JP3741221B2 - 組換えヒト型化抗ヒト免疫不全ウィルス抗体 - Google Patents

組換えヒト型化抗ヒト免疫不全ウィルス抗体 Download PDF

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Description

[発明の属する技術分野]
本発明は、分子生物学、具体的には、ヒト型化抗体に関する。
[従来の技術発明が解決しようとする課題]
本願は、ヒト免疫不全ウィルス(HIV-1)感染の予防と治療に有用な物質ならびに方法、特に、HIV-1感染の疑いがあり、またはHIV-1に感染した動物、特に、ヒトの受動免疫において有用なモノクローナル抗体を開示した、1992年8月24日に出願された国際特許出願No.PCT/US92/07111に関連する。
本願発明は、HIV-1感染症と、受動免疫によるその予防あるいは治療法を提供するものであり、その要旨については本明細書において改めて詳述する。
HIV-1のin vivoでの感染過程は、McCune、Cell,64,pp.351-363(1991)によって紹介されている。HIV-1は、CD4受容体を発現する細胞系に感染する。これら細胞の大部分は、特定のシグナルにのみ反応して分裂するので、静止状態にあり、そして、HIV-1感染はウィルス粒子を生成するCD4+細胞の転写を招き、感染を伝播させる。HIV-1感染動物の免疫応答を刺激することは好ましくなく、HIV-1感染の予防あるいは治療の最も有効な方法は、受動免疫による方法であるといえる。
この方法は、患者への抗HIV-1抗体の投与を含み、この抗体薬剤は非免疫原性であることが好ましい。このような処置例として、HIV-1感染による進行性の免疫系欠陥の症候群である後天性免疫不全症候群(AIDS)を患ったヒトへ、抗HIV-1抗体を含む血漿を投与することで、一時的な症状の軽減が様々な側面から認められている(Jackson et al.,Lancet,2,pp.647-652(1988))。HIV-1に曝す以前の動物、すなわち、チンパンジーにHIV-1に特異的に反応する抗体を投与した結果、ウィルス感染の発症の徴候が認められなかったとの報告もなされている(Emini et al.,Nature,355,pp.728-730(1992))。
HIV-1の主要な外被タンパク質であるgp120は、細胞性CD4受容体に結合し、ウィルスの細胞内への侵入を促進する。先の出願(PCT/US92/07111)で述べた通り、gp120のいくつかのエピトープは、gp120の「V3ループ」に局在した「主要中和決定基」と称される中和抗体の作製と関連付けられている。V3ループは、ドメインの両側面に位置するシステイン残基間のジスルフィド結合によって作られた超可変領域からなる。PCT/US92/07111の国際公開パンフレットでは、活性HIV-1の複数の株を中和する抗体は実証されていないものの、単離物あるいはタイプ特異的であり、また広範な中和活性を示唆するV3ループへの反応性を示す抗体を示している。これら抗体によって示された反応性のパターンは、V3ループの主要配列ならびに立体構造に関連するものと思われる。上記した国際出願は、かような抗体の潜在的な欠点も指摘している。CD4のみが、ウィルス感染に原因する細胞性受容体を意味するものではなく(Cheng-Mayer et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84,pp.3526-3530(1988))、また、抗体/HIV-1複合体が、例えば、受容体媒介エンドサイトーシスによって単球の感染を促進することで、ウィルス増殖が向上させることを示唆している(Takeda et al.,Science,242,pp.580-583(1988))。
これら研究結果は、特定の動物ウィルスが、補体、特にClpによって、抗体非依存型機構を通じて不活化されることを示している(例えば、Weiss et al.,Eds.,Cold Spring Harbour Laboratory,New York,pp.1219-1220(1982)のWeiss,Molecular Biology of Tumour Viruses,RNA Tumour Virusesを参照のこと)。Banapour et al.,Virology,252,pp.268-271(1986)には、非加熱血清画分が、HIV-1の力価や末梢血液中の単核細胞に感染する能力に対しては何らの効果も持たない旨が記載されているものの、Spear et al.,J.Virol.,64,pp.5869-5873(1990)は、補体とHIV-1血清陽性患者から集められた血清の組み合わせによって処理したHIV-1の感染力が低減したことを報告している。
よって、先の発明(PCT/US92/07111)の背景として、HIV-1に特異的な免疫反応性を有し、好ましくは、複数のHIV-1株を中和する新規のモノクローナル抗体基質の必要性が認識されていた。感染、非感染患者の受動免疫に使用する候補として、これら薬剤は、HIV-1粒子の補体依存性ウィルス溶解およびHIV-1感染細胞の抗体依存性細胞溶解を理想的に媒介できる。
先の発明(PCT/US92/07111)は、HIV-1 gp120または前駆体のgp160との反応性を有し、アミノ酸配列GPGRを含み、活性HIV-1株MNとIIIBとの培養によるH9細胞の感染を中和し、HIV-1粒子の補体依存性ウィルス溶解および/またはHIV-1感染細胞の抗体依存性細胞溶解を媒介する特徴を備えたモノクローナル抗体を提供する。この発明のモノクローナル抗体は、HIV-1感染が疑わしいか、あるいはHIV-1感染した動物、特にヒトの抗HIV-1治療での使用に好適であることが示唆されている。
この発明には、この発明の誘導体として調製できるキメラ抗体、ヒト型化抗体、抗体断片、あるいは二特異性抗体、および本発明の生成物を他の免疫学的薬剤および/または治療剤とを組み合わせて使用することが包含される。
この発明は、適切な宿主を活性HIV-1で免疫処置することで、gp120に特異的な固有の立体配座を有するモノクローナル抗体を生成することが記載されている。ハイブリドーマ細胞系HB10726から生成したマウスモノクローナル抗体、NM01が記載されている。In vitro分析でのNM01の効果の検定、gp120 V3ループのGPGR配列へのNM01のエピトープマッピング、およびNM01のH鎖およびL鎖可変領域配列の決定についての記載がされている。
ヒトのHIV-1感染の予防および治療において、ヒト抗体は異種抗体よりも有用性があるものと期待される。このことは、ヒト抗体が、例えば、マウス抗体よりも免疫原性が小さく(Bruggermann et al.,J Exp Med,170,pp.2153-2157,1989)、関連するイソ型に依存し、補体依存性ウィルス溶解およびHIV-1感染細胞の抗体依存性細胞溶解を、より効率よく惹起する(WinterとMilstein,Nature,349,pp.293-299,1991に記載の通り)ことによるものと思われる。
他の種から調製した抗体の抗原結合特性を利用しつつ、ヒト抗体の利点を生かすために、研究者は、抗原結合ループをヒト鋳型に移すためのヒト型化の技術を用いた(例えば、Richmann et al.,Nature,332,323-327,1988:Tempest et al.,Bio/Technology,9,pp.266-271,1991)。相補性決定領域(CDRs)として知られるこれらループを、各抗体鎖のN-末端に位置するいわゆる可変領域と共に調製されるフレームワーク、そしてフレームワーク領域に取り付けられる。CDR立体配座を改変することで、直接的あるいは間接的にフレームワーク残基が抗原と相互作用できるものの、三つのH鎖および三つのL鎖CDRsから、ほとんどの部分に各々の結合部位が形成される。これら組換え抗体をコードする遺伝子は、例えば、哺乳類細胞にて発現され、その定常領域部分は、適用対象に合わせて調製することができる。
[課題を解決するための手段]
本発明は、HIV-1 gp120と特異的に反応し、さらに逆転写酵素、p24、およびシンシチウム形成分析法により決定された、活性HIV-1株MNおよびIIIBによる培養液中のH9細胞の感染を中和する能力により特徴付けられる、マウスモノクローナル抗体NM01(PCT/US92/07111)から誘導した、ヒトモノクローナル抗体を提供する。これら抗体は、上記した能力において、親のマウス抗体と同等以上の効果を示すものである。
本発明のモノクローナル抗体は、異種抗体よりも免疫原性の小さいヒトの抗HIV-1治療において特に好適であり、HIV-1粒子の補体依存性ウィルス溶解および/またはHIV-1感染細胞の抗体依存性細胞溶解において、より効果的な抗体である。
後述する通り、本発明のモノクローナル抗体は、マウスモノクローナル抗体NM01のヒト型化によって、ヒトIgG1/K抗体として調製される。
本発明の態様および利点は、実施例の開示ならびに図面を参照しつつ、以下の詳細な説明での本発明の実施を考慮すれば明らかである。下記の実施例は、HIV-1 gp120への反応性を有するヒト型化モノクローナル抗体の調製に関する本発明の実施例である。以下の実施例は、請求項に記載の発明の説明のためのものであり、実施例の開示をもってして、請求項に記載の発明を限定的に解釈すべきでない。
[実施例]
実施例1は、親のNM01マウス抗体の可変領域のアミノ酸配列の決定について述べている。実施例2および3は、キメラおよびヒト型化NM01抗体の生成に関するものであり、実施例4は、ヒト型化抗体のあるエピトープの特徴付けに関し、および実施例5は、このヒト型化抗体の生物学的活性の評価について述べてある。
実施例1
マウスNM01可変領域をコードするDNA配列の単離
可変領域の配列は国際出願No.PCT/US92/07111に開示されており、本実施例での単離物によっても確認された。これら配列は、前出のTempest et al.,の文献にあるように、細胞質RNAから合成されたH鎖およびL鎖cDNAsから決定した。
(1)RNAの単離
約200μgの細胞質RNAを、Favalora et al.,Meth Enzymol,65,pp.718-749(1980)の方法によって、NM01を産生する107個のハイブリドーマ細胞から単離した。これら細胞の培養物から得た上清を、Inno-Liaマウスモノクローナル抗体イソタイプ決定用キット(Innogenetics社、アントワープ、ベルギー)を用いた固相ELISAによって、抗体の存在について分析を行った。
この抗体は、この方法によって、IgG2b/Kと確認された。
(2)cDNAの合成
NM01 RNAの逆転写を、マウスIgG2a/IgG2b(CG2FOR、配列番号:1)あるいはマウスカッパ(CK2FOR、配列番号:2)定常領域遺伝子のいずれかの5'端に由来するプライマーから開始した。この反応には、50μgの総量中に、5μg RNA、5μg CG2FORあるいはCK2FOR、それぞれ250μMのdATP、dCTP、dGTPおよびdTTP、50mM Tris-塩酸pH8.3、75mM塩化カリウム、10mM DTT、3mM塩化マグネシウム、30単位のRNase阻害剤(Pharmacia社、ミルトンキーンズ、英国)を含んでいた。試料を、70℃で、10分間加熱し、そして、37℃で、30分間冷却した。100単位のM-MLV逆転写酵素(Life Technologies社、ペイスレイ、英国)を添加し、37℃で、1時間反応を進行せしめた。
(3)VHおよびVK cDNAの増幅
Orlandi et al.,Proc.Natl.Acad Sci USA,86,pp.3833-3837(1989)に記載のプライマーを含めた可変領域プライマー、およびJonesとBendig,Bio/Technology,9,88-89(1991)に記載のプライマーから誘導したシグナル配列プライマー、ならびに第一の鎖状cDNA合成に関与した定常領域プライマーを用いたPCR法(Saiki et al.,Science,239,498-491,1988)によって、マウス可変領域cDNAsを増幅した。いくつかのプライマーで、首尾よく増幅ができた。これらのプライマーは、マウスVH(VH1BACK、配列番号:3)あるいはマウスVK(VK1BACK、配列番号:4)遺伝子の5'端、もしくはマウスVH(VH1FOR、配列番号:5)遺伝子の3'端にある保存領域から調製した。他のプライマーは、マウスH鎖(SH3BACK、配列番号:6)あるいはカッパ鎖(SK5BACK、配列番号:7)のシグナル配列遺伝子からデザインした。
VHのPCR増幅のために、反応には、5μg RNA/cDNAハイブリッド、0.5μg CG2FORおよび0.5μM VH1BACKあるいはSH3BACKを用いた。VKに関しては、5μg RNA/cDNAハイブリッドを、それぞれ0.5μMのCK2FORおよびVK1BACKあるいはSK5BACKを用いて増幅した。さらに、各反応には、それぞれ250μMのdATP、dCTP、dGTPおよびdTTP、10mM Tris-塩酸pH 8.3、50mM塩化カリウム、1.5mM塩化マグネシウム、0.01%(v/v)Tween 20、0.01%(v/v)NP-40、および3単位のAmpliTaq(Perkin Elmer Cetus社、ベーコンズフィールド、英国)を用いた。増幅は、94℃で30秒間、50あるいは55℃で30秒間、72℃で45秒間のサイクルを25回行い、最後に72℃で5分間の処置を行った。特異性を高めるために、CG2FORとSH3BACKを用いたVHの反応生成物を、VH1FORとSH3BACKを用いてさらに増幅した。VH生成物の大きさは、アガロースゲル電気泳動によれば、約400bp(CG2FOR、VH1BACK)と440bp(VH1FOR、SH3BACK)であった。VK生成物は約37bp(CG2FOR、VH1BACK)および440bp(CK2FOR、SK5BACK)であった。これらDNAは、低融点アガロースを用いた電気泳動とElutip-dカラムクロマトグラフィー(Schleiderand Schuell、ダッセル、ドイツ)によって精製した。
4.VH cDNAのクローニングと配列決定
一般的なクローニングの方法は、Maniatis et al.,Molecular Cloning,a laboratory manual(Cold Spring Harbour Laboratory,Cold Spring Harbour、New York 1982)に記載の通りである。酵素は、Life Technologies社(ペイスレイ、英国)から入手した。
CG2FORとVH1BACK生成物は、PCRプライマーに組み込んだHindIIIとPstI制限部位を用いて、M13 mp18とM13 mp19(Pharmacia社、ミルトンキーンズ、英国)へクローニングした。クローンを、T7 DNAポリメラーゼ(Pharmacia社、ミルトンキーンズ、英国)を用いてジデオキシ法(Sanger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74,pp.5436-5467,1977)によって配列決定した。
全挿入体について配列決定された7つのクローンを含めて、大半のクローンは、公知の配列と比較して同一の完全なVH遺伝子を含み、両断片の配向を示していた。あるクローンでは、PCR誘発したトランジション変異を含んでいた。得られた他の配列は同定されなかったが、VH様ではなかった。
VHのN末端の配列はVH1BACKによって指示されているので、VH1FORとSH3BACKとの反応による生成物を、真正の残基を同定するためにクローニングした。生成物は、SH3BACKのSalI制限部位と、VH断片内にあるBamHI部位を用いてクローニングした。
5'VH配列を、二つのクローンから取得した。完全なVHヌクレオチド配列と、翻訳により誘導されたアミノ酸配列を図1に示した(配列番号:8および9)。CDRsの程度は、Kabat et al.,タンパク質配列の免疫学的重要性〔Sequences of Proteins of Immunological Interest〕(第5版)、米国保健社会福祉省(1991)の定義に従って決定した。これらは、国際出願No.PCT/US92/07111に記載の方法とは異なる。
5.VK cDNAのクローニングと配列決定
VK cDNAの増幅に用いたプライマーも、CK2FOR、VH1BACK生成物がHindIII-PvuII断片にクローニングされ、HindIII-SalI断片としてCK2FOR、SK5BACK生成物が、M13mp18とM13mp19にクローニングされるように、制限部位を含んでいる。配列決定されたクローンの大半(26/31)は同じVK挿入体を含んでおり、公知のVK配列との相同性によって同定された。これは、両配向に関して双方のPCR生成物から取得された。21個のクローンの配列は、少なくとも200個のヌクレオチドについて解読され、14個のクローンについては、その全長が解読された。PCRによって誘発された4つのポイント変異があった。ほとんどの他のクローンは、同定されなかった挿入体を保有していたが、あるクローンは、カバットの第23位の保存されたシステイン残基が欠落しており、またCDR3をコードするDNA内でのフレーム移動を有する非生成的なVK様の配列を含んでいた。その配列は、他のハイブリドーマ細胞のRNAから得られたものであり、融合相手から発生すると考えられている(未発表データ)。
CK2FOR、SK5BACK生成物から得た真正の5'残基を含む、NM01VKヌクレオチド配列を、そのアミノ酸翻訳生成物(配列番号:10および11)と共に図2に示した。前出のKabat et al.,の定義から、このCDRsは国際出願No.PCT/US92/07111に記載のものとは異なっている。
実施例2
キメラNM01抗体の調製
マウス可変領域とヒト定常領域からなるキメラ抗体の調製は、ヒト型化プロセスには必要ではないが、その抗原への結合力によって、真正のVHとVKが、ハイブリドーマのcDNAからクローニングされることを示唆し、またその抗体がヒト型化抗体の効果を評価する分析における対照として使用できるなどの有用性がある。
VHとVK挿入体を、内包する制限部位によってキメラ発現ベクターへの転移を促進せしめるよう、オリゴヌクレオチドVH1FORおよびVH1BACKあるいはVH1FOR(前出のOrlandi et al.,;配列番号:12)およびVK1BAKを用いてM13クローンから増幅した。
この反応混合物は、約100ngのM13 ssDNAと0.5μMの各プライマーを含んでいた。50μlの総量中に、それぞれ250μMのdATP、dCTP、dGTPおよびdTTP、20mM Tris-塩酸pH8.8、10mM塩化カリウム、10mM硫酸アンモニウム、2mM塩化マグネシウム、0.1%(v/v)Triton X-100、および1単位のVent DNAポリメラーゼ(New England Biolabs社、ビバリー、マサチューセッツ州、米国)を含んでいた。この試料を、94℃で30秒間、50℃で30秒間、75℃で1分間のサイクルを10回、最後に75℃で5分間の処置を含む処理に適用した。VH生成物をPvuIIとBcIIで消化し、M13VHPCR1(前出のOrlandi et al.,)に、PvuII-BcII断片としてクローニングされた。これら操作によって、可変領域を、適切な発現を行えるよう、プロモーターとシグナルペプチド遺伝子配列の後方に置くが、同時にその末端の残基をわずかに変更することになる。
VH I2からV;K5からQ;S108からT
VK V3からQ;L106から1
これら発現カセットを完全に配列決定して疑似変異の欠如を確認し、次いで、HindIII-BamHI断片として、M13 RF DNAから切り出した。VHおよびVK内部のBamHI部位で切断されていない全長断片を得るために、部分的なBamHI消化を行った。VH断片を、ヒトIgG1定常領域遺伝子(Takahashi et al.,Cell,29,pp.671-679,1982)を含むpSVgpt(前出のOrlandi et al.,)へクローニングした。VK断片を、ヒトカッパ定常領域遺伝子(Hieter et al.,Cell,22,pp.197-207,1980)をすでに含んだpSVhyg(前出のOrlandi et al.,)へクローニングした。
これらベクターを、先に記述したように(前出のTempest et al.,)、アメリカン タイプ カルチャー コレクション(ロックビル、メリーランド州、米国)から入手可能な、CRL-1662の受託番号で寄託されている、ラット骨髄腫YB2/0(Kilmartin et al.,J.Cell Biol,93,pp.576-582,1982(69))へ共形質変換した。マイコフェノール酸耐性クローンを、ヒトIgG/K抗体の選択のためにELISAによってスクリーニングした。ELISA陽性クローンを伸展せしめ、抗体を、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーによって培養培地から精製した。
形質変換した細胞から精製したキメラ抗体を、組換えgp120(American BioTechnologies社、ケンブリッジ、マサチューセッツ州、米国)への結合に関してELISAによって試験を行った。gp120(ウェル当たり2ng/100μl 15mM Na2CO3、35mM NaHCO3 pH9.6)を、イムロン2プレート(Dynatech社)にて、4℃で一晩インキュベートした。これらプレートを、燐酸緩衝化生理食塩水(PBS)-0.05% Tween 20で洗浄し、5%の標準ヤギ血清(Life Technologies社、ペイスレイ、英国)で、37℃で、1時間ブロックし、そして、再度洗浄を行った。様々な濃度の抗体を、PBS-0.05% Tween 20に添加し、37℃で、1時間インキュベートした。洗浄の後、HRPO接合したヤギ抗ヒトカッパ鎖抗体(Sera-Lab社、クローリーダウン、サセックス州、英国;ウェル当たり40ng/100μl PBS-0.05% Tween 20)を添加した。
1時間後、ウェルを洗浄し、発色するまで(5〜10分)o−フェニルジアミンの存在下でインキュベートした。492nmで吸光度を計測した。
その結果(図3)は、キメラ抗体(MuVH/MuVKと称する)が、組換えgp120に対して反応性を有することを示した。
実施例3
ヒト型化抗体の調製
親抗体の抗原結合ループをヒト可変領域フレームワークへ移植することで、ヒト型化可変領域を調製した。この場合に用いたフレームワークは、NEWH VH(Saul et al.,J.Biol.Chem.,253,pp.585-597(1978))およびREI VK(Epp et al.,Eur.J.Biochem.,45,pp.513-524(1974))であった。
ヒト型化H鎖(HuVH、配列番号:13)のために、この作業は、フレームワーク(図4A)からの前出のKabat et al.,の定義に従ったCDRsと他の5つの残基の移植が含まれる。CDR1に先駆けた4つの残基は超可変的ではなく、それ故、前出のKabat et al.,によるCDRの一部ではなく、ドメインのβ−シートフレームワークから伸びるループ構造の一部であり、ループ配座への影響が認められた。(Chothia et al.,J.Mol.Biol.,196,pp.901-917(1987))。71位の残基(Kabat位置)は、CDRs1および2のループ間を包み込み、そして、CDR2の配座の決定において重要であることが認められている(Tramontano et al.,J.Mol.Biol.,224,pp.175-182(1990))。
基本となるヒト型化VK(HuVK、配列番号:14)は、マウス抗体のCDR配列のみを含むが、第二態様(HuVKF)では、マウス残基でのKabatの第71位にFをさらに含む。この位置でのアミノ酸の側鎖は、CDR1の配座に影響を与え(前出のChothia et al.,)、マウス残基の包含が、他のヒト型化抗体への結合能力に明確に影響を与えることが認められている(例えば、FooteとWinter,J.Mol.Biol.,224,pp.487-499,1992を参照のこと)。
NM01 CDRsと上記したフレームワーク残基をコードするDNAを、M13VHPCRIとM13VKPCRI(実施例2)の誘導体を含むように、部位特異的突然変異誘発によって、適切なヒト可変領域遺伝子に導入した。
M13ファージを、チミンに代えてウラシルを含んだ一本鎖鋳型DNAを得るように、E.coli RZ1032(dut- ung-)にて生長させた。0.5μgのDNAを、挿入DNAのM13鋳型の下流にアニールするオリゴヌクレオチドと、それぞれ1pmolの変異オリゴヌクレオチドと共に混合した。そのオリゴヌクレオチドを、50mM Tris-HCl pH7.5、25mM MgCl2、63mM NaClの20μlにて、80℃で、5分間加熱し、そして、室温にまでゆっくりと冷却することで、鋳型にアニールした。そして、同じ緩衝液中にて、dATP、dCTP、dGTPおよびdTTPを最終濃度が250μMとなるように、DTTが7mM、ATPが1mMとなるように添加し、0.5単位T7 DNAポリメラーゼ(United States Biochemical社、クリーブランド、オハイオ州、米国)および0.5単位T7 DNAリガーゼ(Life Technologies社、ペイスレイ、英国)を添加した。
30μlの反応液を、室温にて、1時間インキュベートし、そして、DNAをエタノールで沈殿させた。親の鋳型鎖にニックを入れるために、DNAを60mM Tris-HCl pH8.0、1mM EDTA、1mM DTT、そして、1単位のウラシルDNAグリコシラーゼ(Boehringer Mannheim社、ルイス、サセクッス州、英国)を含む0.1mg/ml BSAからなる50μlに溶解し、そして、NaOHが0.2Mとなるように添加される以前に、37℃で、1時間インキュベートし、室温にて、5分間、インキュベーションを継続した。DNAをエタノール沈殿させ、20μlのTE中に溶解し、PCRによって挿入断片を増幅した。反応混合物は、50μl中に2μl変異DNA、0.5μMの正プライマーおよび逆プライマー、それぞれ250μMのdATP、dCTP、dGTPおよびdTTP、10mM Tris-HCl pH8.3、50mM KCl、1.5mM MgCl2、0.01% Tween-20、0.01%ゼラチン、0.01% NP40、および2単位のサーマラーゼ(IBI社、ケンブリッジ、英国)を含んでいた。増幅は、94℃で30秒間、50℃で30秒間、72℃で1分間からなるサイクルを15回行い、72℃で5分間置くことで反応を終了した。生成DNAsを、HindIII-BamHI断片であるM13mp19へクローニングした。典型的なクローンの配列決定を行った。HindIII-BamHI断片を、累積的に変異させたクローンのRF DNAから切り出し、実施例2に記載のpSVgptおよびpSVhyg発現ベクターに移した。
YB2/0の形質変換ならびにその選択および発現は、実施例2に記載の通りに行った。HuVH/HuVK F6(実施例6参照)は、NM01 HuVH/HuVK抗体を産生するYB2/0トランスフェクトーマ細胞系の例である。ヒト型化抗体(HuVH/HuVKおよびHuVH/HuVKF)を得るための形質変換と同様に、個々に検定できるだけのヒト型化鎖の効力を許容しうる混合抗体を得るために、キメラおよびヒト型化抗体鎖発現ベクターを共形質変換した。
抗体を、プロテインAアガロース アフィニティー クロマトグラフィーで精製し、実施例2(図3)に記載の通りにして、組換えpg120への結合性に関して試験した。その結果は、HuVHとMuVH鎖は等価のものであり、HuVHとMuVH鎖はHuVKFとの組み合わせにより2〜4倍有利になることを示している。このことは、NM01ヒト型化抗体(HuVH/HuVKとHuVH/HuVKF)が、組換えgp120によく結合することを示唆している。これら抗体については、MNウィルスおよび変異MNウィルスのTriton X-100溶解物への結合性についても同様に試験を行った(図5Aおよび5B)。異なるレポーター抗体は用いたが、MuVH/MuVK、HuVH/HuVKおよびHuVH/HuVKF抗体はすべて、NM01マウスモノクローナル抗体では結合しないMNウィルスに結合し、また変異ウィルスには結合しなかったので、マウスおよび組換え抗体のシグナルレベルでの比較はできなかった。
実施例4
NM01 HuVH/HuVKFエピトープの決定
ヒト型化抗体NM01 HuVH/HuVKFのエピトープを、ペプチド結合ならびに競合ELISAsによって検定した。
1.HIV-1に対するELISA
マウスNM01は、GPGR残基を含むHIV-1MN gp120の312-326残基に対応するループペプチドに結合する。このペプチド(Multiple Peptide Systems、サンジエゴ、カリフォルニア州、米国によって合成した)およびV3ループの他の部分に対応する負の対照ペプチド、(双方共にウェル当たり250ng/100μl 0.1Mホウ酸ナトリウム、pH8.0)を、イムロン2プレート(Dynatech)にて、4℃で一晩インキュベートした。
プレートを、PBS-0.05% Tween 20で洗浄し、PBS-0.1% Tween 20-0.1% BSAを用いて、室温にて、1時間ブロックした。ブロック用溶液を除去し、NM01抗体の希釈液をブロック用溶液に添加し、37℃で、一時間インキュベートを継続した。このプレートを洗浄し、HRPO-接合したヤギ抗マウス1gG抗体(Zymed、サンフランシスコ、カリフォルニア州、米国;60ng/ウェル)あるいはHRPO-接合したヤギ抗ヒトIgG抗体(Sera-Lab社、クローリータウン、サッセクス州、英国;40ng/ウェル)を添加した。
次いで、室温にて、1時間インキュベートを行い、プレートを洗浄し、そして、o−フェニルジアミンの存在下で、発色するまで(約5分)インキュベートした。吸光度を、492nmで計測した。HIV-1MN gp120の312-326残基のペプチドへのNM01抗体の結合性を図6に示したが、負の対照ペプチドを用いた場合に結合は認められなかった。NM01 HuVH/HuVKF抗体は、キメラ(MuVH/MuVK)抗体と比較して、ペプチドへ効率良く結合していた。異なる接合抗体を用いていたため、マウスNM01抗体との直接の比較はできなかった。
2.組換えgp120に対する完全ELISA
プレートを組換えgp120(5ng/ウェル)で被覆し、そして、実施例2に記載の通りにしてブロックした。ヒト型化NM-01抗体あるいは関連の無いヒト型化抗体の負の対照の希釈液を、100μl/ウェルで添加し、そして、プレートを、37℃で、30分間インキュベートした。ビオチン化マウスNM01抗体(ウェル当たり500mg/50μl PBS)を添加し、インキュベーションを一時間継続した。プレートを、PBS-0.05% Tween20で洗浄し、HRPO-ストレプトアビジン(Sera-Lab社、クローリーダウン、サセックス州、英国、ウェル当たり40ng/100μl PBS)を添加し、30分間インキュベートを継続した。プレートを洗浄し、そして、o−フェニルジアミンの存在下で5分間、あるいは発色するまでインキュベートした。吸光度は、492nmで計測した。
マウスNM01抗体と組換えNM01抗体との直接比較ができる図7にて、その結果を示した。HuVH/HuVKは、標識したマウスNM01抗体による結合を、マウスNM01と同程度でブロックした。
キメラ抗体の調製(実施例2)過程での可変領域末端での改変によるものと考えられる、キメラ(MuVH/MuVK)抗体のマウス抗体と比較した際の不完全性があるにもかかわらず、HuVH/HuVKFはマウス抗体の約4倍の反応性が認められた。関連性の無いヒト型化抗体では、ブロッキング活性は認められなかった。
これら二つの実験は、ヒト型化抗体、HuVH/HuVKFが認識するエピトープが、もし不完全でなければ、マウスNM01抗体のそれとほぼ同一であることを示唆するものである。
実施例5
NM01 HuVH/HuVKFの生物学的活性
ヒト型化NM-01抗体、HuVH/HuVKFを、活性HIV-1株MNとIIIBによるH9細胞の感染を中和する能力について、逆転写酵素およびp24分析を通して、マウスNM01との比較を行った。これら抗体は、活性MNウィルスを用いたシンシチウム阻害分析法を通しても比較を行った。
1.逆転写酵素およびp24分析
抗体の希釈液を、MNあるいはIIIBウィルスの100TCID50で、96ウェル・プレートにて、4℃で、2時間インキュベートした。
H9細胞(2.5×105細胞)を各ウェルに添加し、そして、37℃で、さらに1時間、プレートをインキュベートした。H9細胞懸濁液を、2mlのRPMI 1640培地/15%ウシ胎児血清に希釈し、そして、24プレートにて37℃でインキュベートした。
ウィルス生成を、7日目に、Poiesz et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77,pp.7415-7419(1980)に記載の通り、逆転写酵素(RT)分析によって決定した。組織培養上清でのp24抗原の存在を、製造業者(Du Pont-New England Nuclear)の使用説明書に記載に従って、6〜8日後に、HIV-1 p24コア断片のELISAによって定量した。その結果を、図8〜12に示した。
MN株では、RT活性の50%中和が、1.2μg/mlのマウスNM01あるいは0.8μg/mlのNM01 HuVH/HuVKFにて達成された(図8)。IIIB株では、ID50が、マウスNM01では0.2μg/mlで、NM01 HuVH/HuVKFでは0.08μg/mlで達成された(図9)。p24分析によれば、MNウィルスの50%中和には、1.2μg/mlのマウスNM01あるいは0.3μg/mlのNM01 HuVH/HuVKF(図10)が必要とされ、IIIBウィルスの50%中和には、0.15μg/mlのマウスNM01あるいは0.08μg/mlのNM01 HuVH/HuVKF(図11)を要した。これら結果は、NM01 HuVH/HuVKFが、親のNM01より効率よくHIV-1のNMあるいはIIIB株を中和できることを実証するものである。
図11も、他の組換えNM01抗体と、負の対照とした関連性の無いヒト型化抗体(2990.7 HuVH/HuVK)の中和活性を示している。
この結果は、マウスNM01の不完全体であるキメラ抗体(MuVH/MuVK)を示唆する競合ELISAの結果を裏付けるものである。HuVH/HuVK抗体の活性が、HuVH/HuVKFよりも小さいことが改めて認められた。MuVH/HuVKFとの混合抗体での結果は、H鎖よりもむしろヒト型化カッパ鎖が、マウス抗体と比較してHuVH/HuVKFの優れた活性に寄与していることを示している。
2.シンシチウム形成活性
結合阻害活性を、JohnsonとWalker編、Techniques in HIV-1 Research,Stockton Press,New York,NY,pp.92-97(1990)に記載された方法の変法によって検定した。すなわち、MNウィルスで慢性的に感染したH9細胞を、抗体の希釈液で、37℃にて、1時間インキュベートした。指標細胞系C8166からの細胞を添加し(3×104細胞/ウェル)、プレートを、37℃にて、2〜12時間さらにインキュベートした。白血球細胞の直径の3倍以上の大きさのシンシチウムの数を計測し、抗体の欠如に関して、処置した対照感染H9細胞と比較した。
その結果を図12に示し、そこでは、マウスNM01と比較して、NM01 HuVH/HuVKF抗体による阻害レベルが大きいことが実証されている。負の対照ヒト型化抗体(2990.7)では、検出できる効果は認められなかった。
実施例6
調 剤
本発明のヒト型化免疫グロブリンおよびその薬学的組成物は、非経口投与、例えば、皮下の筋内あるいは静脈からの投与において特に有用である。非経口投与用の組成物は、一般には、生理学的に許容される担体、好ましくは、水性担体に溶解したヒト型化免疫グロブリンの溶液を含む。様々な水性担体、例えば、水、緩衝液、生理食塩水、0.3%グリシン等が使用できる。非経口投与用の溶液は、好ましくは、無菌の、一般的には粒状物を含まないものである。非経口投与用の組成物は、保存に便利で、使用直前に再水和できるように凍結乾燥される。非経口投与用のこれら組成物は、公知の殺菌方法で殺菌することができる。これら組成物は、pH調整および緩衝化、毒性調節などのための、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなどの、生理学的条件を適切なものにする、薬学的に許容される補助剤を含ませることができる。これら調剤におけるヒト型化免疫グロブリンの濃度は、広範に変化せしめることができる。すなわち、約0.5%未満から、通常は約1%、あるいは少なくとも1%から15もしくは20重量%までであり、選択された投与方法に従い、溶液体積、粘度などに基づいて決定される。
寄託に関する表示
本出願人は、本願出願日以前に、本明細書に記載した以下の抗体産生細胞系をECACCに寄託した。
HuVH/HuVKF C4(受託番号ECACC 93082019)
本明細書で引用した文献ならびに特許公報は、すべて参考文献として本明細書に採り入れた。また、本明細書の開示は、当業者が発明を実施するに十分な開示であると考える。実際のところ、分子生物学あるいは関連分野に属する当業者にとって自明な、本発明を実施するための前述した態様の様々な変更も、本願特許請求の範囲に包含されるものである。
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【図面の簡単な説明】
図1A〜Cは、マウスNM01 H鎖可変領域(VH)cDNAとその翻訳生成物のヌクレオチド配列であり、そのCDRs部分に囲いを付した。
図2A〜Cは、マウスカッパ鎖可変領域(VK)cDNAのヌクレオチド配列とそのアミノ酸配列であり、そのCDRs部分に囲いを付した。
図3は、ELISAによって決定された、様々な組換えNM01抗体による組換えgp120への結合性を示したグラフである。
図4Aは、マウスNM01 VH(MUVH)とそのヒト型化抗体(HUVH)のアミノ酸配列であり、また、図4Bは、マウスNM01VK(MUVK)とそのヒト型化VK(HUVK)のアミノ酸配列である。
図5Aは、ELISAによって決定された、MNウィルスの溶解物へのNM01抗体の結合性を示したグラフであり、また、図5Bは、ELISAによって決定された、MNウィルスの変異株へのNM01抗体の結合性を示したグラフである。
図6は、ELISAによって決定された、様々な抗体のHIV-1 MN gp120の312〜326残基に対応するループペプチドへの結合能力を示すグラフである。
図7は、様々なマウスNM01抗体による、標識したマウスNM01抗体の組換えgp120への結合をブロックする能力を示すグラフである。
図8は、逆転写酵素分析にて決定した、HIV-1 MN株に対するNM01抗体と組換え抗体(HuVH/HuVKF)による中和活性を示すグラフである。
図9は、逆転写酵素分析にて決定した、HIV-1 IIIB株に対するNM01抗体と組換え抗体(HuVH/HuVKF)による中和活性を示すグラフである。
図10は、p24分析にて決定した、HIV-1 MN株に対するNM01抗体と組換え抗体(HuVH/HuVKF)による中和活性を示すグラフである。
図11は、p24分析にて決定した、HIV-1 IIIB株に対するNM01抗体と様々な組換え抗体による中和活性を示すグラフである。
図12は、NM01抗体と様々な組換え抗体による、HIV-1 MN株に関するシンシチウム形成の阻害能力を示すグラフである。

Claims (6)

  1. ECACC 93082019の受託番号が付与された細胞によって産生され、かつHIV-1に対して特異的な反応性を有する、ことを特徴とするヒト型化モノクローナル抗体。
  2. 配列番号:8および配列番号:10に記載のヌクレオチド配列における相補性決定領域(CDR)を含むポリヌクレオチドによってコードされた請求項1に記載のヒト型化モノクローナル抗体。
  3. プロモーター配列と協働的に連結され、かつ請求項2に記載のヒト型化モノクローナル抗体をコードするポリヌクレオチドを含む、ことを特徴とする発現ベクター。
  4. 請求項3に記載の発現ベクターによって形質転換された宿主細胞。
  5. HuVH/HuVKF C4と命名され、かつECACC 93082019の受託番号が付与された請求項4に記載の宿主細胞。
  6. HIV-1に対して特異的な反応性を有するヒト型化モノクローナル抗体の製造方法であって、以下の工程、すなわち;
    (a)請求項4または5に記載の宿主細胞を培養し;および
    (b)当該宿主細胞および/またはその培養培地から当該ヒト型化モノクローナル抗体を単離する、
    工程を含む、ことを特徴とするHIV-1に対して特異的な反応性を有するヒト型化モノクローナル抗体の製造方法。
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