JP3741546B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハや液晶表示器用のガラス基板、フォトマスク用のガラス基板、光ディスク用の基板などの基板を回転させながら、例えば、洗浄処理や乾燥処理などの所定の処理を行う基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の基板処理装置の1つである基板洗浄乾燥装置として、従来、例えば、特開平9−330904号公報に開示されたような装置が知られている。
【0003】
この公報に開示された装置は、図4に示すように、基板Wを保持して回転させるスピンチャック100や、スピンチャック100に設けられた保持部材101に保持された基板Wの上面に近接配置される上部遮断部材110、保持部材101に保持された基板Wの周囲に配置され、基板Wの外周部から周囲に飛散された洗浄液を受け止めて回収するカップ120などを備えている。
【0004】
スピンチャック100は、モーター102によって鉛直方向の軸芯周りに回転可能な回転軸103の上端部に、保持部材101に保持された基板Wの下面に近接配置される遮断部材としての円盤状のベース部材104が一体回転可能に連結され、ベース部材104の上面から隔てて基板Wの外周部を保持する3個以上の保持部材101がベース部材104の上面の周辺に沿って等間隔に立設されている。
【0005】
上部遮断部材110は、ベース部材104と略同じ大きさを有し、支持アーム111や支軸112、モーター113などからなど昇降回転機構114によってベース部材104に対して接離可能で、かつ、スピンチャック100と同軸の軸芯周りで回転可能に構成されている。
【0006】
カップ120の底部には、排気や排液のための排気・排液通路121の導入口122が設けられている。
【0007】
この装置による洗浄乾燥処理は以下のように行われる。
すなわち、保持部材101に保持された基板Wの上面に、上部遮断部材110を近接配置させ、ベース部材104と遮断部材110との2つの遮断部材の間に、保持部材101に保持された基板Wが挟まれた状態で、スピンチャック100(ベース部材104や保持された基板W)と上部遮断部材110を回転させながら、ベース部材104の中央部と遮断部材110の中央部とにそれぞれ設けられた洗浄液供給口105や115から基板Wの上面や下面に洗浄液を供給して洗浄処理を行う。そして、洗浄処理を所定時間行うと、洗浄液の供給を停止し、スピンチャック100と上部遮断部材110を回転させながら、基板Wに付着残留している洗浄液を振り切り乾燥させる。上記洗浄乾燥処理の際に、回転に伴って基板Wの外周部から周囲に飛散された洗浄液はカップ120の内壁で受け止められて排気・排液通路121の導入口122に導かれ、排気・排液通路121を介して装置外部に排出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来装置で洗浄乾燥処理を行うと、処理後の基板Wの周辺部が汚染されているという現象が起きることがある。
【0009】
本発明者の調査の結果、上記現象は以下のような原因で発生することを突き止めた。
【0010】
すなわち、従来装置では、ベース部材104と上部遮断部材110との間に、保持された基板Wが挟まれた状態で洗浄乾燥処理を行うので、ベース部材104と上部遮断部材110とによって基板Wの全面は、上下方向に対しては外部雰囲気と好適に遮断される。しかしながら、ベース部材104の外周部と上部遮断部材110の外周部との間は開口されているので、基板Wの側方のこの開口130から、カップ120の内壁で跳ね返ってきた洗浄液の液滴や、ベース部材104及び上部遮断部材110の外側に浮遊するミスト化した洗浄液及びその他のパーティクルなどが、ベース部材104と上部遮断部材110との間の、保持された基板Wが配置された空間131に入り込むものと考えられる。その洗浄液の液滴やミスト、その他のパーティクルなどは、基板Wの中央部にまでは到達しないが、開口130に近い基板Wの周辺部に付着する。その結果、処理後の基板Wの周辺部が汚染されているという現象が起きるものと考えられる。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、基板の全面を良好に処理することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
従来装置において、洗浄液の液滴やミスト、その他のパーティクルなどが、ベース部材104の外周部と上部遮断部材110の外周部との間の開口130からベース部材104と上部遮断部材110との間の、保持された基板Wが配置された空間131に入り込むのは、以下のような理由が考えられる。
【0013】
すなわち、従来装置では、排気・排液通路121の導入口122をカップ120の底部、すなわち、保持部材101に保持された基板Wの下方に配設している。そのため、保持部材101に保持された基板Wの外周部の側方の、開口130とカップ120の内壁との間の空間140には、上方から下方に向かって気流が形成される。一方で、洗浄乾燥処理は、ベース部材104、保持された基板W及び上部遮断部材110を回転させて行うので、ベース部材104の外周部や上部遮断部材110の外周部付近では、空間140での上方から下方に流れる気流が乱される。この気流の乱れによって、上部遮断部材110の上方から開口130に向かう気流や、ベース部材104の下方から、開口130付近に巻き上がる気流などが形成され、これら気流に乗って、洗浄液の液滴やミスト、その他のパーティクルなどが、開口130から空間131に入り込むものと考えられる。
【0014】
また、図5に示すように、従来装置において、処理後に汚染されている基板Wの周辺部の汚染範囲DAは、最大で基板Wの外周部から基板Wの径Rの20%程度内側までの範囲である。
【0015】
以上の点を考慮して、本発明者は以下の発明をなした。
すなわち、参照1の発明は、基板を回転させながら所定の処理を行う基板処理装置であって、基板を保持する基板保持手段と、基板を保持している前記基板保持手段を回転させる基板回転手段と、前記基板保持手段に保持された基板の一方側の面に近接配置され、かつ、基板の一方側の面に対向する対向部分の周囲にさらに所定の長さの延長部分が設けられた第1遮断部材と、前記基板保持手段に保持された基板の他方側の面に近接配置され、かつ、基板の他方側の面に対向する対向部分の周囲にさらに所定の長さの延長部分が設けられた第2遮断部材と、前記第1遮断部材を回転させる第1遮断部材回転手段と、前記第2遮断部材を回転させる第2遮断部材回転手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0016】
参照2の発明は、上記参照1の基板処理装置において、前記第1遮断部材及び前記第2遮断部材の各延長部分はそれぞれ、基板の径の20%ないし50%の長さを有することを特徴とするものである。
【0017】
参照3の発明は、上記参照1または2の基板処理装置において、排気又は/及び排液のための排気・排液通路の導入口を、前記基板保持手段に保持された基板の側方に所定距離隔てて配設し、前記第1遮断部材が基板の一方側の面に近接配置された状態で前記第1遮断部材の延長部分の外周部を前記排気・排液通路の導入口付近に配置させるとともに、前記第2遮断部材が基板の他方側の面に近接配置された状態で前記第2遮断部材の延長部分の外周部を前記排気・排液通路の導入口付近に配置させたことを特徴とするものである。
【0018】
請求項1に記載の発明は、基板を回転させながら所定の処理を行う基板処理装置であって、基板を保持する基板保持手段と、基板を保持している前記基板保持手段を回転させる基板回転手段と、前記基板保持手段に保持された基板の一方側の面に近接配置される第1遮断部材と、前記基板保持手段に保持された基板の他方側の面に近接配置される第2遮断部材と、内周部が前記基板保持手段に保持された基板の一方側の面に近接配置された前記第1遮断部材の外周部付近に配置される第1補助遮断部材と、内周部が前記基板保持手段に保持された基板の他方側の面に近接配置された前記第2遮断部材の外周部付近に配置される第2補助遮断部材と、前記第1遮断部材を回転させる第1遮断部材回転手段と、前記第2遮断部材を回転させる第2遮断部材回転手段と、前記第1補助遮断部材を回転させる第1補助遮断部材回転手段と、前記第2補助遮断部材を回転させる第2補助遮断部材回転手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0019】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の基板処理装置において、前記第1補助遮断部材及び前記第2補助遮断部材はそれぞれ、内周部と外周部との間が基板の径の20%ないし50%の長さを有することを特徴とするものである。
【0020】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の基板処理装置において、排気又は/及び排液のための排気・排液通路の導入口を、前記基板保持手段に保持された基板の側方に所定距離隔てて配設し、前記第1補助遮断部材の外周部を前記排気・排液通路の導入口付近に配置させるとともに、前記第2補助遮断部材の外周部を前記排気・排液通路の導入口付近に配置させたことを特徴とするものである。
【0021】
【作用】
参照1の発明の作用は次のとおりである。
すなわち、基板の面に対向する対向部分の周囲にさらに所定の長さを有する延長部分が設けられている第1遮断部材と第2遮断部材とを、基板保持手段に保持された基板の一方側の面と他方側の面とにそれぞれ近接配置させ、基板回転手段、第1遮断部材回転手段及び第2遮断部材回転手段によって基板を保持している基板保持手段(保持された基板)、第1遮断部材及び第2遮断部材を回転させながら所定の処理を行う。
【0022】
この処理中に、例えば、周囲から跳ね返ってきた洗浄液などの処理液の液滴や、第1遮断部材及び第2遮断部材の外側に浮遊するパーティクルなどが、第1遮断部材(の延長部分)の外周部と第2遮断部材(の延長部分)の外周部との間の開口から、第1遮断部材と第2遮断部材との間の、保持された基板が配置された空間に入り込んできても、第1遮断部材と第2遮断部材とを回転させて処理を行うので、処理液の液滴やパーティクルなどは、第1遮断部材と第2遮断部材との回転による遠心力で、基板の外周部に到達する前に、第1遮断部材(の延長部分)の外周部と第2遮断部材(の延長部分)の外周部との間の開口側に再び戻され、基板の中央部のみならず基板の周辺部の汚染も防止することができる。
【0023】
ここで、参照1の発明において、第1遮断部材の延長部分と第2遮断部材の延長部分は、第1遮断部材と第2遮断部材との間の、保持された基板が配置された空間に入り込んできた処理液の液滴やパーティクルなどを、第1遮断部材と第2遮断部材との回転による遠心力で、基板の外周部に到達する前に、第1遮断部材(の延長部分)の外周部と第2遮断部材(の延長部分)の外周部との間の開口側に再び戻すために設けたもので、第1遮断部材の延長部分と第2遮断部材の延長部分とはある程度の長さを有している。
【0024】
先にも述べたように、従来装置では、最大で、基板の外周部から基板の径の20%程度内側までの基板の周辺部が汚染される。従って、第1遮断部材及び第2遮断部材に各々基板の径の20%の延長部分を設けることで、従来装置で汚染されている基板の周辺部の汚染を確実に防止することが可能になる。一方で、第1遮断部材及び第2遮断部材に各々基板の径の50%を越える延長部分を設けると装置のフットプリントが大きくなり過ぎたり、第1遮断部材や第2遮断部材の回転に支障が出たり、それら部材の回転手段が高価になるなどの問題が生じてくる。
【0025】
従って、第1遮断部材及び第2遮断部材の大きさとしては、参照2の発明のように、第1遮断部材及び第2遮断部材の各延長部分をそれぞれ、基板の径の20%ないし50%の長さとすることで、基板の周辺部の汚染を確実に防止することができ、装置のフットプリントの大型化などを防止できるとともに、第1遮断部材及び第2遮断部材の回転も良好に行うことがきる。
【0026】
参照3の発明は、参照1、2の発明をさらに改良したもので、その作用は次のとおりである。
【0027】
すなわち、基板保持手段に保持された基板の側方に、排気又は/及び排液のための排気・排液通路の導入口を所定距離隔てて配設させている。
【0028】
そして、基板保持手段に保持された基板の一方側の面と他方側の面とにそれぞれ近接配置された第1遮断部材と第2遮断部材の各々の延長部分の外周部を、排気・排液通路の導入口付近に配置させ、基板回転手段、第1遮断部材回転手段及び第2遮断部材回転手段によって基板保持手段(保持された基板)、第1遮断部材及び第2遮断部材を回転させながら所定の処理を行う。
【0029】
基板保持手段に保持された基板の一方側の面と他方側に面とにそれぞれ近接配置された第1遮断部材と第2遮断部材の各々の延長部分の外周部を排気・排液通路の導入口付近に配置させたので、第1遮断部材と第2遮断部材との間の、保持された基板が配置された空間は、第1遮断部材及び第2遮断部材の外側の雰囲気と略完全に遮断される。従って、第1遮断部材(の延長部分)の外周部と第2遮断部材(の延長部分)の外周部との間の開口から、第1遮断部材と第2遮断部材との間の、保持された基板が配置された空間に、第1遮断部材及び第2遮断部材の外側に浮遊するパーティクルなどが入り込むことを十分に防止でき、第1遮断部材及び第2遮断部材の外側に浮遊するパーティクルなどによる基板の汚染をさらに好適に抑制することができる。
【0030】
また、処理に使用された洗浄液などの処理液などは、第1遮断部材の延長部分と第2遮断部材の延長部分との間の空間を通って、排気・排液通路の導入口に導かれるので、第1遮断部材と第2遮断部材との間の、保持された基板が配置された空間内の排気や排液を良好に行うことができる。
【0031】
参照1の発明では、対向部分と延長部分とを一体化して第1遮断部材及び第2遮断部材を構成したが、請求項1に記載の発明では、参照1の発明における第1遮断部材及び第2遮断部材の各延長部分に相当する部分を、第1遮断部材及び第2遮断部材と別部材の第1補助遮断部材及び第2補助遮断部材で構成したものである。
【0032】
すなわち、第1遮断部材及び第2遮断部材を、基板保持手段に保持された基板の一方側及び他方側の面にそれぞれ近接配置させるとともに、内周部が基板保持手段に保持された基板の面に近接配置された第1遮断部材及び第2遮断部材の外周部付近に配置されるように、第1遮断部材及び第2遮断部材の外周部のさらに外側に第1補助遮断部材及び第2補助遮断部材を配置させる。そして、基板回転手段、第1遮断部材回転手段、第2遮断部材回転手段、第1補助遮断部材回転手段及び第2補助遮断部材回転手段によって基板保持手段(保持された基板)、第1遮断部材、第2遮断部材、第1補助遮断部材及び第2補助遮断部材を回転させながら所定の処理を行う。
【0033】
従って、この請求項1の発明によれば、第1補助遮断部材及び第2補助遮断部材が、参照1の発明における第1遮断部材及び第2遮断部材の各延長部分として働き、参照1の発明と同様の作用効果が得られる。
【0034】
基板の周辺部の汚染を確実に防止し、装置のフットプリントの大型化などを防止するとともに、第1補助遮断部材や第2補助遮断部材の回転を良好に行うために、第1補助遮断部材及び第2補助遮断部材の大きさは、参照2の発明で規定した第1遮断部材及び第2遮断部材の各延長部分の長さと同様に、請求項2に記載の発明のように、その内周部と外周部との間が基板の径の20%ないし50%の長さを有するように構成する。
【0035】
請求項3に記載の発明は、参照3の発明と同様の改良を、請求項1、2に記載の発明に対して行ったものである。
【0036】
すなわち、第1遮断部材及び第2遮断部材を、基板保持手段に保持された基板の一方側及び他方側の面にそれぞれ近接配置させるとともに、基板保持手段に保持された基板の側方に所定距離隔てて配設された排気・排液通路の導入口付近に外周部が配置され、かつ、内周部が基板保持手段に保持された基板の面に近接配置された第1遮断部材及び第2遮断部材の外周部付近に配置されるように、第1遮断部材及び第2遮断部材と排気・排液通路の導入口との間に第1補助遮断部材及び第2補助遮断部材を配置させる。そして、基板回転手段、第1遮断部材回転手段、第2遮断部材回転手段、第1補助遮断部材回転手段及び第2補助遮断部材回転手段によって基板保持手段(保持された基板)、第1遮断部材、第2遮断部材、第1補助遮断部材及び第2補助遮断部材を回転させながら所定の処理を行う。
【0037】
従って、この請求項3に記載の発明によれば、参照3の発明と同様の作用効果が得られる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第1実施例に係る基板処理装置の構成を示す縦断面図である。
【0039】
なお、本実施例及び後述する各実施例では、基板処理装置として、基板Wに洗浄乾燥処理を行う基板洗浄乾燥装置を例に採り説明する。
【0040】
この第1実施例装置は、基板Wを保持して回転させるスピンチャック1や、スピンチャック1に設けられた保持部材13に保持された基板Wの上面に近接配置される上部遮断部材2、保持部材13に保持された基板Wの側方に所定距離隔てて導入口30が配設された排気・排液通路3などを備えている。
【0041】
スピンチャック1は、基板回転手段及び第1遮断部材(または第2遮断部材)回転手段に相当する電動モーター10によって鉛直方向の軸芯周りに回転可能な回転軸11の上端部に一体回転可能に円盤状のベース部材12が連結され、ベース部材12の上面に3個以上の保持部材13が設けられている。
【0042】
ベース部材12は、保持部材13に保持された基板Wの下面側に近接配置される第1遮断部材(または第2遮断部材)に相当し、保持部材13に保持された基板Wの下面に対向する対向部分TP1の周囲にさらに平面視でリング状の、所定の長さを有する延長部分EP1が設けられている。なお、対向部分TP1と延長部分EP1とは一体に形成されている。また、延長部分EP1の外周部は、保持部材13に保持された基板Wの側方に配設された排気・排液通路3の導入口30付近に近接配置される。
【0043】
ベース部材12に設けられた延長部分EP1の長さEL1は、基板Wの径Rの20%ないし50%の範囲内の適宜の長さとしている。なお、図1では基板Wの半径を基準とした場合の延長部分EP1の長さEL1を示しているが、基板Wの直径を基準とする場合は、図1の左右に示している2つの延長部分EP1の長さの合計(EL1×2)が延長部分EP1の長さとなる。例えば、半径100mm(直径200mm) の基板Wの場合は、半径を基準とすると延長部分EP1の長さEL1は20mmないし50mmとなり、直径を基準とすると延長部分EP1の長さ(EL1×2)は40mmないし100mmとなり、ベース部材12全体の大きさは、半径で120mmないし150mm、直径で240mmないし300mmとなる。
【0044】
基板保持手段に相当する各保持部材13は、ベース部材12の上面の中心と外周部との中間の対向部分TP1の外周部付近に周方向に沿って等間隔に立設されている。各保持部材13は、基板Wの外周部を下方から載置支持する支持部14と、支持部14に支持された基板Wの外周端縁を押圧保持する保持部15とを備えて、ベース部材12の上面から基板Wを隔てて保持する。保持部15は、基板Wの外周端縁を押圧する保持状態と、基板Wの外周端縁から離れて基板Wの保持を解除する非保持状態とで切替え可能に構成されている。なお、この保持部材13(保持部15)の保持状態と非保持状態の切替えは、例えば、特開昭63−153839号公報に開示されているリンク機構などで実現されている。
【0045】
回転軸11は中空部を有する円筒状の部材で形成され、ベース部材12の中央部には中空部が形成されている。ベース部材12の中空部及び回転軸11の中空部には、洗浄液供給管16が配設され、洗浄液供給管16の上端の洗浄液供給口16aから保持部材13に保持された基板Wの下面の中央部に洗浄液を供給することができる。洗浄液供給管16には、周知の回転シール機構16bや配管16cなどを介して洗浄液供給部40から洗浄液が供給される。洗浄液供給部40から洗浄液供給管16への洗浄液の供給とその停止は配管16cに設けられた開閉弁16dの開閉によって行われる。なお、例えば、洗浄液としての薬液を基板Wに供給して薬液洗浄を行った後、基板Wに純水などのリンス液を供給して基板Wに付着残留する薬液を洗い流すリンス洗浄を行う場合のように、複数種類の洗浄液を基板Wに供給する場合には、洗浄液供給部40は、各洗浄液を洗浄液供給管16に選択的に切替え供給できる。
【0046】
ベース部材12の中空部及び回転軸11の中空部の内壁と、洗浄液供給管16の外壁との間の空間は、窒素ガスなどの不活性ガスやドライエアなどの気体の供給路17となっており、この気体供給路17の上端の気体供給口17aから、ベース部材12の上面と保持部材13に保持された基板Wの下面との間の空間に気体を供給することができる。気体供給路17には、周知の回転シール機構17bや配管17cなどを介して気体供給部41から気体が供給される。気体供給部41から気体供給管17への気体の供給とその停止は配管17cに設けられた開閉弁17dの開閉によって行われる。
【0047】
第2遮断部材(または第1遮断部材)に相当する上部遮断部材2は、保持部材13に保持された基板Wの上面に対向する対向部分TP2の周囲にさらに平面視でリング状の、所定の長さを有する延長部分EP2が設けられている。なお、対向部分TP2と延長部分EP2とは一体に形成されている。また、延長部分EP2の外周部は、保持部材13に保持された基板Wの上面に上部遮断部材2が近接配置された状態で、保持部材13に保持された基板Wの側方に配設された排気・排液通路3の導入口30付近に近接配置される。
【0048】
この第2遮断部材2の延長部分EP2の長さEL2も、ベース部材12の延長部分EP1の長さEL1と同様に、基板Wの径Rの20%ないし50%の範囲内の適宜の長さとしている。
【0049】
上部遮断部材2は、中空部を有する円筒状の支軸20の下端部に一体回転可能に連結されている。支軸20は、図示しない昇降機構によって昇降可能に構成されている支持アーム21に回転可能に懸垂支持されている。そして、支持アーム21に設けられた第2遮断部材(または第1遮断部材)回転手段に相当する電動モーター22によって支軸20及び上部遮断部材2が鉛直方向の軸芯周りに回転される。なお、支軸20及び上部遮断部材2の回転軸芯は、スピンチャック1(回転軸11やベース部材12)の回転軸芯と一致させている。
【0050】
上部遮断部材2の中央部に形成された中空部及び支軸20の中空部には、洗浄液供給管23が配設され、洗浄液供給管23の下端の洗浄液供給口23aから保持部材13に保持された基板Wの上面の中央部に洗浄液を供給することができる。洗浄液供給管23には、周知の回転シール機構23bや配管23cなどを介して洗浄液供給部40から洗浄液が供給され、洗浄液供給部40から洗浄液供給管23への洗浄液の供給とその停止は配管23cに設けられた開閉弁23dの開閉によって行われる。
【0051】
上部遮断部材2の中空部及び支軸20の中空部の内壁と、洗浄液供給管23の外壁との間の空間は、気体供給路24となっており、気体供給路24の下端の気体供給口24aから、上部遮断部材2の下面と保持部材13に保持された基板Wの上面との間の空間に気体を供給することができる。気体供給路24には、周知の回転シール機構24bや配管24cなどを介して気体供給部41から気体が供給され、気体供給部41から気体供給管24への気体の供給とその停止は配管24cに設けられた開閉弁24dの開閉によって行われる。
【0052】
排気・排液通路3の導入口30は、保持部材13に保持された基板Wの側方の全周にわたって配設されている。
【0053】
スピンチャック1と排気・排液通路3とは図示しない昇降機構によって相対的に昇降可能に構成され、ベース部材12(の延長部分EP1)の外周部が排気・排液通路3の導入口30付近に近接配置される図1に示す処理状態と、ベース部材12が排気・排液通路3の導入口30よりも上方に配置される基板受け渡し状態との間で、スピンチャック1と排気・排液通路3とは相対的に昇降される。
【0054】
次に、上記構成を有する第1実施例装置の動作を説明する。
支持アーム21が上昇されて、上部遮断部材2がスピンチャック1の上方の退避位置に退避されるとともに、スピンチャック1と排気・排液通路3とが相対的に昇降され、上述した基板受け渡し状態にされて、図示しない基板搬送装置によって、未処理の基板Wが搬入され、保持部材13に受け渡される。
【0055】
基板Wが保持部材13に受け取られると、基板Wは保持部材13に保持される。そして、スピンチャック1と排気・排液通路3とが相対的に昇降され、図1に示す処理状態にされるとともに、支持アーム21が下降されて、図1に示すように、上部遮断部材2が保持部材13に保持された基板Wの上面に近接配置される。
【0056】
この状態で、電動モーター10及び22が駆動されて、スピンチャック1(ベース部材12や、保持部材13、保持部材13に保持された基板W)と上部遮断部材2とを鉛直方向の軸芯周りで回転させながら、以下のように洗浄処理と乾燥処理とが行われる。
【0057】
洗浄処理は、洗浄液供給口16aまたは/および23aから保持部材13に保持された基板Wの下面または/および上面に洗浄液が供給されることで行われる。なお、例えば、薬液洗浄とリンス洗浄とを行う場合には、まず、洗浄液供給口16aまたは/および23aから保持部材13に保持された基板Wの下面または/および上面に薬液が供給されて薬液洗浄が行われ、薬液洗浄を所定時間行うと、洗浄液供給口16aまたは/および23aから保持部材13に保持された基板Wの下面または/および上面に供給される洗浄液を薬液からリンス液に切り替えてリンス洗浄が所定時間行われる。その他の複数種類の洗浄液を用いた複数種類の洗浄処理を行う場合も同様に各洗浄液を順次切り替えながら各洗浄処理が順番に行われる。
【0058】
最後の洗浄処理を所定時間行うと、洗浄液供給口16aまたは/および23aから保持部材13に保持された基板Wの下面または/および上面への洗浄液の供給が停止され、スピンチャック1(ベース部材12や、保持部材13、保持部材13に保持された基板W)と上部遮断部材2とを鉛直方向の軸芯周りで回転させながら、基板Wに付着残留している洗浄液を振り切り乾燥させる乾燥処理が行われる。
【0059】
乾燥処理を所定時間行うと、スピンチャック1と上部遮断部材2との回転が停止される。そして、支持アーム21が上昇されて、上部遮断部材2がスピンチャック1の上方の退避位置に退避されるとともに、スピンチャック1と排気・排液通路3とが相対的に昇降され、上述した基板受け渡し状態にされて、図示しない基板搬送装置によって、処理済の基板Wが保持部材13から受け取られて装置外に搬出される。
【0060】
上記洗浄乾燥処理の際に、回転に伴って基板Wの外周部から周囲に飛散された洗浄液は、保持された基板Wの側方に配設される導入口30から排気・排液通路3で回収され、排気・排液通路3を介して装置外部に排出される。
【0061】
また、上記洗浄処理または/および乾燥処理を行う際に、必要に応じて、気体供給口17aまたは/および24aから気体が供給される。
【0062】
ここで、上述した第1実施例装置の構成によれば、保持部材13に保持された基板Wの下面と上面とにそれぞれ近接配置されたベース部材12と上部遮断部材2の各々の延長部分EP1、EP2の外周部を排気・排液通路3の導入口30付近に近接配置させているので、ベース部材12と上部遮断部材2との間の、保持された基板Wが配置された空間は、ベース部材12及び上部遮断部材2の外側の雰囲気と略完全に遮断される。従って、ベース部材12(の延長部分EP1)の外周部と上部遮断部材2(の延長部分EP2)の外周部との間の開口50から、ベース部材12と上部遮断部材2との間の、保持された基板Wが配置された空間に、ベース部材12及び上部遮断部材2の外側に浮遊するパーティクルなどが入り込むことを十分に防止でき、ベース部材12及び上部遮断部材2の外側に浮遊するパーティクルなどによる基板Wの汚染を抑制することができる。
【0063】
また、処理に使用された洗浄液は、ベース部材12の延長部分EP1と上部遮断部材2の延長部分EP2との間の空間を通って、排気・排液通路3の導入口30に導かれるので、ベース部材12と上部遮断部材2との間の、保持された基板Wが配置された空間内の排気や排液を良好に行うことができる。
【0064】
さらに、ベース部材12と上部遮断部材2とを回転させて処理を行うので、処理に使用された洗浄液が排気・排液通路3の導入口30や排気・排液通路3の内壁などで跳ね返ってきて、ベース部材12の延長部分EP1と上部遮断部材2の延長部分EP2との間の空間を逆流してきても、ベース部材12と上部遮断部材2との回転による遠心力で、基板Wの外周部に到達する前に排気・排液通路3の導入口30に再び戻され、以下に説明するように、基板Wの中央部のみならず基板Wの周辺部の汚染も防止することができる。
【0065】
図5に示すように、従来装置では、最大で、基板Wの外周部から基板Wの径Rの20%程度内側までの基板Wの周辺部DAが汚染される。従来装置のベース部材104は、保持部材101を立設する関係で、基板Wの大きさよりも若干大きいサイズに形成されているが、ベース部材104の大きさと基板Wの大きさは略等しい大きさであると見做せる。また、上部遮断部材110はベース部材104と略同じ大きさに形成されている。そのため、ベース部材104の外周部と上部遮断部材110の外周部との間の開口130と、保持部材101に保持された基板Wの外周部とは接近している。
【0066】
ここで、従来装置でも処理中はベース部材104や上部遮断部材110を回転させているので、開口130から、ベース部材104と上部遮断部材110との間の空間131に入り込んできた洗浄液の液滴やパーティクルなどは、ベース部材104と上部遮断部材110との回転による遠心力で、開口130側に戻されて、その開口130から外部に排出されると考えられる。しかしながら、ベース部材104と上部遮断部材110との回転による遠心力では、ベース部材104と上部遮断部材110との間の空間のうちの開口130付近の一定範囲までは洗浄液の液滴やパーティクルなどの入り込みが許容される。上述したように、従来装置では、開口130と保持部材101に保持された基板Wの外周部とは接近しているので、保持された基板Wの周辺部までは洗浄液の液滴やパーティクルなどが入り込んできて基板Wの周辺部を汚染し、この範囲が、図5に示す基板Wの周辺部の汚染範囲DAとなってあらわれるものと考えられる。
【0067】
上記第1実施例装置の構成では、ベース部材12と上部遮断部材2の各延長部分EP1、EP2の長さを従来装置における基板Wの周辺部の汚染範囲DA(基板Wの径Rの20%)以上とし、ベース部材12と上部遮断部材2の各延長部分EP1、EP2の外周部間の開口50と、保持された基板Wの外周部との間は、従来装置における基板Wの周辺部の汚染範囲DA以上の距離が確保されている。従って、処理に使用された洗浄液が排気・排液通路3の導入口30や排気・排液通路3の内壁などで跳ね返ってきて、ベース部材12の延長部分EP1と上部遮断部材2の延長部分EP2との間の空間を逆流してきても、ベース部材12と上部遮断部材2との回転による遠心力で、基板Wの外周部に到達する前に排気・排液通路3の導入口30に再び戻され、基板Wの周辺部を含む基板Wの全面の汚染を確実に防止することができる。
【0068】
なお、延長部分EP1、EP2は、対向部分TP1、TP2(基板W)の外周部よりも外側に位置するので、この延長部分EP1、EP2における遠心力がそれだけ大きくなり、ベース部材12の延長部分EP1と上部遮断部材2の延長部分EP2との間の空間を逆流してきた洗浄液の液滴などは、ベース部材12と上部遮断部材2の各延長部分EP1、EP2の外周部から基板Wの径の20%内側の地点よりも外側(開口50側)で排気・排液通路3の導入口30に再び戻されると考えられる。従って、ベース部材12と上部遮断部材2の各延長部分EP1、EP2の長さを基板Wの径Rの20%以上とすれば、基板Wの周辺部を含む基板Wの全面の汚染を確実に防止することができるが、ベース部材12と上部遮断部材2の各延長部分EP1、EP2の長さを基板Wの径Rの20%よりも若干短くしていても、基板Wの周辺部の汚染を防止することが期待できる。
【0069】
ところで、図6に示すように、従来装置と同様の基板Wと略同じ大きさのベース部材104及び上部遮断部材110を有し、保持部材101に保持された基板Wの側方近傍に排気・排液通路3の導入口30を配設し、ベース部材104の外周部と上部遮断部材110の外周部とを、この排気・排液通路3の導入口30に近接配置させた装置を用いて洗浄乾燥処理を行ったところ、基板Wの周辺部は依然汚染されていた。これは、ベース部材104の外周部と上部遮断部材110の外周部との間の開口130が、保持された基板Wの外周部に接近しているので、固定された排気・排液通路3の導入口30や排気・排液通路30の内壁などで跳ね返ってきて、開口130から、ベース部材104と上部遮断部材110との間の、保持された基板Wが配置された空間の外周部付近の一定範囲まで入り込んできた洗浄液の液滴などが、開口130に近接した基板Wの周辺部に付着することによるものと考えられる。
【0070】
これに対して、上記第1実施例装置では、上述したようにベース部材12と上部遮断部材2を基板Wより十分に大きくしているので、基板Wの周辺部の汚染を防止することができる。
【0071】
また、ベース部材12と上部遮断部材2の各延長部分EP1、EP2の長さが、各々基板Wの径の50%を越える長さとすると、装置のフットプリントが大きくなり過ぎたり、スピンチャック1や上部遮断部材2の回転に支障が出たり、それら部材1、2を回転させる電動モーター10、22などが高価になるなどの問題が生じてくるが、上記第1実施例の構成では、ベース部材12と上部遮断部材2の各延長部分EP1、EP2の長さを、各々基板Wの径の50%以下としているので、装置のフットプリントの大型化などを防止することができるとともに、スピンチャック1や上部遮断部材2の回転も良好に行うことがきる。
【0072】
なお、上記洗浄乾燥処理を行う際に、気体供給口17aや24aから気体を供給すると、保持された基板Wの中央部から、ベース部材12の延長部分EP1と上部遮断部材2の延長部分EP2との間の空間や排気・排液通路3の導入口30を経て排気・排液通路3内に向かう気体の流れを強制的に形成することができるので、洗浄液の液滴などが基板Wの周辺部に向かって戻ってくることをより好適に抑制することができ、基板Wの周辺部の汚染をより確実に防止することができる。
【0073】
また、図1の二点鎖線の矢印QYに示すように、排気・排液通路3内を出口側に向かって吸引して強制排気するようにしても、ベース部材12の延長部分EP1と上部遮断部材2の延長部分EP2との間の空間や排気・排液通路3の導入口30を経て排気・排液通路3内に向かう気体の流れを強制的に形成することができるので、洗浄液の液滴などが基板Wの周辺部に向かって戻ってくることをより好適に抑制することができ、基板Wの周辺部の汚染をより確実に防止することができる。
【0074】
次に、本発明の第2実施例装置の構成を図2を参照して説明する。
この第2実施例装置は、上記第1実施例装置におけるベース部材12及び上部遮断部材2の各延長部分EP1、EP2に相当する部分を、ベース部材12及び上部遮断部材2とは別部材の、第1補助遮断部材及び第2補助遮断部材に相当する下部補助遮断部材60及び上部補助遮断部材61で構成したものである。
【0075】
すなわち、この第2実施例装置のベース部材12と上部遮断部材2は、従来装置のものと同様に基板Wと略同じ大きさのものを用いている。
【0076】
下部補助遮断部材60及び上部補助遮断部材61は、平面視でリング状の形状を有し、外周部が排気・排液通路3の導入口30付近に近接配置され、かつ、内周部が保持部材13に保持された基板Wの下面及び上面に近接配置されたベース部材12及び上部遮断部材2の外周部付近に近接配置されるように、ベース部材12の外周部及び上部遮断部材2の外周部と排気・排液通路3の導入口30との間に配置させる。
【0077】
下部補助遮断部材60及び上部補助遮断部材61の大きさは、第1実施例装置のベース部材12及び上部遮断部材2の各延長部分EP1、EP2の長さと同様に、その内周部と外周部との間BL1、BL2が基板Wの径Rの20%ないし50%の長さを有する。
【0078】
この第2実施例装置では、下部補助遮断部材60と上部補助遮断部材61とは複数本の連結部材62によって一体回転可能に連結されている。そして、第1補助遮断部材回転手段及び第2補助遮断部材回転手段に相当する回転モーター63によって、スピンチャック1や上部遮断部材2と同軸の軸芯周りで、下部補助遮断部材60と上部補助遮断部材61とは一体的に回転される。
【0079】
なお、回転モーター63は、外周面に沿って複数個の永久磁石63aを埋設したリング状の回転子63bと、この永久磁石63aに対向する多数個のコイル63cを組付けたリング状のステータ63dとを備えている。コイル63cに交流電流を流して発生する磁場の極性を切り換え制御することで、支持部材64に固定支持されたステータ63dに対して回転子63bが一定方向に回転駆動される。この回転子63bに下部補助遮断部材60が連結され、回転子63bとともに下部補助遮断部材60と上部補助遮断部材61とを回転させている。なお、回転子63bとステータ63dとの嵌合部位には加圧エアーが供給されて、回転子63bが浮動状態に保持されて回転される。
【0080】
その他の構成は第1実施例装置と同様であるので、図1と同一符号を付してその説明を省略する。
【0081】
この第2実施例装置は、図2に示す状態で、モーター10、22及び63が駆動されて、スピンチャック1(ベース部材12や、保持部材13、保持部材13に保持された基板W)と、上部遮断部材2と、下部補助遮断部材60及び上部補助遮断部材61とを鉛直方向の軸芯周りで回転させながら、上記第1実施例と同様の洗浄乾燥処理が行われる。
【0082】
この第2実施例では、下部補助遮断部材60及び上部補助遮断部材61とがそれぞれ、第1実施例装置のベース部材12及び上部遮断部材2の各延長部分EP1、EP2として働くので、上述した第1実施例装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0083】
また、この第2実施例装置の構成では、従来装置のスピンチャック100や上部遮断部材110、その昇降回転機構114などをそのまま流用することができ、従来装置の改造部分を少なくして本発明を実現することができる。
【0084】
次に、本発明の第3実施例装置の構成を図3を参照して説明する。
この第3実施例装置も、上記第2実施例装置と同様の下部補助遮断部材60及び上部補助遮断部材61を備えているが、この第3実施例装置では下部補助遮断部材60と上部補助遮断部材61とを連結せずに、各補助遮断部材60、61を別々の回転モーター63A、63Bで独立して回転させる。
【0085】
このような構成であっても、第2実施例装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0086】
なお、上記各実施例装置では、排気・排液通路3の導入口30を、保持部材13に保持された基板Wの側方に所定距離隔てて配設するとともに、ベース部材12の延長部分EP1の外周部及び上部遮断部材2の延長部分EP2の外周部を導入口30付近に近接配置(第1実施例)し、または、下部補助遮断部材60の外周部及び上部補助遮断部材61の外周部を導入口30付近に近接配置(第2、第3実施例)したが、本発明はこの構成に限定されない。本発明は、少なくとも、ベース部材12と上部遮断部材2に所定の長さを有する延長部分EP1、EP2を設けるか、または、下部補助遮断部材60及び上部補助遮断部材61を設けていればよく、例えば、その周囲に従来装置と同様のカップ120が配設された装置であってもよい。
【0087】
また、上記各実施例装置では、スピンチャック1のベース部材12を、保持された基板Wの下面に対向配置させる遮断部材としたが、この遮断部材をベース部材12とは別部材で構成してもよい。
【0088】
さらに、基板保持手段は、上記各実施例の構成に限定させず、例えば、ベース部材12(あるいはそれに代わる遮断部材)の上面から上方に向けて立設した部材と、上部遮断部材2の下面から下方に向けて垂設した部材とによって基板Wの外周部の3箇所以上を挟持するような基板保持手段であってもよい。このような基板保持手段で基板Wを保持する場合には、ベース部材12(あるいはそれに代わる遮断部材)と上部遮断部材2とを同期して回転させればよい。
【0089】
また、上記各実施例では、基板に洗浄処理と乾燥処理とを施す洗浄乾燥装置を例に採り説明したが、本発明はそれに限定されない。例えば、基板に洗浄処理のみを行う基板洗浄装置や、別の基板洗浄装置で洗浄された後のウエット状態の基板に乾燥処理のみを行う基板乾燥装置、その他、洗浄液以外の処理液を用いた処理を行う基板処理装置などにも本発明は同様に適用することができる。
【0090】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、参照1の発明によれば、基板の面に対向する対向部分の周囲にさらに所定の長さを有する延長部分を設けた第1遮断部材と第2遮断部材とを、基板保持手段に保持された基板の一方側の面と他方側の面とにそれぞれ近接配置させ、基板保持手段(保持された基板)、第1遮断部材及び第2遮断部材を回転させながら所定の処理を行うので、処理に使用された洗浄液などの処理液などの液滴や第1遮断部材及び第2遮断部材の外側に浮遊するパーティクルなどによる汚染を基板の中央部のみならず基板の周辺部でも好適に防止することができる。
【0091】
従って、基板の全面を汚染することなく、基板の全面を良好に処理することができる。
【0092】
参照2の発明によれば、第1遮断部材及び第2遮断部材の各延長部分をそれぞれ、基板の径の20%ないし50%の長さとしたので、基板の周辺部の汚染を確実に防止でき、装置のフットプリントの大型化などを防止できるとともに、第1遮断部材及び第2遮断部材の回転も良好に行うことがきる。
【0093】
参照3の発明によれば、基板保持手段に保持された基板の側方に、排気又は/及び排液のための排気・排液通路の導入口を所定距離隔てて配設し、第1遮断部材及び第2遮断部材が基板の各面に近接配置された状態で延長部分の外周部を排気・排液通路の導入口付近に配置させたので以下の効果が得られる。
【0094】
すなわち、基板保持手段に保持された基板の一方側の面と他方側に面とにそれぞれ近接配置された第1遮断部材と第2遮断部材の各々の延長部分の外周部を排気・排液通路の導入口付近に配置させたので、第1遮断部材と第2遮断部材との間の、保持された基板が配置された空間は、第1遮断部材及び第2遮断部材の外側の雰囲気と略完全に遮断される。従って、第1遮断部材の延長部分の外周部と第2遮断部材の延長部分の外周部との間の開口から、第1遮断部材と第2遮断部材との間の、保持された基板が配置された空間に、第1遮断部材及び第2遮断部材の外側に浮遊するパーティクルなどが入り込むことを十分に防止でき、第1遮断部材及び第2遮断部材の外側に浮遊するパーティクルなどによる基板の汚染をさらに好適に抑制することができる。
【0095】
また、処理に使用された洗浄液などの処理液などは、第1遮断部材の延長部分と第2遮断部材の延長部分との間の空間を通って、排気・排液通路の導入口に導かれるので、第1遮断部材と第2遮断部材との間の保持された基板が配置される空間内の排気や排液を良好に行うことができる。
【0096】
請求項1に記載の発明によれば、参照1の発明における第1遮断部材及び第2遮断部材の各延長部分を、第1遮断部材及び第2遮断部材と別部材の第1補助遮断部材及び第2補助遮断部材で構成したので、参照1の発明と同様の作用によって、基板の全面を汚染することなく、基板の全面を良好に処理することができる。
【0097】
また、請求項1に記載の発明の構成では、従来装置の基板保持手段や基板回転手段、第1遮断部材、第2遮断部材、第1遮断部材回転手段、第2遮断部材回転手段をそのまま流用することができ、従来装置の改造部分を少なくして本発明を実現することができる。
【0098】
請求項2に記載の発明によれば、第1補助遮断部材及び第2補助遮断部材の内周部と外周部との間を基板の径の20%ないし50%の長さとしたので、基板の周辺部の汚染を確実に防止でき、装置のフットプリントの大型化などを防止できるとともに、第1補助遮断部材及び第2補助遮断部材の回転も良好に行うことがきる。
【0099】
請求項3に記載の発明によれば、基板保持手段に保持された基板の側方に、排気又は/及び排液のための排気・排液通路の導入口を所定距離隔てて配設し、第1補助遮断部材の外周部と第2補助遮断部材の外周部とを排気・排液通路の導入口付近に配置させたので、参照3の発明と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る基板処理装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】 本発明の第2実施例装置の構成を示す縦断面図である。
【図3】 本発明の第3実施例装置の構成を示す縦断面図である。
【図4】 従来装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図5】 基板の周辺部の汚染範囲を示す正面図と平面図である。
【図6】 本発明の実施例装置と比較するための実験装置の概略構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1:スピンチャック
2:上部遮断部材
3:排気/排液通路
10、22:電動モーター
12:ベース部材
13:保持部材
30:排気・排液通路の導入口
60:下部補助遮断部材
61:上部補助遮断部材
63、63A、63B:回転モーター
W:基板
R:基板の径(半径)
TP1、TP2:第1、第2遮断部材の対向部分
EP1、EP2:第1、第2遮断部材の延長部分
EL1、EL2:第1、第2遮断部材の延長部分の長さ
BL1、BL2:第1、第2補助遮断部材の内周部と外周部との間の長さ
Claims (3)
- 基板を回転させながら所定の処理を行う基板処理装置であって、
基板を保持する基板保持手段と、
基板を保持している前記基板保持手段を回転させる基板回転手段と、
前記基板保持手段に保持された基板の一方側の面に近接配置される第1遮断部材と、
前記基板保持手段に保持された基板の他方側の面に近接配置される第2遮断部材と、
内周部が前記基板保持手段に保持された基板の一方側の面に近接配置された前記第1遮断部材の外周部付近に配置される第1補助遮断部材と、
内周部が前記基板保持手段に保持された基板の他方側の面に近接配置された前記第2遮断部材の外周部付近に配置される第2補助遮断部材と、
前記第1遮断部材を回転させる第1遮断部材回転手段と、
前記第2遮断部材を回転させる第2遮断部材回転手段と、
前記第1補助遮断部材を回転させる第1補助遮断部材回転手段と、
前記第2補助遮断部材を回転させる第2補助遮断部材回転手段と、
を備えたことを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1に記載の基板処理装置において、
前記第1補助遮断部材及び前記第2補助遮断部材はそれぞれ、内周部と外周部との間が基板の径の20%ないし50%の長さを有することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1または2に記載の基板処理装置において、
排気又は/及び排液のための排気・排液通路の導入口を、前記基板保持手段に保持された基板の側方に所定距離隔てて配設し、
前記第1補助遮断部材の外周部を前記排気・排液通路の導入口付近に配置させるとともに、前記第2補助遮断部材の外周部を前記排気・排液通路の導入口付近に配置させたことを特徴とする基板処理装置。
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