JP4936637B2 - 不透明媒質中の微生物活性の測定 - Google Patents

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Description

関係する米国特許出願との相互参照
この出願は1999年12月30日提出(現在係属中)の米国特許出願第09/475,585号「産業用水システムにおける付着性及び浮遊性微生物活性の測定及び制御」の一部継続出願である。
発明の技術分野
本発明は、極めて散乱した系における微生物活性を測定する分野に属する。特に、本出願はスラリー、コロイド及びある種の金属加工流体等の不透明媒質中の微生物活性を蛍光測定する分野に属する。
発明の背景
スラリー、コロイド及びある種の金属加工流体等の不透明媒質中の微生物汚染は、多くの産業にとって重大な懸念事項である。製紙業においては、カオリンスラリーや沈降炭酸カルシウム懸濁液やでんぷん溶液等の添加剤は、大きな微生物個体群が潜伏することを許し、それらが製紙機械で接種材料となりうる。炭鉱企業は製紙業や窯業等の産業に処理・保存した添加剤を供給することが求められるとともに、微生物汚染をモニターする必要もある。ある種の金属加工流体も、微生物汚染の影響を受けやすい。
微生物の成長を制御する従来の方法は、殺生物剤(biocides)の使用による。殺生物剤は、微生物の細胞壁又は細胞構成物質を破壊することにより微生物の成長を抑制する化学物質である。温度、放射線、又は、系内に含まれる化学処理剤との相互作用等の物理的条件は、殺生物剤の効率に悪影響を与える可能性がある。低下した効果を補うために、殺生物剤を連続的に、又は必要に応じて断続的に、添加可能である。殺生物剤は高価であり毒性があるため、最小限の使用に留めることが奨励されている。それゆえ、無駄を防ぐために、スラリー、コロイド又は金属加工流体の定常的なモニタリングとテストを行い、微生物の成長を制御する殺生物剤の適量を決定する必要がある。
ほとんどのスラリー、コロイド及びある種の金属加工流体は不透明であり、、つまり透明ではなく、光を透過させない。別の表現をすると、不透明媒質は光散乱性が高い媒質である。本明細書で使用される用語「不透明」とは、1cmの光学セルに採取し、非吸収可視光路上に置いた時に、散乱により光の強度(intensity of the light)を20%以上低下させる作用がある媒質を指す。
媒質が不透明であると、不透明媒質の中に何が存在するかを単なる目視では確認できない。つまり、不透明なスラリー、不透明なコロイド又は不透明な金属加工流体が微生物汚染されているか否かを、単なる目視で確認することができないのである。それゆえ、従来公知の光学的な微生物汚染測定方法(例えば、光学濃度測定やATP測定)を以って不透明媒質を測定することはできない。光損失が光散乱の度合いと反比例の関係になる為、サンプルが光を透過しないからである。よって、不透明媒質中の微生物汚染を測定する他の方法を用いらなければならない。
現状では通常、不透明なスラリーや不透明なコロイド又は不透明な金属加工流体のサンプルは、標準的な“平板培養−検数”(plate-count)法を用いて微生物汚染のモニタリングを行っている。標準的な“平板培養−検数”法は、通常“平板培養”(plating)として知られる。サンプルの平板培養には、訓練された技術者、設備及びスラリー中の微生物が盛んに繁殖する為の48時間の培養時間を要する。実際の平板−検数法には、サンプルを採取する工程と、前記サンプルを希釈する工程と、前記サンプルを栄養寒天培地の表面に塗布する工程が含まれる。24〜48時間の培養後、微生物が存在するか否か前記サンプルを確認し、適当であれば、微生物を手動又は撮像的手段で計測する。
産業的には、サンプル中の残留殺生物剤を測定する為に、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いる必要がある場合もある。高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)は、殺生物剤濃度を測定することができるのみで、微生物活性を測定することはできない。また、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)は、高価な器具と定常的な測定のために訓練された技術者を必要とする。高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)では、残留殺生物剤しか測定できないので、不透明媒質中で繁殖している微生物の殺生物剤抵抗性株を測定することはできない。
つかみ取り法(grab sampling)に加えて、ディップスライド(Dip slide)法やアデノシン三燐酸(ATP)テスト等の、他のオンサイトサンプリング技術が利用できる。残念ながらそれらのテストは、不透明媒体における微生物汚染の測定に役立たない。なぜなら、ATPテストは、透明なサンプルが必要である為、不透明な媒体には採用できない。そして、ディップスライド法ではテスト結果を出すのに24〜48時間必要であるからである。そのため、どちらのテストも微生物汚染の現場での評価に適していない。
その他、様々な媒質中の微生物個体群をモニタリングする方法が以下の文献の明細書と請求の範囲に開示されている。
米国特許登録第5,206,151号は、菌を含有したサンプルの分取試料に様々な量、種類及び組み合わせの殺生物剤を添加し、レザズリンやテトラゾリウムバイオレット等の酸化還元染料と栄養を添加して色の変化をモニターすることで、抑制する殺生物剤の最小限の濃度を測定する測定方法を明細書と請求の範囲に開示している。
米国特許登録第5,413,916号は、レザズリン、グルタルアルデヒド及び菌をサンプルに添加し、ブランクとの比較により吸光度(603nmにおいて)を測定し、菌に対する環境サンプルの毒性を決定する方法を明細書と請求の範囲に開示している。
米国特許登録第5,336,600号は、レゾルフィン(又はレザズリンを除いたレゾルフィン誘導体)と栄養媒質を混合する工程と、蛍光度の減少を測定する工程を含む、微生物を検知する方法を明細書と請求の範囲に開示している。
米国特許登録第5,523,214号は、フェロシアン化カリウム又はタングステン酸ナトリウム又はタートラジンイエロー又は反応性レッド4又は類似の化合物と混合した、フェリシアン化カリウム又は鉄塩化物によって安定化させたメチレンブルーとレザズリンを用いて微生物を識別する方法を、明細書と請求の範囲に開示している。該特許登録は、これらの物質を単独で使用するよりも、前記混合物として用いる方が大幅に感度を増加させると開示している。
「環境サンプル中のコリフォーム細菌や従属栄養細菌の個数の予測方法として用いられるレザズリン還元試験」(Can、 Bull. Environ. Contam. Toxicol.49巻,第354頁(1992年))に記載されている実験のレザズリン還元法を用いてサンドフィルターの分取試料を評価した。
「ウシの好中球内におけるレスピラトリーバースト(respiratory burst)の機能としてのレザズリン還元」という表題の論文が、Am J. Vet. Res.58巻,第601頁(1997年)にあり、これは、レスピラトリーバーストの測定としてのレザズリン(レゾルフィン)の終点を蛍光分析でモニタリングする手法を述べている。
「ミクロ滴定トレイによる蛍光分析を用いたレザズリン還元試験の自動化」(Ali-Vehmas、Louhi及びSandholm,J. Vet. Med.,B38:第358〜372頁(1991年))という論文は、培養液及び牛乳中の菌数をモニタリングする蛍光レザズリン−レゾルフィン還元試験の自動化を述べている。レザズリン(青色)からレゾルフィン(桃色)への還元さらにジヒドロレゾルフィン(無色)への最終的及び可逆的な還元は、牛乳の微生物汚染を判定する技術として公知である。該方法は、汚染された牛乳サンプルをミクロ滴定プレートに採取する工程、栄養培地を加える工程、5分間隔でレゾルフィンのピークに対応する蛍光度を測定する工程から成る。こうした同一サンプルでの継続的な測定は、自動測定にすることができる。該レゾルフィン強度は、レザズリンから転換することによる強度の増加が非蛍光性のジヒドロレゾルフィンの形成による減少によって相殺される時にピークをむかえる。この作業において、サンプルの個体数は、栄養培地を加えることにより顕著に増加する(これは該方法の必須の要素である)。
米国特許登録第6,060,318号の表題「窯業用途における工程添加剤の追跡(tracing)」は、外部表面をもつセラミックのスラリーやパウダー中の化学物質の濃度をモニタリングする蛍光分析方法を請求の範囲に開示している。該特許では、(表面蛍光構造についての)固体蛍光分析機が、セラミックスラリー中の蛍光分子の濃度をモニタリングするのに用いられている。セラミックスラリーの範囲内での適用には、処理量のモニタリング、1回分の混合容器における混合回数の測定、ボールミルやその他混合容器からの1回分の汚染度の決定、ボールミルから混合タンクへの移送の効率性が含まれる。
不透明なスラリーや不透明なコロイド状の物質や不透明な金属加工液中の微生物汚染の度合いを決定する代替方法を開発することが望ましい。
発明の要約
クレームされた本発明の第一アスペクトは、不透明媒質中の微生物個体群のモニタリング方法であって:
a)不透明媒質から物質の分取試料(aliquot)を得る工程と;
b)前記分取試料に、3,6,8−トリスルホン酸ピレンの酢酸エステル;二酢酸カルボキシフルオレセイン、9H−(1,3−ジクロロ−9,0−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル)、D−グルクロニド;9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル);レゾルフィン β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−グルクロニド;レゾルフィン β−D−グルクロニド;二リン酸フルオレセイン;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド ナトリウム塩;メチレンブルー;リン酸ピラニン;3,6,8−トリスルホン酸ピレン 1−リン酸;及びそれらの塩からなる群より選択される、微生物有機体との反応により蛍光信号が変化する蛍光染料を加える工程(前記分取試料を、以下、分取試料−染料と呼ぶ)と;
c)前記蛍光染料を、存在するいずれの微生物有機体とも反応させる工程と;
d)前記分取試料−染料中の蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号を測定する手段を準備する工程と;
e)所定ノイズレベルより下の蛍光信号測定値を切り捨てながら、前記測定手段を用いて、前記蛍光染料の蛍光信号及び前記反応した蛍光染料の蛍光信号を測定する工程と;
f)前記反応した蛍光染料の蛍光信号と、前記蛍光染料の蛍光信号との比率(RATIO)を計算する工程と;
g)前記比率を用いて、前記不透明媒質中の微生物汚染の程度をモニターする工程、を備えることを特徴とするモニタリング方法である。
第二アスペクトは、さらに、h)前記比率を用いて、前記不透明媒質に供給する殺生物剤の最適量を決定する工程と;
i)前記殺生物剤の最適量を前記不透明媒質に供給する工程を備える、第一アスペクトに記載の方法である。
クレームされた本発明の第三アスペクトは、不透明媒質中の微生物個体群のモニタリング方法であって:
A)不透明媒質から物質の分取試料を少なくとも2つ(分取試料を任意には3つとすることができる)を分離する工程と;
B)第1分取試料(前記第1分取試料を、以下、分取試料−ブランクと呼ぶ)には何も加えず、第2分取試料(前記第2分取試料を、以下、分取試料−染料と呼ぶ)には、3,6,8−トリスルホン酸ピレンの酢酸エステル;二酢酸カルボキシフルオレセイン、9H−(1,3−ジクロロ−9,0−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル)、D−グルクロニド;9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル);レゾルフィン β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−グルクロニド;レゾルフィン β−D−グルクロニド;二リン酸フルオレセイン;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド ナトリウム塩;メチレンブルー;リン酸ピラニン;3,6,8−トリスルホン酸ピレン 1−リン酸;及びそれらの塩からなる群より選択される、微生物有機体との反応により蛍光信号が変化する蛍光染料を加え、もし任意の第3分取試料が存在すれば、前記任意の第3分取試料(以下、任意の分取試料−阻害剤−染料と呼ぶ)には、ペンタクロロフェノールを含むハロゲン化フェノール、クレゾールアイソマー、及びペンタクロロフェノールのジプロピレングリコールメチルエーテル溶液からなる群より選択される、蛍光染料の微生物還元を抑える代謝阻害剤を加えた後、前記任意の第3分取試料にはさらに蛍光染料を加える工程と;
C)前記蛍光染料を、存在するいずれの微生物有機体とも反応させる工程と;
D)前記分取試料−ブランク、前記分取試料−染料、及び前記任意の分取試料−阻害剤−染料における、前記蛍光染料の波長の、及び前記反応した蛍光染料の波長での前記蛍光信号を測定する手段を準備する工程と;
E)所定ノイズレベルより下の蛍光信号測定値を切り捨てながら、前記蛍光信号の測定手段を用いて、前記蛍光染料の波長での及び前記反応した蛍光染料の波長での、前記分取試料−ブランク、前記分取試料−染料、及び前記任意の分取試料−阻害剤−染料における前記蛍光信号を測定する工程と;
F)バックグラウンド蛍光を補正後の反応した蛍光染料の蛍光信号と、バックグラウンド蛍光を補正後の蛍光染料の蛍光信号との比率、及び、化学物質相互作用とバックグラウンド蛍光を補正後の反応した蛍光染料の蛍光信号と、化学物質相互作用とバックグラウンド蛍光を補正後の蛍光染料の蛍光信号との比率からなる群より選択した有用な比率を計算する工程と;
G)前記有用な比率を用いて、前記不透明媒質中の微生物汚染の程度をモニターする工程、を備えることを特徴とするモニタリング方法である。
第四アスペクトは、さらに、H)工程F)と工程G)について1つ又は両方の有用な比率を用いて、前記不透明媒質に供給される殺生物剤の最適量を決定する工程と;
I)前記殺生物剤の最適量を前記不透明媒質に供給する工程を備える、第三アスペクトに記載の方法である。
クレームされた本発明の第五アスペクトは、不透明媒質中の微生物個体群のモニタリング方法であって:
a)不透明媒質から物質の分取試料を得る工程と;
b)前記分取試料に、3,6,8−トリスルホン酸ピレンの酢酸エステル;二酢酸カルボキシフルオレセイン、9H−(1,3−ジクロロ−9,0−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル)、D−グルクロニド;9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル);レゾルフィン β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−グルクロニド;レゾルフィン β−D−グルクロニド;二リン酸フルオレセイン;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド ナトリウム塩;メチレンブルー;リン酸ピラニン;3,6,8−トリスルホン酸ピレン 1−リン酸;及びそれらの塩からなる群より選択される、微生物有機体との反応により蛍光信号が変化する蛍光染料を加える工程(前記分取試料を、以下、分取試料−染料と呼ぶ)と;
c)タイムゼロ(Time Zero)として知られる期間中、前記蛍光染料を存在するいずれの微生物有機体とも反応させる工程と;
d)前記分取試料−染料中の蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号を測定する手段を準備する工程と;
e)所定ノイズレベルより下の蛍光信号測定値を切り捨てながら、前記蛍光信号の測定手段を用いて、タイムゼロにおいて前記蛍光染料の蛍光信号及び前記反応した蛍光染料の蛍光信号を測定する工程と;
f)前記反応した蛍光染料の蛍光信号と、前記蛍光染料の蛍光信号との比率(この比率を、以下、タイムゼロの比率と呼ぶ)を計算する工程と;
g)所定の期間(以下、タイムフューチャー(Time Future)と呼ぶ)中、待機する工程と;
h)分取試料−染料における蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号をタイムフューチャーにおいて測定する工程と;
i)タイムフューチャーにおける前記反応した蛍光染料の蛍光信号と、タイムフューチャーにおける前記蛍光染料の蛍光信号との比率(この比率を、以下、タイムフューチャーの比率と呼ぶ)を計算する工程と;
j)タイムフューチャーの比率とタイムゼロの比率を比較する工程と;
k)前記タイムフューチャーの比率と前記タイムゼロの比率の比較を用いて、前記不透明媒質中の微生物汚染の程度をモニターする工程、を備えることを特徴とするモニタリング方法である。
第六アスペクトは、さらに、l)前記タイムフューチャーにおける比率と前記タイムゼロにおける比率の比較を用いて、前記不透明媒質に供給される殺生物剤の最適量を決定する工程と;
m)前記殺生物剤の最適量を前記不透明媒質に供給する工程を備える、第五アスペクトに記載の方法である。
クレームされた本発明の第七アスペクトは、不透明媒質中の微生物個体群のモニタリング方法であって:
A)物質の分取試料を少なくとも2つ(物質の分取試料を任意には3つとすることができる)を不透明媒質から分離する工程と;
B)第1分取試料(前記第1分取試料を、以下、分取試料−ブランクと呼ぶ)には、何も加えず、第2分取試料(前記第2分取試料を、以下、分取試料−染料と呼ぶ)には、3,6,8−トリスルホン酸ピレンの酢酸エステル;二酢酸カルボキシフルオレセイン、9H−(1,3−ジクロロ−9,0−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル)、D−グルクロニド;9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル);レゾルフィン β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−グルクロニド;レゾルフィン β−D−グルクロニド;二リン酸フルオレセイン;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド ナトリウム塩;メチレンブルー;リン酸ピラニン;3,6,8−トリスルホン酸ピレン 1−リン酸;及びそれらの塩からなる群より選択される、微生物有機体との反応により蛍光信号が変化する蛍光染料を加え、もし第3分取試料が存在すれば、この任意の第3分取試料に、ペンタクロロフェノールを含むハロゲン化フェノール、クレゾールアイソマー、及びペンタクロロフェノールのジプロピレングリコールメチルエーテル溶液からなる群より選択される、蛍光染料の微生物還元を抑える代謝阻害剤を添加した後、蛍光染料を引き続き添加する(前記第3分取試料は、以下、任意の分取試料−阻害剤−染料と称する)工程と;
C)タイムゼロとして知られる期間中、前記蛍光染料を、存在するいずれの微生物有機体とも反応させる工程と;
D)前記蛍光染料の波長での及び前記反応した蛍光染料の波長での、前記分取試料−ブランク、前記分取試料−染料、及び前記任意の分取試料−阻害剤−染料における蛍光信号を測定する手段を準備する工程と;
E)タイムゼロにおいて蛍光信号を発生する様に、所定ノイズレベルより下の蛍光信号測定値を切り捨てながら、前記蛍光信号の測定手段を用いて、前記蛍光染料の波長での及び前記反応した蛍光染料の波長での、前記分取試料−ブランク、前記分取試料−染料、及び前記任意の分取試料−阻害剤−染料における蛍光信号を測定する工程と;
F)バックグラウンド蛍光を補正後の前記反応した蛍光染料の蛍光信号と、バックグラウンド蛍光を補正後の前記蛍光染料の蛍光信号のタイムゼロの比率、及び、化学物質相互作用とバックグラウンド蛍光を補正後の反応した蛍光染料の蛍光信号と、化学物質相互作用とバックグラウンド蛍光を補正後の蛍光染料の蛍光信号の任意の比率からなる群より選択したタイムゼロにおける有用な比率を計算する工程と;
G)所定の期間(以下、タイムフューチャー(Time Future)と呼ぶ)中、待機する工程と;
H)前記測定手段を用いて、前記蛍光染料の波長での及び前記反応した蛍光染料の波長での、前記分取試料−ブランク、前記分取試料−染料、及び前記任意の分取試料−阻害剤−染料におけるタイムフューチャーの蛍光信号を測定する工程と;
I)バックグラウンド蛍光を補正後の前記反応した蛍光染料の蛍光信号と、バックグラウンド蛍光を補正後の前記蛍光染料の蛍光信号のタイムフューチャーにおける比率、及び化学物質相互作用とバックグラウンド蛍光信号を補正後の反応した蛍光染料の蛍光信号と、化学物質相互作用とバックグラウンド蛍光信号を補正後の蛍光染料の蛍光信号との、タイムフューチャーにおける任意の比率からなる群より選択したタイムフューチャーにおける有用な比率を計算する工程と;
J)タイムゼロにおける比率と、有用なタイムフューチャーの比率とを比較する工程と;
K)前記有用なタイムフューチャーの比率と、タイムゼロの比率の比較を用いて、前記不透明媒質中の微生物汚染の程度をモニターする工程、を備えることを特徴とするモニタリング方法である。
第八アスペクトは、さらに、L)前記有用なタイムフューチャーの比率と有用なタイムゼロの比率との比較を用いて、前記不透明媒質に供給される殺生物剤の最適量を決定する工程と;
M)前記殺生物剤の最適量を前記不透明媒質に供給する工程を備える、第七アスペクトに記載の方法である。
クレームされた本発明の第九アスペクトは、任意的に測定方法における化学干渉を考慮しながら、また任意にバックグラウンド蛍光を考慮しながら行う、不透明媒質中の活性及び不活性微生物個体群のモニタリング方法であって:
A)不透明媒質から物質の分取試料を2つ(任意には物質の分取試料を3つ又は4つとすることもできる)得る工程と;
B)第1分取試料には直接、3,6,8−トリスルホン酸ピレンの酢酸エステル;二酢酸カルボキシフルオレセイン、9H−(1,3−ジクロロ−9,0−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル)、D−グルクロニド;9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル);レゾルフィン β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−グルクロニド;レゾルフィン β−D−グルクロニド;二リン酸フルオレセイン;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド ナトリウム塩;メチレンブルー;リン酸ピラニン;3,6,8−トリスルホン酸ピレン 1−リン酸;及びそれらの塩からなる群より選択される、微生物有機体との反応により蛍光信号が変化する蛍光染料を加え(この第1分取試料を、以下、分取試料−染料と呼ぶ)、第2分取試料には栄養と蛍光染料を加え(この第2分取試料を、以下、分取試料−栄養−染料と呼ぶ)、もし任意の第3分取試料が存在するのであれば、第3分取試料には、ペンタクロロフェノールを含むハロゲン化フェノール、クレゾールアイソマー、及びペンタクロロフェノールのジプロピレングリコールメチルエーテル溶液からなる群より選択される、蛍光染料の微生物還元を抑える代謝阻害剤と蛍光染料を加え(この第3分取試料を、以下、任意の分取試料−阻害剤−染料と呼ぶ)、もし任意の第4分取試料が存在するのであれば、第4分取試料には何も加えない(この第4分取試料を、以下、任意の分取試料−ブランクと呼ぶ)工程と;
C)タイムゼロとして知られる期間中、前記蛍光染料を、存在するいずれの微生物有機体とも反応させる工程と;
D)前記蛍光染料の波長での及び前記反応した蛍光染料の波長での、前記分取試料−染料、前記分取試料−栄養−染料、及び前記任意の分取試料−阻害剤−染料、前記任意の分取試料−ブランクにおける蛍光信号を測定する手段を準備する工程と;
E)タイムゼロにおいて蛍光信号を発生する様に、前記蛍光信号の測定手段を用いて、前記蛍光染料の波長での及び前記反応した蛍光染料の波長での前記分取試料−染料、前記分取試料−栄養−染料、前記任意の分取試料−阻害剤−染料、及び前記任意の分取試料−ブランクのタイムゼロにおける蛍光信号を測定する工程と;
F)タイムゼロにおける有用な比率を計算する工程であって、前記タイムゼロにおける有用な比率は、任意的に化学物質相互作用を考慮して、また任意的にバックグラウンド干渉を考慮して、全ての微生物学的な反応した蛍光染料の蛍光信号と、任意的に化学相互作用を考慮して、また任意的にバックグラウンド干渉を考慮して、全ての微生物学的な蛍光染料の蛍光信号とのタイムゼロにおける比率;反応した蛍光染料の活性微生物学的蛍光信号と蛍光染料の活性微生物学的蛍光信号のタイムゼロにおける比率;及び、反応した蛍光染料の不活性微生物学的蛍光信号と蛍光染料の不活性微生物学的蛍光信号のタイムゼロにおける比率、からなる群より選択したタイムゼロにおける有用な比率を計算する工程と;
G)所定の期間(以下、タイムフューチャーと呼ぶ)中待機し、タイムフューチャーにおける前記蛍光染料の波長での及び前記反応した蛍光染料の波長での前記分取試料−染料、前記分取試料−阻害剤−染料、前記任意の分取試料−栄養−染料及び前記任意の分取試料−ブランクにおける蛍光信号を測定する工程と;
H)タイムフューチャーにおける有用な比率を計算する工程であって、前記タイムフューチャーにおける有用な比率は、任意的に化学物質相互作用を考慮して、また任意的にバックグラウンド干渉を考慮して、全ての微生物学的な反応した蛍光染料の蛍光信号と、任意的に化学物質相互作用を考慮して、また任意的にバックグラウンド干渉を考慮して、全ての微生物学的な蛍光染料の蛍光信号とのタイムフューチャーにおける比率;反応した蛍光染料の活性微生物学的蛍光信号と、蛍光染料の活性微生物学的蛍光信号とのタイムフューチャーにおける比率;及び反応した蛍光染料の不活性微生物学的蛍光信号と、蛍光染料の不活性微生物学的蛍光信号とのタイムフューチャーにおける比率からなる群より選ばれたタイムフューチャーにおける有用な比率を計算する工程と;
I)前記タイムフューチャーにおける有用な比率と前記タイムゼロにおける有用な比率を比較する工程と;
J)前記タイムフューチャーにおける有用な比率と前記タイムゼロにおける有用な比率の比較を用いて、前記不透明媒質中の微生物汚染の程度をモニターする工程、を備えることを特徴とするモニタリング方法である。
第十アスペクトは、さらに、K)前記タイムフューチャーにおける有用な比率と前記タイムゼロにおける有用な比率の比較を用いて、前記不透明媒質に供給する殺生物剤の最適量を決定する工程と;
L)前記殺生物剤の最適量を前記不透明媒質に供給する工程を備える、第九アスペクトに記載の方法である。
好適な実施態様の詳細な説明
本出願において、以下の如く語彙の意味を定義する。アルドリッチは、ALDRICH(登録商標)(住所P.O. Box 355, Milwaukee, WI 53201, USA,電話番号(414)273−3850又は(900)962−9591)を指す。
「コロイド」は、沈殿しない超顕微鏡的な粒子を含む不透明な液である。
「等方性の(isotropic)」は、ある部分が点光源であり、かつ該部分に励起光が照射される場合に、蛍光が2πステラジアンにわたって等しく発光され、その結果として三次元の球を形成するという事実を指す。蛍光が等方性分布するので、実用上は、励起(光子)光源に帰する光子(光)の集光を最小限に抑えるために、蛍光信号の集光は通常、励起(光子)光源に対して90°の角度で行う。これにより、光散乱も最小限に抑えることができる。
ナルコは、オンデオ ナルコ カンパニー(住所ONDEO Nalco Center, 1601 W. Diehl Road, Naperville, IL 60563, U. S. A.、電話番号(630)305−1000)を指す。
「nm」は、ナノメートルを意味し、10−9メートルである。
「スラリー」は、不透明な懸濁液で、通常水性である。該スラリーは、セメントや粘土等の不溶性物質を十分な水又はその他の液に混合して得ることができ、粘稠な流動性をもつ混合物になる。
クレームされた本発明の第一アスペクトは、不透明媒質中の微生物個体群のモニタリング方法であって:
a)不透明媒質から物質の分取試料を得る工程と;
b)前記分取試料に、微生物有機体との反応により蛍光信号が変化する蛍光染料を加える工程(前記分取試料を、以下、分取試料−染料と呼ぶ)と;
c)前記蛍光染料を、存在するいずれの微生物有機体とも反応させる工程と;
d)前記分取試料−染料中の蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号を測定する手段を準備する工程と;
e)所定ノイズレベルより下の蛍光信号測定値を切り捨てながら、前記測定手段を用いて、前記蛍光染料の蛍光信号及び前記反応した蛍光染料の蛍光信号を測定する工程と;
f)前記反応した蛍光染料の蛍光信号と、前記蛍光染料の蛍光信号との比率を計算する工程と;
g)前記比率を用いて、前記不透明媒質中の微生物汚染の程度をモニターする工程、を備えることを特徴とするモニタリング方法である。
第二アスペクトは、さらに、h)前記比率を用いて、前記不透明媒質に供給する殺生物剤の最適量を決定する工程と;
i)前記殺生物剤の最適量を前記不透明媒質に供給する工程を備える、第一アスペクトに記載の方法である。
先ず、不透明な媒質から物質の分取試料を採取する。本発明の目的のために、不透明媒質は不透明スラリー、不透明コロイド、不透明金属加工液から成る群より選ばれる。この試験方法に適しているスラリーとコロイドには、産業上使用されているスラリーとコロイドが含まれる。本発明の方法により試験することができる具体的なスラリー、コロイド及び金属加工液としては、選鉱業、パルプ・製紙業、窯業、コーティング産業及びその他、食品及び飲料産業以外の産業処理で使用されているスラリー、コロイド、金属加工液が挙げられる。
鉱業で使用される不透明スラリーと不透明コロイドとしては、粘土類鉱物スラリー(カオリン)、硫化カルシウムスラリー、炭酸カルシウムスラリー、粉炭スラリー及び金属鉱業作業から出る鉱石スラリー(銅、金、モリブデン、鉄、アルミニウム、ニッケル等)が挙げられる。
パルプ・製紙業で用いられる不透明スラリーや不透明コロイドとしては、ポリマー溶液、でんぷんスラリー(つまり、デンプン溶液)、そしてカオリンスラリーや沈降炭酸カルシウム懸濁液などの鉱物スラリーが挙げられる。
窯業で用いられる不透明スラリーとしては、粘土を主とする系、金属酸化物やその他のポリマーの溶液等の鉱物スラリーが挙げられる。
金属加工液は、加工材料片と加工用具の接触点で起こる摩擦及び熱を低減させる化学的混合物である。又、金属加工液は、加工用具を摩耗から防護し、機械や加工材料片の腐食から防護する。該金属加工液は、用途によって他の望ましい性質を持つように処方される。例えば、耐微生物汚損、消泡剤、低噴霧などが挙げられるが、これらに制限されない。実際の金属加工液は、他の液の混入によって高散乱性の系であったり、高散乱性の水中油型エマルジョンに設計されている。
クレームされた本発明の方法は、水による希釈が可能な全ての金属加工液、例えば、合成、半合成及び溶性油の金属加工液などに適用できる。これら全ての流動体は微生物汚染の可能性があり、実際に該汚染がよく起こる。
蛍光染料化合物を分取試料に添加し、試験及びモニタリングする。
測定された蛍光染料の反応は、蛍光染料を含有する分取試料中の微生物有機体の反応の合計であると考えられる。分取試料サンプルを使用する場合には、必須ではないけれども、系内の微生物有機体活性の平均を得るために、スラリーやコロイド中の異なる数箇所から分取試料を採取することができる。
分取試料に添加される蛍光染料化合物は、幅広い微生物有機体個体群との相互作用において、その蛍光信号が実質的に変化を受ける分子でなければならない。従って、クレームされた本方法の使用に適した蛍光染料は、それらが微生物と反応する以前に、検出可能な蛍光信号を出し、また、微生物と反応した後には、異なる蛍光信号を出さなければならない。
適切な蛍光染料には、以下のものが含まれるが、それらに制限されない。
3,6,8−トリスルホン酸ピレンの酢酸エステル;
二酢酸カルボキシフルオレセイン、9H−(1,3−ジクロロ−9,0−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル)、D−グルクロニド;
9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル);
レゾルフィン β−D−ガラクトピラノシド;
フルオレセイン ジ−β−D−ガラクトピラノシド;
フルオレセイン ジ−β−D−グルクロニド;
レゾルフィン β−D−グルクロニド;二リン酸フルオレセイン;
7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド(以後、「レザズリン(resazurin)」という);
7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド ナトリウム塩(以後、「レザズリンナトリウム塩」という);
メチレンブルー;
リン酸ピラニン;3,6,8−トリスルホン酸ピレン 1−リン酸;及びそれらの塩。
好ましい蛍光染料は、レザズリンである。
これらの蛍光染料の全ては、市販されている(例えば、レザズリンはレザズリンナトリウム塩としてアルドリッチから入手可能)か、或いは、これらの蛍光染料は、リン酸ピラニンの場合のように、文献で報告されている手順で合成可能である。
蛍光染料が分取試料に添加された後、染料が分取試料に混ざるように、分取試料をかき混ぜてもよい。
典型的には、不透明スラリー、不透明コロイド、不透明金属加工液のいずれの不透明媒質も、ある種の微生物有機体を含む。産業工程に用いられるどの不透明スラリー、不透明コロイド、不透明金属加工液は、ところどころに微生物有機体の集落があると予想される。これらの各スラリーやコロイド中の微生物活性の程度は、初期の微生物有機体個体群、通気、温度、水流、微生物栄養の存在及び微生物からの排泄物の除去等の異なる要因の関数である。
蛍光染料が存在する微生物と反応するように十分な経過時間をとるためには、蛍光染料を添加後、蛍光光度計で蛍光信号を測定する前に、少なくとも約1分間、好ましくは少なくとも約5分間、より好ましくは少なくとも約240分間、最も好ましくは少なくとも約480分間待つとよい。本発明の第一、第二、第三、第四アスペクトの方法において、蛍光信号の測定は一回行われるのみである。よって、本発明の該アスペクトにとっては、この期間は、単に測定のための期間というだけである。
第五、第六、第七、第八、第九、第十アスペクトにおいては、最初の蛍光信号の測定以前の期間は、タイムゼロと称する。タイムゼロは、蛍光染料添加後、蛍光光度計による蛍光信号測定を行う前に、少なくとも約1分、好ましくは少なくとも約5分、より好ましくは少なくとも約20分、最も好ましくは少なくとも約30分とする。
本発明の第五、第六、第七、第八、第九、第十アスペクトにおいて、タイムフューチャーは、少なくともタイムゼロから約4時間後、好ましくは少なくとも約6時間後、より好ましくは少なくとも約8時間後とする。
蛍光染料については、微生物活性を決定し得る有効量を分取試料に添加する。蛍光染料の有効量は約0.5ppmから約200ppm、好ましくは約1ppmから約50ppm、最も好ましくは約10ppmから約30ppm、また、極めて最も好適な蛍光染料の添加量は約25ppmである。レザズリンナトリウム塩等の塩の状態の蛍光染料が産業用水システムに添加されるとき、ppmの計算は存在する蛍光染料の活性量に基づいて行われる。
もちろん、蛍光染料の使用量はこれらの好適な量よりも多くてよい。200ppm以上の量は、微生物活性の測定に対して、その量に見合うだけの利益を与えることはなく、蛍光染料を無駄にするであろうと考えられているが、それにより拘束されるものではない。該システムへの染料添加に影響を与える別の要因には、染料の種類並びにスラリー、コロイド若しくは金属加工液中の流体の種類が含まれる。
蛍光光度計は、蛍光染料と反応した蛍光染料の両方の蛍光信号を測定するのに用いることが可能である。
商業的に入手可能な蛍光光度計としては、ナルコ製のTRASAR(登録商標)700蛍光光度計が挙げられるが、それに限定されない。該蛍光光度計は、試料セルの位置が変更されていて、「擦り角度(grazing angle)」蛍光測定の手法を用いて値を読み、スラリー、コロイド、金属加工液等の不透明媒質に適している。
ジョバンイーボンスペックス(Jobin Yvon SPEX)製(住所 3880 Park Avenue, Edison NJ 08820)のSPEX(登録商標)蛍光光度計は、
1)セルの前面部から蛍光発光を収集することができる固体試料支持体
2)所定の波長の光を試料に当てることができ、かつ、検知システムに戻ってきた発光の収集と伝送ができる二股の光ファイバーケーブル
のいずれかを有し、不透明試料の蛍光度測定を実施するために使用することができる。
本発明の方法に好適な別のタイプの蛍光光度計としては、米国特許出願,表題「鏡蛍光光度計」(2001年6月28日出願、代理人整理番号7590)が挙げられる。
本発明の方法に好適な別のタイプの蛍光光度計としては、フロント−フェース蛍光光度計が知られている。フロント−フェース蛍光光度計を図2に示す。図2において、フロント−フェース蛍光光度計100は、発光8を第一レンズ12を通して投影する光源10、励起フィルター14、第二レンズ16を用いる。第一レンズ12は非球面レンズである。第二レンズ16は非球面レンズでもPCXレンズであってもよい。選択した周波数の光は第二レンズ16から励起光78として現れる。励起光78は三股の光ファイバーケーブル20の第一アーム18に入り、そこから分取試料92を保持する試料管90に入る。分取試料92は、不透明スラリー、不透明コロイド、不透明金属加工液の分取試料のいずれかを含有し、そこには蛍光染料栄養が添加されていると共に、任意的に代謝阻害剤及び栄養が添加されている。或いは、分取試料92は、いかなる蛍光染料も代謝阻害剤も栄養も含有していなくてよい。この場合の分取試料92は、分取試料−ブランクと称する。
好ましくは、蛍光染料は、一つの波長の励起光が蛍光染料と反応した蛍光染料を両方とも励起できるように選ぶ。波長550nmの励起光で励起するレザズリンが蛍光染料として好ましい。レザズリン(蛍光染料)もレゾルフィン(反応した蛍光染料)もSPEX(登録商標)蛍光光度計を用いて波長550nmの励起光で励起される。分取試料92中の蛍光体は、三股の光ファイバーケーブル20の第二アーム22と第三アーム24を通して発光82を送り返す。
発光82は、第一PCXレンズ32、第一発光フィルター52、第二PCXレンズ34を伝わり、第二PCXレンズ34から第一発光蛍光信号83として現れる。第一発光蛍光信号83は、特定波長をもつ発光蛍光である。第一発光蛍光信号83にとって所望の光の波長が得られる方法としては、先ず、本発明の方法を行うためには、いかなる波長の蛍光を(第一発光蛍光信号83として)検知すべきかを決める、それから、PCXレンズ32、第一発光フィルター52及び第二PCXレンズ34を、第一発行蛍光信号83として望ましい光の波長が第二PCXレンズ34から現れるように選択する。第一発光蛍光信号83は第一光ダイオード36に入る。任意の第一増幅器38は、信号をより検知しやすくなるように第一発光蛍光信号83を増幅させる。
発光82は、三股の光ファイバーケーブル20の第三アーム24、第三PCXレンズ42、第二発光フィルター44、第四PCXレンズ46を伝わり、第四PCXレンズ46に第二発光蛍光信号85として現れる。第二発光蛍光信号85は、特定の波長の蛍光光である。第二発光蛍光信号85の所定の波長が得られる様子が、本発明の方法を行うためには、どの蛍光光の波長を(第二発光蛍光信号85として)検知すべきかを最初に決める。そして、第三PCXレンズ42、第二発光フィルター44そして第四PCXレンズ46を、第二発行蛍光信号85として好ましい光の波長が第四PCXレンズ46から現れるように選択する。第二発光蛍光信号85は、第二光ダイオード48に入る。任意の第二増幅器58は、信号をより検知しやすくなるように第二発光蛍光信号85を増幅させる。
光源10は、発光ダイオード又はレーザー又はフィラメントのランプ又はフラッシュランプであってもよい。光源10は、発光ダイオードであることが好ましい。好適な発光ダイオード(緑色LED、525nmで光を発光、品番NSPG−500S)は、Nichia America Corporation(住所 3775 Hempland Road, Mountville, PA 17554、電話番号 (717)285−2323)から入手可能である。
PCXレンズ(品番L45−437)と非球面レンズはEdmund Industrial Optics(住所 101 East Gloucester Pike, Barrington, NJ 08007、電話番号(800)363−1992)から入手可能である。
増幅器(品番AFC2101)は、Burr-Brown(住所 6730 S. Tucson Blvd., Tucson, AZ 85706、電話番号 (520)746−1111)製の二重電流積分計が好ましい。
光ダイオード(品番S2386−5K)は、Hamamatsu(住所 360 Foothill Road, Bridgewater, NJ 08807、電話番号 (908)231−0960)で入手可能である。
励起フィルター(品番535DF35)と発光フィルター(品番635DF55)は、Omega Optical(住所 P.O. Box 573, Brattleboro, VT 05302、電話番号 (802)254−2690)から入手可能である。
三股の光ファイバーケーブルは、Dolan-Jenner Industries(住所 678 Andover Street, Lawrence, MA 01843、電話番号 (978)681−8000)から入手可能である。
本発明の方法に好ましく用いられる蛍光光度計は、フロント−フェース蛍光光度計である。
蛍光染料及び反応した蛍光染料の両蛍光信号の測定は、蛍光光度法における技術分野の当業者に公知の手順である。蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号を検知するために上記蛍光光度計のいずれかを用いるということは、その蛍光光度計は、励起光の必須の波長を供給できなくてはならず、また、発光の必須の波長を検知できなくてはならないことを意味する。前述の通り、レザズリン(蛍光染料)とレゾルフィン(反応した蛍光染料)は、両方とも約532nm〜約550nmの波長の光により励起し、それぞれの化合物の発光蛍光信号は、583nmと634nm(それぞれレゾルフィンとレザズリンに対応)において検知され計測される。
レザズリンが蛍光染料として好ましい理由の一つは、レザズリン(蛍光染料)とレゾルフィン(反応した蛍光染料)の両方が、同じ波長の光により励起するからである。もちろん、反応した蛍光染料と異なる波長の光によって励起する蛍光染料を用いてクレームされた方法を行うことは可能である。一つの波長の光のみ発光可能な且つ/又は発光された該波長の光について一つの蛍光信号のみ検知可能な蛍光光度計については、一つ以上の蛍光光度計を使用しなければならない。つまり、一つの蛍光光度計は蛍光染料の蛍光信号を検知するのに用い、もう一つの蛍光光度計は反応した蛍光染料の蛍光信号を検知するのに用いる。
クレームされた本発明の第一アスペクトにおいて、蛍光染料の蛍光信号と反応した蛍光染料の蛍光信号との比率は、以下のように表される:
比率=(反応した蛍光染料の蛍光信号)/(蛍光染料の蛍光信号)
損失した光の量は分取試料の不透明度に比例するため、蛍光染料に対する反応した蛍光染料の比率をとることによって光の散乱による信号の損失が因数として表される。
該比率は無単位数である。該比率は手動又は計算機又はコンピュータプログラムで計算可能である。実際は、該比率は、設定された間隔で比率の記録が連続的に計算可能であるように適当なコンピュータプログラムを用いて計算されることが好ましい。そして、該比率の絶対値(本発明の第一、第二、第三、第四アスペクト)や該比率の変化率(本発明の第五、第六、第七、第八、第九、第十アスペクト)を用いて、不透明媒質中の微生物活性の程度を決定する。
コンピュータプログラムは、比率を自動的に計算するように書き込み可能である。コンピュータプログラム書き込み技術分野の当業者は、該比率を自動的に計算するコンピュータプログラムの書き方を知っているであろう。
該比率がどのように計算されるかに関わらず、操作システムは、該比率を処理するようにプログラム可能な、市販の構成部品から構築することが可能である。この操作システムは、殺生物剤を物理的に産業用水システムへ添加する制御操作を行うために、該比率を用いることが可能である。操作システム内のコンピュータ手段は、プログラマブル論理制御装置(PLC)、パーソナルコンピュータ又はその他のコンピュータ装置等の、いずれのデジタル式コンピュータであってもよいが、これらに制限されない。殺生物剤供給器は、液化した殺生物剤を入れておく簡単な容器とポンプであってよい。該ポンプは、殺生物剤の測定量を該スラリーやコロイドへ供給可能であり、且つ、手動で、又は、そのような測定量を供給するようにコンピュータ装置から出された信号によって作動可能であることが好ましい。
該比率の変化率に関しては、殺生物剤の不在下で比率が増加すると、微生物活性レベルが上昇していることが知られている。
クレームされた本発明の方法が、殺生物剤の存在下で実施される場合には、ある一定の調整を行なう必要がある。当業者は、どの殺生物剤が不透明媒質で使用されるか心得ている。容認できないレベルの微生物活性に応じて添加される殺生物剤には、酸化及び非酸化殺生物剤がある。
酸化殺生物剤には以下のものがあるが、これに制限されない:
1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン及び1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(CAS登録番号16079−88−2)のいずれか、又はそれらの混合物であるBCDMH(92.5%、93.5%、98%);
安定化漂白剤等の漂白剤;
安定化臭素等の臭素;
次亜塩素酸カルシウム(CAS登録番号7778−54−3)「カルハイポ」(68%);
安定化塩素(8.34%)等の塩素;
過酸化水素(CAS登録番号7722−84−1)/過酢酸(CAS登録番号79−21−0)である、H22/PAA(21.7%/5.1%);
次亜臭素酸塩;
次亜臭素酸;
ヨウ素;
有機臭素;
臭化ナトリウムであるNaBr(42.8%、43%、46%);
次亜塩素酸ナトリウム(CAS登録番号7681−52−9)であるNaOCl(10%、12.5%);
これらの混合物。
非酸化殺生物剤には以下のものがあるが、これに制限されない。
67.5wt.%の1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンテン クロライド(CAS登録番号4080−31−3)であるAdamantane;
ADBAC Quat(10%、40%(CAS登録番号68391−0−5)、80%)、これは「4級塩(quat)」としても公知の塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウムである;
ADBAC quat(15%)/TBTO(酸化トリブチルスズ)5%;ADBAC Quat/酸化ビス(トリブチルスズ)(CAS登録番号56−35−9)であるADBAC(12.5%)/TBTO(2.5%);
10wt.%の2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(CAS登録番号52−51−7)であるBronopol;
化学式T2NCO2Hで表されるカルバミン酸塩(30%)(但し、T2はC1−C10アルキル基);
硫酸銅(80%);
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(CAS登録番号10222−01−2)であるDBNPA(20%、40%);
塩化ジデシルジメチル4級アンモニウム塩であるDDAC Quat(50%);
(2−(2−p−(ジイソブチル)フェノキシ)エトキシ)エチルジメチル ジメチルベンジルであるDPEEDBAC Quat(1%);
グルタルアルデヒド(15%、45%)(CAS登録番号111−30−8);
グルタルアルデヒド(14%)/ADBAC quat(2.5%);
ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−5−トリアジン(78.5%)であるHHTHT;
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CAS登録番号26172−55−4)と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CAS登録番号2682−20−4)との混合物であるイソチアゾロン類(1.5%、5.6%);
10〜20wt.%のメチレンビスチオシアネート(CAS登録番号6317−18−6)と5〜10wt.%のエトキシレートフェノール(CAS登録番号41928−09−0)であるMBT(10%);
高分子4級化合物であるポリクアト(polyquat)(20%、60%);
ポリアミンとその塩−−高分子アミン化合物;
2−(tert−ブチルアミノ)−4−クロロ−6−エチルアミノ−5−トリアジン(CAS登録番号5915−41−3)であるターブチラジン(terbutylazine)(4%、44.7%);
24wt%の3,5−ジメチル−1,3,5,2H テトラヒドロチアジアジン−2−チオン(CAS登録番号533−74−4)と、1〜5wt%の水素化ナトリウム(CAS登録番号1310−73−2)であるチオン;
TMTT(24%)−−二硫化テトラメチルチウラム;
これらの混合物。
上記殺生物剤のいずれの組み合わせが使用されてもよい。さらに、付加的な殺生物剤も使用されてよい。このような付加的な殺生物剤には、殺生物剤技術分野の当業者に公知のものを含まれるであろう。殺生物剤の選択に関する唯一の制限は、殺生物剤が微生物と反応する(微生物を破壊する)よりも早く蛍光染料と反応する場合に、それは受け入れられないであろうということである。
クレームされた本発明での使用に適した蛍光染料は全て、酸化殺生物剤の存在下では、種々の程度に劣化(つまり「消光」)を受け易いことが見出されている。クレームされた本発明の方法が、これら酸化殺生物剤が存在する不透明媒質中で使用される場合には、酸化殺生物剤をスラリー、コロイドあるいは金属加工液に添加する位置よりもできるだけ遠い位置の不透明媒質から分取試料を取り出すことが重要である。
酸化殺生物剤の存在下においては、クレームされた本発明の方法では、蛍光信号がある一定の最小限の「ノイズ」レベルより上に計量されない限り、蛍光信号を考慮するのではなく、この消光現象を考慮しなければならない。この最小限の「ノイズ」レベルは、蛍光光度法技術分野の当業者によって、クレームされた本発明の方法が実施される各々のスラリー、コロイド及び金属加工液に対して、合理的確実性をもって決定可能である。
酸化殺生物剤の不在下であっても、その系にとっての「最小限のノイズレベル」より上ではない蛍光信号は、全て切り捨てる必要がある。この「最低限のノイズレベル」は、各不透明媒質によって異なる。蛍光光度法技術分野の当業者は、各不透明媒質について、この「最小限のノイズレベル」を決定することが可能である。
この消光現象は、非酸化殺生物剤、化学還元物質(例えば亜硫酸)、或いは酸性pHによる場合でも、これらの各化合物/現象が反応して蛍光染料の蛍光信号を減少させるので、観察することができる。蛍光染料の信号のこのような消光は、分取試料中に蛍光染料と共に代謝阻害剤を用いることによって把握することが可能である。微生物還元を抑制するために一つの分取試料中に代謝阻害剤を用いることによって、蛍光染料の化学的及び生物学的還元の差別化が可能になる。このように、化学的還元に起因する還元量とは別に微生物活性に起因する還元量を決定することができる。
この分取試料は、分取試料−阻害剤−染料と称され、化学物質との相互作用に起因する蛍光染料の蛍光信号の変化だけを表す、なぜなら、代謝阻害剤が微生物活性を止めるため、つまり該微生物活性は蛍光染料に影響を及ぼすことができないためである。
蛍光信号の絶対値を単に測定することとは対照的に、比率を計算することによって、(1)蛍光染料の濃度に依存しない、及び(2)微生物活性に対してより高感度な、情報が得られる。感度は、微生物有機体が蛍光染料を反応した蛍光染料に変換し、それに伴って、蛍光染料の蛍光信号の減少と反応した蛍光染料の蛍光信号の増加の両方が起きるせいで比率が増加することに依存して生じる。比率が要求される理由としては、スラリーの様々な試料の散乱蛍光とバックグラウンド蛍光の差異も理由となり、そうでないと絶対値測定の誤差を招いてしまう。
スラリー、コロイドあるいは金属加工液中の一般的な微生物有機体のうち、これまでに本工程の検知方法を用いて検知可能であった及び応答性が認められたものとしては、シュードモナス、バチルス、クレブシエラ、エンテロバクター、エシェリキア、ミズワタ菌及びハリスコメノバクター(Haliscomenobacter)が含まれるが、これらに制限されない。上述したように、この列挙は全てを網羅してはおらず、前記装置を使用する該方法によって、その他のバクテリア及び/又は微生物が検出可能な場合がある。
クレームされた本発明の第三アスペクトは、不透明媒質中の微生物個体群のモニタリング方法であって:
A)不透明媒質から物質の分取試料を少なくとも2つ(物質の分取試料を任意には3つとすることができる)を分離する工程と;
B)第1分取試料(前記第1分取試料は、以下、分取試料−ブランクと呼ぶ)には、何も加えず、第2分取試料(前記第2分取試料は、以下、分取試料−染料と呼ぶ)には、微生物有機体との反応により蛍光信号が変化する蛍光染料を加え、もし任意の第3分取試料が存在すれば、前記任意の第3分取試料(以下、任意の分取試料−阻害剤−染料と呼ぶ)には、蛍光染料の微生物還元を抑える代謝阻害剤を加えた後、前記任意の第3分取試料には、さらに蛍光染料を加える工程と;
C)前記蛍光染料を、存在するいずれの微生物有機体とも反応させる工程と;
D)前記分取試料−ブランク、前記分取試料−染料、及び前記任意の分取試料−阻害剤−染料における、前記蛍光染料の波長での、及び前記反応した蛍光染料の波長での前記蛍光信号を測定する手段を準備する工程と;
E)所定ノイズレベルより下の蛍光信号測定値を切り捨てながら、前記蛍光信号の測定手段を用いて、前記蛍光染料の波長での及び前記反応した蛍光染料の波長での、前記分取試料−ブランク、前記分取試料−染料、及び前記任意の分取試料−阻害剤−染料における前記蛍光信号を測定する工程と;
F)バックグラウンド蛍光を補正後の反応した蛍光染料の蛍光信号と、バックグラウンド蛍光を補正後の蛍光染料の蛍光信号の比率、及び化学物質相互作用とバックグラウンド蛍光を補正後の反応した蛍光染料の蛍光信号と、化学物質相互作用とバックグラウンド蛍光を補正後の蛍光染料の蛍光信号の比率からなる群より選択した有用な比率を計算する工程と;
G)前記有用な比率を用いて、前記不透明媒質中の微生物汚染の程度をモニターする工程、を備えることを特徴とするモニタリング方法である。
第四アスペクトは、さらに、H)工程F)と工程G)について1つ又は両方の有用な比率を用いて、前記不透明媒質に供給される殺生物剤の最適量を決定する工程と;
I)前記殺生物剤の最適量を前記不透明媒質に供給する工程を備える、第三アスペクトに記載の方法である。
これら第三、第四アスペクトは、不透明媒質の第2分取試料を分析の対象としている。該分取試料は分取試料−ブランクと称する。分取試料−ブランクには蛍光染料を加えない。蛍光光度計を用いて、分取試料−ブランク中の蛍光染料及び反応した蛍光染料の波長における蛍光信号を測定する。比率を計算する前に、分取試料−染料中の蛍光染料及び反応した蛍光染料の蛍光信号から、分取試料−ブランク中の蛍光染料及び反応した蛍光染料の波長における蛍光信号を差し引く。
分取試料−ブランクの使用により、蛍光染料を添加する前から不透明媒質中に存在する蛍光染料及び反応した蛍光染料の波長におけるバックグラウンド蛍光を把握できる。
第七、第八、第九、第十アスペクトにおいて、分取試料−ブランクの蛍光信号は、タイムゼロとタイムフューチャーの両方において測定されるように特定されている点に留意すべきである。実際は、タイムフューチャーにおける分取試料−ブランクの蛍光信号を別測定する必要が常にあるわけではないが、それにひきかえ、タイムゼロにおける分取試料−ブランクの蛍光信号は、タイムゼロでの比率の計算とタイムフューチャーでの比率の計算にどちらにも使用される。
また、第三及び第四アスペクトにおいて、不透明媒質の分取試料は任意的に省略される。この第3分取試料を用いる場合、第3分取試料には代謝阻害剤が添加され、その後、蛍光染料が続いて添加される。この分取試料は、分取試料−阻害剤−染料と称する。
適切な代謝阻害剤は、これに限定されないがペンタクロロフェノール等のハロゲン化フェノール、及びクレゾールアイソマーからなる群から選択される。好適な代謝阻害剤は、ペンタクロロフェノールのジプロピレングリコールメチルエーテル溶液である。分取試料に添加する代謝阻害剤の量は、約100ppm〜約20,000ppm、好ましくは約1000ppm〜約10,000ppm、最も好ましくは約5000ppmである。
前述したように、分取試料−阻害剤−染料の蛍光信号は、不透明媒質中での蛍光染料と微生物有機体との相互作用とは別に、不透明媒質中で蛍光染料と化学物質との相互作用を示す信号である。必要であれば又は望ましい場合は、分取試料−ブランクの信号を分取試料−阻害剤−染料の信号及び分取試料−染料の信号から差し引き、化学物質相互作用とバックグラウンド蛍光を考慮し補正した蛍光信号を算出する。
このように本発明の第三、第四アスペクトで計算された比率は、バックグラウンド蛍光を把握することができ、任意的には化学物質相互作用を把握することができる。
第五、第六、第七、第八、第九、第十の方法は、対の組み合わせとなったの測定を必要とする。最初の一組目の測定は、タイムゼロで行われ、二組目の測定はタイムフューチャーで行われる。そして、タイムフューチャーの比率とタイムゼロの比率を比較し、試料中の微生物活性を確定する。
第五、第六、第七、第八、第九、第十アスペクトの方法は、変形させることも可能である。変法とする場合には、タイムゼロと複数のタイムフューチャーにおいて、それぞれの分取試料の蛍光信号を測定する。計算により得られた有用な比率は、該有用な比率の計算に使われた各測定が終了した時間に対してプロットする。時間に対する有用な比率の変化率は、不透明媒質中の微生物汚染の程度を確定し、モニタリングするために使用される。
本発明の目的において、用語「プロットされた(plotted)」又は「プロットする(plotting)」は、時間に対する比率の変化率を決定する全ての可能な方法を意味し、実際の物理的な情報のプロットが行われることを必要とする訳ではないと理解すべきである。もちろん、実際のプロットは、変化率を決定するに当たり許容される一つの手段であるが、他の許容され得る手段としては、データが図で表されたり、表で表されたり、比率と時間及び時間に対する比率の変化率の関係を示す、ある種の配列で表示される手動的又は自動的計算手技の使用が挙げられる。さらに、プロットは、実際の途中段階を記録せず、単に時間に対する比率の変化率を決定することを意味してもよい。
タイムフューチャーで蛍光信号を測定すると、各分取試料の内容物に沈殿物が生じる可能性が高い。該沈殿物は正常である。タイムフューチャーで測定する前に、各分取試料を分取試料の内容物が分取試料中に再分配されるようにかき混ぜることが望ましい。
第九、第十アスペクトにおいては、不透明媒質の分取試料を取った後、先ず栄養を添加し、次に蛍光染料を添加する。この分取試料を、分取試料−栄養−染料と称する。分取試料−栄養−染料の蛍光信号を測定すると、微生物活性の蛍光染料に対する効果を通して、微生物活性の合計を測定できる。微生物活性の合計は、活性な微生物活性と不活性な微生物活性の組み合わせである。活性な微生物活性は、活性状態の微生物に起因する活性である。不活性な微生物活性は、休止又は不活性な状態の微生物に起因する活性である。不活性な微生物活性は、分取試料に添加した栄養によって測定する。栄養は、不活性な微生物に食物資源として働き、それらを活性化させる。
栄養は微生物の成長を補助すると知られているものであれば何でもよい。栄養は、炭水化物群、タンパク質等の栄養培養液、その他の成分、及び水を用いたそれらの混合物から選択する。栄養としては、デキストロースと栄養培養液と水からなる溶液が好ましい。分取試料に添加する栄養の量は、約10ppm〜約10,000ppm、好ましくは約100ppm〜約2000、最も好ましくは約700ppmである。
クレームされた本発明の方法で使用する、全てではないが、主な有用な比率の計算の概要を以下に記述する。
以下の計算に使用されている略語は以下の通りである:
ABは、分取試料−ブランク中の蛍光信号を意味する。
ADは、分取試料−染料中の蛍光信号を意味する。
AIDは、分取試料−阻害剤−染料中の蛍光信号を意味する。
ANDは、分取試料−栄養−染料中の蛍光信号を意味する。
FDは、蛍光染料を意味する。
RFDは、反応した蛍光染料を意味する。
TZeroは、タイムゼロを意味する。
TFutureは、タイムフューチャーを意味する。
クレームされた本発明の第一アスペクトにおいて、有用な比率は:
Figure 0004936637
文章で記載すると、この有用な比率は、分取試料−染料中の反応した蛍光染料の蛍光信号と、分取試料−染料中の蛍光染料の蛍光信号との比率である。
クレームされた本発明の第三アスペクトにおいて、有用な比率は:
Figure 0004936637
文章で記載すると、この有用な比率は、分取試料−染料中の反応した蛍光染料の蛍光信号から分取試料−ブランク中の反応した蛍光染料の波長における蛍光信号を差し引いた値と、分取試料−染料中の蛍光染料の蛍光信号から分取試料−ブランク中の蛍光染料の波長における蛍光信号を差し引いた値との比率である。
この比率は、バックグランド蛍光補正済みの比率とも称される。
クレームされた本発明の第五アスペクトにおいて、有用な比率は、化学物質相互作用やバックグラウンド蛍光の補正が済んだ比率である:
Figure 0004936637
その他の有用な比率は、ある期間中の合計活性(微生物+化学物質+バックグラウンド)の比率である:
Figure 0004936637
その他の有用な比率は、タイムゼロとタイムフューチャーにおいてバックグラウンド蛍光を補正した比率である。
Figure 0004936637
注:
沈殿物が生じない場合、若しくは、攪拌後スラリーがタイムフューチャー前の程度の不透明度に戻る場合には、ADRFD at TFutureは、ABRFD at TZeroになり得る。
沈殿物が生じない場合、若しくは、攪拌後スラリーがタイムフューチャー前の程度の不透明度に戻る場合には、ABFD at TFutureは、ABFD at TZeroになり得る。
その他の有用な比率は、バックグラウンド蛍光と化学物質相互作用を補正した比率である。
Figure 0004936637
その他の有用な比率は、バックグラウンド蛍光と化学物質相互作用を補正した合計の微生物活性である。
Figure 0004936637
その他の有用な比率は、バックグラウンド蛍光と化学物質相互作用を補正した不活性な微生物活性の比率であり、これは、合計の微生物活性の比率から活性な微生物活性の比率を差し引くことにより得られる。
第一、第二、第三、第四アスペクトでもそうであるが、第五、第六、第七、第八、第九、第十アスペクトにおいて、好適な蛍光染料は、レザズリンである。最も好適な蛍光染料は、pH8.0のリン酸緩衝液のレザズリン溶液である。この蛍光染料が最も好ましいのは、やや酸性に傾いている試料のpHを緩衝液が中和して、試験の感度が良くすると言う理由からである。
クレームされた本発明の方法を行うことによって、不透明媒質の微生物汚染をモニターすることができ、モニタリングより得た情報を不透明媒質に添加する殺生物剤の量を調整するために使用できる。
以下の実施例は本発明を例証するために、また、本発明の実施法と使用法を当業者に知らせるために提示されるものである。これらの実施例は、どのような場合においても本発明又はその保護を限定することを意図していない。
実施例
(実施例1)
鉱物スラリー中の一つの蛍光染料及び反応した該蛍光染料の蛍光特性の試験
(実施例1a− レザズリンの蛍光信号特性の検討)
レザズリン ナトリウム塩は、アルドリッチ(登録商標)から入手可能である。水性スラリー、コロイド、及びある種の金属加工液中に、該塩が溶解すると、多くの微生物有機体の細胞膜に存在する呼吸酵素、デヒドロゲナーゼと反応可能な蛍光染料であるレザズリンが残る。このデヒドロゲナーゼとのゆえに、レザズリンは、レゾルフィンとしても公知の、3H−フェノキサジン−3−オン、7−ヒドロキシ−に還元される。レザズリンとレゾルフィンは異なった蛍光信号を有する。レザズリンは、634nmに最大値を示す公知の蛍光発光信号を有し、一方、レゾルフィンは、583nmに最大値を示す公知の蛍光発光信号を有する。
タイムゼロとタイムフューチャーにおける鉱物スラリー中のレザズリンとレゾルフィンの蛍光信号をプロットしたもの(毎秒計測による)を図1に示す。タイムゼロにおける鉱物スラリーのレザズリン含有量は、25ppmであった。この実施例におけるタイムゼロは約1分である。タイムフューチャーは約4時間である。
図1に示したスペクトルは、ジョバン イーボン スペックス(Jobin Yvon Spex, 住所3880 Park Avenue, Edison NJ 08820)から入手可能なSPEX(登録商標)蛍光光度計を使用して得られた。蛍光光度計を以下のように設定した:バンド幅を、励起及び発光の両方について2.5nmに設定し、励起波長を550nmに設定し、発光は、570と650nmの間を、ステップ間隔1nmで、各ステップにおける積分時間を0.2秒にしてスキャンした。SPEX(登録商標)蛍光光度計は、シングル光子カウントを使用しているので、読み取りは毎秒の計測により記録されている。
図1において、タイムゼロのスペクトルは滑らかな線として示されている。タイムゼロのスペクトルのy軸は、毎秒0〜200,000カウントを示す第2のy軸である。図1において、タイムフューチャーのスペクトルは点線として示されている。タイムフューチャーのスペクトルのy軸は、毎秒0〜2,000,000カウントを示す第1のy軸である。これら二つのy軸は、タイムフューチャーとタイムゼロのスペクトルが同じ図に収まるように選ばれた。
タイムゼロのスペクトルは583nmと634nmの両方にピークを有しており、これは少量のレゾルフィンがレザズリンのサンプル内に存在することを示している。使用したレザズリンのサンプルに、少量のレゾルフィンが存在したことは、このスペクトルがタイムゼロにおけるサンプルの組成を正確に反映していたことを意味する。4時間後のスペクトルもまた、583nmと634nmにピークを有するが、これらのピークの相対強度は、かなり異なっている。二つの該スペクトルは、これらをまとめて考えてみると、鉱物スラリー中に存在する微生物有機体の働きによって、又はレザズリンからレゾルフィンへ化学的に誘導される還元の働きによって、又はこれらの両作用の組み合わせによって、タイムゼロからタイムフューチャーにかけてレザズリンがレゾルフィンへと還元されていることを示している。
細胞膜−結合デヒドロゲナーゼが微生物中に存在するので、微生物有機体の働きでレザズリンは還元される。デヒドロゲナーゼは、全ての微生物有機体内に存在する電子伝達酵素類である。化学的還元剤の不在下では、レザズリンは微生物有機体との相互作用なしでそれ自体がリアルタイムにレゾルフィンへ変換することはない。
微生物有機体との相互作用が進行することによって、634nmのピークと比較して583nmのピークの強度が増加する。583nmピーク(反応した蛍光染料)と634nmピーク(蛍光染料)の強度比率を計算することにより、系内の微生物活性度と化学的還元剤の存在を判定することができる。
(実施例1b− 比率限界の検討)
反応した蛍光染料の蛍光信号と蛍光染料の蛍光信号の計算比率には限界値がある。微生物有機体との相互作用後、該比率は着実に増加する。この増加は、微生物活性に比例して、値が飽和するまで継続する。該比率が飽和する値は、蛍光染料の選択に依存すると共に、蛍光光度計の感度及び校正にも依存する。蛍光染料としてレザズリンを選択し、SPEX(登録商標)蛍光光度計を使用すると、計算比率は5で飽和する。蛍光染料としてレザズリンを選択し、ある種の発光ダイオード蛍光光度計を使用すると、計算比率は6で飽和する。
飽和するとは、それが該比率の測定可能最大値であることを意味する。微生物活性は、その後長く衰えず続くかもしれないが、その比率の値は増加し続けないであろう。実際、レゾルフィンが無蛍光なジヒドロレゾルフィンへさらに還元されるにつれ、比率は最終的に減少する。
レゾルフィン(純粋物)のスペクトルは、そのスペクトルにおいて583nmの強度と634nmの強度の間で、5の比率を有する。それ故、レザズリン濃度が非常に小さい場合、レゾルフィンのスペクトルが優位になる。これは、レゾルフィン一分子が、レザズリン一分子と比較して、より大きな蛍光量子収量を有するからである。
飽和の理由として考えられているのは、この考えに固執されるものではないが、以下の通りである:レゾルフィンは583nmに発光極大を有するが、634nmでも多少発光する。634nmでの発光強度は、583nmでの強度の1/5である。レゾルフィンはまた、レザズリンよりも、より蛍光を発する種である(即ち、等モル量のレザズリン及びレゾルフィンをある特定波長で励起する場合、この場合は550nmであるが、レゾルフィンの蛍光強度は、レザズリンのそれよりもはるかに大きい)。その結果、レザズリンのほとんどが、微生物有機体によりレゾルフィンに変換されるとき、蛍光強度比率はレゾルフィンのピーク単独の値に飽和する。
(実施例2と実施例3の手順)
試薬:
蛍光染料は、pH8.0に緩衝された1000ppmのレザズリン水溶液であった。
栄養は、28,000ppmのグルコースと商業的に入手可能な栄養培養液の水溶液であった(Becton Dickinson Microbiological Systems製、住所 Sparks MD, 21152 U. S. A.、 電話番号(410)−316−4000)。
代謝阻害剤は、200,000ppmのペンタクロロフェノールのジプロピレングリコールメチルエーテル溶液であった。
使用器具:
ピペットと先端部(200μL溶液用)
採取用ピペット
標準ディズポーザブルセル
15ml蓋付ポリスチレン遠心分離管又はその他の蓋付の透明な管
フロント−フェース蛍光光度計
手順:
(スラリーが混合するには濃厚過ぎる場合、スラリーと試薬を適切に混合できる丁度よい程度に(採取する以前に)スラリーを希釈する。該スラリーはブランク測定にも用いる。)
1.8mlのスラリーの分取試料を15ml遠心分離管に採取する。
2.0.2mlの栄養を該遠心分離管に添加し、「分取試料−栄養−染料」と明記する。
3.該遠心分離管に蓋をし、よく振って混合する。
4.新たな8mlの同試料を、新たな15ml遠心分離管に採取する。
5.0.2mlの代謝阻害剤を該遠心分離管に添加し、「分取試料−阻害剤−染料」と明記する。
6.該遠心分離管に蓋をし、よく振って混合する。
7.工程1から工程6を分取試料の個数(n)分繰り返し行う。
8.15分間、該遠心分離管を放置する。
9.各遠心分離管に240μLの蛍光染料を添加する。
10.該遠心分離管に蓋をし、よく振って混合する。
11.約4.0mlの分取試料を各遠心分離管からそれぞれ標準ディスポーザブルセルに採取する。
12.約1分間、反応した蛍光染料と蛍光染料の蛍光度を測定する。該蛍光染料と該反応した蛍光染料は、532nmで励起し、発光ピークは、634nmと583nmにおいてそれぞれ測定される。測定値を記す。例えば、分取試料1、つまり分取試料−栄養−染料の蛍光度の測定値は、「反応した蛍光染料、タイムゼロの分取試料−栄養−染料」と「蛍光染料、タイムゼロの分取試料−栄養−染料」の下にそれぞれ記入する。分取試料2、つまり「分取試料−阻害剤−染料」の蛍光度の測定値は、「反応した蛍光染料、タイムゼロの分取試料−阻害剤−染料」と「蛍光染料、タイムゼロの分取試料−阻害剤−染料」の下にそれぞれ記入する。
13.工程11と工程12を各分取試料の個数分繰り返す。
14.残りの遠心分離管の分取試料を37℃で培養する。
15.タイムゼロから6時間後のタイムフューチャーにおいて、インキュベーターから該遠心分離管を取り出す。各遠心分離管から約3mlの分取試料を新たな標準ディスポーザブルセルに採取する。
16.各分取試料の反応した蛍光染料及び蛍光染料の蛍光度を測定する。測定値を記録する。例えば、分取試料1、つまり分取試料−栄養−染料の蛍光度の測定値は、「反応した蛍光染料、タイムフューチャーの分取試料−栄養−染料」と「蛍光染料、タイムフューチャーの分取試料−栄養−染料」の下にそれぞれ記入する。分取試料2、つまり分取試料−阻害剤−染料の蛍光度の測定値は、「反応した蛍光染料、タイムフューチャーの分取試料−阻害剤−染料」と「蛍光染料、タイムフューチャーの分取試料−阻害剤−染料」の下にそれぞれ記入する。
17.工程15と工程16を各分取試料の個数分繰り返す。
ブランク測定:
18.オリジナルの試料を3ml、新たな標準ディスポーザブルセル1セット分に採取する。各分取試料に分取試料−ブランクと記載する。
19.各分取試料の蛍光度を反応した蛍光染料と蛍光染料の波長で測定する。測定値を記録する。例えば、分取試料3の蛍光度の測定値は、「反応した蛍光染料、分取試料−ブランク」と「蛍光染料、分取試料−ブランク」の下にそれぞれ記入する。
結果の考察:
計算した合計の微生物活性が0.1よりも低い場合は、微生物活性が低いことを表す。
計算した合計の微生物活性が0.1〜0.2である場合は、微生物活性が中程度であることを表す。
計算した合計の微生物活性が0.2よりも高い場合は、微生物活性が高いことを表す。
(実施例2)
不透明媒体の分析対象として選んだのは、製紙業で用いるコーティングであり、これは粘土、でんぷん、炭酸カルシウム、ラテックスポリマーを含有する。
分取試料−染料のタイムゼロにおける蛍光染料の蛍光信号と、反応した蛍光染料の蛍光信号を一度だけ測定し、該測定値は、分取試料−ブランクのタイムゼロとタイムフューチャーの両方に使用した。
分取試料−染料のタイムゼロにおける蛍光染料の蛍光信号と、反応した蛍光染料の蛍光信号を測定した。分取試料−染料のタイムゼロにおける蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号の測定値から、分取試料−ブランクの蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号の測定値をそれぞれ差し引いた。分取試料−ブランク測定について補正した分取試料−染料の反応した蛍光染料の蛍光信号の測定値と、蛍光染料の蛍光信号の測定値との有用な比率を計算した。
分取試料−阻害剤−染料の時間ゼロにおける蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号を測定した。タイムゼロの蛍光染料と反応した蛍光染料の分取試料−阻害剤−染料の蛍光信号の測定値から、蛍光染料と反応した蛍光染料の分取試料−ブランクの蛍光信号の測定値を、それぞれ差し引いた。分取試料−ブランク測定を補正した分取試料−阻害剤−染料の反応した蛍光染料の蛍光信号の測定値と、蛍光染料の蛍光信号の測定値との有用な比率を計算した。
分取試料−栄養−染料の時間ゼロにおける蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号を測定した。分取試料−栄養−染料のタイムゼロにおける蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号の測定値から、分取試料−ブランクの蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号の測定値を、それぞれ差し引いた。分取試料−ブランク測定を補正した分取試料−栄養−染料の反応した蛍光染料の蛍光信号の測定値と、蛍光染料の蛍光信号の測定値との有用な比率を計算した。
同様に、タイムフューチャーにおける分取試料−染料中の、分取試料−阻害剤−染料中の、及び分取試料−栄養−染料中の、反応した蛍光染料、及び蛍光染料の蛍光信号を測定し、それぞれ分取試料−ブランク測定で補正し、有用な比率を計算した。タイムフューチャーは、タイムゼロから6時間後であった。
Figure 0004936637
栄養を用いない場合の活性合計=活性な微生物+化学的干渉;
栄養を用いる場合の活性合計=活性な微生物+不活性な微生物+化学的干渉;
微生物の合計=栄養を用いる場合の活性合計−化学的干渉=0.261−0.230=0.031;
活性な微生物=栄養を用いない場合の活性合計−化学的干渉=0.286−0.230=0.056
不活性な微生物=微生物活性の合計−活性な微生物=0.031−0.056=−0.025;この数値は、不活性な微生物の不在を示している。
微生物活性の合計が0.031であることは、試料1ミリリットル当たり1000集落形成単位(標準平板培養で決定する)という低密度に対応しており、非常に低い微生物活性であることを示している。
それぞれ、0.031と0.056である合計の微生物数と活性な微生物数の差は、非常に小さいため無視できる。
試料は、最初に、栄養を用いる場合及び用いない場合における高い活性合計、及び高い化学的干渉を示した。栄養を用いる場合の活性合計から化学的干渉を差し引くと、低い合計の微生物活性を表し、それは平板培養での低い計数に対応している。
(実施例3)
不透明媒体の分析対象として選んだのは、製紙業で用いる未調理のでんぷんだった。
分取試料−ブランクのタイムゼロにおける蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号を1度だけ測定し、これらの測定値は、タイムゼロとタイムフューチャーの両方の分取試料−ブランクに使用した。
分取試料−阻害剤−染料のタイムゼロにおける蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号を測定した。分取試料−阻害剤−染料のタイムゼロにおける蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号の測定値から、分取試料−ブランクの蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号の測定値を、それぞれ差し引いた。分取試料−ブランク測定を補正した分取試料−阻害剤−染料の反応した蛍光染料の蛍光信号の測定値と、蛍光染料の蛍光信号の測定値との有用な比率を計算した。
分取試料−栄養−染料の時間ゼロにおける蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号を測定した。分取試料−栄養−染料のタイムゼロにおける蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号の測定値から、分取試料−ブランクの蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号の測定値を、それぞれ差し引いた。分取試料−ブランク測定を補正した、分取試料−栄養−染料の反応した蛍光染料の蛍光信号の測定値と、蛍光染料の蛍光信号の測定値との有用な比率を計算した。
同様に、分取試料−染料、分取試料−阻害剤−染料、及び分取試料−栄養−染料の、タイムフューチャーにおける反応した蛍光染料と蛍光染料の蛍光信号を測定し、それぞれ分取試料−ブランク測定を補正し、有用な比率を計算した。タイムフューチャーは、タイムゼロから6時間後であった。
Figure 0004936637
活性合計=微生物活性の合計+化学的干渉=0.614
微生物活性の合計=活性合計−化学的干渉=0.614−0.039=0.575;
菌の個数は、試料1ミリリットル当たり約56,000,000集落形成単位となるよう標準平板検数法により決定した。
試料は、最初に高い活性合計と低い化学的干渉を示した。
活性合計から化学的干渉を差し引くと、高い微生物活性を表し、それは平板培養での高い計数に対応している。
請求項に定義された本発明の概念や範囲より逸脱しない限り、クレームされた本発明に記載された方法における組成、工程及び準備は変更が可能である。
図1は、鉱物スラリー中のレザズリンとレゾルフィンについてタイムゼロとタイムフューチャーにおける蛍光信号(毎秒)のプロットを示している。図1に示すスペクトルは、SPEX(登録商標)蛍光光度計(入手元ジョバンイーボンスペックス(Jobin Yvon Spex)、住所 3880 Park Avenue, Edison NJ 08820)を用いて計測した。該SPEX(登録商標)蛍光光度計は、単光子係数法を用いているので、毎秒の値が記録される。図1において、タイムゼロのスペクトルは滑らかな線として現れており、該タイムゼロのスペクトルのy軸は、1秒当たり0から200,000カウントの単位を示す第2のy軸である。図1のタイムフューチャーのスペクトルは、点線で示されており、該タイムフューチャーのスペクトルのy軸は、1秒当たり0から2,000,000カウントの単位を示す第1のy軸である。 図2は、フロント−フェース蛍光光度計(クレームせず)を示している。

Claims (5)

  1. 不透明媒質中の微生物個体群のモニタリング方法であって:
    a)不透明媒質から物質の分取試料を得る工程と;
    b)前記分取試料に、3,6,8−トリスルホン酸ピレンの酢酸エステル;二酢酸カルボキシフルオレセイン、9H−(1,3−ジクロロ−9,0−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル)、D−グルクロニド;9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル);レゾルフィン β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−グルクロニド;レゾルフィン β−D−グルクロニド;二リン酸フルオレセイン;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド ナトリウム塩;メチレンブルー;リン酸ピラニン;3,6,8−トリスルホン酸ピレン 1−リン酸;及びそれらの塩からなる群より選択される、微生物有機体との反応により蛍光信号が変化する蛍光染料を加える工程(前記分取試料を、以下、分取試料−染料と呼ぶ)と;
    c)前記蛍光染料を、存在するいずれの微生物有機体とも反応させる工程と;
    d)前記分取試料−染料中の蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号を測定する手段を準備する工程と;
    e)所定ノイズレベルより下の蛍光信号測定値を切り捨てながら、前記測定手段を用いて、前記蛍光染料の蛍光信号及び前記反応した蛍光染料の蛍光信号を測定する工程と;
    f)前記反応した蛍光染料の蛍光信号と、前記蛍光染料の蛍光信号との比率を計算する工程と;
    g)前記比率を用いて、前記不透明媒質中の微生物汚染の程度をモニターする工程、を備えることを特徴とするモニタリング方法。
  2. 不透明媒質中の微生物個体群のモニタリング方法であって:
    A)不透明媒質から物質の分取試料を少なくとも2つ(物質の分取試料を任意には3つとすることができる)を分離する工程と;
    B)第1分取試料(前記第1分取試料を、以下、分取試料−ブランクと呼ぶ)には何も加えず、第2分取試料(前記第2分取試料を、以下、分取試料−染料と呼ぶ)には、3,6,8−トリスルホン酸ピレンの酢酸エステル;二酢酸カルボキシフルオレセイン、9H−(1,3−ジクロロ−9,0−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル)、D−グルクロニド;9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル);レゾルフィン β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−グルクロニド;レゾルフィン β−D−グルクロニド;二リン酸フルオレセイン;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド ナトリウム塩;メチレンブルー;リン酸ピラニン;3,6,8−トリスルホン酸ピレン 1−リン酸;及びそれらの塩からなる群より選択される、微生物有機体との反応により蛍光信号が変化する蛍光染料を加え、もし任意の第3分取試料が存在すれば、前記任意の第3分取試料(以下、任意の分取試料−阻害剤−染料と呼ぶ)には、ペンタクロロフェノールを含むハロゲン化フェノール、クレゾールアイソマー、及びペンタクロロフェノールのジプロピレングリコールメチルエーテル溶液からなる群より選択される、蛍光染料の微生物還元を抑える代謝阻害剤を加えた後、前記任意の第3分取試料にはさらに蛍光染料を加える工程と;
    C)前記蛍光染料を、存在するいずれの微生物有機体とも反応させる工程と;
    D)前記分取試料−ブランク中の、前記分取試料−染料中の、及び前記任意の分取試料−阻害剤−染料中の、前記蛍光染料の波長での、及び前記反応した蛍光染料の波長での前記蛍光信号を測定する手段を準備する工程と;
    E)所定ノイズレベルより下の蛍光信号測定値を切り捨てながら、前記蛍光信号の測定手段を用いて、前記分取試料−ブランク中の、前記分取試料−染料中の、及び前記任意の分取試料−阻害剤−染料中の、前記蛍光染料の波長での及び前記反応した蛍光染料の波長での前記蛍光信号を測定する工程と;
    F)有用な比率を計算する工程であって、前記有用な比率は、バックグラウンド蛍光を補正後の反応した蛍光染料の蛍光信号と、バックグラウンド蛍光を補正後の反応した蛍光染料の蛍光信号と、バックグラウンド蛍光を補正後の蛍光染料の蛍光信号との比率、及び、化学物質相互作用とバックグラウンド蛍光を補正後の反応した蛍光染料の蛍光信号と、化学物質相互作用とバックグラウンド蛍光を補正後の蛍光染料の蛍光信号の比率からなる群より選択した有用な比率を計算する工程と;
    G)前記有用な比率を用いて、前記不透明媒質中の微生物汚染の程度をモニターする工程、を備えることを特徴とするモニタリング方法。
  3. 不透明媒質中の微生物個体群のモニタリング方法であって:
    a)不透明媒質から物質の分取試料を得る工程と;
    b)前記分取試料に、3,6,8−トリスルホン酸ピレンの酢酸エステル;二酢酸カルボキシフルオレセイン、9H−(1,3−ジクロロ−9,0−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル)、D−グルクロニド;9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル);レゾルフィン β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−グルクロニド;レゾルフィン β−D−グルクロニド;二リン酸フルオレセイン;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド ナトリウム塩;メチレンブルー;リン酸ピラニン;3,6,8−トリスルホン酸ピレン 1−リン酸;及びそれらの塩からなる群より選択される、微生物有機体との反応により蛍光信号が変化する蛍光染料を加える工程(前記分取試料を、以下、分取試料−染料と呼ぶ)と;
    c)タイムゼロ(Time Zero)として知られる期間中、前記蛍光染料を存在するいずれの微生物有機体とも反応させる工程と;
    d)前記分取試料−染料中の蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号を測定する手段を準備する工程と;
    e)所定ノイズレベルより下の蛍光信号測定値を切り捨てながら、前記蛍光信号の測定手段を用いて、タイムゼロにおいて前記蛍光染料の蛍光信号及び前記反応した蛍光染料の蛍光信号を測定する工程と;
    f)前記反応した蛍光染料の蛍光信号と、前記蛍光染料の蛍光信号との比率(この比率を、以下、タイムゼロの比率と呼ぶ)を計算する工程と;
    g)所定の期間(以下、タイムフューチャー(Time Future)と呼ぶ)中、待機する工程と;
    h)分取試料−染料中における蛍光染料と反応した蛍光染料の蛍光信号をタイムフューチャーにおいて測定する工程と;
    i)タイムフューチャーにおける前記反応した蛍光染料の蛍光信号と、タイムフューチャーにおける前記蛍光染料の蛍光信号との比率(この比率を、以下、タイムフューチャーの比率と呼ぶ)を計算する工程と;
    j)タイムフューチャーの比率とタイムゼロの比率を比較する工程と;
    k)前記タイムフューチャーの比率と前記タイムゼロの比率の比較を用いて、前記不透明媒質中の微生物汚染の程度をモニターする工程、を備えることを特徴とするモニタリング方法。
  4. 不透明媒質中の微生物個体群のモニタリング方法であって:
    A)物質の分取試料を少なくとも2つ(物質の分取試料を任意に3つとすることができる)を不透明媒質から分離する工程と;
    B)第1分取試料(前記第1分取試料を、以下、分取試料−ブランクと呼ぶ)には何も加えず、第2分取試料(前記第2分取試料を、以下、分取試料−染料と呼ぶ)には、3,6,8−トリスルホン酸ピレンの酢酸エステル;二酢酸カルボキシフルオレセイン、9H−(1,3−ジクロロ−9,0−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル)、D−グルクロニド;9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル);レゾルフィン β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−グルクロニド;レゾルフィン β−D−グルクロニド;二リン酸フルオレセイン;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド ナトリウム塩;メチレンブルー;リン酸ピラニン;3,6,8−トリスルホン酸ピレン 1−リン酸;及びそれらの塩からなる群より選択される、微生物有機体との反応により蛍光信号が変化する蛍光染料を加え、もし第3分取試料が存在すれば、前記任意の第3分取試料に、ペンタクロロフェノールを含むハロゲン化フェノール、クレゾールアイソマー、及びペンタクロロフェノールのジプロピレングリコールメチルエーテル溶液からなる群より選択される、蛍光染料の微生物還元を抑える代謝阻害剤を添加した後、蛍光染料を引き続き添加する(前記第3分取試料は、以下、任意の分取試料−阻害剤−染料と称する)工程と;
    C)タイムゼロとして知られる期間中、前記蛍光染料を、存在するいずれの微生物有機体とも反応させる工程と;
    D)前記分取試料−ブランク中の、及び前記任意の分取試料−阻害剤−染料中の、前記蛍光染料の波長での及び前記反応した蛍光染料の波長での蛍光信号を測定する手段を準備する工程と;
    E)タイムゼロにおいて蛍光信号を発生する様に、所定ノイズレベルより下の蛍光信号測定値を切り捨てながら、前記分取試料−ブランク中の、前記分取試料−染料中の、及び前記任意の分取試料−阻害剤−染料中の、前記蛍光染料の波長での及び前記反応した蛍光染料の波長での蛍光信号を、前記蛍光信号の測定手段を用いて、測定する工程と;
    F)タイムゼロにおける有用な比率を計算する工程であって、前記有用な比率は、バックグラウンド蛍光を補正後の前記反応した蛍光染料の蛍光信号と、バックグラウンド蛍光を補正後の前記反応した蛍光染料の蛍光信号と、バックグラウンド蛍光を補正後の前記蛍光染料の蛍光信号とのタイムゼロにおける比率、及び、化学物質相互作用とバックグラウンド蛍光を補正後の反応した蛍光染料の蛍光信号と、化学物質相互作用とバックグラウンド蛍光を補正後の蛍光染料の蛍光信号とのタイムゼロにおける任意的な比率からなる群より選択した有用な比率を計算する工程と;
    G)所定の期間(以下、タイムフューチャー(Time Future)と呼ぶ)中、待機する工程と;
    H)前記測定手段を用いて、前記蛍光染料の波長での及び前記反応した蛍光染料の波長での、前記分取試料−ブランク、前記分取試料−染料、及び前記任意の分取試料−阻害剤−染料におけるタイムフューチャーの蛍光信号を測定する工程と;
    I)タイムフューチャーにおける有用な比率を計算する工程であって、前記有用な比率は、バックグラウンド蛍光を補正後の前記反応した蛍光染料の蛍光信号と、バックグラウンド蛍光を補正後の前記蛍光染料の蛍光信号とのタイムフューチャーにおける比率、及び、化学物質相互作用とバックグラウンド蛍光信号を補正後の反応した蛍光染料の蛍光信号と、化学物質相互作用とバックグラウンド蛍光信号を補正後の蛍光染料の蛍光信号とのタイムフューチャーにおける任意的な比率からなる群より選択したタイムフューチャーにおける有用な比率を計算する工程と;
    J)タイムゼロにおける比率と、有用なタイムフューチャーの比率とを比較する工程と;
    K)前記有用なタイムフューチャーの比率と、タイムゼロの比率の比較を用いて、前記不透明媒質中の微生物汚染の程度をモニターする工程、を備えることを特徴とするモニタリング方法。
  5. 任意的に測定方法による化学干渉を考慮しながら、また任意的にバックグラウンド蛍光を考慮しながら行う、不透明媒質中の活性及び不活性微生物個体群のモニタリング方法であって:
    A)不透明媒質から物質の分取試料を2つ(任意には物質の分取試料を3つ又は4つとすることもできる)得る工程と;
    B)第1分取試料(この第1分取試料を、以下、分取試料−染料と呼ぶ)には直接、3,6,8−トリスルホン酸ピレンの酢酸エステル;二酢酸カルボキシフルオレセイン、9H−(1,3−ジクロロ−9,0−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル)、D−グルクロニド;9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル);レゾルフィン β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−グルクロニド;レゾルフィン β−D−グルクロニド;二リン酸フルオレセイン;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド ナトリウム塩;メチレンブルー;リン酸ピラニン;3,6,8−トリスルホン酸ピレン 1−リン酸;及びそれらの塩からなる群より選択される、微生物有機体との反応により蛍光信号が変化する蛍光染料を加え、第2分取試料(この第2分取試料を、以下、分取試料−栄養−染料と呼ぶ)には栄養と蛍光染料を加え、もし任意の第3分取試料が存在するのであれば、第3分取試料(この第3分取試料を、以下、任意の分取試料−阻害剤−染料と呼ぶ)には、ペンタクロロフェノールを含むハロゲン化フェノール、クレゾールアイソマー、及びペンタクロロフェノールのジプロピレングリコールメチルエーテル溶液からなる群より選択される、蛍光染料の微生物還元を抑える代謝阻害剤と蛍光染料を加え、もし任意の第4分取試料が存在するのであれば、第4分取試料(この第4分取試料を、以下、任意の分取試料−ブランクと呼ぶ)には何も加えない工程と;
    C)タイムゼロとして知られる期間中、前記蛍光染料を、存在するいずれの微生物有機体とも反応させる工程と;
    D)前記分取試料−染料中の、前記分取試料−栄養−染料中の、及び前記任意の分取試料−阻害剤−染料中の、及び前記任意の分取試料−ブランク中の、前記蛍光染料の波長での及び前記反応した蛍光染料の波長での蛍光信号を測定する手段を準備する工程と;
    E)タイムゼロにおいて蛍光信号を発生する様に、前記蛍光信号の測定手段を用いて、前記分取試料−染料中の、前記分取試料−栄養−染料中の、前記任意の分取試料−阻害剤−染料中の、及び前記任意の分取試料−ブランク中の、前記蛍光染料の波長での及び前記反応した蛍光染料の波長でのタイムゼロにおける蛍光信号を測定する工程と;
    F)タイムゼロにおける有用な比率を計算する工程であって、前記有用な比率は、任意的に化学物質相互作用を考慮し、また任意的にバックグラウンド干渉を考慮した、全ての微生物学的な反応した蛍光染料の蛍光信号と、任意的に化学相互作用を考慮し、また任意的にバックグラウンド干渉を考慮した、全ての微生物学的な蛍光染料の蛍光信号との、タイムゼロにおける比率;反応した蛍光染料の活性微生物学的蛍光信号と蛍光染料の活性微生物学的蛍光信号とのタイムゼロにおける比率;及び、反応した蛍光染料の不活性微生物学的蛍光信号と蛍光染料の不活性微生物学的蛍光信号とのタイムゼロにおける比率、からなる群より選択できるタイムゼロにおける有用な比率を計算する工程と;
    G)所定の期間(以下、タイムフューチャーと呼ぶ)中待機し、前記分取試料−染料中の、前記任意の分取試料−阻害剤−染料中の、前記分取試料−栄養−染料中の、及び前記任意の分取試料−ブランク中の、前記蛍光染料の波長での及び前記反応した蛍光染料の波長でのタイムフューチャーにおける蛍光信号を測定する工程と;
    H)タイムフューチャーにおける有用な比率を計算する工程であって、前記有用な比率は、任意的に化学物質相互作用を考慮し、また任意的にバックグラウンド干渉を考慮して、全ての微生物学的な反応した蛍光染料の蛍光信号と、任意的に化学物質相互作用を考慮し、また任意的にバックグラウンド干渉を考慮して、全ての微生物学的な蛍光染料の蛍光信号とのタイムフューチャーにおける比率;反応した蛍光染料の活性微生物学的蛍光信号と、蛍光染料の活性微生物学的蛍光信号のタイムフューチャーにおける比率;及び、反応した蛍光染料の不活性微生物学的蛍光信号と、蛍光染料の不活性微生物学的蛍光信号のタイムフューチャーにおける比率からなる群より選択したタイムフューチャーにおける有用な比率を計算する工程と;
    I)前記タイムフューチャーにおける有用な比率と、前記タイムゼロにおける有用な比率を比較する工程と;
    J)前記タイムフューチャーにおける有用な比率と前記タイムゼロにおける有用な比率の比較を用いて、前記不透明媒質中の微生物汚染の程度をモニターする工程、を備えることを特徴とするモニタリング方法。
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