし6時間のインキュベーション時間内に増殖の有無を決定することができる。他の利点は、試験ウェル内において微生物が増殖した際のレザズリンの元来の青色からレゾルフィンの赤色への色変化を利用することにより、可視光読み取りプロトコルによる視覚的読み取りが非常に容易になることである。濁りの視覚的読み取りと隣に並べての比較において、色変化による増殖の読み取りがより早くより容易であることが示されている。
【0043】
この発明の方法の一態様において、試験容器の作製工程は、まず予め設定された量の抗菌生成物の乾燥固体量(dry solid volume)、およびレザズリンおよび増殖培地を含む試験化学物質セットを構成する成分のうちの予め設定されたサブセットの乾燥固体量を含む試験モジュールを試験容器内に形成し、次いで、予め設定された濃度の微生物および試験化学物質セットの全ての構成成分であって試験モジュールに含まれない成分を含有する大量の液体を試験ウェル内に入れてインキュベーションの前に試験モジュールを再水化することを包含する。好ましくは、試験化学物質セットには、再水化した試験化学物質溶液の最終pHを制御するための予め選択された緩衝液、およびインキュベーション工程中の増殖培地によるレザズリンの還元を実質的に抑制することを特徴とする予め選択されたレドックス安定化剤が含まれる。
【0044】
吸着紙ディスクのような担持媒体であって、その内部に各々の容器の試験化学物質が乾燥して含まれる担持媒体を容器内に用いることも好ましい。この発明の方法は、担持媒体および再水化液における試験化学物質セットの種々の成分の分与については柔軟性を与える。しかしながら、全ての試験化学物質成分は担持媒体に分与され、再水化液は陽性増殖対照ウェルおよび試験ウェル内に入れられる微生物のみを担持することを必要とすることが一般に好ましい。
【0045】
この発明の方法においては、この発明の方法が定性的感受性試験パネルもしくは定量的感受性試験パネルに関して使用される際に、試験化学物質セット中への標準増殖培地の使用、および利用する抗菌生成物の選択における柔軟性を与える担持媒体の使用を有利に行ない得る。このようなパネルは予め十分に載置して、この発明の読み取りが容易であるという利点を提供するものでもよい。パネルは、乾燥担持媒体、好ましくは、抗菌生成物を有する濃度の印刷された吸着紙ディスクを用いることにより十分に載置可能であって、使用者に抗菌生成物および濃度の選択の柔軟性を与えるものでもよい。加えて、予め載置された試験モジュールと使用者が選択する試験モジュールを載置するための空の試験ウェルとの組み合わせを有する試験パネルを提供することもできる。
【0046】
この発明に従って、ディスク分配器および他の試験成分を有する試験キットを提供し、簡単な方法で試験ウェルにディスクを装填させることもできる。
【0047】
発明の態様の詳細な説明
基本的な方法論(第3図ないし第8図)
この発明の基本的な方法には、予め選択された濃度の抗菌生成物による増殖阻止に対する微生物の感受生を、陰性増殖対照ウェルを有する試験パネル100もしくは容器101、陽性増殖対照ウェルもしくは容器102、および試験ウェルもしくは容器103を使用して試験することが含まれる。この説明において、「ウェル」もしくは「容器」という用語は、「容器」という用語が試験化学物質を保持するための適切な構造に対して一般的であるという理解と共に、交換可能に用いられる。この方法はマルチウェルパネルの使用には依存せず、分離した個別の容器を用いることができる。パネルを用いる試みは、インキュベーター内外での取扱いの容易さ、および当業者によく知られている他の理由により好ましい。この方法の一般的な工程を以下に説明する。
【0048】
予め設定された濃度の微生物用増殖培地を2つの増殖制御容器101および102に入れ、予め設定された濃度のレザズリンも両方の増殖制御容器に入れる。増殖培地は、例えば、標準ムエラー‐ヒントン(Mueller-Hinton)ブロスであってもよく、この増殖培地の濃度は、感受性試験産業において今日用いられている濃度の標準範囲であってもよい。使用されるレザズリンの濃度は、微生物に対する低毒性と、微生物増殖の代謝生成物によるレゾルフィンへの還元に対する実質的な感受性とを特徴とする、予め決められた範囲内にある。
【0049】
予め設定された濃度の試験しようとする微生物を陽性増殖対照ウェル102内に入れる。したがって、第3図に示すように、陰性増殖対照ウェル102が増殖培地およびレザズリンを有するのに対し、陽性増殖対照ウェルは増殖培地、レザズリンおよび微生物を有する。
【0050】
試験ウェル103内には以下の試験化学物質が入れられる。予め選択された濃度の抗菌生成物、2つの増殖対照ウェル内と同一の予め設定された濃度の増殖培地、陽性増殖対照ウェル内と同一濃度のレザズリンおよび同一濃度の微生物。全ての試験化学物質を3つの容器内に分与した後、それらを一緒に、予め選択された読み取りプロトコルに関連するインキュベーション時間でインキュベートする。一般に、この発明と共に使用される読み取りプロトコルは、可視光読み取りプロトコルおよび蛍光励起読み取りプロトコルである。これらの種々の読み取りプロトコルの詳細は以下に記す。
【0051】
インキュベーション時間の経過後、3つの容器を予め選択された読み取りプロトコルに従い、レザズリンおよびレゾルフィンの相対濃度に基づいて読み取り、試験ウェル内の微生物増殖の有無を決定する。可視光読み取りプロトコルには、3つの試験ウェルの各々において検出された可視光レフレクタンスの色の予め決あられた関数的な組み合わせ少なくとも1つに基づく決定アルゴリズムが含まれる。蛍光励起読み取りプロトコルには、各試験ウェルにおいて還元生成物であるレゾルフィンにより生じる蛍光放射信号の値の予め決められた関数的な組み合わせの少なくとも1つに基づく決定アルゴリズムが含まれる。この発明による読み取りプロトコルの詳細は以下に示す。
【0052】
レザズリンの還元/酸化反応
この発明の方法及び装置において、レザズリンは還元/酸化指示薬として用いられる。増殖培地中で微生物が増殖する場合には、それらは栄養物をエネルギーに変換し、これはそれらの周囲を化学的に還元する結果を招く。これは、全ての微生物において真実である。増殖する微生物の周囲に酸化/還元指示薬が存在する場合には、それも還元される、したがって、酸化/還元指示薬の使用は、微生物の増殖に普遍的に適用可能な試験を提供する。レザズリンはそのような酸化/還元指示薬であり、還元されてレゾルフィンになる。レザズリンは、反射色(reflected color)が深い青であり、非蛍光性である。レゾルフィンは赤であり、かつ高度な蛍光性である、レザズリンのこの還元は、この発明の方法において用いられる可視光読み取りプロトコルおよび蛍光励起読み取りプロトコルの基礎である。
【0053】
感受性試験のための従来の蛍光読み取りシステムには、微生物増殖の一般的な指示薬は組み込まれていない。代わりに、それらは、特定の酵素の産生を測定する蛍光基質を用いており、全ての微生物によって利用される蛍光基質は存在しない。レザズリンの還元は酵素を基礎とする反応ではなく、周囲の酸化/還元状態の変化に依存する化学反応である。これは酵素反応の影響を受けない。
【0054】
レザズリンはまた、pHが約6.5ないし6.8より上で青色であり、そのpH値の下では赤であるpH指示薬である。このため、増殖制御および試験容器内の試験化学物質群のpHが、適切な初期条件、特に抗菌生成物が比較的高いpH(酸性)を有する条件を与えるように制御されることが重要である。そのような理由により、リン酸二水索ナトリウムおよびリン酸一水素ナトリウムの混合物のような選択されたpH緩衝液をウェル内の試験化学物質のセットに添加することか好ましい。この緩衝液の量は、増殖培地の自己還元の傾向を悪化させることを避けるために、少なく保つことが好ましい。加えて、インキュベーションの間、増殖培地自身がレザズリンを還元する傾向にあり、このため3つのウェル内に分与された試験化学物質のセットがフェロシアン酸カリウムのようなレドックス安定化剤を含むことが好ましいことが見出されている。使用されるレドックス安定化剤は、増殖過程を妨げないように、微生物に対して毒性であってはならない。
【0055】
可視光読み取りプロトコル(第4図ないし第8図)
この発明に従い使用される可視光読み取りプロトコルは、青から赤への色の移動に基づいており、これは試験ウェル内における微生物増殖の結果としてのレザズリンのレゾルフィンヘの還元の間に発生する。試験ウェル103において、そこに分与された予め選択された濃度の抗菌生成物が存在するにもかかわらず、微生物が増殖する場合には、試験ウェル内に存在する試験化学物質溶液が青から赤に変化し、試験ウェルの簡単な視覚検査が、陽性もしくは陰性試験結果を決定するための基礎を提供する。増殖対照ウェルは、試験ウェルの状態の同定に助力するための、増殖および非増殖の比較の基礎を提供する。
【0056】
第4図ないし第8図は、可視光読み取りプロトコルをより詳細に示す。第4図は、インキュベーション前の試験パネル100Aの初期状態を示す。3つのウェルの全ては、ウェルを表わす領域における影によって示されるように、色が青である。
【0057】
可視光読み取りプロトコルには、パネル読み取り適格性アルゴリズムが含まれる。これは、パネル自体が正確な試験に対する適正な基礎を提供できないのか、または何かが失敗して試験ウェル内における微生物の増殖もしくは非増殖の決定の達成を妨げているのかを決定するために用いられる。第5図は、陰性増殖対照ウェルの色が青から赤に変化することにより失敗した試験を示す。そのウェルには微生物は分与されていないので、そこで何かが増殖して、レザズリンのレゾルフィンへの還元による青から赤への色の移動が生じてはならない。陰性増殖対照ウェルは、インキュベーションの間の増殖培地によるレザズリンのいくらかの自己還元により、青色の深さが僅かに変化することはかまわない、しかし、ピンクもしくは赤色への変化は、試験が失敗したようであり、繰り返さなければならないことを示している。陽性増殖対照ウェルおよび試験ウェルの色は第5図には示していない。これは、これらのウェルの色は、パネル適格性アルゴリズムのこの面には含まれていないためである。
【0058】
第6図は、陽性増殖対照ウェルがインキュベーションの後に青から赤への色変化を示すことができなかったことによつて失敗した試験を示す。増殖を阻止する試験化学物質が存在しないと仮定されている陽性増殖対照ウェルにおいて微生物が増殖できないことは、試験ウェル内における微生物の増殖がそこに存在する濃度の抗菌生成物により阻害されているのか、あるいは阻害されていないのかを判定するための信頼し得る基礎がないことを意味している。
【0059】
第7図および第8図は、パネル適格性試験を通過した2つの試験パネルを示し、かつ最終試験結果を決定するためのアルゴリズムをも示している。第7図において、陰性増殖対照ウェルの検査は、このウェルには微生物が存在しないと仮定されているためにそうあらねばならない青色のままであることを示している。陽性増殖対照ウェルは、その中に分与された微生物が阻害されることなく増殖しているはずであるためにそうであらねばならない青から赤への色変化がある。試験ウェル103においては、試験溶液の色は青のままであり、これは試験ウェルにおいて微生物の増殖がないことを示している。したがって、試験給果は陰性、すなわち、試験ウェルもしくは試験容器内に微生物の増殖はない。
【0060】
第8図において、陰性増殖対照ウェルおよび陽性増殖対照ウェルは適正な色を有しており、試験ウェルが示す赤色は陽性試験結果を示すものである。すなわち、試験ウェル内には、陽性増殖対照ウェルとまさに同様の色変化を生じる、微生物の増殖がある。
【0061】
手動読み取り
読み取りを行う人間が色認識に対する正常な視覚的鋭敏さを有していると仮定して、試験パネル100を手動で、すなわちウェルを裸眼で見ることにより容易に読み取って試験結果を決定することは認識されるであろう。試験パネルの視覚的読み取りの多くの場合において、パネルは、試験ウェル内のレザズリンのレゾルフィンへの還元が、青から赤への色変化が劇的で容易に識別可能な点まで行なわれるに十分な時間インキュベートされている、しかしながら、力なく増殖する微生物、もしくは試験ウェル内の抗菌生成物の濃度がMICの境界上にある条件の下でのある場合においては、青から赤への色変化の程度は強くないと言ってよいほど微生物の増殖はゆっくりである。試験結果の解釈を助けるために色のガイドを提供することもでき、これは試験結果を陽性もしくは陰性であると呼ぶために存在しなければならない色変化の程度を示すであろう。
【0062】
濁りの検出に頼る感受性試験パネルの視覚的読み取りに対するこの発明の利点は、青から赤への色変化を決定することが少量の濁りを検出するよりも非常に容易であることである。パネルを一晩インキュベートした後に検出が困難な濁りを生じる程度の微生物の増殖が、通常、微生物の増殖の指標として容易に検出し得る程度の青から赤への色変化を生じることが、隣り合わせの比較により示されている。結果として、この発明の方法に用いられるパネルを手動で読み取るのに、技術および集中力はそれ程必要とされない。これは、試験結果をより迅速に、かつより正確に読み取り、技術者に試験結果の報告に対して深い自信を与える結果となる。
【0063】
自動読み取り
可視光読み取りプロトコルを用いる試験パネルの自動読み取りも、比色決定が可能な計器を使用することにより容易に達成することができる。試験パネルが不透明材料であり白色光源がパネル上にある場合の自動比色読み取りシステムの模式図を第30図および第31図に示す。パネルが透明であり、白色光源およびフィルターがパネルの下にある代わりのシステムを使用することも可能である。
【0064】
図示したように、各々の場合において、試験パネル100は、各々のウェルが順に読み取られるように光源および検出器に関して走査される、3つのウェルの各々における試験溶液の色についてのデータが得られた後、可視光読み取りプロトコルのアルゴリズムをデータに適用する、まず、パネル適格性アルゴリズムを上述の視覚的読み取りの試みと同様の方法で適用し、次いで、適格性試験に合格したならば、試験ウェルデータを試験して最終試験結果を決定する。自動読み取りによると、試験ウェルと陰性増殖対照ウェル、および試験ウェルと陽性増殖対照ウェルとのそれぞれの色の差の程度を正確に定量することが可能となり、かつその定量化したデータを試験結果の決定の基礎として用いることができる。この場合のアルゴリズムは、以下に論じる蛍光励起読み取りプロトコルに非常に類似している。
【0065】
蛍光励起読み取りプロトコル
単一読み取り−−静的試験プロトコル
レゾルフィンが波長580nmで強い蛍光を発するのに対してレザズリンは非蛍光であるので、第31図に模式的に示す読み取りシステムを用いる蛍光励起読み取りプロトコルに従って、蛍光光度計を用いて試験パネル100を読み取ることができる。ウェル内においてレゾルフィンからの蛍光放射を励起するために、560以下の波長を有する励起源が用いられる。励起および放射波長の適度な分離が維持されるべきである。パネル100は、3つのウェルの各々におけるレゾルフィンの蛍光励起の値が得られるように、励起光源および検出器に関して走査される。これを説明するために、陰性増殖対照ウェルから得られた値をNとし、陽性増殖対照ウェルから得られた値をPとし、かつ試験ウェルから得られた値をTとする、このパネルの読み取りは、微生物の増殖が起こるウェルにおけるレゾルフィンの実質的な生成が起こるに十分な時間パネルのインキュベーションを行つた後に行なう。その後、NおよびPの値を調べ、そのデータが妥当な試験に相当するかどうかを決定する。Nの値は、パネルの汚染もしくは他の原因による陰性増殖対照ウェルにおける大量のレゾルフィンの存在により失敗した試験を表わすものであると決定されている閾値Nfと比較され、有効なパネルデータであるためにはそれ未満でなければならない。Pの値は、増殖培地が微生物増殖の促進に失敗したかもしくは他の原因により、インキュベーション時間の後に陽性増殖対照ウェルに存在するレゾルフィンの量が少なすぎるために失敗した試験を表わすものであると決定されている閾値Pfと比較され、有効なパネルデータであるためにはそれを越えなければならない。パネルデータがこれらの有効性試験に合格した場合には、残りの蛍光励起読み取りプロトコルに従って試験ウェルデータを操作する。
【0066】
増殖対照パラメータGcは、好ましくは、PおよびNの値の差として計算される。同様に、補正試験パラメータTcは、TおよびNの値の差として計算される、このように、陰性増殖対照ウェルから得られる値Nは、インキュベーション工程中のレザズリンの自己還元により他の2つのウェル内に存在することがある、レゾルフィンのバックグランド値として扱われる。
【0067】
この読み取りプロトコルの次の工程は、予め設定されたGcおよびTcの値の関数的な組み合わせを用いて試験変数Iの値を計算することである。この関数的な組み合わせは単に2つの値の差であってもよいが、TcおよびGcの比を含む関数を用いることが好ましい。試験変数Iの値が計算された後、それを決定アルゴリズムにかけ、決定アルゴリズムの適用の結果に基づいて試験結果を報告する。
【0068】
決定アルゴリズムは、既知の試験結果を生じる微生物を用いる試験パネルについての制御された試験から得られるデータに基づく。例えば、決定アルゴリズムは予め決められた陽性決定値XPおよび予め決められた陰性決定値XNを含むこともできる、これらの決定値は、既知の方法で振る舞う微生物から、そのような全ての既知の微生物が試験ウェルにおいて増殖する場合にはXP以上であり、試験ウェルにおいて増殖しない場合にはXN以下である試験変数Iの値を生じるように選択された値XPを用いて採集されたデータに基づいている。陽性および陰性決定値の間の広がりは不確定領域であり、Iの値がこれら2つの決定値の間にあるならば不確かな試験結果が報告されるであろう。
【0069】
単一読み取り‐‐動的試験プロトコル
上述の蛍光励起読み取りプロトコルは、基本的には静的単一読み取りプロトコルであり、プロトコルにより予め決定されたインキュベーション時間の後に行なわれるものである。より複雑であり、潜在的により正確な蛍光励起読み取りプロトコルは、試験パラメータIを計算する前にPおよびNの差の最小値、すなわちGcの最小値を必要とする予備パネル読み取り適格性試験の使用を含む。パネルが、Gc値は予め設定した限界未満ではあるが、上述したPおよびN値に対する他のデータ適格性試験に合格する場合には、(可能であるならば)時間の経過と共にGc値が増加するように、さらに時間を追加してパネルをインキュベートする。
【0070】
そのような変形された試みにより、非常に正確で、抗菌生成物が存在していないとしても陽性増殖対照ウェルにおける増殖が遅い微生物に対する不確かな試験結果を回避し得る試験結果が得られる。
【0071】
迅速蛍光励起読取りプロトコール
本発明の方法は、試験ウエル内における微生物増殖の迅速測定に適用可能である。その際、増殖対照ウエルおよび試験ウエルのレゾルフィン含量変化の動的特徴を測定することに基づく蛍光励起読取りプロトコールが用いられる。これらの動的特徴には、ウエル内におけるレゾルフィン量の変化速度(即ち、レゾルフィンの生成速度)およびウエル内における該速度の経時変化(即ち、レゾルフィン生成の加速)が含まれる。
【0072】
微生物が増殖している試験ウエル内では、このような微生物の数は時間と共に指数関数的に増大し、試験ウエル内において、これに対応したレゾルフィン含量の指数関数的増大をもたらす。微生物が増殖していない試験ウエル内では、レザズリンのレゾルフィンへの自己還元が起こり得るが、これは直線的速度で生じ、従って増殖に関連したレゾルフィン生成から容易に区別し得る。
【0073】
この方法におけるインキュベーションステップには、三つの試験ウエルまたは容器を、陽性増殖対照ウエル内において、所定のパネル確認値を越える有為なレゾルフィン生成の動的特徴を生じるに十分な時間だけ、一緒にインキュベートすることが含まれる。この動的特徴の値は、陽性増殖対照ウエルおよび陰性増殖対照ウエルの両者におけるレゾルフィンの蛍光励起を、少なくとも二つの脱離された時点(速度)で読むことによって測定される。また、速度および加速度の両者を測定することが必要なときは、異なった時点で少なくとも三つの測定が行われる。もし、この測定値が前記確認値よりも低いならば、該パネルは更に所定時間のインキュベーションに戻され、その後に再度レゾルフィンの蛍光励起値が求められ、またパネル確認試験が繰り返される。これは、パネルが読みを確認し、またはパネルが欠陥品で読みを確認できないことがデータから判明するまで続けられる。
【0074】
パネル読取り確認試験をパスした後、既に測定されたレゾルフィン生成の動的特徴の値は、更に所定時間後に追加の測定を行うことによって、または既に得られたデーク値を用いることによつて、陽性増殖対照ウエルおよび試験ウエル内でのレゾルフィンの動的生成値を算出するために用いられる。試験ウエルの値はT′で示され、増殖対照ウエルの値はG′で示される。厳格な数学的解釈によれば「ダッシュ」表示は速度を意味するが、ここでの「ダッシュ」を付した表示の使用は、動的特徴を速度測定に限定しようとする意図からではない。変化速度および変化速度の加速度の両者について、T′およびG′の値に用いられ得るものと理解されなければならない。
【0075】
これらの値が測定された後、T′およびG′の所定の関数的組合わせとして、好ましくはこれら二つのパラメータの比を含む関数として、試験変数Iの値が計算される。次いで、あらかじめ選択された判定アルゴリズムにおける試験変数の値を用いて、試験結果が報告される。判定アルゴリズムは、可視光読取りプロトコールで用いられるような所定の正および負の判定値XP及びXNを利用する。再び、これらの値は公知の試験結果を生じる微生物を用いた対照試験で得られたデータから、経験的に決定される。
【0076】
試験モジュール及び試験化学物質サブセット(図9−12)
図9は、増殖対照ウエル101および102と試験ウエル103の夫々において試験モジュールを形成することによって、本発明の−般的方法が好ましく実施されることを示している。図示のように、増殖対照ウエルの夫々に試験モジュール107及び108が形成され、夫々のケースにおける試験モジュールはTMB型である。試験モジュール109は試験ウエル103に形成される。そのタイプはTMB型であり、これはその中に異なった試験化学物質セットを有することを示している。試験モジュール107及び108の夫々は、その中に試験化学物質サブセットTCB1を有し、また試験モジュール109はこれと同じ試験化学物質サブセットに加えて抗菌生成物を有する。この試験化学物質サブセットは、試験化学物質セット構成成分のサブセット乾燥固体を具備しており、好ましくは上記試験化学物質、即ちレザズリン、増殖培地、緩衝液およびレドックス安定剤の全てを含んでいる。 ウエル内に試験モジュールを形成した後、各ウエルに所定容量の液体を分注することにより、これらは再水化される。陰性増殖対照ウエル101は、試験化学物質サブセットTCB2のみを含有する液110の所定容量で再水化される。陽性増殖対照ウエルおよび試験ウエルは、試験化学物質サブセットTCB2と共に微生物を含有する、接種器111内の所定容量の液112,113で再水化される。試験化学物質を試験モジュールおよび再水化液に分割することは、インキュベーションに先立って各ウエル内に最終的な試験化学物質溶液を達成するプロセスにおいて、本発明の方法が実質的なフレキシビリティーを有することを示している。試験化学物質の好ましいセットは種々のサブセットに分割され得、一つのサブセットは試験モジュールに、他のサブセットは再水化溶液に用いられる。好ましい方法には、試験モジュールの全ての試験化学物質をウエル内に置き、これによって再水化液は陰性増殖対照ウエルのための所定容量の単純な滅菌液とし、また他のウエルのための接種用としては微生物が懸濁された所定容量の同じ液体とすることが含まれる。なお、試験モジュールは異なったステップで再水化および接種され得ることが理解されなければならない。
【0077】
好ましい方法において、増殖対照ウエルの夫々の試験モジュールにおける試験化学物質サブセットは同一である。しかし、本発明の方法は、陰性増殖対照ウエルに陽性増殖対照ウエルとは異なった試験化学物質サブセットを用いて実施できることを理解すべきである。また、陽性増殖対照ウエルおよび試験ウエルに異なった試験化学物質サブセットを用いることも可能であるが、これは再水化接種液の調整を複雑にするから、好ましいアプローチではない。
【0078】
試験モジュールの別の形態
図10に示したように、ウエルの試験モジュールはパネル100−2自体のウエル壁に直接形成された、試験化学物質の所定容積の乾燥固体の形をとり得る。これは次のようにして行うことができる。即ち、試験化学物質サブセットTCB1の成分を増殖対照ウエルの夫々に分注し、また該サブセットに加えて抗菌生成物を試験ウエルに分注し、次いで例えば凍結乾燥によりパネルを乾燥して、所定容積の乾燥固体として試験化学物質をウエル壁に捕獲する。
【0079】
図11は、ウエルに形成された試験モジュールが、担体117,118及び119のような担体の形をとり得ることを示している。夫々の場合における該担体の好ましい形は、既述したディスク拡散試験に用いたのと同じ型の吸着紙ディスクである。もし、それらが一般的に吸着紙ディスクに比肩し得る特性を有するならば、他の形の担体も使用し得る。この担体は、試験パネルの製造に便利な方法で配設できることが必要である。
【0080】
吸着紙ディスクを用いて試験モジュールを調製する方法を、以下に説明する。
【0081】
図11では各ウエルに単一の担体が用いられるが、図12aでは夫々のウエルに二つの担体が用いられ、各担体はそこに担持された試験モジュール中に形成された試験化学物質のサブセット部分を有している。これは、例えば本発明の方法が二つの吸着紙ディスク(一方はレザズリンを担持し、他方は増殖培地を担持する)を用いて実施できることを示している。この方法は、ウエル内に試験モジュールを形成するプロセス中、特にディスクを乾燥する間に、これら二つの試験化学物質成分間における相互作用を回避する。
【0082】
定性的感受性試験装置(図13−16)
図13−16は定性的感受性試験装置、即ち、抗菌剤の第一量および第二量を含む所定の定性的感受性試験プロトコールを利用して、抗菌剤物質による増殖阻害に対する微生物の定性的感受性試験に、本発明を適用する原理を示している。試験パネル200は陰性増殖対照ウエル201、陽性増殖対照ウエル202および一対の試験ウエル203,204を定義している。試験モジュール205は、増殖対照ウエルの夫々に担持される。試験モジュール206及び207は、前記一対の試験ウエルに担持される。
【0083】
図13は、試験モジュールの中に試験化学物質セットの全ての化学成分が含まれるような、本発明の好ましい形を例示している。しかし、先に述べたように、試験化学物質は試験モジュール及び再水化液の間に分割してもよいことが理解されるべきである。また、図13は単一の吸着紙ディスクを各試験モジュールのベースを形成する担体として使用することを示している。しかし、先に議論した試験モジュールの何れの形も、本発明に従う定性的感受性試験装置に使用し得ることを理解すべきである。
【0084】
例えばレザズリンを含むものにはR、緩衝液にはB、増殖培地にはG、レドックス安定剤にはSのように、夫々の試験モジュールにはラベルが施される。加えて、試験モジュール206にはA1で示される第一の量の抗菌生成物が含まれ、また試験モジュール207にはA2で示される第二の量の抗菌生成物が含まれる。説明のために、A2は定性的感受性試験プロトコールにおける抗菌剤の二つの濃度のうちの高い方の濃度を表わすものとする。
【0085】
陰性増殖対照ウエルにおける試験モジュニル201は、全体の接種システム210の一部を形成する所定容量の再水化液208で再水化される。試験モジュール205,206,207の夫々には、微生物の懸濁液と共に所定容量の再水化液で再水化が適用され、これらのウエルに接種が形成される。再水化の後、試験パネル200は該パネルについて用いられる予め選択された読取りプロトコールに関連した所定の培養時間の間、インキュベータ中におかれる。
【0086】
試験結果の読取り
図14−16は、試験パネル200のための可視光読取りプロトコールを示している。なお、既述した全てのマニュアル及び自動読取りプロトコールは、パネル200の読取りに適用し得る。
【0087】
図4−6に戻って説明すると、試験パネルの全てのウエルにおける前インキュベーションの色は青である。また、陰性増殖対照ウエルおよび陽性増殖対照ウエルを用いて、同じパネル読取り確認試験が適用される。ここでは重複を避けるために、これらについては繰り返さない。またこの説明において、該パネルは陰性増殖対照ウエルが青色を示し、陽性増殖対照ウエルが赤色を示す正確な読取り確認試験をパスしたと仮定している。
【0088】
図14において、パネル200Aは試験ウエル203,204の両者において赤色を呈し、両方のウエルでの微生物増殖を示す。この定性的感受性試験の対応試験結果は、試験された微生物は耐性であること、即ち、試験ウエル207でのより高い抗菌生成物濃度A2による増殖阻害に対して感受性でないことである。図15において、パネル200Bは試験ウエル203で赤色を呈して微生物増殖を示すが、試験ウエル204では青色を呈して増殖阻害を示す。この場合、微生物が感受性でも耐性でもないから、その結果は決定不能である。決定不能の用語を使用したことを、微生物の定性的感受性に関する情報を与え得ないものと誤解してはならない。この試験結果は、単に微生物が高度に感受性でも高度に耐性でもないことを意味するだけであり、これは関連の医者に対して、著しく高濃度の当該抗菌生成物によって上首尾の薬物療法が達成され得ることを指示するものである。
【0089】
図16において、パネル200Cは試験ウエル203,204の両者において青色を呈し、両方のウエルで微生物増殖が阻害されたことを示す。これに対応する結論は、比較的低濃度の抗菌生成物によって微生物増殖が阻害されることを示す「感受性あり」である。
【0090】
定量的感受性試験装置(図17−19)
図17−19は定量的感受性試験装置、即ち、抗菌剤の異なったN個の量(Nは2よりも大きい数、典型的には6以上)を含む所定の定量的感受性試験プロトコルを利用した、抗菌剤物質による増殖阻害に対する微生物の定量的感受性試験における、本発明の原理の適用を示している。定量的感受性試験のための現在のFDA標準は、治療的ヒト投与量範囲の幾つかの部分をカバーする、抗菌生成物の最小限5個の稀釈液である。
【0091】
試験パネル230は陰性増殖対照ウエル231、陽性増殖対照ウエル232、並びにこの場合には四つの試験ウエル233−236を定義している。ここでは、説明の便利のために四つの試験ウエルが用いられている。多数の試験ウエルを用いることについては、本発明の定量的感受性試験の原理を組み込んだ試験キットに関連して後述する。試験モジュール237は、増殖対照ウエルの夫々に担持される。四つの異なった試験モジュール238−241が、四つの試験ウエル内に担持される。上記の定性的感受性試験の説明と同様に、ここでの試験モジュールは、単一の吸着紙ディスクの形の担体を用いた本発明の好ましい形を示している、この好ましい形において、試験化学物質セットの全ての成分は試験モジュールの夫々に担持され、また試験ウエル内の試験モジュールは抗菌生成物の四つの異なった量(即ちA1−A4)を担持する。この説明のために、抗菌生成物の量はA1からA4にまで順次増大しているものとする。なお、本発明のどのような別の形態も、図9−12に関連して既述したように、ここでも用いられ得る。
【0092】
試験モジュール231は、全体の接種システム245の一部を形成する所定容量の再水化液242で再水化される。他のウエル内の夫々の試験モジュールは、ウエルについて個々の接種容量246−250で微生物が添加された所定容量の再水化液で再水化される。特定の接種システムについては、本発明の試験キットに関連して後述する。再水化および接種の後、パネル230は、該パネルについて用いられる予め選択された読取りプロトコールに関連した所定の培養時間だけ培養器内に置かれる。
【0093】
MIC値としての読取り試験結果
図18及び19は、試験パネル230のための可視光読取りプロトコールを示す。なお、既述した全てのマニュアル及び自動読取りプロトコールは、パネル230の読取りにも適用され得ることを理解すべきである。
【0094】
図4−6に戻って説明すると、試験パネルの全てのウエルにおける前培養色は青であることを理解しなければならない。また、同じパネル読取り確認試験は、陰性増殖対照ウエルおよび陽性増殖対照ウエルを用いて適用される。これらについては、重複を回避するために、ここでは繰り返さない。またこの説明は、該パネルが陰性増殖対照ウエルが青色を呈し、陽性増殖対照ウエルが赤色を呈する正確な読取りのための確認試験をパスしたと仮定している。図18に示すように、パネル230Aは最初の三つの試験ウエル233−235の夫々において青から赤への色変化を示し、これは三つの夫々の試験ウエルにおける微生物の増殖を示す。試験ウエル236は元の青色を示し、この試験ウエルでは微生物が増殖しないことを示す、この読取りから得られる試験結果は、該試験パネルに用いられた抗菌生成物のMICが濃度A4であることを示している。なお、濃度A4は、接種および試験化学物質の再水化後の最終試験溶液中における、試験モジュール中の抗菌生成物の量および抗菌生成物濃度の両方に関係する。 図19に示すように、パネル230Bは最初の試験ウエル233においてのみ青から赤への色変化を示し、他の三つの試験ウエル234−236では元の青色である。これは最初の試験ウエルでのみ微生物が増殖し、他の三つのウエルでは増殖が阻害されること、即ち、この場合のMIC値はA2であることを示す。この試験は微生物の増殖を阻害する抗菌生成物の最低濃度がA2であることを示しているから、A2はMIC値である。
【0095】
定性的感受性試験キット(第20図〜第23図)
第20図〜第23図は、本発明に従う定性的感受性試験キットを示し、また、本発明の方法を実施する上で、本試験キットの部品が、いかに使用されるかを示すものである。完全のために、第20図は、主要培養プレート255を示し、その上に試験すべき微生物のコロニーが増殖されるものであるが、この主要培養プレートは、本発明の試験キットの部分とは見なされない。第20A図に示される試験キットの部品は、再水化液体の容器261、接種物調製トレー262、接種システム263、および前述したように適切な試験モデュールで試験ウェルがあらかじめ充填されているところの試験パネル264である。
【0096】
容器261中の再水化液体は、前述したようなパネル264のウェル内の試験モデュール中にはない試験薬品TCB2のサブセットを含有する。好ましい態様において、セット中のすべての試験薬品は、試験モデュール内にあり、再水化液体は、蒸留水のような予め選択された殺菌した液体である。これは、また、0.9%塩化ナトリウム溶液を含んでいてもよく、微生物の均一な懸濁物を作る上で助けとなる種々の湿潤剤を含んでいてもよい。
【0097】
接種物調製トレー262は、主要培養プレート上に増殖しているコロニーからの微生物を再水化液体と混合して、陽性増殖対照ウェルおよび試験ウェルT1およびT2用の接種物を生成させるために都合のよい形状に成形され得る。接種物調製トレーの形状は、接種システム263の構造および操作に適合する必要がある。接種システム263は、標準的な多チップピペットシステムを備えていてもよいし、接種物を試験パネル中に分配するために特別に設計されてもよい。図示のように、接種システムは、再水化液体を陰性増殖対照ウェル中に分配するための接種手段、および接種物を陽性増殖対照ウェル中に分配するための手段を含む。
【0098】
試験パネル264は、図示のように予め充填された試験モデュールを担い、定性的感受性試験のための2つの試験ウェルは、この場合、単一の抗菌生成物を用いている。試験キットは、1の抗菌生成物での定性的感受性試験を示すQLS−1−Aと表示される。第21図は、それぞれ抗菌生成物と関連する一対の試験ウェルでMの異なる抗菌生成物を用いて微生物の定性的感受性に有用であり、適切な濃度の抗菌生成物を有する試験モデュールで予め充填された予備充填試験パネル275を示す。第21図に示されているように、試験モデュールのそれぞれは、好ましくは、試験モデュール中の抗菌生成物の名称と、その中の抗菌生成物の濃度を表示する視覚的に読取り可能な説明文で標識された単一の吸収紙ディスクである。表示A1は、ディスク上に印刷された第1の抗菌生成物の名称を表し、表示K1は、ディスク上に印刷された濃度を表す。
【0099】
第20B図は、QLS−1−Bと表示された試験キット270を示し、そこにおいて、キット260における予備充填試験パネルの代わりに裸の試験パネルが用いられている。キット270の付加的な部品は、試験モデュールTMA272をパネル274の陰性増殖対照ウェルおよび陽性増殖対照ウェル中に分配するための増殖対照試験モデュール分配器271、および試験モデュールTMB1およびTMB2を試験ウェルT1およびT2に分配するためのAP試験モデュール分配器273を含む。分配器273は、この2つの異なる試験モデュールを、交互に間に差し込むように収容し、ディスク分配機構の2つの連続的作動が2つの試験ウェルの充填に関与するようにする。分配器271および273は、吸収紙ディスクの形態にある、本発明に従って試験モデュールで充填された標準的な抗生物質ディスク分配器であり得る。
【0100】
間に差し込まれるディスクの代わりとして、第20B図に示される単一分配器がある。一方が1のAP試験モデュールを貯蔵し、これをそれに関連する試験ウェル中に分配する2つの別々の分配器を使用できることは明らかである。また、キット270は、試験モデュールをいくつかの試験パネル中に分配できる分配器と協働する複数の試験パネル274を包含してもよい。
【0101】
試験パネル274は、1の抗菌生成物での試験のために構成されている。第22に示すように、陰性増殖対照ウェル、陽性増殖対照ウェルおよび複数の抗菌生成物のための複数対の試験ウェルを規定する試験パネル276も、また、本発明の試験キットに使用できる。試験パネルを充填するために、タイプ271の一方の分配器が増殖対照ウェルのために使用され、抗菌生成物のそれぞれのためのタイプ273の一方の分配器が各抗菌生成物のために試験ウェルを充填するために使用される。試験パネル276に対し、一度にウェルの全列を充填できる試験モデュール分配器を提供することが好ましい。
【0102】
第23図は、複数の抗菌生成物に対して微生物の定性的感受性を試験するための本発明の試験キットは、予備充填パネルセクションおよび充填可能なパネルセクションの両者を含むパネルを使用できることを示している。このタイプの試験パネルを有する試験キットは、実質的にすべての試験状況において通常使用されている抗菌生成物のための予備充填試験ウェルの好都合性と、個々の試験状況に関した使用者の要求に合わせた抗菌生成物を有する試験パネルの一部を受注製産する目的のために使用者が抗菌生成物を選定するという柔軟性を併せ持つ。充填可能な試験ウェルを有する試験キットは、より新たな抗菌生成物を、それが開発されるにつれ、その様な抗菌生成物が製造者からの予備充填パネルに含められることを待つことなく、含めるように試験パネルを構成する上で特に有利である。
【0103】
定量的感受性試験キット(第24図〜第29図)
第24図〜第29図は、本発明に従う定量的感受性試験キットを示す。第24A図を参照して、そこに示されている試験キット280は、再水化液体の容器281、接種物調製トレー282、接種システム283、および予備充填試験パネル284を備えている。これら試験キット部品の形状および機能は、第20A図における試験キットに関して既に説明した対応する部品と一般的に同じであり、その説明はここで繰り返す必要はない。
【0104】
第24B図は、第24A図におけるキット280と同様のものであるが、裸の試験パネル294を使用し、試験モデュール分配器291および293を含む試験キット290を示す。分配器291は、増殖対照試験モデュールをパネル294の増殖対照ウェル中に分配する。分配器293は、AP試験モデュールをパネル294の試験ウェル中に分配する。図示のように、分配器293は、分配器の4つの順次の作動が、ディスクの形態の4つの異なる試験モデュールを4つの試験ウェル中に分配するために使用されるように積重された4つの試験ウェルのための試験モデュールを有する。第25図は、それぞれがその中に単一濃度の抗菌生成物を有する単一タイプのAP試験モデュールを含有する4つの別々の分配器295〜298を用いた他の例を示している。これら4つの分配器は、独立に動作される得るか、あるいは、それらが、4つのディスクを同時に分配するために4つのすべての分配器を保持しかつ各分配器における分配フィンガーを同時に動作させる単一の作動機構を有する総合分配システム中に結合されてもよい。
【0105】
第26図は、陰性増殖対照ウェル、陽性増殖対照ウェル、および各列が複数の抗菌生成物の1と関連しかつ指示された適切な抗菌生成物および異なる濃度を有する試験モデュールで予め充填されたM列xN行アレーの試験ウェルを規定する予備充填試験パネル300を示す。
【0106】
第27図は、同一の総合試験能力を有する対応する充填可能な試験パネル301を示す。第28図に示されているように、Mの独立の分配器302〜306は、それぞれ、使用者が選択できる抗菌生成物に関連するAP試験モデュールの順次の積重を有し、試験パネル301の充填に使用できる。
【0107】
第29図は、M1xNアレーの予備充填試験ウェルおよびM2xNアレーの充填可能な試験ウェルを有する試験パネル310を示す。第28図に示される試験モデュール分配器は、AP試験モデュールをパネル310の充填可能な試験ウェルセクションに分配するために使用できる。試験パネル310は、上記した定性的感受性試験エリアのための試験パネル277と同じ利点を定量的感受性試験エリアにおいて提供する。
【0108】
部品の特徴および製造プロセス
試験パネル
本発明に関して使用されるマルチウェル試験パネルは、好ましくは、白色の不透明プラスチック材料から形成される。そのようなパネルは、光読取りおよび蛍光読取りの双方に対しより低濃度のリザズリンの使用を許容する。より低濃度のリザズリンは、微生物により毒性が少なく、したがって試験結果に対するリザズリンの潜在的影響を最小限にする。パネルの白色壁から反射した光強度は、可視光および蛍光読取りの双方に利用できる信号を増大させる。白色パネルは、パネルの読取り用の背景照射装置の必要性を排除し、より堅実で正確な視覚的判断をもたらすところの均一な読取り背景を提供する。色のより小さな差異が、白色背景により識別できる。白色パネルは、光学的透明性が要件でないので、より安価なプラスチック材料とプラスチックパネル成形技術により製造できる。
【0109】
接種および再水化システム
本発明を凍結パネル中で用いる場合、試験パネルは、単に、少体積(5〜10ml)を接種シードトラフからパネル中の各試験ウェルヘ移送するマルチプロング接種物移送装置で接種され得る。
【0110】
本発明を乾燥したパネル中で用いる場合、接種には2つの任意の方法がある。まず、パネルのすべてのウェルを、その中に微生物を持たないある体積量の再水化液体で再水化することができる。次ぎに、試験ウェルの接種を、凍結パネルに関して上に述べたように実施する。
【0111】
あるいは、まず、予め調節した濃度の微生物を再水化液体中に置き、ついでこの接種物液体の一定体積量を各試験ウェル中に分配することにより、再水化と接種とを同時に行うことができる。
【0112】
試験モデュール
本発明の好ましい態様は、試験薬品のセットのすべての成分、すなわち、リザズリン、増殖培地、バッファー(必要により)、およびレドックス安定剤をパネルの試験ウェル中の試験モデュール中に置くことを含む。ここでの全体の記述を簡単にするために、試験モデュールおよび試験モデュールを含むパネルを製造するプロセスの説明は、この方法に限定することにする。
【0113】
凍結パネル
本発明の方法および装置を凍結パネル中に含めるためには、リザズリンを試験薬品群の適切な安定化成分と共に、増殖培地および抗菌生成物希釈と一緒または別々に、試験ウェル中に分配する。
【0114】
乾燥パネル
乾燥したパネル中で試験モデュールを作る方法は、試験薬品成分がウェルの壁において乾燥されてウェル自体の壁上に乾燥固体体積の形態の試験モデュールを形成すること以外は、凍結パネルに対するものと同じである。乾燥は、強制空気または真空中で行うことができる。試験薬品成分の調整は、試験モデュールが乾燥形態にある場合は、より重要である。リザズリン、抗菌生成物、および増殖培地の濃度が、乾燥が完結近くなるにつれ非常に高くなるからである。これらの状況下では、溶液のpHの適切な緩衝、および増殖培地の還元作用の安定化が重要である。吸収紙ディスクの形態の試験モデュールを製造するプロセスに使用するための以下記載する薬品調製が、乾燥させなければならない試験ウェル中の液体の体積を減少させるために乾燥パネル中に好ましく使用される。
【0115】
吸収紙ディスク
ディスク中に乾燥した形態で捕捉される試験薬品セットの成分を用いて紙ディスクを製造するために、種々の方法が採用できる。一般に、大量生産のためには、抗菌生成物および濃度を同定する銘をあらかじめ印刷した紙ディスク媒体のシートをバッチ式に試験薬品溶液で含浸し、乾燥し、ついでディスクに切断し、包装する。重ねた連続希釈ディスク包装の場合には、異なる濃度の抗菌生成物を有する紙媒体のスタックを一回の操作でディスクに切断し、ついで包装することが好ましい。
【0116】
少量のディスクを製造するためには、以下の方法を採用できる。ある体積量のディスク充填溶液を作る。紙ディスクは、わずか25マイクロリットルの溶液しか保持できず、試験ウェル中の再水化液体の最終体積は、100マイクロリットルが都合がよいので、ディスク充填溶液中には、4倍濃度の試験薬品を使用する。
【0117】
具体的には、以下のディスク充填溶液を準備する。ベースの担体溶液は、0.1モル濃度のpH7.4のホスフェートバッファーである。乾燥粉末の形態にある標準ミューラー−ヒントンブロスである増殖培地を1リットル当り88.0グラム加える。リザズリンを加えて1リットル当り0.02グラムの濃度を達成する。レドックス安定剤として作用するフェロシアン化カリウムを0.004モル濃度まで加える。ついで、この溶液を試験モデュールディスク中に含めるべき抗菌生成物用の希釈剤として使用する。抗菌生成物の初期濃度は、再水化後の試験ウェル中に望む最終濃度の4倍であるが、抗菌生成物のディスクへの不可逆結合を補正するために調節される。換言すると、ディスク中の乾燥試験薬品を再水化する場合、抗菌生成物の全量は、再水化液体に入らない。ディスク中に結合した抗菌生成物は、微生物に対して活性でない。
【0118】
リザズリンの濃度は、微生物の陽性および陰性増殖間の高い視覚的コントラストのために、明るい青色出発色を生じさせるように選択される。より高い濃度のリザズリンは、幾つかの微生物に対して毒性を高め、微生物の増殖に応答した識別できる視覚的色変化を減少または遅延させる。より低い濃度のリザズリンは、陽性および陰性試験ウェル反応間に劣ったコントラストをもたらす、すなわち、微生物がわずかな程度に増殖しているウェルの色が、色変化として容易に識別できない。これらの記述は、全て、試験パネルの視覚的読取りに関するものであり、リザズリンの濃度は、蛍光励起読取りプロトコルにとっては、さほど重要でない。
【0119】
増殖培地の濃度は、これらタイプの試験パネルに使用されている標準的濃度であり、これを変える理由はない。濃度の低下は、増殖速度を遅くし、増加は、増殖速度を早めずに、接種および乾燥中に増殖培地の自動還元傾向を悪化させる。標準的ミューラー−ヒントン以外の増殖培地も使用できるが、それらは、今や標準的なミューラー−ヒントンブロスの性能特性に合致すべきであることを理解すべきである。
【0120】
バッファーは、pHのシフトと、それに伴う、特に乾燥プロセス中で高濃度の酸性抗菌生成物による試験ウエルまたは試験モデュール間の色の不均一を防止するために十分な濃度で使用される。pH7.4が使用される。これが、この用途に使用される場合にミューラー−ヒントンブロスに推奨されたpHであるからである。バッファーの濃度は、特に乾燥中にpHの安定性を提供するために要する最小に維持される。高すぎるモル濃度は、リザズリンのリゾルフィンヘの還元を遅らせ得、試験結果の一貫性に悪影響を及ぼすので、避けるべきである。
【0121】
レドックス安定剤は、乾燥および接種プロセス中のリザズリンの自己還元を許容できるレベルに抑制するために十分な濃度で使用される。フェロシアン化カリウムが、微生物への比較的低い毒性と、適切な酸化/還元電位範囲での安定化能力故に選択された。濃度は、微生物増殖による酸化/還元反応の過剰の安定化を避けるように選択される。これは、試験結果を遅延させおよび/またはその正確さに悪影響を及ぼすからである。
【0122】
ディスク充填溶液をディスク中に充填するプロセスは、殺菌した原料を用いた無菌処理を含む。一群のディスクを蓋付きペトリ皿のような蓋のできる容器内で、端部が触れないように単一層に置く。各ディスクにディスク充填溶液25マイクロリットルを分配するためにマイクロピペッターを使用する。
【0123】
ついで、容器に蓋をし、−70℃の冷凍器中に一晩置く。次に、容器を凍結乾燥室に移し、ディスクを真空中で乾燥する。ついでこれらを取り出し、乾燥剤カプセルを収容する蓋付きバイアル中に置き、暗い冷凍環境下に貯蔵する。
【0124】
ディスクを試験リセプチクル中に充填するために、ディスクをここに無菌的に移す。この方法は、臨床試験等に使用される試験パネルの少量生産に使用できるが、予備充填試験パネルを多量に製造するためには、ディスクの大規模自動製造および自動パネル充填技術が用いられる。
【0125】
試験パネルの自動読取り(第30図〜第34図)
第30図は、可視光読取りプロトコルまたは蛍光励起読取りプロトコルのいずれかを用いた、本発明の方法および装置を含む試験パネル読取りのための自動化読取りシステムに使用される一般の部品を示す。接種後、試験パネルを、各試験ウェルを読取り装置電子機器と共に読取り源および検出器によって読み取られるように設定する走査テーブル上に置く。電子機器からのデータは、好ましくは、データ解析コンピューターに接続し、そこで、関連する読み取りプロトコルのアルゴリズムを試験パネル中の各ウェルからのデータに適用する。
【0126】
第31図は、可視光読み取りプロトコルを実施するための可視光反射読み取りの場合において、そのような読み取りプロトコルを設計および構築するための方法に単一のフィルターが使用でき、本発明に関係するその実施化は、既知のデータ収集およびプロトコル発生原理の単純な適用を含むことを示すものである。
【0127】
本発明の方法および装置を種々の態様にしたがって説明したが、以下の請求の範囲に記載した本発明の範囲を逸脱することなく多くの変更および適合化を行うことができることを理解すべきである。
【0128】
【表1】
Figure 0003741598
【0129】
【表2】
Figure 0003741598

【図面の簡単な説明】
【図1】第1A図は、従来技術によるキルビー−バウアープレート上におけるディスク拡散試験の結果を示す。第1B図は、従来技術による定性的感受性試験パネルを示す。
【図2】第2A図および第2B図は、従来技術による定量的感受性試験パネル、および手動読み取りおよびデータ入力システムを示す。
【図3】第3図は、この発明による、抗菌生成物による増殖阻止に対する微生物の感受性を決定するための一般的な方法および装置を示す。
【図4】第4図は、この発明による可視光読み取りプロトコルを示す。
【図5】第5図は、この発明による可視光読み取りプロトコルを示す。
【図6】第6図は、この発明による可視光読み取りプロトコルを示す。
【図7】第7図は、この発明による可視光読み取りプロトコルを示す。
【図8】第8図は、この発明による可視光読み取りプロトコルを示す。
【図9】第9図は、この発明による、抗菌生成物による増殖阻止に対する微生物の感受性を決定するための方法および装置の種々の代用態様を示す。
【図10】第10図は、この発明による、抗菌生成物による増殖阻止に対する微生物の感受性を決定するための方法および装置の種々の代用態様を示す。
【図11】第11図は、この発明による、抗菌生成物による増殖阻止に対する微生物の感受性を決定するための方法および装置の種々の代用態様を示す。
【図12】第12図は、この発明による、抗菌生成物による増殖阻止に対する微生物の感受性を決定するための方法および装置の種々の代用態様を示す。
【図13】第13図は、定性的感受性試験パネルにおける、この発明の方法および装置の使用を示す。
【図14】第14図は、第13図に示す定性的感受性試験パネルの可視光読み取りプロトコルを示す。
【図15】第15図は、第13図に示す定性的感受性試験パネルの可視光読み取りプロトコルを示す。
【図16】第16図は、第13図に示す定性的感受性試験パネルの可視光読み取りプロトコルを示す。
【図17】第17図は、定量的感受性試験パネルにおける、この発明の方法および装置の使用を示す。
【図18】第18図は、第17図に示す定量的感受性試験パネルの可視光読み取りプロトコルの例を示す。
【図19】第19図は、第17図に示す定量的感受性試験パネルの可視光読み取りプロトコルの例を示す。
【図20】第20A図および第20B図は、この発明による定性的感受性試験キットの代用態様の構成要素を示す。
【図21】第21図は、この発明による、複数の抗菌生成物用の試験モジュールが予め載置されている定性的感受性試験パネルを示す。
【図22】第22図は、この発明による、使用者が選択する複数の抗菌生成物用の試験モジュールを載置可能な試験ウェルを有する定性的感受性試験パネルを示す。
【図23】第23図は、この発明による、複数の抗菌生成物用の予め載置された試験ウェルおよび空の試験ウェルの両者を有する定性的感受性試験パネルを示す。
【図24】第24A図および第24B図は、この発明による定量的感受性試験キットの代用態様の構成要素を示す。
【図25】第25図は、定量的感受性試験の空の試験パネルの試験ウェル内に試験モジュールを載置するための、試験キット構成要素の代用セットを示す。
【図26】第26図は、この発明による、複数の抗菌生成物用の予め載置された試験モジュールを有する定量的感受性試験パネルを示す。
【図27】第27図は、この発明による、使用者が選択する複数の抗菌生成物用の試験モジュールを載置するための空の試験ウェルを有する定量的感受性試験パネルを示す。
【図28】第28図は、この発明による試験パネルの空の試験ウェル内に、複数の抗菌生成物用の試験モジュールを載置するための試験キット構成要素を示す。
【図29】第29図は、予め選択された複数の抗菌生成物用の予め載置された試験モジュールの区画および使用者が選択する複数の抗菌生成物用の試験モジュールを載置するための空の試験ウェルの区画を有する、この発明による定量的感受性試験パネルを示す。
【図30】第30図は、この発明による、有用な自動化パネルリーダーシステムを模式的に示す。
【図31】第31図は、この発明による試験パネルの可視光読み取りプロトコルに関して有用な可視光読み取りシステムを示す。
【図32】第32図は、この発明による試験パネルの蛍光励起読み取りプロトコルに関して有用な蛍光励起読み取りシステムを示す。
【図33】第33図は、この発明の方法による試験ウェル内の微生物増殖の蛍光読み取りの結果を他の従来の読み取り法と比較して示すグラフである。
【図34】第34図は、異なる微生物を用いる、この発明の方法による試験ウェル内の微生物増殖の蛍光読み取りを示すグラフである。

Claims (1)

  1. N種の異なる量の抗菌生成物を用いる定量的感受性試験プロトコルに従う、抗菌生成物による増殖の阻害に対する微生物の定量的感受性の試験に用いられる試験モジュール分与システムであって、
    各々予め設定された試験化合物のセットを担持する試験モジュールの複数のセットであって、各セットの各試験モジュールがN種の異なる量の抗菌生成物の異なる1種をさらに担持するセット、
    試験モジュールの複数のセットを規則的な配置で貯蔵するための貯蔵手段、および、
    貯蔵手段と作動上関連し、そこから試験モジュールを一度に分与するための分与手段
    を具備するシステム。
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