JP4703082B2 - 産業用水システムにおける付着性及び浮遊性微生物活性の測定及び制御 - Google Patents
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Description
発明の背景
産業用水システム(industrial water system)内での微生物の成長は、産業にとって恒久的な懸念事項である。微生物有機体の蓄積や、その結果生じる副産物は、しばしば水処理や水加工に支障をきたす。製紙産業においては、パルプ水内及び製紙工場用水内での微生物の成長は、完成紙料を損なうことにより、完成した紙製品に悪影響を及ぼす可能性があり、結果として穴やスポット等の品質損失や製品欠陥を生じる。冷却水システムでは、微生物の成長は、金属部分上にバクテリアコロニーの堆積を引き起こす可能性があり、それらの表面に腐食及び穴が生じる原因となる。さらに、システムは、熱交換器の効率性の低下及び該システムの機能性を妨げる付着物のために微生物が成長することにより、悪影響を受ける。
【0002】
微生物の成長を制御する従来の方法は、殺生物剤(biocides)の使用による。殺生物剤は、微生物の細胞壁又は細胞構成物質を破壊することにより微生物の成長を抑制する化学物質である。温度、放射線、又は、システム内に含まれる化学処理剤との同化作用等の物理的条件は、殺生物剤の効率に悪影響を与える可能性がある。低下した効果を補うために、殺生物剤を連続的に、又は必要に応じて思慮深く、添加可能である。殺生物剤は高価であり毒性があるため、思慮深く使用することが奨励されている。それゆえ、無駄を防ぐために、定常的な用水システムのモニタリングとテストが、微生物の成長を制御する殺生物剤の適量を決定するために要求されている。
【0003】
産業用水システムにおける微生物活性量を測定する公知技術には、つかみ取り(grab sampling)法や平板培養(plating)の技術が含まれる。つかみ取り法は、システムから用水の部分標本をとり、オフラインで前記部分標本をテストすることにより達成される。しばしば、後に続く該テストはオフラインのみならずオフサイトでも行われる。用水システムへの殺生物剤の添加は、サンプリングの結果に応じて調整される。
【0004】
一つのつかみ取り法には、サンプルを採る工程と、前記サンプルを希釈する工程と、前記サンプルを栄養寒天培地の表面に塗布する工程が含まれる。24〜48時間培養後、微生物が存在するかどうか前記サンプルを確認し、適当であれば、微生物を手動又はビデオ手段で計測する。この方法の変形法は、サンプルを採る工程と、それを所定時間培養する工程と、その後培地を比濁分析法(nephelometry or turbiditry)で観察する工程と、から成る。換言すれば、微生物の存在は、培地の不透明度により示される。
【0005】
つかみ取り法に関わる重要な問題は、サンプルを採ってから該サンプル内の微生物活性レベルを決定する分析を完了するまでのタイムラグである。このタイムラグは、分析のためにサンプルをオフサイトに輸送しなければならないときに悪化する可能性がある。即ち、結果を得ることが更に遅れる。
【0006】
つかみ取り法に加えて、ディップスライド(Dip slide)法やアデノシン三燐酸(ATP)テスト等の、他のオンサイトサンプリング技術が利用できる。ディップスライド法ではテスト結果を出すのに24〜48時間必要であることを考えれば、残念ながらそのようなテストは、現場での即時読み取りには役に立たない。ATPテストは、短時間(<2分)で結果を出すことが可能であるが、冷却が必要な試薬、及び、高価で且つ現場ではほとんど利用できないテスト機器を必要とする。そのため、どちらのテストも微生物汚染の現場での評価に最適ではない。
【0007】
つかみ取り法の他の問題は、つかみ取り法が浮遊性微生物活性の指標を与えるのに十分であるだけで、付着性微生物活性には十分ではないことから、産業用水システムの全微生物活性を、通常、過小評価することである。浮遊性微生物個体群は生きていて、用水システム内の用水に浮遊して存在する。以下、用語「付着性」とは、生きているが静止した微生物個体群のことをいう。浮遊性微生物は、取り出されて微生物濃度のテストを受ける用水サンプル内に浮遊しているので、つかみ取り法により、工業的に使用可能な浮遊性個体群の測定を行うことが可能である。これに対して、付着性個体群はシステム内の構造に永久的に付着しており、その存在を、用水サンプルをとって該サンプルを微生物テストすることにより測定することは容易ではない。
【0008】
それゆえ、産業用水システム内の浮遊性及び付着性の両方の微生物個体群をモニターすることが可能であり、且つ、前記産業用水システムに添加される殺生物剤量を制御するために、その測定法を利用することが可能な、リアルタイム方法が必要とされている。
【0009】
発明の要約
クレームされた本発明の第一態様は、産業用水システムにおける浮遊性及び付着性微生物個体群のモニタリング方法であって:
a)浮遊性及び付着性微生物との反応によりピーク波長が変化する蛍光染料を前記産業用水システムに直接添加し、前記蛍光染料を存在するいずれの浮遊性又は付着性微生物有機体にも反応させる工程と;
b)前記産業用水システムにおける前記蛍光染料の蛍光信号を測定する手段として、反応前の前記蛍光染料のピーク波長における蛍光信号を測定する第一蛍光信号測定手段と、反応後の前記蛍光染料のピーク波長における蛍光信号を測定する第二蛍光信号測定手段を備える手段を準備する工程と;
c)所定ノイズレベルより下の蛍光信号測定値を切り捨てながら、前記蛍光染料の前記蛍光信号を測定する前記手段を用いて、前記反応前の蛍光染料のピーク波長における蛍光信号及び前記反応後の蛍光染料のピーク波長における蛍光信号を測定する工程と;
d)前記反応前の蛍光染料のピーク波長における蛍光信号に対する前記反応後の蛍光染料のピーク波長における蛍光信号の比率を計算する工程と;
e)工程d)から計算された比率の変化を、前記産業用水システムにおける前記浮遊性及び付着性微生物個体群の状態を判定するためにモニターする工程、を
備えることを特徴とするモニタリング方法である。
【0010】
クレームされた本発明の第二態様は、産業用水システムにおける浮遊性及び付着性微生物個体群のモニタリング方法であって:
a)所定量の不活性蛍光トレーサー物質を所定量の浮遊性及び付着性微生物との反応によりピーク波長が変化する蛍光染料に予め混合して、不活性蛍光トレーサー物質−蛍光染料混合物を形成する工程と;
b)前記不活性蛍光トレーサー物質−蛍光染料混合物を前記産業用水システムに直接添加し、前記蛍光染料を存在するいずれの浮遊性又は付着性微生物有機体とも反応させる工程と;
c)前記産業用水システムにおける前記不活性蛍光トレーサー物質と前記蛍光染料の蛍光信号を測定する手段として、反応前の前記蛍光染料のピーク波長における蛍光信号を測定する第一蛍光信号測定手段と、反応後の前記蛍光染料のピーク波長における蛍光信号を測定する第二蛍光信号測定手段と、前記不活性蛍光トレーサー物質のピーク波長における蛍光信号を測定する第三蛍光信号測定手段とを備える手段を準備する工程と;
d)所定ノイズレベルより小さい蛍光信号測定値を切り捨てながら、前記蛍光染料の前記蛍光信号を測定する前記手段を使用して、反応前の前記蛍光染料のピーク波長における蛍光信号、前記反応後の蛍光染料のピーク波長における蛍光信号、及び前記不活性蛍光トレーサーのピーク波長における蛍光信号を測定する工程と;
e)反応前の前記蛍光染料のピーク波長における蛍光信号に対する前記反応後の蛍光染料のピーク波長における蛍光信号の比率を計算する工程と;
f)工程e)から計算された比率の変化を、前記産業用水システムにおける前記浮遊性及び付着性微生物個体群の状態を決定するためにモニターする工程と;
g)前記不活性蛍光トレーサー物質のピーク波長における蛍光信号を使用して、所望量の蛍光染料が前記産業用水システム内に存在するかどうかを判定する工程と;
h)前記不活性蛍光トレーサー物質のピーク波長における蛍光信号に基づいて、前記産業用水システムへ添加された蛍光トレーサー物質−蛍光染料混合物の量を調整する工程、
を備えることを特徴とするモニタリング方法である。
【0011】
好適な実施態様の詳細な説明
クレームされた本発明の第一態様は、産業用水システムにおける浮遊性及び付着性微生物個体群のモニタリング方法であって:
a)浮遊性及び付着性微生物との反応によりピーク波長が変化する蛍光染料を前記産業用水システムに直接添加し、前記蛍光染料を存在するいずれの浮遊性又は付着性微生物有機体にも反応させる工程と;
b)前記産業用水システムにおける前記蛍光染料の蛍光信号を測定する手段として、反応前の前記蛍光染料のピーク波長における蛍光信号を測定する第一蛍光信号測定手段と、反応後の前記蛍光染料のピーク波長における蛍光信号を測定する第二蛍光信号測定手段を備える手段を準備する工程と;
c)所定ノイズレベルより下の蛍光信号測定値を切り捨てながら、前記蛍光染料の前記蛍光信号を測定する前記手段を用いて、前記反応前の蛍光染料のピーク波長における蛍光信号及び前記反応後の蛍光染料のピーク波長における蛍光信号を測定する工程と;
d)前記反応前の蛍光染料のピーク波長における蛍光信号に対する前記反応後の蛍光染料のピーク波長における蛍光信号の比率を計算する工程と;
e)工程d)から計算された比率の変化を、前記産業用水システムにおける前記浮遊性及び付着性微生物個体群の状態を判定するためにモニターする工程、を
備えることを特徴とするモニタリング方法である。
【0012】
先ず、蛍光染料化合物が、テストをされ、モニターされるために産業用水システムに添加される。通常、産業用水システムには数種の微生物有機体が含まれる。そのような産業用水システムには、冷却塔及びボイラー、開放型及び閉鎖型再循環システム(これには開放型オープン貫流(open once-through)システム;廃水流;未処理下水;処理下水;汚染地下水;化学プロセス水;パルプ及び製紙工程流;水性化学プロセス流;発酵流が含まれる)、及び、その他非飲用水システムを含むが、特に制限されない。
【0013】
これらの各産業用水システムにおいて、様々な領域に微生物有機体のコロニーがあると予測される。これら各領域内の微生物活性レベルは、微生物有機体の初期個体群、曝気、温度、水流、微生物栄養分の存在や微生物廃棄物の除去を含む種々の要因の関数である。バイオフィルム(biofilm)の単一部分においてでさえ、付着性微生物活性は、すでに得られている要因に依存して、その切断面の横断と縦断で異なるであろう。測定された蛍光染料の応答は、該蛍光染料を含む水流に接している全システムの微生物有機体の応答の合計になるだろう。従って、微生物活性レベルが、熱交換管のある小部分では異常に高いが、その他の場所では小さい場合でさえ、蛍光染料の応答は低い可能性がある。クレームされた本発明のモニタリング方法は、システムの平均微生物有機体活性を測定する。
【0014】
産業用水システムに添加される蛍光染料化合物は、幅広い微生物有機体個体群との相互作用において、その蛍光信号が実質的に変化を受ける分子でなければならない。従って、クレームされた本方法の使用に適した蛍光染料は、それらが微生物と反応する以前に、検出可能な蛍光信号を出し、また、微生物と反応した後には、異なる蛍光信号を出さなければならない。
【0015】
適切な蛍光染料には、3,6,8−トリスルホン酸ピレンの酢酸エステル;二酢酸カルボキシフルオレセイン、3−カルボキシウンベリフェリル β−D−ガラクトピラノシド;3−カルボキシウンベリフェリル β−D−グルクロニド;9H−(1,3−ジクロロ−9,0−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル)、D−グルクロニド;9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル);レゾルフィン β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−ガラクトピラノシド;フルオレセイン ジ−β−D−グルクロニド;レゾルフィン β−D−グルクロニド;二リン酸フルオレセイン;7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド(以後、「レザズリン(resazurin)」という);7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド ナトリウム塩(以後、「レザズリンナトリウム塩」という);メチレンブルー;リン酸4−メチルウンベリフェリル(以後、4MUP);4−メチルウンベリフェリル β−D−グルクロニド;リン酸ピラニン;及び、3,6,8−トリスルホン酸ピレン 1−リン酸、が含まれるが、それらに制限されない。
【0016】
好ましい蛍光染料は、レザズリン、リン酸4−メチルウンベリフェリル(4MUP)、及び、リン酸ピラニンである。最も好ましい蛍光染料はレザズリンである。
【0017】
これらの蛍光染料の全ては市販されている(例えば、レザズリンはレザズリンナトリウム塩としてアルドリッチ(登録商標)(P.O. Box 355, Milwaukee, WI 53201, USA,電話番号(414)273−3850又は(900)962−9591)から入手可能)か、或いは、これらの蛍光染料は、リン酸ピラニンの場合のように、文献で報告されている手順で合成可能である。
【0018】
蛍光染料は、微生物活性を決定し得る有効量で産業用水システムに添加される。蛍光染料の有効量は約0.005ppmから約1.0ppm、好ましくは約0.02ppmから約0.5ppm、最も好ましくは約0.04ppmから約0.1ppm、また、極めて最も好適な蛍光染料の添加量は0.05ppmである。レザズリンナトリウム塩等の蛍光染料の塩形成物が産業用水システムに添加されるとき、ppmの計算は存在する蛍光染料の活性量に基づいて行われる。
【0019】
もちろん、蛍光染料の使用量はこれらの好適な量よりも多くてもよい。実際、蛍光染料の添加量は、該用水システム内の液体容積の約10%まで差し支えない。1.0ppm以上の量は、システムに対して比例した利益を与えることはなく、蛍光染料を無駄にするであろうと考えられているが、それにより拘束されるものではない。蛍光染料の価格もまた、該システムへの染料添加量の実用上の上限を定めている。該システムへの染料添加に影響を与える別の要因には、染料の種類、該用水システム内で連続的に失われ及び補充される液体量、並びに該用水システム内に含まれる流体の種類が含まれる。
【0020】
蛍光染料は、単独、又は不活性蛍光トレーサー物質との併用、又は、水あか及び腐食防止剤(これらに制限されないが)等の冷却水システムへ通常供給される水処理剤との併用で供給される。
【0021】
本明細書で使用される用語「不活性」は、不活性蛍光トレーサーは、感知される程又は有意に、該システム内のいずれの他の化学作用にも影響を受けない、又は、金属学的組成、微生物活性、殺生物剤濃度、熱交換もしくは全熱含有量等の他のシステムパラメータに影響を受けない、という意味である。「感知される程又は有意に影響を受けない」の意味を定量化すると、この記述は、産業用水システムで通常接触する条件下では、不活性蛍光化合物は蛍光信号の変化が10%以下である、という意味である。産業用水システムで通常接触する条件は、産業用水システム技術分野の当業者に公知である。
【0022】
クレームされた本発明で使用される蛍光染料との使用に適した不活性蛍光トレーサー物質は、蛍光染料の蛍光信号とは別に検出することが可能な、独特の蛍光信号を出す性質を持っていなければならない。このことは、蛍光染料の蛍光信号及び反応後の蛍光染料の蛍光信号が、両方とも不活性蛍光トレーサー物質の蛍光信号とは別に検出可能でなければならないという意味である。
【0023】
適切な不活性蛍光トレーサー物質は、公知である水溶性塩を含むモノ−、ジ−及びトリ−スルホン化ナフタレン;1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸等の公知のピレンのスルホン化誘導体、及び、これらの物質全ての公知の水溶性塩、及び、アシッドイエロー7(1H−ベンズ(デ)イソキノリン−5−スルホン酸、6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2−p−トリル−,モノナトリウム塩(8CI)に対する化学情報検索サービス機関(Chemical Abstract Service)登録番号は2391−30−2)である。
【0024】
当業者は、水あか防止剤及び腐食防止剤の通常の添加率を心得ている。
【0025】
該産業用水システム内の微生物有機体により合成される酵素は、蛍光染料に影響を与えると考えられるが、それにより拘束されるものではない。この活性により前記染料の蛍光信号が変化し、前記蛍光信号をモニターすることにより前記用水内の微生物活性をモニター可能である。クレームされた本発明の方法は、当該技術分野で公知の方法とは対照的に、浮遊性及び付着性個体群の両方からの微生物活性をモニター可能である。
【0026】
前記産業用水システムにおける蛍光染料、反応後の蛍光染料、及び不活性蛍光トレーサー物質の蛍光信号を測定する手段には、市販の蛍光光度計が含まれる。十分な数のサンプル手段及び蛍光光度計が、蛍光染料が微生物と反応する前の該蛍光染料の蛍光信号と、蛍光染料が存在する微生物と反応した後の該蛍光染料の蛍光信号と、(不活性蛍光トレーサー物質が存在する場合には)不活性蛍光トレーサー物質の蛍光信号と、をモニターするために使用される必要がある。
【0027】
蛍光染料及び反応後の蛍光染料の両蛍光信号の測定は、蛍光光度法における技術分野の当業者に公知の手順である。例えば、蛍光染料レザズリンの蛍光特性は、その未反応状態と反応した「レゾルフィン(resorufin)」の状態の両方でよく知られている。蛍光光度計のサンプリング手段は、つかみ取り法のサンプルを採る必要がないように産業用水システム内に設置することが非常に好ましい。該蛍光光度計のサンプリング手段が該産業用水システム内に位置するとき、サンプリングの種類は、通常、インライン測定と称される。
【0028】
インライン測定は、測定されるシステムの流れを妨げずに行われるものである。インライン測定を行う際に、1つ又は複数の蛍光光度計のサンプル手段がインラインに配置されるので、モニターしているサンプルは全産業用水システムを正確に反映し、同様に、この方法の実施により収集される情報は、浮遊性及び付着性微生物有機体個体群を正確に反映する。インライン測定により、つかみ取り法に伴う問題、及び、後のテストのために水流からサンプルを取る必要性が克服される。また、染料の反応体及び未反応体はリアルタイムでテストされ、そこで、ほとんど即時的に二つの染料個体群の比率を読取ることにより微生物活性の指標となるだろう。それゆえ、該比率の測定された変化率は、該システム内の微生物活性に比例する。
【0029】
インライン測定がクレームされた本発明の方法を実施する非常に好適な方法であるにもかかわらず、クレームされた本発明の方法を、産業用水システムのサンプルを確保するのに適した、つかみ取り法の技術を用いて実施することが可能である。つかみ取り法の技術を使用する場合、蛍光光度計から受信したデータが産業用水システムの現状を正確に反映するように、妥当な時間内に、つかみ取り法によるサンプルを蛍光光度計へ搬送する手段を設けるべきである。
【0030】
反応後の蛍光染料の蛍光信号に対する蛍光染料の蛍光信号の比率は:
比率=(反応後の蛍光染料の蛍光信号)/(蛍光染料の蛍光信号)
である。
【0031】
該比率は無単位数である。該比率は手動又は計算機又はコンピュータプログラムで計算可能である。使用し易さのために、該比率は、設定された間隔で比率の記録が連続的に計算可能であるように適当なコンピュータプログラムを用いて計算されることが好ましい。比率の変化率は、該システムの微生物活性レベルを判定するために、その後使用可能である。
【0032】
コンピュータプログラムは、自動的に比率を計算するように書き込み可能である。コンピュータプログラム書き込み技術分野の当業者は、該比率を自動的に計算するコンピュータプログラムの書き方を知っているであろう。
【0033】
該比率がどのように計算されるかに関わらず、操作システムは、該比率を処理するようにプログラム可能な、市販の構成部品から作成可能である。この操作システムは、殺生物剤を物理的に産業用水システムへ添加する制御操作を、該比率を用いて行うことが可能である。操作システム内のコンピュータ手段は、プログラマブル論理制御装置(PLC)、パーソナルコンピュータ又はその他のコンピュータ装置等の、いずれのデジタル式コンピュータであってもよいが、これらに制限されない。殺生物剤供給器は、液化した殺生物剤を入れておく簡単な容器とポンプであってよい。該ポンプは殺生物剤の測定量を該用水システムへ供給可能であり、手動で、又は、そのような測定量を供給するようにコンピュータ装置から出された信号によって作動可能であることが好ましい。
【0034】
該比率の変化率に関しては、殺生物剤の非存在下で比率が増加すると、微生物活性レベルが上昇していることが知られている。殺生物剤の非存在下で該比率が減少すると、それは追加の染料が産業用水システムへ添加されていることを意味する。
【0035】
クレームされた本発明の方法が、殺生物剤の存在下で実施される場合には、ある一定の調整を行なう必要がある。当業者は、どの殺生物剤が産業用水システムで使用されるか心得ている。容認できないレベルの微生物活性に応じて添加される殺生物剤には、酸化及び非酸化殺生物剤が含まれる。
【0036】
酸化殺生物剤には:
1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン及び1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(CAS登録番号#16079−88−2)か、又はそれらの混合物であるBCDMH(92.5%、93.5%、98%)と;安定化漂白剤を含む漂白剤と;安定化臭素を含む臭素と;次亜塩素酸カルシウム(CAS登録番号#7778−54−3)「カルハイポ」(68%)と;安定化塩素(8.34%)を含む塩素と;過酸化水素(CAS登録番号#7722−84−1)/過酢酸(CAS登録番号#79−21−0)であるH2O2/PAA(21.7%/5.1%)と;次亜臭素酸塩と;次亜臭素酸と;ヨウ素と;有機臭素と;臭化ナトリウムであるNaBr(42.8%、43%、46%)と;次亜塩素酸ナトリウム(CAS登録番号#7681−52−9)であるNaOCl(10%、12.5%)と;それらの混合物と、が含まれるが、これに制限されない。
【0037】
非酸化殺生物剤には、ADBAC Quat(10%、40%(CAS登録番号#68391−0−5)、80%)−−「4級塩(quat)」としても公知の塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウムと;ADBAC quat(15%)/TBTO(酸化トリブチルスズ 5%)と;ADBAC(12.5%)/TBTO(2.5%)(ADBAC Quat/酸化ビス(トリブチルスズ)(CAS登録番号#56−35−9)と;化学式T2NCO2Hで表されるカルバミン酸塩(30%)(但し、T2はC1−C10アルキル基)と;硫酸銅(80%)と;2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(CAS登録番号#10222−01−2)であるDBNPA(20%、40%)と;塩化ジデシルジメチル4級アンモニウム塩であるDDAC Quat(50%)と;(2−(2−p−(ジイソブチル)フェノキシ)エトキシ)エチルジメチル、ジメチルベンジルであるDPEEDBAC Quat(1%)と;グルタルアルデヒド(15%、45%)(CAS登録番号#111−30−8)と;グルタルアルデヒド(14%)/ADBAC quat(2.5%)と;HHTHT−−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−5−トリアジン(78.5%)と;イソチアゾロンズ(1.5%、5.6%)−−5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CAS登録番号#26172−55−4)及び2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CAS登録番号#2682−20−4)の混合物と;MBT(10%)−−メチレンビスチオシアネートと;高分子4級化合物であるポリクオタ(polyquat)(20%、60%)と;ポリアミンとその塩−−高分子アミン化合物と;ターブチルアジン(terbutylazine)(4%、44.7%)−−2−(tert−ブチルアミノ)−4−クロロ−6−エチルアミノ−5−トリアジン(CAS登録番号#5915−41−3)と;TMTT(24%)−−二硫化テトラメチルチウラムと;それらの混合物と、が含まれるが、これらに制限されない。
【0038】
上記殺生物剤のいずれの組み合わせが使用されてもよい。さらに、付加的な殺生物剤も使用されてよい。このような付加的な殺生物剤は、殺生物剤技術分野の当業者に公知のものを含むであろう。殺生物剤の選択に関する唯一の制限は、殺生物剤が微生物と反応する(微生物を破壊する)よりも早く蛍光染料と反応する場合に、それは受け入れられないであろうということである。
【0039】
クレームされた本発明での使用に適切な蛍光染料は全て、酸化殺生物剤の存在下では、種々の程度に劣化を受け易いことが見出されている。クレームされた本発明の方法が、これら酸化殺生物剤が存在する産業用水システムで使用される場合には、酸化殺生物剤を添加する位置よりもできるだけ遠い位置で蛍光染料を該産業用水システムに添加することが重要である。蛍光染料及び酸化殺生物剤が、各々できるだけ離れた位置で、産業用水システムに添加される場合でさえ、該酸化殺生物剤が蛍光染料及び反応後の蛍光染料の蛍光信号を消光するものであることが知られている。消光された蛍光信号は、産業用水システムにおける微生物活性の現状を正確に反映することはできない。従って、酸化殺生物剤の存在下においては、クレームされた本発明の方法では、蛍光信号がある一定の最小限の「ノイズ」レベルより上に計量されない限り、蛍光信号を考慮するのではなく、この「消光」現象を考慮しなければならない。この最小限の「ノイズ」レベルは、蛍光光度法技術分野の当業者によって、クレームされた本発明の方法が実施される各々の水性システムに対して、合理的確実性をもって決定可能である。
【0040】
過剰な酸化殺生物剤をほとんど又は全く残さずに、存在する微生物有機体を殺傷するのに十分な量で使用される酸化殺生物剤は、測定される蛍光信号の実効性には有意な影響を与えないであろう。もちろん、一旦追加の蛍光染料が供給され、その蛍光染料の蛍光信号が測定されると、該方法は再びその実効性を回復する。
【0041】
通常の非酸化殺生物剤は、蛍光染料及び反応後の蛍光染料の蛍光信号を消光しない。従って、非酸化殺生物剤のみが産業用水システムに存在する場合、蛍光信号は該産業用水システムにおける微生物活性の現状を常に正確に反映するであろうと考えられている。それにもかかわらず、非酸化殺生物剤のみを含む産業用水システムにおいてクレームされた本発明の方法を行う際、該方法は、蛍光信号がある一定の最小限の「ノイズ」レベルより上に計量されない限り、やはり、いずれの蛍光信号も考慮せずに行われなければならない。この場合も、この最小限の「ノイズ」レベルは、蛍光光度法技術分野の当業者によって、クレームされた本発明の方法が実施される各々の水性システムに対して、合理的確実性をもって決定可能である。
【0042】
好適な添加方法は、蛍光染料と水あか及び/又は腐食防止剤とを予め混合し、その混合物を産業用水システムに添加する方法である。殺生物剤(酸化又は非酸化又はそれらの混合物のいずれも)は、それから別に供給される。
【0043】
蛍光信号の絶対値を簡単に測定することとは対照的に、比率を計算することによって、(1)染料濃度に依存しない、及び(2)微生物活性に対してより高感度である、情報が得られる。感度は、微生物有機体が蛍光試薬染料を反応後の蛍光試薬染料に変換し、それに伴って、未反応蛍光染料の蛍光信号の減少及び反応後の蛍光染料(生成物)の蛍光信号の増加の両方のせいで比率が増加することに依存する。
【0044】
産業用水システム内で通常発見される微生物有機体であって、本モニタリング方法の検出方法により、及び、それに応答して今までに検出可能であったものには、シュードモナス属、バチルス属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、エシュリキア属、ミズワタ菌属、ハリスコメノバクター属(Haliscomenobacter)が含まれるが、これらに制限されない。上述したように、この列挙は完全に網羅されておらず、前記装置を使用する該方法によって、その他のバクテリア及び/又は微生物が検出可能な場合がある。
【0045】
他の実施形態において、この発明の方法には、未反応及び反応後の蛍光染料の蛍光信号と同様に、不活性蛍光トレーサー物質から発せられる蛍光信号を測定する工程が含まれる。不活性蛍光トレーサー物質は、存在する蛍光染料の濃度を決定するために使用され、該濃度を知ることにより、所望レベルの蛍光染料が常に存在するように該システムを操作することが可能である。産業用水システム内の「水圧損失(hydraulic losses)」を説明するための、不活性トレーサーの使用についての詳細な議論に関しては、米国特許番号4,783,314、4,992,380、5,041,386(これらは参照されることによって本明細書に組み込まれる。)を参照されたい。
【0046】
不活性蛍光トレーサー物質を使用する他の方法では、不活性蛍光トレーサー物質及び染料の濃度が、用水システムに供給されている溶液内において互いの割合が保持されることが必要である。その割合は、不活性蛍光トレーサー物質及び蛍光染料の両方から検出される蛍光信号の比率の変化を決定するのに使用される基準が存在するように、保持されなければならない。
【0047】
該比率をリアルタイムで決定すると、現時点での殺生物剤適用量及び必要であれば増加の有効性に加えて、微生物活性も即時に評価可能となる。微生物活性のリアルタイム決定により、該方法は、必要に応じて殺生物剤の添加が可能となる。そのような適用量に対してリアルタイムで接する場合には、微生物活性を制御するために必要な量よりも過剰な殺生物剤の添加は避けられる。しかも、殺生物剤の使用は、所定の効果的なレベルで管理可能であり、これにより使用されている殺生物剤量が正確になる。加えて、殺生物剤供給の効果はリアルタイムの基準で評価可能であり、その適用量は、該リアルタイムでの読取に応じて増加又は減少可能である。
【0048】
以下の実施例は本発明を例証するために、また、本発明の作成法と使用法を当業者に知らせるために提示されるものである。これらの実施例は、どのような場合においても本発明又はその保護を限定することを意図していない。
【0049】
実施例
(実施例1)
一つの蛍光染料及び該蛍光染料が微生物有機体と反応する際のその蛍光信号特性の試験
(実施例1a− レザズリンの蛍光信号特性の検討)
レザズリンナトリウム塩は、アルドリッチ(登録商標)から入手可能である。水性システムにおいて、該塩は溶解すると、多くの微生物有機体の細胞膜に存在する呼吸酵素、デヒドロゲナーゼと反応可能である公知の蛍光染料としてのレザズリンが残る。このデヒドロゲナーゼとの反応のため、レザズリンは、レゾルフィンとしても公知の、7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オンに還元される。レザズリン及びレゾルフィンは異なった蛍光信号を有する。レザズリン及びレゾルフィンの化学構造式を図1に示す。
【0050】
レザズリンは、634nmに最大値を示す公知の蛍光発光信号を有し、一方、レゾルフィンは、583nmに最大値を示す蛍光発光信号を有する。レザズリンを0.2ppm含有する冷却水サンプルの蛍光発光スペクトルを図1に示す。このスペクトルは、ジョバン イボン スペックス(Jobin Yvon Spex, 3880 Park Avenue, Edison NJ 08820)から入手可能なSPEX蛍光光度計を使用して得られた。蛍光光度計を以下のように設定した:バンド幅を、励起及び発光の両方について2.5nmに設定し、励起波長を550nmに設定し、発光は、570から650nmの間を、ステップ間隔1nmで、各ステップにおける積分時間を0.2秒にしてスキャンした。
【0051】
図1において、時間0のスペクトルは三角形を伴った線で示されている。24時間経過後のスペクトルは、図1において滑らかな線として示されている。時間0のスペクトルは583nmと634nmの両方にピークを有しており、これは少量のレゾルフィンがレザズリンのサンプル内に存在することを示している。使用したレザズリンのサンプルに、少量のレゾルフィンが存在したことは、このスペクトルが時間0におけるサンプルの組成を正確に反映していたことを意味する。24時間後のスペクトルもまた、583nmと634nmにピークを有するが、これらのピークの相対強度は、かなり異なっている。
【0052】
図1の二つのスペクトルは、各々634nmの強度に正規化されている。正規化とは、各波長での蛍光カウント(即ち、蛍光強度)をある特定波長のカウントで割った、という意味である。そのため、スペクトル強度は、ある特定波長の強度に関連する。スペクトルは634nmで正規化されたが、それは、このスペクトルがその形状の違いを説明するために選択され、また、選択されたサンプルの大部分は、634nmに蛍光発光ピークを有するレザズリンであったからである。これらのスペクトルを583nmで正規化することも、この発明の目的にとって可能であったであろう。
【0053】
24時間を経過したスペクトルの変化は、レザズリンと、冷却塔用水に存在する微生物との相互作用に起因するものであった。レザズリンへの微生物作用により、該レザズリンはレゾルフィンへ変換された。レザズリンは微生物有機体に存在する、細胞膜−結合デヒドロゲナーゼにより還元される。デヒドロゲナーゼは、微生物有機体全てに存在する電子伝達酵素の一分類(class)である。レザズリンは、還元剤の非存在下では、微生物有機体との相互作用なくして、それ自体ではリアルタイムでレゾルフィンへ変換しない。
【0054】
微生物有機体との相互作用が進行することによって、634nmのピークと比較して583nmのピークの強度が増加する。634nmのピーク(蛍光染料ピーク)に対する583nmのピーク(反応後の蛍光染料ピーク)の強度比率を計算することにより、システム内の微生物活性度を判定することができる。
【0055】
(実施例1b− 比率限界の議論)
反応後の蛍光染料の蛍光信号に対する反応後の蛍光染料の蛍光信号の計算比率は限界値を有する。冷却塔から通常得られる用水(pH約9.0)において、583nm及び634nmの二つのピークは、レザズリンに対して同じような強度である。微生物有機体との相互作用後、該比率は徐々に増加する。この増加は、微生物活性に比例して、値が飽和するまで継続する。該比率が飽和する値は、蛍光光度計の感度及び校正に依存する。これは、全ての検出器が583nmと684nmにおいて等しい感度であるとは限らないからである。良い校正システム(Spex蛍光光度計)では計算比率は5で飽和する。飽和するとは、それが該比率の測定可能最大値であることを意味する。微生物活性は、その後長く衰えず続くかもしれないが、その値は変化しないであろう。レゾルフィン(純粋物)のスペクトルは、そのスペクトルにおいて583nmの強度と634nmの強度の間で、5の比率を有する。それ故、レザズリン濃度が非常に小さい場合、レゾルフィンのスペクトルが優位になる。これは、レゾルフィン一分子が、レザズリン一分子と比較して、より大きな蛍光量子収量を有するからである。
【0056】
飽和の理由は、以下の通りである:即ち、レゾルフィンは583nmに発光最大値を有するが、634nmでも多少発光する。634nmでの発光強度は583nmでの強度の1/5である。レゾルフィンはまた、レザズリンよりも、より蛍光を発する種である(即ち、等モル量のレザズリン及びレゾルフィンをある特定波長で励起する場合、この場合550nmであるが、レゾルフィンの蛍光強度は、レザズリンのそれよりもはるかに大きい)。その結果、レザズリンのほとんどが、微生物有機体によりレゾルフィンに変換されるとき、蛍光強度比率はレゾルフィンピーク単独の値に飽和する。
【0057】
(実施例2)
この実施例は、比率の変化がシステムにおけるバイオフィルム(付着性)成長に比例することを示している。
【0058】
使用した蛍光染料はレザズリンであった。リザーバーに入れられた用水を、コール−パーマ(Cole-Parmer)(625 E.Bunker Court, Vernon Hills, IL 60061,電話(800)323−4340)の可変流量歯車ポンプモデル74011−10を使用することにより、10フィートの管(以後「バイオフィルム反応器」という)を通して連続的に再循環した。この管の前後の圧力差は圧力変換器−7354シリーズ(0−15PSI)(これもコール−パーマより入手可能)を使用して測定した。
【0059】
希釈した量(1グラム/L未満)のトリプシン大豆培養液(ディフコ(Difco)から入手可能、1 Becton Drive, Franklin Lakes, New Jersey, 07417-1833)を含有する用水を該リザーバーに連続的に添加し、その間、余分な用水を排水した。システムの保持時間は約30分であった。付着物を決めるための標準方法である、プラスチック管の両端間の圧力差をモニターする方法により、バイオフィルム成長を継続的にモニターしながら、バイオフィルム反応器に微生物有機体を植え付けた。それから、レザズリンをシステムへ周期的に添加し、該染料を添加後に、レゾルフィンピークとレザズリンピークの比率を、SPEX蛍光光度計(バンド幅は励起及び発光共に2.5nmに設定され、励起波長は550nmに設定され、発光は、570から650nmの間を、1nmのステップ間隔で、各ステップにおける積分時間を0.2秒にしてスキャンした)を用いて一定間隔で測定した。
【0060】
実施例2の表(以下)に示されたデータは、経時的な比率変化及び圧力差の変化を例示している。時間0において、システムは微生物を接種させられており、システムにはバイオフィルムが無いと考えられる。栄養分と用水の絶え間ない供給で、微生物が経時的に増殖するにつれ、微生物は管壁に付着し、バイオフィルム塊を形成した。時間が経つにつれ、このバイオフィルム塊は厚さを増した。この厚さを増しているバイオマス(biomass)により、管内の水流に対する抵抗が高まり、測定された圧力差が増加した。この間、レザズリンの比率も一定の増加を記録した。圧力差変換器からの結果と、レザズリンの比率の間にある、この対応は、クレームされた本発明の方法を使用してバイオフィルム活性をモニター可能であることを示している。
【0061】
【表1】
【0062】
(実施例3)
浮遊性及び付着性微生物有機体個体群に対する蛍光染料の応答
付着性微生物有機体個体群は、希釈量(0.1グラム/L未満)のトリプシン大豆培養液を含む用水が連続的にリザーバーからポンプで汲み出されて通る比較的長いプラスチック管の中にバイオフィルムとして成長する。システムにおける用水の保持時間は約30分である。蛍光染料を供給して用水と混合した後、すばやくサンプルを用水/染料混合物から抜き取る。
【0063】
用水の初期サンプル(以後、第一サンプルという)を管から取り出し、レザズリンの初期蛍光信号及びレゾルフィンの蛍光信号の測定に用いた。蛍光信号の測定に使用される蛍光光度計は、SPEX蛍光光度計である。
【0064】
その後、第一サンプルを保持し、このサンプルのレザルリン及びレゾルフィンの蛍光信号を、定期的に再測定する。第一サンプルの蛍光変化は、システムにおける浮遊性微生物活性を示す。なぜなら、第一サンプルは管から取り出されたので、もはや付着性微生物有機体と接触していないからである。初期に抜き取られた第一サンプルにおける、レザルリンの蛍光信号に対するレゾルフィンの蛍光信号の比率の経時的な進展は、冷却塔用水に存在する浮遊性バクテリアの成長を示す。
【0065】
管から定期的に追加のサンプルを取り出し、これらの管サンプルの未反応染料及び反応した染料の蛍光信号を測定すると、これらの信号の比率を計算することかできる。これらの信号比率は、付着性及び浮遊性の両方を合わせた個体群を示す。
【0066】
システムの付着性微生物活性を決定するために、追加のサンプル(サンプル30、サンプル60)をバイオフィルム反応器から取り出し、これらのサンプル内の未反応染料及び反応した染料の蛍光信号を測定する。
【0067】
比率は、各サンプルの蛍光信号測定について決定されるが、ここで該比率は微生物活性を示す。
【0068】
各比率は(第一サンプルからの)浮遊性活性か、又は、バイオフィルム反応器から取り出された部分標本からの付着性及び浮遊性活性の合計かのいずれかに関連する。
【0069】
しかしながら、第一サンプルと比較して、バイオフィルム反応器から続いて取り出される部分標本において観測される蛍光比率の大きな変化は、バイオフィルム活性が浮遊性活性より優位であることを示している。従って、レザズリン染料はバイオフィルムに浸透及び応答可能であることが実証された。該応答の大きいということは、バイオフィルム内の活性微生物の個体群が非常に大きくなったことに起因しているのかもしれない。
【0070】
【表2】
【0071】
(実施例4)
この実施例では、(「バイオフィルム」としても公知の)付着性微生物有機体個体群の存在を評価するインラインリアルタイム方法の効果が示され、これに対応する殺生物剤を用いた処理がテストされた。
【0072】
実施例4の表は、蛍光染料としてのレザズリンを用いて比率を決定する方法を使用して、冷却塔への殺生物剤供給を制御する制御概要を例示している。蛍光染料は、用水内において未反応染料及びその反応染料生成物の全体濃度を一定に保持するために、検出限界レベルで連続的に添加される。生じた蛍光信号の比率を約3分毎にモニターし、計算した。比率の増加が予め設定した比率の閾値を越えたとき、殺生物剤ポンプを作動させることにより、殺生物剤をシステムへ放出した。殺生物剤ポンプは、計算される蛍光信号の比率が増加しなくなるまで、作動したままにした。比率の増加は微生物活性に起因し、その減少は殺生物剤供給に応答する。
【0073】
【表3】
【0074】
このテストの間、部分標本を一定間隔で取り出し、浮遊性微生物汚染の実際量を決定するためにプレートを調製した。標準「プレート」テストを使用して測定した平均値は、3.2×103コロニー形成単位(「cfu」/mlと省略される)であった。この値は、このテストを通して、実質的に微生物を全体的に制御したことを示すのに十分低い値である。
【0075】
(実施例5 −コンピュータ制御)
この実施例を通して、使用される蛍光染料はレザズリンである。
【0076】
これらのルールは、コンピュータ制御の構築に適用される。
【0077】
この実施例において、選択された産業用水システムは冷却塔であった。
【0078】
コンピュータ制御を設定する際に使用されたパラメータは、以下の通りである:
・微生物活性は、レザズリンとの反応による比率を増加させる。
・非酸化殺生物剤は微生物有機体を殺すが、染料とは相互作用せず、比率を安定化させる。
・過剰な酸化殺生物剤はレゾルフィンと反応し、比率値を減少させる。
・塔のブローダウンにより、新鮮な染料がシステムに供給され、それが、レザズリン濃度の増加による比率の減少を引き起こす。
【0079】
微生物有機体とレザズリンの反応生成物は、レゾルフィンである。測定比率は、レザズリンの蛍光信号に対するレゾルフィンの蛍光信号の比率である。後述する制御アルゴリズムは、測定された比率に基づいて、比率測定の過去の傾向を考慮してユーザーが規定した比率制御限界に比例して、ポンプ負荷周期(pump duty cycle)を制御する。
【0080】
583nm(レゾルフィン)の蛍光信号及び634nm(レザズリン)の蛍光信号を、ユーザーが規定した有限測定間隔で定期的に測定する。これらの読取はヒストリカルデータ構造(FIFOリスト)に格納される。測定されたレゾルフィン及びレザズリンの蛍光信号強度が、両方ともユーザーが規定した連続測定の最小回数の間、ユーザーが規定した閾値以上である場合、これらの値の比率を使用して、それを二次多項式にフィットさせることにより、傾向を判定する。どちらの強度も、連続測定の最小数の間、閾値以上でない場合、次の測定まで何の制御作動も起こらない。(これにより、蛍光染料と存在する酸化殺生物剤との間の相互作用に起因した無視されるべき蛍光信号が処理される。)フィットの質は、標準的なカイ二乗基準により決定される。フィットがカイ二乗テストに失敗した場合、次の測定まで何の制御作動も起こらない。現時点で評価される二次フィットの傾きがユーザーの規定した最小値よりも小さい場合、次の測定まで何の制御作動も起こらない。
【0081】
二次フィットの傾きがユーザーの規定した最大値に一致するか又はそれを超える場合には、測定間隔の一部に対して殺生物剤ポンプ負荷周期を設定することにより、ユーザーの規定した比率の上限値と下限値に関連する測定比率の相対的位置に見合う制御を確立する。測定比率が比率の下限値よりも小さい場合、殺生物剤ポンプは作動しないままである。測定比率が比率の上限値よりも大きい場合、殺生物剤ポンプ負荷周期は、その最大値に設定される。どのような場合も、殺生物剤ポンプ負荷周期は測定間隔を越えることはない。
【0082】
例示的な手法で本方法を記述してきたが、上記の教示に照らして、多くの修正及び変形が可能である。従って本発明は、添付された特許請求の範囲内で、明示された以外でも別な方法で実施可能であることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1は、冷却塔内の用水サンプルについて波長(nm、ナノメートルを表す)に対する相対強度のプロットを示している。相対強度は、各測定蛍光信号を、特定波長で測定された蛍光信号で割ることにより計算される無単位数である。図1において、選択された特定波長は634ナノメートル(以後、nmとする)であった。634nmはレザズリンの蛍光発光最大値であるので選択された。レザズリンを時間0で該用水に添加し、存在する微生物有機体と24時間反応させた。蛍光光度計を使用し、レザズリンの蛍光信号と反応後のレザズリンの蛍光信号を測定した(反応後のレザズリンはレゾルフィンと称される化合物である)。レザズリン及びレゾルフィンの構造も、図1に含まれている。
Claims (2)
- 産業用水システムにおける浮遊性及び付着性微生物個体群のモニタリング方法であって:
a)浮遊性及び付着性微生物との反応によりピーク波長が変化する蛍光染料を前記産業用水システムに直接添加し、前記蛍光染料を存在するいずれの浮遊性又は付着性微生物有機体にも反応させる工程と;
b)前記産業用水システムにおける前記蛍光染料の蛍光信号を測定する手段として、反応前の前記蛍光染料のピーク波長における蛍光信号を測定する第一蛍光信号測定手段と、反応後の前記蛍光染料のピーク波長における蛍光信号を測定する第二蛍光信号測定手段を備える手段を準備する工程と;
c)所定ノイズレベルより下の蛍光信号測定値を切り捨てながら、前記蛍光染料の前記蛍光信号を測定する前記手段を用いて、前記反応前の蛍光染料のピーク波長における蛍光信号及び前記反応後の蛍光染料のピーク波長における蛍光信号を測定する工程と;
d)前記反応前の蛍光染料のピーク波長における蛍光信号に対する前記反応後の蛍光染料のピーク波長における蛍光信号の比率を計算する工程と;
e)工程d)から計算された比率の変化を、前記産業用水システムにおける前記浮遊性及び付着性微生物個体群の状態を判定するためにモニターする工程、を
備えることを特徴とするモニタリング方法。 - 産業用水システムにおける浮遊性及び付着性微生物個体群のモニタリング方法であって:
a)所定量の不活性蛍光トレーサー物質を所定量の浮遊性及び付着性微生物との反応によりピーク波長が変化する蛍光染料に予め混合して、不活性蛍光トレーサー物質−蛍光染料混合物を形成する工程と;
b)前記不活性蛍光トレーサー物質−蛍光染料混合物を前記産業用水システムに直接添加し、前記蛍光染料を存在するいずれの浮遊性又は付着性微生物有機体とも反応させる工程と;
c)前記産業用水システムにおける前記不活性蛍光トレーサー物質と前記蛍光染料の蛍光信号を測定する手段として、反応前の前記蛍光染料のピーク波長における蛍光信号を測定する第一蛍光信号測定手段と、反応後の前記蛍光染料のピーク波長における蛍光信号を測定する第二蛍光信号測定手段と、前記不活性蛍光トレーサー物質のピーク波長における蛍光信号を測定する第三蛍光信号測定手段とを備える手段を準備する工程と;
d)所定ノイズレベルより小さい蛍光信号測定値を切り捨てながら、前記蛍光染料の前記蛍光信号を測定する前記手段を使用して、反応前の前記蛍光染料のピーク波長における蛍光信号、前記反応後の蛍光染料のピーク波長における蛍光信号、及び前記不活性蛍光トレーサーのピーク波長における蛍光信号を測定する工程と;
e)反応前の前記蛍光染料のピーク波長における蛍光信号に対する前記反応後の蛍光染料のピーク波長における蛍光信号の比率を計算する工程と;
f)工程e)から計算された比率の変化を、前記産業用水システムにおける前記浮遊性及び付着性微生物個体群の状態を決定するためにモニターする工程と;
g)前記不活性蛍光トレーサー物質のピーク波長における蛍光信号を使用して、所望量の蛍光染料が前記産業用水システム内に存在するかどうかを判定する工程と;
h)前記不活性蛍光トレーサー物質のピーク波長における蛍光信号に基づいて、前記産業用水システムへ添加された蛍光トレーサー物質−蛍光染料混合物の量を調整する工程、
を備えることを特徴とするモニタリング方法。
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